避難所運営ゲームで学ぶ (新宮市熊野川町 )
国土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所による防災授業「避難所運営ゲーム等を通じて水害時の行動を考えよう!」が25日、新宮市立熊野川中学校であった。全校生徒25人のほか、地域住民団体のチームくまのがわの15人などが参加。生徒と地域住民が意見を交わし、避難所運営を考えた。
同事務所や流域市町村などで構成する熊野川減災協議会が、防災授業を行うことを決めており、同校はそのモデル校に指定。2017年度から実施し、5回目を数える。またチームくまのがわは、和歌山県が開発した「きいちゃんの災害避難ゲーム」を使った避難所運営訓練を何度も行っており、有効性を認識し、生徒にも学んでほしいと考えていた。この思いが通じ、防災授業の中で行われることになった。
ゲームは、生徒や教職員、チームくまのがわのメンバーが混成の、7人程度の6班に分かれて行われた。内容は、災害の1日目、2~3日目、4日目~1週間後を想定。さらに▽避難所名簿を作る▽高齢者の生活スペース確保▽感染疑いのある避難者が来所―などのテーマに分かれており、日数とテーマが班ごとで振り分けられた。
各班では、与えられたテーマについて、意見を付箋に書いて模造紙に貼り、可視化する作業が行われた。「避難所名簿を作る」のテーマでは▽住所▽名前▽年齢―など、名簿に必要と思われる情報を提示。さらに▽血液型▽言語―なども必要との考えが示された。続いて必須と補足の情報の分別について、生徒と地域住民が考えを伝え合った。
班ごとでの発表も行われ、その後に同事務所より模範解答が示された。参加者は協議した内容に加え、最良とされる判断や行動について、さらに知識を深めていた。
3年生の内山心巴(ここは)さんは「災害が起こったときにやるべきことがあまり分かっていなかったが、手順やどう行動すべきかが分かって良かった。自分では気付かなかった意見もたくさんあって参考になった。いざというときに生かせたら」と感想。
チームくまのがわの下阪殖保さんは「子どもらもはっきりとした意見があり、すごく意外なものもあった。みんな高齢者に優しい考えを持っていることが分かった。いざというときに役立ってくれると思う」と話した。
なお、これらに先立ち、同事務所の職員による、水害についての講話もあった。熊野川町の水害や土砂災害のハザードマップも示されるなど、現地に即した内容が語られた。
(2023年2月28日付紙面より)
色川クラフトビールプロジェクト (那智勝浦町 )
色川の農産品と水を用いてビール造りに取り組んできた色川クラフトビールプロジェクトは19日、那智勝浦町の小阪集会所で「色川のこれからを語り合う会~みんなが(で)地域を“ちょっとだけ”豊かに!!~」を開催した。メンバーや関係者、地域住民に加え、オンラインによる参加もあった。昨年10月に第4ロットの配布が終了し、一区切りを迎えた同プロジェクトの報告や地域の今後について語り合った。
同プロジェクトは「色川地ビールを育てる会」の会長を務める同町小阪区の峯茂喜さんと、共同代表の和歌山大学の藤本多敬(かずひろ)さんらによって2021年4月に発足された。
色川地域の水(那智の滝の源流の水)と特産物を用いた地ビールを造ろうと、地域おこしのために「色川地ビールを育てる会」を組織した。
酒税法の関係から販売ができないため、非営利の育てる会で経費を会員が負担し、完成したビールを楽しむ仕組みとした。醸造は和歌山市などの醸造所で行われ、第1~4までの各ロットとも好評を博したという。
藤本さんが同プロジェクトについて、地域資源を生かしたビールや色川を知ってもらい、地域と交流するきっかけを提供することで、色川を好きな人の増加や地域の関係人口構築、持続的な地域活性化の効果を目指したと説明した。
活動規模拡大のために、交流サイト(SNS)やメディアなどで情報を発信し、口コミでさらに拡大していったとした。結果、4回ビールを造り、全国の300人以上を色川地域とつなげてきたと述べた。
