丹鶴公民分館が防災訓練 (新宮市 )
新宮市の丹鶴公民分館(西孝分館長)は23日、丹鶴体育館で令和4年度防災訓練を開催した。市防災対策課による「地震に関する出前講座」があったほか、市消防団丹鶴分団が水消火器訓練を展開。市社会福祉協議会による福祉相談、認知症についてのパネル展示もあり、約70人の地域住民が防災意識を高めた。
市、市社協が協力し、地域住民の防災意識の向上を目的に行っている恒例の取り組み。
開催に当たり、西分館長は「ここ2年ほど、新型コロナウイルス感染症やロシアのウクライナ侵攻などがあり、意識が地震から少し離れていたように思う。地震発生は待ったなし。この機会に基本に立ち返り、頭を防災モードに戻していただければ」とあいさつした。
市防災対策課の下地優斗さんが▽過去の地震について▽新宮市に予想される地震▽地震への対策▽個人の対策―の項目に分けて講話を展開。
スライドを使って阪神・淡路大震災(1995年)、熊本地震(2016年)、大阪府北部地震(18年)の被害を振り返り、近い将来の発生が危惧されている東南海・南海地震にも言及。「自分の身を守る行動を」と呼びかけ、家具転倒防止器具の取り付け、住宅の耐震化の重要性を訴えた。
住宅耐震改修事業やブロック塀等耐震対策事業など、市が展開する防災関連支援制度を紹介し、個人の対策として「非常持ち出し袋、家庭内備蓄」「事前に災害リスクを確認する」などを挙げ、市ハザードマップの見方やウェブ版新宮市ハザードマップの使い方についても解説。
旅館等宿泊避難支援事業の活用を推進し、メール・電話・テレホンガイド・公式LINE(ライン)などを活用した防災情報取得への協力も呼びかけた。
(2022年10月25日付紙面より)
イベント「秋の実り笑来市」 (エコ工房四季 )
串本町古座にある社会福祉法人つばさ福祉会(北野好美理事長)の事業所「エコ工房四季」(平原正雄施設長)が22日、敷地内でイベント「秋の実り笑来市(えこいち)」を開き農福連携の関係先や地域からの来場でにぎわいを見せた。
このイベントは、新型コロナウイルスの情勢で以前開いていた地域交流行事「エコ祭り」が開けない中、農福連携で変わりゆく今を地域に知ってもらう方法はないかと考えて形にした企画。
株式会社天然との共催で本年度から始めた出店企画「串本古座四季彩まるしぇ」(現在は新型コロナウイルスの情勢により休止中)の形に「エコ祭り」の謝恩企画と農福連携の一端紹介を上積みした会場を形作り、実施へとこぎ着けた。
当日は「同まるしぇ」出店者と近畿農政局や和歌山県セルプセンターの各コーナーがコの字型に並び、その中央にテーブルとイスを置いて休憩場所を準備。農福連携のアピール要素として「エコ工房四季」と農福連携をしている古座川町の生産者らがトラクターなど愛用の農機具を持ち込んで体験展示し、子ども対象の農機具お絵描きコンテストを実施した。
「エコ工房四季」の利用者は駐車場整理などイベント運営に励みつつ、2コーナー以上利用した来場者を対象に電子レンジや農福連携で生産した米などを景品とした○×クイズを実施し、終盤でのステージ発表で来場や日頃の縁に感謝した。
「エコ祭り」より小規模を心がけたが来場の勢いは予想以上で、前半の午前中だけで約300人が集まったそう。北野理事長は「まずは楽しんでもらい、その中で農福連携に頑張っていることを伝えたくてこのイベントを計画した。大々的にしないよう意識したので、こんなに大勢の皆さんに来ていただけたのは本当に予想外。一人でも多くの皆さんに『エコ工房四季』の今の頑張りを感じてもらえれば」と反響の大きさに驚きつつ、イベントの成果を期待した。
(2022年10月25日付紙面より)
道の駅「たいじ」で物産展 (広域商工会東牟婁協議会 )
