海からの視点で熊野の民俗学、地名学を研究する海の熊野地名研究会(田中弘倫会長)は22日、那智勝浦町の浦神西区民会館で平成30年度の総会を開いた。会員以外も参加できる研修もあり、講義やフィールドワークに約40人が参加した。
研修では、田中会長が「浦神半島の微細地名」と題して講義を行い、海蔵寺の西山義朗住職が同寺の由緒や浦神湾などについて話した。続いて同研究会理事の中瀬古友夫さんが古い絵はがきで、昭和初期の浦神の風景を紹介した。昼食後、事務局次長の桐村英一郎さんらと歩くフィールドワークで、天鈿女(あめのうずめ)や浦上国津姫を祭る塩竃(しおがま)神社を参拝後、「口熊野」と「奥熊野」の境という清水峠越えの熊野古道大辺路を考察した。
微細地名とは、土地台帳や地形図に掲載されない不記載地名で、海岸線や磯、河岸、谷間などに多く見られ、かつては地区の人々の仕事や遊びに直結した生活の一部だった。そのほとんどが言い伝えによるもので、用いる人がいなくなると自然に消えていく性質を持っている。
田中会長は市町村合併や、インターネットの公募などで地域の歴史や地形に関連のない地名が生まれることに危惧を抱いており、「地名は単なる記号ではなく先人の知恵が詰まっている。地震や洪水などの自然災害の情報も得られる。小さいが残すべき大切な文化財」と話した。ワキジタオシやロードコオリなど、分かっているもので170以上はあるという浦神半島の微細地名を紹介し、記録に残し考察するための情報提供も呼び掛けた。
同研究会への入会の申し込み、問い合わせは事務局(電話0597・89・3852/090・7676・7697)まで。
(2018年4月26日付紙面より)
「食事サービス」事業30年 (那智勝浦町 )
那智勝浦町社会福祉協議会(山田善清会長)が一人暮らしの高齢者らに弁当を届ける「食事サービス」事業が今年度も21日からスタートし、平成元年の開始から30年目を迎えた。
この事業は、各地区の福祉委員が手作りした弁当を月1回、高齢者宅に届け、お年寄りの安否確認にもつなげる目的がある。町内を宇久井、色川、那智、勝浦、太田、下里(A・B)、南平野の8地区に分け、福祉委員がボランティアで参加して弁当を作り、地区の役員や福祉委員が高齢者宅に届ける。社会福祉協議会の栄養士がメニューを作り、福祉委員が季節の食材を使って調理する。ボリュームがあり、味も良いとあって好評で平成28年度は年間で4169食が提供された。
対象は▽80歳以上のお年寄りだけの世帯▽75歳以上の一人暮らしの人▽1・2級の障害手帳を持っている人▽体が弱い人―など。調理にかかる費用のうち300円は自己負担。
事業は福祉委員のボランティアの力で成り立っている。勝浦地区の調理場所、同町福祉健康センターでは22日、エプロン姿の女性たちが朝早くから調理に取り組んだ。この日は各地区の調理場を山田会長らが訪問し、「皆さんが愛情込めて作られたお弁当は好評です。ボランティアで大変な仕事ですが、見守り活動の一環として意義のある事業です」と福祉委員の活動に感謝した。勝浦地区の福祉委員長で30年間携わっている大林幸子さんは「お弁当を通じて見守り活動ができます。ご高齢の方に喜んでもらえるのが何よりです。感謝の言葉をいただくと自分の体の錆(さび)が落ちるようで、元気になります」と笑顔で話す。
同町社会福祉協議会の田原紀子さんによると近年はデイサービスなどの利用で配食数は減少傾向だが、毎月、手作り弁当を心待ちにしている高齢者は多いという。田原さんは「福祉委員さんも高齢化しています。町の福祉のために若い人の参加もお願いしたい」と話していた。
事業の問い合わせは地区の福祉委員か社会福祉協議会(電話0735・52・5252)まで。
(2018年4月26日付紙面より)
商工会女性部総会開く (串本町 )
串本町商工会女性部(桝田和美部長)の本年度総会が22日に国民宿舎あらふねリゾートであり、桝田部長以下出席部員一丸で今後の方向性を決めるなどした。
