ベストセラー『里山資本主義』の著者、藻谷浩介さんが25日、新宮市の新宮信用金庫本店で「観光と文化財保護」をテーマに講演した。藻谷さんは「外国人観光客はまだ増える」と述べ、呼び込むためには日本らしさ、その土地らしさが重要とアドバイスした。新宮市観光協会主催。約180人が来場した。
1泊1人の延べ人数で計算すると、2017年に来日した外国人の数は▽アメリカ234人▽中国187人▽オーストラリア48人▽韓国7人▽台湾5人▽香港3人―に各1人の割合になる。「世界で日本ブームが起きている」と述べた。
増えている場所は岐阜県の世界遺産・白川郷高山市などで「日本らしい雰囲気がないところは観光客が増えていない」と紹介した。
「高野山や熊野古道がある和歌山県の外国人集客力は実は強い。また来たいと思ってもらえる地域づくりをしなければならない」と述べ、お気に入りの場所や人ができれば常連になり、繰り返し来日ようになると説明。安いという理由で訪れるのではなく「今だけ、ここだけの魅力」や「また会いたい人がいる」ことが重要と強調した。
「イメージと空気は事実と違う。常に事実を数字で確認しないと間違える」と指摘。交通網の発達が観光活性化につながると思われがちだが、実際は交通が便利になると日帰り客が増え、宿泊者が減ると説明した。
新宮が古代から栄えていた理由は、熊野川に川湊があったことが最大の理由と強調。日本の太平洋側を代表する湊だったことを市民が知り、観光客に伝えることが新宮の最大のポイントだと思うと述べた。
観光客が増えるだけで地域は活性化しないと指摘し、地域住民が消費するものは極力地元産にし、地域内経済循環を拡大していくことが大切と訴えた。
(2018年4月27日付紙面より)
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通常点検で警察官ら47人 (新宮警察署 )
新宮警察署(大髙圭司署長)は25日、同署で警察官の装備などを点検した。署員47人が点検官の大髙署長の下、指揮官の直山兼士(なおやま・かずし)地域課長の指示に従い備品の不具合がないかなどを確認した。通常点検と呼ばれ、地域の安全安心に取り組むことと署員の士気高揚を目的に年に数回実施されている。
新年度初のこの日は大髙署長が署員らの前で台に上り、指揮官の号令で動く警察官らを確認。3列になった警察官らは号令を受けるときびきびとした動きで警察手帳や警棒、手錠、警笛、拳銃を取り出し点検を受けた。警棒を伸ばしたり、警笛を一斉に鳴らしたりして不具合がないかチェック。服装や頭髪なども併せて確認し、地域を守る担い手としての意識の向上を図った。
直山地域課長は「新体制になって初めての通常点検。これを機に改めて警察としての責務や重みを理解してもらいたい。気を引き締めるとともに署員一丸となって気持ちを一つにし、初心を思い出してくれたら」と話していた。
(2018年4月27日付紙面より)
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熊野川小学校が田植え (新宮市熊野川町 )
新宮市立熊野川小学校(上地健校長)の3年生から6年生までの28人は25日、熊野川町神丸の田んぼで田植えをした。環境教育の一環で土に親しみ、みんなで協力し育てることから農業の楽しさ、大切さを知る狙いや食育としての目的もある。
これまでは同町日足の「日足自然体験エリア田んぼ水族館」で実施していた恒例行事だったが、昨年は道路工事などの関係で中止になり同校でバケツに苗を植えた。今年は指導を務める地元農家の中瀬好さんが自身の田んぼの一部(広さ0・7㌃)を提供し2年ぶりに実現した。
児童らは中瀬さんから教わり、田植えひもを目印に30㌢間隔で低学年から順番で横一列に並び丁寧に植えていった。
児童を代表して中川実衣菜さん(6年)は「今日は田植えをさせてもらってありがとうございました」と中瀬さんにお礼の言葉を伝えた。
中本陽晴君(3年)は「みんなと一緒に田植えができてうれしかった。収穫する時が楽しみです」。上地校長は「今年は天候もよく開催できてよかった。子どもたちの生き生きと楽しそうな姿が見られました」と話していた。収穫は8月末を予定している。
(2018年4月27日付紙面より)
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新宮人権擁護委員協議会(岩谷悠史会長、29人)は25日、新宮市福祉センターで第68回定時総会を開いた。「世界人権宣言70周年みんなで築こう人権の世紀~考えよう相手の気持ち未来へつなげよう違いを認め合う心~」を本年度の啓発活動重点目標とし、役員改選で岩谷会長を再任した。
