ニュースアーカイブ|ARCHIVES
アーカイブ検索で表示されるグレーのリンクのない記事については、熊野新聞紙面をご覧ください。
ご購読のお申し込み
過去2年分の熊野新聞は、
SHIMBUN ONLiNE
でご購読頂けます。
新聞オンライン(電子新聞)
カレンダー検索:36件の記事がありました
【検索ステータス】 
2022年02月23日
1 東くめの生きた時代
 南葵音楽文庫アカデミー  (新宮市 )

 和歌山県教育委員会と新宮市教育委員会は19日、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」会議室で「令和3年度南葵(なんき)音楽文庫アカデミー春」を開いた。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から人数を制限して実施。和歌山大学名誉教授の泉健さんと和歌山信愛大学・同女子短期大学非常勤講師の小山譽城(よしき)さんが講師を務め、約20人が聴講した。

 同文庫は、徳川頼倫(とくがわ・よりみち、1872~1925年)侯爵が設立した私設の図書館である南葵文庫の音楽部門に端を発しており、その息子である徳川頼貞(1892~1954年)が継承するとともに、音楽および音楽学の専門図書館に向け拡充。1977年以降、読売日本交響楽団が所蔵している。和歌山県との委託契約により2017年に紀州徳川家ゆかりの地である同県で一般公開のはこびとなった。

 同アカデミーは、文庫が所蔵する資料およびコレクションの基礎を築いた頼貞を中心に、定期講座やレクチャーなどを通じて内容や魅力を紹介する目的で実施している。

 泉さんは「東くめの生きた時代と南葵音楽文庫」を題目に、日本で初めて口語による童謡を作詞した東くめ(1877~1969年)の生きた91年間と南葵音楽文庫の歴史を重ねながら、日本における西洋音楽の受容の歴史を振り返りながら紹介。南葵音楽文庫が大人の世界での西洋音楽の受容に貢献したことに対し、くめは子どもの世界で西洋音楽の受容に貢献したと説明した。

 頼貞との関係性について「くめは頼貞の15年前に生まれて15年後に亡くなっている。2人の人生は重なっている」と説明。母方の祖母・滝本吉弥が「古事記」「古今和歌集」などの古典文学を読み聞かせてくれたことなどを、童謡作詞家として花開いたくめの土壌の一つとして紹介した。

 泉さんは、東京音楽学校の2年後輩で、くめと組んで多くの作品を発表した瀧廉太郎や、同期卒業生のバイオリニスト安藤幸、大阪音楽学校(現大阪音楽大学)を設立した永井幸次らについても解説した。

  □     □

 小山さんは「紀州藩付家老水野忠央(ただなか)の文化政策」をテーマに講話。第9代新宮藩主・忠央が行った各種政策などについて話した。

 紀州藩は他の御三家の付家老と連携して幕府に待遇改善を願い出るなど、付家老という地位に満足せず独立した大名に昇格するためにさまざまな運動を展開。

 水野家は、資金を貸し付けて御炭山をつくり、新宮の池田、勝浦に浜役所を設置。炭納屋を建てて大量の木炭を貯蔵し、江戸に送って莫大(ばくだい)な利益を得た。また、ニッケイを栽培して製薬局を開いたり、ハゼやミカンの植栽を奨励するなどの産業育成も行った。

 経済政策の他、積極的に文化政策も展開。忠央が刊行した「丹鶴叢書(そうしょ)」について小山さんは「吉田松陰は忠央を『奸(かん)にして才あり、世すこぶるこれを恐る』と評した。松陰にとっても無視できない存在であったのでは」と話した。

(2022年2月23日付紙面より)

東くめ(新宮市提供)
泉健さん
小山譽城さん
2022年02月23日
2 改正法対応などを考える
 電子帳簿保存法セミナー  (串本町商工会 )