女性部員としての研さんはもとより、▽古座地区演芸会出演▽熊野水軍古座河内祭の夕べ民謡踊り出演▽串本まつり町民総踊り参加とビアガーデン運営協力▽本州最南端の火祭りしょらさん鍋のふるまい協力―など地域貢献の機会も数多く持つ同部。そのような方向性を形作る総会の開会にあたり桝田部長は、高速延伸に伴う人の出入りの増加など今後のまちの状況を生かす各部員それぞれの店舗での頑張りを呼び掛け、女性部員として町域活性化に積極貢献している事に感謝し引き続きの協力を求めるなどした。
来賓を代表して同商工会の須賀節夫会長は活発さの一端で会員増強につながる貢献、田嶋勝正町長と前芝雅嗣県議会議員は町域に吹く追い風に乗る活躍を期待しつつ祝辞を寄せ、同商工会の生熊和道副会長と中村洋介副会長、寺町忠町議会議長らも列席して総会実施を祝った。
続く議事では事業関係諸議案を原案承認し、本年度も上記の貢献をしつつ研さんに励むこととした。役員改選はなし。総会後は来賓も交えて懇親会もあり、互いの親交を深め意見交換も重ねるなどして弾みの一助にした。
(2018年4月26日付紙面より)
民生委員児童委員協議会が総会 (新宮市 )
新宮市民生委員児童委員協議会(福田行男会長)は24日、市福祉センターで平成30年総会を開き、本年度事業などを承認した。福田会長は高齢化社会で地域の誰もが笑顔で安全に安心して暮らせる社会づくりのために委員活動が期待されると述べ「私たちは専門職ではなく、行政や専門機関とのつなぎ役だと意識しておくことが大切。無理なく市の福祉の増進に協力を」と呼び掛けた。
冒頭に出席委員全員で民生委員の歌『花咲く郷土』を斉唱し、5カ条の民生委員児童委員信条を朗読。来賓として出席した田岡実千年市長は市の総合計画の理念である「市民の誰もが心豊かに暮らせるまちづくり」を挙げ「地域の皆さんの支え合い助け合いがあって、まちづくりが実現される」とあいさつした。
本年度の重点目標は「さまざまな関係機関団体と連携し、課題を抱える住民の支援に積極的に取り組む」「児童問題について早期に対応するため子育て家庭に対しての情報提供や支援活動に積極的に取り組む」の2点。
本年度事業計画は▽高齢者見守り訪問▽子育てサロン▽おやこサロン▽こんにちは赤ちゃん訪問事業への協力と活動▽子育てあんしんネットしんぐうへの参加協力▽さわやか朝の声かけ運動への参加協力―など。本年度一般会計予算は660万4000円。
(2018年4月26日付紙面より)
第20回奥熊野いだ天ウルトラマラソン
文化複合施設の総事業費示す (新宮市 )
新宮市が2021年3月の完成を目指して計画を進めている文化複合施設の総事業が概算で66億9982万円になっていることが分かった。都市再構築戦略事業交付金、合併特例債、過疎債などを活用し、市の実質負担金は約2割になる見込みだ。
市当局が16日に市役所で開かれた市議会の文化複合施設建設に係る遺構発掘および都市再構築戦略事業調査特別委員会(上田勝之委員長、11人)で概算を示した。市は当初、関連事業費(6億8450万円)を除く事業費を55億円以内に抑えるとし、熊野学センター建設を先送りにしたことから、委員たちから厳しい意見があった。
当局は予定額を超えた理由として▽分棟案から1棟案に変更したことに伴い建設単価の高いホールの面積が増えた▽座席にゆとりを持たせるため幅を50㌢から52㌢に広げたため床面積が増えた▽多様な使い方に対応するためホールの固定席を可動席に変更した▽外壁などをさらに木質(熊野材)化した▽主要資材の物価が上昇した―の5点を挙げた。
まだ契約していない整備事業費の内訳は▽本体工事48億2510万円▽解体工事1090万円▽外構工事3億2100万円▽家屋調査760万円▽建設工事監理業務7000万円▽備品費2億8000万円▽新図書館整備事業4600万円。
関連事業費の内訳は▽村井正誠壁画移設1050万円▽埋蔵文化財発掘調査2億200万円▽埋蔵文化財保存工事1億円▽埋蔵文化財発掘整理9800万円▽遺構に配慮した外構工事増額分2億7400万円。
遺構保存に伴う外構工事の増額分は、当初予定していたアスファルト舗装を芝生や木材を使い遺構に配慮した外観にする費用。委員から「増額分は必要か」との指摘があり、当局は再検討することにした。
座席は1~3階の固定席が1012席、2~3階の立ち見席が208席。委員から建設コストを下げるため、座席数を減らして床面積を狭くする意見もあった。