本年度の啓発活動年間強調事項は▽女性の人権を守ろう▽子どもの人権を守ろう▽高齢者の人権を守ろう▽障害を理由とする偏見や差別をなくそう▽部落差別等の同和問題に関する偏見や差別をなくそう―など17項目。中学生の「人権作文コンテスト」などの事業を予定している。
昨年の人権相談事件件数は356件。職務執行に関するものが173件と最も多く、次いで住居・生活の安全関係(その他)100件、住居・生活の安全関係(相隣間・小公害)25件などとなっている。
欠席した岩谷会長に代わり小芝稔副会長が「これからどんどん次の世代にバトンを引き継いでいくことが大きな使命。ご協力をいただいて、会長を中心に楽しくやっていきたいと思います」とあいさつした。
(2018年4月27日付紙面より)
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ゲアハルト・ヴォルフ所長が講演 (新宮市 )
環境問題研究会(植松晴孝会長)の4月例会・特別講演会が23日、新宮市の井の沢隣保館であり、マックス・プランク財団美術史研究所のゲアハルト・ヴォルフ所長が『遠さと近さ:聖地を測る』をテーマに話した。「聖地は、それだけで成立しているのではなく周辺で暮らす人間、社会が関わることで成立している。地域は違っても同じような構造があるのかもしれない」などと述べた。
ドイツ出身でイタリア・フィレンツェ在住の所長は、イコンなどキリスト教美術研究の第一人者。講演前に那智の滝や神倉神社などを訪れた所長は「滝や岩など聖地になっている場所は、人間が自然と対話しながら生まれてくる」と説明。「那智の滝は、地元の皆さんにとっては何気ない景観かもしれませんが、滝の前に鳥居をつくり聖域になっていることに非常に感銘を受けた」と述べた。
「岩のドーム」「聖カタリナ修道院」などキリスト教、ユダヤ教、イスラム教の聖地や絵画を写真で見せながら解説。現在はどこも観光地としても重要な場所になっているが、景観と調和していない建物もあると指摘。遠い場所から訪れる過程で肉体的、精神的に聖地に関わっていく体験になっていることや、修道士はもともと修道院ではなく、険しい自然の中で暮らしていたことも紹介した。
同席した秋山聰・東京大学教授(美術史学研究室)は、大雨の中、熊野古道「大雲取越」を歩いた際、「円座石(わろうだいし)」に空から光が当たっている景色を目にし「天と地の通路。神が降りる場所」と解釈し、各宗教の普遍性について論文で発表。掲載本を編集したのが所長だったなどと講演会に至った経緯などを説明した。
松﨑照明・東京家政学院大学客員教授(日本建築史)は、各宗教で共通するところと違うところがあると述べ、自然が豊かな聖地は多神教になるのではと推測した。松田陽・東京大学准教授(文化資源研究室、文化審議会委員)は所長の通訳を務めた。
今年の6月9日(土)、10日(日)に新宮市福祉センターで開催される「第42回地中海学会大会」のプレ企画として開催され、約80人が聴講した。新宮市教育委員会と地中海学会が後援。「中世宝物の贈与・寄進に関する比較美術史学的研究」の補助を一部受けて実施した。
(2018年4月25日付紙面より)
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全国訪問おはなし隊 (那智勝浦町 )
講談社の全国訪問おはなし隊(窪田泰子隊長)は24日、約550冊の絵本を載せたキャラバンカーで那智勝浦町立図書館を訪問した。町内のわかば保育園(山田眞理子園長)の5歳児19人、太田小学校(尾﨑卓子校長)の1~3年生14人が集まり、絵本の自由閲覧や和歌山市から来た朗読グループ「言の葉」(林多恵子代表)による読み聞かせを楽しんだ。
講談社の創業90周年読書推進事業として1999年7月にスタートした。2台のキャラバンカーで全国47都道府県を巡回し、現在10周目。幼稚園、保育所、小学校、図書館などを訪問し、2017年5月末までに2万705カ所の会場を訪れ、179万人を超える子どもたちに本を読む楽しさを伝えてきた。那智勝浦町へは16年にも訪れている。
友達と一緒に絵本を読んだ太田小の仲地主琉君(3年)は「いろいろな絵本があって楽しかった」と喜び、わかば保育園の村上智哉君(5)は「パンダが出てくる絵本がおもしろかった」と笑顔。引率した太田小の尾﨑校長は「学年によって本への反応が違って興味深かったです。集中して読む子、仲間と声を出して読む子、それぞれ楽しんでいました」と話していた。