 串本町商工会主催のオンラインセミナー「今こそ始めるDX!電子帳簿保存法対策セミナー」が21日にあり、25人が参加して改正法への対応の仕方を考えるなどした。

 このセミナーは、1月1日施行の改正電子帳簿保存法により従来の紙による書類保存が猶予期間(2年間)以降認められなくなることへの対処を今から始めてほしい、という思いを込めて計画した。当初は1月下旬に会場聴講の形で開く予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い中止。オンライン実施に切り替えて再計画し、聴講を呼び掛けた。

 当日はDX(デジタル・トランスフォーメーションの略称、デジタル技術による変革の概念)アドバイザー資格を持つASMILE(アスミル)株式会社(旧和歌山ゼロックス株式会社)の星野淳一さんが講師として登壇。事業に関係する書類を▽帳簿▽自社書類▽他社書類(紙)▽電子取引書類(PDF)―に区分し、それぞれどのような対策が求められるかを解説した。

 自社の帳簿や書類はパソコンで作成するケースが大半のため、相手の事情で紙に出力しても自社はそのデータを電子保存すれば対応可。相手から紙で見積書などの書類が送られてきた場合はスキャンし電子保存する対応が必須となる。電子取引はどのような状況がそれに該当するかを紹介しつつ、書類のやりとりがPDFとなるのでその電子保存が必要になる。

 税務署による承認制度が廃止されるなど経理面での負担緩和が進む一方、数年ごとの税務調査で税理士が求める電子データをパソコンなどの画面ですぐに示せる状況が今後必要となる。星野さんは電子データの効率的な管理方法やSaaS型クラウド活用によるタイムスタンプの不要化を紹介し、経理処理や電子契約などの省力化(生産性向上)システムがあることにも触れつつ▽保存ルール▽検索ルール▽保存先(同クラウドのストレージサービスを推奨)を決めて電子化を進めることを勧めた。

 電子保存の義務化はそう遠い話ではなく、同社も手伝いができるので今から対策を始め、できれば来年10月導入のインボイス制度を視野に入れてそれまでに完了してもらえればと促すなどした。

(2022年2月23日付紙面より)

オンラインで開かれた電子帳簿保存法対策セミナーの様子
2022年02月23日
3 版画907点を審査 展示は本年度も中止に (新宮・東牟婁)

 東牟婁地方美育協会(会長=芝﨑勝善・宇久井小学校長)は18日、那智勝浦町教育センターで「東牟婁地方学校版画展」の作品審査会を開いた。新宮・東牟婁地方の小中学校40校から907点(小学校665点=特別支援63点含む、中学校242点=特別支援8点含む)が出品された中から、特選80点、準特選120点を選出した。

 戦後教育の中で「子どもたちに『木の国』和歌山の特産品である木材を使った作品づくりの機会を」との思いから始まり、70年近い歴史がある取り組み。郡独自の版画審査会や展示を実施しているのは県内でも新宮・東牟婁地方のみだが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため本年度の展示会も中止となっている。

 審査は美育協会役員のみで実施し、刷りの美しさや人物の表情などのポイントを見て議論を進めた。木版画の他、中学生の作品ではステンシルやドライポイント、コラグラフなどの技法を使った作品も多く出品されていた。

(2022年2月23日付紙面より)

中学生の作品を審査する役員ら=18日、那智勝浦町教育センター
2022年02月23日
4 早咲きのオオシマザクラ
 モニュメント前でほころぶ  (太地町森浦 )

 太地町の玄関口である森浦で、早咲きサクラとして知られるオオシマザクラの花がほころび、通行人や乗車する人々の目を楽しませている。

 サクラは県道沿いに建てられたザトウクジラのモニュメント近くに植えられたうちの一本。近年になって毎年、2月上中旬にかけて花を付けている。

 バラ科サクラ属で、古くから燃料として利用されてきたことから「タキギザクラ」とも呼ばれている。

 モニュメントとサクラを一度に収めようと、車を止めてスマートフォンで撮影する運転手の姿も見られた。同乗していた40代女性は「クジラのモニュメントとサクラが一緒に見られるとは思わなかった。きれい。良い一枚が撮れました」と話していた。

