スーパーカー実行委が寄付 (新宮市 )
スーパーカー新宮ミーティング実行委員会は4日、地域活性化に役立ててほしいと新宮市にイベント会場で集めた金一封を寄付した。受け取った田岡実千年市長は「大変多くの募金をいただき心より感謝します。今後も一緒になって頑張っていきましょう」と述べた。
地域を盛り上げようと始まり今年で2回目のイベント。市と新宮商工会議所後援のもと同市佐野の新宮港緑地公園で3月25日に開催した。全国各地からランボルギーニやフェラーリなどのスーパーカー約60台が集まり、2000人以上の来場者でにぎわった。寄付金はスタッフやレースクイーンが募金箱を持って会場を回り集めた。
実行委員会の床浦勝昭委員長(フリークグループ代表)と岡崎武人大会長、イベントに協力した北道江利さん(チーム雅龍)と畑下和也さん(SP警備保障)の4人が市役所を訪れ、田岡市長に募金を渡した。
床浦委員長は「無事、大盛況のうちに終了することができました。遠くから来てくれたオーナーさんたちにも新宮・熊野ファンになってもらうことができたと思います。募金箱には金額以上にみんなから『頑張れ新宮、大好き熊野』の気持ちをたくさん入れてもらっております」。
田岡市長は「イベント当日は素晴らしい天候にも恵まれ、大成功したことをうれしく思います」と話した。
(2018年4月6日付紙面より)
「南の国の雪まつり」検討会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の町役場周辺で2月18日に開かれた第23回商工祭「南の国の雪まつり」の検討会が4日、同町商工会館で開かれた。実行委員会のメンバーら約30人が出席し、イベント開催の反省点などを話し合った。
今年の雪まつりは好天に恵まれ、約3万人が訪れた。熊野朝市や屋台村などに132店が出店した。実行委員会の森川起安会長は「23回目を迎え、イベントの広がりが実感できた。触れ合いとにぎわいの創出ができたと感謝している」とあいさつ。「年々予算が厳しい状況になっているが、このイベントは経済効果をもたらしている。撤退させるわけにはいかない」と継続への意思を示した。
意見交換では青年部などの部員数の減少で準備作業が厳しかった状況などが報告された。当日のトラブルでは、近隣の営業店への駐車などの問題とシャトルバスの帰りの便で長時間の待ち時間が発生したことなどが挙げられた。
シャトルバス利用者のスタンプラリーで募ったアンケートは260通が集まった。▽初めてシャトルバスを利用したが便利だった▽回りたい店だらけだった▽雪遊びが楽しかった―などの好評な意見が多く寄せられた。
(2018年4月6日付紙面より)
おやこサロンに小中学生も参加 (新宮市熊野川町 )
新宮市熊野川地区民生委員児童委員協議会は4日、同市の熊野川町保健センターさつきで「熊野川地区おやこサロン」を開いた。年度初めのこの日は、未就園児と保護者、小中学生らが災害時の備えを確認した。親子サロンは乳幼児、未就園児と保護者の交流の場。核家族化の時代だからこそ地域の見守りが大切だと、市と熊野川町が合併した2005年ごろから開催している。
災害時の備えは年に1度実施しており、今回で5回目。熊野川地区主任児童委員の浦佳奈美さんが11年3月の東日本大震災と、同年9月の紀伊半島大水害を経験したことから「大変さが分かっているから伝え、つなげていきたい。そのためには一人一人の防災意識を高めていかなければ」との思いで実施している。
この日は熊野川中学校の生徒が初めて参加した。「子ども広場くまっこ」の児童らとともに、災害に対する備えやビニール袋を使った雨具作り、非常食の試食などを体験した。
