ロールプレイング説明会で事件解決 (新宮警察署 )
新宮警察署は23日、同署で「目指せ犯人逮捕‼ 体験型ロールプレイング説明会」を開催した。警察官を志望する、管内外の14~22歳の5人が参加。模擬事件の解決などを通して、警察官の仕事を身近に感じる機会とした。
同署が想定した模擬事件を解決すべく、聞き込みや鑑識、取り調べなどの警察活動を参加者に体験してもらうことによって、警察官という職業の魅力を知ってもらうことを目的に実施。今回は12歳から満32歳までを対象に参加を募った。
同署敷地内に模擬交番が設けられ、警察官になりきった参加者らは、白昼に行われた強盗事件の犯人を特定すべく、同署職員扮する被害者や目撃者らに聞き取りを行い、犯人が触れたとされる乗用車から指紋を採取。被害者から犯人の特徴や雰囲気を聞き出し、似顔絵を作成した。
取り調べでは、3班に分かれ3人の容疑者に事件発生時刻帯の行動などを質問。供述内容から「現金10万円などが入った財布が盗まれた、といった事件の詳細を知っていた」などとする矛盾点などを探り、犯人を特定。事件解決に導いた。
近畿大学附属新宮中学校の村田海人さん(14)は警察官志望。「特に取り調べが楽しかった。今日の体験から、警察官に対する憧れがより強くなりました」と笑顔で話した。
警務課の本田斗生多・警務係長は「体験会の様子を見ていて、皆さんとても素質があると感じた。経験してもらうことによって警察官への興味が湧いてくると思います」と話していた。
(2023年2月25日付紙面より)
3年ぶりの通常総会 (和歌山ラオス友好協会 )
和歌山ラオス友好協会(田邉毅一会長)は20日、新宮市井の沢の新宮ユーアイホテルで3年ぶりとなる第9回通常総会を開き、支援への報告と提出議案を全て承認した。その後は懇親会が開かれ、出席者が交流を深めた。
同協会は、ラオス人民民主共和国の観光と教育を援助し、友好的な関係を築こうと2015(平成27)年、日本で19番目に発足。現地訪問や会員らからの寄付による学校への備品の寄贈などの活動に取り組んできた。
小学校の建設支援では、20年11月にルアンパバーン市パノーム村の唯一の学校であるパノーム小学校で建設を進めていた新校舎が完成。同月に生徒らが新校舎で勉学に励んでいる。現地からは感謝と喜びの声が寄せられており、同協会発足以来の念願がかなった。
その翌月には、現地での竣工式および譲渡式を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で中止となっている。
感染防止の観点から、3年ぶりとなった総会では、22年度の事業報告が行われ、23年度の事業計画や予算を承認した。
事業計画では▽国際協力・親善に関する交流事業▽教育支援事業(教育施設設立、教材寄贈)▽パノーム村小学校校舎新設の竣工式▽YMCAホテル学校ラオス校設立を協力支援▽駐日ラオス人民民主共和国大使館、在京ラス人民民主共和国名誉領事館への協力事業▽和歌山県・ルアンパバーン州のフレンドリーシップ協定の締結―などを予定している。
田邉会長によると、YMCAホテル学校ラオス校の設立は、人材を育成し日本で受け入れることで、国内の働き手不足とラオスの就職難を解決する施策になるという。
これまでは新宮市とルアンパバーン市のフレンドリーシップ協定を進めてきたが、今後はエリアを拡大し、和歌山県とルアンパバーン州のフレンドリーシップ協定締結を進めることで、さらなる活動の発展に寄与したいと思いを述べた。
田邉会長は「延期となっている竣工ツアーを実施したい。また、日本各地のラオス友好協会と合同の総会を新宮市でもやりたいと思う。これまでは学校のあった村に校舎の建設支援を行ってきたが、次は学校のない村に、学校建設を目標とした校舎造りを応援していきたい」と語った。
