熊野地方を舞台に6月1日(木)から4日(日)までの4日間、「第19回TOUR・de・熊野(ツール・ド・くまの)」が開催される。NPO法人SPORTS PRODUCE熊野主催、熊野新聞社など後援。
大会は1999(平成11)年に始まり、19回目。現在では「ツール・ド・北海道」、「ツアー・オブ・ジャパン」と並び国際自転車競技連合(UCI)公認の国内3大レースで、アジアツアーの一つ。国際ランキングの得点となるUCIレース(計324・1㌔)には、新宮市を拠点とする「キナンサイクリングチーム」など国内外から19チーム計112選手が出場。
同時開催される全日本実業団自転車競技連盟による「3デイズ・ロード・熊野」(計124・7㌔)、一般参加の市民レース「黒潮ロードレース」(計98・4㌔)のレースを含めると、約350人が出場する。
1日は、新宮市の市田川沿いでタイムトライアル。2日(金)の第1ステージは同市熊野川町の赤木川清流コース。3日(土)の第2ステージは三重県熊野市~御浜町の熊野山岳コース。4日の第3ステージは太地町の太地半島周回コース。2、3日には、UCIレース出場チームによるパレードも行われる。
開催にあたり角口賀敏実行委員長は地域の人たちの協力と支援に感謝し「自転車ブームというか、和歌山県にもサイクリングを含めて非常に力を入れていただいております。ツール・ド・熊野を通して、これからもいろんな形で地域の皆さんに、もっともっとブームが拡大していければと思っております」と話した。
今年のレースクイーンは、宅坊あやねさん(24)と奥野千奈津さん(20)の2人で、ともに新宮市出身で紀宝町在住。
宅坊さんは「国内3大レースの一つが地元で開催されていることを誇りに思うと同時に、地域の魅力を少しでも多く知ってもらいたい」、奥野さんは「田舎のまちで4日間開催されるので、多くの人に自然の魅力や空気の良さなど、いろんなところを見たり感じたりしてもらいたい」と話した。
今年も、恒例のフォトコンテストやインターネット中継も予定されている。
(2017年5月26日付紙面より)
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「新宮・勝浦100年の輝き」講演会 (ユーアイ会 )
新宮市井の沢のユーアイホテルに商品を納入する業者でつくる新宮ユーアイ会(杉本義和会長)と勝浦ユーアイ会(谷口拓也会長)は20日、講師に同市在住の郷土史家の中瀬古友夫さんを招き、講演会「新宮・勝浦100年の輝き」を同ホテルで開催した。
両ユーアイ会では地域に利益を還元するため、年に一度講演会などを催している。杉本会長は開会で「地域の歴史を知る講演の内容が、皆さんの知識の一つとしてお役に立てば」とあいさつした。
中瀬古さんは熊野地方の貴重な絵はがきや絵地図を収集しており、新宮市や那智勝浦町の学校や団体などで講演会を開いている。今回は新宮、勝浦の二つの町の明治から昭和に至る年表に、それぞれの町の様子を伝える絵はがきを配した資料を作成して講演した。
1913(大正2)年の新宮鉄道開通により、新宮から鉄路で勝浦まで木材を運んだ様子や熊野川のプロペラ船が誕生した経緯などを解説。鉄道の開通で人の往来が活発になり、海水浴の習慣が無かった新宮の人が三輪崎や宇久井の海水浴場に行くようになるなど交通の発達が生活の変化をもたらした。プロペラ船の就航により、勝浦で捕れたサンマを一日のうちに熊野川沿いの村々に届けることができ、十津川の人々の栄養改善になったという話も聞いたという。
中瀬古さんは「これまで勝浦、新宮でそれぞれに分けて講演してきたが、二つの町の年表を並べてみていくと互いが緊密に関係し合い、影響し合いながら、車の両輪のように発展してきた様子が分かってきた」と話した。
(2017年5月26日付紙面より)
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身体障害者連盟定期総会で (串本町 )
串本町身体障害者連盟(中野實会長、会員44人)の定期総会が21日、同町串本にある地域保健福祉センターで開かれた。任期満了に伴う役員改選で中野實会長(留任)ら新役員を選出。審議に先立って来賓同席した清野武志副町長に社会的障壁の解消を求める要望書を提出した。
開会にあたり中野会長は、前年度から施工された障害者差別解消法により地方自治体に社会的障壁に対する合理的配慮が義務化された点を振り返り、「障がい者の自立と共生社会実現のための具体的な取り組みを求めなければならない」として同連盟の取り組みへの協力を呼び掛けた。
来賓として清野副町長と堀登世・同町社会福祉協議会会長が同席し、代表して清野副町長は町職員時代に立ち上げに関わった自宅介護支援や福祉タクシーの制度について意見を聞き拡充したい考えを伝えつつ、田嶋勝正町長のメッセージを代読した。
議事に先立って町への要望があり、中野会長は六つある事項の中でも特に平成25、27年度にも掲げた▽国道42号潮岬西口~東口間歩道の環境整備▽公共施設(文化センターと町立体育館)のトイレ整備―を口頭で強調して要望書を提出。清野副町長は▽歩道は国に引き続き要望する▽トイレは担当課に指示し早急に取り組む―と述べて受け取った。
