卒業旅行で自然など満喫 (東大阪の子ども会 )
大阪府東大阪市の柏田校区子ども会の小学6年生6人は19日、卒業記念旅行で熊野地方を訪れた。新宮市熊野川町の熊野川総合開発センターでは歓迎式が行われ、田岡実千年市長が子どもらに記念証書「熊野を心のふるさとに」を贈呈。小中蒼太君は「熊野には私たちの町にはない、驚くほど豊かな自然があります。ここで感じたことを心の宝物として大切にし、これからの中学校生活を頑張ります」と感謝を伝えた。
熊野地方を巡る卒業記念旅行は、都会の子どもたちに自然豊かな熊野地方を第二のふるさとにしてもらおうと、子ども会の康熙満(かん・ひまん)さんが企画し今年で7回目。
康さんは2010年に初めて川舟下りを体験し、その時の感動を子どもたちにも伝えたいとの思いから旅行先を熊野地方に。「那智の滝を巡る熊野一日旅行」と題して今回、4年ぶりの再開がかなった。なお、康さんは11年の紀伊半島大水害当時、熊野地方の被害を案じ、川舟の運航が再開した際には第1便に乗船したという。
歓迎会で、那智勝浦町長連名の記念証書を手渡した田岡市長は「4年ぶりに皆さんをお迎えできてうれしい。今日は、かけがえのない熊野の自然を見て、そして感じていただければ」と歓迎した。
康さんは「私たちの住む東大阪市にはほとんど自然がない。熊野の自然は日本にとって宝のような存在。子どもたちが大きくなった時に、改めて熊野がどういう所なのか学ぶ、その時こそが日本が再生する時ではないかと夢を描いています」とあいさつ。
「この子たちが30、40、50代になった時、恋人や家族と一緒にこの地を必ず訪れます。そしてその子どもたち、またその子どもたちがまた熊野を訪れるのではないかと思います。その時が私の夢がかなう時だと考えています」と述べた。
歓迎式の後、一行は道の駅「瀞峡街道熊野川」に移動。紀伊半島大水害犠牲者の慰霊碑に献花し黙とうをささげた。川舟下り体験や熊野三山巡りなどを通して、熊野の自然や歴史を学んだ。
家族旅行で田辺市本宮町の川湯温泉を訪れたことがあると話す鈴木心君。「自然がたくさんあって東大阪市とは全然違うと思った。大人になったら熊野にまた来ます」と話していた。
(2023年3月24日付紙面より)
新町発足後初めて冊子を発行 (紀宝町 )
紀宝町教育委員会は、町内の文化財を解説した冊子「紀宝町の文化財」を新町発足後初めて発行した。1000部作成し、町内全小中学校に各10部を配った。希望者には、町教育委員会、町生涯学習センター「まなびの郷」、町立図書館、ふるさと資料館で無料配布している。
町内には、有形民俗文化財や無形民俗文化財など、地域で受け継がれてきたさまざまな文化財が存在する。現在、国指定文化財が3件、県指定文化財が2件、町指定文化財が13件の計18件あり、冊子には指定文化財と6件の文化財を加え、24件を掲載した。
県教育委員会の協力を得て、町文化財調査委員5人が中心となり1年かけて作った。写真をふんだんに使ったほか、それぞれの個別解説に加え、文化財を示した地図も加えた。
「鵜殿村の文化財」(1974年発行)、「紀宝町の文化財」(78年発行)、「鵜殿村九十年史」(84年発行)、「紀宝町誌」(2004年発行)などを参考にし、ほとんどの写真は新たに撮影した。
編集、レイアウトを担当した事務局の竹鼻康さんは「身近にある町内の貴重な文化財に対する理解や関心を高める機会として活用してほしい」と話している。
(2023年3月24日付紙面より)
6施設に寄付金を贈呈 (新宮東牟婁労福協 )
新宮東牟婁地域労働者福祉協議会(井上祐人会長)は20日、新宮市と那智勝浦町の6福祉施設を巡り、団体活動費の一部から捻出した寄付金を「福祉に役立てて」と手渡した。
同協議会はもともと、子どもらの健全育成を目的に毎年、入場無料の映画まつりを開催。その際に集まったチャリティー募金と加盟団体からの寄付金を、福祉に役立ててもらおうと贈呈していた。
しかしコロナ禍の影響を受け、2020年からは、映画まつりが中断。しかし寄付は続けたいと、団体活動費の一部を充てている。寄付金は毎年▽美熊野福祉会▽なぎの木園作業所▽わかば園作業所▽どんぐりの家▽南紀ひまわり作業所▽いなほ作業所―に均等に分配、各2万円を送っている。
新宮市佐野の美熊野福祉会(溝口順理事長)には、井上会長と岩崎浩明事務局次長(=近畿労働金庫新宮支店長)が訪れた。井上会長が溝口理事長に寄付金を手渡した。井上会長は「映画はやむなく断念が続いたが、寄付の取り組みは変わらず続けたいとやってきた。少しでもお役に立てれば」と語った。溝口理事長は「ありがたい。利用者さんが楽しめる、触れるようなものに使いたいと思っています」と話した。
