新宮YEGが絵本を寄贈 (新宮市 )
新宮商工会議所青年部(新宮YEG、向井康博会長)の向井会長、井上乃安・下原久幸・福本友樹の各副会長、門和宏専務理事は26日、新宮市役所を訪れ、渋沢栄一をテーマにした子ども向けの絵本「おかねってなぁに?」35冊を寄贈した。田岡実千年市長は「大人にとってもためになる素晴らしい絵本」と感謝を伝えた。絵本は市立図書館と市内小学校に配布される。
絵本は、2024年度から1万円札の図柄となる渋沢栄一(1840~1931年)が、分かりやすくお金の大切さを伝える内容。「日本の資本主義の父」といわれている渋沢栄一は、商工会議所創設者でもある。
日本商工会議所青年部では、「渋沢栄一プロジェクト第1弾」として渋沢栄一のやしゃごである澁澤健さんと米良充朝・日本YEG会長による対談を経て、澁澤さん監修による「おかねの大切さを渋沢栄一翁(おう)から学ぶ」という視点で書かれた絵本を制作。
寄贈はプロジェクト第2弾としての取り組みで、全国415のYEGで実施された。絵本は「お金の歴史」や「お金の3つの役割」「ありがとうが増えるとお金が増える」などの項目を親しみやすいイラストで紹介。▽使う▽ためる▽助ける(寄付)▽働かす(ありがとうをつくる)―のお金の使い方を子どもにも分かるように説明している。寄贈に当たり、向井会長は「絵本を読んで、お金に理解を持ってすくすくと成長してほしい」と思いを語った。
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■「バイローカル」周知も呼び掛け
本年度、地域・事業者の活性化を目指して新宮YEGが啓発に取り組む「BUY LOCAL(バイローカル)」の考えに基づいた「バイローカル新宮~地元の未来のために~」事業。
地域で独立経営をする店舗を利用することで、買い物に使った資金を地域内に環流させることによって当地の経済を活況にしようとする取り組みで、新宮YEGではポスターやウェブサイト、ロゴデザインを活用した商品などを作成。周知や情報発信を展開している。
会員らは田岡市長に対し、今後は新型コロナの状況を見極めながら、加盟店によるマルシェ(市場)などのイベント実施も視野に入れていると報告し「新宮市には特色ある店舗が多くある。そんなお店を掘り起こしたい」。
「広報により事業所がより育つ。市の職員さんにも意識を高めてもらい、一緒に企業を育てていければ」と協力を要請。対し、田岡市長は「理念が広がるように、できることに取り組んでいきたい」と応じた。
(2021年4月28日付紙面より)
木戸浦グラウンド無料開放 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は現在、同町天満の木戸浦グラウンドを町内在住の子どもたちに無料開放している。開放時間は、グラウンドの使用に余裕のある平日午後3時から5時まで。土、日曜日、祝日と12月29日~翌年1月6日は除く。
町内には公園以外で広く使うことができる遊び場が少なく、子どもたちに安全に心置きなく体を動かしてもらおうと昨年10月1日から開始した。
ルールは▽使用後はグラウンドの整備を行い、ごみは持ち帰る▽野球は小学生のみ使用可▽自転車や単車などの乗り入れは禁止▽ペットを連れての利用は不可▽けががないよう、十分に注意する▽事故などが起きた場合には責任を負いかねる―としている。
町教育委員会によると、大人のみの使用はできないが、子どもと一緒の場合は使用できる。
町の担当職員は「町の子どもたちが元気に遊ぶことができる環境との思いで町や教育委員会、関係者などが一体となって取り組んでいます。コロナ禍で不安な日々が続いていますが、しっかりと感染症対策を施した上で少しでも元気に体を動かしてほしい。その中でスポーツ振興などにもつながるきっかけになってもらえれば」と話していた。
(2021年4月28日付紙面より)
記念物のハッチョウトンボ (古座川町 )
古座川町内で今年も、世界最小のトンボ類・ハッチョウトンボ=町指定天然記念物=の羽化シーズンが始まった。
