八幡神社例大祭に向け修祓式 (三輪崎郷土芸能保存会 )
新宮市の三輪崎郷土芸能保存会(濱口仁史会長)は25日、同市三輪崎の八幡神社例大祭で奉納する県無形民俗文化財の鯨踊り、獅子神楽の練習を始めた。初日は同市の三輪崎青年会館で練習の無事を祈り「修祓(しゅばつ)式」が営まれ、熊野速玉大社神職のもと古式にのっとった神事で無事を祈った。例大祭は9月15日(金)に本殿大前ノ儀、16日(土)に宵宮、17日(日)に神輿渡御(みこしとぎょ)に伴う奉納行事が営まれる。
保存会は20代から80代までの幅広い年齢層で構成されている。天狗(てんぐ)=稚児=を務めるのは屋敷朋希君(5)。「天狗は難しそう。大きく上手に踊りたい」と話していた。会員らは例大祭に向け、日曜日を除く毎晩同会館で練習を重ねる。
濱口会長は「暑い中、大変だと思うが練習、例大祭本番、関連行事と続くので、暑さを乗り切り頑張ってもらいたい」とあいさつ。11月25日(土)に日本青年館(東京都)で開催される「全国民俗芸能大会」に出場する全国4団体の一つに選ばれ、61年ぶりに参加することに触れ「そこに向けても頑張りたいが、われわれの本番は例大祭。まずは地元の皆さんに喜んでもらえる鯨踊りと獅子舞を披露したい」と力を込めた。89歳となる最長老の尾﨑匡司さんの現役参加を「うれしく誇りに思う」と述べた。
漁労加護、五穀豊穣(ほうじょう)、商売繁盛など地域の繁栄を願う例大祭は、三輪崎漁港付近にあった本宮に神様が年に1度里帰りする祭り。神輿渡御に伴い恵比寿(えびす)、大黒天、二十四孝(にじゅうしこう)の山車渡行、郷土芸能、舞踏などの奉納行事が繰り広げられる。
(2017年8月27日付紙面より)
フランスのコンクールで
新宮市船町の尾﨑酒造株式会社(尾﨑征朗代表取締役社長)は同社の「純米酒太平洋」を、6月26日にフランス・パリで開かれたフランスで初の日本酒コンクール(品評会)「蔵マスター」純米部門に出品、プラチナ賞に輝いた。
このコンクールは、フランス人によるフランス人のための日本酒のコンクール。フランスの歴史的食文化であるマリアージュと呼ばれる食と飲み物の食べ合わせを日本酒と食という観点からみて、体験をする場としての重要性を持たせ、フランス市場における日本酒をアピールする場を提供していくもの。
審査員はフランス各地のソムリエ、レストラン関係者、ホテル・料理学校関係者など32人を中心に構成された。全員が事前に日本酒の概要と利き酒・評価方法のレクチャーを受けた上で、ワイン専門家として総出品酒数550点(純米大吟醸部門266点、純米部門284点)を審査し、点数の高い上位33%が賞を受賞。両部門からプラチナ賞58点、金賞123点が選ばれた。
尾﨑社長は「熊野地方産のコシヒカリと熊野川の伏流水で造られ、地元の皆さんに親しんでもらっている地酒『太平洋』が、和食と同じく食の無形文化遺産に登録されているフランス料理とも合うということをワインのプロたちによって金賞より上のプラチナ賞というかたちで評価され、本当にありがたく思う」と受賞を喜んだ。森本紘造製造部長は「造る側にとって今回の受賞は、太平洋は外国の人にも合うことが証明されたということでもあり、うれしく思うと同時に今後の自信になる」と話した。
プラチナ賞を受賞した「純米酒太平洋」は、7月に行われた「全国燗酒コンテスト2017」でも金賞を受けている。
(2017年8月27日付紙面より)
10月22日、体育文化会館 (那智勝浦吹奏楽団 )
