新宮市船町の尾﨑酒造株式会社(尾﨑征朗(いくろう)社長)の「本醸造太平洋」が、イタリアのミラノで6月20日に開催された酒品評会「ミラノ酒チャレンジ2022」(イタリア酒ソムリエ協会主催)の純米・本醸造部門の「利き酒部門」で、ダブル金賞を受賞したほか、「フードペアリング部門」でベストフードペアリング賞(トマトとモッツアレラのカプレーゼ)に選ばれた。
同品評会は、酒ソムリエ資格を持つ、イタリア人ワインソムリエ・バーテンダーなど酒と食の専門家がイタリア・ミラノで審査する日本酒コンテスト。日本酒の知識を広め、日本酒の素晴らしさをイタリア国内に伝える目的で2019年に第1回を開催。同社の「本醸造太平洋」は、その際にも本醸造部門で、最高賞であるプラチナ賞を受賞している。なお、新型コロナウイルス感染症の影響で品評会は2年連続で中止となっていた。
今品評会では、利き酒ティスティング部門62人、デザイン部門20人を合わせた総勢82人の審査員が、合計408銘柄を審査。純米大吟醸・大吟醸酒部門、純米吟醸・吟醸酒部門、純米酒・本醸造部門、スペシャル部門の四つのカテゴリーで行われた。
フードペアリング部門審査では、ワイングラスを使用し、トマトとモッツアレラのカプレーゼ、魚介のパスタ、ティラミスなど、イタリアを代表する食品や料理、デザートとともにブラインドテイスティングを実施。日本酒とイタリア食が持つ味の特性をお互いに引き出し合える、最適な組み合わせを判断した。
7月に入って受賞の知らせを受けた尾﨑社長(78)は「熊野の地酒が国際的なプロの料理人に認めてもらえた。和食にも洋風の料理にも合うことが証明された。ありがたいこと」と喜びの声。
「日本酒には日本の伝統の技術が結集されており、それが世界的に認められている。日本酒もワインと同様に食事とともに楽しむお酒。世界に通用するお酒として、今後より国際的になっていくのでは」と期待を込めた。
同社は熊野地方唯一かつ本州最南端の蔵元。熊野川の伏流水、地元産の米を使用するなど地元「熊野」にこだわった酒造りを続けている。
「本醸造太平洋」は「コクやキレ、丸みがありやや辛口」な口当たりが特徴。「全国燗酒コンテスト2021」お値打ちぬる燗部門最高金賞、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」で2017年、18年と2年連続最高金賞を受賞するなど、数々の栄冠に輝いている。720㍉㍑1100円、1・8㍑2100円(いずれも税別)で販売中。
(2022年7月30日付紙面より)
アジア・オセアニアフォーラム (和歌山県 )
日本を含めた18の国・地域の高校生が集う「世界との対話と協働:アジア・オセアニア高校生フォーラム」が25~27日、オンラインで開催された。新宮・東牟婁地方からは県立新宮高校と串本古座高校から計10人が参加。3日間のプログラムを通じて環境や食糧、教育といった世界共通の問題について意見を交わした。
和歌山県、県教委など主催。各地の高校生と交流する中で、グローバルな視野で物事を捉える力を養うとともに、国際社会で活躍できるリーダーの育成を図ることが目的。
本年度は日本の他、インドやシンガポール、韓国、中国、ブルネイ、ラオス、ミャンマー、モンゴル、トルコ、オーストラリアなどから計84人が参加。和歌山県内では14校から47人、県外は9校から10人が出席した。
プログラムは全て英語で行われ、高校生たちは▽津波・防災▽環境▽ダイバーシティー(多様性)▽教育▽食糧―の五つのセクションに分かれて自らの意見・提案などを発表した。
教育セクションでは、教育格差や教師の働き方、世界寺子屋運動、10代のデートDV予防、学校外も含むさまざまな学習体験を高等教育の単位として認める「単位銀行制」の導入など、多岐にわたる内容について議論。新宮高校の柿本優心さん(2年)らのグループは、世界には貧困によって初等教育を受けることができない人々がいることから、使途が明確で楽しんで参加できる募金活動の必要を伝えた。