ハッチョウトンボは東南アジアの熱帯域に多く分布するが、生育環境が特殊で国内で観察できる場所は局所的に点在する状況となっている。成虫の体長は一円玉大の約2㌢。羽化後に成熟すると雄はほぼ全身が鮮やかな赤色、メスは腹部が褐色と黒色のしま模様に色づき区別が容易になる。
同町直見(ぬくみ)にある大谷湿田は県道沿いでもアピールされている生息地で、同町は過去に学術報告されて以降ハッチョウトンボを天然記念物、同湿田を自然保護区に指定して種の存続を図っている。
現在は木道(もくどう)以外の湿田内への立ち入りを制限しているが、ハッチョウトンボは求愛する時を除いて水生植物につかまりじっとしていることが大半。木道上に人が入っても、手が届きそうなぐらい極端に近づかなければ容易に観察できる。
同湿田の羽化のシーズンは5月中旬~7月中旬とされているが、最近はゴールデンウイーク半ばからちらほらと成虫が見られる傾向にある。今年はさらに早く羽化が始まったようで、26日は木道上から5匹を観察できたが色づきはこれからといった状況だった。
(2021年4月28日付紙面より)
近大新宮中が熊野川町日足で (新宮市 )
新宮市の近畿大学附属新宮中学校(池上博基校長)の1年生46人が27日、同市熊野川町日足の水田を訪れ、田植え作業を体験した。新型コロナウイルス感染症の影響で2年ぶりの取り組み。晴天の下、生徒たちは1本1本丁寧に苗を植えた。
市の教育目標である「郷土への誇りと愛着を育む教育の充実」を目的に2016年にスタート。地元農家との交流を通じて地域への愛着を深めるとともに、さまざまな人の手が加わって生産される食べ物や農家への感謝の心を育んでいく。水田は11年の紀伊半島大水害で被害を受けた場所にあり、復興に向けて頑張る地域の姿を伝える狙いもある。
この日は水害後に地域の耕作放棄地を減らす活動に取り組む「MYNS(マインズ)」(南本安信代表)や県、市、JAみくまのの関係者らが指導に当たった。生徒たちは田んぼの泥の感触に「ぬるっとする」「足がはまった」と叫びながらも、喜々として作業に取り組んだ。稲刈りは8月下旬に予定しており、450~500㌔の収穫を見込んでいる。
寺地優太君(1年)は「上手にできたと思う。秋の近大新宮祭で、みんなが買ってくれるようなお米に育ってほしい」。南本代表は「たくさんの生徒たちが田植えに取り組んでくれてありがたい。この中から将来の農業後継者が出てくれるといい」。MYNSメンバーの下阪殖保さんは「収穫では、生徒たちもぐんと大人になった姿を見せてくれるのを楽しみにしている」と話していた。
(2021年4月28日付紙面より)
全国高校空手道選抜大会
スポ少野球東牟婁予選
県内各地でも被害 (那智勝浦町 )
「こんなことは10年に1回くらいではないか。収穫量はどうしても落ちてしまう」―。そう話すのは那智勝浦町熊瀬川にある農事組合法人両谷園の岡洋祐代表だ。10日早朝、一番茶収穫前の色川地域で発生した降霜(こうそう)によって両谷園のメンバーや取り引きする生産者の茶畑の茶葉に枯死(こし)被害が相次いだという。
両谷園は同地域在住の榎本静夫さんが1983年に無農薬の茶の栽培を行う自園自製の茶工場を創設。一番茶を使った「上ほうじ茶」や「ほうじ茶」、「大雲取」などの煎茶が町内外から人気で、個人やスーパーなどに販売している。
当日、被害に気付いた岡代表らは茶畑各所を回り状況を確認。その後、メンバーらで被害に遭い変色した箇所や良い葉も含めて枝をそろえることで木の成長を合わせる整枝を行った。
被害を調査した東牟婁振興局では、今年は暖かく例年より木の成長も早かったことから新芽に霜の被害が出たと見解を示した。
和歌山県農林水産部によると、10日の降霜によって県内では同町に加え、白浜町日置川の茶に新梢(しんしょう)しおれや枯死が。さらに梅では、田辺市と上富田町で果実陥没、傷果(しょうか)、落果、新梢しおれの被害が発生しているという。21日現在、県内全体で被害面積が84・5㌶、被害総額が8022万1000円と報告されている。
同部職員は「2010年に霜の被害は発生しているが、近年は今回のような被害はなかった。適正な温度管理のために暖かい空気を防霜ファンなどで送ることが対策となる」。
