新宮高校で防災スクール
新宮市の県立新宮高校(東啓史校長)で24日、県教育委員会主催の「高校生防災スクール」が開かれた。1年生192人が講義や訓練を通じ、地震発生時の電車からの脱出方法や被災時に役立つ知識を学んだ。
和歌山県教育委員会主催の「県高校生防災スクール」の一環。高校生の防災意識を高め、地域防災のリーダーとして災害時に活動できるような生徒の育成を目的に、毎年1年生を対象に実施している。この日は新宮消防本部、自衛隊和歌山地方協力本部新宮地域事務所、JR西日本が協力した。
開校に当たり、新宮駅の坂本純一駅長は「電車の中で地震が起こったとき、『揺れが収まったから大丈夫』ではなく、次に何をしたらいいのかイメージを持ち、行動に移せるようになってほしい」とあいさつした。
JR西日本による講義では、津波避難三原則(想定にとらわれない、最善を尽くす、率先避難者たれ)を確認し、電車内から緊急脱出するための非常用ドアコックの操作法や各ドア付近に設置されているはしごの使い方を解説。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、本年度は車両からの脱出訓練は行わなかった。
防災体験では、クラスごとに心肺蘇生法や傷病者の搬送法の講習、土のう積み、ロープワーク、起震車体験などを通じ、さまざまな災害時に役立つ知識を学んだ。
自衛隊員によるライフハック講習を受けた宮上伯都(はくと)君は「災害発生後に数少ない物で明かりを作ったり、食器を何回も使えるようにしたりする方法を教わった。どれも簡単にできることで、とっさのときにも行動できそう」と話していた。
(2021年11月27日付紙面より)
文化セで本年度人権講演 (串本町 )
串本町の本年度人権講演会「LGBTトーク&コンサート」が24日夜に文化センターであり、233人(主催者発表)がシンガー・ソングライターの悠以さんと共に人権意識を高める機会を持った。
町人権委員会(西野政和会長)が人権を考える強調月間(11月11日~12月10日)などに合わせて趣旨の裾野を広げる場として例年計画している同講演会。新型コロナウイルスの影響で前年度は中止したため、今回は2年ぶりの実施となった。
始めるに当たり西野会長は、国連が採択したSDGs(エスディージーズ=持続可能な開発目標)の概要と日本の取り組みの現状や今年の日本のジェンダーギャップ指数が156カ国中120位という状況などをこの機に課題提起。今回の講演から学びを得ることを求めて聴講を促し、講師の悠以さんを迎えた。
悠以さんは「自分らしく生きる」という演題の下で登壇。社会の中にLGBTがいることと大半の人が生まれついた性別で生きていることの2点に目を向けて性の多様性を考えてほしいと希望し、性同一性障害と向き合う自身の自分らしさ実現の歩みや母など周囲の支えを語りつづった。
終盤では歌唱も披露して来場者に自身の存在を印象付け。同委員会の山本ちづき副会長が音楽を交えて考える機会を来場者へ託してくれたことへの感謝を悠以さんに伝え、会を締めくくった。
(2021年11月27日付紙面より)
新宮市で今年最後の清掃活動 (たばこ組合紀南支部 )
和歌山県たばこ商業組合紀南支部(塩崎伸一支部長)は25日、新宮市役所周辺で今年最後となる清掃活動を実施した。会員16人が参加し、新型コロナウイルス感染対策を施しながらごみ拾いに取り組んだ。
同組合女性部(大谷敏子部長)を中心に、たばこのポイ捨て禁止や未成年者の喫煙防止などの呼び掛けを目的に活動しており、清掃は1997年度から開始。今年で24年目を迎え、年間25回ほどのペースで行われている。
到着した会員はそろいのチョッキを身に着け、市役所から駅へとのぼりを掲げながら紙くずや吸い殻などのごみを拾い、汗を流した。
大谷部長は「以前に比べるとたばこのポイ捨てやごみも少なく、地域の皆さんのマナーが良いことを実感しました。しかし、ゼロにすることは非常に難しい。来年も引き続き地道な活動を続けて周知し、地域全体で町をきれいにする意識を深めてもらえれば」と話していた。