この日、新理事に田中國雄さん、上田修司さん、宮本昌幸さん、前田良二郎さんが選出された。懇親会では、寺前正和副会長と名誉顧問の堀順一郎那智勝浦町長らがあいさつ。前田良造副会長が乾杯の音頭を取り、出席者らは会話や食事を楽しんだ。
(2023年2月25日付紙面より)
熊野三山で「天長祭」
「天皇誕生日」の23日、熊野三山で天皇陛下63歳の誕生日を祝うとともに皇室の弥栄(いやさか)などを祈願する「天長祭」が営まれた。
今上天皇の誕生日を祝うことを目的とする「天皇誕生日」。光仁天皇在位の775年に天皇の誕生日を天長節としたのが始まりで、1948年の「国民の祝日に関する法律」により他の祝日とともに制定された。
新宮市の熊野速玉大社では、上野顯宮司が祝詞を読み上げた後、巫女(みこ)が神楽「浦安の舞」を奉納。神職や参列者たちが玉串を供えた。
神事を終え、上野宮司は92年5月、皇太子時代の天皇陛下が同大社や、神武天皇が東征の際に登った天磐盾と伝わる神倉山を訪れた際のエピソードを紹介し「史実が残る山に御自ら登られたことに感動した」。
天長祭斎行に当たって「皇室の弥栄はもちろんのこと、喜びも悲しみも分かち合う皇室でありたいと、先の大戦で犠牲となられた方々に対する慰霊の気持ちをずっとお持ちになっている。この日が皇室の存在にいま一度、関心を寄せる日になれば」と話していた。
(2023年2月25日付紙面より)
新年度の当初予算案発表 (古座川町 )
古座川町が22日、2023年度一般会計当初予算案を発表した。予算規模は30億7810万円で、西前啓市町長は「これといった目玉はないが、私なりにまちづくりに対応していきたい」と話している。
予算規模は対前年度で1億3630万円増(4・6%増)。歳入の自主財源は約5億3715万2千円(構成比17・5%)で、対前年度で1億4252万3千円増となっている。地方税収入は対前年度で315万円減の1億9703万7千円を見込んでいるが、他方でふるさとづくり寄付1億3600万円が加わり自主財源増の主たる要因になっているという。
歳出の投資的経費は2億2756万5千円で、対前年度で3446万9千円増。歳出の主な事業として▽住民生活支援事業(539万5千円)▽高速道路関連まちづくり事業(6480万円)▽デジタル防災行政無線整備事業(1821万6千円)▽観光交流施設整備事業(1270万円)▽在宅血液透析導入機器設置補助事業(60万円)▽高校生等就学支援事業(270万円)▽教育指導員配置事業(282万9千円)▽町道維持管理巡視員配置事業(288万円)を挙げる。
住民生活支援関係では交通不便地区高齢者生活支援やし尿処理費補助、移動販売支援の継続に加え、新規で高齢者等粗大ごみ収集運搬補助を導入。65歳以上を対象にし粗大ごみ運搬1回につき1000円を補助して加齢に伴う処理負担増の緩和を図る。
高速道路関連まちづくり関係では新規に残土処理場整備事業を導入。池野山地内の町有林で60万立方㍍規模の受け入れをするとし、その造成を見据えてまちづくり基本構想策定事業〈更新〉も進める。
デジタル防災行政無線整備は23~25年度の3カ年で段階的に防災行政無線を更新する内容。観光交流施設整備はぼたん荘裏用地を購入しキャンプ場や公園、災害時避難所等としての利活用の検討を進めるという。
在宅血液透析導入機器設置補助は新規導入。高校生等就学支援も新規導入で、町内の対象者に月額5000円の支援金を給付する。教育指導員配置と町道維持管理巡視員配置はいずれも新規に人材を起用するという。
併せて特別会計の当初予算案の概要も発表。予算規模は7会計合計12億9662万円で、対前年度で4334万円減(3・2%減)。これら案は3月1日(水)から始まる町議会第1回定例会で上程し、承認を求める流れとなる。
