総計審が基本計画案を答申 (新宮市 )
新宮市総合計画審議会(会長・足立基浩和歌山大学経済学部教授、20人)は21日、目指すべき都市像を「人とまちが輝き、『未来』へつなぐまち 新宮市」とする基本計画案を田岡実千年市長に答申した。田岡市長は「皆さんが新宮市の今後10年間を真剣に考え、議論していただいたことをひしひしと感じました。この計画を一つ一つ実現し、市民の誰もが元気で心豊かに暮らせるまちを作っていきたいと思います」と感謝した。
答申に参加したのは足立会長、勢古啓子副会長、関康之委員、筒井三輝朗委員、仲富美子委員の5人。答申書を渡した足立会長は▽従来の考え方にとらわれず柔軟な発想で計画を履行する▽適正なPDCAサイクルを構築する▽計画内容を分かりやすく市民に広報する―の3点を留意点として付け加えた。
答申後の意見交換では委員たちから「熊野人として新しいものをどんどん取り入れてほしい」「市外で暮らしている新宮市出身者が定年後、ふるさとに帰ってくる仕組みを作ってほしい」などの声があった。
田岡市長は「人口減少など課題は山積していますが、官民の協働で乗り越え、よその見本になるまちにしたいと思います」と決意を述べた。
来年度から10年間の第2次総合計画は、まちづくりの最上位計画。「基本構想」(長期10年)、「基本計画」(中期5年)、「実施計画」(短期3年)で構成される。委員たちは昨年4月から10回審議して基本構想案と基本計画案を答申した。
(2018年2月23日付紙面より)
三輪崎小学校でふるさと学習 (新宮市 )
新宮市立三輪崎小学校(芝﨑勝善校長)で19日、ふるさと学習があった。三輪崎郷土芸能保存会の濱口仁史会長が3年生60人に三輪崎八幡神社例大祭や同会が継承する鯨踊りと獅子舞などについて話した。
社会科の授業の一環で毎年濱口会長を招いて開いている。濱口会長は祭りや獅子舞の意味、踊りの由来を説明した。練習から当日の奉納行事、神輿(みこし)や山車が地域を回る様子などをビデオ教材で紹介。「ぜひ今年の9月の祭りを見て、参加してほしい」と呼び掛けた。
子どもたちが実際に獅子頭に触れる一幕もあった。クジラや鯨踊りの「ヨイハ」の掛け声、法被の意味などに関する質問があり、濱口会長は、クジラは貴重な資源であったことや昔から伝わっている掛け声であることなどを丁寧に答えた。
(2018年2月23日付紙面より)
那智勝浦町の宇久井稲荷神社春の例大祭が25日(日)に営まれる。大漁や安全操業、地区の繁栄を祈願し、厄払いも行う春の祭礼。獅子舞を奉納する宇久井青年会(柴原寬会長)では22日に練習を終え、大祭本番に向けて、士気を高めている。
宇久井保育所近くの青年会館で練習を始めたのは今月1日から。昨年9月の秋の祭礼で東奏毅君(4)=てんぐ、畑葵衣ちゃん(6)=扇=の両宇久井保育園児がデビューした。練習始めでは、2人とも約5カ月のブランクを感じさせなかったという。途中でテンポが速くなるところが面白いという奏毅君。舞が好きで所作を覚えていたという葵衣ちゃん。練習では「チャッ、チャッ」と軽快なササラの音や、笛の音色が流れる。周囲は「子どもたちは覚えも早いし、大丈夫。本番では緊張するだろう。練習通りにできるかだけが心配」と活躍を信じている。
祭礼は毎年、旧暦の1月16日ごろに営まれてきた。かつて村人を困らせる大蛇を白狐(きつね)が退治したという言い伝えが地区に残り、書上げ帳によれば文化5年(1808年)から、漁民が稲荷を祭って安全操業など祈願してきたという。練習は22日に終え、23日(金)に宵宮。24日(土)には獅子が町内を巡る「地下まわし」があり、25日の大祭当日は午前10時から神事、午後1時から獅子舞が奉納される。終わり次第、豪華景品が当たる福引があり、最後は餅まきで締めくくる。柴原会長は「みんなで地区のお祭りを盛り上げ、繁栄と安泰を祈念しましょう」と呼び掛けている。