当局は人件費を除いたランニングコストは7200万円を見込んでいると説明。委員から人件費を含めたランニングコストの提示を求める声があり、次回の委員会で示すと回答した。
上田委員長は、設計者や庁内での話し合いをさらに進めるべきと指摘した。
(2018年4月20日付紙面より)
姉妹都市ブルームの学生 (太地町 )
太地町の姉妹都市オーストラリア・ブルームの私立学校セント・メアリーズ・カレッジの生徒たちが19日、太地中学校(城谷真司校長)を訪問し、同中学校の授業に参加して交流を深めた。
ブルームの一行はカレッジの16~17歳の女子9人とマイケル・ペッパー校長ら教職員3人、議員3人の計15人。13日に来日し、広島、奈良、京都を観光。18日夜に太地町入りし、学生はホームステイ先に宿泊した。24日(火)朝まで同町に滞在。こども園や小学校を訪問し、観光も楽しむ。
19日朝は同校体育館で太地中の全校生徒が出迎えて歓迎集会が開かれた。一行が自己紹介した後、同町の櫻井敬人歴史資料室学芸員が、太地町の移民たちがブルームで活躍した歴史を解説。戦前、アイルランドから布教に来た修道女と協力してブルームに学校と病院を建築した。「ブルームには多くの日本人墓地が残っている。彼らの犠牲と貢献によってブルームの町ができた歴史を現在の人たちは知っている」と両町の強い絆を説明した。この後、学生同士が質問し合い、打ち解けた雰囲気になった。竹林孝起君(1年)は小学4年の時にホームステイしたブルームの生徒のことを聞いた。「今は調理師になって元気でいることを知った。うれしかった」と話した。ペッパー校長は「町の人たちに心から歓迎してもらえた。交流プログラムは重要な事業と位置づけている」と話した。
授業では1年生は折り紙とけん玉、2年生は英会話、3年生はスポーツを体験。太地中の生徒たちは臆せずに英語で話し掛け、生徒たちは笑顔で交流していた。
この事業は同町国際交流協会(会長・宇佐川彰男教育長)が2008年から始め、今年で11年目。ブルームには同町から多くの移民が渡り、潜水作業員として従事。当地の真珠養殖産業の発展に大きく貢献したが、犠牲者も多く、現地には大規模な日本人墓地がある。1981(昭和56)年に姉妹提携を結んだ。
(2018年4月20日付紙面より)
西向のカヌー艇庫前のフジ (串本町 )
古座川流域各所でフジが花の時期を迎えている。串本町西向にあるカヌー艇庫前のフジも花盛りとなり、市街地に初夏の色彩を添えている。
この艇庫は、南紀串本観光協会が運用するカヌーの保管場所。午後の日差しを避けるため、前面に棚を組みよしずを乗せていたが荒天のたびに畳んで乗せ直さないといけないなど手間がかかるため、会員の協力で数年前からフジによる代用を試みている。
最初は小さかった苗も、現在は棚の半分を覆うほどに成長。棚はカヌー艇庫の屋根とほぼ同じ高さで組まれていて、一般的な藤棚以上の大振りな枝張りも見ごたえがある。強い日差しは初夏から初秋まで南方向から注ぐため、現状でほぼ防げるようになっているという。垂れる花序は20~30㌢と短めだが密に花をつけ豊かな藤色を見せている。
一般にノダフジは時計回り(左巻き)、ヤマフジは反時計回り(右巻き)でツルが伸びる点で見分けられ、艇庫前のフジは前者の特徴を備えている。
古座川流域におけるカヌーレンタル事業は平成13年度に始まり、現在は同協会が事業継承して経験者向けにレンタル、初めて~初級者向けにインストラクター付き体験の2系統で提供している。レンタルについては事業開始とともに国内でも珍しいカヌータクシーも運行されている。
いずれも有料の体験型観光メニューで、料金体系や提供メニューなど詳細は同協会の公式サイト(現在は旧古座観光協会の状態。http://kokoza.com)などを参照。気温上昇に伴い利用がぐっと増えるゴールデンウイーク期間中の予約は近年、直前に予約が殺到する傾向にあるそうで、同協会職員は「フジの花はさすがに散って見られないだろうが、ゴールデンウイークごろの古座川は新緑がとてもきれいで見ごたえがある。(18日現在で)まだ予約にゆとりがあるので、早めの予約をお勧めします」と話していた。