(2022年2月23日付紙面より)

クジラのモニュメントと早咲きのオオシマザクラ=21日、太地町森浦

2022年02月23日
5 串本―二色間で上水道融通  緊急連絡管供用開始を発表  (串本町 )
2022年02月23日
6 紀南学園、2カ年で改築へ  公設市場で広域議会  
2022年02月23日
7 年月越え場所移したアジサイ  開花を待ち望む声多く  (那智勝浦町 )
2022年02月23日
8 コロナ収束を信じて  感染対策施しプレーに励む  (新宮GG同好会 )
2022年02月23日
9 花と鳥がお出迎え  田嶋さん宅のミモザ満開  (那智勝浦町 )
2022年02月23日
10 証言や記録を振り返る  1960年チリ地震津波㊦  
2022年02月23日
11 4年7カ月にわたり尽力  前行政相談委員・南さんに感謝状  (御浜町 )
2022年02月23日
12 1年後に迫った紀宝町議選  議員定数13から11に  
2022年02月23日
13 中咲人君(矢渕中)が三重県代表に  中部日本個人・重奏コンテスト  
2022年02月23日
14 お悔やみ情報
  
2022年02月20日
15 三位一体で美化活動
 ボランティア・サポート・プログラム  (那智勝浦町 )

 国土交通省が国道の清掃・美化活動に取り組むボランティア活動を支援するボランティア・サポート・プログラムの調印式が18日、那智勝浦町役場であった。出席した実施団体の町建設業組合有志の会の上地秀和代表と堀順一郎町長、国交省紀南河川国道事務所の川尻竜也所長が協定を結んだ。同町においての締結は初で、今後は3者が協力して朝日地区の歩道部において、清掃や美化活動などに取り組む。

 2000年から始まった同プログラムは道路管理者である国交省や市町村が実施団体の活動をサポートし、実施団体が責任を持って活動を行う取り組み。清掃用具など活動に必要な道具は国交省が支給し、市町村は収集ごみの処理や団体との連絡窓口として協力する。

 和歌山県内で6団体目。紀南河川国道事務所管内では新宮市(2団体あり)、田辺市、白浜町に次いで5団体目となった。活動内容は清掃のみならず、各団体によってさまざまだという。

 実施団体として申し出た有志の会には、町建設業組合(21社)からカミジ技建株式会社、井筒建設株式会社、木原造林株式会社、大和建設株式会社の4社が参加。

 同町朝日地区の勝浦交差点から那智勝浦消防本部東交差点までの歩道部(片側約550㍍、上下線約1100㍍)で清掃に取り組み、道路構造物の目視点検なども行う。活動日は偶数月の第2火曜日に定めている。

 調印式では堀町長が「朝日地区の国道42号は交通量も多く、町営バスも通る。活動いただけることで町内の美化や意識の向上、活性化にもつながる」。

 川尻所長は「有志の会の皆さまがプロの目線で目視点検を行っていただけることは心強い。三位一体となって、地域に取り組みが根差せるように頑張りたい」と話した。

 上地代表は「生まれ育った地元に貢献したいとの思いで参加した。那智勝浦町は観光の町。お越しいただいた皆さまに『マグロや温泉も良かったが、道路もきれいだった』と思っていただけるように努めたい」と語った。

(2022年2月20日付紙面より)

締結を終えた(左から)国土交通省紀南河川国道事務所の川尻竜也所長、那智勝浦町建設業組合有志の会の上地秀和代表、堀順一郎町長=18日、那智勝浦町役場
ボランティア・サポート・プログラムの調印式の様子
2022年02月20日
16 日本と中国を比較分析
 和歌山大学が出前講義  (新宮高校 )

