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2022年04月20日
1 台風通過などが原因か
 熊野川などで水位上昇  (紀南河川国道事務所 )

 新宮市や紀宝町の新宮川水系で17日から18日にかけて水位が上昇し、市田川や相野谷川において17日、水防団待機水位に達した。新宮市の熊野速玉大社裏の熊野川河川敷では堤防近くまで水が迫り、近隣住民は「大雨も降ってないのになんで」と不安げな表情を浮かべていた。

 河川を管理する国土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所では、市田川(下田観測所)、熊野川(成川観測所)、相野谷川(高岡観測所)の3カ所に「避難目安の水位ライン」を設置。同事務所ホームページで24時間ネット配信しており、洪水時にはスマートフォンなどで避難目安を確認することが可能となっている。

 17日から18日にかけては市田川と相野谷川の基準観測所でそれぞれ白色の水防団待機水位を突破。熊野川の成川地点でも同水位に達する勢いで川の水が河口側より上昇。散歩のためによく熊野川河川敷を訪れる近隣住民は「散歩に来たけど水が来ていて、無理だと思って引き返してきた。海から水が逆流しているのでは」と困惑。市田川流域でも不安げな顔で川をのぞき込む住民らの姿があった。

 同事務所は水位が上昇した理由として「先週中ごろから発生した大潮と、時期を同じくして太平洋側を通過した台風1号の影響では」と見解。台風の影響で波が押し寄せたが、雨が降らなかったことから河口に砂がたまり、河川の水をせき止めている状況にあるという。

 雨が降れば自然に水が流れる道ができるとのことだが、同事務所では人工的に筋を入れ、砂州が開口しやすいように処理する段取りを計画しており「川の監視は常にしている。地域の方々には不安を感じさせてしまっているが安心してほしい」と話している。

(2022年4月20日付紙面より)

さまざまな要因が重なり、水位が上がった=18日、新宮市の熊野川河川敷
市田川の様子=同日
2022年04月20日
2 大きな成長願って
 高田川などに稚アユ放流  (熊野川漁業協同組合 )

 アユ釣りシーズンを前に熊野川漁業協同組合(大嶋邦嗣組合長)は18、19の両日、管内流域に稚アユ計1500㌔を放流した。

 18日には四村川350㌔、赤木川上流250㌔、同川下流200㌔、19日は大塔川350㌔、三越川100㌔、本宮と敷屋で各50㌔を放流。新宮市の高田川では、同組合高田川地区の岡根良安さんら8人が体長7~10㌢の稚アユ150㌔を丁寧に放していった。

 岡根さんは「天候にも恵まれ、無事に放流を終えることができて安心しています。稚魚のサイズも思っていた以上に良かったので、これから大きく成長してくれるのが楽しみ。新型コロナウイルスも油断できない状況にあるため、アユ釣りが解禁になった際には感染対策をしっかりと施していただき、楽しんでもらえれば」と話していた。

(2022年4月20日付紙面より)

丁寧に稚アユを放流する組合員=19日、新宮市高田
2022年04月20日
3 総会で解散の節目つける
 更生保護女性会古座分会  (串本町 )

 串本町更生保護女性会古座分会(川名千代美会長、会員29人)が18日に町民文化センターで本年度総会を開き、会計の精算方針を決めるなどして解散の節目をつけた。

 同分会は2000年5月に旧・古座地区更生保護婦人会として発足。03年に旧・古座町更生保護女性会となり、05年の自治体合併後は同分会として活動を続けてきた。

 解散は川名会長以降の後任が見いだせない状況やそれを踏まえて今年1月に実施した会員対象アンケートで過半数が脱退の意向を示した状況を受け、役員会で判断。前年度末で県更生保護女性連盟を脱退し、新型コロナウイルスの情勢で年度をまたぐ形となったが本年度総会を最終の活動として開くこととした。