浦さんは「想定される場面を考えて必要な備蓄を用意しておく」をテーマに、かばんの中に入れておける「防災ポーチ」や避難バッグの中身、備蓄している食料を災害時だけでなく普段も食べ、減った分を補充していく「ローリングストック」などを紹介。東日本大震災の際に東京都で帰宅難民となったことや、紀伊半島大水害では避難していた町総合開発センターからボートを使ってより高台へ逃げたことなどを写真を交えて説明した。
「熊野川中の生徒たちは去年町で開かれた防災の講演会にも出席しており、今回参加することになりました。災害時、中学生の力は即戦力になりますね。熱心に聞いてくれていました」と話していた。
熊野川中の大槻湧山君(14)は「7年前の災害の時にどう逃げたか、どのくらい水が上がったか、食品の備蓄は家にあるインスタントやレトルトを災害時に食べていたことなどが勉強になった。雨具は腕がぬれずに作業しやすいものを作りました」。
4カ月の莉詩(りた)ちゃんと参加した平田早紀さん(33)は「防災に関しては初めての参加です。子どものために災害時への備えをしていこうと思いました。子どもに必要な物の用意を話してくれたので、この経験を生かして防災に向き合いたいです」と感想を語った。
(2018年4月6日付紙面より)
KCRが町長に発行を報告 (串本町 )
株式会社KCR(本田景士代表取締役)=白浜町=が4日、トルコ軍艦エルトゥールル号遭難救助の史実を基にした創作絵本「タイヨウのくにとツキのふね」を発行した事を串本町の田嶋勝正町長に報告した。
この絵本は潮岬出身の作家・山口小百合さん(同社マネジャー)が串本出身の本田代表取締役、田辺市出身の同社デザイナー・千根章吾さんと共に制作。同町樫野で1890年にあったエルトゥールル号遭難救助の世界観を主人公・ヒノキチの目線で伝える内容で、5歳児以上を対象にし「親子で楽しみ考える」をコンセプトにして作り上げ、今年3月に発行までこぎつけた。
ヒノキチは史実にはない架空のキャラクターで、子どもに着実に世界観を託し後に本来の史実を知る足掛かりにしてもらう工夫として設定した。絵本はほぼA4用紙大で、フルカラー48㌻。売価は1890円(税抜き)。発行元は同社で、初回3000部には作中に出てくるアイテム「ツキのくにのおまもり」が特典としてついている。同社商材の一つとして、白浜町内で運営する「紬カフェ」や商材販路のホテル売店など数十カ所に並べるほか、書店にも取り扱いを交渉しているという。
この日は本田代表取締役と山口さんが田嶋町長を表敬訪問し、3冊を託して発行を報告。『3年計画で10万部を目指す』という目標の下、愛読の裾野を広げるため今月25日(水)にクラウドファンディングを立ち上げて▽47都道府県の図書館約100館に寄贈(100万円達成時)▽県内の小学校や幼稚園、図書館など約420カ所に寄贈(150万円達成時)▽大型絵本を作成し出張読み聞かせなど催しを実施(200万円達成時)―といった段階的目標の実現を目指すことなども伝えて応援を願った。
田嶋町長は史実を常に受け継ぐためのアクションを出身者が思いを持って起こしてくれたことを喜び、機会を見て宣伝したいと応えた。3冊のうち1冊は駐日トルコ共和国大使館に贈り、残り2冊は町内の読み聞かせグループに預ける方向で活用を考えるという。
同絵本の問い合わせは同社(電話0739・33・7683)まで。
(2018年4月6日付紙面より)
発射場誘致の推進室 (串本町 )
日本初の民間ロケット発射場の建設誘致を進めている串本町は3月30日、同町役場古座分庁舎1階に「民間ロケット射場誘致推進室」を設置した。2日に開室し、職員2人が用地交渉や情報発信などを行っていく。発射場は同町田原地区が想定されている。
