姉妹都市・名取市が復興達成宣言
新宮市の姉妹都市である宮城県名取市の山田司郎市長は30日、東日本大震災の被害から基盤整備を伴う復旧・復興事業がおおむね完了したとして「東日本大震災に関連する次の施策に引き続き取り組んでいくことを表明し、名取市が震災からの復興を達成したことを宣言する」と復興達成宣言をした。未曽有の大震災から9年。同市は市政運営を新たなステージへと進めていく。
2011(平成23)年3月11日午後2時46分。三陸沖を震源とする巨大地震が発生。東日本を中心に日本全土を揺るがした。宮城県北部の栗原市で最大震度7、4県37市町で震度6強を観測した。
名取市においても震度6強を観測し、その後に発生した大津波が沿岸地域を中心に未曽有の被害をもたらした。名取市の死者は関連死を含めて964人(14年3月31日現在)。5000棟以上が半壊以上の被害を受け、最大で1万1000人を超える人が避難を余儀なくされた。
名取市は「心からの笑顔を求めて、新たな未来へ」を復興への思いとして掲げ、震災発生同年10月に震災復興計画を策定。互いに支え合い、強い絆で結ばれた暮らしやそれを支える生業の再生、多様な世代が安全で安心に暮らせるまちを目標に、9年間にわたり復旧と復興に取り組んできた。
復興沿岸地域においては今後も取り組むべき課題はあるものの、住まいや被災事業者の再建、インフラ整備や公共施設の災害復旧など、まちの再生に必要な機能が整いつつあるとし、同市はこのたびの宣言をもって一つの節目とする。
山田市長は「令和2年度を初年度とする新たな第六次長期総合計画のもと、『愛されるふるさと なとり』を共に創り、未来へつなぐ、次のステージに進んでいきたい」と宣言している。
名取市の復興達成宣言を受け、田岡実千年新宮市長は「未曽有の災害を受けたわれわれだからこそ未来に目を向け、市民の安心安全な生活と地域の活性化のため、これからの市政運営に誠心誠意取り組んでいかなければならない。ともに自然の驚異を目の当たりにした私たちは、未来永劫(えいごう)有事の際には助け合い、心温まる交流をもって今後さらに姉妹都市としての絆を深めていきたい」とコメントを寄せ、名取市の復興への取り組みに敬意を表した。
両市は08(平成20)年、熊野信仰を通じた縁をきっかけに姉妹都市協定を提携。東日本大震災、同年に起こった紀伊半島大水害の際には、給水車や人員派遣などの支援が相互に行われた。
(2020年3月31日付紙面より)
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16人が清掃奉仕 (新宮ユネスコ協会 )
新宮市の新宮ユネスコ協会(中谷剛会長)は28日、世界遺産の熊野古道・高野坂で清掃奉仕した。会員12人とボランティア4人の16人が参加。古道に落ちたごみや空き缶などを拾い集めた。
同協会は毎年この時期に身近な世界遺産や市の史跡を清掃奉仕している。昨年は新宮ロータリークラブと協力し神倉山(千穂ヶ峰)周辺の清掃奉仕活動に取り組んだ。
今年は春の古道歩きシーズンに世界遺産の景観を守ろうと高野坂を活動場所に選んだ。JR三輪崎駅に集合した会員らはごみ袋と火ばさみを手に、王子ヶ浜海岸を目指して出発。陶器の食器やトタンの破片などの廃棄物もあり、参加者らを驚かせていた。
清掃奉仕を終えた中谷会長は「サクラやツバキなどが美しく花を付けており、季節の花々を楽しみながら清掃活動できた。雨の心配がある中、参加していただきありがたい。新型コロナウイルス感染症が及ぼす混乱の中、野外でこういった活動をすることができてよかった」と話していた。
(2020年3月31日付紙面より)
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楽しむ人集まりにぎわう (古座川町 )
古座川町内各地のソメイヨシノが順次花盛りに差し掛かり、華やかさを楽しむ人々が集まりにぎわいを見せている。
町内では先駆けて開花が進んでいる一枚岩一帯は29日現在、木によってばらつきがあるが五分咲き~散り始めの状態。特に遅れていたどんどろの森連絡道沿いもようやく五分咲き程度の花が見て取れるようになり、両岸の桜に囲まれた一枚岩の眺望や歩道に迫る枝の花盛りを楽しむ人々の車両で主だった駐車場の満車が続いた。