青年会では過去の祭礼での舞奉納の様子を映像で保存している。当日、希望者に昨年秋の祭礼を記録したDVDの注文も受け付ける。扇の舞とてんぐの舞を5年間も担ってきた河野倭士君と湊谷尚三君も熊野那智大社御創建1700年の記念奉納で登場する記録で、1枚1000円。売り上げは青年会の活動資金として活用する。
(2018年2月23日付紙面より)
JR古座駅でジオラマ公開 (熊野灘捕鯨文化継承協 )
串本町西向にあるJR古座駅舎(古座観光協会内)で22日、河内祭の御舟行事=国指定重要無形民俗文化財=の様子を再現したジオラマの公開が始まった。
このジオラマは、熊野灘捕鯨文化継承協議会(会長・山西毅治県商工観光労働部長)が同遺産構成文化財である御舟行事を周知するため平成28年度に着想し、2年越しで作成した。大きさは幅2㍍、奥行き1・2㍍あり、台座で約80㌢の高さに据えてケース越しに見ることができる。
現在は御舟、櫂(かい)伝馬とも各2隻での奉仕になっているが、ジオラマは伝統に基づき御舟3隻の渡御を再現。櫂伝馬も3隻そろっている。曼荼羅(まんだら)風に神体・河内様(こおったま)前の河原には神事や獅子舞奉納、ショウロウの座や古座、古田、高池下部、月野瀬の各座(宇津木のみ向かい側の対岸に座がある)があることも表現しているほか、当船や古座青年会と芳流館互盟社の各獅子伝馬、随行の屋形船やカメラなどを構えて祭りを拝観する人々も含まれ、祭り全体の動きを伝える構成になっている。
公開開始時点でジオラマのみ先行展示となっていて、年度内に解説パネルを追加し完成となる。同協議会事務局は「28年度から準備を進め、2年越しで実現にこぎつけた。駅舎に設置するのは、駅が地域のウオークルートとして比較的利用されやすく、その分より多くの人々に構成文化財を伝えやすい点が主な理由。このジオラマに続く取り組みとして現在、JR太地駅に勢子船の縮小復元模型を置く構想などを練っている」という。
同協会内にあるため、見学できる時間は基本午前9時~午後5時となる。その間は随時見学できるほか、同協会スタッフを交えて解説も受けられる。
(2018年2月23日付紙面より)
新宮市議会の教育民生委員会(東原伸也委員長、9人)が19日、市役所であり、熊野学やクリーンセンターの建て替えなどについて質問があった。
辻本宏委員は、東京で10年間続いていた熊野学フォーラムが昨年度で終了するなど熊野学に対する取り組みが弱くなっているのではないかと指摘し、熊野に詳しい大学教授などを中心に据えて強化していくべきではないかと訴えた。楠本秀一教育長は「新宮にとって熊野学は切っても切れない重要な柱ですので、連携しながら継続してやっていく」と述べた。
辻本委員は「熊野学はジャンルが広いので全部できるわけがない。どれかにスポットあてて取り組むべき」と提案。小中学生に対する地域の歴史教育の促進も訴えた。
北村奈七海委員は、予算の関係で建設を見送った熊野学センター内に入れる予定だった文化財収蔵庫は今後どう対応するつもりかと質問。須﨑誠久・文化振興課長は「空いている公共施設も探しているが、方向性は決まっていない」と述べた。
大石元則委員は、文化複合施設建設のため市民会館を解体した影響で、市内の各会館の使用頻度が上がっていると指摘し、三輪崎会館などの補修を求めた。岩﨑誠剛・生活環境課長は「管理人、区長と連携を取りながら改善していきたい」と回答した。
杉原弘規委員からクリーンセンターの建て替え時期について質問があった。2002年から稼働しているセンターは周辺の市外を含む4地域の住民と20年の協定を結んでいて、2022年に期限を迎える。施設は補修しながら使用しているが、耐用年数は50年となっている。
