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2021年11月28日
1 新宮城の魅力が満載
 新宮市の小渕さん、冊子第2弾発行  

 新宮市在住で、元新宮城復元対策委員会委員の小渕伸二さん(72)がこのほど、冊子「国指定史跡 新宮城(丹鶴城 沖見城) 続日本100名城」の第2弾を制作し、発行した。

 新宮城は1633(寛永10)年、紀州藩付家老水野氏により完成。建造物は1873(明治6)年の廃城令を受け、75(明治8)年までに取り壊されている。

 市は1980(昭和55)年に新宮城跡を公有地化し都市公園として整備を開始。2003(平成15)年には城郭跡が国史跡指定を受け、17(平成29)年には「続日本100名城」に選出された。

 冊子は、A5版30㌻。熊野新宮や新宮城の歴史、造り、復元模型写真、「水野新宮城」「浅野新宮城」の想像天守(イラスト)、水ノ手跡の炭納屋倉庫群と港跡、同じく国指定史跡を受ける水野家墓所など、城にまつわるあれこれを紹介。写真の追加など、前作以上にイメージしやすいものとなった。

 さらには新宮城跡の最大の魅力ともいえる「算木積み」「亀甲積み」「屏風(びょうぶ)折れ」の石垣についても写真を用いて分かりやすく解説しており、城跡散策や校外学習などに最適な冊子となっている。

 価格は500円(税込み)。市観光協会や荒尾成文堂で販売されている。

  □     □

 制作協力者は次の皆さん。敬称略。

水島大二(日本城郭史学会委員)

栢木 隆(日本古城友の会)

倉本隆之(郷土史研究家)

隅地 洋(同)

和田利信(熊野市教育委員会)

(2021年11月28日付紙面より)

第2弾となる冊子を発行した小渕伸二さん=26日、新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局(一時的にマスクを外して撮影)
2021年11月28日
2 歩行者天国に熱気
 2年ぶり「タンカクフライデナイト」  (新宮市 )

 新宮市の丹鶴商店街の一部を歩行者天国にした「タンカクフライデナイト」が26日夜、2年ぶりに開催され、約1000人(主催者発表)が露店グルメやステージパフォーマンスを楽しんだ。

 丹鶴商店街振興組合(岩澤祐文理事長)主催で、市の「頑張る商業者団体等活動支援補助金」の補助を受けた事業。会場入り口でマスク着用を呼び掛け、各テーブルに消毒液を設置するなどの新型コロナウイルス感染症対策を取った。

 今年のテーマは「アツアツ大作戦!」。寒い時季の開催ということで、おでんやぜんざい、ビーフシチューなど、地元商店が提供する温かいグルメに行列ができた。

 ステージイベントのスタートとMCは、シンガー・ソングライターの藪下将人さんと藍田真一さんのユニット「ヤブシン」が担当。Team雅龍やDance Crew HAL、SPAなど10団体が出演し、華やかなダンスや音楽で会場を盛り上げた。

 岩澤理事長は「『新宮を動かしていきたい』というみんなの思いを受けて開催した。新型コロナウイルスの流行で、家で過ごすのが普通になってしまっているが、少しずつ外に出ることを当たり前にしていきたい。熊野地方全体ににぎわいを広げていけたら」と話していた。

(2021年11月28日付紙面より)

地元商店のグルメに行列=26日、新宮市の丹鶴商店街
Team雅龍のステージ
2021年11月28日
3 子育て家庭が立ち上がる
 分娩休止の発表受け要望へ  (紀宝町 )

 新宮市立医療センター産婦人科の分娩(ぶんべん)予約休止の発表を受け、紀宝町では子育て家庭が立ち上がり、西田健町長への要望を行うための準備を進めている。結成した「紀宝町ママ友パパ友の会」の会員は26日現在で405人に上る。代表を務める同町井田の山下朋美さんは「子どもたちが里帰り出産できない地域にはしたくない。充実した子育て環境があるからこそ、安心して出産できるようにしてほしい」と訴える。

 紀宝町は新宮市に隣接する地域的事情もあり、これまで多くの妊婦が同センターで出産してきた。発表を受けて、町子育て支援センターを利用する母親たちが「自分たちの声を届けたい、何かできることをしたい」と決意。署名も案にあったが「声を届けるのが先」とスピードを優先し、無料通信アプリ「LINE(ライン)」などを使い、活動に賛同してくれる会員を集めた。数人の団体より、数百人の団体の方が、影響力を与えると考えた。

 同町と御浜町、熊野市の一部事務組合でつくる紀南病院組合立紀南病院(御浜町阿田和)は2015年9月から分娩を休止していることから、紀南病院の分娩再開と、同センターに関しては新宮市への働き掛け、遠方の病院に通うことになる妊婦への町独自の支援を求める。今も会員の声を集めていて、要望項目は今後増える可能性もあるという。

 紀宝町神内の紀宝はぐくみの森では26日、山下さんら会員が集まり、要望案の打ち合わせをした。第4子の出産時に赤ちゃんが同センターへ緊急搬送されたという会員の女性は「命に関わる事態だった。お母さん側が急変した場合、医療センターがなかったらと考えると怖い」と不安を口にした。山下さんは「たくさんの人に協力していただき、感謝している。町に声を届け、自分たちもできることに協力していきたい」と話している。要望書は12月3日(金)に提出する予定。

(2021年11月28日付紙面より)