北山村、古座川町、南紀くろしお、串本町の各商工会で構成する広域商工会東牟婁協議会(上松也泰センター長)は23日、太地町森浦の道の駅「たいじ」で「熊野のいいもの集めました」と題した物産展を開いた。各地域の名物を目当てに県内外から来場した多くの人でにぎわった。
物産展は、伴走型小規模事業者支援推進事業の一環で2013年から実施する恒例の催し。同協議会では商談会への参加や地域内外の物産展開催を通して、事業者の学びや販路拡大などの支援に努めている。
今年は3町1村から5店舗が出店。じゃばら加工品やケーキ、ホルモン焼き、おまぜ、サーターアンダギーなど、地域色や個性豊かな商品が店先に並んだ。
上松センター長は「安定してお客さんが来てくれた。地元の人が多かった印象」。
「今回は勝浦からの出店がなかったが、マグロの珍しい部位やじゃばら加工品など、地域を表したラインナップになっていると思う。天候にも恵まれて良かった。いい日和だったと思います」と話していた。
(2022年10月25日付紙面より)
熊野修験の特別得度式 (那智山青岸渡寺 )
熊野修験特別得度式が22日、那智山青岸渡寺であった。熊野修験の34人が参加、戒律を守ることを誓い、髙木亮英正大先達(しょうだいせんだつ)(那智山青岸渡寺住職)より戒名を授かった。九字の切り方を教える、熊野修験特別九字伝法式も、同寺境内にある大黒堂に場所を移して行われた。
熊野修験再興35周年・那智山青岸渡寺第九世髙木亮英大僧正晋山記念として実施した。得度式は、仏門に入り僧侶になるための儀式。熊野修験の得度式では、髙木正大先達が戒律を守るかを問い、参加者がこれを守ることを誓って、戒名を授かった。参加者は、何度も頭を床に付け、一心に拝むなどしていた。
髙木正大先達は「熊野修験の皆さんが、今後より一層、精進されることを祈念する」と述べた。静岡県三島市から参加した佐々木和子さん(46)は「玉置山までだけど、奥駈に何度か参加していたら、誘われて参加することになった。戒名を授かったのは恐れ多く、感謝している。山に入るのは好きで自然信仰にも興味があったので、これがより深くつながる入り口かなと感じている」と話した。
九字伝達式では、髙木正大先達が一つずつ、印の結び方を教えた。参加者は正しい指の重ね方などを、苦心しながら学んでいた。
(2022年10月25日付紙面より)
ライドオンすさみ実施 (古座川町 )
スポーツフェスティバル「サイクルアドベンチャー南紀ライドオンすさみ2022~古座川ラウンド」が16日にあり、参加者約600人(主催者発表)がすさみ町~古座川町~串本町にまたがるコースを順次通過し沿道の注目を浴びた。
この祭典は、すさみ町サイクリング大会実行委員会が主催。南紀が誇る山~川~海を網羅するロングコース(全長約140㌔)とミドルコース(全長約100㌔)のいずれかを20人前後のグループを結成して走るファンライドで、新型コロナウイルスの情勢によりおととし、昨年と中止を余儀なくされたためこの日は3年ぶりの実施となった。
サブタイトルにあるように、コース距離を確保するため今回も古座川町内を経由(添野川より入り南平から出るルートを設定)。道の駅一枚岩、同瀧之拝太郎(ロングのみ)、虫喰岩(むしくいいわ)に設けたエイドステーション(AS)を巡る流れで参加者が順次通過した。
ASでは給水に加え、小規模だが同町からのもてなしも実施。その運営には古座川町職員や町産品関係の住民、摂南大学の学生らも協力した。他方、スポーツ自転車ならではの多彩さに加えチームユニホームで一丸をアピールし人気アニメキャラクターの仮装でにぎやかすなど華やかに通過した。すさみ町の岩田勉町長は愛用の自動二輪車「町長号」でロングコースの参加者に追従し、古座川町の西前啓市町長と仲本耕士副町長もASで参加者を歓迎。気さくに交流を重ねて目の当たりにするサイクリストの大きな盛り上がりを受け止める町内環境の充実が必要と思いを巡らせつつ、送り出すなどした。