地元佐田区のちょうちん飾りが定着している七川ダム湖畔は同日現在でおおむね七分咲き前後。花見客の車両が断続的に国道を往来し、おおじゃの森の駐車場や桜の広場横の駐車場で降りて間近に花盛りを観賞する人々の姿も目立った。
これら場所の間にある蔵土(くろづ)、三尾川(みとがわ)、長追(ながおい)の各見どころは、木によってばらつきがあるが同日現在でおおむね五分咲き前後。新型コロナウイルス感染拡大抑止機運が色濃い中、一枚岩、七川ダム湖畔とも宴を開くグループの姿は例年に比べごく少なく、大半が散策的に観賞を楽しんでいた。
(2020年3月31日付紙面より)
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「竹の子ウオッチング」スタート (宇久井海と森の自然塾 )
休暇村南紀勝浦の温泉入浴とタケノコ料理がセットの「竹の子ウオッチング&温泉入浴」が29日、那智勝浦町宇久井半島の宇久井ビジターセンター園地で始まった。参加者20人がシーズンを先取りし、春の味覚を味わった。期間は6月14日(日)までの毎週日曜日を予定している。
半島の自然保護活動を展開する「宇久井海と森の自然塾」が主催する体験プログラムで、休暇村南紀勝浦が協力し例年人気を集めている。この日は早朝からの雨も上がり、同塾のスタッフが下見をした現地に着くと、数え切れないほどの竹が立ち並ぶ林に参加者から感嘆の声が上がった。
新宮市蜂伏から祖母と参加した上地凉さん(15)は「何度か参加しています。疲れたけど楽しかった。タケノコ料理が楽しみです」と話した。センターに戻った参加者はタケノコを分け合い休暇村に移動して、温泉や料理を楽しんだ。
4月中はモウソウダケ、5月になればハチク、同月下旬から6月にかけてはマダケが収穫できる見込み。参加申し込みは2日前まで電話で受け付ける。作業しやすい服装で、持ち帰り用の袋と入浴セットは各自持参する。
申し込み、問い合わせはビジターセンター内の自然塾運営協議会(電話0735・54・2510)まで。受付時間は午前9時~午後5時。水曜日休館。
(2020年3月31日付紙面より)
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三輪崎会館で布マスク教室 (新宮市 )
新宮市の三輪崎会館で25日、布マスク教室が開かれた。三輪崎地区(屋敷満雄区長)主催。ボランティアグループ「タウンガーデン」(平田裕子代表)の5人が講師を務め、区の老人会、婦人会、光洋中学校の教職員らがハンカチなどから布マスクを作った。
「タウンガーデン」は平田代表が同市別当屋敷町の「花布(かふ)」でマスク作りを教わったことがきっかけで、今月9日に保健センター横のタウンガーデンで「青空布マスク作り教室」を開催。以来、顔の形に沿うよう顎下の部分を長くし、女性の口紅が付かないよう口周りの膨らみを大きくするなど改良を重ねている。
参加者は型紙に合わせて布を切り抜き、ガーゼの裏地を付けて縫っていった。ガーゼやゴムひもも全国的に欠品となっているため、バスタオルやナイロンストッキングを活用するなどの工夫もあった。光洋中の教職員は「4月からもマスクの着用が必要だが、生徒も含め全員が用意するのは難しいかもしれない。布マスクも活用していけたら」。屋敷区長は「区民からマスクがないと相談の電話を受けたことがきっかけ。洗濯して使うとしても1人2、3枚、一家族10枚程度は必要になる。非常事態こそ昔の人の知恵を借り、各団体のリーダーなどを通じて他の地域にも命をつなぐ輪が広がっていけば」と語った。
同区は4月5日(日)午後1時30分から3時まで、同館で布マスク教室を開催する。今回参加した老人会、婦人会のメンバーが講師を務める。持ち物は目の詰まった布とガーゼ、裁縫道具、ナイロンストッキング、筆記用具など。「次のリーダーとなり、活動を広めてくれる方にぜひ参加してほしい」と呼び掛けている。問い合わせは同館(電話0735・31・6690)まで。
(2020年3月27日付紙面より)
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消防団協力事業所に表示証交付 (新宮市 )