(2023年2月25日付紙面より)
那智勝浦町総体卓球大会
ダブルスも3位と活躍 (黒潮親善卓球大会 )
みさきストロングスが体験会 (新宮市 )
新宮スポ少が「やたがらすアカデミー」
熊野古道歩き交流深める (那智勝浦町 )
那智勝浦町立下里小学校(泉一代校長)の4年生12人は1月31日、「なちかつ古道を守る会」(地庵晋司会長)の協力の下、身近にある世界遺産の熊野古道「清水峠」を歩き、道普請を行った。児童は歴史を学びながら古道や自然に触れ、清水峠入り口付近のぬかるんだ道に石を置くなどして整備に汗を流した。
同校によると、今回の古道歩きと道普請は総合的な学習の一環で地域の歴史や文化、生活を学ぶことが目的だという。今回で3回目。
児童は同会の太田耕二さんから昔の下里地区の様子や世界遺産、熊野古道などを事前に学んでおり、1月中旬には太田さんと共に清水峠を下見している。
JR紀伊浦神駅に集合した児童は同会が準備していた石をリュックに詰め、出発。太田さんやメンバーの案内の下、交流を深めながら元気いっぱいに古道を歩いた。
児童は清水峠の入り口付近に到着後、石を丁寧に敷き詰めた。さらにはメンバーや町職員、同校の職員と共に、古道歩きに障害物となる周辺の倒木や枯れ草、石などを片付け、道普請に取り組んだ。
西麻陽さんは「この場所に熊野古道があることは知らなかった。道普請は楽しいし、道もきれいになってうれしい。いろいろ勉強になった。また来たいです」と笑顔で語った。
作業を終えた児童にマスクやあめ、ミカンをプレゼントした太田さんは「おかげさまできれいになり、歩きやすくなった。これからも歴史や世界遺産に興味を持って、熊野古道も歩いてもらえたら。その際にごみなどを見つけたら、拾ってもらえるとうれしいです」と呼びかけた。
地庵会長は「作業を通して、道具の名前や使い方も知ってもらうことも大切。子どもたちの頑張りのおかげで景色も明るくなって良かった」と話していた。
(2023年2月3日付紙面より)
新翔高校が交通安全優良学校に
新宮市佐野の和歌山県立新翔高校(藤田勝範校長)はこのほど、第63回交通安全国民運動中央大会で、「交通安全優良学校」に選ばれた。先月18日、東京都新宿区の新宿区立新宿文化センターで開催された同大会本会議において表彰を受けた。
(一財)全日本交通安全協会、警察庁が主催(内閣府、文部科学省、国土交通省後援)する同大会。交通安全優良学校は、交通安全教育活動を積極的に推進し、児童、生徒の交通安全教育と交通事故防止に顕著な功績があった学校に対し贈られるもので、今回は全国で45学校が表彰を受けた。なお、同校は昨年11月、和歌山県警察と県交通安全協会による「交通安全優良学校」にも選出されている。
同校では、2015年度より「自転車マナーアップ推進リーダー」活動を実施。委嘱を受けたリーダーが、他の生徒に自転車の交通ルールを守るよう呼びかけたり、警察や地域団体と共に交通安全の街頭啓発を行ったりするなどして、交通事故防止に向けた取り組みを展開している。
昨年12月には、リーダーとして委嘱を受けている同校ブラスバンド部が新宮市文化複合施設「丹鶴ホール」で開催された「新宮ハートフルコンサート~交通事故防止の願いを込めて~」で演奏を披露。交通事故防止や命の大切さを訴えた。
今回の表彰はそういった一連の活動を評価されたもので、県内での受賞は同校のみだった。