(2022年10月20日付紙面より)
ウミガメ公園がモニターツアー (紀宝町 )
紀宝町井田の道の駅「紀宝町ウミガメ公園」で15日、ウミガメ飼育員体験のモニターツアーがあり、県内と愛知県からの参加者が餌やりや甲羅磨きなどを体験した。
7月に県が取り組む「拠点滞在型観光×三重」ブランディング事業の採択を受け、今月までの3カ月間、旅行会社と7回のミーティングを重ね、体験ツアーを企画してきた。
モニターツアーは、9~15歳の参加対象者の意見を聞き、今後実施する予定のツアーに生かすことが狙い。
この日、参加者は公園内で飼育されているカメの餌作り、餌やり、甲羅磨き、プール清掃などに取り組み、ウミガメ保護活動も学んだ。
終了後、ウミガメ公園の竹鼻歩駅長は「参加者の皆さんが楽しんでくれてうれしかった。ツアーの時間配分は良かったが、他の来館者さんとの区別が必要だと感じた。今後のツアーに向けて改善していく」と話していた。
(2022年10月20日付紙面より)
くまのワーク&カレッジ (太地町 )
一般社団法人ネクストは10日、太地町太地(平見地区)の多機能型事業所「くまのワーク&カレッジ」のオープニング見学会を開催した。宇佐川彰男教育長や町職員、和歌山県立みくまの支援学校、保護者や関係者などが出席する中、管理者でサービス責任者の牧戸範彦さんが同施設の特徴や取り組みなどを紹介した。
同施設は就労継続支援B型事業である「くまのワーク」と自立訓練(生活)事業の「くまのカレッジ」が合わさった多機能型の事業を展開している。
くまのワークでは青年の働く場をコンセプトに、すしのラベル貼りや割り箸の組み立て、材料の加工、ミカンの袋掛けで使用する袋を伸ばすなどに取り組む。
くまのカレッジでは、自立に向けて、生活に必要な力を身に付ける青年の学びの場で、利用期間は2年間としている。
なお、現在、自立訓練事業所は新宮・東牟婁地域では同施設のみとなる。今後、カフェも開き、地域との交流を深めることなどを目標として掲げているという。
見学会は元々、9月23日に実施予定だったが、荒天のため延期となっていた。この日は利用者による太鼓演奏で幕を開け、牧戸さんが施設の概要や活動などを説明・報告した。みくまの支援学校の職員らによる演奏や歌が披露され、その後は施設の見学も行われた。
来賓の宇佐川教育長は「おめでとうございます。皆さまの力を合わせて立派な施設にしてください」とあいさつ。
利用者らは「新しい建物ができて良かった。行事や今できないことも、一生懸命に頑張るぞ」と抱負を述べた。
牧戸さんは「利用者の皆さんや職員と共に頑張っていく。今後は地域の方々と交流していきたいです」と語った。
問い合わせなどは「くまのワーク&カレッジ」(電話0735・29・7551)まで。
(2022年10月20日付紙面より)
レザークラフト教室 (新宮市 )
新宮市教育委員会の主催する教養講座として、レザークラフト教室が18日、新宮市の春日隣保館であった。市内外から10人が参加、皮革を縫い合わせ、ミニ巾着ポーチを作った。
太田惠造さんが講師を務める人気講座で、これまでにも何度か行われている。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、例年は15人ほどで行っていたが、今回は定員を10人とした。
皮革は、赤茶と焦げ茶の2種類があった。すでに裁断され、糸を通す穴が開けられており、参加者は太田さんの指導を受けながら、側面同士や側面と底面を縫い合わせていった。