実現ができなかった点や課題として「善意のボランティアのため、運営メンバーの非持続性」「自家醸造ができず、在庫保管用冷蔵庫がない」「赤字運営」「会員制による負荷のかかる運営」などを挙げた。
地元に醸造所の設立や酒販免許を取得し販売ができれば、持続の可能性はあると主張。それには、主体となる人の存在が必要不可欠と付け加えた。
メンバーや関係者によるトークでは、プロジェクトについて「色川の空気や人に魅力を感じた」「地域やプロジェクトで学んだことを生かしたい」との声が上がった。
今後の地域について住民からは「外だけでなく中への視点も必要」「関係人口を増やすことは大事だが、この土地で暮らしていく人が増えないと問題は解決しない」「負担なくやれ、楽しいと思うボランティアが重要」などの意見が出された。
催しを終え、藤本さんは「この日を迎えられたのは皆さまのおかげ。プロジェクトは今後『ビール以外で、こんなものでもやってみたい』という方々のプラットフォームになれば良い。これからも色川に関わっていきたいです」。
峯さんは「プロジェクトは地域にとって良い刺激になってもらえたのでは。若い人が新しい動きをしてくれるはず。この地域では人のつながりやネットワークが重要になる。事業者の方の参入が、このプロジェクトの継続や拡大につながる」と語った。
なお、3~4月には、プロジェクトの詳細や結果をまとめた冊子型の報告書が完成する予定。
(2023年2月28日付紙面より)
ボラセン設置訓練に120人 (新宮市 )
新宮市社会福祉協議会(濵前泰弘会長)は25日、市福祉センターなどで災害ボランティアセンター(VC)設置・運営訓練を実施した。地域住民ら120人超が、ボランティアの受け入れやマッチングの仕組み、支援時の心得などを学び、防災意識を高めた。
災害VCとは、大きな災害が発生した際に、被災者の困り事を把握し、ボランティアとのマッチングを行う組織。2011年の紀伊半島大水害時にも住民生活の復旧を支援した。
市社協の濵前会長は訓練の目的について「センターの機能を知っていただき、災害発生時に互いに助け合えるようにすることで、災害に強い地域づくりを行うこと」と説明。「トルコ・シリア地震で多くの方が犠牲になったが、日本でもいつそのような災害が起こるか分からない」と防災意識向上を促した。
訓練は、数日前に紀伊半島沖で起こった巨大地震により、千穂第二地区で家屋倒壊・津波浸水被害が発生したことを想定。参加者は受付でのボランティア登録や保険加入を済ませ▽被災者の人権を尊重する▽室内では靴を脱ぐか土足か確認する▽ごみかどうかは自己判断せず依頼者に確認する―といった留意事項を学習。ごみ袋や軍手などの資機材を調達後、実際にグループで指定された場所へ向かい、地域清掃をした。運転代行南紀も訓練に協力し、現地まで参加者を送迎した。
新宮市婦人団体連絡協議会のメンバーは屋外でアルファ米のおこわや備蓄用シチューの炊き出しを行い、参加者に振る舞った。山口商会による防災グッズの展示もあった。
活動の振り返りでは「被害後には町の様子も変わっていることが予想され、運転代行業者の支援があるのは心強い」「ボランティアと一目で分かるよう、名札を赤字にする方がいい」などの意見があった。
和歌山県社会福祉協議会の南出考さんは「ボランティアの方々の気持ちを整えて現場に送り出すのが災害VCの役目。『いってらっしゃい』『気を付けて』といった声かけによる雰囲気づくりも重要」と講評した。
この日は近畿大学附属新宮高校の生徒有志約20人も訓練に協力し、山本みうさん(高2)は「自分の命が一番大切だからこそ、無理な作業はきちんと断るよう言われたことが印象的だった。貴重な経験になった」と話していた。
(2023年2月28日付紙面より)
第12回新宮市伝統芸能大会
新宮市と市伝統芸能大会実行委員会は26日、同市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で伝統芸能大会を開いた。9団体が出演して詩吟や日本舞踊、和太鼓など26演目を披露し、約400人の来場者を魅了した。