議事では事業関係諸議案を審議し承認。本年度は同連盟独自のグラウンドゴルフ大会を秋に開くことを出席会員31人で確認した。役員改選では中野会長、川嶋七郎副会長、平松節子副会長の3役を留任とし、他に理事6人を置くことを決めた。
要望事項は上記2点と▽JR串本駅へのエレベーター設置(障がい者と高齢者の利用の観点から)▽コミュニティバスの車いす用リフト付き車種の停留所の増設▽公的機関への手話通訳者の配置や聴覚障がい者の緊急時連絡手段の構築など▽災害時要支援者に対する個別避難計画の早急の作成や福祉避難所との協定状況の周知など―となっている。
(2017年5月26日付紙面より)
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三輪崎鈴島でチゴガニ
新宮市三輪崎の鈴島で引き潮時、無数のチゴガニ(稚児蟹)たちが巣穴から出て、一斉にハサミを上げ下げしている=写真。ユーモラスな動きは、万歳やダンスをしているようにも見え、訪れる人たちを楽しませている。
6~8月の繁殖期を中心に行う「ウエービング」と呼ばれる行動。時折、隣の個体に近づいたり、離れたりしながら白色の両はさみを波打つように振っている。雄が行う求愛行動、他の個体に対する威嚇行動など諸説あるが、理由ははっきりと分かっていないという。
甲幅1㌢ほどのチゴガニは東京湾から九州、朝鮮半島などの干潟に生息する。背中は茶色で、腹側は水色。
(2017年5月26日付紙面より)
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ノンフィクション作家・田中伸尚さん (来年没後100年 )
『大逆事件―死と生の群像』を書いたノンフィクション作家、田中伸尚(のぶまさ)さん(75)が21日、新宮市を訪れ、来年3月に100回忌を迎える「大逆事件」の犠牲者、峯尾節堂(みねお・せつどう)=1885―1919年=の足跡をたどった。7年ぶりに新宮を訪れた理由などについて聞いた。
来年、節堂没後100年を迎え、顕彰碑を建てるという話も聴き、今回7年ぶりに訪れました。節堂はこの地方の犠牲者6人の中で最も注目されていない、人々の関心が薄い人物。獄中手記を読んでもほとんど、大石誠之助や高木顕明のように社会主義、無政府主義に積極的に関わっていなかった。友達の友達という存在で捕まってしまった人物。
そんな節堂を妙心寺派は判決が出る前に擯斥(ひんせき)処分にした。宗教が国家にベッタリだったことが分かる。宗教、教団の国家に対する姿勢をはっきりさせるのは現代的な問題でもあると思います。
「大逆事件」当時の一般の人々は、限られた情報の中で、捕まった人たちを非難した。節堂は、26歳で検挙され、社会的な圧力で離婚もし、動揺が激しかったに違いない。当時は社会的に余裕がなかったという時代背景もある。
節堂は思想的に確立できていなかったし、迷いながらの人生でした。大石との付き合いも薄かったが、「大逆罪」の網にかけられた。
「大逆事件」はまだ生きている事件。まさに形を変えて生きていると思います。今年は大石の生誕150年。節目、節目で思い出され、次の世代に伝えられていくことは大事なことだと思います。
「共謀罪」は国が人の心を支配しようと外堀を埋めていくようなもの。「大逆罪」はその後、「治安維持法」に継承された。戦争の時代と絡んでふくれあがっていく車の両輪です。戦争に対する反対を抑えるためのもので、古今東西、世界各地にある国家の本質です。
節堂はドラマチックではない普通の青年だった。そんなどこにでもいるような人に光をあてることが今、大事ではないかと思います。
もし、今回の取材を本にまとめることができれば、『大逆事件 死と生の群像』(2010年、岩波書店)『飾らず、偽らず、欺かず 管野須賀子と伊藤野枝』(岩波書店、2016年)に続き、「大逆事件3部作」になりますね。
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■峯尾節堂
1885年4月1日、新宮生まれ。京都の妙心寺で修学して臨済宗妙心寺派の僧侶となった。大石誠之助や高木顕明らと出会い交流を重ね、「大逆事件」に連坐。死刑判決を受け、その翌日特赦で無期懲役に減刑されたが、1919年3月6日、35歳で、獄中で病死した。事件後、妙心寺派は節堂を擯斥処分としたが、1996年に取り消した。
妙心寺派は来年3月6日に節堂の100回忌法要を営む計画。それに合わせて「大逆事件の犠牲者たちの人権回復を求める連絡会」が新宮市内で「第4回大逆事件サミット」を開催する予定。
明治天皇暗殺を企てたとして1911年、12人が絞首刑、12人が無期懲役となった「大逆事件」。現在の研究では大逆罪に名を借りた社会主義者、無政府主義者への弾圧で、国家によるフレームアップであったことが明らかになっている。
(2017年5月25日付紙面より)