ダイバーシティー・セクションに参加した中野祐一朗君(3年)は「ダイバーシティーという言葉の意味や具体的にどんな取り組みが必要かを発表した。海外の生徒が『受け入れる』という表現に、『抱きしめる』という意味の“embrace”を使っていて、自分もまねしてみるなど、いろんな発見がありました」と話していた。
(2022年7月30日付紙面より)
退任に伴い堀町長が贈呈 (那智勝浦町 )
国際交流員(CIR)として那智勝浦町で活動していたミャオミャオ・イェさん(27)が31日(日)をもって退任することから28日、役場町長室で感謝状の贈呈式があった。堀順一郎町長や瀧本雄之副町長らがこれまでの活動をねぎらうとともに、感謝を述べた。
中国浙江(せっこう)省出身で国籍はオーストラリアのイェさんは「語学指導等を行う外国青年招致事業(JETプログラム)」により来日。2020年12月から同町で任用され、観光案内所や町観光企画課で勤務していた。
飲食店のメニューやホームページなどの翻訳、町内の小学校訪問や町立図書館で実施した国際交流行事で、オーストラリアの紹介を行うなど尽力してきた。
金子恭之総務大臣から贈られた「JET絆大使任命状」を代読し、感謝状を手渡した堀町長は「新型コロナウイルスで外国人観光客が激減した中での勤務となった。その間のミャオミャオさんの業績は今後、海外からの観光が回復した際につながっていくと思う。また、子どもたちとの文化交流は、その子どもたちが大人になった際に国際的に活躍するきっかけになるかもしれない。本当にありがとうございました」と感謝を述べた。
任期は最長5年だが、更新は行わず退任を決意したイェさん。同町については「自然豊かで、人情に厚い町。子どもたちとも広く交流ができた。機会があれば今度は家族を連れて、一緒に来たい。本当に良い所でした」と振り返る。
今後については「しばらくは帰国して自宅で休みます。日本での経験を生かして、観光分野などで活躍したい。また、将来の夢は漫画を作って、本にできればうれしいです」と笑顔で語った。
(2022年7月30日付紙面より)
古座川ロードレース実行委 (古座川町 )
古座川町内で9月3日(土)、ジャパンサイクルリーグ(JCL)第7戦「古座川ロードレース」が開かれる。その運営を担う同レース実行委員会(須川陽介実行委員長)が今月27日に役場本庁で第1回会合を開いて概要を確認し、当日の通行規制に必要なボランティア確保と地域協力確立の必要性を申し合わせた。
同リーグは地域振興と競技振興を重ねこなして世界的評価を目指す競技会として、昨年3月に発足。プロチーム10組が参画し、全国各地で対戦を繰り広げている。その一競技地として名乗りを上げたのが同町で、信号がなく交通量も穏やかな町内環境を生かして誘致に成功。以降コース設定など段取りを進めて初実施を目指すさなかにある。
第7戦はJCLが競技主管、同実行委員会が大会運営をして主催。当日は道の駅一枚岩拠点で午前10時~午後2時に競技、その前後に拠点で開閉会など諸行事を実施する。競技コースは今津橋~下露峠~滝の拝~鶴川交差点経由の周回ルート(全長41・6㌔)を設定していて、選手は3周して順位を競う。
同実行委員会事務局によると、通行規制は選手集団の先頭通過30分前~後尾通過30分後の範囲を目安にかけるが詳細な時間が見通せないため、競技中全般で住民らに選手最優先の協力を求める状況を見据える。ボランティアには競技中のコース管理(選手の脇道への誤進入防止や通過時の安全確保など)や受付など、特別な知識がなくてもできる運営を優先して充てる方向で協力を求めるという。