岡雅弘・市民生活部長は、協定を更新するか否かなど、今後の方針はまだ決まっていないとし、「議員の皆さまとも相談しながら進めていきたい」と述べた。
(2018年2月21日付紙面より)
事始め「祈年祭」 (熊野那智大社 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で17日、春の初めに、その年の五穀豊穣(ほうじょう)と国家国民の繁栄を祈る祈年祭が営まれた。同大社に穀物を納める献穀講、責任役員らが参列して祈願した。
本社殿では午前9時から神事が行われ、男成宮司が祝詞を奏上。みこが神楽「浦安の舞」を奉納した。同10時には別宮「飛瀧神社」でも厳粛な神事があった。
この祭りは「としごいのまつり」ともいい、11月には収穫を祝う新嘗祭(にいなめさい)が営まれる。毎年2月17日に全国の神社で行われている。男成宮司は「昨年は全国的に寒さが厳しく、雪が多くありましたが、南紀は温暖な気候。自然の恵みに感謝し、穏やかで実りある一年を祈念いたします」と話した。
(2018年2月21日付紙面より)
新宮市阿須賀の阿須賀神社(西俊行宮司)境内にある阿須賀稲荷(いなり)で19日、例大祭が営まれた。二の午の厄払い神事や餅まきがあり、境内は大勢の地域住民らでにぎわった。
神事には上平惺氏子総代会長(82)ら同神社役員を含め約25人が参列。西宮司が祝詞奏上などの神事を厳かに営んだ。神事の後、太鼓の音とともに5俵分(約300㌔)の餅がトラックの荷台などから一斉にまかれ、拝殿前の玉砂利の上に早くから敷物を並べて待っていた住民たちは「こっち、こっち」と大きな声を上げながら懸命に拾っていた。
同社の稲荷神社は市内で最も古いとされていて、十津川村の玉置神社に勧請(かんじょう)されている。餅をまいた上平会長は「無事に終わって良かったです。餅まきは毎年地域の皆さんに楽しみにしてもらっています。祭りに協力してくれた氏子たちに感謝します」と話していた。
(2018年2月21日付紙面より)
串本町立4小学校集いEE
串本町立橋杭小学校体育館で16日、第6回イングリッシュエキスポ(EE)があり、4校の5、6年生がミニゲームを交えた英会話に挑戦し関心と意欲を高め合った。
この活動は、進学後に本格化する英語学習に弾みをつけるため、外国語指導助手(ALT)が立案。小規模校を対象にし、普段よりも大きな集団の中でコミュニケーション手段としての英会話を実感し、もっと英語を学びたいという意欲を高める狙いで年次実施している。
本年度は橋杭小、大島小、出雲小、古座小の5、6年生が参加。学校問わず七つのグループに分かれ、名刺交換をしながら自己紹介や相手の興味を質問し合い、英会話で友情の輪を広げた。
自然体で英会話を使う工夫として、今回も各学校がそれぞれ、英語にちなんだミニゲームを準備。各グループに含まれるミニゲーム発表校の児童がリーダーとなり、▽アルファベットかるた(出雲)▽英語であっちむいてほい(大島)▽暗号を集めろ(=カードトレーディング)(橋杭)▽英単語で神経衰弱(古座)―などに挑戦した。
ALTのホ・トラクさんとデイビッド・フィレモンさんは児童の主体性を尊重し、一歩下がって活動を見守り、時折様子をうかがって後押し。終盤では五つ目のミニゲームとして陣取りゲームを発表し、八つ目のグループとして教職員も加わって楽しんだ。
交流のほか、海上にはメッセージボードが掲げられ、参加した児童は付箋紙に目標を書いて貼り付けて今回の活動意欲を高めた。第6回の実施にあたり、同町教育委員会の堀靖典社会指導主事はこの活動の目的として①英語に興味を持つ②学校ごとに英会話を学ぶ仲間と仲良くなる③目いっぱい英会話を使う―を児童に呼び掛け、積極的な英会話への挑戦を促した。
(2018年2月21日付紙面より)
もみじ会2月月例杯
紀南柔道大会で地元勢が健闘 (熊野市 )