糸を通す針は2本あり、これを交互に刺して縫っていた。交互に縫うことで、糸がすり切れたりしても、ほどけていかないという。太田さんは「穴を見落としてとばさないよう、注意して」と指導。参加者は見逃さないよう目を凝らしながら、慎重に縫っていた。
この日唯一の男性の参加者だった、那智勝浦町天満の井関英之さん(38)は「初めて参加した。難しいけど面白い。普段は針仕事をすることはなく、子どもの縫いぐるみのほつれを直すぐらい。完成したら子どものおやつを入れて、お出かけのときに持ち歩きたい」と話した。
なお講座に先立ち、人権学習の映像上映があった。参加者は視聴を通し、人権尊重の意識を高めた。
(2022年10月20日付紙面より)
世界遺産プロレス熊野那智伝説 (那智勝浦町 )
那智勝浦町那智山の那智の滝・三重の塔前特設リングで16日、「世界遺産プロレス熊野那智伝説 那智の滝大会」が開催された。同町観光大使で「那智の滝」と名付けた得意技を持つプロレスラー・崔領二(さい・りょうじ)選手の他、総勢21人が力と技のぶつかり合いで観客を魅了した。
2007年の第1回大会から15年ぶりに実現。崔選手が代表を務めるランズエンドプロレスリングが主催し、那智山青岸渡寺、熊野那智大社、那智勝浦町、(一社)那智勝浦観光機構、勝浦ライオンズクラブ、南紀くろしお商工会、(一社)新宮青年会議所の後援を受けて開催にこぎ着けた。
開会に当たり髙木亮英住職が「世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』にもなっている当地は、古くから日本第一霊験所として多くの人々が訪れ、最高の修行の地とされてきた。選手、また参集の皆さまが心身ともに健全であられることを祈っている」とあいさつ。
試合前にはTeam雅龍によるよさこいや新宮ジュニアレスリングクラブの子どもたちの「ちびっ子プロレス体験」などの余興もあった。
地元からは古座川町の「闘う観光協会長」ことジャイアン貴裕選手が、KAMIKAZE選手、旭志織選手と共に第3試合「NCK世界6人タッグ選手権」に出場。観客から「負けるなジャイアン!」と声援が飛んだ。
第5試合では崔選手、ディラン・ジェイムス選手、兼平大介選手がほら貝とともに三重の塔から入場。土肥孝司選手、熊嵐選手、石切選手チームと1時間にわたる激闘を繰り広げ、最後は崔選手が「那智の滝」からの片エビ固めで勝敗を決した。
試合後、崔選手は「ここ熊野は蘇(よみがえ)りの地。全てを失った人、失敗を経験した人が、何度だって立ち上がり、やり直すことができる場所です。選手全員、熊野が、那智が大好きです。皆さんからもらった元気を、またこの地で恩返しがしたい」と熱く語った。
(2022年10月19日付紙面より)
町道井田本線が1車線に (紀宝町井田 )
紀宝町は紀宝警察署と連携して、井田地区の町道井田本線(通称・旧国道)で車のスピードを抑えるため、グリーンベルトを整備。車道が狭くなったことから、同署は2車線から1車線に変更した。
整備、変更した区間は馬場地交差点から1・2㌔間。小中高校生の通学路、生活道路として車両、歩行者、自転車の利用が多く、以前から町に交通安全対策の要望があった。
要望を受け町では昨年度、紀宝署、井田区、井田小学校、矢渕中学校、井田保育所と協議し、グリーンベルト設置と1車線化を決めた。社会資本整備総合交付金事業として交通安全工事を進め、このほど完成した。
グリーンベルトは、運転者に歩行者や自転車が通行する道路だと分かるための緑色のカラー舗装。町では「緑の舗装でドライバーに注意を促しています。1車線になり、車道が1㍍狭くなりました。制限速度30㌔を守った安全運転をお願いします」と呼びかけている。