那智勝浦吹奏楽団(大江一恵団長)は10月22日(日)午後6時30分から、那智勝浦町体育文化会館で第22回定期演奏会を開く。演奏会を2カ月後に控え、練習に熱が入ってきた。大江団長は「文化の秋、『勝吹』は高尚かつ芸のあるところが魅力。皆さんに演奏会を楽しんでもらうため、練習に取り組んでいます。定期演奏会へぜひご来場を」と意気込んでいる。
同吹奏楽団は那智中学校吹奏楽部OBらをメンバーに1994年に発足。熊野地方各地のイベントでの出演や、小学校や各地域を訪問して演奏会などを開催し、地域文化の向上に貢献している。定期演奏会は22回目。和歌山県文化振興事業補助事業として開催。
第一部は格調高く「梁塵秘抄~熊野古道の幻想~」で開幕。熊野那智大社創建1700年・那智山青岸渡寺西国三十三札所草創1300年を記念しての演奏。指揮の大江伸二さんは「記念の年。お祝いの雰囲気を盛り上げたい」と話す。NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」のテーマ曲の後、今回のテーマ「昭和は遠くなりにけり」のヒットパレードと続く。昭和と平成のヒット曲を対比しながら紹介していくというユニークな企画。老いも若きも楽しめる演奏を展開する。「芸」のステージのテーマは「那智勝浦吹奏劇団『今昔~南紀勝浦旅ものがたり』」。那智勝浦町の観光振興を願いながら町の今昔を紹介する。
入場料は500円。中学生以下は300円。9月1日(金)からチケット発売。販売は文具センターツツ井(新宮市)、湊化粧品店(那智勝浦町)。問い合わせは同吹奏楽団事務局(電話0735・52・3795)。
(2017年8月27日付紙面より)
本年度中に川舟センター完成 (紀伊半島大水害から6年 )
2011年9月の紀伊半島大水害で壊滅的な被害を受けた新宮市熊野川町田長の道の駅「瀞峡街道熊野川」。本年度中に完成予定の熊野川川舟センターが復活すれば、ほぼ元の姿に戻る。
新宮市街地から熊野川町域への玄関口に立地する道の駅は、熊野川の流れを見下ろす駐車場とトイレ、川舟センター事務所、熊野川物産販売所「かあちゃんの店」などがあり、地域交流の場として多くのドライバーや市民に親しまれていたが、水害で全壊した。
水害直後、関係機関は一度浸水した土地への再建を躊躇(ちゅうちょ)していたが、地域住民らの要望を受け、1年6カ月後の13年3月にトイレを復旧。「かあちゃんの店」は約11カ月後にプレハブの仮店舗で復活し、3年5カ月の15年3月に木造の施設で本格再開した。
川舟センターは事務所だけでなく、送迎バス1台、軽トラック1台、ライフジャケット160着などが流失。顧客リストなどの書類も流された。当時、川舟センター長を務めていた品田顕二郎さん(71)は水害から3日後に現場を訪れ、惨状に声が出なかったという。川舟6隻は安全な場所へ移動させていたことから無事だったが、熊野川は流木や落石で形状が変わり、当初再開の見込みは立たなかった。
川舟センターは事務所を現在の熊野川総合開発センター1階に移転し、約7カ月後に運航を再開したものの、乗船場の道の駅までは距離があり、職員が乗客たちを車で送迎している。
川の参詣道として世界遺産に登録されている「熊野川」を巡る川舟下り事業は05年9月にスタート。最も乗客が多かったのは07年度の5670人。水害で9月から翌年3月末まで休航した11年度が2426人と最も少なく、その後2千人台が続いていた。14年度3243人、15年度3932人と徐々に回復し、昨年度は4127人と水害後、初めて4000人を突破した。
品田さんは「新しい川舟センターが完成すれば、事務所と乗船場が近くなり、スタッフも仕事がやりやすくなる。飛び込み客も多くなると思う。さらにお客さんが増えていってくれれば」と話した。
(2017年8月25日付紙面より)
