新しい年前に、煤払い式 (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で23日、年末恒例の「煤(すす)払い式」が営まれた。上野宮司や神職、同大社敬神婦人会(久保あや子代表)有志約15人が境内のほこりを落とし、新年を迎える準備を進めた。
煤払い式は神事の一つ。麻ひものたすきを巻いた神職が、長さ約5㍍のささ竹で各殿の壁面や屋根にたまったほこりを払い、拭き掃除を行った。婦人会はバケツや雑巾を手に、境内各所を水拭きした。
敬神婦人会の中山清己さんは「毎年、みんなで一生懸命にお手伝いさせていただいている。みんな健康で、良い年が迎えられるといいですね」と笑顔。
上野宮司は「敬神婦人会の方々にもご奉仕いただき、隅々まで掃除させていただいた。身が引き締まる思い。(煤払い式には)希望に満ちた年であってほしいと、心を込めて奉仕させていただく深い意味がある。初詣に来られた方にもすがすがしい気持ちでご参拝いただけると思ってます」と話していた。
初詣に当たっては、今年同様、約5、6㍍のさい銭箱を準備。拝殿手前に設置し、必要に応じて東門を開放するなどの新型コロナウイルス感染対策を講じるという。
31日(土)午後4時から大晦日大祓式(おおつごもりのおおはらいしき)、5時から除夜祭・神符遷霊祭(しんぷせんれいさい)を斎行。元日の午前0時、初太鼓開門をもって初詣客を迎える。
(2022年12月24日付紙面より)
商工祭「南の国の雪まつり」 (那智勝浦町 )
南紀くろしお商工会(森川起安会長)が事務局を務め、各種団体で構成される商工祭「南の国の雪まつり」実行委員会はこのほど、来年2月19日(日)に3年ぶりの第26回商工祭「南の国の雪まつり」を開催することを決定した。消毒や検温などの感染症対策を徹底し、催しを運営していくとしている。
雪まつりは消費者と団体、ふるさととのふれあいをテーマとし、町の商業の活性化や地域振興、ふるさとの再発見、第1次産業の発展への貢献、子どもたちの思い出づくりなどを目的に実施。例年多くの来場者でにぎわう人気の催しだ。
2020年は暖冬のため、雪の調達ができず、「雪のない雪まつり」として開催した。その後は新型コロナウイルス感染症の影響で2年間中止となっていた。
今年11月に第1回実行委員会を開き、委員に開催についての意見を求めたところ、「開催する前提で話を進めたほうがいい。周囲の感染が増加した際は中止すればいい」「前向きに検討してもらい、活性化につなげてほしい」「先進地の感染症対策などを参考にしながら、開催しては」などの声が上がった。
それらの意見を踏まえて検討を重ね、今月初旬に第2回実行委員会を開いた。実行委員からは「感染症対策が取れるなら子どもたちのために開催すべき」などの意見が出されこの日、正式に開催を決定した。
事務局によると、来年も子どもたちのために太地町と姉妹都市提携を結ぶ長野県白馬村から雪を運搬するとしている。
会場となる町役場周辺では朝市・バザーなどの地域物産販売、展示会、大感謝祭、ダンスを含む各種イベントも開催する運びとなっている。
また、感染状況によって変更の可能性があるが、例年通り、雪まつり前日から雪山を開放して子どもたちに楽しんでもらう予定だという。
イベントの詳細などは今後の実行委員会で決定していく方針だ。
実行委員長を務める森川会長は「3年ぶりの雪まつり。安心安全で、衛生管理の行き届いた運営に取り組んでいく。商業活性化や地域振興などはもちろん、雪山で遊ぶ子どもたちのはじけるような笑顔を期待したい」と話していた。
(2022年12月24日付紙面より)
有田神社えと絵馬かけ替え (串本町 )
串本町有田上にある有田神社(山本貞夫宮司)のえと絵馬が22日、来年のえと「卯(う)」にかけ替えられた。
迎春に華やかさを添える氏子の奉仕として23年来続く年末恒例のえと絵馬奉納。今年も制作者2代目・長谷川章総代(48)が祭具修繕の才覚を発揮して仕立てた。
絵馬の大きさは縦約90㌢、横約130㌢。ベニヤ板に絵馬の形の木枠を添えた造りで、朱に染まる太陽の前で仲むつまじく寄り添う白と茶のウサギを描き、ウサギの姿を模した「卯」の1字、込めた思いを象徴する「飛躍」の2字を年号や神社印とともに描き加えて仕上げた。