また岩崎事務局次長は映画まつりに関して「以前よりさらに盛り上げる形で実施できれば」と希望を述べた。
(2023年3月24日付紙面より)
改修を経て開館を再開 (串本町図書館 )
串本町図書館(池田三明館長)が22日、改修を経て開館を再開した。建物1階全面を利用できるようにする用途変更により、現状で可能な限り書架を拡充。町教育委員会教育課は「従来以上に親しんでもらえる図書館になれば」と期待している。
同館は2020年10月、串本小横から町立体育館の南隣にあるこの建物の1階へ仮移転。当時この建物は地域保健福祉センターとして機能していて、1階には保健センターがあったため同館は空いている場所を使って開館を再開した。
以降、保健センターが現在の役場本庁舎へ移転しさらに空いた場所が増えたため、前述した用途変更をした。伴って防火扉の新設などが必要となり、今年1月23日から3月21日まで休館として建物の改修と書架の拡充を実施。いずれも予定通りに完了し、再開へとこぎ着けた。
貸し出しカウンターなどの事務機能をフロアの一角から保健センターがあった窓口付きの1室へ移動。空いたスペースに児童図書の書架を広げた。併せて相談や会議用途で用いていた2室は実用・教養図書に充て、その一角に漫画「宇宙兄弟」の単行本などロケット・宇宙関係の蔵書を集めて紹介する工夫もしている。
最奥の1室を郷土資料室に充て、許容力が大幅に拡大。フロアに余裕があるため、館長席もこの場所に仮設している。同課によると現状はまだ全面利用の過渡段階で、1階に間借りしている更生保護サポートセンター牟婁が目下希望している旧役場古座分庁舎へ移転して空く1室を館長室に充てることで完成形になるという。
児童図書、一般図書ともに書架が増え、従来並べられずにいた蔵書も手にできるようになったのが今回の改修の成果。併せて感染症予防対策の一環で導入した図書除菌機も利用者の判断で使えるようになった。
同館の開館時間は午前9時~午後5時15分で、基本月曜日と月末(整理日)、国民の祝日は休館となる。問い合わせは同館(電話0735・62・4653)まで。
(2023年3月24日付紙面より)
王子ヶ浜海岸清掃 (NPO法人「環境ファースト連合会」 )
NPO法人「環境ファースト連合会」(椋野玲史会長)は19日、新宮市の王子ヶ浜海岸(御手洗海岸)で「令和4年度王子ヶ浜海岸清掃」を実施した。連合会、新宮市、和歌山県から約400人が参加し官民一体で作業に汗を流した。今回は、資源の有効活用として、流木をまきにする試みにも新たに取り組んだ。
紀伊半島とその他の地域におけるさまざまな問題の情報共有をし、協力して諸問題解決に向けた活動に取り組む同法人。
王子ヶ浜は絶滅危惧種・アカウミガメが訪れる世界でも数少ない海岸の一つで、会員らは波浪流失や小動物の捕食被害からアカウミガメの卵を守るため、早朝パトロールや清掃などの活動を展開している。
同連合会は、海岸管理者の県が公共事業として流木を処理した際に収集運搬や処理費用に多額の税金が使用されることを懸念していたという。これまで、清掃活動で収集した流木は焼却処分してきたが、有効活用について検討を重ねてきた。
結果、再利用可能な流木を選別し、まき割り機を用いてまきを製作することに至った。完成したまきは、道の駅やキャンプ場などの希望者に無償で提供する方針だ。
中平敦事務局長が作業の詳細を説明し「税金を無駄にせず、奉仕の精神を持ち、地域住民の手で国立公園を守っていきましょう」と話した。
田岡実千年新宮市長は「この場所は吉野熊野国立公園でもあり、世界遺産登録された地域。いつも、皆さまに守っていただきありがとうございます。初夏には、アカウミガメが上陸し産卵するシーンも見られる貴重な海岸。今後もこの自然を守っていただく活動をお願いいたします」。
東牟婁振興局新宮建設部の野田一彰課長は「年度末のお忙しい中、多くのご参加に感謝しております。皆さまと共に清掃させていただきます」とあいさつした。
椋野会長は参加する関係各機関に対し、日頃からの支援や協力に感謝を述べ「事故やけがのないように注意して、手早く作業を終えてください。ご参加ありがとうございます」と話した。
参加者は役割分担し、鉄くずやナイロン、浮子(うき)などのごみを拾い集めるとともに、集めた流木でまきを作製した。
(2023年3月21日付紙面より)
㈲岡村と見守り協定締結 (新宮市 )
新宮市と㈲岡村(本社=三重県松阪市、西口鐵也代表取締役)は17日、「地域における見守り活動に関する協定」を締結した。同日、市役所で協定締結式が行われ、西口代表取締役と田岡実千年市長が、協定書に署名した。