新宮市消防本部(内野井愼搾(しんさく)消防長)は25日、消防団協力事業所に認定した熊野観光開発(奥村夏男取締役社長、同市熊野川町日足)と、南紀プロパンガス株式会社(市川榮一郎社長、同市清水元)に表示証を交付した。認定は熊野観光開発で3事業所目。南紀プロパンガスは2019年に続き継続認定となった。
消防団協力事業所表示は、消防団活動に協力している事業所に対し、社会的貢献の証しとして表示証を交付する制度。事業所の活動を広く社会にアピールするとともに、消防団員の活動に対しより理解を深めてもらうことなどを目的に17年6月に導入した。表示証の表示有効期間は原則2年間。
消防本部で開かれた表示証交付式には、熊野観光開発の堀芳生・志古営業所長、南紀プロパンガスの市川浩一郎・常務取締役総務部長と、各事業所に所属する消防団員らが出席した。表示証を手渡した内野井消防長は「消防団員の6割が被雇用者となる中、入団しやすく活動しやすい環境をつくるための制度。市民の生命、体、財産を災害から保護し、地域防災の中核として重要な役割を担っている消防団員の存在を企業として認めていただいていることは大変ありがたい限り」と感謝。
「これを機に消防団への入団促進や組織強化など、さらなる発展に向け取り組んでいく所存。今後も消防団活動や防災活動への一層のご尽力を」と協力を求めた。
認定を受け、堀営業所長は「熊野川町では初めてということで光栄。地域の力になれることがあれば積極的にやっていきたい。名誉に感じています」。市川常務取締役総務部長は「これからも、市内のライフラインを担う中で、会社として地域の皆さまの役に立てる活動に取り組んでいきたい。社内の消防団員には、有事の際には優先的に活動に当たるよう伝えています」と話していた。
同制度の認定基準は従業員2人以上が入団していることなど。問い合わせは同本部庶務課(電話0735・21・0119)まで。
(2020年3月27日付紙面より)
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矢渕中、相野谷中で再開 (紀宝町 )
新型コロナウイルスの拡大防止策として、約3週間休止となっていた部活動が春休み初日の26日、紀宝町の矢渕中学校と相野谷中学校で再開された。グラウンドや体育館には生徒たちの元気な声が戻り、各クラブの部員たちは仲間と活動できる喜びをかみ締めていた。
県教育委員会から、密閉空間や人の密集など感染拡大を高める条件を徹底的に回避する対策を取った上で実施する―との通知を受けて、同町教育委員会が生徒の体力回復、健康管理などを目的に再開を決めた。春休み中の4月5日(日)までの措置。1日1時間程度で、基本練習が中心となる。手洗い、うがい、屋内練習場所の換気など対策を徹底する。
相野谷中では卓球、軟式野球、ソフトテニス、矢渕中はバスケットボール、バレーボール、卓球、軟式野球、サッカー、陸上、ソフトテニス、柔道、剣道、生活文化、美術、吹奏楽の各クラブが再開した。
初日は矢渕中で陸上、サッカー、軟式野球が順番にグラウンドを使用した。野球部はランニングやキャッチボールで汗を流した。主将の榎本和真君(2年)は「仲間と野球ができてうれしい。5月に延期となっている南勢大会や夏の中体連で勝てるよう頑張りたい」と話していた。
(2020年3月27日付紙面より)
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安倍晴明紹介の看板設置 (那智勝浦町 )
南紀くろしお商工会の観光振興部会(明慶勝義部会長)と那智山防災道路委員会は那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)別宮、飛瀧(ひろう)神社の駐車場付近で安倍晴明を紹介する看板を設置した。
25日に開かれた設置式には同商工会の森川起安会長や向井正樹事務局長、男成宮司、町職員らが出席。花山法皇ゆかりの名刹(めいさつ)である青岸渡寺からは髙木亮英副住職も参加し、那智大社の神職によって神事が営まれ序幕された。
看板は昨年4月に開かれた観光振興部会会議で明慶部会長が発案したもの。那智山には、花山法皇が同所で修行していた際に悪霊の妨害を受けたため、陰陽師(おんみょうじ)の安倍晴明を呼び寄せたという逸話がある。その逸話を記した看板を設置することで那智山の観光誘客につなげることが目的だという。