金剛寺の「二河の火祭り」 (那智勝浦町 )
那智勝浦町二河の金剛寺で23日夜、伝統の荒供養「二河の火祭り」が営まれた。同火祭りの保存会(大江政典会長)の会員15人が投げたたいまつが、寺の裏山を赤く染め上げた。
この荒供養は、室町時代の1510(永正7)年から続けられているとされ、二橋青年会が保存会を組織し、地区住民とともに代々守り続けている。
会員らは、本堂前で種火を分け合い、たいまつに火を付けて裏山を目指して疾走。目神八幡の小社を経由して宝篋印塔(ほうきょういんとう)前に着くと、針金でつながった2組のたいまつを勇ましく振り回し、周囲の木々や張り巡らされた架線目がけて投げ上げた。木や架線に引っかかると、観衆から歓声が上がった。
境内には金魚すくいやかき氷などの夜店も並び、地元の家族連れらでにぎわった。
(2017年8月25日付紙面より)
ほふく救出チームが健闘 (串本町消防本部 )
串本町消防本部(北地稔消防長)のほふく救出チームが23日、宮城県で開かれた第46回全国消防救助技術大会で入賞した。2008(平成20)年度の出場に続き2回目となる好成績で、一報を受けた同本部は歓喜に沸きかえっている。
この大会は、消防救助活動に不可欠な体力、精神力、技術力を培うとともに、競い学ぶことを通して他の模範となる隊員を育成し消防に寄せられる期待に力強く応えることを目的にして年1回実施。本年度は全国消防協会と仙台市が主催になり、「結―感謝そして未来へ―」をスローガンとして掲げて陸上、水上合わせて8種目を開設して全国各地の予選を勝ち抜いた隊員約1000人の挑戦を受け入れた。
同本部ほふく救出チームのメンバーは、岡地光介消防士・田代和之消防士・川端凌消防士の3人。県予選で9年ぶりの優勝を果たして同大会に進出した。ほふく救出の部には計52チームが出場し、同チームは8組目で挑戦。所要タイム48秒1、減点なしの成績で入賞した。
本年度は52チーム中40チームが入賞し、入賞チームの所要タイム平均は43秒2。最速は埼玉西部消防局のチームが出した35秒8だった。串本町消防本部チームの3人にとっては初の全国大会で、順位よりもまず着実に入賞を目標にして臨んだそうで、40チーム中34番目の所要タイムとなった。
(2017年8月25日付紙面より)
国交省の山田局長に要望
世界遺産「熊野川」の管理者が和歌山県、三重県、国と混在しているため紀伊半島大水害後の堆積土砂撤去作業や濁水軽減対策が遅れていると新宮市と紀宝町の首長らが23日、山田邦博・国土交通省水管理国土保全局長に熊野川の国直轄区間延長を求める要望書を提出した。
要望活動には新宮市の田岡実千年市長と屋敷満雄議長、紀宝町の西田健町長と榎本健治議長ほか、濱口太史和歌山県議、二階俊博自民党幹事長秘書の二階俊樹氏らが参加。同市熊野川町田長の道の駅「瀞峡街道熊野川」の紀伊半島大水害慰霊碑前で手渡した。
現在の国直轄区間は河口から上流5㌔まで。要望書では北山川と合流する宮井地点(約25㌔)までの延長を求め、国主導による早期取り組みを訴えている。山田局長は「熊野川の問題に皆さまの意識が高いことがよく分かりました」と述べ、関係機関と連携し、対策をより一層進めていくと述べた。
(2017年8月25日付紙面より)
県警と海保が共同訓練 (太地町 )
太地町で9月から始まる小型鯨類追い込み漁を前に和歌山県警察本部と第五管区海上保安本部は18日、太地港で反捕鯨団体による違法行為を想定した合同警備訓練を実施した。警察官約50人、海上保安官約80人が参加し、陸上と海上で訓練した。