紀宝署は生活道路対策の一環として実施。「1車線にしたことで速度抑制につながったのか、今後検証していく。変化がなければ町、地元と協議して追加対策を考えていく。ドライバーは速度を落として歩行者、自転車利用者に気を付けて通行してください」とコメントした。
(2022年10月19日付紙面より)
人権の花運動最優秀賞伝達 (古座川町 )
古座川町立高池小学校(大畑眞校長)で14日に第40回和歌山県人権の花運動写真コンテスト最優秀賞の伝達式があり、額装した賞状と作品が届けられた。
この運動は、和歌山地方法務局・県人権擁護委員連合会・県・県内全市町村・県人権啓発センターで構成する団体「県人権啓発ネットワーク協議会」が主催。博愛や思いやりを花言葉とするチューリップを人権の花と位置付け、みんなで育てることを通して協力や感謝の大切さや生命の尊さを実感し人権尊重思想を含めて情操を豊かに培う目的で県内の小学校(相当する学校を含む)へ通う児童に取り組みを推奨している。
その励みとして実施しているのが花盛りと育てた児童を撮影した写真を対象とするコンテスト。年1回作品を募集していて、今回は114校から応募があり10校を最優秀賞、40校を優秀賞、64校を奨励賞に選んで児童の頑張りをたたえている。
高池小の児童は新入生を迎える花としてチューリップを育てていて、本年度も園芸委員を中心に6年生10人で上級生が植えた苗を引き継ぎ、大切に育てて生き生きとした花を咲かせた。その写真を応募し、前年度に続いて最優秀賞に選ばれた。
この日は同法務局新宮支局の原宏和支局長と新宮人権擁護委員協議会の垣本正道会長が同町担当の人権擁護委員3人と一緒に来校。園芸委員4人が出迎え、原支局長から賞状、垣本会長から作品を受け取った。リーダーの原くるみさん(6年)は「去年の6年生と同じように自分たちももらえてうれしい。来年の6年生ももらえるよう、球根を植え頑張って育てたい」と喜びを語った。
そのような児童とじかに接して原支局長は「少人数なのに一生懸命育て、きれいに咲かせてくれてありがたい限り。これからも思いやりを大切にして育ってくれれば」、垣本会長は「この運動は支局長が伝えた花言葉『思いやり』に尽きる。その気持ちを大事にして来年も頑張って育ててほしい」と今後を期待した。
(2022年10月19日付紙面より)
1月末まで漁続く (新宮市三輪崎 )
新宮市の三輪崎漁港で18日、今期のイセエビが初水揚げとなった。前年比では少ないものの、まずまずの漁獲量だった。漁は来年の1月末まで続く。
和歌山県資源管理課によると、イセエビは5月1日から9月15日までが禁漁期間のため、9月16日ですでに解禁となっている。ただ実際の漁期は資源保護の関係で地域ごとに異なり、三輪崎では今期は17日に初めて刺し網を仕掛けていた。
三輪崎ではかつて、12軒がイセエビ漁を行っていたが、今では6軒となっている。18日はこの6軒の家族など50人ほどが集まっていた。沖から船で運ばれてきた刺し網を引き揚げ、網にかかったイセエビを採取。針の先が逆Jの字に折れ曲がった「カギ」と呼ばれる道具を用いて、足や触覚が折れないように、丁寧に取り外していた。
網から外したイセエビは計量し、サイズごとに選別した。この日の水揚げ量は90㌔強だった。昨年は200㌔程度あったため、半分以下という。水揚げしたイセエビはいけすに入れて海に戻し、元気を取り戻した後日に競りを行うとのこと。
三輪崎漁業協同組合の海野義尊代表理事組合長(72)は「昨年はそこそこ量があったが、今年は少ない。宇久井や古座も少ないと聞く。イセエビだけでなくアワビなども少ない。黒潮が遠い関係で水温が上がり、藻が枯れていった影響ではないか」と話した。
