熊野スカラーシップでプレゼン (新宮市 )
高校生海外単独渡航奨学金「熊野スカラーシップ(奨学金)」のプレゼンテーションが22日、新宮市の県立新宮高校であり、新宮、近大新宮、熊野、田辺の四つの高校生8人がトルコ、カナダ、キューバなどへ行きたい思いを語った。発表後、海外経験豊富な審査員たちの質問に答え、全員の渡航が決まった。
若い時期に一人で海外を経験し、自ら考え行動する人間に育ってもらうことを目的にした返済不要の奨学金制度。渡航費の一部もしくは全額を支給する。採用条件は来年3月末までの間に10日間以上、渡航することで、帰国後、体験記を書き、報告会で発表する。
有志たちが実行委員会を組織し、ボランティアで運営。資金は寄付や前身の「熊野川翔学米」から引き継いでいて、これまで4人の高校生がアメリカ、タイ、シンガポールへ行き、本場のバスケットボールや日本語学校などを見学している。和歌山県教育委員会と和歌山県(東牟婁振興局)が後援。
起業家になる夢をかなえるために中国などを訪問したいと熱く語った近大新宮高校2年の仁井田拓巳君(16)は「世界の大きさを肌で感じたい。見ておかないといけないという義務感がある」などと訴えた。
審査員を務めた実行委員会の後呂孝哉事務局長(28)=新宮市=は「プレゼンはすごく斬新でした。僕たちにとっても学ぶことが多かったです」と話していた。
同委員会は寄付金を呼び掛けている。個人は一口1000円から、企業は一口1万円から。
問い合わせは同委員会(電話0735・29・7105/info@kumano-scholarship.com)まで。
(2018年4月24日付紙面より)
JR紀伊勝浦駅でお見送り
JR西日本の欧風列車「サロンカーなにわ」で世界遺産の熊野三山を巡るツアーが21、22の両日開催された。天候にも恵まれ、多くの乗客が熊野の旅を楽しんだ。JR紀伊勝浦駅では22日、平安衣装姿の女性や地元のマスコットキャラクターらがサロンカーをホームから見送った。
ツアーは熊野本宮大社創建2050年を記念して日本旅行、JR西日本、熊野本宮観光協会が実施した。列車は和歌山駅を発着点に、ヘッドマークに「八咫烏(やたがらす)」をあしらい、「サロンカーくまの」として運行した。21日は田辺市の闘雞(とうけい)神社、本宮大社を特別参拝。22日は新宮市の熊野速玉大社、那智勝浦町の熊野那智大社を巡った。
紀伊勝浦駅での見送りには同駅と新宮駅の職員、那智勝浦町観光協会、南紀勝浦温泉組合の職員らが参加。「なっちー」と「ヤタちゃん」が駅コンコースで記念撮影し、乗客を喜ばせた。
富山県富山市から夫婦で参加した杉木美喜雄さん(66)は「初めての熊野の旅を満喫しました。那智大社では御本殿の前まで入らせていただき感動しました」と喜んでいた。列車を見送った新宮駅の林正樹駅長は「列車での南紀への旅を盛り上げていきたい」と話していた。
(2018年4月24日付紙面より)
こどもの読書週間に弾み (串本町図書館 )
串本町図書館(岩谷悠史館長)は21日、館内でイベント「こどもの読書週間よみきかせ会」を開き、近くの学童保育所を利用する子どもや親子らに絵本と親しむ機会を提供した。
この週間は、子どもに読書の良さを伝える取り組みとして1959(昭和34)年、民間発起で始まった社会運動。現在は読書推進運動協議会の主唱により、4月23日から5月12日までの20日間を運動期間とし、趣旨に賛同する諸団体が全国各地でさまざまな取り組みで子どもの読書習慣を後押ししている。
今年の同運動は第60回の節目にあたり、「はじまるよ!本のカーニバル」をテーマに掲げて各地での読書啓もうを促している。運動期間に先だって開かれたこのイベントは、同館を拠点にして毎月第2土曜日午前10時から3歳児以上を対象にしたよみきかせ会を開いているグループ「ぶっくらぶ串本」の協力を得て計画。会員5人が集まった子どもの年齢層に合わせて選んだ絵本を読み聞かせ、こどもの日にちなみ新聞紙で作ったかぶとを紹介するなどして楽しませ、まもなく迎えるこどもの読書週間への関心に弾みをつけた。
同館は期間中、「おどる にほんご」と題した絵本展示コーナーを設けて子どもと本の出会いを後押しする。月末を含むゴールデンウイークは休館日が多く、期間中は4月24~27日と5月2、8~12日の計10日間、同コーナーを利用できる。開館時間は午前9時~午後5時15分で、普段は基本月曜と祝日、蔵書整理のため月末などが休館日となっている。問い合わせは同館(電話0735・62・4653)まで。
(2018年4月24日付紙面より)
フラワーツーリズム協が設置 (熊野川町 )
熊野川地域フラワーツーリズム推進協議会(下阪殖保会長)は22日、新宮市熊野川町の道の駅「瀞峡街道熊野川」付近と日足道路バイパス下に鯉(こい)のぼりを計約70匹設置した。2011年9月の紀伊半島大水害からの復興を願い、地元住民らが設置を始め7回目。下阪会長(71)は「子どもからお年寄りまでいっぱい来てくれればうれしいです」と来場を呼び掛けている。
鯉のぼりは水害後、熊野川行政局が新聞などで提供を呼び掛け、県内各地から集まったものを使用している。熊野スギの間伐材で作った高さ約12㍍のポール11本を設置し、会員16人が取り付けた。5月13日(日)まで設置している。
下阪さんは「少しでも地域に元気になってもらえればと思い続けています。鯉のぼりが傷んできているので、使っていないものがあれば熊野川行政局に連絡してほしい」と話した。