新型コロナウイルスの感染状況などを注視する中、今年1月末の実行委員会で開催を決定し今回で12回目を迎えた。
開催に当たり、田岡実千年市長が参加団体や関係者の協力に感謝を伝え「各団体の皆さんの稽古の成果を見てもらい、心豊かなひとときを過ごしていただきたいと思います」とあいさつした。
大会は西川流友千恵会の日本舞踊「新しき年の始め」でスタート。続いて哲泉流紀州支部連合の「江南の春」や正派若柳流美栄の会の「紀州女船」、藤紀和会の「下町育ち」、関西吟詩文化協会華城会の詩吟など、稽古を重ねた得意の演目で舞台を盛り上げた。
最後は、熊野曼荼羅(まんだら)太鼓が迫力ある力強い和太鼓演奏で締めくくり、会場から大きな拍手が送られた。
終演後、藤紀流家元で同実行委員長の藤紀実美さんは「多くの人の協力により、開催することができてうれしく思います。コロナ禍で不安な日々が続いている状況の中、来場者の方々に喜んでいただけるよう、今後もみんなで力を合わせて伝統芸能を披露していければ」と話していた。
(2023年2月28日付紙面より)
募金箱設置で東日本支援 (補陀洛山寺 )
「東日本大震災を風化させたくないという強い思いで活動を続けている後輩がいます」。そう話すのは那智勝浦町浜ノ宮にある補陀洛山寺の髙木智英住職だ。同寺には現在、「NPO法人3・11ツナグ 東日本大震災の募金」と記された手作りの募金箱が設置されている。震災を風化させないために各地でさまざまな活動を展開するツナグ。理事長を務めるのは、比叡山学院での修業時代に髙木住職と共に学んだ後輩で、名古屋市にある覚王山日泰寺の僧侶・泉智仁さんだ。先輩後輩の絆は今もなお続いており、髙木住職がその活動に感銘を受けたことから今回の設置に至った。
福島県出身の泉さんは震災以前、同県浪江町と南相馬市にあった二つの寺を祖父と共に守り、僧侶としての務めを果たしていた。2011年3月11日、地震と津波が町を襲った。
浪江町の寺は流され、もう一方の寺は残ったが、檀家(だんか)たちの住宅は壊滅的な被害を受けた。さらに追い打ちをかけたのが、福島第一原発事故だった。放射能汚染で町から人がいなくなったという。
泉さんは自らの道を模索し、被災地の現状を伝え、震災を風化させないための活動に尽力することを決意。講演に加え、習得した和太鼓で「復興太鼓」の奉納や指導、各地の特産品を被災地に届ける取り組み、義援金支援、高校生と考える防災教育と防災グッズ作成など、全国各地で活躍している。
髙木住職が補陀洛山寺の住職を拝命した際には、泉さんが駆け付けて勇壮な復興太鼓で先輩の前途を祝福。熊野修験にも太鼓を指導した。
今回の募金箱は、震災への支援に取り組んでいる愛知県立一宮商業高校にツナグが依頼し、作成したもの。泉さんが直接、同寺に届けた。
泉さんは「髙木先輩の住職就任と補陀洛山寺での太鼓奉納はお互いの夢だった。夢がかない、先輩には感謝しかない。募金は被災地への寄付や防災を学ぶ学生たちに使わせていただきます」。
ツナグの会員となった髙木住職は「彼とは同じ寮に住み、共に学んできた。卒業してもその絆は続いている。震災を風化させず、後世に伝えつなげていきたいという彼の思いを応援したい。参拝の際はご協力いただけますと幸いです」と話していた。
(2023年2月23日付紙面より)
「桜フェア」の準備着々 (古座川町観光協会 )
古座川町観光協会(鈴木貴裕会長)が3月4日(土)から4月2日(日)まで、振興企画「桜フェア」を展開する。今回はライトアップを軸にした内容を計画していて、実施に向け今月21日に鶴川公園で試験点灯に臨むなど準備を着々と進めている。
町内で順々に花盛りを迎えるさまざまなサクラをより多くの人々に親しんでもらうことを狙いとした同企画。今回は三尾川(みとがわ)にある古傳山光泉寺のイチョウのライトアップで用いた光源(LED照明4基と大容量バッテリー2基のセット)で期間中の土、日曜日と祝日の午後6時~7時30分に見頃を迎えたサクラを順次照らすという。