岡代表は整枝を終えた茶畑を見つめ「われわれも含め生産者の方々にとって1年かけて育てた木なのでショックは大きいと思う。自分たちが行った方法が木にとって正しいかはまだ分からない。木をリセットした形となった。品質が落ちなければありがたい」と語った。
(2021年4月25日付紙面より)
緊急事態宣言発出を受け (和歌山県 )
和歌山県は23日、東京都・京都府・大阪府・兵庫県に「緊急事態宣言」が発出されたことを受け、「県民の皆様へのお願い」の内容を見直した。
3度目の発令となる緊急事態宣言。期間は25日から5月11日(火)まで。また、「まん延防止等重点措置」を実施すべき区域に愛媛県が追加された。
これを受け、和歌山県は「大阪府、兵庫県、京都府、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、愛知県、宮城県、沖縄県への不要不急の外出を控える」の項目に愛媛県を追加。「政府対策本部が『まん延防止等重点措置』の区域を指定している期間」を「政府対策本部が『緊急事態措置を実施すべき区域』等を指定している期間」に変更した。
県では引き続き▽カラオケ・ダンス等の大規模な催しへの参加を控える▽在宅勤務(テレワーク)の積極的な活用―などを呼び掛けている。
(2021年4月25日付紙面より)
テープカットで竣工祝う (紀宝町鮒田 )
2011年の紀伊半島大水害から今年で10年。相野谷川の氾濫により甚大な被害を受けた紀宝町鮒田地区の高台に一時避難場所が完成し、23日に竣工(しゅんこう)式が行われた。避難場所(約850平方㍍)は海抜20㍍に位置し、今後は鮒田区、鮒田自主防災会と町が連携を深めながら消防車庫の設置など整備計画を進めていくという。
式では西田健町長、東口高士・鮒田区長、国土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所の川尻竜也所長、町議会の向井健雅議長、萩野進也・総務産業常任委員長がテープカットし、竣工を祝った。
西田町長は、当時の被害を振り返り「人の命が一番を基本に、安全安心な町づくりに取り組む」とあいさつ。東口区長は高台整備に感謝し「町では日本で最初のタイムラインを策定し、鮒田区でも生活タイムラインをつくった。これからもこの地区で防災の取り組みを頑張りたい」と述べた。
大水害時、鮒田地区は約13㍍浸水し、家屋の全壊が4棟、大規模半壊が127棟、半壊が41棟、土砂による全壊1棟など181棟が被害を受けた。区では水害を教訓に2018年、高台用地を確保。熊野川で掘削した土砂を活用して紀南河川国道事務所が整備し、今年3月末に完成した。
想定を超える浸水に備え、一時避難場所より高い海抜60㍍の地点にも避難場所を整備した。
(2021年4月25日付紙面より)
新宮小売酒販組合らが街頭啓発
新宮小売酒販組合(辻良治理事長)などは23日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店で未成年者飲酒防止・飲酒運転撲滅キャンペーンの街頭啓発を実施した。組合員ら約20人が買い物客らにチラシとティッシュを配った。
毎年4月は「未成年者飲酒防止強調月間」。和歌山県全体では2000年から、新宮組合では1993年から街頭キャンペーンを実施している。
国税庁では20歳未満の者が飲酒をしてはいけない理由について▽脳の機能を低下させる▽肝臓をはじめとする臓器に障害を起こしやすくする▽性ホルモンの分泌に異常が起きるおそれがある▽アルコール依存症になりやすくなる▽20歳未満の者の飲酒を禁ずる法律(未成年者飲酒禁止法)がある―を挙げている。
この日、同組合以外に参加したのは、新宮市立少年相談センター、新宮料理飲食業組合、フランチャイズチェーン協会、(株)オークワ、紀南酒造組合などの皆さん。
啓発活動は、ソーシャルディスタンスの確保や手指消毒、「なるべく声を発さない」などの新型コロナウイルス感染症対策を講じた上で実施。
辻理事長の開会宣言の後、マスクと手袋を着用した参加者らは「飲まへん、売らへん、勧めへん」「二十歳未満の飲酒は法律で禁止されています」「年齢が確認できない場合は、新宮小売酒販組合加盟店は酒類の販売はいたしません」とエンドレステープが流れる中、買い物客らに啓発物資を渡した。