町には平成22年以降過激な環境保護団体が多く訪れ、漁の無許可撮影など嫌がらせ行為を続けている。過去にイルカを飼育するいけす網が2度切断され、今年の1月にも地元企業が所有するいけす網が切られる事案が起きている。昨年は約80人の活動家が来町しており、今年はイルカ漁で新たに2種類が捕獲対象に加わったことなどもあり、県警も情勢を注視している。
県警の宮沢忠孝本部長は「この数年で活動家の来町が大幅減少している。9月から始まる漁期に向けて万全の体制で臨めるよう訓練に取り組んでほしい」と一層の連携を求めた。
現地警戒本部長を兼任する田辺海上保安部の川上誠部長は「訓練を通じて連携の一層強化に期待。参加者は違法行為は断じて許さないという毅然(きぜん)とした態度を強く示すことで地域住民の安心安全に大きく寄与できる」と激励した。
訓練は陸上と海上での違法行為を想定して展開した。陸上では、イルカ肉を搬送するトラックの前に活動家が立ちふさがり、県警が活動家の1人を道路交通法違反で逮捕した。海上では小型ゴムボートに乗った活動家3人が漁船に発火物を投げ、海上保安庁のゴムボート2隻がこれを取り囲み、威力業務妨害で逮捕した。
太地町いさな組合の小畑充規組合長(51)は「創意工夫して訓練してくれるのでありがたい。考え方の違いがあるのは分かっており、私たちも仕事である以上覚悟している。捕獲対象が増えたことで商売的にもプラスになると思うので、自分たちも事故やけがのないよう操業したい」と話した。
(2017年8月20日付紙面より)
骨髄バンクを考える集い
白血病など血液の病気を治すのに有効な治療法である骨髄移植への関心を高め、骨髄バンクへの登録を呼び掛ける「骨髄バンクを考える集い」が11日、御浜町阿田和の紀南高校視聴覚教室で開催され、木本高校のJRC(青少年赤十字)部の部員はじめ住民ら約40人が参加した。三重県骨髄バンク推進連絡協議会「勇気の会」主催。
協議会の理事長、南信行医師や移植治療で助かった息子を持つ母親ら会員4人が登壇し、バンクへの登録を呼び掛けた。骨髄移植は患者と提供者(ドナー)の白血球の型が一致することが大前提だが、適合する確率は兄弟姉妹で4人に1人、それ以外だと数百人から数万人に1人の割合といわれている。日本の公的骨髄バンクは平成3年に設立され、今年5月末でドナー登録者数は47万2856人いるが、累計患者登録数は5万1097人、移植例数は2万747人。希望する患者の約6割が移植できていない。
南医師はドナーが見つかっても移植までの準備期間は少なくとも約3カ月はかかるため、スムーズに移植を実現するためにもドナー数を増やすことが必要と話し、高校生には献血の協力も呼び掛けた。白血病の患者はがんに侵された造血幹細胞を放射線などで壊してから移植を受けるため、治療の間は輸血で耐えていかなければならない。
伊勢市の女性は18歳で急性リンパ性白血病を発症した息子の移植の経過を話した。幸いドナーが見つかったが、提供まで進まないケースもあり、同意が得られるまでの間は祈るようにして待ったという。「会ったこともない見ず知らずの人が、入院までして骨髄を提供してくれました。今、息子は普通に近い生活を送っています。前を向いて元気に生きています。骨髄バンクがあったからこそ、ボランティアがいたからこそです」と涙ぐみながら感謝した。
同協議会紀州支部の二村昭医師は熊野保健所を中心に東紀州地方で活動する紀州支部の設立経過を話した。紀州支部は、健康診断で白血病が分かった男性が一生を骨髄バンクの運動にささげたいという思いから25年前に設立。二村医師は亡くなった男性の無念さを涙ながらに語り、骨髄バンクの必要性と課題を話した。バンクの登録は55歳が上限と決められている。二村医師は登録者の約55%が40歳以上の高齢世代で、数年たつと人が減少していくと話し、若い人たちの理解が必要と訴えた。会場の参加者からは、入院時のドナーへの助成制度を自治体が設ける必要があるなどの意見が出た。