(2018年4月25日付紙面より)
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出雲で第25回全国決勝大会 (ダイワグレマスターズ )
第25回ダイワグレマスターズ全国決勝大会が21、22の両日、串本町の出雲港を拠点にして開かれ、ブロック予選を勝ち上がった選手12人と全大会シード選手4人が熱戦を繰り広げた。
この大会は、グローブライド株式会社が主催。磯釣り(ウキ使用のフカセ釣り)によるグレの釣果で競い合う内容で年1回、参加費制で開かれている。第25回は昨年10~12月に全国11カ所で地区予選があり、総勢921人が出場。各地区予選の上位による東西2ブロック予選を経て、全国決勝大会出場選手を絞り込んだ。
地区予選のうち、本紙関係の関西大会は昨年11月25日に串本町内であり、127人が出場、上位9人がブロック予選へ進出した。9人中8人が和歌山県勢、うち4人が紀南の田辺市勢。12月16日に那智勝浦町内で開かれたAブロック大会では各地区予選からの進出選手とシード選手43人が対戦し、和歌山県勢は及ばなかったが、上位6人(大阪府2、埼玉県1、徳島県3)が全国決勝大会へ進出した。
全国決勝大会は当初3月17、18日に開く計画だったが荒天により2度延期し年度をまたぐかたちで本番を迎えたが、前大会優勝者の福原健選手(38、徳島県)らシード選手4人を含む16人全員が都合を合わせて参戦。初日は4グループに分かれて予選リーグ対戦に臨み、各グループの1位選手が準決勝へ進出した。2日目はトーナメント対戦とされ、決勝に勝ち上がったのは江藤義紀選手(45、福岡県)と木村真也選手(31、大分県)の2人。江藤選手が2時間の対戦で2尾1410㌘を釣り上げ優勝した。3位は屋田龍男選手(33、鹿児島県)と藤田賢治選手(42、広島県)だった。
表彰式は串本町サンゴ台にあるホテル&リゾーツ和歌山串本(旧串本ロイヤルホテル)内であり、尾ノ上幸司朗大会委員長と清野武志副町長のあいさつ、鵜澤政則競技委員長の総評を経て上位4人を表彰。その健闘を選手来賓スタッフ一同でたたえた。4人は入賞と同時に第26回大会のシード権も獲得した。
平成27年度(第23回)、28年度(第24回)、29年度(第25回、延期により次年度繰越)と3カ年にわたり、串本町の出雲港周辺を全国決勝の舞台とした同マスターズ。第26回は九州方面に会場変更となるが、関西予選は串本町、Aブロック予選は那智勝浦町を会場とする方向で検討が進んでいるという。選手が釣り上げたグレ(体長25㌢以上)は地元の福祉施設に寄贈する事が慣例になっていて、今回は社会福祉法人串本福祉会(和田利文理事長)が贈呈を受けた。
(2018年4月25日付紙面より)
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新宮小売酒販組合が街頭啓発 (新宮市 )
新宮小売酒販組合(辻良治理事長)などは24日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店で未成年者飲酒防止・飲酒運転撲滅キャンペーンの街頭啓発を実施した。雨の中、組合員や関係機関の職員や約30人が買い物客らにチラシとティッシュを配った。
毎年4月は「未成年者飲酒防止強調月間」。和歌山県全体では2000年から、新宮組合では1993年から街頭キャンペーンを実施している。太地町のゆるキャラ「ゴン太君」と国税局のゆるキャラ「イータ君」「マイナちゃん」を招き、買い物に来た親子連れなどに呼び掛けた。
未成年飲酒は脳の機能を低下させ、性ホルモンに異常が起きる恐れがある。臓器に障害を起こしやすくなる他、依存症になりやすくなるなどの危険がある。啓発ではたすきを身につけた関係者らが未成年の飲酒防止への協力を求めた。
辻理事長は「キャンペーンを始めて四半世紀になる。少しは浸透したのでは。飲酒運転についても長らく和歌山県は残念な結果になっている。いっそう力を入れて啓発活動をしていきたい」とあいさつ。堀井明新宮税務署長は「未成年者に、なぜ自分たちは飲酒をしてはいけないのかを理解してもらうため、学校や家庭、地域社会一体となって指導していかなければならない。キャンペーンをきっかけとして未成年者の飲酒防止が地域社会に根付くことを願っています」と話した。