看板には安倍晴明をイメージしたイラストも掲載されている。同商工会の野上めぐみさんのめいで、女子美術大学に通う後藤午(まひる)さん(20)が描いたという。
男成宮司は「近年、安倍晴明が映画などに取り上げられているため、看板によって若い方々にも興味を持ってもらえるのでは。これを通じて熊野信仰にも関心を深めていただけたら」。
同委員会の塩﨑巍朗(たかお)さんは「那智山には案内表示が少ないと思う。看板設置は本当に良かった」と話した。
森川会長は関係者に感謝を述べ、「安倍晴明が那智山にゆかりがあることは地元や観光客にもあまり知られていない。今回の看板のように、小さなところから見直して周知していくことで、現在減少しているインバウンドも戻ってきていただけると思う」と語った。
(2020年3月27日付紙面より)
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旧チャップマン邸、国登録有形文化財登録へ (新宮市 )
国の文化審議会(佐藤信会長)は19日、文化財分科会を開き、審議・議決を経て、文部科学大臣に新宮市新宮の旧チャップマン邸を含む133件の建造物を国登録有形文化財にするよう答申した。官報告示を経て正式に登録される予定。登録後、市内における国登録有形文化財は同市三輪崎の三輪崎青年会館と合わせて2件となる。
文化財登録制度は1996(平成8)年に誕生。50年を経過した歴史的建造物のうち、一定の評価を得たものを文化財として登録し、緩やかな規制を通じて保存が図られ活用が促されている。
今回、国登録有形文化財(建造物)として登録されるのは、「旧チャップマン邸主屋」と「旧チャップマン邸石段および石垣」。主屋と石段および石垣は26(大正15)年に、宣教師チャップマンとその家族のために、市名誉市民の西村伊作(1884~1963年)が設計し、伊作が創設した西村建築事務所が施工した。伊作の作品は、ほかにも同市の旧西村家住宅(国重要文化財)や那智勝浦町の紀南教会(国登録有形文化財)など、全国で十数棟残されている。
木造2階建て、スレート葺きで、南面東半は2階をやや張り出して切妻を見せ、1階は半八角形平面の出窓が突出するなど、変化に富んだ外観を見せる。間取りは1階にガラス扉で仕切ることのできる食堂と居間、2階に寝室や学習室などを配置するなど、伊作の作風の一端を示している。
市出身の芥川賞作家・中上健次(1946~92年)が執筆活動をした建物としても知られている。2015(平成27)年に同市に無償譲渡されたが、築90年以上が経過していたことから老朽化が激しく、18(平成30)年に耐震補強改修工事を行った。なお、同所は、新型コロナウイルス感染症の影響により31日(火)まで休館となっている。
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■田岡実千年市長のコメント
旧チャップマン邸は、新宮市名誉市民である西村伊作氏の設計により、アメリカの宣教師チャップマンの居宅として大正15年に建築された歴史ある建物です。市としては、この旧チャップマン邸を新たな観光交流施設として活用するため、可能な限り建築当時の面影に近づけるような形で改修・耐震補強工事を行い、昨年4月に供用を開始しました。5月にはアメリカからお招きしたチャップマン氏のご親族をはじめ、多くの関係者の皆さまにご出席いただくなか、オープニングセレモニーを実施しました。
以来、単なる建物の観覧だけでなく、大正の雰囲気を感じられる交流の場として市民や観光客の皆さまにご利用いただいております。
このたびの答申にあたりまして、活用計画段階から供用開始、そして今回の登録まで多大なるご尽力を賜りました、西村記念館・旧チャップマン邸の会の皆さまをはじめ、多くの関係者の皆さまに、心より厚くお礼を申し上げます。
今後も、市民の皆さまのご理解とご協力のもと、保存・管理に努めるとともに、地域の宝として末永く活用してまいります。
(2020年3月22日付紙面より)
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王子ヶ浜少年消防クラブ (新宮市 )