打ち合わせをする会員ら=26日、紀宝町神内の紀宝はぐくみの森
2021年11月28日
4 前回同様、上がり子中止決定
 熊野速玉大社「御燈祭り」  

 新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)、神倉奉賛会、神倉青年団は26日、御燈祭(おとうまつ)り検討委員会を開き、前回に引き続き「御燈祭り」(来年2月6日)の上(あ)がり子の参加を中止し、前回同様、最少人数の神職と介釈(かいしゃく)のみで神事を斎行すると決定した。

 熊野速玉大社例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」と合わせて国の重要無形民俗文化財(重文)の指定を受ける「御燈祭り」は、新年における「火の更新」を意味する勇壮な祭り。毎年、全国から大勢が祭りに参加し、御神火を移した松明(たいまつ)を手に一斉に神倉神社を駆け下りる。

 このたびの決定は、新型コロナウイルス感染症第6波の襲来を案じ、上がり子の健康を最重要視するもの。約2000人の上がり子が山門内に集結する同祭りは長時間の3密状態を避けることは難しく、クラスター(感染者集団)が発生する危険が高くなると予想されることから、やむなしの判断に至った。

 中止の決定に当たり、上野宮司は「全国的にさまざまな感染対策を講じながら少しずつ通常に戻す動きがあるが、同祭りでは山門内の上がり子たちの安全を担保できないことなどから苦渋の決断に至った。再来年こそは従来通り斎行することができれば」と話していた。

 なお、祭り当日は正午から神倉山への入山を制限。翌7日の御燈祭り奉祝祭、餅まきも中止する。

  □     □

■御燈祭り当日の日程

※当日(2月6日)夕刻以降、神倉神社付近への車の参入は避けること

▽午前10時=かがり御供奉製

▽午後5時10分=介釈、神倉神社で修祓(しゅうばつ)の後、熊野速玉大社に向かう

▽午後5時50分=神職、介釈一行同大社を出発して神倉神社に向かう

▽午後6時20分=神倉神社到着

▽午後7時10分=御神火をおこし、神事開始

▽午後7時30分ごろ=大松明を先頭に下山開始

▽午後7時40分ごろ=中ノ地蔵に到着、拝礼

▽午後7時50分=神倉神社社務所に到着。拝礼後、阿須賀神社へ出発

▽午後8時20分=阿須賀神社に御神火を奉安し奉幣を奉る

▽午後8時50分=熊野速玉大社に御神火を奉安し奉幣を奉る

(2021年11月28日付紙面より)

おととしの御燈祭りの様子
2021年11月28日
5 働くことへの意識高める  新翔高で「先輩が先生」  (新宮市 )
2021年11月28日
6 和歌山県から世界各地へ  城南中2年が移民学習  (新宮市 )
2021年11月28日
7 竹原昌男さんに記念品  堀町長ら叙勲受章たたえる  (那智勝浦町 )
2021年11月28日
8 カーブミラーをピカピカに  温故知新の会が清掃作業  (那智勝浦町 )
2021年11月28日
9 ゲームで交流の輪広がる  中央児童館で「おたのしみひろば」  (新宮市 )
2021年11月28日
10 100株のビオラを植栽  新宮商工会議所女性会が美化活動  
2021年11月28日
11 干し柿作りが本番  熊野地方  
2021年11月28日
12 小中学生の力作1400点  紀南児童生徒図画習字作品展  
2021年11月28日
13 和の伝統芸能集う  「丹鶴ホール」に8団体、華やかに  (新宮市 )
2021年11月28日
14 お悔やみ情報
  
2021年11月20日
15 新宮港にバイオトイレ設置
 新宮地方建設業協同組合が寄贈  

 新宮地方建設業協同組合(海邊俊行理事長)は18日、新宮市佐野の新宮港佐野旅客上屋にバイオトイレを寄贈した。寄贈式には同組合員や新宮市、東牟婁振興局新宮建設部職員らが出席。海邊理事長が鈴木伸幸建設部長に目録を手渡した。

 クルーズ船などが停泊する同所にはトイレがなく、これまではクルーズ船が来航するたびに市が簡易トイレを設置していた。

 そういった状況を鑑み、また地元の魅力発信や地域貢献、建設業のアピールなどの観点からこのたびの寄贈を決めた同組合は、環境にも配慮した、自己処理型のバイオトイレを選択した。

 バイオトイレは水を使用せず、好気性バクテリアで便やトイレットペーパーを微生物処理するトイレ。微生物処理に快適な温度、酸素、水分のバランスを自動制御で管理する。菌床にはそば殻が使用されている。

 トイレは小便器と洋式トイレ、手洗い場がセットになった1基で、手洗い場も雨水を利用した雨水手洗装置が採用されており、清掃時以外に水を使わない仕様となっている。

 寄贈を受け、鈴木建設部長は「今年の春に海邊理事長に(寄贈の話を)相談させていただいたところ、早急に対応いただき今日の寄贈式に至った」と感謝。「新宮建設部においては東牟婁地方の社会資本の整備を担当している。まだまだ至らないところはたくさんあると思うが、早急に整備が進むよう努めたい」とあいさつした。

 同港を管理する市からは、新谷嘉敏企画政策部長があいさつ。「立派なトイレを寄贈いただいた。新型コロナウイルス感染症も落ち着きを見せ、今後もクルーズ船の入港が予定されている。来港いただいた際にご利用いただけるよう管理に努めていきたい」と述べた。