紀州支部は21日(月)午後0時30分から同4時までイオン熊野店前で登録会を開く。登録できる人は18歳から54歳以下で男性は45㌔以上、女性は40㌔以上の人。問い合わせは紀州支部(電話090・5107・0640)まで。
(2017年8月20日付紙面より)
ぱしふぃっくびいなすが出港 (新宮港 )
豪華客船「ぱしふぃっくびいなす」(2万6518㌧、全長183㍍)が18日午後5時30分ごろ、「新宮港梛(なぎ)の木見送り隊」や地元太鼓グループ「紀宝楽」に見送られ、新宮市三輪崎の新宮港から神奈川県の横浜港に向け出港した。
客船は同日午前8時ごろ、新宮港へ入った。前夜に船上から熊野大花火大会を鑑賞した乗客約450人は、当地方で観光などを楽しんだ。岸壁では近隣の観光協会が地元物産を販売するなどした。
丹羽生・市観光協会長は「この熊野という観光フィールドは広く、到底1日では回りきれなかったのではないかと思う。また、ぱしふぃっくびいなすと共に皆さんが来るのをお待ちしたい。その時は『おかえりなさい』とお迎えしたいと思います」とあいさつ。
紀宝楽が演奏で船を見送った。乗客らがカラーテープを投げ、見送りに来た人たちと「また来てよ」「また来るよ」と互いに声を上げながら手を振り合った。
見送り隊は近年入港が増えているクルーズ船の乗客たちを温かく見送ろうと結成された。会員特典として特別船内見学会への参加、一定回数以上の入出港イベントでの参加で記念品贈呈などがある。問い合わせは新宮市企業立地推進課(電話0735・23・3333)まで。
(2017年8月20日付紙面より)
2017熊野大学夏期セミナー「南方熊楠と中上健次を探る」(熊野大学主催)が5、6の両日、新宮市高田の高田グリーンランドであった。全国各地から集まった中上文学ファンら約100人が豪華講師陣のもと、熊野が生んだ2人の人物について学んだ。
夏期セミナーは1993年に始まり今回で25回目。今年の講師は安藤礼二さん(文芸評論家)、町田康さん(作家)、中上紀さん(作家)、渡邊英理さん(研究者)、松居竜五さん(南方熊楠研究者)、辻本雄一さん(佐藤春夫記念館館長)らが務めた。
今年は和歌山市で生まれ田辺市で半生を過ごした博物学者で、生物学者、民俗学者でもある熊楠(1867~1941年)の生誕150年。新宮市出身の芥川賞作家の中上(1946~92年)は熊楠について「熊野のとば口田辺に、巨きな男あり その男、博覧強記にして、奔放なる想像力を持ち、民俗と微細なるもの、洋の東西問わず、神羅万象を解かんとして、日夜明け暮れたり」と書くなど、常に意識していた。
安藤さんは「南方熊楠とは固有名ではない」との中上の言葉を紹介。映画「熊楠 KUMAGUSU」で主役の熊楠役を務めた町田さんは「2人の関係が深いことは意外だった」、紀さんは「熊楠は那智にこもったが、健次も新鹿にこもった」などと話した。
「試験もない、校舎もない、校則もない。誰でもいつでも入学でき、卒業は死ぬ時」という熊野大学は、中上が1990年に設立。死後は、その遺志を受け継いだ有志たちが中心となって活動を続けている。
(2017年8月8日付紙面より)
ブルービーチ那智で宝探し (那智勝浦町 )
那智勝浦町のブルービーチ那智(那智海水浴場)で6日、宝探しイベント「真夏のメリークリスマス2017」が開かれ、約700人の海水浴客らでにぎわった。昨年から復活した水着コンテストには大人と子ども部門に計27人が出場し、自慢の水着姿を披露してイベントを盛り上げた。