 新宮市の県立新宮高校(東啓史校長)で16日、和歌山大学による高大連携出前講義があった。同大学教育学部の三品英憲教授が「日本社会と中国社会―比較をすれば見えてくる?―」と題してオンラインで講話し、1、2年生16人が聴講した。

 高校生により専門的な大学での学びやその楽しさを体験してもらおうと実施しており、オンライン開催は今回が初。三品教授は中国近現代史が専門で、教育学部では世界史に関する講義を担っている。

 三品教授は講義の狙いについて「日本人と中国人は同じモンゴロイドで稲作や漢字、箸など文化的にも多くの共通点を持つことから『同種同文』といわれるが、価値観や社会体制は大きく異なっている。その違いを歴史的観点から考察し、互いの理解につなげていくことが重要」と説明した。

 江戸時代の日本社会と清代の中国社会の特徴を、財産相続形態の違いから解説。「家業・家産・家名を長男1人が受け継ぐ長子単独相続制を取った日本では、身分やムラ社会(※)の構成員が固定化され、『村八分』という強制力を持つ『寄合』の組織に滅私奉公する価値観が形成された。一方、男子均分相続制を取った中国には身分がなく、個々人がより良い生活を求めて居住地を移動し、努力や才覚によって階級の上昇・没落が決まる流動的な社会が形成された。村への帰属意識が弱く、個人の自由が優先される社会であるがゆえに、現在のような一党独裁体制が求められるようになった。このような社会構造の違いが価値観の違いを生み出した」と語った。

 鍋割優心君(1年)は「新型コロナウイルス感染症のニュースで中国のことを耳にする機会が増え、それを理解するきっかけになるのではと思って参加した。中国のようなネットワーク型社会のいい面と弱い面の両方を知ることができて面白かった」と話していた。

□     □

※ムラ社会

 集落に基づいて形成され、有力者を中心とした厳しい秩序を保つ排他的な社会。日本特有の村落社会を指す用語。

(2022年2月20日付紙面より)

三品英憲教授が講話=16日、新宮市の県立新宮高校
2022年02月20日
17 窓口設け各種業務に対応
 住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町は16日、役場1階会議室(期日前投票時に使用する場所で「新型コロナウイルスワクチン接種相談窓口」の隣)に「住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金」窓口を設置した。配置された職員が同給付金に係る町民への案内や質問、業務に対応する。

 給付事業は国の経済対策に基づくもので、世帯全員の令和3年度住民税均等割が非課税の世帯と、コロナの影響で昨年1月以降の収入が減少して「住民税非課税相当」(※)の収入になった家計急変世帯のいずれかが対象となる。同町では約2700世帯が対象だという。

 給付は1世帯につき10万円だが、重複しての受給はできない。支給時期は確認書または申請書の受理から約2~3週間後が目安としている。

 受給するには手続きが必要で、世帯全員の令和3年度の住民税が非課税の世帯に関しては、町から届いた確認書に必要事項を記入の上、返信する。

 「住民税非課税相当」の収入になった家計急変世帯は申請が必要。申請書に必要事項を記入し添付書類などとともに、郵送または直接提出する。申請期間は3月1日(火)~9月30日(金)。いずれの世帯も3月上旬から随時支給される予定とした。

 同窓口では給付事業を進めるに当たり、コロナの影響でない収入減少による給付申請は、不正受給(詐欺罪)に問われる可能性があると注意を促している。

 なお、自宅や職場などに都道府県や市区町村、国(の職員)などをかたる不審な電話や郵便があった場合は、町や最寄りの警察署か警察相談専用電話(#9110)に連絡するなど、同給付金の「振り込め詐欺」や「個人情報の詐取」に注意するよう呼び掛けている。

 担当職員は「申請書などは現在、対象世帯全てには送付できていない。世帯主さまがお亡くなりになられた世帯や転入世帯など約150世帯分は今後送付させていただく。ご不明な点がある際は電話や窓口でのご説明をさせていただきます。お気軽にご相談ください」と話している。