このたびの結果を受け、藤田校長は「警察やJA、地域のご協力の下、自転車マナーアップ推進リーダーの活動や自転車安全教室の実施など、地道な活動が評価いただけたものと思っている。いろいろな人と一緒に協働していただけた賞。地域の中にあって、一緒に交通安全を啓発していくことはすてきなこと。今後も交通安全だけではなく、さまざまな分野で地域を盛り上げるために、積極的に活動していければ」と喜びを語った。
(2023年2月3日付紙面より)
文化セで令和4年度人権講演会 (串本町人権委員会 )
串本町人権委員会(西野政和会長)が1月31日夜、文化センターで令和4年度人権講演会を開き、約230人(同委員会事務局発表)が沖縄の思いの一端に触れて思想を培う機会を得た。
この講演会は町、町議会、町教育委員会、町PTA連絡協議会、町教育研究会、町職員労働組合後援。同委員会が年間を通して取り組む啓発活動の一つとして開いていて、本年度は▽沖縄戦40周年記念映画「戦場(いくさば)ぬ童(わらび)」上映▽まーちゃんバンドトーク&ライブ―の二部構成で内容を準備し当日の来場を呼びかけた。
開会に当たり西野会長は昨年の沖縄本土復帰50周年を意識した内容だとし、太平洋戦争における沖縄戦で軍人ではない住民が直面した状況の筋道を説明して鑑賞を求めた。映画は1985年制作の作品で、記録映像と住民の実直な訴えを交えて太平洋戦争から本土復帰後までの沖縄の実態を伝える内容。その理解を持って西表島出身の三線アーティスト・南(ぱい)ぬ風人(かじぴとぅ)まーちゃんうーぽーさんを講師として迎え、率いるまーちゃんバンドを交え「歌って踊って平和をつかめ」を合言葉にして繰り広げるトーク&ライブを鑑賞して込められたメッセージを受け止めた。
まーちゃんうーぽーさんは手にする三線が600年前の琉球王国時代に中国から伝わり独自の発展を遂げたように、周囲と仲良く生きていくところが沖縄の素晴らしさだとアピール。祭りを介してその教えを受け継ぐ長老に感銘を覚え、その裾野を世界へ広げるのが自分だとして、情熱豊かに伝えたい思いを語りと歌でつづった。この講演会の趣旨もくみ、顔も合わせず簡単に戦争をしてしまう状況を憂いて「二度と戦争を起こさないため、誰もが笑顔で仲良くする世界を作りたい」「みんなが希望を持てる世界を作るのは私たち」とメッセージを寄せ、そのために伝え広めている沖縄の素晴らしさが生かされる今後を願うなどした。
閉会に当たり猪村和己副会長は「自然や命、平和に対する思いが心に響いた」とたたえて講師登壇に感謝し、平和と人権は表裏一体とする捉え方を掲げるなどして締めくくった。
(2023年2月3日付紙面より)
高齢者地域見守り隊が定例会 (紀宝町 )
紀宝町の高齢者地域見守り隊(伊藤俊介代表)は1日、町役場大会議室で本年度の第3回定例会を開催。隊員ら約20人が参加し、今後の活動内容や詐欺被害の状況などを確認した。
見守り隊は2012年9月に発足。現在24人が所属し、月1回の街頭啓発活動などを通して、高齢者の特殊詐欺被害防止を呼びかけている。
今回は本年度最後の定例会で、伊藤代表が「コロナの影響で本年度も活動を自粛したこともあったが、これからも自分のペースで参加してほしい。特殊詐欺が多く発生しており、皆さんの意見を活動の参考にしたい」とあいさつした。
成人年齢の引き下げによる若者の詐欺被害、各地で相次ぐ広域強盗事件など、全国的に消費者問題が大きく取り上げられており、紀宝警察署管内では今月、御浜町の20代女性が現金5万円をだまし取られる詐欺が発生した。
参加者は四つのグループで、特殊詐欺の手口などを話し合い「スマホを使ったSNS(交流サイト)による詐欺は若者の被害が多いのでは」「ATM、コンビニに誘導する詐欺もまだある。頭に入れておくべき」「電話による詐欺の手口も新しくなっている。これから気を付けないといけない」「自宅の鍵をかける習慣を付けたほうがいい」と発表。全員で情報共有した。