計画段階での実施予定日は▽鶴川公園〈カワヅザクラ〉=3月4、5、11、12日▽池野山〈クマノザクラタイプ標本木〉=18、19、21日▽一枚岩〈ソメイヨシノ〉=25、26日と4月1、2日。期間を逸脱しての実施はないが開花の進み具合により日程を変更する場合があるとし、適時公式ホームページや交流サイト(SNS)、道の駅虫喰岩(むしくいいわ)で最新情報を発信するので確認した上で観賞しに来てほしいという。一枚岩は河川敷へ下りるスロープ付近で行うとし、その折は道の駅一枚岩monolith(モノリス)も夜間営業をする予定。小雨決行だが、荒天の場合は中止するという。
普段と違った光景で夜間の町内外からの来訪者を増やすことが今回の狙い。試験点灯は良好な照らし方を見極めるための実施で、担当する同協会事務局の上田柊大郎さんは開花状況に応じて見極めた内容に修正を加え良好に観賞してもらえるよう心がけるという。
鶴川公園には16本のカワヅザクラがあり、ライトアップは道路に面する木以外で行うという。今月21日現在、木によって開花の進み具合に差があるがおおむね咲き始めから三分咲きの段階。問い合わせは同協会(電話0735・70・1275)まで。
(2023年2月23日付紙面より)
今年1月の積雪・低温で
今年1月24日から25日にかけ、熊野地方各地で近年まれに見る積雪が確認された。熊野地方に生育する南方系動植物にも、積雪や寒波によるダメージと推察される影響がでている。
動植物は種ごとに生育可能な環境条件が異なっており、気候は分布を決める重要な環境要因となる。例えば、当地方の海岸線に広く見られるハマユウ(ハマオモト)の分布限界は、年平均気温15度、冬の最低気温マイナス3・5度の等値線と一致していることが知られている。熱帯系の生物では凍結が北限を決める大きな障壁であり、霜が降りるかどうかが分布の境界となることもある。
当地方の植物に詳しい熊野自然保護連絡協議会の瀧野秀二会長によれば「積雪の影響が最も顕著だったのは、石垣を覆っていた外来種のオーシャンブルー(アサガオ)やヒメツルソバなど近年急激に分布を広げていた種で、地上部の葉がほとんど枯れてしまった。在来種では、耐寒性の弱い熱帯・亜熱帯性のシダ『ヘゴ』にダメージがあり、今後要観察」としている。
一方、那智勝浦町の宇久井半島では駒ヶ崎灯台周辺などで集団越冬するオオキンカメムシの死骸が見つかった。7年ほど前から個体数調査を行う浜際康太さんによれば「すさみ町の江須崎で大量死が発見されたとの知らせを受け、宇久井半島でも調査をしたところ、54匹の死骸が見つかった。生存個体は781匹いたが、弱って動けないものも多く見られた」という。
オオキンカメムシは体長2・5㌢ほどになる大型の熱帯性のカメムシで、赤い体色に黒の斑紋が特徴。見つかった死骸の8割は雌で「雄は越冬前にカンコノキに集まって栄養補給をするようだが、雌はそのまま越冬に入ることが影響したのでは。いずれにせよ生態に謎が多く、今後も調査が必要」と話していた。
(2023年2月23日付紙面より)
児童の発明クラブで講座 (新宮市 )
新宮市少年少女発明クラブ(瀧野秀二会長)の講座「プログラミングを学ぼう!」が19日、新宮市井の沢の新宮商工会議所であった。市内の小学生会員26人が参加。ブロック状の学習用キットを使い、プログラミングとは何かを楽しみつつ学んだ。
発明クラブは全国各地にあり、和歌山県内でも11市町で活動が行われている。新宮市では、市内の小学校の4~6年生を対象に、年間を通して講座を開催。児童に理科や科学、ものづくりに関心を持ってもらえるよう、さまざまな制作・野外活動に取り組んでいる。
この日は、近畿大学附属新宮高校スーパーサイエンス部(大石凜空部長)の森田直樹顧問と、部員5人が講師を務めた。森田顧問は、プログラミングについて「決められたことを決められた通りにする」と説明。プログラミング言語も紹介したほか「パソコンやスマホ、冷蔵庫や掃除機などにも入っている」と明かした。