第1回会合の実施に当たり西前啓市町長は、直面する諸課題を乗り越えての運営成功を期待。誘致の当事者・須川実行委員長は実施の経緯と実施にかける町域振興の思いを伝えて、実行委員の結束を固めた。
同実行委員会の事務局は、第7戦の翌日に選手誘導のツーリング体験会「ぐるっと古座川サイクリングフェス2022」を計画し、現在エントリーを受け付けている古座川町観光協会。感染予防対策(観戦制限など)は目下の情勢が不安定のため模索中という。問い合わせは同協会(電話0735・70・1275)まで。
(2022年7月30日付紙面より)
海の記念日で安全祈願など (新宮港振興会 )
新宮港内の企業などでつくる新宮港振興会(垣内宏会長)は20日、同港や黒潮公園で「海の記念日」に伴う事業を展開した。港湾関係企業や新宮市、県職員など関係者約60人が参加。清掃活動や避難訓練に取り組んだほか、安全祈願祭では海の安全や産業振興、新型コロナウイルス感染症の早期収束などを祈願した。
「海の記念日」(海の日、現在は7月第3月曜日)に合わせて毎年実施している恒例行事で、国土交通省認定の「みなとオアシス新宮」の重要な活動の一つとしても登録されている。
おととしと昨年は新型コロナウイルスの感染状況を鑑み中止に。約3年ぶりの開催となったこの日、港湾関係者らが黒潮公園に集い、猛暑の中清掃美化活動に汗を流した。
清掃終了間際には、港内に避難を呼びかけるアナウンスが流れ、震度5以上の地震が発生したとの想定の下、参加者らは海抜約10㍍の高台へ。有事の際の避難経路を再確認する機会とした。
訓練後には第3号公共岸壁に場所を移して安全祈願祭を斎行。熊野速玉大社の佐藤仁迪権禰宜(ごんねぎ)が祝詞を奏上した。
神事に先立ち田岡実千年市長があいさつ。同振興会や参加者に感謝を伝え、今年3月に逝去した小池㬎二(けんじ)・新宮港埠頭株式会社元代表取締役に敬意を示した。
近い将来に発生が予想されている東海、東南海、南海地震などに対して、訓練の積み重ねは意義深いものであると評価するとともに、港湾関係者の末永い安全と安心、発展を祈念した。
神事を終え、垣内会長は「美化活動や緑化活動に対するご理解、ご協力のおかげで、公園には多くの人々が癒やしを求めて訪れてくれている。今後も活動を続けていきたい」とさらなる協力を呼びかけ「安全祈願祭には新型コロナの収束などを願って多くの人が参列してくれた。私も一日も早い収束を祈願しました」と話していた。
(2022年7月22日付紙面より)
一般社団法人・大阪文学協会「大阪文学学校」の学生らは17、18の両日、熊野地方で夏季合宿を開催した。学生や学校関係者ら約40人が参加。名誉市民・佐藤春夫や中上健次のゆかりの場所を訪れ、文豪の息吹を感じる機会とした。
同学校は、詩人の故・小野十三郎氏を校長に1954年に創立。以来、68年にわたって多くの詩人や作家、評論家、芸術家などの参加や協力の下、暮らしの中に埋もれている文学(文章)表現への夢と、創作活動に関わる喜びを求め続けている。現在、37都道府県416人が在籍している。
夏季合宿は40年間にわたって続いている恒例行事。学生委員会が主体となって企画しており、近畿圏内を中心に毎年実施している。新型コロナウイルス感染症の影響で3年ぶりの開催となった今回は、「熊野三山総巡りと新宮」と題し、新宮市を中心とした文学ツアーを展開。
検温やバス車内の換気、車内での飲食やカラオケを禁止とするなどの感染対策を講じながら、2日間で熊野三山や市立佐藤春夫記念館、中上健次コーナーを配する市立図書館などを見学し知見を深めた。
宿泊地の「民宿ふじ」(同市三輪崎)では特別講義もあり、佐藤春夫記念館の辻本雄一館長が中上健次について講話。なお、中上は1978年7月に同学校で講演を行っている。