来年度も街頭啓発や寸劇による啓発活動を継続し、スキルアップ研修会、消費者問題講演会などにも取り組むという。
(2023年2月3日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部
新宮信金経営者塾100人会「紀蹴カップ」
ロケット「カイロス」初号機 (スペースワン株式会社 )
人工衛星の宇宙輸送サービス実現を目指すスペースワン株式会社=東京都=が1月31日、ロケット「カイロス」初号機の打ち上げを今年夏ごろに延期することを発表した。この日串本町内であったスペースポート紀伊周辺地域協議会臨時総会で、同社の阿部耕三取締役が報告。理由は必要な部品の調達が完了しないためだとしている。
同社は串本町田原~那智勝浦町浦神地内(浦神半島内)に民間としては国内初となるロケット射場「スペースポート紀伊」を所有。射点は浦神半島の東側の谷あい(田原地内)にあり、当初は2021年度中の打ち上げ開始を目指していたが、新型コロナウイルスやロシアのウクライナ侵攻などの世界情勢に伴う部品調達難などにより昨年末ごろ、今年2月ごろと2度にわたる打ち上げ開始の先送りを余儀なくされた。
阿部取締役は昨秋に2度目の延期を同協議会に報告した時点で納入を見込んでいた部品の一部が依然として届かないことが3度目の延期を判断した要因とし、打ち上げにかかる事前の試験も最終段階に差しかかり部品がそろえばさほど時間を要さず打ち上げられるとコメント。3月中に残る部品納入のめどを見極め、4月中にその結果を示したいとしている。
(2023年2月1日付紙面より)
熊野家三九郎さん「夜話」 (新宮市 )
新宮市丹鶴の旧チャップマン邸で1月28日夜、当地方で活動する社会人落語家・熊野家三九郎さん(68)による「夜話(二席)」があった。地域の落語愛好家ら約25人が来場し、新作落語と古典落語を披露。会場は温かい笑顔と拍手で包まれた。
新宮市出身の三九郎さん。中学生の頃、ラジオで聞いていた笑福亭仁鶴や桂文枝らの深夜放送がきっかけで落語にはまった。新宮高校では落語好きの友人と落語同好会を立ち上げ。立命館大学では落語研究会(落研)に入部し、本格的に落語に打ち込むように。当地方に帰ってきてからも寄席を開いたり、地域の集まりで披露したりするなど精力的に活動。落語の魅力を伝え続けている。
コロナ禍で地域のイベントも減少し落語を披露する機会も少なくなる中、突然の訃報が飛び込んできた。昨年10月、三九郎さんの幼なじみが亡くなった。長い闘病生活を経て、社会復帰を果たした矢先のことだった。
同イベントは、幼なじみの「鎮魂」の祈りを込め、自身が2年前に創作した新作落語「未練袋」と、熊野三山の熊野牛王神符(くまのごおうしんぷ)がストーリーの核を成す「三枚起請」を初披露する機会にと企画。かねて「この場所で落語ができれば」と希望していた同所で開催するに至った。
「未練袋」は、思いのほか若死にした旧友の2人が、小学生の時に幼なじみ3人で55年後に開封しようと埋めたタイムカプセルに対し、残る1人にその開封を期待するも当人も死亡。悔やみながらも新仏の幼なじみを出迎えるが、幼なじみは白い大きな袋を担いで「あの世」にやって来た。その中身に感激する2人、そして3人は数奇な縁に驚愕(きょうがく)するのであった。
一方、「三枚起請」は友達同士の3人の男と遊女の間で熊野牛王神符を通したやりとりが落ちへとつながる古典落語。なお、熊野を題材にした落語は少なく、五代目桂文枝さん(2005年死去)が、「紀伊山地の霊場と参詣道」世界遺産登録を記念して04年に創作した「熊野詣」がある。