強調月間に当たり、辻理事長は「未成年者はまだ体ができていないため辛抱いただきたい。お酒は二十歳になってから楽しんで」と呼び掛け。
新型コロナの影響で規模縮小となった啓発活動や、小売店や飲食業など多くの事業者が長引くコロナ禍により売り上げ減などにあえぐ現状に対し「多くの事業者が苦労していると思う。コロナが終息し、みんなでワイワイとお酒を楽しめる日が早く来れば」と話していた。
(2021年4月25日付紙面より)
松阪市スポ少交流柔道大会
なちかつGGCクラブ大会
官公庁で辞令交付式
官公庁で1日、辞令交付式があり、新年度がスタートした。熊野地方の各自治体の首長たちは、昇任した幹部職員や新規採用職員らを前に「地域のために一致団結して職務に」などと奮起を促した。
新宮市では、田岡実千年市長が課長以上の管理職員、新規採用職員などと分けて人事発令通知書を一人一人に手渡した。幹部職員には「極めて厳しい時期ではありますが、全ての職員が一致団結し、課題に向き合いまちづくりを推進していかなければならない。そのためには皆さんのリーダーシップが何より重要」と訓示。
医療職に対し「地域の厳しい現状を認識し、連携を持って患者目線の診療を。コロナ禍の中、自身の健康にも留意を」。主幹・課長補佐・係長昇任者に「皆さんが持つ力の全てを結集し、組織の中心から新宮市をより良いまちに」と呼び掛けた。
また、23人の新規採用職員に対しては「まずは目の前の仕事を着実にこなしながら幅広い情報や知識を吸収し、一日も早く市民から信頼される職員に」と期待を込め、「皆さんの市職員としての一歩が、市の輝かしい未来の原動力になるものと確信している」とエールを送った。
新規採用職員を代表し、尾子瑞希さんが「地方自治の本旨を体するとともに、公務を民主的かつ能率的に運営すべき責務を深く自覚し、全体の奉仕者として誠実かつ公正に職務を執行する」と宣誓書を読み上げ、新生活の一歩を踏み出した。
(2021年4月2日付紙面より)
校舎などの老朽化に伴い (紀宝町 )
老朽化が進む紀宝町立矢渕中学校の大規模改修が始まった。工期は12月末までを予定しており、現在は工事のための準備に取り掛かっている。
現校舎は1974年に建設され46年が経過。町では施設の長寿命化、防災機能強化を図り、安全・安心の向上を進めるとともに、教育環境のさらなる充実を図るため大規模改修を計画した。
今後、管理教室棟、技術室棟、屋内運動場、柔剣道場の改修を予定しており、内外壁、屋根、天井の塗装、トイレの洋式化、照明器具のLED化、強化ガラスへの取り換えなどを行う。
グラウンドはバックネットと防球ネットを改修し、周辺施設は生徒用駐輪場、来客用駐車場の増設を行うという。
町教育委員会では「工事は長期間になるため、生徒、教職員の安全に配慮して進めていく」としている。
(2021年4月2日付紙面より)
少女バレーの瀧野智惠子さん (串本町 )
串本少女バレースポーツ少年団代表兼監督の瀧野智惠子さん(67)が3月31日、串本町の田嶋勝正町長から令和2年度県スポーツ少年団顕彰の表彰状伝達を受けた。
この顕彰は昨年6月22日に創設された制度で、県内のスポ少の指導や育成に10年以上貢献した指導者を県スポ少本部長名でたたえることを趣旨とする。
瀧野さんは1991年から串本少女バレースポ少における指導に打ち込み、以来30年にわたって数多くの選手を育みその家族に成長の喜びを広げてきた。現在は同町スポーツ少年団の本部長や東牟婁地方スポーツ少年団連絡協議会の副会長も務め、他の指導者の範となりスポ少活動の発展と振興にも貢献。同町教育委員会が推薦し、それら実績を総合的に評価され同制度初年度の顕彰(伝達時は「第一号」と表現)を受けるに至ったという。
伝達は同日午後1時30分に町長室であり、田嶋勝正町長は「顕彰の第一号という栄えある受賞をうれしく思う。子どもたちのため、地域発展のため今後も頑張ってほしい」とますますの活躍を期待。