地域や家庭での防火防災を図るため、新宮市立王子ヶ浜小学校6年生で結成し活動を行っている「王子ヶ浜少年消防クラブ」がこのほど、「令和元年度優良少年消防クラブ・指導者表彰」において総務大臣賞を受賞した。なお、消防庁主催による表彰式典は新型コロナウイルス感染予防を考慮し、中止となった。
少年消防クラブとは、小学生から高校生までの少年少女が防火および防災について学習するための組織。防火パトロールや防火・防災に関する研究発表会の実施などの活動を行っている。令和元年5月1日現在のクラブ数は全国で4442あり、クラブ員は約41万人、指導者は約1万4000人。
同表彰は、少年消防クラブ員や指導者の意識高揚とクラブ活動の活性化を図り、少年消防クラブの育成発展に寄与することを目的として、昭和29年度より継続して実施している。今回は全国から、特に優良な少年消防クラブ(総務大臣賞)28クラブ、優良な少年消防クラブ指導者(総務大臣賞)14人、優良な少年消防クラブ(消防庁長官賞)40クラブが選ばれた。王子ヶ浜少年消防クラブは県内で唯一選出された。
(2020年3月22日付紙面より)
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タイムラインを策定 (紀宝町 )
新型コロナウイルスの感染が国内外で広がっていることを受け、紀宝町は19日、町内や近隣市町での発生など不測の事態に備えて新型コロナに対応した事前行動計画(タイムライン)を策定した。タイムラインに沿った現在と今後の取り組みを取材した。
事前準備や行動の目安、行動のもれをなくすため、各課の役割を明確にすることが目的で、担当職員は「不測の事態が起きた際にもタイムラインによってすぐに行動できる体制を構築した。感染予防のため職員の健康管理の徹底、マスクの着用、アルコール消毒液の設置など感染予防マニュアルに沿った対策を取っている」と話している。
タイムラインは1~5のステージを設定。この計画を基に各課がそれぞれ行動する。近隣諸国で発生した1(準備)、国内発生の2(警戒)、県内や近隣県で感染者が確認された3(感染予防)、近隣市町で確認された4(緊急事態)、町内での感染や感染拡大が想定される場合の5(非常事態)に分類した。
21日現在、県内で9例の感染が確認され、町ではステージ3を実行中だ。役場内に対策本部を設置し、情報収集、県との情報共有、役場や幼稚園、小学校、中学校、子育て支援事業の体制を検討し、町民への注意喚起、町内での感染予防対策などに当たっている。
ステージ4に移行した場合、町長が緊急事態を宣言し、救護体制の検討、感染地域や感染者数などの情報収集、ステージ5では非常事態宣言を発令し、感染者への対応などに取り組む。
(2020年3月22日付紙面より)
ブリの水揚げで活気づく (宇久井漁協 )
那智勝浦町宇久井の宇久井漁業協同組合(亀井睦弘組合長)の構内で19日、定置網漁(通称・大敷)で丸々と太ったブリが水揚げされ、大漁となった。漁協施設屋上には大漁旗が掲げられ、付近の住民らも活気づいた漁港を笑顔で見つめていた。
亀井組合長によると、この日は数日間で最も大漁だったといい、3隻分の水揚げは午前中でも終わらないほど。その様子を見ていた住民は「最近はコロナウイルスなど暗い話題ばかり。それを吹き飛ばしてくれるような大漁。町が活気づいてうれしい」と話した。
同漁協と取り引きしている三重県尾鷲市の定置網・養殖漁業資材制作業者の50代男性は「昨日、おとといと漁が好調だったと聞いていたのでお神酒を持ってこさせてもらったら大漁でびっくりした。活気があって良い」と話した。
亀井組合長は「若い人たちやみんなが本当によく頑張ってくれた。海の恵みを頂きありがたい」と語った。
(2020年3月22日付紙面より)
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新宮市や那智勝浦町などの小学校で (卒業式 )
新宮市と那智勝浦町の各小学校で19日、卒業式が行われた。児童たちは校長から卒業証書を受け取り、思い出が詰まった母校を巣立っていった。北山村では北山小学校の3人が卒業した。今年は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から各校ではマスク着用の上、規模を縮小するなどして実施した。