今回啓発に参加したのは▽新宮小売酒販組合▽新宮警察署▽和歌山税務署▽新宮税務署▽大阪国税局▽新宮納税協会▽新宮市▽新宮市立少年相談センター▽新宮警察署少年補導員連絡会▽新宮料理飲食業組合▽フランチャイズチェーン協会▽紀南酒造組合―などの皆さん。
(2018年4月25日付紙面より)
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県大会目指し熱戦繰り広げる
全日本ジュニアレスリング選手権で
熊野スカラーシップでプレゼン (新宮市 )
高校生海外単独渡航奨学金「熊野スカラーシップ(奨学金)」のプレゼンテーションが22日、新宮市の県立新宮高校であり、新宮、近大新宮、熊野、田辺の四つの高校生8人がトルコ、カナダ、キューバなどへ行きたい思いを語った。発表後、海外経験豊富な審査員たちの質問に答え、全員の渡航が決まった。
若い時期に一人で海外を経験し、自ら考え行動する人間に育ってもらうことを目的にした返済不要の奨学金制度。渡航費の一部もしくは全額を支給する。採用条件は来年3月末までの間に10日間以上、渡航することで、帰国後、体験記を書き、報告会で発表する。
有志たちが実行委員会を組織し、ボランティアで運営。資金は寄付や前身の「熊野川翔学米」から引き継いでいて、これまで4人の高校生がアメリカ、タイ、シンガポールへ行き、本場のバスケットボールや日本語学校などを見学している。和歌山県教育委員会と和歌山県(東牟婁振興局)が後援。
起業家になる夢をかなえるために中国などを訪問したいと熱く語った近大新宮高校2年の仁井田拓巳君(16)は「世界の大きさを肌で感じたい。見ておかないといけないという義務感がある」などと訴えた。
審査員を務めた実行委員会の後呂孝哉事務局長(28)=新宮市=は「プレゼンはすごく斬新でした。僕たちにとっても学ぶことが多かったです」と話していた。
同委員会は寄付金を呼び掛けている。個人は一口1000円から、企業は一口1万円から。
問い合わせは同委員会(電話0735・29・7105/info@kumano-scholarship.com)まで。
(2018年4月24日付紙面より)
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JR紀伊勝浦駅でお見送り
JR西日本の欧風列車「サロンカーなにわ」で世界遺産の熊野三山を巡るツアーが21、22の両日開催された。天候にも恵まれ、多くの乗客が熊野の旅を楽しんだ。JR紀伊勝浦駅では22日、平安衣装姿の女性や地元のマスコットキャラクターらがサロンカーをホームから見送った。
ツアーは熊野本宮大社創建2050年を記念して日本旅行、JR西日本、熊野本宮観光協会が実施した。列車は和歌山駅を発着点に、ヘッドマークに「八咫烏(やたがらす)」をあしらい、「サロンカーくまの」として運行した。21日は田辺市の闘雞(とうけい)神社、本宮大社を特別参拝。22日は新宮市の熊野速玉大社、那智勝浦町の熊野那智大社を巡った。
紀伊勝浦駅での見送りには同駅と新宮駅の職員、那智勝浦町観光協会、南紀勝浦温泉組合の職員らが参加。「なっちー」と「ヤタちゃん」が駅コンコースで記念撮影し、乗客を喜ばせた。
富山県富山市から夫婦で参加した杉木美喜雄さん(66)は「初めての熊野の旅を満喫しました。那智大社では御本殿の前まで入らせていただき感動しました」と喜んでいた。列車を見送った新宮駅の林正樹駅長は「列車での南紀への旅を盛り上げていきたい」と話していた。
(2018年4月24日付紙面より)
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こどもの読書週間に弾み (串本町図書館 )
串本町図書館(岩谷悠史館長)は21日、館内でイベント「こどもの読書週間よみきかせ会」を開き、近くの学童保育所を利用する子どもや親子らに絵本と親しむ機会を提供した。
この週間は、子どもに読書の良さを伝える取り組みとして1959(昭和34)年、民間発起で始まった社会運動。現在は読書推進運動協議会の主唱により、4月23日から5月12日までの20日間を運動期間とし、趣旨に賛同する諸団体が全国各地でさまざまな取り組みで子どもの読書習慣を後押ししている。
今年の同運動は第60回の節目にあたり、「はじまるよ!本のカーニバル」をテーマに掲げて各地での読書啓もうを促している。運動期間に先だって開かれたこのイベントは、同館を拠点にして毎月第2土曜日午前10時から3歳児以上を対象にしたよみきかせ会を開いているグループ「ぶっくらぶ串本」の協力を得て計画。会員5人が集まった子どもの年齢層に合わせて選んだ絵本を読み聞かせ、こどもの日にちなみ新聞紙で作ったかぶとを紹介するなどして楽しませ、まもなく迎えるこどもの読書週間への関心に弾みをつけた。