次回は来年1月20日(木)に、道の駅なち周辺で清掃活動を予定している。
(2021年11月27日付紙面より)
新宮市民スポ祭硬式テニス
東牟婁スポ少交流大会バレーボール
八咫烏シンポジウム (那智勝浦町 )
第36回国民文化祭、第21回全国障害者芸術・文化祭那智勝浦町実行委員会は3日、那智勝浦町体育文化会館で「八咫烏(やたがらす)シンポジウム」を開催した。八咫烏に関する講演などが行われたほか、同町出身で、日本サッカー協会創立100周年を機会に日本サッカーの礎に貢献した中村覚之助氏の名誉町民顕彰セレモニーも実施され、121人の来場者が祝福した。
「紀の国わかやま文化祭2021」地域文化発信事業の一つであるシンポジウムは、熊野信仰のシンボルである八咫烏を広く周知し、八咫烏を通して熊野の魅力を発信することが目的。
開会に先立ち、堀順一郎町長があいさつ。はじめに日本ヤタガラス協会会長で国際熊野学会代表委員の山本殖生さんが「熊野の八咫烏伝承の魅力」と題し講演した。
三足の意味や古代中国や高句麗の神話、神武天皇の系譜などに触れ、「平安には八咫烏の名前が出ている。日本書紀や古事記によると、大きな鳥や偉大な鳥と読み取れる」と述べた。
山本さんは「豊かな自然・山・川・滝・海」「文化的景観として、自然と人間」「聖地の要件」「日本第一大霊験所」が八咫烏の生息環境と位置付けし、他界観や再生観、死生観、宗教観、世界観など、熊野の象徴が八咫烏であると締めくくった。
熊野三山参詣曼荼羅(まんだら)絵解き「協演」では、熊野本宮語り部の会の谷口佳子さん、新宮市観光ガイドの会の西浦康代さん、熊野那智ガイドの会の生熊みどりさんがそれぞれの絵解きを行った。
筑波大学附属高校教諭で日本ヤタガラス協会副会長の中塚義実さんが「日本サッカーの始まりと中村覚之助―JFA100周年にあたって―」を講演。「サッカーの始まりと日本への伝来」「中村覚之助の功績と日本サッカーのあゆみ」「JFAのシンボルマークをめぐって」について解説した。
□ □
中村氏は1878年に旧那智村浜ノ宮で生まれ、1900年に東京高等師範学校(現筑波大学)に入学。「アッソシエーション・フットボール」を翻訳し、日本初のサッカー指導書を編さんした。さらには日本初となるサッカーチームを創設し、国際試合も実施。28歳の若さで逝去した。
それらの功績をたたえようと、今年9月の町議会で同町二人目の名誉町民に推挙され、全会一致で同意された。
名誉町民顕彰セレモニーでは、中村氏の兄・亀一氏の孫に当たる中村統太郎さんも出席。中村さんは「名誉町民に選んでいただき、この上ない喜び。親族として誇りに思う」と喜びを語った。
(2021年11月6日付紙面より)
子供・若者育成支援強調月間 (新宮・東牟婁 )
「子供・若者育成支援強調月間」(内閣府が主唱)に伴う「知事メッセージ」の伝達式が4日から29日(月)にかけて新宮市、東牟婁郡の各地域で行われる。初日の4日には、東牟婁地方青少年育成県民運動推進委員連絡協議会の畑林守さん、木村康史さん、横山政博さんらが新宮市役所を訪れ、青少年健全育成に協力を求める仁坂吉伸和歌山県知事のメッセージを読み上げ、田岡実千年市長に手渡した。
青少年を正しく、心豊かに育成する機運を盛り上げようと毎年実施している。メッセージでは「新型コロナウイルス感染症対策に伴うさまざまな制約により、閉鎖感や孤立感を感じている子ども・若者がいる。また、いじめや不登校、児童虐待や引きこもりのほか、SNS(会員制交流サイト)におけるトラブルやインターネットの長時間利用など、子ども・若者に関するさまざまな問題を解決するためには、家庭・学校はもちろん地域全体で取り組まなければならない」などと協力を呼び掛けている。