南紀勝浦温泉旅館組合青年部(濵憲弘部長)が主催し、南紀くろしお商工会青年部、町観光協会、町役場産業課などが協力して開いている夏の恒例イベント。前日から南紀勝浦温泉に宿泊した観光客に宝探しの参加券をプレゼントし、海水浴を楽しみながら10万円相当の液晶テレビ1台、折りたたみ自転車1台、任天堂「スイッチ」1台などの豪華景品が当たるくじ引きを楽しんでもらう企画。環境省の「快水浴場百選」の特選に選ばれているブルービーチ那智の魅力を知ってもらう目的もある。宿泊客だけでなく、地元の人も有料で参加できるとあって近隣地域からの参加も増えている。
水着コンテストの子どもの部で優勝した大阪府東大阪市から来た杉野しずくちゃん(5)は「楽しい。海がきれい」、大人の部優勝の大阪府堺市の加治屋奈子さん(18)も「楽しかった。うれしいです」と喜んでいた。特賞を引き当てた愛知県清須市の熊澤徹さん(43)は「家族で遊びにきて宿泊先のチラシでイベントを知りました。特賞は信じられない」と驚きの表情。「那智勝浦町は手つかずの自然が多く残るいい所と感じました」と話していた。司会を務めた濵部長(38)は「関係団体の協力のおかげで無事に終えられてよかった。工夫を凝らしてもっといいイベントにしたい。来年も続けたい」と話していた。
(2017年8月8日付紙面より)
第13回串本まつり後半 (串本町 )
本州最南端の夏の風物詩、第13回串本まつり後半のイベントが5、6日に行われた。5日夜半の花火大会では約4000発を打ち上げ。約2万5000人(主催者発表)が鑑賞するにぎわいを見せた。
本年度の同まつりは実行委員会(島野利之会長)主催の下、7月29、30日と8月5、6日の4日間にわたって実施。
5日夕方の串本節踊り(町民総踊り)には13団体約450人が参加し、同まつり実行委員会の島野会長、来賓の田嶋勝正町長、前芝雅嗣県議会議員、寺町忠町議会議長の4人から激励を受け、串本節保存会の生歌に合わせてローソン串本町串本店前~JA紀南前の町道約350㍍を順次踊り抜けた。
隊列の半ばでは来町中のトレス市代表団4人も串本節に挑戦。他の参加者も浴衣や夏の軽装、法被などで団体ごとに統一感を出しながら通過し、観客の注目を集めた。
串本港では夕方から同町商工会関係のビアガーデンが始まり、1日から販売開始になったトルコ産クラフトビール「ボモンティビール」もアピールを兼ねて出品され話題を集めた。港湾沿いには恒例の夜店街が並び、浴衣を着た子どもらが絶え間なく往来。
花火大会は午後8時から始まり、早打ちやスターマイン、フィナーレの大スターマインと約1時間にわたって打ち上げられた。台風に伴う雨に降られることなく、打ち上げ地点の巡視艇係留岸壁を囲むように、鑑賞の人波を集めていた。
翌6日は町立体育館~文化センター駐車場で商工会青年部主管のふれあいひろばやアユのつかみ取りやビンゴゲーム大会、同センターホールで21ユニット出演のステージ「ダンスK―night2017」が開かれた。同ひろばでは○×クイズ大会も開かれ、アユのつかみ取りでは体長20㌢弱のアユ1000匹強が水槽に放たれ、1~3歳、4~6歳(幼児)、小学校低学年、同高学年、一般と順次挑戦した。ビンゴゲーム大会では須賀節夫商工会長や田嶋町長があいさつし、約650人が計2回の抽選に挑戦。ダンスK―nightでは主にキッズユニットがエネルギッシュに踊りを披露した。