 当日は会員18人が出席。御歌・綱領・県連盟歌を静聴して更生保護女性の精神を振り返った後、川名会長は解散のいきさつを報告し「会員同士が気心の知れた仲で、無理をしないで楽しみながらをモットーにボランティア活動を目指してきたいい団体。会長として解散だけは回避したかったが、できなかった。解散後も今までの更女の活動で培ってきたことを生かし、適度なおせっかいおばさんとして自分にできることを地域の中で生かしてほしい」と思いを伝えた。

 来賓として田嶋勝正町長、潮﨑伸彦教育長、牟婁保護司会の生熊和道会長、町福祉課の高岡茂樹副課長が出席し、田嶋町長は「地域にとっても行政にとってもさみしく残念。22年間の尽力にお礼申し上げ、これからも(それぞれの立場で)地域の安全安心のために尽力いただきたい」と願い、旧古座町域の展望を伝えて最後まで会員であり続ける状況を添えた。

 潮﨑教育長も同様に町内の青少年の現況を伝え添えて協力を求め、生熊会長は同保護司会が同分会とともに積んだ研修の思い出を振り返り「罪を憎んで人を憎まず」の精神を今後も生かすことを願うなどした。

 東嘉容副会長を議長に立てて前年度の事業報告案や決算案を承認し、アンケート結果を確認。会計の残額精算については川名会長から串本分会へ入会する10人で決めてほしいと提案があり、それを承認した。

(2022年4月20日付紙面より)

解散の経緯と思いを伝える川名千代美会長=18日、串本町民文化センター
総会に出席した会員の皆さん
2022年04月20日
4 悠々と泳ぐこいのぼり
 まなびの郷で「バルーン展」  (紀宝町 )

 5月5日の「こどもの日」を前に、紀宝町生涯学習センターまなびの郷にこいのぼりが登場した。施設内のエントランスでは「こいのぼりバルーン展」が始まり、119匹のかわいいこいのぼりが訪れた人たちを楽しませている。

 正面玄関のポールでは、10匹のこいのぼりが春風に吹かれ、気持ち良さそうに泳いでいる。いずれも同5日(木・祝)までで、開館時間は午前9時~午後9時。

 MANABI☆ボランチ(千葉寛訓代表)が取り組んだ。バルーン展は、地域との触れ合いイベントとして初開催。うどの幼稚園と鵜殿保育所に依頼し、全園児がこいのぼりバルーンに色を塗り、カラフルな作品を完成させた。

 MANABI☆ボランチは、町民の生涯学習の推進、子どもの居場所づくりをはじめ、ボランティアイベントなど各種事業を展開しており、新型コロナウイルスの影響で活動が制限されてきたが、昨年は「ハロウィン仮装フォトコンテスト」を開催した。

 来年度以降もバルーン展を継続する予定で、他の保育所にも協力を依頼するという。

 屋外のこいのぼりは、通学や散歩などで近くを通る子どもたちに、こいのぼりを見てもらおうと、昨年に続いて飾った。

 まなびの郷は高台にあり、鵜殿運動場を利用する子どもや高齢者らも眺めていた。MANABI☆ボランチのスタッフは「近くにお立ち寄りの際は、ぜひご覧ください」と呼びかけている。

(2022年4月20日付紙面より)