瀧野さんは「新たな顕彰の第一号ということでとてもうれしい。すてきな賞を頂いたことはすでに保護者も知っていて、県スポ少創立50周年で受賞した時のように祝ってもらえるのかなと今から楽しみにしています」「串本の保護者はいい方ばかりで、いつも助けてくれる。私と選手と家族が三位一体になって頑張ってこられたのは保護者のおかげだと毎年感謝しています」と受賞の喜びを語った。
懇談では、30年来の経験で培った厳格なるも堅実に達成感を選手と家族に託す指導方針やその反響、初の経験となる4、3年生7人チームの現況やそのような状況でも夏休み期間恒例の主催大会「本州最南端串本町少女バレーボール交流大会」の実施を目指していることを報告。田嶋町長は今後の団員増を祈りつつ、県内外から参加があり県大会以上の規模となっている主催大会実施時は町も協力するので相談してほしいと歩み寄った。
(2021年4月2日付紙面より)
市立王子幼稚園が閉園 (新宮市 )
昨年4月から休園していた新宮市立王子幼稚園(山本眞也園長)が、3月31日をもって63年の歴史に幕を下ろし、閉園することとなった。再開を望む声もあったが、令和3年度の入園希望者が再開人数に満たなかったことから、正式に閉園が決定された。
1958(昭和33)年1月に市内で4番目の幼稚園として王子小学校(当時)の敷地内に開園した同園。蓬莱幼稚園の園児51人が転入する形でスタートし、これまで4474人の卒園児を送り出してきた。
ピーク時の79(昭和54)年には就学前の1年間は幼稚園で学ぶという市独自の幼児教育スタイルの下、138人もの園児が在籍した。しかし近年の少子化や共働き世代の増加によるニーズの変化で園児数が徐々に減少。2019(令和元)年度には11人となり、休園となった。
「同じ敷地の中で、児童と園児が互いに行き来して交流する。これが学校にとって一番の価値だった」と語るのは、隣接する市立王子ヶ浜小学校校長と兼任で園長を務めた山本園長。小学校との密接な関わりの中で教育活動をしてきた同園は、園児の入学体験や合同運動会、5、6年生の総合学習、6年生を送る会など、さまざまな場面で園児・児童の交流の場を設けていた。
山本園長はスモモ狩りや遠足、神倉山登山などの園外保育で園児たちと過ごした日々を懐かしみ「閉園は残念の一言。園の活動と関わる中で、遊びを通して成長を図る幼児教育の大切さに気付かされ、素晴らしい経験となった」と閉園を惜しむ。本年度は山本園長にとっても37年間の教師生活を終える節目の年。園舎跡地の利用方法は未定だが、「児童が地域住民や高齢者などさまざまな人と交流する場になったらいいと思う」と語った。
市教委は閉園に当たり、卒園生らのメッセージや思い出の写真などを集めた「王子幼稚園閉園記念誌」を発行。市役所教育政策課で希望者に配布している。
(2021年4月1日付紙面より)
ボランティアスクール開校 (紀宝町 )
紀宝町社会福祉協議会は3月30、31の両日、町福祉センターでボランティアスクールを開講した。小中学生12人が県立木本高校青少年赤十字(JRC)部(市川芹部長)の部員27人の協力の下で車椅子体験を行い、福祉やボランティアについて学びを深めた。
体験を通じて楽しく学習し、ボランティア活動に興味を持ってもらうことが目的。例年、夏に開催しているが本年度はイベントや宿題が少なく、ゆとりをもって参加できる春休みに実施した。
JRC部は「気付き、考え、実行する」のモットーの下、救急包帯法講習の受講や募金の呼び掛け、福祉施設のイベントへの参加などを通じて福祉や平和への貢献を目指すクラブ。部員数人が初級手話教室に参加したことがきっかけで町社協とつながりができ、スクールへの協力が実現した。
30日は町社協の名取雅博さんが福祉の意味を説明。「ふくし」の頭文字を取って「『ふだんの、くらしを、しあわせに』すること」と言い「災害や戦争、新型コロナウイルスなどで普段の暮らしができなくなっても、一つのアイデアや行動をプラスすることでつらい状況の人を幸せにできる」と語った。
認知症について中野大さんが「覚えられない、考えるスピードが遅くなるといった中核症状は変えられないが、道に迷ったり、気分が落ち込んだりする症状は周りの人の助けで改善できる」。JRC部員と寸劇を交えながら認知症患者の頭の中で起こっていることや適切な接し方を伝えた。
