県内主要駅で配布 (和歌山大学きの活 )
和歌山大学の学生で構成される「和歌山大学きのくに線活性化プロジェクト」が企画・制作した冊子「うみえるマップ」がこのほど完成した。24日には同大学学生で那智勝浦町出身の宮井凜晴さんと、三重県御浜町出身の村井優太さんが新宮市徐福のJR新宮駅を訪れ、坂本純一駅長に冊子を手渡し配架を依頼したほか、列車を利用する乗客に冊子を配布。沿線の魅力を伝えた。
和歌山大学の有志学生らで構成される同プロジェクト。鉄道を通じた実践的地域振興を目的に、各種取り組みを展開している。
冊子は、きのくに線の海が見える区間や、車窓から見える名所・海にまつわる魅力を路線図形式で掲載。学生らが地元住民に取材を行い、おすすめのスポットなどを聴取した。デザインも自分たちで手がけており、こだわりと地域の魅力が詰まった一冊に仕上がった。
B5サイズ16㌻で、「紀北」「紀中」「紀南・西牟婁地域編」「紀南・東牟婁編」などの項目別に、寺社や観光資源、特産品などを紹介。「きのくに線の旅のお供に」「絶景を見逃さない」と銘打っており、列車の旅の醍醐味(だいごみ)を一層促進する内容となっている。
県内の24市町村で構成する紀勢本線活性化促進協議会が発行。JR西日本和歌山支社が協力した。冊子は同駅や紀伊勝浦駅などの主要駅に配架される予定だ。
坂本駅長に冊子を託した宮井さんは「地元の人しか知らない情報もたくさん盛り込んだ。多くの人に伝わりやすく、見やすいように心がけました。自分たちで取材をするなど苦労した分、自信作に仕上がった。ぜひ多くの人に手に取っていただければ」。
千葉県から、観光を兼ねた墓参りで新宮市を訪れた50代会社員女性は「一目でいろいろな情報を見ることができていい冊子。デザインもいい。インターネットで事前に見られたらいいなと思いました」と話していた。
(2022年11月26日付紙面より)
初めて紀宝町でイベント (新宮JC )
熊野の魅力を集めた「熊野フェス~親子でまるっと楽しめるお祭り~」が23日、紀宝町鵜殿の町生涯学習センターまなびの郷で開催された。多くの人が訪れ、体験やグルメなどさまざまな催しを楽しんだ。
熊野地方の観光をテーマにしたイベントで、地元経済の起爆剤となればと新宮青年会議所(新宮JC、梅村英義理事長)が主催、紀宝町が後援した。熊野市まで活動エリアを拡大したため、初めて三重県側の紀宝町を会場に選んだ。
串本町から熊野市までの観光関連団体にPRや体験のための出展を呼びかけ、飲食店による食のブースも設置。ステージでは町立矢渕中学校吹奏楽部による演奏や各団体によるダンスが披露された。
串本町田原で建設が進む日本初の民間ロケット射場「スペースポート紀伊」に関する講演もあり、南紀串本観光協会のロケットガイド・坂本直弥さんが登壇。なぜ串本が選ばれたかや、事業が軌道に乗れば年間20回ほど打ち上げを見る機会があることを紹介し、「宇宙への扉が私たちのすぐ近くにできる。宇宙の町を皆さんと一緒に盛り上げていきたい」と呼びかけた。
会場には雨の中、家族連れが多く足を運び、グルメ巡りを楽しんだり、あらためて地元観光の魅力に触れたりしていた。梅村理事長は「本年度のメインイベントとして開催した。紀宝町には会場の件など協力的に対応していただきとても感謝している」と話していた。
(2022年11月26日付紙面より)
串本町教委と連携イベント (ジュニアリーダークラブ「ビー・スター」 )
東牟婁地方ジュニアリーダークラブ「ビー・スター」と串本町教育委員会の連携イベント「宝探しスタンプラリー」が23日に同町内であり、小学生26人が挑戦を楽しみつつ協調の良さを実感した。