毎週決まった曜日、決まった時間帯に訪問販売を行う、同社が運営する「岡村とうふ」(移動販売)。高齢者らが住み慣れた地域で安心して生活を送ることができるまちづくりの推進を目的に、訪問エリア内の各自治体と協定を締結している。
本社を置く三重県では28市町と締結しており、和歌山県内では今年1月26日に那智勝浦町との協定締結に至っている。
協定内容は、高齢者の見守りと、異変を察知した際の連絡・通報に関する活動。協定締結に当たり、田岡市長は「御社は企業の強みである部分を最大限に生かすことで、地域課題の解決について、一企業の役割にとどまらない積極的な参画をされている」。
「市民生活に密着した施策展開を進める中で相互に連携・協力し、御社の強みやこれまでの取り組みによる知見や企業ネットワークを活用させていただけることを大変喜ばしく、力強く感じている」と感謝を伝えた。
西口代表取締役は「毎週、ほぼ決まった時間、きまった所にお伺いさせていただいており、商品を買っていただけなくても地域とお付き合いさせていただきたいと思っている。協定により、一層地域に入っていきやすくなるのでありがたい。これからもいろいろな形で新宮市に貢献させていただければ」と話していた。
(2023年3月21日付紙面より)
生徒発案、他校とコラボ (新翔高校 )
和歌山県立新翔高校(藤田勝範校長)は17日、生徒が発案し、同校と滋賀県の高校で共同開発した、マグロを使ったカレーとミートボールの試食会を開いた。新翔高校学校運営協議会(濱口仁史会長)から2人、材料提供の地元企業から3人が参加。味を確かめ、今後の展開で意見交換した。
同校には選択授業として2年生の「観光基礎」、3年生の「観光一般」がある。すでに卒業した3年の選択生は在学中に「マグロカツサンド」を考案、学食で販売して好評を得た経緯がある。今回は、2年、3年の両方から、マグロを食材にした料理を作りたいとの要望があり、観光担当の奥田健太教諭の知人の紹介で、滋賀県彦根市の彦根総合高校と共同開発することが決定。材料のマグロはビンチョウで、那智勝浦町築地の木下水産物株式会社(木下勝之代表取締役社長)が提供した。
カレーはマグロの骨でだしを取ったもの、ミートボールは骨と身を混ぜ合わせたものだった。参加者は試食を行い「おいしい」と舌鼓。濱口会長は「生臭くもなく、マグロの味も分かるし、香りもいい。ミートボールも歯ごたえがあり、おいしい」。木下社長は「ほんのり最後にマグロの味がする。普通は身を入れるが、身を入れず骨でだしだけなので、おおっと驚いた。ルーの味もおいしい」などと感想を述べた。同協議会の勢古啓子さんは「ミートボールはあんかけにしたり、スープに入れてもいいのでは」とアイディアを出した。
試食後は、商品としての展開について意見交換した。学校が直接販売はできないので協力企業が必要なこと。材料とした骨も廃棄品ではないことから、商品化に際しては適正価格での買い取りが必要なことなどへの言及があった。奥田教諭は「地域のイベントで提供したり、協力企業を募ったりして、レトルトや冷凍での商品化も視野に検討することで、(発案した)生徒らの学びにつながれば」と話した。3年生は卒業したが、今後は現2年生が引き継ぎ取り組むことになる。
(2023年3月21日付紙面より)
丹鶴城公園で4年ぶり (新宮市 )
コロナ禍の影響で4年ぶりとなる、新宮市による丹鶴城公園(新宮城跡)の夜桜ライトアップが18日、始まった。公園内の各所でちょうちんが点灯しており、4月28日(金)までを予定している。初日はまだ、サクラの開花はほとんどなかったものの、数人が会食を楽しむ姿が見られた。
1990年に始まり、コロナ禍前は毎年開催していた。ライトアップ用のちょうちんは、本丸、鐘の丸、東側郭(くるわ)エリア、駐車場・階段に設置されている。点灯時間は午後6時から午後11時までとなっている。開花状況によっては、予告なしに期間を変更する場合がある。
初日は、公園内のあずまやで、市内から訪れた60歳男性の3人が会食を楽しんでいた。3人は「われわれは桜を見る会。毎年集まるようにしており、以前は7、8人がいたが、今回は3人。本当なら4月1日ごろを考えていたが、都合がつかずこの日になった。サクラはまだぜんぜん咲いていないが、ライトアップがきれい。復活して良かった」などと話していた。
なお、インターネットの多くのサイトでは、和歌山県のサクラの開花は20日ごろ、満開は26日(日)から28日(火)ごろと予想している。
(2023年3月21日付紙面より)