学習用キットの内容物として、電源、振動・明るさ・音を感じ取るセンサー、LED、バイブレーターなどの部品があることを伝えた。これらを組み合わせて「部屋が明るいときだけ、LEDが光る装置を作る」「暗いときだけ光るようにする」などの装置を作るよう出題。児童らは、電源と部品の組み合わせを考え、これらを行った。
出題内容は「明るいときだけ光らない」「手をたたいて振動させると、LEDが光る」「揺らすか手をたたくとLEDが光る」など、だんだんと高度化。児童らは、森田顧問や部員らの助言を受けながら、試行錯誤して装置を組み上げていた。
神倉小4年の⻆真友君は「いろいろ知らなかったことが分かって良かった。結構難しくて、迷ったりもしたけど、楽しかった」と話した。
(2023年2月23日付紙面より)
熊野川町で「清流ライド」 (新宮市 )
新宮市熊野川町を舞台に19日、「新宮・熊野川町清流ライド with KINAN Racing Team(キナンレーシングチーム)」が開催された。あいにくの雨となったが、当地方をはじめ、大阪や名古屋などから約50人の自転車愛好家らが参加。「KINAN Racing Team」に所属するプロ選手と共に町内を周遊。自転車を通して同町の自然を満喫し、参加者同士の交流を深めた。
新宮市と市観光協会が主催。自転車を活用した観光(サイクルツーリズム)の推進と、自転車に慣れ親しみ、自転車の魅力を感じてもらうことを目的に、NPO法人「SPORTS PRODUCE 熊野」が後援し、初めての開催に至った。
メイン会場の熊野川ドームでは、開催に当たり田岡実千年市長があいさつ。関係団体に感謝を述べ「今後、サイクルツーリズム推進のさらなる機運醸成を図っていくため、自転車に慣れ親しみ、魅力を感じていただきたいという思いから開催させていただく次第となった。ぜひお楽しみいただければ」と呼びかけた。
この日のコースは、UCI公認国際自転車ロードレース「TOUR de 熊野」の約15㌔に及ぶ赤木川清流コース。3班に分かれた参加者らは、休憩所の小口自然の家を目指して熊野川ドームを出発した。
なお、熊野川ドームと小口自然の家では、(一財)熊野川町ふれあい公社(下阪殖保代表理事)と「かあちゃんの店」による豚汁やめはりずし、同町の野菜を使用したケーキ、くず湯茶が振る舞われた。また、天候を鑑み、参加者らに対し「熊野川温泉さつき」が無料開放された。熊野川ドームでは同チームのグッズ販売コーナーが設けられたほか、Eバイク(電動アシスト自転車)の体験試乗会も実施された。
イベントでは、同チームメンバー7人によるトークショーもあった。各選手らは自己紹介を交え熊野地方や新宮市の魅力、赤木川清流コースの印象、自転車に興味を持ったきっかけなどについて話し「今年こそは『TOUR de 熊野』で総合優勝を。今年も応援してください」と呼びかけた。
名古屋から参加した山口友和さんは「チームのファンなので参加した。あいにくの天気だったが距離も短かったので疲れることもなく楽しめました。また機会があればぜひ参加したい」と話していた。
(2023年2月21日付紙面より)
管内2人に表彰状を伝達 (東牟婁振興局 )
新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局で17日、令和4年度自然公園関係功労者に対する環境大臣表彰の伝達式があった。酒井清崇・東牟婁振興局長が、多年にわたり自然公園の保護とその適正な利用に関して尽力したとして、太地町の白水博さんと那智勝浦町の東定司さんの2人に表彰状を手渡した。
自然保護思想の啓発や普及および自然公園や動植物の保護に関し、15年以上尽力し、その功績が特に顕著であると認められる個人や団体に対して環境大臣が表彰するもの。全国では18人と1団体が選ばれ、県内では白水さんと東さんの2人のみだった。