辻本館長は、今年は佐藤春夫生誕130年、中上健次没後30年の年であると紹介。年譜を基に同学校で講演を行った78年あたりが中上の重要な期間であったと述べ、「紀州サーガ」3部作のベースとなる実父との関わりや「熊野大学」発足に至る経緯、映画「火まつり」と小説「火まつり」制作秘話、自身との関わりなどについて話した。
同学校の小原政幸事務局長は「新宮市は神話の舞台という観点でも興味がある。佐藤春夫記念館を訪れ、やはり文学的にすごい人だと圧倒された。また、かつて中上健次が当学校で講演した時の講義録は残っているが、その詳細を知ることができて良かった。この文学ツアーを機に、若い人にも中上文学に目覚めてほしい」と話していた。
(2022年7月22日付紙面より)
串本町文化自主事業「辻本好美尺八コンサート串本町公演」が18日に文化センターであり、スタッフ含め約240人(主催者発表)が新型コロナウイルス対策を意識しつつ鑑賞に親しんだ。
同事業実行委員会(西野政和会長)と教育委員会(潮﨑伸彦教育長)が主催する、同センターの有効活用を目的として1994年から重ねている舞台芸術鑑賞企画。例年は年1回の頻度で実施しているが新型コロナ感染拡大以降は中止や計画自体がままならない状況が続き、今回は2019年1月に京都フィルハーモニー室内合奏団を招いて以来の実施となった。
今回は橋本市出身の尺八奏者・辻本さんの県内公演に連動する形で計画し、同対策として同センター大ホールの席数を半分の300席に抑えてチケットを販売。当日はマスク着用や入場前の検温、手指消毒など同対策への協力を条件として来場を受け付けた。
開会に当たり西野会長は「生の芸術に触れるこの事業をこれからも充実、発展させたい」と思いを掲げてあいさつ。辻本さんはパーカッショニスト・池田安友子さんやギタリスト・YUTAKAさんとユニットを組んで出演し、約2時間にわたり演奏を重ねた。
辻本さんは父であり尺八奏者の辻本公平さんに刺激を受けて高校時代から同じ道を歩み始め、2016年にメジャーデビュー。奏者としてはその前後で活動をしていて、国内外での公演やメディア出演などを通して幅広い世代にその響きを伝えている。今回の公演では尺八の楽曲のみならず他のジャンルの楽曲や自曲も奏でて、身近に尺八をアピールするなどした。
「直前の計画がコロナで中止を余儀なくされた経緯があり今回も実施が危ぶまれたが、情勢を見据えフル(600席)とはいかなかったがすることとした」と3年半ぶりの実施のいきさつを語る西野会長。「生の芸術に触れる機会が少ない地域性を踏まえ官民一体でこの事業に取り組んできた。人口減に伴う担い手の減少で運営は年々大変になっているが、串本が自慢できるモデル事業の一つとしてこれからも続けていきたい」と思うところを語った。
(2022年7月22日付紙面より)
東正寺で夏恒例の「ラジオ体操」 (紀宝町鵜殿 )
紀宝町鵜殿の醫王山(いおうざん)東正寺(とうしょうじ)(片野晴友住職)で21日早朝、毎夏恒例の「ラジオ体操」が始まった。夏休み中の子どもから大人まで町内外から約20人が境内に集まり、朝日を浴びながら気持ち良く体を動かした。
29年目を迎えた今年は8月31日(水)まで毎日、午前6時30分から開始する。
初日は早朝から夏の青空が広がり、毎年参加する小学生や中学生らも徒歩や自転車などで訪れた。出席表に名前を書いた後、ラジオ放送に合わせて体操をした。
片野住職は「町外の子どもも参加してくれている。期間中は無休を目指して開催します。誰でも気軽に参加してください。早起きして一緒に体操しましょう」と呼びかけている。
(2022年7月22日付紙面より)
野球・サッカー・柔道・ソフトテニス
高校野球三重大会
熊野川で七夕行事 (新宮市 )
熊野地方の各地で7日、七夕行事が行われた。天候にも恵まれ、願い事を書いた短冊をつるした笹飾りを手にした子どもたちや家族連れの姿でにぎわいを見せた。