園児の作品が並ぶ「こいのぼりバルーン展」=18日、紀宝町生涯学習センター「まなびの郷」
今年も登場したこいのぼり
2022年04月20日
5 福嶋信清さんが優勝
 2022年度スクラッチ杯  (那智勝浦ゴルフ倶楽部 )
2022年04月20日
6 下里・宇久井合同が制す
 県中学校サッカー選手権大会  (東牟婁予選 )
2022年04月20日
7 JUNTOSが好スタート
 県クラブユースU―15サッカー選手権  
2022年04月20日
8 小6・中3を対象に実施  全国学力・学習状況調査  (新宮・東牟婁 )
2022年04月20日
9 通学利用の生徒に動揺  JR新宮―白浜間の赤字  
2022年04月20日
10 必要とする人のために  勝浦LCが献血奉仕活動  (那智勝浦町 )
2022年04月20日
11 ダンスや歌で会場を魅了  丹鶴ホールで「もののけの森のフラメンコ」  (新宮市 )
2022年04月20日
12 上流目指して跳ね泳ぐ  滝の拝でアユの滝越え  (古座川町 )
2022年04月20日
13 本州最南端で愛を叫ぶ  ハルゼミの羽化始まる  (串本町 )
2022年04月20日
14 入賞39作品発表したたえる  文化セで第30回授賞式挙行  (串本海中フォトコン )
2022年04月20日
15 金山が優勝し、県大会へ  県スポ少軟式野球交流大会  
2022年04月20日
16 自慢の庭を公開中!  オープンガーデン熊野  (熊野市 )
2022年04月20日
17 現職、新人の一騎打ち  5日間の選挙戦スタート  (那智勝浦町長選 )
2022年04月20日
18 お悔やみ情報
  
2022年04月19日
19 大漁やコロナ収束願う
 孔島鈴島で例大祭  (新宮市 )

 新宮市三輪崎の孔島(くしま)嚴島(いつくしま)神社と鈴島蛭子(えびす)神社で18日、例大祭が営まれた。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から関係者のみが参列し斎行。孔島・鈴島保護委員会の井上元和委員長や中村武・三輪崎八幡神社氏子総代会長、屋敷満雄三輪崎区長らが航海の安全や大漁、新型コロナ早期収束などを願い玉串をささげた。

 孔島嚴島神社の主祭神は海路を守護する神として信仰を集める市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)。鈴島蛭子神社の祭神は漁港を見守る大漁の神である蛭子命(ひるこのみこと)とされている。孔島と鈴島は南紀熊野ジオパークを構成するジオサイトに認定されており、孔島嚴島神社の石造物は、2017年に日本遺産「鯨とともに生きる」に追加登録されている。

 毎年、大勢の地域住民が参加している餅まきは、新型コロナ情勢を踏まえおととし、昨年に引き続き今年も中止に。熊野速玉大社の佐藤仁迪(ひとふみ)権禰宜(ごんねぎ)が斎主を務め、しめやかに神事が営まれた。

 井上委員長は「今日は風が強いが雨も降らず、天候に恵まれて良かった。本来なら多くの地域住民にご参列いただき、美しい三輪崎の海を見てもらいたいが仕方ない。大漁と新型コロナの一日も早い収束を祈りました」。

 孔島・鈴島や周辺の自然保護を主たる目標に定めて活動を展開する同委員会。井上委員長は「漁協組合職員が美化活動に協力してくれておりありがたい限り。しかし、同所に流れ着くプラスチックごみは後を絶たない。一人一人の意識が大事。ポイ捨てはやめてほしい」と話していた。

 例大祭は毎年、旧暦の3月18日に営まれている。

(2022年4月19日付紙面より)

一時的にマスクを外し記念撮影に応じた=18日、新宮市三輪崎の嚴島神社(孔島)
関係者らが玉串を供え、大漁やコロナ収束などを祈願
2022年04月19日
20 通学路で安全意識促す
 古座小前で取り締まり  (新宮警察署 )

 串本町中湊、串本町立古座小学校正門前で18日早朝、新宮警察署による可搬式速度違反自動取締装置(通称・可搬式オービス)を用いた速度違反の取り締まりがあった。

 通学路における通行車両の交通法令順守意識の向上、ひいては通学する児童を保護することが目的。同署は管内にある学校の第1学期始業に合わせてこの取り締まりを始め、ほぼ連日の実施で目的の推進を図っているという。

 古座小正門前の県道は法定速度(自動車の場合は毎時60㌔)が適用されていて、利用者相互の配慮が交通事故の抑止に大きな役割を果たしている。同装置による取り締まりを要する状況はほぼないと判断し、この日は車両通行を妨げずかつドライバーから目に付きやすい位置に同装置を配置し警察官3人も同装置横やその周囲で姿を見せるなど、ドライバーの意識喚起に重点を置き登校時間帯に合わせて活動した。同時に日々の交通状況をじかに見届け、交通安全面での課題を探ることにも努めていた。