若かりし頃の幼なじみの写真が見守る中、軽妙な語り口で来場者の笑いを誘った三九郎さん。イベントを終え「いい会場で久しぶりに落語ができて良かった。来場者が集中して聞いてくれたことは冥利(みょうり)に尽きる。またこういった機会を設けることができれば」と話していた。
(2023年2月1日付紙面より)
中家永理さんがフラ奉納 (熊野那智大社 )
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)で1月27日、和歌山市でフラ教室「Hula ‘Alohi mau loa(フラ アロヒ マウ ロア)」を開いている中家永理さんによるフラの奉納があった。ハワイにある「アカカの滝」を曲名とした「AKAKA FALLS(アカカフォールズ)」が流れる中、中家さんは那智の滝やアカカの滝に思いをはせ、心を込めて踊りを奉納した。
中家さんはフラの本場・ハワイで学び、研さんを積んできた。教室名の「フラ アロヒ マウ ロア」は「永遠に磨きをかける教室」という意味だ。
以前から同町の海や山など自然に興味があり、愛するハワイとの共通点を感じていたことから、何度もこの地を訪れていたという中家さん。昨年からは、同町の天満公民館で月に1度、フラダンス教室もスタートさせている。
この日は、和歌山市と町内の生徒たちが同行し、中家さんの奉納を見守っていた。中家さんについて生徒らは「先生の踊りに魅了されて、自分も習いたくなった」「基礎から丁寧に教えてくださる。本当に素晴らしい先生」と口々に太鼓判を押した。
奉納を終え、中家さんは「アカカの滝と那智の滝はほぼ同じ落差。滝に至るまでの道中も多くの自然に囲まれ、共通する部分が多い。いつか、こちらで踊りたいと思っていた。感謝の気持ちでご奉納させていただいた。そして、生徒の皆さんの健康と長く踊ることができるように祈願しました」。
フラについては「踊りで海や山、川を表現するが、裏の意味もある。母や恋人など大切な人への思いなども含まれていてそれらが表現できるのもフラの魅力の一つです」と笑顔で語った。
伊藤士騎(しき)禰宜(ねぎ)は「これまで神社とフラはあまり接点がなかった。今日の曲は滝の曲であり、ご本人さまにとっても、思い入れのある曲だったと聞いている。心を込めてご奉納いただけたと感じています」と話していた。
その後、一行は飛瀧神社に向かい、同社のご神体である那智の滝を身近に感じながら、再び踊りを奉納した。
(2023年2月1日付紙面より)
技術家庭科・科学作品展 (太地町公民館 )
太地町公民館で1月28、29の両日、「東牟婁地方中学校技術・家庭科作品展示会」と「東牟婁地方科学作品展示会」が同時開催された。3年ぶりの展示会に、多くの家族連れが来場した。
東牟婁地方科学教育研究会主催の科学作品展示会では、当地方の小中学生が夏休みの自由研究で行ったリポートや標本など約250点を展示。山や川、磯などの自然環境を生かして考察を深めた研究が多く見られ、来場者は気になるテーマを見つけては内容を確かめた。
技術・家庭科作品展示会は東牟婁地方中学校技術家庭科研究会主催。ブックシェルフやトートバッグ、刺しゅう、郷土料理のまとめなど、夏休みや授業で取り組んだ中学生の作品を展示した。
ぬまくらこう君(潮岬小1)は「海のエビと川のエビを観察した。海のエビの方が色がきれいだった。セミの観察の研究が面白そうだった」。渡邉小姫さん(那智中2)は「技術・家庭科作品展ではタブレットケースを作り、科学作品展では黒インクの色素をペーパークロマトグラフィーで分離させる実験をした。牛乳からプラスチックを作る研究をしている人がいて、身近な材料からも作れるんだとびっくりした。自分でもやってみたい」と話していた。
(2023年2月1日付紙面より)
県高校バドミントン新人大会 (新宮高校 )
トヨタカップ県小学生サッカー東牟婁予選