主導した同リーダーは、県青少年育成協会がリレー式次世代健全育成事業の中で育成している中学生や高校生の人材。同協会は県内に三つある青少年の家を拠点にして年2回、同事業の実働企画「地域ユース・ジュニアリーダー養成キャンプ」を開いていて、同リーダーは同ユース(=リーダーを目指す小中学生)と活動を仲立ちする立場で日々高めている資質を発揮して集団をまとめ、同ユースはその姿に協調することで求める資質を実感し互いに成長し合う状況を形にしている。
県内のジュニアリーダーは大枠でクラブ「パステル」を結成する中で地方単位の小クラブも結成していて、その一つが東牟婁地方青少年育成県民運動推進委員連絡協議会付けの小クラブ「ビー・スター」。今回のイベントは小クラブならではの機動力を生かして市町村の教育委員会と連携し相互成長の裾野を広げることを目指した取り組みで、「ビー・スター」にとっては2年前に那智勝浦町教育委員会と連携して以来2回目の実施になるという。
当日はジュニアリーダー「そうた」「とーこ」「はるか」が活動を主導し、序盤はレクリエーションを楽しんで緊張感をほぐし、中~終盤に本題の「宝探しスタンプラリー」に挑戦。26人が4チームに分かれて五つの課題に挑戦し、クリアの証しとしてスタンプをそろえて菓子入りの宝箱を得る流れで協調の良さに触れた。
最年長のジュニアリーダー「そうた」こと岩本颯太さん(17)は「知らない子同士で集まっても仲良くなれて、一緒に楽しく遊べることを知ってもらえれば」と参加した小学生に感じてほしいところをコメント。そのために一人一人に適切に接することを心がけたいと自身の課題を見据えつつ、3人一丸で全体主導に励んでいた。
(2022年11月26日付紙面より)
地域交流イベント「本気フェス」 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立図書館(久保敏晴館長)で23日、「本気(マジ)フェス~本とフリマとラクガキと~」があった。例年は駐車場で実施しているが雨天のため、館内での開催となった。古本市やワークショップ、フリーマーケットには多くの家族連れや図書館利用者、読書愛好家などが来館しにぎわった。
同図書館が主催する地域交流イベントの一環で3回目。本と図書館を通して、地域住民同士や職員との交流を図ってもらうことが目的。催しを通して図書館に足を運んでもらうきっかけづくりも兼ねている。
地域住民が出店するフリーマーケットはこれまでは本限定だったが、今回は店主がセレクトした物品を販売する形を取った。館内にはパンや菓子、陶器、アクセサリーなどの販売があったほか、絵本カフェのブースもあった。
一般書、児童書、雑誌などの廃棄本と配架できない寄贈本を地域住民に有効活用してもらうための恒例の「古本市」は今回無料となった。足を止め、本を選ぶ来館者の姿が多く見られた。
しおりとクリアファイル作りが体験できるワークショップも盛況で、子どもたちは笑顔で作業に取り組んでいた。
例年好評を博している駐車場での「ラクガキであそぼ。」は雨天で中止となったが急きょ、大きな紙を室内に張り、チョークで落書きが楽しめるスペースを設けた。
家族と訪れた新宮市立王子ヶ浜小学校2年の園山将臣君は「2階ではお茶を飲んできた。ワークショップは楽しかった。クリアファイルは部屋に飾ります」と話していた。
久保館長は「子どもたちには晴天の下、落書きを思い切り楽しんでほしかったので残念。本に限定しないフリマも実施したため、従来の来館者層とは違う方々にも足を運んでいただけて良かった。これをきっかけにこれまで来館する機会がなかった方々にもぜひ、気軽に図書館に来ていただければうれしい」と話していた。
(2022年11月26日付紙面より)
近大新宮は近畿大会へ (県なぎなた選手権、近畿高校選手権など )
県高校空手道新人大会兼近畿大会予選
全国スポ少東牟婁予選兼スポ少交流バレーボール大会