(2022年10月19日付紙面より)
10月から公共交通再編 (新宮市 )
新宮市高田地区では1日から、公共交通の再編が行われる。再編に併せ、同地区では独自に交通弱者らの通院などに対して送迎支援を実施していく計画としており、過疎化や高齢化が進む地域における交通弱者救済モデルの一つとなることが期待される。
人口245人、高齢化率57・14%(245人中140人)の同地区(数値は3月末現在のもの)では、公共交通再編に向け、2020年11月から数回にわたり意見交換会などを実施。住民を対象にアンケート調査を行うなど取り組みを進めてきた。昨年4月から約1カ月にわたって実施されたアンケートの回収率は88・5%と高く、地域の福祉委員らが戸別訪問するなどして配布や回収に協力したという。
同地区では「既存交通の利便性向上による移動手段の確保」をテーマに再編が進められ、10月から路線バス「高田線」(10月から「松山高田線」に変更)の高田―新宮駅間を1日3往復から5往復に増便。大型商業施設などを経由するルート変更や、上限運賃を500円とするなどの見直しが行われる。
そんな中、同地区では独自の取り組みとし、交通弱者らの送迎支援を実施していく計画で、高齢化率57%を超える地域の実情に合わせて「公共交通が利用できない交通弱者等への移動支援(通院等)に係る取り決め」を作成。
▽車の運転や公共交通の利用ができないと判断される人▽同居者の申し出により認知症の症状が見られる人や慢性的てんかん患者、慢性的心臓疾患を抱える人▽区役員会が手助けが必要と判断した人―などに対して、かかりつけ医や買い物などへの送迎を開始する。
なお、送迎は市から委嘱を受けた4人の集落支援員が行う。送迎は予約制で、2日前までに高田支所などへ申し込むシステムとなる。
独自の取り組みを進めるに当たり、高田支所では「始めてみないと分からないが、区民の利便性を考え、臨機応変に対応していきたい」と話している。
(2022年10月1日付紙面より)
熊野川町ふれあい公社に寄付 (新宮信金 )
新宮信用金庫(浦木睦雄理事長)の役員や職員約100人で組織する「新宮しんきん世界遺産応援募金会」は、熊野川川舟下り事業などを運営する一般財団法人熊野川町ふれあい公社へ金一封の寄付を決定した。新宮市熊野川町の熊野川行政局で9月28日、新宮信金本店営業部の横川英之部長から同公社の下阪殖保代表理事へ目録贈呈が行われた。
同募金会は2004年に世界遺産登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」の環境保全を目的に、同年9月に設立。毎年地元の世界遺産の維持・管理や広報を行う団体を支援している。
同公社は05年から、世界で唯一世界遺産と認められた「川の参詣道」である熊野川で、船頭と語り部付きの木舟で下る観光体験事業を開始。参詣道を歩く人々も利用する市交流促進施設さつき(熊野川温泉さつき)や市小口自然の家・キャンプ場の指定管理者も務め、今年3月には国の特別名勝・天然記念物に指定されている瀞峡(瀞八丁)を舟で巡る「瀞峡めぐり」の運航もスタートさせた。
下阪理事長は「大変ありがたい。熊野川舟下りを安全に長く運航していくとともに、瀞峡めぐりを増便したいという思いもある。理事会に図り、大切に活用させていただく」と感謝を述べた。
横川部長は「地元の素晴らしい景観と文化を学んでもらうため、新人研修で瀞峡めぐりに行くことなども検討している。これからも末永く事業を続け、さまざまな団体・企画とタイアップして地元・熊野を世界に発信していかれることを願っている」と今後の発展に期待を込めた。
(2022年10月1日付紙面より)