この日は仕事の都合で自らかけ替えができず、深美芳治前宮司に代わり着任した山本宮司(74)立ち会いの下で他の総代らが代行した。長谷川総代はコロナ禍や物価高でいろいろと弾みがつき難い昨今に思いを巡らせ、「このような時期だからこそ、卯にあやかり飛躍の1年になってほしい」と来年のえと絵馬に込めた思いを語っている。
同神社は例年、大みそか午後11時~元日午前1時に総代が授与所を設けて年の瀬の参拝を迎えているが、今年については28日(水)の迎春準備時に授与自体は行うが有人とするか無人とするかを決めるという。元日の歳旦祭は宮司交代に伴い午後1時30分へと時間を変更。技術継承を目的として来年1月6日(金)午前10時、3年ぶりに総代の奉仕でお的祭を営むとしていて目下お的の新調製作も進んでいる。
(2022年12月24日付紙面より)
かわりない会が恒例の催し (紀宝町 )
毎週月曜日に高齢者が集まる通所サービス「かわりない会」(牧戸光彦会長)は19日、紀宝町鵜殿の老人憩の家讃寿(さんじゅ)荘で毎年恒例のクリスマス会を開催した。
今年最後の集まりで、利用者、スタッフ合わせて25人がサンタの帽子をかぶり、一足早いクリスマス気分を味わった。
会場のツリーはスタッフが作り、来年の「うさぎ年」にちなみ「飛躍の年 いっしょにはねましょう」といった願い事も飾った。
サッカーワールドカップでアルゼンチンが優勝したことから、南アメリカの地図を見ながら各国の歴史や文化を学び、旅行気分を味わった。
紙芝居「サンタさんはおおいそがし」「かさじぞう」を楽しみ、全員でクリスマスケーキを食べた後、ベルの音色とともにサンタとトナカイが登場。利用者にプレゼントを手渡し、会場には笑顔の輪が広がった。
(2022年12月24日付紙面より)
2022少年サッカー新人戦
御坊市の市立体育館で18日、「きのくにロボットフェスティバル2022」(同実行委員会、和歌山県、県教委など主催)が開催され、前日17日に行われた全日本小中学生ロボット選手権予選会に新宮市の濱口裕大君(三輪崎小6)が出場。惜しくも本選出場はかなわなかったが、小学生部門で特別表彰を受けた。
同フェスティバルは、全日本小中学生ロボット選手権・きのくに高校生ロボットコンテストや、「高専ロボコン」招待チームのロボットや企業の最先端ロボットのデモンストレーションを総合的に実施する催し。
青少年のものづくりに対する理解を深め、日本のものづくりと科学技術の発展を目的として、毎年12月に御坊市で開催している。
県立新翔高校で行われたブロック予選を勝ち抜き、御坊市での予選会に挑んだ裕大君。小学生部門は「レッツ・フィッシング!」と題し、ロボットを使って魚に見立てた洗濯ばさみを陸エリアに釣り上げる内容で競技が進行。8リーグのトーナメント制で競われた。
裕大君のロボット「スクイード」は、全ての魚を釣り上げる「大漁」とはならなかったものの、磁石の力を利用して一気に魚を釣り上げるその姿はインパクトを与え「面白さや驚き、感動を伝えるパフォーマンスを披露したロボット」に贈られる「パフォーマンス大賞(川崎重工業賞)」を受賞するに至った。
賞を受け、裕大君は「(競技は)めっちゃ緊張した。思った通りの操縦ができなくて悔しかったけど(受賞は)うれしかった」と笑顔。「中学生になったら競技は難しくなると思うけど、できそうならまた挑戦したい」。
母の真理子さんは「本人にとってもいい経験になったと思う。競技で負けた時は悔し泣きをしていた。これからの人生に生かしてほしい」と裕大君をねぎらい「(同選手権は)面白い取り組みだと思う。当地域でももっと多くの人に興味を持ってもらい、ものづくりをする人が増えるきっかけにつながればいいですね」と話していた。
(2022年12月23日付紙面より)
神倉小で御燈祭りの伝統学ぶ (新宮市 )
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)で19日、「おとう祭りの持ち物ってなんだろう?」の授業があった。3年生58人が、市内で草鞋(わらじ)や荒縄を製作する堅田裕見子さんらから文化を継承していくことの大切さを学び、御燈祭(おとうまつ)りで使用する草鞋作りに挑戦した。