問い合わせは南紀串本観光協会古座事業所(電話0735・72・0645)か同串本事業所(電話0735・62・3171)まで。
(2018年4月20日付紙面より)
太田農園イチゴ収穫体験 (JAみくまの )
JAみくまのは18日、那智勝浦町中里地区の太田農園(太田喜文代表)でイチゴ収穫体験を実施した。JA共済アンパンマンこどもくらぶの49(大人24、子ども25)人が参加し、和歌山県のオリジナルブランド「まりひめ」を味わった。
毎年人気の催しで、開始前に同農園の太田美保さんから摘み方を教わった参加者らは、イチゴの甘い香りが漂うハウスで収穫を楽しんだ。
新宮市から参加した楢原裕香さんは、娘の彩未ちゃん(4)が1週間前からこの日を心待ちにしていたと話し、彩未ちゃんは「甘くておいしい」と満面の笑顔を見せた。
JAみくまのではアンパンマンこどもくらぶ会員を募集している。入会費、年会費無料。応募資格は、現在妊娠5カ月以上の人か2歳未満の子どもがいる人で、いずれもJAみくまの管内に在住の人。問い合わせは本所共済部(電話0735・52・5902)か各支所まで。
(2018年4月20日付紙面より)
スーパーカー実行委が寄付 (新宮市 )
スーパーカー新宮ミーティング実行委員会は4日、地域活性化に役立ててほしいと新宮市にイベント会場で集めた金一封を寄付した。受け取った田岡実千年市長は「大変多くの募金をいただき心より感謝します。今後も一緒になって頑張っていきましょう」と述べた。
地域を盛り上げようと始まり今年で2回目のイベント。市と新宮商工会議所後援のもと同市佐野の新宮港緑地公園で3月25日に開催した。全国各地からランボルギーニやフェラーリなどのスーパーカー約60台が集まり、2000人以上の来場者でにぎわった。寄付金はスタッフやレースクイーンが募金箱を持って会場を回り集めた。
実行委員会の床浦勝昭委員長(フリークグループ代表)と岡崎武人大会長、イベントに協力した北道江利さん(チーム雅龍)と畑下和也さん(SP警備保障)の4人が市役所を訪れ、田岡市長に募金を渡した。
床浦委員長は「無事、大盛況のうちに終了することができました。遠くから来てくれたオーナーさんたちにも新宮・熊野ファンになってもらうことができたと思います。募金箱には金額以上にみんなから『頑張れ新宮、大好き熊野』の気持ちをたくさん入れてもらっております」。
田岡市長は「イベント当日は素晴らしい天候にも恵まれ、大成功したことをうれしく思います」と話した。
(2018年4月6日付紙面より)
「南の国の雪まつり」検討会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の町役場周辺で2月18日に開かれた第23回商工祭「南の国の雪まつり」の検討会が4日、同町商工会館で開かれた。実行委員会のメンバーら約30人が出席し、イベント開催の反省点などを話し合った。
今年の雪まつりは好天に恵まれ、約3万人が訪れた。熊野朝市や屋台村などに132店が出店した。実行委員会の森川起安会長は「23回目を迎え、イベントの広がりが実感できた。触れ合いとにぎわいの創出ができたと感謝している」とあいさつ。「年々予算が厳しい状況になっているが、このイベントは経済効果をもたらしている。撤退させるわけにはいかない」と継続への意思を示した。
意見交換では青年部などの部員数の減少で準備作業が厳しかった状況などが報告された。当日のトラブルでは、近隣の営業店への駐車などの問題とシャトルバスの帰りの便で長時間の待ち時間が発生したことなどが挙げられた。
シャトルバス利用者のスタンプラリーで募ったアンケートは260通が集まった。▽初めてシャトルバスを利用したが便利だった▽回りたい店だらけだった▽雪遊びが楽しかった―などの好評な意見が多く寄せられた。
(2018年4月6日付紙面より)
おやこサロンに小中学生も参加 (新宮市熊野川町 )