(2022年4月19日付紙面より)

可搬式オービスを据えてドライバーの意識喚起を図る新宮警察署の警察官=18日、串本町中湊
2022年04月19日
21 大漁や地域発展を祈願
 目覚山水底神社で明神祭  (那智勝浦町 )

 大漁と海上安全を祈願する明神祭が17日、那智勝浦町宇久井の目覚山(めさめやま)水底(みそこ)神社で営まれた。参列者は海上安全や地域の発展などを祈願した。

 同神社の御神体は獅子頭、社殿横の大きな岩、蛇など複数の説がある。このうち蛇については、1286(弘安9)年5月に伊勢方面から入港する船に乗り込み、目覚山に鎮座したと伝えられる。社殿は1961(昭和36)年に造営されたが、90(平成2)年の9月から11月にかけて上陸した4回の台風で全壊。今の社殿は92(平成4)年4月に竣工(しゅんこう)した。

 祭りは旧暦3月14日の前の日曜日に開かれるという。かつては船主が祭主となり、後には宇久井神社宮司に受け継がれてきたが、95(平成7)年度からは区が実施している。神社には中路進総区長をはじめ、宇久井漁業協同組合、宇久井青年会、区の役員や漁業関係者など、合わせて約20人が参拝に訪れた。

 神事は熊野那智大社から出仕した神職によって営まれた。今年は、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、宇久井青年会による獅子神楽の奉納はなかった。参拝者一人一人には「目覚山神符」と餅が配られ、それぞれが安全操業の誓いを新たにした。

 中路総区長は「海上安全や大漁祈願、地域の発展に加えて、新型コロナウイルス終息も祈願しました。近年は一般参拝者が減っていることを懸念している。目覚山は素晴らしい場所なので、ぜひ区民の皆さまにも知っていただけたら幸いです」と話した。

(2022年4月19日付紙面より)

参列者の皆さん=17日、那智勝浦町宇久井の目覚山水底神社
神事の様子
2022年04月19日
22 潮風受けて名車が疾走
 ラ・フェスタ・プリマベラ  (新宮・東牟婁 )

 クラシックスポーツカーの公道ラリー「ラ・フェスタ・プリマベラ2022」が15~18日に開催された。16日には56台が出走し、那智勝浦町のブルービーチ那智、太地町立くじらの博物館、串本町の潮岬観光タワーを通過。ランボルギーニ(イタリア)やジャガー(英国)、ポルシェ(ドイツ)などの名車を一目見ようと集まった地域住民らが、沿道から旗を振って歓迎した。

 「古いものに敬意を」「いくつになっても心・少年」「イベントに関わる全ての人と友情の輪を広げる」の精神の下、2009年に始まったイベント。毎年春に開催されることから、イタリア語で春を意味する「プリマベラ」の名を冠している。株式会社フォルツァ主催。

 今年のラリーは愛知県名古屋市の熱田神宮をスタートし、2府5県の約1250㌔を走ってゴールの京都府京都市の岡崎公園へ向かう。

 16日は好天に恵まれ、ルーフ(屋根)をオープンにしたクラシックカーが潮風を受けて沿岸部を疾走。ブルービーチ那智のチェックポイントでは、地元の観光パンフレットや那智黒あめなどの土産を受け取った。

 普段は目にすることのないクラシックカーの姿に、地元の子どもたちも大喜び。武内弥那人(みなと)君(勝浦小2)は「車が大好き。5番や33番の車がかっこよかった」と笑顔で話していた。

(2022年4月19日付紙面より)