同館は期間中、「おどる にほんご」と題した絵本展示コーナーを設けて子どもと本の出会いを後押しする。月末を含むゴールデンウイークは休館日が多く、期間中は4月24~27日と5月2、8~12日の計10日間、同コーナーを利用できる。開館時間は午前9時~午後5時15分で、普段は基本月曜と祝日、蔵書整理のため月末などが休館日となっている。問い合わせは同館(電話0735・62・4653)まで。
(2018年4月24日付紙面より)
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フラワーツーリズム協が設置 (熊野川町 )
熊野川地域フラワーツーリズム推進協議会(下阪殖保会長)は22日、新宮市熊野川町の道の駅「瀞峡街道熊野川」付近と日足道路バイパス下に鯉(こい)のぼりを計約70匹設置した。2011年9月の紀伊半島大水害からの復興を願い、地元住民らが設置を始め7回目。下阪会長(71)は「子どもからお年寄りまでいっぱい来てくれればうれしいです」と来場を呼び掛けている。
鯉のぼりは水害後、熊野川行政局が新聞などで提供を呼び掛け、県内各地から集まったものを使用している。熊野スギの間伐材で作った高さ約12㍍のポール11本を設置し、会員16人が取り付けた。5月13日(日)まで設置している。
下阪さんは「少しでも地域に元気になってもらえればと思い続けています。鯉のぼりが傷んできているので、使っていないものがあれば熊野川行政局に連絡してほしい」と話した。
(2018年4月24日付紙面より)
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春季近畿地区高校野球大会県予選
第55回中学校野球紀南大会郡予選
近大新宮高校・中学校で入学式 (新宮市 )
新宮市の近畿大学附属新宮高校・中学校(川合廣征校長)は6日、同校体育館で2018年度入学式を開いた。中学校49人、高校133人が新しい学校生活をスタートさせた。
当地方で一足早く開かれた入学式で、川合校長は「当地方唯一の私立進学校で学ぶ喜びと誇りを持ち、自覚ある行動をとってほしい。頭と身体、心のバランスのとれた人間に成長するために勉強をする。これが学校であるということをしっかり理解しておいて」と式辞。
「物事を始めたころの謙虚で真剣な気持ちを忘れないで持ち続けて。いろいろなことにチャレンジし、幅広く経験を積み、知識や教養、これからの時代を生き抜く力とたくましさを身に着けてほしい。日々充実した学校生活を送り、君たちの力で本校の素晴らしい伝統をさらに築き上げて」と呼び掛けた。
高校生徒会長の谷川真麻さんは「私たちと共に、笑顔を忘れず、明るくあいさつを交わしながら勉学に励み、素晴らしい学校生活を送りましょう」と歓迎の言葉を贈った。
新入生を代表し田岡結さん(中学1年)と竹内未奈さん(高校1年)が「この緊張感を忘れず、心を優しくたくましくすることに努めながら、自分が進む道を見つけ出せるよう努力します」と宣誓した。
(2018年4月7日付紙面より)
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熊野那智大社の「秀衡桜」
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)にある県天然記念物の「秀衡桜(ひでひらざくら)」が開花した。今週末には見頃を迎えそう。
高さ約15㍍、幹の周囲2㍍の巨木。今から約800年前、武士の熊野詣でが盛んな時代に奥州藤原氏の第3代当主・藤原秀衡が夫人と共に参詣した際、奥州から持ち込んだ苗を植えたと伝わる。花の姿が雲かかすみに見まがうほど真っ白く咲くため「白山桜」とも呼ばれる。
同大社の神職によると例年、14日(土)に営まれる「桜花祭」の頃に満開を迎えると今年は10日ほど開花が早いという。
(2018年4月7日付紙面より)
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滝ノ拝で稚アユの滝越え (古座川町 )
古座川町小川にある県指定天然記念物・滝ノ拝で、早くも稚アユの滝越えが見られるようになった。今年は例年より1カ月ほど早いシーズンインで、数も近年まれにみる多さ。体長10㌢弱の稚アユが活発に魚道を跳ね上がる様子が観察できる。