学校づくり協第2回会合 (串本町 )
串本町の学校づくり協議会(会長=長澤悟・東洋大学名誉教授、委員14人)の第2回会合が9月28日に役場本庁であり、串本小と橋杭小の統合校の基本設計の大枠を形づくるための話し合いに取りかかった。
この協議会は、統合校設置に向け前年度に立ち上げた新しい時代の統合小学校の在り方検討委員会の会下組織。有識者、両校の校長や保護者代表、町職員や議員、文部科学省アドバイザーを委員として8月17日に発足し、本年度中に立案する基本設計に幅広く意見を取り入れる協議を進めている。
前回は統合校設置を進めるに当たって活用している文部科学省「新しい時代の学びの環境整備先導的開発事業」と町が同事業に示したプロジェクトの概要や町内の教育課題などで情報を共有。
今回は上積みで同協議会事務局がプロジェクトで掲げているテーマ11項目中4項目の視点や諸室の構成と考え方を説明し、視察対象とした宮城県・東松島市立宮野森小学校と同・山元町立山下第二小学校の建設概要と並列で統合校の想定概要、現時点での統合校の構想に基づきプロポーザル選定された株式会社綜企画設計が描いたイメージを確かめ、これらをたたき台にして委員から意見を求めた。
同日時点の統合校の構想は敷地面積約2万5千平方㍍、延べ床面積上限5200平方㍍(校舎3500、体育館1200、学童保育500)。校舎は立地の環境を考慮して分棟構成の木造平屋建てを想定し、串本小同様に学童保育所を内包する内容。委員からは学童保育所の共用域、町立図書館の導入とその期待効果、分棟構成の利点や構造的課題、開校以降の統合を見据えた拡張性確保などで意見交換があったほか、協議内容の保護者周知やグラウンドへの夜間照明設備導入などの要望や構想の印象などの意見もあった。
長澤名誉教授は全体として地域や将来など学校と何かのつながりを求める指向が多彩と今回の成果を総括し、つながりをキーワードに見据える発想を掲げて締めくくった。
次の会合は11月下旬~12月上旬ごろ実施予定。第2回までの意見を取り入れた基本設計の素案を示しさらに煮詰めるという。
(2022年10月1日付紙面より)
紀州路クリーン作戦 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は9月28日、県道那智山勝浦線(北浜地区周辺)の歩道部分などで各ボランティア団体と共に「紀州路クリーン作戦'22」を実施した。40人以上が参加し、草刈りやごみ拾いなど、景観美化に取り組んだ。
この活動は和歌山県内の道路管理者(各市町村、和歌山県、国土交通省和歌山河川国道事務所)が、道路との触れ合いの機運を高めるため、地域住民の参加を募り、実施しているもの。
この日は▽なちかつ古道を守る会▽勝浦ロータリークラブ▽勝浦ライオンズクラブ▽那智勝浦町金融協会▽那智勝浦町建設業組合▽東牟婁振興局新宮建設部▽那智勝浦観光機構(NACKT)▽那智勝浦町▽海のホテル一の滝―らが参加した。
堀順一郎町長は「クリーン作戦は住んでいる方や観光で訪れる方も気持ち良く、安心して過ごせる観光地づくりも目的の一つ。活動がきっかけに町全体がきれいになり、住んでて良かった、住み続けたいと思ってもらえるような町にしていきたい」とあいさつ。
その後、各団体が各所でたばこの吸い殻やビニール袋、ペットボトルなどのごみを拾い、草刈りなどに汗を流した。
普段から古道の整備などに尽力する「なちかつ古道を守る会」は道路裏側付近でも清掃活動を展開。地庵晋司会長は「今回のクリーン作戦前からカヤなどの草を刈って準備していた。多くの人で活動すると、仕事がはかどり、広い範囲で町をきれいにできるのでありがたいです」と話していた。
(2022年10月1日付紙面より)