来年の大絵馬が完成 (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で21日、来年のえと「癸卯(みずのとう)」の大絵馬が完成した。12月から大社拝殿に掲げられる。
大絵馬はヒノキ製で、縦1・5㍍、横2・1㍍。上野宮司が8月ごろから構想を練り、手直しなどを加えて今日に至った。「天の恵みに感謝し、頂いた命を一生懸命、謙虚に生きてほしい」との思いを込め、「天恵(てんけい)」「壽福(じゅふく)」の文字を揮毫(きごう)し絵馬を完成させた。
アクリル絵の具を使用し、瑞光を背景に、金の御幣を立てた鏡餅に向かって梛の御幣を手に邪を払う父親ウサギ、それを見つめる母親ウサギ、そして無邪気に遊ぶ子ウサギが描かれている。
上野宮司は「今年の絵馬(寅)は、邪悪なものを打ち破るべく眼光鋭い虎を描いた。来年の絵馬では、家族を中心とする温かい暮らしを取り戻すことができれば、との思いを込め、日本の祈りの形、お正月の家族の姿を表現した」。
「暗いニュースが多い中、見る人に『いい年になる』と力を与えられるような、明るい絵馬になるように努めました」と思いを語り「悲しみがあっても、私たちは助け合う気持ちを持ってお互い鼓舞してきた。悲しみに浸るだけではなく、日本に生きる私たちは天の恵みを素直に喜び、恵みに見合うように謙虚に生き、そして地球のために生活を改める必要もあると感じています」と話した。
毎年、JR新宮駅に掲げている小絵馬(縦70㌢、横110㌢)は、12月半ばごろに届けられる予定。
(2022年11月22日付紙面より)
樫野埼灯台のタイムカプセル (田辺海上保安部 )
串本町樫野にある樫野埼灯台で19日、タイムカプセルの開封式があった。このカプセルは10年前の灯台記念日行事の一環で封入されたもので、当時参加した児童生徒が未来の自分に宛てた手紙を受け取り、成長を実感するなどした。
灯台を身近にする目的で2012年11月1日に行われた、第五管区海上保安本部管内初の趣向。開封は10年後とし、当時の大島小児童47人と大島中生徒24人が「10年後の自分への手紙、未来へのメッセージ」と題した作品を現役引退した灯台部品「灯ろう」に封入し、以降は雨露がしのげる同灯台内部で保管していた。
開封するに当たり田辺海上保安部(真部克彦部長)は当時の児童生徒や教職員などへ招待状を発送し、当日には60人が出席した。真部部長が地域の風景の一つとして灯台に親しみ愛してほしいという願いを掲げて開封を迎えられることを喜びつつ「自分の過去からのメッセージをこれからの道しるべとし、明るい将来を目指してほしい」とあいさつ。当時の児童を代表して伊勢谷詠さん(19)と伊勢谷連さん(17)、同じく生徒を代表して山﨑将一郎さん(22)と宮下翔平さん(22)が小中それぞれの同カプセルを開封した。
内容物は当時の大島小校長・中道美代子さんと大島中校長・藤田陽子さんが受け取り、集まった児童生徒へと手渡した。同部は式後に同灯台の内部特別公開や海上保安庁所属航空機の飛行展示も実施し、紀伊大島ならではの経験として託して締めくくった。
10年後の自分に宛てた手紙を手にして山﨑さんは「何を書いたかまでは覚えていなかったので期待して開封した。一言で言うと10年前の自分から叱咤(しった)激励をもらった気分です」、宮下さんは「書いてあることがあまり実現できていなくて恥ずかしいけれど、自分ももう仕事をする年齢なのでこれから頑張らないといけないなという気持ちになった」。
伊勢谷詠さんは「今でも眼鏡をかけてるの?とか、犬は元気?とか、何を書いてるのと読んで恥ずかしくなりましたが、勉強してる?というのは今大学生でその通りなのでこれは頑張らなければと思いました」、伊勢谷連さんは「お父さんが初めて髪を切らせてくれたことが書いてあった。美容師になるのはその頃からの夢で、当時を思い出せていい励みになったしお父さんにも改めて感謝かな」とそれぞれ印象を語った。
(2022年11月22日付紙面より)