 臨時特別給付金に関する問い合わせは同窓口(電話0735・29・2280)まで。

  □     □

※住民税非課税相当

 世帯員全員のそれぞれの年収見込額(令和3年1月以降の任意の1カ月収入×12倍)が住民税非課税水準以下であることを指す。

(2022年2月20日付紙面より)

専用窓口を設置し「住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金」の業務に当たる=18日、那智勝浦町役場1階会議室
2022年02月20日
18 防災への意識を高める
 丹鶴幼で地震津波避難訓練  (新宮市 )

 新宮市立丹鶴幼稚園(下岡容子園長、園児44人)で18日、地震・津波避難訓練が行われた。園児らは落ち着いて避難経路をたどるなどして防災への意識を高めた。

 同園では火災や地震、不審者などを想定した各訓練を定期的に実施し、日頃から防災・防犯意識を高めている。この日は午前10時ごろに地震発生を知らせる放送が流れた。園庭で遊んでいた子どもたちはその場に座り、手で頭を覆って身を守った後、教職員の指示に従って避難を開始。年長児と3歳児が手をつなぎながら、近隣にある市保健センター隣の花壇・タウンガーデンへと逃げた。

 下岡園長は「今日は上手に逃げることができました」と講評。「周囲に落下物があるときは丈夫な物の下に潜り、お外などで遊んでいる場合は『ダンゴムシのポーズ』で頭や体を守ってくださいね」と伝えた。

 地震後には津波が発生する可能性があると語り「災害はいつ起こるか分かりません。近くの高い建物などに避難することを忘れないで」と呼び掛けていた。

 訓練後にはみんなで園に戻り、クラスごとに分かれて災害にまつわる紙芝居の読み聞かせや防災頭巾の装着方法を確認した。

(2022年2月20日付紙面より)

教職員の指示に従い避難する園児=18日、新宮市立丹鶴幼稚園
防災頭巾のかぶり方を確認した
2022年02月20日
19 「県民の皆さまへのお願い」変更  まん延防止等重点措置延長に伴い  (和歌山県 )
2022年02月20日
20 市長に答申書を提出  新宮市ごみ減量等推進審議会  
2022年02月20日
21 3作品がノミネート  第24回学校華道インターネット花展  (和の心「珠蒼の会」 )
2022年02月20日
22 「全国大会出場目指す」  下古谷兄弟が関西大会出場  (管打楽器ソロコンテスト )
2022年02月20日
23 地域の伝統文化継承を  宇久井小4が獅子舞体験  (那智勝浦町 )
2022年02月20日
24 「小学校で会いましょう」  成川小、成川保でオンライン交流会  (紀宝町 )
2022年02月20日
25 タイの富裕層向けに高級柑橘  2年ぶり、中晩柑の輸出再開  (JA伊勢 )
2022年02月20日
26 移動支所の業務を再開  確定申告、町県民税申告相談も開設  (紀宝町 )
2022年02月20日
27 お悔やみ情報
  
2022年02月04日
28 高校生の悩みに「本」で回答
 3高校で読書のススメ講座  (新宮・東牟婁 )

 帝京大学の学生ボランティアグループ「共読サポーターズ」による「本って面白い!読書のススメ講座」が2日、オンラインで開かれた。新宮・東牟婁地域の県立新宮高校、新翔高校、串本古座高校の図書委員ら12人が参加し、本を読み合い、薦め合い、評し合う「共読」の楽しさに触れた。

 和歌山県教育委員会による「読書を楽しむ習慣づくり事業」と、県立高校で図書委員を務める生徒たちによる「生徒図書充実委員会」の交流行事を兼ねて開催した。

 「共読」とは、読書で得た情報を共有・交換し合うことで、その価値と効果を相互に高める発展的循環型の読書を指す造語。共読サポーターズは、同大学の読書推進プロジェクト「共読ライブラリー」の一環として2012年から公募で組織され、本と読書の魅力を伝える活動を展開している。