チェックポイントを通過するクラシックカー=16日、那智勝浦町のブルービーチ那智
土産を手渡して歓迎
2022年04月19日
23 晩春の陽気受けて色づく  各地でフジの花咲き進む  (串本町・古座川町 )
2022年04月19日
24 実釣指導で愛好を後押し  フライフィッシング教室  (七川漁協 )
2022年04月19日
25 近大新宮が3回戦進出  串本古座、新翔は初戦突破ならず  (春季高校野球県予選 )
2022年04月19日
26 コロナが再拡大傾向  ワクチン接種の進捗は  
2022年04月19日
27 選挙に向けて準備進む  ポスター掲示板設置  (那智勝浦町長選 )
2022年04月19日
28 「来年はぜひ見に来て」  満開終えた瀧岡さんの桜  (那智勝浦町 )
2022年04月19日
29 色とりどりのツツジ咲く  新宮港第二期緑地帯  (新宮市 )
2022年04月19日
30 1年生の自転車をチェック  紀南高校で安全点検  
2022年04月19日
31 定数12に現新14人が立候補  2人超過の選挙戦に  (熊野市議選 )
2022年04月19日
32 花を植え絆深める  三重県民の日プロジェクト  (紀宝町 )
2022年04月19日
33 地域に笑顔呼ぶ「本宮祭」 熊野本宮大社 
2022年04月19日
34 お悔やみ情報
  
2022年04月01日
35 航海安全や大漁願い見送る
 商業捕鯨で第7勝丸出港  (太地町 )

 太地町漁業協同組合(脊古輝人組合長)の捕鯨船「第7勝丸」(32㌧、竹内隆士船長、乗組員5人)が3月30日正午、4年目を迎えた商業捕鯨を行うために太地漁港を出港した。船員の家族や関係者らが大勢駆け付け、無事を祈りながら手を振り見送った。

 第7勝丸は3日(日)からの操業開始に向け、千葉県を目指す。房総沖では1隻のみでツチクジラ漁を実施する。同漁協によると、通常6~7月に行うツチクジラ漁を4月に実施するのは初の試みだという。

 その後は5月ごろに青森県で、千葉県と宮城県の船合わせて4隻が共同でミンククジラ漁に取り組む。続いて、6月には北海道網走市において共同でミンク漁、7、8月も釧路市にて共同でミンク漁、9、10月は千葉沖にて、第7勝丸のみでツチクジラ漁を行うとしている。帰港は11月初旬を予定している。

 昨年は国が定めるミンククジラの漁獲枠120頭より少ない91頭だった。同漁協は、海水温の上昇などが捕獲頭数に影響したと要因を挙げた。また、今年の漁獲枠はミンククジラが110頭で、ツチクジラが16頭となっている。

 水産庁の許可が下りれば、10月中に宮城県でニタリクジラ漁(2頭のみ)を実施する可能性もあるとした。今回は31日未明に出港予定だったが、天候を考慮しこの日の出港となった。

 出港を見送った同漁協の〆谷(しめたに)和豊参事は「安全に事故がないように祈るとともに、去年以上に捕れることを期待しています」。同漁協専務理事で日本小型捕鯨協会の貝良文会長は「海水温の上昇は数年続くこともあり、コロナ禍で価格が付きにくいなど商業捕鯨の開始後は苦労が続いている状況。天候が良ければ捕れるため、今年はぜひ大きくておいしいクジラがたくさん捕れることを願っています」と話した。

 竹内船長は「最近ではスーパーで生のミンクが売っているため、購入する人の姿を見ることもある。昨年は天候が悪く目標頭数に届かなかった。今年は持ち枠いっぱいまで捕獲できればうれしい。事故なく、頭数も捕れて安全に帰ることができれば」と語った。

(2022年4月1日付紙面より)

出港する第7勝丸の航海無事と大漁を願って関係者らが見送った=3月30日正午、太地町の太地漁港
2022年04月01日
36 手厚い看護の体制づくり構築
 1日、HCU開設  (新宮市立医療センター )