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新宮市では神倉99人、王子ヶ浜48人、三輪崎72人、高田3人、熊野川14人の計236人が卒業した。三輪崎小では芝﨑勝善校長が一人一人に卒業証書を手渡して、最上級生として自覚ある行動とパワーで下級生をリードしてくれたと語り、「人と人が共に生きる社会で大切なものの一つがあいさつです。これから進むそれぞれの中学校で不安なこともあると思いますが、『笑顔であいさつ』を忘れず、夢に向かって進んでください」と送り出した。
全員で「旅立ちの日に」を合唱した後、卒業生代表の福田美心(みこ)さんが教職員や学校関係者、保護者らに感謝の気持ちを伝え、「これから私たちは夢に向かって歩んでいきます。小学校で学んだことを胸に刻み、力強く生きていきます」と別れの言葉を述べた。
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那智勝浦町では勝浦45人、宇久井33人、下里12人、市野々4人、色川3人の計97人が卒業。宇久井小では山本健策校長が卒業証書を手渡し、卒業生の頑張りをたたえた。課題に対する集中力の高さ、下級生への素晴らしい接し方など担任教職員の言葉を紹介し、「つらいことがあっても、おなかいっぱいご飯を食べて、寝て、力をためて、何度でも挑戦する。君たちならできるはず。活躍を祈っています」とエールを送った。
卒業生は全員で答辞を読み、教職員や給食調理員、子ども見守り隊、保護者など、学校生活を支えてくれた多くの人に感謝した。「真っすぐ前を向き、希望を胸に夢に向かって一歩一歩歩んでいきます」と結び、「旅立ちの日に」を合唱。保護者たちはわが子の姿をカメラに収め、涙を浮かべていた。
23日(月)には太田小学校(尾﨑卓子校長)の6年生5人が卒業式を迎える。
(2020年3月20日付紙面より)
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勝浦漁港公衆トイレ供用開始 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は今年2月末に同町築地の勝浦漁港に完成した勝浦漁港公衆トイレなどの利用を19日正午に開始した。船員専用浴室など、設備が充実したトイレ施設は同漁港に寄港するマグロ漁船の乗組員(船員)や、観光客らの利用に向けて建設された。
町によると、これまでは同漁港に隣接するにぎわい市場にはトイレはなく、その近くにある足湯施設「海の湯」のトイレのみだった。また、乗組員用のシャワー室も新冷蔵庫施設建設のため撤去。浴場を無料開放していた勝浦シーハウス熊野灘も営業時間帯のみの利用だったため、深夜や早朝に寄港する乗組員にとっては利用しづらい状況にあったという。
トイレ施設の建設は、観光客の利便性向上とマグロ漁船乗組員へのサービスの一環。建築面積は68・14平方㍍。▽男子トイレ(大便器1基、小便器2基)▽女子トイレ(大便器2基)▽多目的トイレ(大便器1基、オストメイト、ベビーチェア、おむつ替えシート)―が設置されており、5台分の専用駐車場もある。
水揚げなど同漁港に寄港した乗組員が24時間利用できる浴室にはシャワー室が3室、浴室が1室あり、ドライヤーやロッカー、シャンプー、リンス、ボディソープも完備。最も多いインドネシアの乗組員に対応した看板も設置している。設計監理費含め建設費は約4260万円。隣接のにぎわい市場や足湯施設らと統一感を持たせたデザインとなっている。
担当する農林水産課は「多くの乗組員の皆さまが那智勝浦町へ来ていただけるようにシャワーなどを整備させていただいた。トイレについても観光客や一般の方々に利用していただけたら」と語った。
(2020年3月20日付紙面より)
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串本町や古座川町の小学校が19日、新型コロナウイルスの感染防止策を講じて一斉に卒業式を営んだ。串本町では119人(男子67、女子52)、古座川町では14人(男子9、女子5)が卒業証書の授与を受け、感謝や決意を掲げて巣立ちの時を迎えた。