 海邊理事長は「寄贈場所については市、振興局と相談しながら検討してきた。公園や施設関係にはほぼトイレがあるが、クルーズ船が着く新宮港にはトイレがなく盲点だった。せっかく寄贈するのだから、と環境にも配慮したバイオトイレに決定した」と寄贈に至った経緯などを説明した。

 市によると、同トイレは今後手すりを付けるなどしてバリアフリー化していく予定。なお、トイレの利用はクルーズ船離着岸時のみとなる。

(2021年11月20日付紙面より)

新宮地方建設業協同組合が新宮港にバイオトイレを寄贈した=18日、新宮市佐野
海邊俊行理事長(右)が鈴木伸幸建設部長に目録を手渡した
2021年11月20日
16 定植体験家族で楽しむ
 農福考える「くまの里山」  (那智勝浦町 )

 和歌山県の「耕作放棄地再生活動協働モデル事業」を活用し、休耕地の再生に取り組む那智勝浦町高津気の「くまの里山」(西美恵子代表)は13日、高津気地区の畑でタマネギの定植体験を開いた。約8000本の苗が用意され、集まった栽培オーナーやその家族など約30人が楽しみながら苗植えの作業に取り組んだ。

 「くまの里山」は2007年に組織された「高津気竹灯りの会」が母体。農業を身近なものとし、里山に残る食文化や先人の教えを次世代につなぐとともに、耕作放棄地の再生と里山の保存のために活動している。

 農作物の栽培のほか、地区内のしし垣の整備や保全、地元食材を用いた漬物講習会、ジャガイモや落花生の栽培も行っている。

 この日は家族連れなどの参加者が会員らと交流を図りながら、苗を植えて水やりを行った。懸命に苗植えを行っていた子どもたちは「いっぱい植えた」「ここも植える」と元気いっぱい作業に汗を流した。

 くまの里山によると、今年の苗は良いとし、作り始めて8年目にして手応えを感じているという。収穫は来年5月上旬を予定。それまでの世話は会員らが行う。

 西代表は「おいしいという声を頂けるのでやりがいがある。落花生やジャガイモにも力を入れていく。今後は会員制交流サイト(SNS)のノウハウを学び、情報なども発信してきたい。そうすることで、耕作放棄地をなくすことにつなげていきたい」と語った。

  □     □

■農業と福祉の連携も



 くまの里山はこれまで、農作業などに率先して取り組んできたが、高齢化などの影響から、参加が難しくなった会員もいるという。

 しかし、その会員らも、体験参加者への振る舞いを作ったり、受付係をするなど、これまでとは違った形で活動に協力し、生きがいを創出している姿が見られた。

 西代表は「高齢化や足腰が悪くなり農作業に参加したくても参加できない方もいらっしゃるが、違った形で協力してくれているのでありがたい。互いにさまざまな形で支え合って里山を守ることは、あるべき『農業と福祉の連携』の姿のような気がします」と語った。

(2021年11月20日付紙面より)

タマネギの定植体験を楽しんだ=13日、那智勝浦町高津気
多くの人が参加した
2021年11月20日
17 津本自主防、「みえの防災大賞」に
 高い防災意識など評価受ける  (紀宝町 )

 紀宝町の津本地区自主防災会(谷口昌宏会長)が本年度の「みえの防災大賞」に選ばれた。

 災害に強い三重づくりを目的に2006年度から実施し、本年度は県内13団体から応募があった。津本自主防は、これまで「みえの防災奨励賞」「みえの防災特別賞」を受賞。今回は「常に高い防災意識を持ち合わせ、町の自主防災組織のリーダー的存在として、今後も地域において防災活動の進展が大いに期待される」と評価を受けた。

 紀伊半島大水害後の12年に発足。防災訓練や炊き出し訓練、子どもから高齢者までの幅広い世代を対象にした防災講話などを継続して開催し、地域の防災力向上に努めてきた。子どもから高齢者までが楽しく防災を学ぶ「防災チャレンジ大運動会」も開いてきた。

 16年には「地区タイムライン」を作成し、町と連携を図ってきた。昨年は、7月に新型コロナウイルスに対応した避難所開設・運営訓練を実施、9月には町に記録的短時間大雨情報が発表されたことを受け、小中学生に聞き取りをし、危険箇所にポールコーンを設置した。

 谷口会長は「皆さんのおかげで受賞することができました。防災は訓練の積み重ね。これからも住民の皆さんと共に訓練を続けていきたい」と話していた。12月5日(日)に桑名市で開催される「みえ地震・津波対策の日シンポジウム」で表彰式が開かれる。

(2021年11月20日付紙面より)

津本地区自主防災会によるこれまでの訓練
2021年11月20日
18 目撃例少ないナベコウ飛来
 ナベヅルとつかの間の休息  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町中里の水田に16日、国内でも目撃例の少ないナベコウが飛来した。ナベコウは2羽のナベヅルと共に餌をついばむなどして、つかの間の休息を取った後、再び大空へと飛び立っていった。

 ナベコウはコウノトリ科コウノトリ属に分類され、シベリアや中国北部、朝鮮半島で繁殖し、インドや中国南部で越冬する。日本国内では冬季まれにだが、九州や沖縄などの西日本で迷行するという。

 ナベヅルは中国東北部とロシアの境を流れるアムール川流域などで繁殖し、秋・冬は西南日本や韓国南部、中国揚子江流域などで過ごす。世界での生息数は1万4000~1万6000羽と推定されており、鹿児島県の出水地域でその8~9割が越冬しているとされている。