同校運営協議会(下岡輝子会長)による「ヤタガラス子ども未来プロジェクト」の一環。子どもたちにまちの歴史などを学んでもらおうと、協議会メンバーを中心に有志ボランティアが協力し、さまざまなふるさと学習を展開している。
児童らに御燈祭りの伝統などについて興味を持ってもらい、草鞋や松明(たいまつ)製作などの後継者育成に結び付けることを目的に行う恒例授業。なお、御燈祭りは新型コロナウイルス感染防止の観点から、昨年、今年は上(あ)がり子の参加を中止し、関係者のみで神事が執り行われている。
堅田さんは、稲刈り、米とわらを外す作業、わら打ちなど、草鞋製作に至るまでの工程を写真で紹介し「草鞋を作る人は年々減っています。みんなには、自分で作った草鞋を履いて御燈祭りに参加してほしい」と呼びかけ。
児童からは「手は痛くならないの?」「機械では作れないの?」などの質問があり、堅田さんは「手作りだから値打ちがある」「わらにはいろいろな人の苦労が詰まっています」などと話した。
堅田さんの説明後、宮川裕大さんが草鞋作りを実演。見学後、児童らは堅田さんや宮川さん、北原潤希さんらに教わりながら▽草鞋作り▽わらを編む▽草鞋を履く―に分かれて体験。「楽しかった。ありがとうございました」と感謝を伝えた。
体験後には、堅田さんが運営協議会有志らと手作りしたしめ縄リースを全員にプレゼント。しめ縄は今後、授業で児童らが飾り付けを行うという。
(2022年12月23日付紙面より)
中田、阪本さん招き平和学習 (井田小 )
紀宝町立井田小学校(竹本靖史校長)で15日、作家の中田重顕さん(80)、元有線放送アナウンサーの阪本浩子さん(80)を招いての平和学習会があり、5年生20人、6年生26人が、第2次世界大戦で苛烈を極めた沖縄戦の惨劇を学んだ。
講師の2人は熊野地方の中学校で長年、戦争の悲惨さ、平和の尊さを伝えており、中田さんは「君たちは、あと6年すれば選挙権がある。もう一度戦争する世の中にするのか、何より平和を大切にする国にするのか、君たちが決めるのです。しっかり歴史を学び、自分の頭で考える人になってください」と伝えた。
スライドに戦時中の写真を映し「戦争は人類が考え出した最悪の政策。いつでも弱い者を踏みにじっていく。最もひどい目に遭うのは子ども、お年寄り、障害者などである」と語った。
第2次世界大戦当時、学校も軍事訓練ばかりになり、沖縄では住民が戦闘に巻き込まれた。沖縄戦で戦った「第六二師団石部隊」は三重県の兵が中心で、熊野市出身者71人、御浜町出身者23人が戦死した。
中田さんは、10代の若者も多く戦死したことを伝え「戦争で怖いのは人の心が荒れ果てていくこと。戦争が始まってしまうと77年たった今でも悲しみ続ける人がたくさんいる」話し、阪本さんが軍国の母の物語、沖縄の女学生の手記などを朗読した。
(2022年12月23日付紙面より)
来年1月末までに空き家撤去 (那智勝浦町 )
空家等対策の推進に関する特別措置法(空家特措法)に基づき、那智勝浦町は20日、同町宇久井の住宅街にある特定空き家に対し、初の行政代執行を行った。この空き家は来年1月31日(火)までに撤去される。
空家特措法は、全国で増え続ける空き家の問題解消を目指して定められたもの。市町村が「特定空き家」を指定し、「助言指導」「勧告」「命令」の手順を経て、「行政代執行」に至る。
指定されれば固定資産税の優遇特例(6分の1に減免)も解除される。行政代執行の場合、解体費用は後に所有者に請求されることになる。
同町によると、2018年に国が実施した住宅土地統計調査では、同町の特定空き家含む空き家は2710件あり、空き家率はその年から5年前と比較して3%上昇しているという。
19年には同じ宇久井地区において、略式代執行を1件、昨年は大勝浦地区で2件の略式代執行を実施している。
今回の空き家は十数年にわたって居住の形跡はなく、建物がほぼ崩れ落ちて危険であることや空き家敷地内の木々・雑草が生い茂っているため、近隣住民からは不安の声も上がっていたと担当職員は話す。