滝ノ拝は熱変成岩の河床が削られてできた滝で、本流の落差は約8㍍。支流も含めて小さな稚アユには越えがたい壁となるため、本流に向かって右手に魚道が設けられている。
人為的に作られた多段の小滝群で落差は30㌢前後。稚アユは一段一段を跳ねあがり、滝ノ拝の上流を目指す。すべての稚アユが越えられるわけではないため、上流にたどり着いた個体は豊富なエサに恵まれ大振りに育つとされている。
例年は初夏の訪れを告げる風物詩的光景だが、今年は天然遡上(そじょう)がすこぶる良好で、3月下旬ごろから県道沿いからでも群れになって上流を目指す稚アユが見えると話題になっている。古座川漁業協同組合の橋本尚視組合長ら住民によると30日には滝ノ拝で稚アユが跳ね始めたそうで、今月5日の正午過ぎには絶え間なく滝越えに挑み、魚道伝いに上流を目指す様子がうかがえた。
魚道は起伏の激しい河床から観察する形になるため足元や立ち位置には注意が必要。
(2018年4月7日付紙面より)
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東公司さん速玉大社へ
国の重要無形民俗文化財「御燈祭(おとうまつ)り」の模型が4日、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)に奉納された。制作したのは紀宝町鵜殿の東公司さん(84)。今回で7作品目の奉納で、他の作品と一緒に同社禮殿(らいでん)に展示している。
東さんは2016年4月に「新宮の速玉祭(はやたまさい)・御燈祭り」が国の重要無形民俗文化財に指定されたことを祝い、御船祭で使用される「神幸船(しんこうせん)」「諸手船(もろとぶね)」「早船(はやぶね)」の3隻の模型を奉納。その後、「神馬渡御式(しんめどぎょしき)」「神輿渡御式(みこしとぎょしき)」「御旅所神事(おたびしょしんじ)」の模型を奉納した。
東さんは元建具職人。退職した70歳ごろから趣味で模型を作り始めた。昨年6月、「御旅所神事」の模型を奉納した際、上野宮司が「御燈祭り」の模型制作を依頼。東さんは「もう作れない」と言っていたという。作品は親類が4日に奉納。5日、拝殿で神職が清めた。
上野宮司は「依頼を覚えていてくれたことがうれしく、ありがたいと思います。神倉神社の社殿、ゴトビキ岩、上がり子と細かいところまで作ってくれ大変だったと思います。素晴らしい出来栄えです。子どもをおんぶしている上がり子もいて、心が温かくなりました」と話していた。
(2018年4月7日付紙面より)
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那智勝浦町中里へ (県内初 )
日本で見掛けるのは年に1羽か2羽という珍しい鳥が2月下旬、那智勝浦町中里地区に飛来していたことが分かった。
この鳥はナベコウ。コウノトリ目コウノトリ科に属する。上面は暗褐色で下面は黒っぽい。脚や目の周りが赤く、飛んでいるときは白と黒のコントラストが目立つ。湖沼、河川、水田、湿地帯で生息し、成鳥は1㍍近くの大きさになるが、中里で観察されたのは幼鳥。太田憲男さんが2月22日に自宅前の水田で発見した。しばらく滞在していたという。
日本野鳥の会三重県支部所属の中井節二さんによれば、この鳥は主に中央アジアで繁殖し、中国南部や台湾で越冬する。木の上や電柱など高所で眠るそうだ。「33年前に御浜町で観察されたが、和歌山では初めて。話を聞いて現地周辺を捜したが、すでに見当たりませんでした」と残念がっていた。
(2018年4月4日付紙面より)
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「ワークランドそら」で開所式 (美熊野福祉会 )
社会福祉法人美熊野福祉会の多機能型事業所「ワークランドそら」が2日、新宮市佐野で開所した。竣工(しゅんこう)式は5月12日(土)でカフェは同月14日(月)オープン予定。代表利用者は「たくさんの人が集まる、働く、楽しく過ごす、安心できる、みんなが幸せいっぱいになるところです。力を合わせてすてきな『そら』にしていきましょう」とあいさつした。
「ワークランドそら」は、同法人初の就労支援施設。法人本部が入り、障害のある就学児童への「放課後等デイサービス」と一般企業への就職を目指す障害者に対しての「就労移行支援」、一般企業への就職が難しい障害者に対しての「就労継続支援B型」の三つの事業を展開する。