新宮市の熊野速玉大社下河川敷では、感染症対策を講じた友人同士や家族連れが訪れ、「家族みんなが元気で暮らせますように」「ウクライナに日常が戻りますように」「アンパンマンになりたい」など、短冊に願い事を託した笹飾りを置き、「願いがかないますように」と手を合わせたりスマートフォンで写真を撮影したりする姿が見られた。
また、同所ではコロナ禍以降初めて露店商が出店。フランクフルトやかき氷、唐揚げ、くじ引きなどの露店に、多くの人が列を作っていた。
両親と3人で訪れた鈴木朝日(あさか)ちゃん(6)は「ふくいっぱいかえますように」と短冊に願いを託し「願いがかなうといいな。これからお父さんとお母さんに露店で何か買ってもらう」とはにかんだ。
七夕は盆行事の一つ。笹に短冊をつるす風習は江戸時代に広まった日本独自のもので、七夕の伝説に登場する織り姫にあやかり、裁縫や手習い事の上達を願うものだったという。
(2022年7月9日付紙面より)
新宮市人権尊重委員会が総会
新宮市人権尊重委員会(会長・田岡実千年市長)は7日、市役所別館で本年度総会を開いた。約45人が出席し、本年度事業計画など3議案を承認。役員互選では谷口幸生・王子ヶ浜小学校長と中岸基英・市女性人権推進協議会長(再任)を選任した。開会に先立ち、田岡市長は「今なお残る差別の厳しい現実を十分に認識し、あらゆる手立てによって市民一人一人の尊厳と人権が尊重された、誰もが元気で心豊かに暮らすまちを実現していきたい」と誓いを新たにした。
市人権尊重委員会は、市における部落差別をはじめとするあらゆる差別の解消を目指し、基本的人権を確立するための事業を推進。明るい平和な地域社会の建設を図ることを目的に設置された。市関係部課長や市議会議員、教育長、学校関係者、社会教育・人権啓発関係団体代表者などで構成される。
本年度は「新宮市部落差別をはじめあらゆる差別の撤廃に関する条例」の理念に基づき、市民一人一人の参加による人権尊重都市の確立、差別のない新宮市の実現に向け、あらゆる機会を捉えた啓発活動を展開していく。
事業では▽部落差別を人権問題の重要な柱として捉え、多種多様化する人権課題について正しい理解と認識を深める啓発活動の積極的な推進▽あらゆる差別をなくすため、関係機関などとの連携を図り、推進体制の充実に努め人権尊重の精神に則り、人権課題解決に向け取り組む▽「人権に関する市民意識アンケート」の調査結果の分析を基に、効果的な人権教育・啓発などを推進▽部落差別事件が連続して発生する状況、また新型コロナウイルス感染症による社会様式の変化を踏まえ、新たな啓発活動の在り方について調査・研究する―などを予定している。なお、昨年度は市内の企業や人権推進協議会、機関、団体で人権問題学習会や研修会などが開かれ、2000人以上が参加した。
議案審議後には研修もあり、市人権教育指導員の谷嗣弘さんが「性の多様性とパートナーシップ制度」をテーマに講話。
先進7カ国で同性婚を認めていないのは日本だけであるとし「パートナーに対する医療行為に『同意』できない」「葬儀に参列できない」「配偶者控除制度が適用されない」など、性的マイノリティー(少数者)が抱える悩みや問題を解説。
自治体が独自にLGBTQカップルに対して「結婚に相当する関係」とする証明書を発行し、さまざまなサービスや社会的配慮を受けやすくする「パートナーシップ制度」について「法的効力はないが、4月1日現在で209自治体が導入しており、人口カバー率は52・1%で今なお増加している。県内でも橋本市が今年10月より導入することが決まっている」などと制度の現状を紹介した。
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今年は、1922年には大正デモクラシー期の日本において、部落差別の地位向上と人間の尊厳の確立を目的に全国水平社が結成されてから100年となる。
100年前の創立大会では「人の世に熱あれ、人間に光あれ」と宣言が結ばれ、人間の尊厳と平等がうたわれた。