町ではこれまでに「危険家屋につき通行注意」の看板や飛散防止のためにネットを設置。所有者に対して指導、勧告を行ってきたが、撤去はされなかった。8月30日に撤去の命令を行うも、期限である11月30日を越えても状況は変わらず、今回の行政代執行(強制解体)に至った。
解体は同町宇久井の庵野組が行い、費用は約100万円。撤去後は更地に整備され、土地の所有者(空き家所有者とは別)が管理する。
この日、町建設課の楠本定建設課長が▽空き家の倒壊などにより周辺に悪影響を及ぼしている▽特別措置法に基づき、損壊家屋の撤去▽ごみの廃棄処分の行政代執行を行う―などが記された行政代執行開始の宣言を読み上げた。今後は業者が撤去作業に入るとしている。
楠本課長は「町としても近隣住民の安心安全が最優先。空き家対策を行う中で今回のようなやむを得ない対応が出てくるケースもある。今後も町としては空き家問題に取り組んでいきたい」と語った。
(2022年12月23日付紙面より)
ふれスポ東牟婁・新宮グラウンドゴルフ大会
第20回くろしお剣道大会
新宮城跡で高所作業訓練 (新宮市消防本部 )
新宮市消防本部の職員らは21日、新宮城跡で石垣の清掃作業を実施した。作業は高所での活動を想定した訓練の一環として行われ、職員らは清掃活動を通して不測の事態に備える機会とした。
新宮城は1633(寛永10)年、紀州藩付家老水野氏により完成。建造物は1873(明治6)年の廃城令を受け、75(明治8)年までに取り壊されている。
市は1980(昭和55)年に新宮城跡を公有地化し都市公園として整備を開始した。2003(平成15)年には城郭跡が国史跡指定を受け、17(平成29)年には「続日本100名城」に選出されている。
「亀甲積」や「算木(さんぎ)積」「打込接(はぎ)」「切込接」「面取化粧石積」など、石垣の美しさと当時の技術の高さをうかがい知ることのできる新宮城跡。大阪城にも見られる天守台下帯曲輪の四つ連続の横矢掛け(屏風折れ)は、その防御力の高さを現在に伝えている。
新宮城跡での清掃を兼ねた訓練は今回が初で、高所における作業技術の確認や、高度な安全管理体制を構築することが目的。新宮城跡の魅力を、改めて広く発信する狙いもある。
訓練は14、15日にも行われ、最終日となったこの日は17人の職員らが屏風折れの約9㍍の石垣を中心に、天守台と本丸の石垣の清掃を展開。鎌などを手に、ロープやはしごを使って約3時間にわたり除草作業などに汗を流した。
訓練の様子を見守っていた堀切学署長は「消防本部では、あらゆる災害に対応するため、日々訓練を行い、不測の事態に備えている。今回、自身にとっても思い出深い新宮城跡で訓練を実施できる機会を頂いた。石垣の清掃作業を通して、観光などで新宮市を訪れてくれる人や、市民の皆さまへの新宮城跡の魅力発信につながれば幸いです」と話していた。
(2022年12月22日付紙面より)
鵜殿保育所、高台に移転 (紀宝町 )
紀宝町鵜殿の海抜14㍍の高台に新たな鵜殿保育所が完成し、21日、竣工(しゅんこう)式が行われた。西田健町長、町議会の向井健雅議長、市川潔・教育民生常任委員会委員長、鵜殿保育所の上地悠太・保護者会長、樫山早起カモシカクラブリーダー、町区長会の辰巳尚会長、町民生委員・児童委員協議会の西村喜久男会長がテープカットし、4歳児21人が「小さな世界」を歌って完成を祝った。
現園舎が津波浸水予測区域に位置することから高台に移転し、防災機能強化を図った。新園舎は、町生涯学習センターまなびの郷の西側に建設し、敷地面積は約4594平方㍍。建物は鉄骨造り平屋建てで延べ床面積は1211・51平方㍍。自力避難が困難な0歳児など乳幼児を含めた園児の安全を確保するため耐震構造とした。玄関などに3台の防犯カメラを配置、出入り口を1カ所にして施設をフェンスで囲うなど防犯面にも配慮した。
施設内は床や天井などに木をふんだんに使い、明るく開放感のある間取りとし、中央部に中庭を配置。温もりのある構造として整備した。