キヤノン電子など民間4社で設立した会社「新世代小型ロケット開発企画株式会社」=本社・東京都港区=は小型衛星打ち上げのロケット発射場の建設を計画。候補地の要件として▽射点を起点に半径1㌔圏内が恒常的に無人である▽射点から南方に陸地や島がない▽本州の工場から発射場まで低コストで物資輸送が可能▽周辺住民から歓迎されること―などを掲げ、昨年9月に47都道府県に適地を打診した。
県は串本町を候補地として推薦。同社は串本町を国内の第一有力候補地としたが、立地はまだ決定していない。
町は県と共に誘致を進め、2月14日に田原山村交流センターで地権者説明会を開いた。買収面積は約150㌶を予定。このうち7割は町有地。
推進室には田原地区出身の役場職員OB2人を配置し、用地交渉のサポートなどにあたる。
推進室の看板を設置した田嶋勝正町長は「候補地の最有力地の一つに入ったという話を受け、本格的に活動していこうと推進室を設けた。この事業の鍵となるのは地域の皆さん、関係する方々の同意と考えている」と述べ、「都心から一番離れた本州最南端の地で日本の最先端技術を結集したロケットの打ち上げ場ができる。実現はまだ分からないが、ロケットが舞い上がる姿を夢見ながら頑張りたい」と意欲を示した。
県商工観光労働部企業政策局産業技術政策課の佐久秀弥課長は「鹿児島県の発射場を視察したが、交通の便の悪い場所なのに1000人を超える見学者が訪れていた。発射場の誘致は産業振興と同時に、串本町を含む熊野地方広域の地域活性化に役立つ事業だ」と話した。
(2018年4月1日付紙面より)
絵本の会「よむよむ」に助成金 (那智勝浦町 )
子どもたちに絵本の読み聞かせを行う那智勝浦町のボランティア団体、絵本の会「よむよむ」が平成29年度伊藤忠記念財団助成金対象に選ばれた。3月2日に東京都内で開かれた贈呈式には、会員の伊藤松枝さんが出席した。
「よむよむ」は、町内の保育所・園、図書館などで絵本の読み聞かせや手作りの紙芝居を行い、0歳児健診を利用した絵本で親子のふれあいを促す「ブックスタート」にも力を入れている。28年には、子どもの読書を推進する活動が顕著な団体に贈られる文部科学大臣表彰を受けた。
伊藤さんらは20年にわたるボランティア活動を振り返り、10年前に受けた同事業の「子どもの本100冊助成」や、イオンが毎月実施するボランティア団体への売上金還元システム「イオン 幸せの黄色いレシートキャンペーン」も活動の支えとなったと感謝した。「本の購入以外にも、紙芝居の画材や折り紙などの購入費に充てました。今回の助成金も含め、支援システムがあることをボランティアの方々に知ってもらえれば」と話した。
伊藤さんは贈呈式で、ICBA国際児童文庫協会のオパール・ダンさんがスピーチで紹介した『人を深いところから突き動かすのは、子どもの頃の何か、奥深くに眠っていたものなのです』という言葉に感銘を受けたと話し、「いただいた助成金をもとに活動をさらに充実させて、子どもたちのために役立てていきたい」と語った。
(2018年4月1日付紙面より)
2日から外来診察スタート (那智勝浦町立温泉病院 )
那智勝浦町天満の新町立温泉病院(那智勝浦町天満1185番地4)で3月30日、開院に向け器具などの移転作業が進んだ。新病院は4月2日(月)に開院し、午前9時から外来診察を開始する。
新たに購入した医療機器などの搬入は済んでおり、28日に診察を終えた旧病院からの移送が主なもの。この日も作業トラックのピストン輸送が続いた。
新病院は鉄骨造り地上4階と塔屋階、延べ床面積9260平方㍍。診療科目は内科、整形外科、リハビリテーション科、眼科。病床数は120床。職員住宅棟は、鉄骨造り地上2階、延べ床面積626平方㍍。単身用12戸、家族用3戸、会議室1室。院内のリハビリテーションセンターは広さ約400平方㍍あり、日本で初導入となる歩行訓練のVRトレッドミルや運動解析装置などを設置している。
(2018年4月1日付紙面より)