新宮市では「部落差別解消推進法」(部落差別の解消の推進に関する法律、2016年)に先立ち、15年に「市部落差別をはじめあらゆる差別の撤廃に関する条例」を制定。あらゆる差別をなくし市民全ての人権意識の高揚を図り、差別のない新宮市の実現を目指して各種取り組みが推進されているが、昨今においても部落差別事件など多くの人権問題が発生している。
(2022年7月9日付紙面より)
串本町立串本西中学校(平松聡校長、生徒31人)で7日に日本航空株式会社(JAL)のキャリア教育出前講座があり、全校生徒が自身の将来を考える一助を得た。
この講座は、発案者でもある同社業務企画職の丸島拓郎さんが希望する学校へ届けている学びの機会。前年度に招致した古座川町教育委員会から紹介を受けた串本町教育委員会が同町青少年育成町民会議(生熊和道会長)へ事業提案し、その承認を受けて町立中学校に参加を呼びかけたところ串本西中、潮岬中、串本中が希望し順次実施するに至ったという。
串本西中では来校した丸島さんと共にデジタルイノベーション推進部の三輪祥子さんがオンラインで登壇。丸島さんは学生時代の経験が働くことに生きることを伝えつつ将来を考えるきっかけをつくるためにこの講座をしていると生徒に趣旨を伝えて話を切り出した。
前半はJALグループが131社3万6000人規模の集まりであることの紹介で、丸島さんは多様な業務が互いを認め合いチームとして仕事をするからみんなが得意を発揮して頑張れる点を強調した。
後半は羽田空港で実現している非接触型発券環境のアイデアを出して社長表彰を受けた三輪さんがその成果を紹介。丸島さんはアイデアを出したのは三輪さんだがこれもチームで動いてこその形、と補足して個々の得意がチームとして動くときの力強さを印象づけた。
半ばと終盤で生徒の自由質問も受け付け。仕事でつらかったことを問われた三輪さんは海外の人と一緒に仕事をするときの英会話に苦労したと明かし、「人に喜んでもらえるなら」という思いで克服に頑張っていると仕事の本質を伝えるなどした。
講座を経て清野直人君(3年)は自分のしたいことを続けることで思いがけない仕事に就きやりがいも得られるという筋道が印象的だったとコメント。丸島さんは「大人になるって楽しそうと思ってもらえることが一番。そのために学生の間はまず、目の前のこと(=興味)に頑張ってほしい」と生徒の今後を期待した。
潮岬中は翌8日に参加。串本中は秋に参加予定という。
(2022年7月9日付紙面より)
9、10日、「勝浦展」開催
那智勝浦町教育センターで8日、近畿運輸局勝浦海事事務所、紀南海運協会、公益社団法人近畿海事広報協会、東牟婁地方美育協会が共催する「海と船の絵画コンクール」の審査会があった。9日(土)と10日(日)には、同所で3年ぶりとなる「勝浦展」を開催する。
海の恩恵に感謝するとともに、海洋国家日本の繁栄を願う日として制定された祝日「海の日」(7月18日)、および「海の月間」(7月1~31日)の協賛行事。
本年度は新宮・東牟婁地方の小学校から534点(特別支援51点含む)、中学校62点、合計596点の応募があった。水辺の生き物や海を泳ぐクジラ、マグロが並ぶ市場など、海と関わりの深い熊野地方の自然や文化をモチーフとした作品が寄せられ、特選120点が決定。各学年から1点が勝浦海事事務所長賞に輝いた。
審査に加わった勝浦海事事務所の中川洋所長は「絵を描いた子どもたちの姿を想像しながら審査した。海や船に注目し、興味を持っていただければうれしい。感染対策を取りつつ、ぜひお子さんたちの作品を見てほしい」と語る。
「勝浦展」の開場時間は9日午前9時~午後5時、10日午前9時~午後4時。30日(土)と31日(日)には、太地町立くじらの博物館で「くじら館展」も開催予定にしている。
(2022年7月9日付紙面より)