竣工式で西田町長が園児代表の西村侑翼君、濱浦来希ちゃんに記念品を贈呈。「多様化する保育ニーズに応えながら、児童が元気と笑顔にあふれ健やかに成長できる保育所として安全安心な子育て環境の充実に取り組んでいく。これまで以上に保護者や地域の方々にとって開かれた保育所として発展するよう努める」とあいさつ。設計・施工8業者に感謝状を贈った。
鵜殿保育所の下地水香所長は「次世代を担う子どもたちの健全な育成と地域の皆さまに親しまれるよう、地域に根差した保育所を目指し、さらなる保育所の充実、子育て支援の拡充に努めます」と謝辞を述べた。
園児たちは、来年1月4日(水)から新園舎に通うという。
(2022年12月22日付紙面より)
王子地区でクリスマス会 (新宮市 )
新宮市の王子地区福祉委員会(野尻和則委員長)は20日、同市王子町の王子会館でクリスマス会を開いた。福祉委員や地域住民らが参加し、クリスマスに向けた花の寄せ植えを楽しんだ。
クリスマス会は赤い羽根共同募金による「歳末たすけあい運動配分金助成事業」の助成金を活用。新型コロナウイルス感染防止として手指消毒や検温、換気に加え、3密を避けるため18、19日にも行われた。
冒頭で野尻委員長が「短い時間ではありますが、和気あいあいと過ごしてください」と呼びかけた後、参加者たちは寄せ植えに挑戦。
古川美穂副委員長のアドバイスを得ながら▽ウィルマ▽シロタエギク▽ビオラ▽アリッサム▽ジュリアン―の計5種類を手に取り、底石を敷いたプランターに花々をバランスよく配置してリボンなどの飾り付けをして完成させた。
参加した仲富美子さんは「近況報告などをしながら楽しい時間だった。クリスマスに合ったきれいな花を寄せ植えできて心が癒やされました」。
野尻委員長は「皆さんの笑顔が見られてよかったです。コロナ禍で外出が少なくなる中、交流ができるのは貴重なこと。今後も感染対策を施しながら、できる限り催しを開いていければ」と話していた。
(2022年12月22日付紙面より)
1万1798筆の署名届ける (那智勝浦町 )
那智勝浦町で性の多様性を祝福し、分かち合う催し「レインボーフェスタ」を開催しているレインボーフェスタ那智勝浦実行委員会の代表を務める丸山都さんら7人は20日、同町役場を訪問。自治体が性的少数者のカップルを公的に認めるパートナーシップ制度とファミリーシップ制度導入を求める署名を堀順一郎町長に届けた。思いが込められた署名は直筆1706筆、オンラインが1万92筆の計1万1798筆に上った。同町は来年年明けから導入したいと見解を示した。
パートナーシップ制度は、婚姻や親族関係の形成、相続、税金の控除などの法律上の効果は生じないが、各種行政サービスの適用拡大が行われるもの。
性的少数者のカップルが届け出た際に受理証明書などが交付され、ファミリーシップ制度では、二人のほかに子どもがいる場合も証明書が発行される。
和歌山県では橋本市が今年10月にパートナーシップ制度を導入。同町では加えて、ファミリーシップ制度導入も検討している。制定されれば県内初。また、制定には議会の議決は必要としない。
自身がトランスジェンダー(性自認と身体的な性が一致していない当事者)である丸山さんは幼い頃から自身の性に違和感があり、「男女の別」に苦悩してきた。
カミングアウト後、性の多様性を啓発するために地域や小中学校などでの講演や前述のレインボーフェスタを開催している。
署名は多くのメンバーの協力の下、対面型の直筆やインターネットの署名サイトによるオンラインによって集められた。町民による署名は合わせて866筆となった。
署名提出を受け、堀町長は「導入はお約束する。コロナ禍で少し遅れたが、たたき台も出来上がった。法的な効力はないが、導入する自治体が増えれば、法改正への後押しにもなる。今後も互いを尊重し合えるまちづくりを進めていきたい」。
丸山さんは「予想以上に多くの皆さまが賛同してくれた。制度がないために、制度のある都市部へ移住した方もいる。導入への希望の光が見えた。もっと勝浦が好きになりました」と語った。
町の制度導入への前向きな答えを聞き、メンバーからは祝福の拍手が起きた。制定後、宣誓証明書などの手続きは、役場住民課で対応するとしている。
(2022年12月22日付紙面より)