関連イベントの串本海上保安署(東浦博昭署長)による巡視船体験航海は、一日海上保安官に永石比呂さんと川端智香子さんを迎え、午前と午後の2便合わせて200人弱が、巡視船みなべか巡視艇むろづきに乗船した。みなべでは串本海中公園センターによるウミガメ放流があり、航行中は航空機がローパス(低空飛行)で至近距離を通過。トレス市代表団一行も視察の一環でみなべに乗船した。同艇係留岸壁では自己救命策確保講習や各種展示などもあった。
(2017年8月8日付紙面より)
葦舟で本宮から新宮へ
「川の参詣道」の復活を願い活動している熊野葦舟プロジェクト実行委員会(高栖浩史代表)の会員らが4、5の2日間で、田辺市本宮町から新宮市までの熊野川約34㌔を葦舟(あしぶね)で下った。通して下るのは活動開始から8年目で初めて。ゴールを見届けた同会顧問の麻野吉男さん(72)は「感慨深いものがありますね。熊野川に目を向けてもらえる機会が増えてくれれば」と話した。
ダムと山の荒廃の影響で流れが細くなってしまった「川の参詣道」が元に戻ることを願い始まった活動。約20人が交代しながら1日目は熊野本宮大社旧社地・大斎原前から約7時間かけて熊野川行政局まで、2日目は行政局から熊野速玉大社下権現河原まで約7時間かけて下った。
葦舟の名前は「太平洋」で、全長5㍍、幅1㍍、重さ80㌔。舟の中には船旅の安全を祈る船玉(ふなだま)として直径約13㌢の本宮大社の石を入れている。今年の5月1日に長崎市在住の探検家、石川仁さん(50)の指導のもと、紀宝町産の葦1万本を使って1日で作った。
プロジェクトを引っ張っている石川さんは、サハラ砂漠をラクダで横断、イヌイットとの捕鯨などを体験している人物。2019年には葦舟での太平洋横断を計画しているという。自らも一部区間、葦舟を漕(こ)いだ石川さんはゴール後、「8年越しの思いがかない、胸がいっぱいです。何よりも熊野川の景色が素晴らしかった。来年からも続けていきたいです」。
初めて葦舟に乗った松田靖子さん=奈良県御所市=は「絶対に乗ってみたいと思っていました。舟が生きている感じがして、ずっと乗っていたいと感じる幸せな舟でした。来年も参加したいです」と話していた。
(2017年8月8日付紙面より)
いざかたネオン会がリニューアル (那智勝浦町 )
那智勝浦町内で最初にネオンサインが設けられたことから名付けられた同町築地の「いざかたネオン会」(鈴木努会長)は通り沿いのマグロの看板をリニューアルした。同会では「マグロの町の情緒を盛り上げ、観光客をおもてなししたい」とアピールしている。
同町築地の勝浦地方卸売市場近く、いざかた通り商店街のアーケードを勝浦漁港方向へ抜けた所にある商店街で、マグロ料理、かまぼこ、たばこ、洋服、土産物、電器店などさまざまな店が並ぶ。現在は16~17店が加盟している。
かつては地域内に旅館もあり、昭和の高度経済成長期には宿泊客らが浴衣で町を歩き、マグロ漁船の乗組員らも町中の商店を訪れるなど活気にあふれていた。昭和63年12月にネオン会を組織。平成11年に18基の街灯を設け、同町のシンボルであるマグロの看板を取り付けた。
約20年が経過し、海風に耐えてきたマグロの看板は色あせ、ポールの接続部などにさびが出た。このため、会員が協力して改修することにした。工事は7月28日にほぼ終わり、加盟店の店主らが完成を祝った。
鈴木会長は「マグロの町、勝浦の情緒を観光客や買い物客に少しでも感じてほしい」と話し、「苦しい商売事情ではありますが、『一歩とはいわず、せめて半歩でも前進』を合言葉に頑張っています」と意気込んでいた。
(2017年8月3日付紙面より)
キッズクッキング教室 (那智勝浦町 )