古座川町立高池小学校(大畑眞校長)は同町中央公民館で同式を営み、在校生代表の5年生と教職員、家族が見守る中で6年生11人(男子7、女子4)が卒業証書の授与を受けた。大畑校長は将来の夢やこれから取り組みたいことにコツコツと努力して頑張ること、そして詩「赤い花白い花」を紹介して自分らしく周りの人の事も考えられる人になってほしいと11人の今後に願った。
5年生は11人への憧れの思いを明かしつつ「友達を大切にして勉強や運動に頑張ってほしい」と送る言葉を寄せ、11人は在校生への思いや先生ら学校職員や家族への感謝を示して「中学校に行っても小学校での学びを忘れず新しい友達とも仲良くして頑張る」と決意を掲げた。児童はそれぞれの思いを歌に乗せて交わし合って、別れの節目をつけた。
他の小学校の卒業生数は▽明神小1人▽三尾川小2人▽串本小27人▽橋杭小5人▽潮岬小37人▽出雲小4人▽串本西小16人▽大島小7人▽西向小8人▽古座小12人▽田原小3人―となっている。
(2020年3月20日付紙面より)
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熊野速玉大社
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)はこのほど、熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ、イザナギノミコト)、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ、イザナミノミコト)をはじめとした十二柱のご祭神の拝殿に案内板を設置した=写真。
案内板の設置は昨年の暮れ。社務所に「どこにどの神様が祭られているのか」といった質問が多く寄せられていたことから設置に至ったという。案内板には神々の名前のほかにも、簡単な説明文も添えられている。
同大社によると、新型コロナウイルス感染症の影響で3月上旬をピークに参拝客が激減したとしながらも「最近では少しずつ参拝者数も増え、意識的には次の段階に来たと感じます」。「よみがえりの地・熊野」をPRすることによって、地域活性化に寄与することができればと話していた。
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■4月3日にさくら祭り
同大社境内で4月3日(金)午前11時から、「新宮神社例祭・さくら祭り」を斎行する。例年は祭典終了後に餅まきを実施していたが、今年は新型コロナウイルス感染症予防の観点から、正午より餅を配布する。
(2020年3月20日付紙面より)
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新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、2日(月)の卒業式を中止にした県立新宮高校(前田成穂校長)と新翔高校(東啓史校長)は2月28日、3年生に卒業証書を授与した。27日に県教育委員会から卒業式中止の通達を受けて、急きょ予行演習日に実施した。
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新宮高校は3年生197人(男子80、女子117)が出席。各クラスを代表して髙岡麗さん、尾鷲丈君、東口紀之君、久司侑佳さん、久保慎之介君が卒業証書を受け取った。
前田校長は「入学以来、多くの仲間と共に心の底から喜び合ったこと、涙を流して悔しがったことなど、さまざまなことを体験しながら成長してきました。皆さんの軌跡に心から敬意と賛辞を送ります」と式辞を述べ、新たな門出に際し「力必達」「豊かな共生社会を創造する」の二つの言葉を贈った。
3年生を代表して竹内裕賀さんが答辞を読み上げた。「令和最初の卒業生として、私たちがこれから新たな時代をつくっていかなければなりません。新宮高校で互いに高め合ったことを忘れず、誇らしく進もう」と高らかに告げ、感謝の気持ちを伝えて母校・新宮高校の発展を祈念した。
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新翔高校では147人(男子72、女子75)と在校生が出席した。東校長は失敗を恐れず、さまざまなことに挑戦してほしいと呼び掛け、「失敗はマイナスなことと捉えがちだが、発想を転換すれば価値を生み出して新たな意味を持つことがある。世界の熊野にある、この高校で学んだ誇りを胸に、新たな目標に向かって頑張ってください」とエールを送った。