新宮市熊野川地区民生委員児童委員協議会は4日、同市の熊野川町保健センターさつきで「熊野川地区おやこサロン」を開いた。年度初めのこの日は、未就園児と保護者、小中学生らが災害時の備えを確認した。親子サロンは乳幼児、未就園児と保護者の交流の場。核家族化の時代だからこそ地域の見守りが大切だと、市と熊野川町が合併した2005年ごろから開催している。
災害時の備えは年に1度実施しており、今回で5回目。熊野川地区主任児童委員の浦佳奈美さんが11年3月の東日本大震災と、同年9月の紀伊半島大水害を経験したことから「大変さが分かっているから伝え、つなげていきたい。そのためには一人一人の防災意識を高めていかなければ」との思いで実施している。
この日は熊野川中学校の生徒が初めて参加した。「子ども広場くまっこ」の児童らとともに、災害に対する備えやビニール袋を使った雨具作り、非常食の試食などを体験した。
浦さんは「想定される場面を考えて必要な備蓄を用意しておく」をテーマに、かばんの中に入れておける「防災ポーチ」や避難バッグの中身、備蓄している食料を災害時だけでなく普段も食べ、減った分を補充していく「ローリングストック」などを紹介。東日本大震災の際に東京都で帰宅難民となったことや、紀伊半島大水害では避難していた町総合開発センターからボートを使ってより高台へ逃げたことなどを写真を交えて説明した。
「熊野川中の生徒たちは去年町で開かれた防災の講演会にも出席しており、今回参加することになりました。災害時、中学生の力は即戦力になりますね。熱心に聞いてくれていました」と話していた。
熊野川中の大槻湧山君(14)は「7年前の災害の時にどう逃げたか、どのくらい水が上がったか、食品の備蓄は家にあるインスタントやレトルトを災害時に食べていたことなどが勉強になった。雨具は腕がぬれずに作業しやすいものを作りました」。
4カ月の莉詩(りた)ちゃんと参加した平田早紀さん(33)は「防災に関しては初めての参加です。子どものために災害時への備えをしていこうと思いました。子どもに必要な物の用意を話してくれたので、この経験を生かして防災に向き合いたいです」と感想を語った。
(2018年4月6日付紙面より)
KCRが町長に発行を報告 (串本町 )
株式会社KCR(本田景士代表取締役)=白浜町=が4日、トルコ軍艦エルトゥールル号遭難救助の史実を基にした創作絵本「タイヨウのくにとツキのふね」を発行した事を串本町の田嶋勝正町長に報告した。
この絵本は潮岬出身の作家・山口小百合さん(同社マネジャー)が串本出身の本田代表取締役、田辺市出身の同社デザイナー・千根章吾さんと共に制作。同町樫野で1890年にあったエルトゥールル号遭難救助の世界観を主人公・ヒノキチの目線で伝える内容で、5歳児以上を対象にし「親子で楽しみ考える」をコンセプトにして作り上げ、今年3月に発行までこぎつけた。
ヒノキチは史実にはない架空のキャラクターで、子どもに着実に世界観を託し後に本来の史実を知る足掛かりにしてもらう工夫として設定した。絵本はほぼA4用紙大で、フルカラー48㌻。売価は1890円(税抜き)。発行元は同社で、初回3000部には作中に出てくるアイテム「ツキのくにのおまもり」が特典としてついている。同社商材の一つとして、白浜町内で運営する「紬カフェ」や商材販路のホテル売店など数十カ所に並べるほか、書店にも取り扱いを交渉しているという。
この日は本田代表取締役と山口さんが田嶋町長を表敬訪問し、3冊を託して発行を報告。『3年計画で10万部を目指す』という目標の下、愛読の裾野を広げるため今月25日(水)にクラウドファンディングを立ち上げて▽47都道府県の図書館約100館に寄贈(100万円達成時)▽県内の小学校や幼稚園、図書館など約420カ所に寄贈(150万円達成時)▽大型絵本を作成し出張読み聞かせなど催しを実施(200万円達成時)―といった段階的目標の実現を目指すことなども伝えて応援を願った。
田嶋町長は史実を常に受け継ぐためのアクションを出身者が思いを持って起こしてくれたことを喜び、機会を見て宣伝したいと応えた。3冊のうち1冊は駐日トルコ共和国大使館に贈り、残り2冊は町内の読み聞かせグループに預ける方向で活用を考えるという。
同絵本の問い合わせは同社(電話0739・33・7683)まで。
(2018年4月6日付紙面より)