 新宮市立医療センター(中井三量院長)は1日から、3階に新宮東牟婁医療圏で初となる高度急性期病床(HCU)を開設する。病床は5床(面積=314・9平方㍍)を新設。発症直後で重症化リスクの高い患者や、手術後の全身管理が必要な患者などに対し、より手厚い看護を行う体制づくりを構築していく。

 HCUは「High Care Unit」の頭文字を取ったもので、日本語では「高度治療室」「準集中治療管理室」と訳される。集中治療室(ICU)と一般急性期病棟の中間に位置するとされているが、分類的には高度急性期病床となる。

 2016年に策定された「和歌山県地域医療構想」には、新宮・東牟婁医療圏について「高度急性期に関しては、奈良県・三重県の隣接した地域に高度急性期機能を担う病床がなく、高度急性期機能を保有する和歌山圏域・田辺圏域から遠方にある地理的な条件から、圏域はもとより県境を越えた周辺地域の拠点として、新宮市立医療センターに多くの患者が集中している」「高度急性期機能を備えた医療機関から遠方となる新宮圏域としては、25年の必要病床数としては44床との推計があり、この地域において高度急性期病床(44床)を担っていくべきとの意見が新宮保健医療圏構想区域検討会で決定された」と記載されている。

 HCUの新設に当たり、4人部屋6室を改修。入院対象者は手術後の全身管理が必要となる患者や、事故などによる危篤な救急患者となる。これまでは3階の手術室から各階の観察室に患者を移送していたが、同階にHCUが開設されることによりフロア内での移動が可能に。

 生体情報モニタリングシステムや人工呼吸器、ICUベッドなどの医療機器が設置されており、専属の看護師長1人と看護師20人が配置される予定となっている。

 総事業費は約2億8000万円(本体工事費1億9800万円、医療機器など購入費8200万円)。財源は県補助金1億1200万円、企業債1億6600万円、内部留保資金200万円。工期は昨年7月16日から今年3月7日。

 中井院長は、救急専門医の確保などの課題を挙げつつも「新年度からの開設に間に合って良かった。県の補助金を頂いて運営できるようになった。(医師確保に対して)当センターに来ていただけるように、今後も活動を続けていきたい」と話していた。

(2022年4月1日付紙面より)

1日から、3階にHCUが開設する=3月30日、新宮市立医療センター
HCUについて解説する中井三量院長
2022年04月01日
37 5G経由でいけすを遠隔監視 近畿大学とNTTドコモが実証実験 (串本町)

 学校法人近畿大学と株式会社NTTドコモが3月30日、串本町串本沖で第5世代移動通信システム(通称・5G)と水中ドローンを活用して完全養殖クロマグロを飼育するいけすを遠隔監視する実証実験に取り組んだ。

 2020年に両者で締結した「5Gの推進、『スマートシティ・スマートキャンパス』創造に関する包括連携協定」に基づく取り組みで、同町域では昨年9月にくしもと町立病院―同大学病院間で実施した遠隔医療支援以来の実証実験となる。

 同支援時は移動基地局を据えてローカル5Gの通信環境を確保したが、以降昨年末に大字串本一帯でNTTの商用5Gが開局。今回はその通信環境をさっそく活用し、同大学水産研究所大島実験場と同大学東大阪キャンパスを結ぶ形で試みた。

 実証内容の目的は養殖業のさらなる効率化(現行でダイバーがこなしている作業の一部代替)で、同実験場は重さ10㌔前後の完全養殖クロマグロを飼育するいけすを実証実験の場として提供。同ドローンのいけすへの投入など不可避の現場作業を図りつつ5G経由で同キャンパスから同ドローンを遠隔操縦し撮影したいけす内の映像をリアルタイム伝送したほか、その映像情報に基づいて作業を指示する想定で別に準備したアーム付き同ドローンの現地操縦者がいけす内の死亡魚(今回の実験では同程度の大きさの模型を使用)を回収する手順も試みた。さらにNTTは、撮影した映像を自社クラウドサービスへ保存し、アーカイブ共有可能とする実証にも取り組んだ。