校歌斉唱後、各クラスの代表生徒が卒業証書を受け取った。皆勤・精勤や和歌山県知事、全国総合学科高等学校長協会優秀者、県産業教育振興会会長などの各賞の表彰も行われた。
(2020年3月1日付紙面より)
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下里小6年生の12人が (指導室学習会 )
東牟婁地方教育委員会連絡協議会は2月27日、那智勝浦町教育センターで「第7回指導室学習会(ふるさと学習編)」を開いた。東牟婁郡内の教職員、教育委員ら約20人を前に町立下里小学校の6年生12人が10カ月にわたるウミガメ保護活動を発表した。
15日に東京大学で開催された「第7回海洋教育サミット」で活動を発表する予定だったが、直前で断念したことから、学習会で紹介する運びとなった。
同小は海岸線に面し、漁港、海水浴場、磯場、ウミガメが産卵する浜辺が近くにあり、20年ほど前から玉の浦リップルズクラブの協力を得て保護活動を続けている。児童たちは「黒潮の海をフィールドに~小さな生命が大海原へいく~」をテーマに全員で発表し、「ウミガメの保護と飼育、海の学習を下級生に引き継いでいくことが大切だと感じた」などと伝えた。
2018年4月にウミガメ事前学習で保護活動や環境保全を学び、5月には全校児童で下里大浜の清掃活動に取り組んだ。6月にふ化場で砂の入れ替え作業をし、7月2日に産卵があったアカウミガメの卵をふ化場に移した。8月24日に76匹がふ化し、9月上旬に70匹を放流した。
10月から6匹のアカウミガメを飼育し、児童たちは「カメが元気に泳ぐとうれしくなった」「貴重な経験ができた」と語った。
ふ化してから10カ月後の19年6月に放流し「今まで育ててきたので寂しかったけど、大人になったら帰ってきてほしいと思った」と振り返り、「これからも地域の人たちと一緒に身近な環境を守っていきたい」と述べた。
発表を聞いた東京大学大学院教育学研究科附属海洋教育センターの川上真哉・特任研究員は「皆さんの訴えが大人の心に響いていく。歴史がある取り組みは磨くことで素晴らしい伝統になる。ぜひ下級生に伝えていってほしい」と話し掛けた。
この後、学習会で「那智勝浦町ふるさと読本」について作成の意図や活用方法、今後の展望などを共有した。ふるさと読本は小中学校の教諭が各地域を取材して作成したもので、小中学校の社会科や総合的な学習で活用する。また、情報をデジタル化して随時、更新するという。
(2020年3月1日付紙面より)
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三重大東紀州サテライトが協力 (うどの幼稚園 )
紀宝町立うどの幼稚園(岩本小百合園長、園児32人)で2月25日、「プログラミング教室」があった。園児たちはタブレットを操作し、夢中でキャラクターを動かして遊んだ。
プログラミングとは、コンピューターに人間の意思に沿った動きを指示するプログラムを作成することで、2020年度から小学校での必修化が決まっている。
同幼稚園では、プログラミングに親しもうと昨年度から教室を開いている。教育活動支援の一環として、三重大学東紀州サテライトの大野恵理准教授らが指導した。
昨年11月に続く2回目の教室で、園児が2グループに分かれて、1人1台のタブレットを使ってアプリケーションソフト「スクラッチジュニア」で学習した。
基本操作を教わった園児たちは、画面に登場した男の子や女の子がサッカーボールを蹴るようコンピューターに指示した。ボールを蹴る前は「今からボールを蹴ります」、ゴールが決まると「おめでとう」「やったぜ」などの音声も録音した。
シュートが決まり、自分の声が流れると「やったー。できた」と喜んだ。同サテライト東紀州教育学舎特任教授の榎本和能さんは「前回よりランクアップしたプログラムで、子どもたちは集中して取り組んでくれた。考えながらプログラミングできたと思う」と話していた。
(2020年3月1日付紙面より)
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