 和歌山県立自然博物館によると、県内へのツル類の飛来は少数だが、毎年確認されているとし、夏場に過ごす生息地よりも南(赤道側)の温暖な地域に移動し、寒い冬を乗り切るため、餌が取れる環境を求めてやって来るという。

 しかし、ナベコウについては、和歌山県鳥類目録(2009年版)で記録がないとし、国内での目撃例もかなり少ないため、同町で確認できたことはかなり珍しい事例ではと見解を示している。

 同館の鳥類・哺乳類担当学芸員の佐々木歩さんは「ナベコウが渡来する理由は説明できないが、越冬地へ向かう途中でたまたまこの場所で休んでいるのか、ナベヅルがいることに安心してこの場所を採食場所として利用しているのかなどと考えている」「ナベヅルもナベコウも採食場所として水田や畑、河川、河口などの開けた場所の水場を好む。残念ながら近頃は干潟の埋め立て、護岸整備や宅地化が進んでいるため、これらの場所を好む鳥類も徐々に見られなくなっていくかもしれません」と語った。

(2021年11月20日付紙面より)

珍しいナベコウが大空を舞う=16日、那智勝浦町中里
ナベヅルとナベコウが飛来した
2021年11月20日
19 個人・団体で成果を競う
 新宮市民スポ祭弓道競技の部  
2021年11月20日
20 低学年、高学年ともに優勝
 建武館創立120周年近畿剣道大会  (三輪崎剣道クラブ )
2021年11月20日
21 約340人乗せ、飛鳥Ⅱが入港  新宮市  
2021年11月20日
22 「おじいちゃんとぼく」  人権の詩2021で優秀賞  (那智勝浦町 )
2021年11月20日
23 車いすの困難さ学ぶ  神倉小で福祉体験講座  (新宮市 )
2021年11月20日
24 踊って音楽を楽しもう  新宮高吹奏楽部が演奏会  (三輪崎小 )
2021年11月20日
25 連携し詐欺被害防ぐ  那智勝浦町のコンビニ店に感謝状  (新宮警察署 )
2021年11月20日
26 揺れを知り避難路確認も  西向小が「起震車体験」  (串本町 )
2021年11月20日
27 北大研究林内で作品制作  招聘作家の大矢りかさん  (森のちからⅫ )
2021年11月20日
28 対象者2547人に郵送で配布  経済活性化商品券第2弾  (古座川町 )
2021年11月20日
29 新たなコラボ企画スタート  紀南高×熊野エリア道の駅協  
2021年11月20日
30 待望の浄水場が完成  桐原地区で除幕式と見学会  (紀宝町 )
2021年11月20日
31 「さがせ!ミック」の原画展  町立図書館で開催中  (紀宝町 )
2021年11月20日
32 ママも子どもも笑顔になる「疲れない食育」
 【第43回】食育のバロメーター  

 「食育って、やっているつもりだけど、これでいいのか、本当に身に付いているのか不安です」。最近こんなご相談を受けました。食育は子どもの自己肯定感を上げ、将来の健やかな食意識をつけてもらうためだと私は思っているので、日々の学習を確認するテストのように、進捗(しんちょく)を確認する必要はないと思っています。

 でも、その不安な気持ちもよく分かります。そこで、私はこうお答えしました。「お子さんが、食事を楽しみにしていたら成功の印ですよ」。子どもが食事を楽しみにする、というのは食育においてとても大切なことです。では食事を楽しみにする子どもには、どんな特徴があるのでしょうか? 最新の論文によると、その特徴は三つあります。

 まず一つ目は「食欲がある」これは当然といえば当然ですね。食べたいから、食事が楽しみということです。でもこの食欲は、体調と大きく関係しています。睡眠不足や、日光に当たらず体内時計が狂うと、食欲はなくなってしまいます。おなかがすくということは、規則正しい生活・きちんとした食事のリズム・そして間食を取りすぎないなど、健やかな生活ができている証しでもあるのです。

 二つ目は「好き嫌いが少ない」ということです。偏食は厳しく叱責(しっせき)する必要はありませんが、諦めることもよくありません。あまり好まない食材も、食卓に出して、「おいしいよ」と声を掛けてあげてください。そしておいしそうに食べてみせてあげてください。そうした経験が警戒心を解き、食べてみようかなという気持ちにつながります。食べられるものが増えると、食事は楽しくなるはずです。

 三つ目は「よくかんでいる」ということです。それでいて、ダラダラ食べる子は少なかったという結果が出ています。よくかむことで、よく味わい、おいしさを発見することができます。以前もこの連載で書きましたが、かむことにはメリットしかありません。さらに、よくかむことは食事の楽しさと関係することが今回の研究で分かったということですね。

 食事が楽しいという子どもは、どの研究を見ても、自己肯定感が高く、何事にも前向きで、家族関係も良好だということが分かります。そして、楽しい食事は食経験として子どもたちの未来を、確実に明るくしてくれるはずです。

 食育がうまくいっているかどうかは、食の知識を増やすということではありません。子どもたちが、毎日のご飯を楽しみに生活し、食卓で自分の居場所を再確認することができるかどうか、ということなのです。もしもあなたが、「食育できているかな?」と不安になったら、お子さんに「ご飯の時間は好き?」と聞いてみてください。

 最初にまず、家庭での食育が目指すところは、「ご飯を食べる時間が好き!」と言ってもらうこと、これに尽きると思っています。逆に、食事が好きと言ってもらえたら、食育の8割は成功しているのです。

(2021年11月20日付紙面より)