車椅子体験では参加者が2人一組になり、段差や三角コーンなどの障害物を乗り越えて同センター裏の津波避難場所へ向かった。特に砂利道では車椅子の扱いに苦戦する様子が見られた。
参加した浦地祐奈さん(矢渕中2)は「車椅子を押す時は、乗っている人の感じ方が分からず不安だった。乗る側になった時は少し怖かったけれど、頑張って押してくれることがうれしく、ありがたいと感じた」と話していた。
(2021年4月1日付紙面より)
4月1日運行開始を前に (串本町 )
串本町が3月31日、役場古座分庁舎でコミュニティバス佐部・上田原線に導入する新車両・ノンステップバスのお披露目に臨んだ。このバスは町民寄付を活用して取得し、絵本作家のやのともこさんと田原小の児童が合作したロケットの絵をラッピング。同潮岬線へ導入する同じ車種とともに、1日付で導入するとしている。
このバスは立席を含め乗客定員28人の小型路線バス。ノンステップ部分の床面は地上高31㌢で乗降時にさらに5㌢下がる設計となっている。佐部・上田原線のボディーカラーはピンクで、ラッピングは前述した通り。潮岬線のボディーカラーはグリーンイエローでラッピングは路線にちなんだ写真としている。
町民の要望に応えるための試行として本年度、潮岬線を対象にし自治総合センター「(宝くじ)コミュニティ助成事業」を活用してまず取得。時期近しく佐部・上田原線沿線在住の井沼和代さん(89)から1000万円の寄付があり、込められた思いに応えるため同線も当初未定としていたところを前倒しで取得することにし、結果2台同発で導入するに至った。
お披露目にはやのさんと井沼さん、試乗第1号として招待した私立上野山こども園の4歳児28人らが立ち会い。田嶋勝正町長は「(二つの路線とも)町民の皆さん、特にお年寄りの方に喜んでいただける路線バスになると思う。串本町で愛され皆さんにご利用していただけるバスにしていきたい」と意気込んで導入を喜んだ。
車両1台に要した導入費用はラッピングなどを含めて約2000万円で、現行のマイクロバスの約2倍規模。運行委託を受ける串本タクシー株式会社によると路線バス前提の設計でマイクロバス以上の長寿命が見込めるそうで、役場企画課は更新整備の長周期化と利用の推進により費用差を極力埋めたいとしている。
和深線は一部通行困難な区間があり、現行の車格による更新整備を想定。出雲・大島線は7月実施の運行見直し時に車格を13人乗りに変更し須江漁港まで路線延長した大島線に変更する予定で、その時に出雲区間は潮岬線に統合する方向で検討を進めているという。
(2021年4月1日付紙面より)
宇久井ビジター「竹の子ウオッチング」 (那智勝浦町 )
「竹の子ウオッチング&温泉入浴」が3月28日、那智勝浦町宇久井半島の宇久井ビジターセンター園地で始まった。雨模様の天候だったが作業中に降り出すこともなく、旬のタケノコ掘りを楽しんだ。4月18日(日)までと5月30日(日)から6月13日(日)までの毎週日曜午前10時から、小雨決行で実施する。
この体験プログラムは、半島の自然保護活動を展開する「宇久井海と森の自然塾運営協議会」主催の人気企画で初日は紀宝町、新宮市、那智勝浦町から大人13人と児童5人が参加。スタッフの泉収平さんから「滑りやすいので足元に気を付けて」など注意を受けてビジターセンター近くの竹やぶに移動。地上に数㌢顔を出したタケノコを探しては、掘り返し作業に励んだ。
友人に誘われて参加したという紀宝町の青柳良隆さんと結愛(ゆめ)さん(鵜殿小1)親子は、タケノコを掘るのも初めてという。硬い地面に苦労していたが、結愛さんは「大変だけど面白いし、大丈夫」と話しながらくわを振るった。この時期にはモウソウダケが収穫でき、5月末からの後半にはマダケに移る。この日に収穫したタケノコは、参加者に分配された。
企画には、休暇村南紀勝浦の温泉入浴とタケノコ料理がセットされている。温泉で太平洋の景色を眺めながら汗を流した後は、前日にスタッフの届けたタケノコが煮物、揚げ物、酢の物、汁物などさまざまに調理され、空腹を満たした。
(2021年4月1日付紙面より)
新宮バレーボールスポーツ少年団 (進め!!青春 )