 同キャンパスで実験に参加した近畿大学水産養殖種苗センターの岡田貴彦センター長は、事前にわずかな映像遅延の説明があったが実際には感じられなかったと遠隔監視の印象をコメント。その映像からダイバーがいけすに入るよりも同ドローンの方が完全養殖クロマグロのストレスは小さいように見受けられた、と今回の実証内容の有用性を見据えるなどした。

 両者は今後も実証内容の検証を重ねて目的に資する成果を目指すとしている。

(2022年4月1日付紙面より)

完全養殖クロマグロのいけす内遠隔監視の実証に臨む実験参加者=3月30日、串本町串本沖
5G経由で伝送した映像の一部(近畿大学提供)
2022年04月01日
38 畝状竪堀群と堀切見つかる
 京城跡の整備で新たに  (紀宝町 )

 2019年、紀宝町指定文化財に指定された同町大里の京城跡(みやこのじょうせき)で、新たに畝状竪堀群(うねじょうたてぼりぐん)と堀切が見つかった。

 京城跡は相野谷川中流域にある平山城跡。紀伊続風土記には1585(天正13)年に豊臣秀吉の臣下、堀内氏善(うじよし)によって建てられたとの記述がある。

 海抜約70㍍の小高い山頂部を中心として、北東の曲輪(くるわ)と周囲に設けられた畝状竪堀や堀切などの防御施設から構成される。当時、山城としては全国的にも希少な石垣造りの城壁も築かれていたことから、かなりの規模と威容を誇る城であったと思われる。

 今年1~2月の下草刈り、間伐、支障木伐採により東側に四つの竪堀、堀切が確認された。町教育委員会では、間伐などで城の形状が分かり始めているとし、来年度も環境整備を続けていくという。

  □     □

■看板制作



 相野谷中学校の新2年生9人は授業「京城跡を学ぶ」で案内看板を制作し、京城跡保存・活用・整備検討委員会の寺尾邦義委員長に託した。1年生だった昨年度、学校近くの京城跡を訪れ、郷土の文化遺産を学習。その際「案内版がなく、文化財に思えない」と感じた生徒たちが発案して看板作りに着手した。スギ、ヒノキの板に「石垣」「竪堀」「堀切」などを彫り、1人1枚の計9枚を完成させた。

 寺尾委員長は「生徒の手作りに価値を感じる。立派な看板で設置場所を検討したい。生徒たちにはこれからも京城跡に関心を持ってもらいたい」と話していた。今後、検討委員会に報告した上で、設置場所などを話し合うという。

(2022年4月1日付紙面より)

新たに見つかった畝状竪堀群(青色箇所)
間伐、支障木伐採が進む紀宝町大里の京城跡
生徒たちが手作りした案内看板
2022年04月01日
39 PCR検査等期間延長  「県民の皆様へのお願い」変更  (和歌山県 )
2022年04月01日
40 永年継続企業と優良店舗表彰  第153回議員総会で  (新宮商工会議所 )
2022年04月01日
41 若者たちの「ヨリドコロ」に  仲之町に若者応援センター開設  (新宮市 )
2022年04月01日
42 優美なシダレザクラが八分咲き  熊野那智大社の内庭で  (那智勝浦町 )
2022年04月01日
43 会社と地域の発展に寄与  優良従業員21人を表彰  (新宮市 )
2022年04月01日
44 堂道橋交差点の改良完成  3月31日付で供用を開始  (串本町 )
2022年04月01日
45 第1回定例会一般質問(終)  古座川町議会  
2022年04月01日
46 暖かい一日を楽しむ  記念通り商店街「本まぐろ祭り」でにぎわう  (熊野市 )
2022年04月01日
47 山神慶子さんら受賞  全国書初展で数々の賞に  (書清会 )
2022年04月01日
48 「平岩桜」たくましく開花  水害耐えたソメイヨシノ  (新宮市熊野川町 )
2022年04月01日
49 お悔やみ情報