2021年11月20日
33 お悔やみ情報
  
2021年11月09日
34 虹を浴び、光り輝く年に 熊野本宮大社で絵馬完成 

 田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で8日、来年のえと「壬寅(みずのえとら)」の大絵馬と小絵馬が完成した。大絵馬は12月2日(木)に、大しめ縄と共に大社神門に掲げられる。

 スギ材などで作った大絵馬は、横232㌢、縦117㌢。九鬼宮司が8月半ばごろから構想を練り、制作に着手した。太陽を背にした白虎が、先を清眼として見据える構図で、全体を包み込む形で虹を描いた。

 「人々が未来に向かって進み、皆にとって光指す一年であるように」と思いを込め、「一筋の道」と「光」の文字を揮毫(きごう)した。

 新宮、白浜、紀伊田辺、周参見のJR各駅に掲げる小絵馬には、同じく太陽を背に先を見据える虎の姿。それぞれのまちのキャッチフレーズから印象的な単語を抜粋し、そこから着想を得た色で「蘇」の文字を書き入れた。

 新宮駅には24日(水)、紀伊田辺、白浜、周参見駅には26日(金)に授与する。旅の安全を願い、南紀白浜空港にも大絵馬を贈る予定。

 九鬼宮司は「新型コロナウイルス感染症の影響で多くの人の生活が一変した。今年もコロナ禍の中で年を越すが、来年こそは自分の歩む道が定まり、虹を浴びながら光輝く一年であってほしい」と絵馬に込めた思いを語った。

(2021年11月9日付紙面より)

「光輝く一年に」。絵馬を完成させた九鬼家隆宮司=8日、田辺市の熊野本宮大社瑞鳳殿
2021年11月09日
35 「佐藤春夫から中上健次へ」 コーナー開設記念し公開講座 (熊野大学)

 新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で6日、市立図書館中上健次コーナー開設記念公開講座「佐藤春夫から中上健次へ―日本近代文学の百年」があった。熊野大学(松本巌理事長)主催。文芸評論家の高澤秀次さん、市立佐藤春夫記念館の辻本雄一館長、中上健次(1946~92年)の長女で作家の中上紀さんが、新宮が生んだ2人の文豪について講話した。

 「試験もない、校舎もない、校則もない。誰でもいつでも入学でき、卒業は死ぬ時」という熊野大学は1990年、中上によって設立。中上の逝去後は、遺志を受け継いだ有志たちが中心となって活動を続けている。

 中上が亡くなった月でもある8月のセミナーには例年、墓参りも兼ねて全国から多くの中上文学ファンが熊野地方を訪れるが、台風や新型コロナウイルスの影響で3年連続の中止に。

 このたびは市文化複合施設の完成に伴い新図書館に「中上健次コーナー」が新設されたことを記念し開催に至った。

 開催に当たり、松本理事長は生前の中上との交流や、熊野大学設立の経緯などを説明し「立派な施設と、立派な中上健次コーナーができた。健次のことを広く知ってもらえることをありがたく思っている」。

 紀さんは同コーナーの概要を紹介。「コーナーに近づくと生前最後の映像といわれるビデオが流しっぱなしとなっており、誰でも映像で健次の姿を見て声を聞くことができる。健次も喜んでくれていると思う。今日はセミナーではないが、3年ぶりの熊野大学の発信。短い時間だが皆さんと一緒にどっぷりと空気に浸りたい」とあいさつした。

 来年2022年は春夫(1892~1964年)が生誕して130年、中上が逝去して30年を迎える。辻本館長は「芥川賞を受賞する前、健次は『佐藤春夫のばい菌が満ちあふれている』と小説を書くきっかけについて話していた。文学的な風土がある、と。2人の文学は新宮と熊野の風土や歴史と深い関わりがあったのでは」と言及。

 「健次が亡くなった時、『近代文学は終わった』という言い方を報道などでよく目にした。春夫と健次の間の100年は近代文学の100年にぴったり重なるが、健次は近代文学そのものを批判して物語を展開していたと思う」と見解を述べた。

 高澤さんは「日本近代文学を2人に象徴させて語ることは決して奇抜な方法ではない」と述べ、日本近代文学の歴史について説明。中上の著書「枯木灘」について文学評論家の江藤淳(1932~99年)は「この作品によって自然主義文学の理想は達成された」と評価したと紹介した。

 また、主人公が被差別部落出身であることを告白したのちテキサスに渡るまでを描いた島崎藤村の「破戒」に関して「中上はカミングアウトして逃げていると、新宮の地で批判を展開した。そのことは日本近代文学に放った第一の矢だと思っている。物語と小説の関係性を問いただした作家であった」。

 春夫については「当時の日本文学の最前線だった。日本の自然主義文学から逸脱したモダンで実験的な小説を書いた」と評価。熊野地方から大石誠之助をはじめとする6人が連座した「大逆事件」(1911年)以降、日本文学は大きく方向転換したとし「(2人は)近代文学を問いただした作家であり、難関を突破し難関(『大逆事件』)を前にたじろいだ作家」であると述べた。

 また、中上が春夫に対し「『大逆事件』を回避している。熊野を真正面から書いていない」と批判したことに対し「佐藤春夫というターゲットがいなければ展開されなかった」と言及。

 対し辻本館長は、春夫の短編「砧(きぬた)」では直接「大逆事件」に触れてはいないものの、「大塩事件」(大塩平八郎の乱)の熊野に与えた影響が述べられているとし「『大逆事件』の後遺症の影が投影しているのでは」と話した。