 共読サポーターズからは大学3、4年生の5人が出席。月例の活動である企画展示づくりやビブリオバトル、ブックレビュー執筆のやりがいを語り、一人一人が活動を通じて出会った本「ヒーローズ㈱」や「最後は会ってさよならをしよう」などの魅力を紹介した。

 大学生の悩みに著名人が本を紹介する形で答える企画「S―MONDO」にも触れ、実際に参加した高校生の悩みに大学生が回答。「自分に自信を付けるには、どうしたらいい?」という問いには「私に、魔法をかけてDisney Princess Rule」を薦め、「自分が思う理想の人に一歩ずつ近づく行動を取ることが大事。ディズニープリンセスの映画の中の行動に、理想の人に近づくエッセンスが詰まっている」と答えた。

 新宮高校の谷口日和さん(1年)は「大学生の話を実際に聞けるのは、とても貴重な経験だった。今まで名前は知っていたけれど読んでいなかった『西の魔女が死んだ』を読んでみようと思う。小説が好きで、友達にも本の魅力を伝えたいと思った」と話していた。

(2022年2月4日付紙面より)

大学生が本と読書の魅力を伝える(和歌山県教育庁生涯学習局生涯学習課提供)
講座に耳を傾ける生徒たち=2日、新宮市の県立新宮高校
2022年02月04日
29 「地域で役立ててほしい」
 サクセムがパンとマスク寄贈  (太地町 )

 和歌山県紀の川市に工場を置く菓子製造会社のサクセム株式会社(中里輝茂代表取締役社長、本社=大阪府熊取町)は1日、太地町役場に備蓄保存パン「ライフブレッド」(形状規格外品)300本とマスク1800枚を寄贈した。三軒一高町長は「アルファ米など、毎日同じ非常食を食べるのも難しい。試食したが、味も好評だった。高齢者の方にも喜んでいただけると思う。町の備蓄に加えたいと考えている。本当にありがたい」と感謝を述べた。

 2008年に大阪府堺市で青果販売業として創業された同社は14年から洋菓子の製造を開始した。世界中の飢餓に苦しんでいる子どもたちに無償で配布し、救済することを目標に10年の歳月をかけて備蓄保存パン「ライフブレッド」を開発した。その実現を目指して、国連や非政府組織(NGO)との交渉などにも日々、奮闘しているという。

 さらに同社は国産カットネギ市場を構築すべく、16年に自社農場で青ネギの栽培を開始。雇用創出も視野に入れ、和歌山県全域で地元農家、JAなどの協力の下、青ネギの委託栽培とカット用青ネギの出荷も行っている。

 ライフブレッドはバリアー性の高いアルミ包材を使用し、微生物や水分活性を徹底して管理することで、常温で5年6カ月の保存期間を保証している。

 昨年は新宮市に、今年1月に紀の川市と北山村にも寄贈を行っている。この日は中里社長をはじめ、和﨑優子取締役と須﨑重博取締役も同行した。

 中里社長は「弊社のパンがどのようなものかを知っていただきたい。機会があれば、大量に配布したいので、各地域でも役立てていただければ」と語った。

 町担当職員は「数を見ながら、各避難所などに振り分けたい。太地町は台風の影響を受けやすいため、避難所を頻繁に開設する。その際に皆さまに提供したい」と話していた。

(2022年2月4日付紙面より)

備蓄保存パンなどを寄贈したサクセム株式会社の中里輝茂代表取締役社長(右から2人目)と和﨑優子取締役(右端)=1日、太地町役場
寄贈された備蓄保存パン「ライフブレッド」
2022年02月04日
30 災いが和らぐよう祈る
 東仙寺で節分星祭  (新宮市 )

 新宮市新宮の丹鶴山東仙寺(鶴田隆寛住職)で3日、「節分星祭」が営まれた。厄年の男女が訪れる中、鶴田住職がご本尊・弘法大師の前で護摩供養を行い、信者たちの身体健康や家内安全などを祈った。