白水さんは日本野鳥の会和歌山県支部副支部長ならびに、熊野自然保護連絡協議会の運営委員を務め、吉野熊野国立公園などで、絶滅危惧種をはじめとする鳥類の調査や保護活動に取り組んできた。子どもや地域住民を対象とした野鳥観察会を通して、自然保護思想の普及啓発に努めるとともに、公園内の安全利用のためにも尽力している。自然公園指導員の活動期間は36年に上る。
同じく日本野鳥の会和歌山県支部幹事で、熊野自然保護連絡協議会事務局員を務める東さん。同公園などで自然観察会や野鳥観察会を企画・運営し、希少生物の実態や保全の必要性の指導など、自然保護思想の普及啓発や自然公園・動植物の保護などに尽力してきた。自然公園指導員歴は30年6カ月。
酒井局長は「お二人は地域の誇り、受賞本当におめでとうございます。これを機会に、後進の方々にご指導いただき、今後も熊野地方の自然や鳥類などの研究保護に努めていただけましたら幸いです」と二人の受賞を祝福した。
白水さんは「観察会を継続し開催していく中で、このような表彰を頂き、非常に光栄です。これからも大好きな鳥を通して、自然保護につなげていきたいと思います」。
白水さんとは友人で、仲間として長年活動を共に続けてきた東さんは「二人で受賞できるとは思いもしなかった。最近の観察会では小学生が増えてきた。しっかりと教えて、若い皆さんに引き継いでもらいたい」と語った。
(2023年2月21日付紙面より)
美し国三重市町対抗駅伝
津市から伊勢市までの42・195㌔を10人のランナーがたすきをつなぐ「美(うま)し国三重市町対抗駅伝」が19日、3年ぶりに開催された。県内29市町の選手たちが力走し、市の部(14市)で熊野市は2時間48分14秒の14位、町の部(15町)で御浜町は2時間47分09秒の13位、紀宝町は2時間44分04秒で11位だった。
新型コロナウイルスのため2年間中止になっていたが、今年は沿道からの声援を受け、1区の小学生女子が津市の県庁前を一斉にスタート。市町対抗駅伝が幕を開けた。
2区の小学生男子から中学生男女、40歳以上男子などが各区間で激走。伊勢市の三重交通Gスポーツの杜伊勢でゴールテープを切った。市の部は鈴鹿市が2時間17分36秒、町の部は川越町が2時間21分27秒でそれぞれ優勝した。
(2023年2月21日付紙面より)
天神社で春の例大祭営む (那智勝浦町 )
学問の神様・菅原道真を主神として古くから厚い信仰を集める那智勝浦町天満の天神社(髙橋正樹宮司)の春の例大祭が18日宵宮、19日に本宮の日程で営まれた。今年もおととし、昨年と同様、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から神事のみの斎行となった。
順番に始まる那智谷筋の祭りの最後を飾る同例大祭。例年は古式弓法で大的を射抜いて鬼の邪気を払うお弓神事や祭典委員会(楠本實委員長)が先導する行列が区内を練り歩く。
天満交友会(山東平〈さんどう・たいら〉会長)による獅子舞の地下(じげ)回しもあり、最後は餅まきが盛大に実施され多くの住民でにぎわっている。
今年は雨天のため、社務所内で関係者ら12人が参列して静かに祭りが進められた。髙橋宮司が祝詞を奏上し、関係者が玉串をささげた。
この日、髙橋宮司はお弓神事の際に、的場で神に供え物をするときに用いられる梅島台と松島台について、元は食べ物を載せる台であったなどと、解説。「この地域で台を手作りしているのはこの天神社のみだと思う。準備は大変だが、この伝統を後世に伝えていけるようにお祈りしました」。
楠本委員長は「年末から検討を重ね、今回の形に至った。3年間、祭りができないのは残念だが、コロナ禍のため仕方がない。伝統ある祭りを絶やさないように、来年こそは例年通りの祭りを斎行したい」と話した。
同社責任役員の越水政憲さんは「少子高齢化で担い手も減ってきた。しかし、伝統を絶やさないように続けていきたい」と語った。
(2023年2月21日付紙面より)
第187回職場対抗ボウリング大会
みさきストロングスが卒団式 (新宮市 )
和田禎佑杯サッカーU―9