(2021年11月9日付紙面より)

高澤秀次さん(右)と辻本雄一・市立佐藤春夫記念館長が2人の文豪を論じた=6日、新宮市の「丹鶴ホール」
熊野大学公開講座の様子
中上紀さん
2021年11月09日
36 平和な未来に歩み誓う
 コロナで延期の成人式に75人  (熊野市 )

 熊野市は7日、成人式を催した。対象の新成人は154人。うち75人が参列した。りりしい背広姿や華やかな振り袖姿で会場の熊野市民会館=木本町=に集い、旧知の友人たちとの再会を喜び合いながら、成人として恥じない行動とこれからの活躍を誓い合った。

 紀北町から紀宝町までの2市3町の成人式は、コロナ禍の影響で全てが11月に延期。熊野市も例年なら1月3日に開催していたがこの日、感染拡大防止のために簡素化して東紀州地区トップの開催となった。中村天音(あまね)さん(21)=2015年、木本中卒=が司会を務め、倉本勝也教育長は式辞の中で、これまでとは違った形の式の開催に理解を求めながら、「自分や家族など大切な人や地域の人を守るため、コロナ感染防止の行動を」と注意を促した。

 河上敢二市長は高校生時代に何度か熊野を訪れ、大リーグ・エンゼルスでも投打二刀流の大活躍で人気沸騰の大谷翔平選手を例に、「夢に向かって努力を。夢はかなうものではなく、かなえるもの。努力すれば夢が近づく」と述べ、人生の大海原にこぎ出す若者たちを激励した。

 新成人を代表して濵中良輔さん(21)=15年、有馬中卒=が誓いの言葉。育ててくれた両親、家族、友人、先生方、地域の人々の温かい支えに感謝しながら、「将来は教師として、大好きな熊野市に恩返ししたい」と希望を語り、「新成人として感謝と思いやりの心を忘れず、平和な未来に向かって歩んでいく」と誓った。

 式後は校区別に記念写真の撮影。市民会館前でも友人同士が互いに写真を撮りながら、話に花を咲かせていた。無事に司会を終えた中村さんは「緊張した。仲の良い友達が来られなくて残念だった」と振り返った。

(2021年11月9日付紙面より)

国歌を斉唱する新成人=7日、熊野市木本町の市民会館
誓いの言葉を述べる濵中良輔さん
2021年11月09日
37 津波想定し高台へ避難
 那智勝浦町で統一津波避難訓練  

 那智勝浦町は6日、「令和3年度町内統一津波避難訓練」を町内各地で実施した。今回は町内19地区が参加。発生が懸念される南海トラフ巨大地震を想定し、住民らは津波から身を守るため高台などに避難した。

 2014年に和歌山県が発表した同町の被害想定の死者数は、南海トラフで1万1700人、三連動地震で5200人。さらに津波避難困難地域に指定される地区が多いことから町では避難路整備や津波避難タワーの建設などを進めてきた。

 訓練は発災時に「必ず避難行動を取る」「情報の伝達」「避難所運営」などの行動を住民が実行できるように取り組んでいるという。八反田地区では自主訓練のみ行った。

 訓練では南海トラフ巨大地震が発生し、震度6弱~7でマグニチュード9・1を想定。午前9時3分に訓練を告げるサイレンと放送が行われた。

 参加した勝浦四区の住民は、町立勝浦小学校敷地内に造成された高台へ避難した。この高台はかさ上げと造成によって4000平方㍍の平地が確保されており、災害時には多くの町民が避難できる。今年7月から着工し、同校が夏休み期間中に工事が進められた。訓練での使用は今回が初めて。

 この日は勝浦六区も同校敷地内で実施。町内3カ所に一時避難することになっている同区はその内の1カ所として避難を行った。

 四区では避難した区民の受け付け後、発電機の使用訓練や町災害対策本部への情報伝達訓練に取り組んだ。区民にはハザードマップや非常用持ち出し袋に備蓄する必要物のリスト、避難カードなどが配布された。

 同区防災部長を務める梶信隆さんは「災害はいつ発生するか分からないので心構えが必要。まずは避難することを念頭に置いてほしい」。

 楠本修一区長は「常に防災意識を持って日常生活を送ってほしい。そのための訓練」と語った。

 なお、この日は町民が964人、町職員6人、新宮警察署から3人が訓練に参加した。

(2021年11月9日付紙面より)

高台へ避難する住民ら=6日、那智勝浦町立勝浦小学校敷地内
避難した区民の受け付けなどを行った
2021年11月09日
38 野菜摂取など測定機会提供  道の駅で健康増進イベント  (串本町 )
2021年11月09日
39 選手27人の登録得て初動  ジュニア駅伝チーム結団  (古座川町 )
2021年11月09日
40 8校7組が演奏響かせる  串本で2年ぶりにつどい  (紀南地区吹奏楽連盟 )
2021年11月09日
41 新宮城跡を英語で案内しよう  英会話とガイドの知識吸収  (新宮市 )
2021年11月09日
42 こども食堂再開に向け寄贈  木原造林がクローバーの家に  (新宮市 )
2021年11月09日
43 元気いっぱい種目に挑戦  たづはら保で運動会  (新宮市 )
2021年11月09日
44 豊富な出店でにぎわう  太田の郷でフリーマーケット  (那智勝浦町 )
2021年11月09日
45 劇や落語で成長見せる  市小ふれあい祭り&秋祭り  (那智勝浦町 )
2021年11月09日
46 育てたサツマイモを収穫  秋空の下で芋掘り大会  (成川保 )
2021年11月09日
47 5カ月ぶりに集いの場再開  鵜殿地区で「かわりない会」  (紀宝町 )
2021年11月09日
48 お悔やみ情報
  