 同寺は「東海白寿三十三観音霊場」の一番札所。星祭は、人がそれぞれ生まれた年によって持っている「本命星」の巡りが悪い人たちの災いが少しでも和らぐようにと祈る祭りで「星供養」とも呼ばれている。午後5時からは地域住民らが境内に掘られた穴で正月のしめ縄や松飾りなどを焼く「どんど焼き」が行われる。

 参列した60代女性=同市蜂伏=は「毎年、足を運んでいます。健康と商売繁盛、当地方でも発生している新型コロナウイルスの一日も早い収束を願いました」。

 鶴田住職は「感染対策には日常生活はもちろん、心の中にしっかりとした思いを持つのも大切な予防。どうすれば感染拡大を抑えることができるのか、まずは一人一人、自らの行動を律することから始めるのが重要だと思います」と話していた。

(2022年2月4日付紙面より)

ご本尊の前で護摩供養を行う鶴田隆寛住職=3日、新宮市の丹鶴山東仙寺
2022年02月04日
31 接点のあるトンガへ支援を
 町内7カ所に救援金箱設置  (古座川町 )

 古座川町が1日、役場本庁など町内7カ所でトンガ国海底火山噴火災害救援金の受け付けを始めた。期間は3月15日(火)までで、今月2日に防災行政無線などで町内周知を図り協力を求めている。

 この災害は、日本時間の先月15日午後1時すぎにあったトンガ沖の海底火山「フンガトンガ・フンガハアパイ火山」の大規模噴火に伴い発災。翌16日午前0時15分、太平洋沿岸に津波警報などが発令されたことで遠く離れた日本でも広く知られるところとなった。

 同町にとって被災したトンガ王国は出身者の縁がある国。歴代の農政大臣に名を連ねるシヨタメ・ツトム・ナカオ(中尾勉)さんの父・中尾重平さんは大柳の出身で、船大工としてオーストラリアへ移民後、トンガへと渡り事業家として大成した。生涯望郷の念を抱くも帰郷はかなわず他界。亡き父の思いを継いでツトムさんが1973年11月22日、白浜町で公演をしていた母国の舞踊団を引き連れて来町し、大柳に眠る先祖代々を墓参した後に明神小運動場で町主催の歓迎式へ出席し返礼として舞踊団によるトンガ舞踊を披露して町民約300人が見届けた。

 当時児童だった町民は今還暦前後の年齢。今も多くの町民の記憶に残るところで、そのいきさつは国際交流事例の一つとして父・重平さんの生涯と共に町史に刻まれるところともなっている。そのような接点がある国の窮状を受け、町は住民生活課を軸にし町民からの救援金受け付けに動いている。

 投票箱を汎用(はんよう)した救援金箱を▽役場本庁▽中央公民館▽保健福祉センター▽役場七川出張所▽役場三尾川(みとがわ)出張所▽役場小川出張所▽七川診療所―に据え、開庁・開館中に随時寄せてもらえればとしている。問い合わせは町住民生活課(電話0735・72・0180)まで。

(2022年2月4日付紙面より)

トンガ国海底火山噴火災害救援金箱と町史に刻まれている接点の一節=2日、古座川町中央公民館
1973年の歓迎式で披露されたトンガ舞踊の様子(古座川町提供)
2022年02月04日
32 子どもの文化力向上に  熊野新宮ミュージアムがDVD寄贈  (新宮市 )
2022年02月04日
33 心の鬼をやっつけよう!  天満保育園で豆まき  (那智勝浦町 )
2022年02月04日
34 春季大祭で安泰を願う  花の窟神社「お綱掛け神事」またも中止に  (熊野市 )
2022年02月04日
35 利用再開望む声も  施設休止期間を10日に短縮  (紀宝町 )
2022年02月04日
36 明神地内で岩の一部崩れる  影響受けた県道通行止めに  (古座川町 )