敷地面積は1396・46平方㍍。延床面積は1階部分が793・26平方㍍、2階が429・46平方㍍の鉄骨造。名前には、空へ大きく羽ばたくように未来への希望を込めた。
法人内部役員や利用者らが集まった開所式で同法人の森常夫理事長は開所までの経緯を紹介し、新宮地域でも就労移行支援のサービスを受けられるようにし、B型作業所として他の法人と重複せず選択肢を増やすカフェを開店することなどを紹介。「皆さまも『そら』に大いに期待してください」と支援を呼び掛けた。
原俊之施設長は「愛される事業所を目指し、利用者のためにいい事業所を作っていけるか職員と日々話し合いながら一つずつ、作っていきたい。施設に負けない利用者支援に取り組んでいきたい」とあいさつした。
ピアノやギター、バイオリンの演奏に合わせて春の歌や、手話を交えて『上を向いて歩こう』をみんなで歌い、和やかな雰囲気で閉式した。喫茶スペースで茶話会もあり来場者らが交流を深めた。
(2018年4月4日付紙面より)
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沿岸各所でヒジキ漁始まる (串本町 )
串本町沿岸各所のヒジキ漁が3月末の大潮に合わせてシーズンインを迎えた。特産「姫ひじき」の産地・同町姫は2日に初漁を迎え、和歌山東漁業協同組合西向支所の組合員が干潮の時間帯を見計らい収穫に励んだ。
姫のヒジキは「長く太く柔らかい」など品質の良さで古くから定評があり、近年は姫ひじき生産組合(青木悦子代表)が地元に伝わる製法で商品化し、特産品「姫ひじき」として市場に投入して安定した需要を得ている。
商品化の第一歩となるのがヒジキ漁で、同組合の組合員は冬場にヒジキが根付く磯場の雑藻を引くなどの手入れをして生育を促し、漁協組合員として初漁にいそしんだ。青木代表(70)によると、今年のヒジキは品質上々だが成長が鈍く、昨年より2週間ほど初漁を遅らせたが例年より見た目の量が少なめ。今後の育ち具合次第だが、同日現在の状況から漁場全体で4㌧程度の収量を見込んでいる。
初漁は旧養春小近くの漁場で行い、波打ち際に漂うヒジキの茎を、株元をある程度残す(一定量残すと来年も芽吹くため)よう気を付けながら刈り取った。以降、大潮の干潮で磯場が大きく現れる時期に収穫作業を進め、天候に左右されるがおおむね5月初旬ごろまでに姫の漁場全体を刈り上げたいという。
姫産ヒジキは天日干し後に和歌山東漁業協同組合西向支所に出荷し、慣例として同組合が仕入れる。5月中旬ごろに旧養春小近くの加工場で新物の仕込みに取り掛かる予定で、特産品「姫ひじき」の新物が市場に出回るのは6月初旬ごろとなる見込み。
姫近くの伊串や目津大浦は3月31日に初漁を迎え、週末の行楽返上で組合員が磯に降り収穫にいそしんだ。いずれも陸に近い磯場は生育が鈍く、1日は沖側の磯の大物を先に収穫する姿も目立った。姫の商品化は特例で、一般的に県内で収穫したヒジキは県漁連枠で出荷が受け付けられ、通常のセリで流通する形が基本となっている。
(2018年4月4日付紙面より)
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タウンガーデンにこいのぼり (新宮市 )
新宮市保健センター横の花壇「タウンガーデン」に2日、一足早くこいのぼりが掲げられた=写真。花壇を管理するボランティアグループ・タウンガーデン(平田裕子代表)が7日(土)に開催する「花まつり&バザー」を前に設置し、5月中旬ごろまで飾る予定。通りがかった親子らは青空を悠々と泳ぐこいのぼりを眺めた。
この日は10人以上が集まり、市内の遍照院から切って運び出した約15㍍の竹に滑車を付けてこいのぼりを7本取り付けた。敷地内にはシレネやノースポール、パンジー、キンギョソウなど季節の花が咲いている。
平田代表は「みんな高齢化し竹を採るのも大変ですが、子どもたちが喜んでくれるのでうれしいです。花まつりには大勢の人が来てくれれば」と話していた。
花まつり&バザーは7日(土)午前10時から。雨天時は8日(日)。寄せ植えや木工品、和風小物、おまぜ、カレー、焼き菓子などを販売する。売上は毎年恒例のイルミネーションの費用などに充てられる。
(2018年4月4日付紙面より)
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県婦人バレーボール選手権大会
県弓道連盟主催の段級審査
紀南青少年兼ジュニア選手権バド大会
発射場誘致の推進室 (串本町 )