2021年11月05日
49 関係機関の連携強化
 「世界津波の日」前に合同訓練  (新宮市 )

 「世界津波の日」(11月5日)を目前に控えた3日、新宮市佐野の新宮港緑地で、令和3年度新宮市総合防災訓練を実施した。16機関から約200人が参加。さまざまな訓練を通し、大規模災害に対する連携強化を図った。

 「世界津波の日」は2015年12月に国連総会で制定。安政元(1854)年11月5日に、安政南海地震による津波が現在の和歌山県広川町を襲った際、濱口梧陵が稲むらに火を付け、津波から逃げ遅れた村人を高台へ導いて多くの人の命を救った逸話「稲むらの火」にちなんでいる。

 訓練に参加したのは▽近畿地方整備局紀南河川国道事務所▽田辺海上保安部串本海上保安署▽関西空港海上保安航空基地▽陸上自衛隊第37普通科連隊▽近畿管区警察局和歌山県情報通信部機動警察通信隊▽和歌山県警察本部広域警察緊急援助隊▽新宮警察署▽和歌山地方気象台▽東牟婁振興局▽県防災航空隊▽株式会社POS▽NPO和歌山災害救助犬協会▽新宮市▽市消防本部▽市立医療センター▽市水道事業所。

 訓練は、和歌山県南方沖で震源の深さ約10㌔、マグニチュード8・6と推定される地震が発生し、市では震度6強を観測。県には地震による大津波警報が発表されたほか、県内全域で家屋の倒壊や火災が発生し、橋や道路の損壊、土砂災害、交通・通信・電力・ガス・水道などの施設機能がまひ。救援活動が妨げられ、多数の死傷者が発生したとの想定の下実施された。

 沿岸部では津波による港湾施設が損壊、家屋・船舶が流失し、行方不明者が多数出ているとの情報を受け、田岡実千年市長が災害対策本部を設置。出動要請を受けた各機関が情報伝達や海上被害調査、漂流者救助、炊き出し、給水、医療救護活動、救出救助、消火などの訓練を行った。

 夜間の災害発生を見据えた照明車と排水ポンプ車との合同訓練や、災害派遣医療チーム(DMAT)と警察、消防などが連携して治療の優先順位を決める「トリアージ」、検視活動、中高層建物屋上に取り残された要救助者をヘリで引き上げる高所救助活動などもあり、緊迫した空気の中、実践さながらの訓練が展開。なお、訓練は当初、市民参加型を想定していたが、コロナ禍の状況を踏まえこれを断念。当日の様子は動画投稿サイトでライブ配信された。

 訓練を終え、竹田和之・総務部防災及び危機管理担当兼防災対策課長は「各機関とも他の機関と連携を密に、スムーズに訓練を行えていた」などと講評。「人命を第一に考え、日頃から連携を密にし迅速に活動ができるよう、今後も訓練に励んでほしい」と呼び掛けた。

 田岡市長は「コロナ禍においても自然災害は待ったなし。どのような状況下においても対応できるよう、さらなる防災意識の向上を図るとともに、有事に耐えうる備えを常にしておかなければならない」と締めくくった。

(2021年11月5日付紙面より)

各機関が救出救助などそれぞれの訓練を実施した=3日、新宮市佐野
市消防本部による消火活動の様子
2021年11月05日
50 佐藤春夫の遺徳しのぶ 関係者らが「筆供養」 (新宮市)

 「文化の日」の3日、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」敷地内の佐藤春夫筆塚前で、令和3年度佐藤春夫「筆供養」が営まれた。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から規模を縮小して実施。関係者ら約30人が参列し、使い古した筆を供養するとともに春夫の遺徳をしのんだ。

 公益財団法人佐藤春夫記念会(舩上光次代表理事)と新宮市教育委員会(速水盛康教育長)が主催。2015年まで旧市民会館前の「筆塚」で営んでいたが、文化複合施設建設工事で一時撤去したことから会場を変更して開催。筆塚前で実施するのは6年ぶりとなる。

 「筆塚」は1966年、新宮ライオンズクラブが市民会館前に建立。揮毫(きごう)は春夫の親友だった堀口大學が行い、佐藤千代夫人と堀口夫妻らが除幕した。塚の中には春夫愛用の毛筆と万年筆が納められている。

 式典では、1951年、春夫が59歳の時に作詞し、文化の日に制定された新宮市歌が流れる中、舩上代表理事が進行役を務めた。

 田岡実千年市長は「佐藤先生の筆塚、西村伊作先生の正門、村井正成先生の壁画は、文化の殿堂としての風格を丹鶴ホールに与えてくれている。今後も筆供養の式典を通じ文化の向上を願い、その発展に努めていきたい」とあいさつ。

 市立佐藤春夫記念館の辻本雄一館長は「久しぶりに筆塚の前で供養できてうれしい。来年は春夫生誕130年、そして中上健次が亡くなって30年を迎える。小さいまちから近代文学を代表する2人の人物が出たということは近代文学に興味のある人々の関心を引くところで、このまちの歴史と風土が育んだものでは」。また、中国の近代文学者・魯迅を日本で最初に紹介したのは春夫であったことなどについて話した。