(2018年4月24日付紙面より)
春季近畿地区高校野球大会県予選
第55回中学校野球紀南大会郡予選
急増する外国人観光客に対応 (空き家を有効活用 )
近年急増している外国人観光客の多様な宿泊ニーズへの対応や、少子高齢化で増加している空き家の有効活用の観点から、民泊への期待が高まっている。熊野地方でも民泊施設が増えていて、春の観光シーズンは熊野古道を歩く外国人など、どこも予約で埋まっている。
民宿を含む簡易宿泊所の許可を出している新宮保健所によると管内(新宮市、那智勝浦町、太地町、北山村)の施設数は1日現在39件で前年より5件増。古い民宿などが廃業する一方で、民泊が増えているという。
現在民泊を始めている施設のほとんどが、世界各国の宿泊施設を紹介しているAirbnb(エアビーアンドビー)に登録している。19日現在、登録数は新宮市で8件、那智勝浦町で約10件となっている。
2年前に千葉県から新宮市熊野川町西敷屋に移住した内山清市さん(41)は昨年5月から古民家を自ら改修し、民泊を始めた。当初は月2~3人だったが、口コミで人気が広がり3~5月はほぼ予約で埋まっている。宿泊者の8割は外国人で、3泊、4泊と長期滞在する人が多い。熊野本宮大社からの客がほとんどで、車で往復約1時間かけて送迎している。
「観光地から遠い場所なので最初はそんなにお客が来ないと思っていましたが、1年でびっくりするくらい増えました。こんな山奥でも泊まりに来るのですから、民泊はこれからもっと増えていくのでは」。
内山さん宅は素泊まり4000円、朝晩食事付き7000円。外国人の食事はベジタリアン向けにしている。ヤギ、イヌ、ニワトリを飼育していて「皆さん、この生活スタイルや山や川などの自然を喜んで帰ってくれています」。
那智勝浦町天満の自宅で昨年11月から民泊を始めた丸山都さん(28)は「最初は手探り状態でしたが、3~5月は予約でほぼ埋まりました。外国人客が9割以上で、今では日本語より英語の方が話しています。もっとたくさんの人が安く泊まれる施設をつくりたいと場所を探しています」。
丸山さんの民泊に協力している後呂孝哉さん(28)=新宮市=は「使い道に困っている空き家をもっと民泊施設に変えていければ。民泊をすると全世界に友人がつくれます。家にいながらにして世界を旅しているような気持ちになれます」と話していた。
(2018年4月21日付紙面より)
管内のダイビング事業者ら (串本警察署 )
串本警察署管内海域等レジャー事業安全対策連絡協議会(中西健二会長)の本年度総会が19日、同署内であった。併せて救命講習会にも取り組み、会員らがいよいよ本格化するマリンレジャーシーズンを前に気持ちを引き締める機会にした。
この協議会は、安全で快適なマリンレジャーの確立を目的として、管内のダイビングショップなどの事業所で平成8年2月、結成された。同署地域課内に事務局を置き、現在は26事業所の代表者らが会員となり目的の達成に努めている。
総会冒頭、中西会長は水上安全法講習会の実施や水の事故防止広報活動、交通事故防止広報への協賛など諸事業で着実な成果を上げている点を挙げ、会員の努力に感謝。「本年度も安全で快適なマリンレジャーの提供のため諸事業を進める」とあいさつした。同署の中弥泰典署長は昨年の県内における水の事故は37件で死者14人、同署管内では6件で死者2人と報告。「警察としては、皆さまの協力をいただき各種事件事故の防止に努め、安全で安心してマリンレジャーなどを楽しめる地域の実現を目指す」と思いを掲げ、引き続きレジャー客のマナー、安全、防犯の各意識高揚を向上するきめ細やかな活動を求めるなどした。
議案審議後は公益財団法人和歌山県水上安全協会職員から昨年中の水難事故発生状況や特色などの詳細報告、串本町消防本部職員から安全対策の紹介を受け、事業者に求められている安全対策について考えを巡らせた。
救命講習会では同本部職員3人を講師に迎え、会員22人と署員4人が参加。心肺蘇生法と自動体外式除細動器(AED)使用の要領を教わり、訓練用人形などを使って実践練習に励んだ。
併せてAEDの使用において疑問に感じる事柄について指導救命士と話し合い、▽メーカーごとの操作の差異▽着衣に金属類が付いている時の対処方法▽船上でのAED使用は適切か(早いほど助かる確率が高いという観点から)▽年少者への対処方法▽電極を貼る位置の意味―など、事業者視点の局面想定における適切な対処を時間の許す限り確かめるなどした。
(2018年4月21日付紙面より)
大狗子・小狗子峠で古道守る会
那智勝浦町のボランティア団体「なちかつ古道を守る会」(太田耕二代表)は19日、熊野古道大辺路の一部、大狗子峠と小狗子峠入り口付近の清掃活動に取り組んだ。
この区間は白菊の浜と呼ばれる狗子の浦に面しており、同会が定期的に保全活動に取り組んでいる。会員12人が朝から草を刈り、空き缶などのごみを拾い集めた。
太田代表は作業開始前に「この区間はもっと手を入れる必要がある。草の中にごみがたくさんあるのでゴールデンウイーク前にきれいにしましょう」と呼び掛けた。
周辺の海辺はサーフィンを楽しむ人たちが多い。会員の一人は「サーファーの中には清掃活動をするグループもあるが、一つでもごみがあると次々に増えていく。草をきれいに刈るとしばらくは保てますね」と話していた。
(2018年4月21日付紙面より)