日本初の民間ロケット発射場の建設誘致を進めている串本町は3月30日、同町役場古座分庁舎1階に「民間ロケット射場誘致推進室」を設置した。2日に開室し、職員2人が用地交渉や情報発信などを行っていく。発射場は同町田原地区が想定されている。
キヤノン電子など民間4社で設立した会社「新世代小型ロケット開発企画株式会社」=本社・東京都港区=は小型衛星打ち上げのロケット発射場の建設を計画。候補地の要件として▽射点を起点に半径1㌔圏内が恒常的に無人である▽射点から南方に陸地や島がない▽本州の工場から発射場まで低コストで物資輸送が可能▽周辺住民から歓迎されること―などを掲げ、昨年9月に47都道府県に適地を打診した。
県は串本町を候補地として推薦。同社は串本町を国内の第一有力候補地としたが、立地はまだ決定していない。
町は県と共に誘致を進め、2月14日に田原山村交流センターで地権者説明会を開いた。買収面積は約150㌶を予定。このうち7割は町有地。
推進室には田原地区出身の役場職員OB2人を配置し、用地交渉のサポートなどにあたる。
推進室の看板を設置した田嶋勝正町長は「候補地の最有力地の一つに入ったという話を受け、本格的に活動していこうと推進室を設けた。この事業の鍵となるのは地域の皆さん、関係する方々の同意と考えている」と述べ、「都心から一番離れた本州最南端の地で日本の最先端技術を結集したロケットの打ち上げ場ができる。実現はまだ分からないが、ロケットが舞い上がる姿を夢見ながら頑張りたい」と意欲を示した。
県商工観光労働部企業政策局産業技術政策課の佐久秀弥課長は「鹿児島県の発射場を視察したが、交通の便の悪い場所なのに1000人を超える見学者が訪れていた。発射場の誘致は産業振興と同時に、串本町を含む熊野地方広域の地域活性化に役立つ事業だ」と話した。
(2018年4月1日付紙面より)
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絵本の会「よむよむ」に助成金 (那智勝浦町 )
子どもたちに絵本の読み聞かせを行う那智勝浦町のボランティア団体、絵本の会「よむよむ」が平成29年度伊藤忠記念財団助成金対象に選ばれた。3月2日に東京都内で開かれた贈呈式には、会員の伊藤松枝さんが出席した。
「よむよむ」は、町内の保育所・園、図書館などで絵本の読み聞かせや手作りの紙芝居を行い、0歳児健診を利用した絵本で親子のふれあいを促す「ブックスタート」にも力を入れている。28年には、子どもの読書を推進する活動が顕著な団体に贈られる文部科学大臣表彰を受けた。
伊藤さんらは20年にわたるボランティア活動を振り返り、10年前に受けた同事業の「子どもの本100冊助成」や、イオンが毎月実施するボランティア団体への売上金還元システム「イオン 幸せの黄色いレシートキャンペーン」も活動の支えとなったと感謝した。「本の購入以外にも、紙芝居の画材や折り紙などの購入費に充てました。今回の助成金も含め、支援システムがあることをボランティアの方々に知ってもらえれば」と話した。
伊藤さんは贈呈式で、ICBA国際児童文庫協会のオパール・ダンさんがスピーチで紹介した『人を深いところから突き動かすのは、子どもの頃の何か、奥深くに眠っていたものなのです』という言葉に感銘を受けたと話し、「いただいた助成金をもとに活動をさらに充実させて、子どもたちのために役立てていきたい」と語った。
(2018年4月1日付紙面より)
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2日から外来診察スタート (那智勝浦町立温泉病院 )
那智勝浦町天満の新町立温泉病院(那智勝浦町天満1185番地4)で3月30日、開院に向け器具などの移転作業が進んだ。新病院は4月2日(月)に開院し、午前9時から外来診察を開始する。
新たに購入した医療機器などの搬入は済んでおり、28日に診察を終えた旧病院からの移送が主なもの。この日も作業トラックのピストン輸送が続いた。
新病院は鉄骨造り地上4階と塔屋階、延べ床面積9260平方㍍。診療科目は内科、整形外科、リハビリテーション科、眼科。病床数は120床。職員住宅棟は、鉄骨造り地上2階、延べ床面積626平方㍍。単身用12戸、家族用3戸、会議室1室。院内のリハビリテーションセンターは広さ約400平方㍍あり、日本で初導入となる歩行訓練のVRトレッドミルや運動解析装置などを設置している。
(2018年4月1日付紙面より)
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