那智勝浦町地域ふれあいネットワーク実行委員会(玉置之一委員長)と町食生活改善推進協議会(塩﨑いつ子会長)は7月28日、町教育センターでなちかつキッズクッキング教室を開いた。町内の1~6年生15人が参加し、料理の作り方と魚料理の食べ方を学んだ。
同実行委員会では、休日や放課後に子どもたちの居場所を提供する「放課後子ども教室」として料理教室をはじめ、さまざまな教室を催している。
近年、魚の骨を自分で取って食べる子どもが少なくなってきたことから、今回の教室では、家庭でよく食べられているアジの焼き魚の食べ方と調理を教える。講師は、食推の会員5人が担当した。
参加者は町の栄養士から魚の食べ方について講習を受けた後、調理室で講師サポートの下、炊き込みご飯、キュウリとトマトのサラダ、夏野菜のみそ汁、アジのホイル焼きの4品を作った。包丁の扱いや野菜の切り方を教わった。出来上がった料理は、講座の内容を思い出しながら丁寧にじっくり味わった。
(2017年8月3日付紙面より)
本年度オープンスクール (串本古座高校 )
県立串本古座高校(愛須貴志校長)の本年度オープンスクールが1日にあり、中学3年生12校100人が同校の学校生活を体験した。
高校進学を控えた世代に一足早く次のステージの学校生活を伝え、憧れを持って意欲的に受験に臨むきっかけを提供する夏休み恒例の行事。今回は近隣11校99人に加え、全国募集枠関係で大阪方面からも1校1人の参加があり、左近晴久教頭は「百聞は一見に如かずという言葉があるように、しっかりと高校生活を感じてほしい」と呼び掛けて来校を歓迎したという。
序盤は生徒会執行部による学校紹介で、本年度から始まった3コース制やクラブ活動、学校生活(主要行事など)の状況などを伝えた。中盤は授業体験で、参加者は▽国語▽社会▽数学▽理科▽英語▽保健体育▽商業―の7教科を選択受講。今回は初の試みで在校生が授業者(教員)の補助役として加わり、授業後半では在校生と参加者がじかに懇談する機会も設けて同校への関心を促した。
終盤はクラブ体験・個別相談で、構築過渡期のCGS部を除く11クラブが参加者を受け入れた。一番人気は弓道部、二番人気は吹奏楽部で、部員は体験紹介をしつつ「高校生になって、新しいことを始めたくて入部した」など参加者の気になる事柄にも応えるなど親身に体験を歓迎していた。個別相談は学校生活全般について親身に質疑応答するなどした。
(2017年8月3日付紙面より)
くまっこで秘密基地作り (新宮市熊野川町 )
新宮市熊野川町保健センター内の子ども広場くまっこは1日、同センターで夏休み特別企画「くまっこサバイバル 秘密基地をつくっちゃおう!」を開いた。小学1年生~6年生17人がダンボールで工夫を凝らした秘密基地を作った。
くまっこは子どもたちを地域全体でたくましく心豊かに育てようと2011年7月に開設。放課後の子どもたちの居場所づくりに取り組んでいる。基地作りは災害時の避難所運営でパーティションを作る際などに使われるダンボールアレンジ術を活用した。説明を聞いた子どもたちは早速取りかかり、思い思いにアレンジを加えていった。
窓に色の付いたセロハンを貼ったりドアを作ったり、紙テープをカーテンに見立て、ポストやインターホンを作るなど協力しながら和気あいあいと完成させた。新聞紙でコップを作り完成後はみんなで乾杯した。
10歳の女の子は「いろんなものがダンボールで作れて楽しかった。ポストに顔を描きました。たくさん遊びたい」と話していた。この日はイベント開始前にくまっこでのルールを子どもたちで話し合う会議もあり、復興記念公園に行く際の約束事を考えた。
(2017年8月3日付紙面より)
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