AED取り扱い講習会 (三輪崎自主防 )
三輪崎区自主防災委員会(湊川大介委員長)は20日、新宮市消防本部の協力を得て、同市の三輪崎会館で自動体外式除細動器(AED/通称:電気ショック)の取り扱い講習会を開いた。区役員など8人が参加、AEDの取り扱いや心肺蘇生法を学び、緊急時に備えた。
同会館は文化やスポーツの教室などで高齢者の使用も多いため、万が一を想定して実施した。新宮消防の救急係の松本裕也さんと前田響音さんが講師を務めた。
開会に当たり、湊川委員長があいさつ。「万が一のときに、一人でも多く助かるようにしっかり学んで、使うことがないのが一番ではあるが、(講習が)役立つ日が来るといいなと思う。よろしくお願いします」と呼びかけた。
AEDの講習に先立ち、心肺蘇生法の講習があった。前田さんは「心臓が止まると血液が回らない。脳に3、4分血液が回らないと、脳細胞が死んでしまう。脳が死んだら治療しても戻らないため、それを防ぐために胸骨圧迫(心臓マッサージ)をしてもらう」などと説明した。
訓練用の人体模型を使い、救急係の2人による手本の後で、参加者が心肺蘇生法として胸骨圧迫と人工呼吸を訓練。続けて、AEDも訓練用を使い、人体模型にパッチを取り付けて実施、手順を確認した。参加者はいずれも、救急係の2人の指導や助言を受けながら、懸命に取り組んでいた。
(2022年11月22日付紙面より)
勝吹が感謝伝えるコンサート (那智勝浦町 )
熊野地方の社会人などで構成する那智勝浦吹奏楽団(大江一恵団長)は20日、那智勝浦町体育文化会館で第3回「勝吹感謝コンサート ありがとう~いやし 満たし よみがえる~」を開催した。コンサートには約350人が来場し、地元団員らが演奏やパフォーマンスを通してさまざまな「ありがとう(感謝)」を伝えた。
1996年から開催している同楽団の定期演奏会。毎年、県内外から多くの人々が来場し、にぎわっていたが、新型コロナウイルス感染症の影響で3年連続の中止に。おととし、昨年はコロナ禍を踏まえて、身近な関係者を招待し、「ファミリー感謝コンサート」と銘打って人数制限や演奏時間短縮などの対策を講じながら演奏会を実施してきた。
コロナ禍3年目の今年は「多様性あふれる地域をめざして」をテーマに、タイトルを「感謝コンサート」に変更。活動が継続できることに対する地域への感謝を第一に、またポストコロナと多様な文化交流を軸に「今、できる演奏会」「誰もが楽しむことのできる演奏会」を目指した。
コンサートでは、来場者のマスク着用や検温、アルコール消毒の呼びかけ、団員と客席の距離を5㍍離すなどのコロナ対策に取り組んだ。
迫力あるオープニングファンファーレで幕を開け、行進曲や大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のテーマ、人気アニメ「SPY×FAMILY(スパイファミリー)」の主題歌「ミックスナッツ」などを披露し、会場を沸かせた。
また、新たな取り組みとして「手話が聴覚障害者と聴覚障害者以外の者がお互いを理解し合うための大切な言語である」との認識に基づき、手話通訳も設置。「翼をください」のサビ部分では、来場者全員で手話を行った。
昨年に引き続き、唱歌「ふるさと」では「あ」「り」「が」「と」「う」と1文字ずつ書いたパネルを持った団員が登場し、演奏とともに感謝を伝えた。
指揮者の大江伸二さんは「コロナ禍以前の状態に近づけたい思いから、お客さまとの距離を確保し、団員がマスクを外しての開催に臨んだ。来年は今年よりも感染防止の理解を変えていくとともに、多様な取り組みも進めていきたい」。大江団長は「暴風雨の中、多くの皆さんにお越しいただき、感謝しています。今後も応援してくださる地域の皆さまに感謝を伝えていきたい」と語った。
(2022年11月22日付紙面より)