伝達を受けた田岡市長は同協議会の子どもたちの健全育成を目指す取り組みに感謝を示し「SNSやインターネットの普及など、便利になりすぎているが故に今までとは違った問題も起きていると感じている。引き続き子どもたちの成長のためにご協力いただければ」と求めた。
横山さんから、県ではSNSをはじめとするインターネット上のトラブルから子どもたちを守るためにネットパトロールを行い、各市町村教育委員会と学校が情報を共有しているなどと紹介。
田岡市長はインターネット上におけるいじめや誹謗中傷などの発生を危惧し「地域が一緒になって子育てしていくことが一番大事」。委員らと課題や現状などを話し会いながら今後の連携強化を図った。
(2021年11月6日付紙面より)
マリア保が創立50周年 (新宮市 )
新宮市野田の保育所型認定こども園「マリア保育園」(三浦恒久園長)で3日、創立50周年式典が開かれた。式典実行委員会や保護者会、同窓会、職員ら約40人が出席し、記念となる節目を祝った。
同園は、神に愛されている他者と自分を知り、人を愛する人間に育つことを目的に、新宮聖公会に併設する形で1971年11月に開設。地域の保育事業の一端を担い、これまで1723人の子どもたちが巣立った。97年の25周年時には、当時の園児や職員らがさまざまな品物をタイムカプセルに入れて埋設し、将来の夢を託した。
式典では、坂口涼・保護者会長、阿万卓也・実行委員長、杉浦資史・同窓会長があいさつ。コロナ禍で無事に催しが開催できたのは三浦園長はじめ職員、保護者の他、多くの人たちのおかげと感謝し、坂口会長、阿万実行委員長はそれぞれ「この伝統を引き継ぎ、次の世代に継承していきたいと思いますので今後ともご支援、ご協力をよろしくお願いします」などと述べた。
続いて97年当時の園児だった清原孝太さん、元職員の西和美さん、現職員の松原美恵教諭が、同園でのそれぞれの体験や思い出を語り、笑顔で振り返った。
中盤には、運ばれたタイムカプセルが25周年当時に役員を務めていた森光治さん、久保正彦さん、清原直樹さんによって開けられると、中から将来の自分に向けての手紙や記念ポスター、園児たちの絵などが取り出され、出席者から大きな拍手が送られた。
午前には、同園教会で感謝礼拝が行われ、聖歌や説教などで神様に感謝の祈りをささげた。
阿万実行委員長から記念品を受け取った三浦園長は「97年当時に園長を務めていた大川誠さんは人とのつながりを大事にしていた。100周年に向かって、子どもたちに寄り添っていけるよう『マリア大家族』の思いを胸に、これからも頑張っていければ」と話していた。
(2021年11月6日付紙面より)
串本で創業セミナー実施 (広域商工会東牟婁協議会 )
串本町商工会館で1日夜、研修会「2021ビジネスを始める人のための創業セミナー」があり事前申し込みの6人と同町商工会事務局の職員(経営指導員など)5人が受講して成功する起業の筋道を考えるなどした。
この研修会は、北山村・古座川町・串本町・南紀くろしおの4商工会で結成する広域商工会東牟婁協議会(森川起安会長)主催。本年度伴走型小規模事業者支援推進事業の一環で、今回は商工会の経営指導員による事後フォローの利用を前提にして管内5市町村が認定する特定創業支援事業の要件となる4分野(経営・財務・人材育成・販路開拓に該当する研修の修了)を網羅する3時間講習を計画し、受講無料、先着順で参加を呼び掛けた。
対象は経営の基本を学びたい人、独立開業を目指す人、創業後5年未満の人、副業を検討している人。講師は株式会社紀の州コンサルティング・三和社会保険労務士事務所代表の濱田智司さんが務めた。
この日は全国労働保険事務組合連合会和歌山支部も同席。まず日本政策金融公庫田辺支店が同公庫の概要と創業計画書の記入内容、各種融資制度を紹介し、以降は濱田さんが自他の経験を例示しつつ起業する場合にしてはならないことやするべきことを一通り説明して起業の志を着実に成功へとつなげる考え方や進め方を11人に託した。
(2021年11月6日付紙面より)
東牟婁地方中学校秋季陸上競技大会
サッカー・バレーボール