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那智勝浦町身体障害者連盟(鈴木怜子会長)の定期総会が23日、町福祉健康センターであった。本年度事業計画案、規約の改定案など7議案を承認した。参加した22人の会員らは総会後の昼食会などで交流を深めた。
来賓の植地篤延副町長は「福祉の充実と推進については、自ら進んで参加する熱意が大切。積極的に社会参加している皆さんの活動は意義深い。引き続き協力を」とあいさつ。鈴木会長は、和歌山県が発行する、義足、内部障害などで外見からは援助や配慮が必要なことが分からない人のための「ヘルプマーク」を紹介し「制度を広めたい。必要な方は申し出て」と呼び掛けた。事業案として「ホテルフリーゲート白浜」の視察を10月に予定しており、「支配人、コックさん以外は全員障害者が勤務している。励みになることが多いと思う」と参加を促した。
同会は会員の親睦を図り、障害を克服して自立の促進と福祉の増進を目的として活動。本年度は串本町障害者連盟とのグラウンドゴルフ、カラオケ交流会や日帰り研修旅行、郡連スポーツ大会参加、町長との懇談会などを予定している。
(2017年5月25日付紙面より)
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夏に潮岬で第49回キャンプ (日本ユネスコ協会連盟 )
串本町潮岬にある県立潮岬青少年の家で7月30日(日)から8月2日(水)まで、第49回ユネスコ子どもキャンプが開かれる。日本ユネスコ協会連盟の主催事業で、対象は全国の小学4年生~中学3年生。定員50人で募集するさなかにあり、会場地では実行委員が打ち合わせを重ねて受け入れの準備を進めている。
このキャンプは、ユネスコが掲げる「教育、科学、文化」による平和実現を目的にし、国内各地の地域ユネスコ協会と協力して年次実施している。1968(昭和43)年に始まり、本年度は49回目で、日本発祥の民間ユネスコ運動70周年記念事業として位置付け。次年度の50回目の節目も含め、和歌山県ユネスコ連絡協議会が同連盟と協力する状況にある。
キャンプテーマは「わ(WA)!!自然と深める僕らの絆」。昨年秋に会場地の実行委員会が結成され、テント泊を軸にした3泊4日の体験プログラムを検討していて、期間中は同家外での野外活動や屋内活動、夕食交流会や「ジオリンピック」、キャンプファイヤーや班タイムといった日程が募集要項で告知されている。
今月21日に開かれた実行委員の打ち合わせでは、屋外活動は▽古座川でカヌー体験▽串本海中公園でバックヤードツアー▽橋杭海水浴場でマリンアクティビティー体験▽山間部でジオツアー―の4メニューとし、屋内活動はトルコ記念館を軸にして行い夕食交流会はトルコ料理づくりに挑戦することなどを実践手法も交えて検討した。
一連の体験プログラムを通して、かけがえのない自然環境に親しみ共生の歴史を自らも刻む心と、日本とトルコの友好の歴史から人の絆や助け合いの心を育むきっかけを提供するのが全体目標。着実な達成のため同連盟は子どもと目標の仲立ちをする青年スタッフ(高校生以上)も全国規模で募集をしている。
申し込み方法などその他詳細を知りたい人は早めに同連盟公式ホームページ(http://unesco.or.jp/)か同家などで配布している各要項を参照。問い合わせは同家(電話0735・62・6045)まで。
(2017年5月25日付紙面より)
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熊野灘捕鯨文化継承協
第3回熊野灘捕鯨文化継承協議会は23日、新宮市の東牟婁振興局で第3回総会を開いた。本年度は河内祭の御船行事のジオラマを製作し、来年2月末までにJR古座駅に展示する事業(500万円)などを計画している。
昨年4月25日に日本遺産に認定された熊野灘の捕鯨文化に関するストーリー「鯨とともに生きる」を活用した誘客促進と地域活性化を目的とした取り組みを進めている組織。和歌山県、県観光連盟、関係市町、観光団体、文化保存会などで組織している。昨年度は「くじらと人と物語」とのキャッチコピーやロゴマークを作成。総合ガイドブックを増刷し、各駅などに設置したほか、ウオークイベントや企画展を開催した。
今年4月28日には孔島厳島神社の石造物(新宮市)、宇久井半島の山見台跡群(那智勝浦町)、太地角右衛門の墓(太地町)、古座組鯨方石宝(串本町)など10件が構成文化財に追加認定され、計29件になった。
本年度予算は4028万1000円で、うち2408万円は文化芸術振興費補助金(日本遺産魅力発信推進事業)。追加認定を受けた文化財の案内板・説明板などの制作・設置費(795万2880円)、捕鯨の勢子舟を復元するため現存する破片の調査と設計の費用(119万4000円)、日本遺産ガイド養成費(81万9620円)などが盛り込まれている。
(2017年5月25日付紙面より)
もみじ会5月例杯
新宮弓友会5月例射会
新宮市出身・小川洋君、秋田県高校野球春季地区大会で