 茶道裏千家淡交会南紀青年部の谷口宗尚さんの献茶に続き、参列者らが春夫の写真の前に筆を供え遺徳をしのんだ。

 式典の後には、辻本館長による「佐藤春夫パネル展」(3日で終了)の展示解説もあった。

(2021年11月5日付紙面より)

谷口宗尚さんが筆塚前に献茶した=3日、新宮市の「丹鶴ホール」
2021年11月05日
51 打ち上げの実感を得る 串本中でロケット教室 (県宇宙教育研究会)

 串本町立串本中学校(濱﨑和司校長)の1年生39人を対象にしたロケット教室が2日にあり、生徒はモデルロケット「アルファⅢ」の製作と打ち上げに取り組んで実感を得るなどした。

 この教室は、県宇宙教育研究会(会長=笹井晋吾・県立桐蔭高校長)指導の下で実施。同研究会はこれまで社会教育の範囲で重ねてきた実績を学校教育へ取り入れるべく本年度、串本中と串本西中の協力を得て試行することとしている。

 その第1号事例となったのがこの日の教室。同研究会の事務局長で生徒が発射ボタンを押す指導ができる藤木郁久教諭(桐蔭高)と会員の太田昇教諭(串本中)が対で講師を務め、5時間目に製作、6時間目に打ち上げを当てはめる形で指導した。

 生徒は同校体育館で講師と合流し、ロケット(スペースシャトル)の打ち上げ映像を交えてこれから挑戦する事柄のイメージを得つつ、2人一組でモデルロケット1基を組み上げた。

 その後、望楼の芝へ移動して計19基を専用の発射台から打ち上げ。一部点火不良があったが、仕切り直して全ての打ち上げが成功した。

 生徒の一人、和田久朋那さんは「1から10まで自分たちで作ったモデルロケットの打ち上げが成功してすごく感動した。もうすぐ小型ロケットの打ち上げが始まるけど、絶対見に行きたいという気持ちになった」とコメント。他の生徒も仲間の打ち上げをカウントダウンで後押しし、上空でパラシュートが開くと歓声を上げ落下するモデルロケットを追い掛けるなど打ち上げに強く興味を示していた。

 太田教諭は当初4人一組でモデルロケットを作る予定だったが同研究会の支援で2人一組にできたことを生徒に伝え、「一人でもロケットを勉強してみようかなと意義を感じてもらえたら(同研究会は)うれしい」と期待を寄せて同教室を締めくくった。

 串本西中では2年生12人を対象にし、9日(火)に実施予定。同研究会は12月4日(土)に県立潮岬青少年の家で小学生対象のロケット教室を開く予定で、藤木教諭は近々学校経由で知らせるので親子で参加してほしいと話していた。

(2021年11月5日付紙面より)

モデルロケットを打ち上げる串本中1年生=2日、串本町潮岬
2021年11月05日
52 じゃばら収穫がスタート
 例年よりやや少ない100㌧見込む  (北山村 )

 日本唯一の飛び地の村、北山村で4日から、特産品「じゃばら」の収穫が始まった。女性たちが色づいたものを枝切りばさみで丁寧に切り取り籠へと入れていった。今年の収穫量は例年に比べてやや少ない約100㌧の見込みで、作業は12月中旬まで続く予定となっている。

 じゃばらは温暖多雨な気候で寒暖差が大きい同村の自然条件が生み出したかんきつ系の果実。紀州みかんやユズの自然雑種とされており、江戸時代から村に分布したと伝えられている。名前は「邪(じゃ)を払う」からきているという説がある。サイズはテニスボールほどで、疲労回復に良いとされるビタミンAとC、風邪予防に効果があるカロテンを含むなど栄養価に優れ、皮には抗アレルギー作用があるフラボノイド成分が多く含まれている。

 じゃばらは株式会社じゃばらいず北山と村じゃばら生産協同組合に加盟している農家33戸の計8㌶ほどの畑で約5000本を栽培。生しぼりやジュース、ポン酢、ジャム、シャーベットなどさまざまな商品に使用されている。

 北山振興株式会社じゃばら農園管理責任者の宇城公揮さん(45)は「小ぶりなサイズもありますが、適度な雨にも恵まれて例年と変わらない大きさに成長させることができた。実もきれいで、品質の良いものが育ちました」と話していた。

 予約はインターネットや電話で受け付けている。問い合わせは、じゃばらいず北山(電話0120・928・933)まで。

(2021年11月5日付紙面より)

丁寧にじゃばらを収穫する地元農家=4日、北山村
2021年11月05日
53 新宮市展、にぎわう  2日にわたり「丹鶴ホール」で  
2021年11月05日
54 差別のないまちづくり目指し  町内5カ所で人権・同和啓発  (那智勝浦町 )
2021年11月05日
55 本紙エリアで7人受章  令和3年秋の叙勲  
2021年11月05日
56 種の観察に取り組む  三尾川小でクマノザクラの授業  (古座川町 )
2021年11月05日
57 新種のエビの飼育展示始める  トゲツノミナミロウソクエビ  (串本海中公園センター )
2021年11月05日
58 坂ミツさん5日に満百歳  家族や町長訪ね長寿祝う  (古座川町 )
2021年11月05日
59 楽しみながら防災意識高める かるたとすごろくに挑戦 (鵜殿小)
2021年11月05日
60 弓神事や手踊りなど奉納  町内各地区で秋の例大祭  (紀宝町 )
2021年11月05日
61 元気にリレーやダンス  新宮市立3小学校で運動会