那智の滝で大しめ縄張り替え (那智勝浦町 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で27日、世界遺産である那智の滝で恒例の大しめ縄の張り替えがあった。日本一の落差133㍍の滝口で神職たち5人が足元に注意を払いながら慎重に新しいしめ縄に取り換えた。
那智の滝は同大社の別宮・飛瀧(ひろう)神社のご神体。張り替え作業は7月14日の例大祭「那智の扇祭り(火祭)」の前と年末の毎年2回行われている。
しめ縄はサラシ製で長さ約26㍍、重さ約4㌔。大社本殿で安全祈願を行い、白装束に烏帽子(えぼし)姿の神職らが表参道約2㌔の道のりを運んだ。滝の流れに足をつけた神職らは声をかけ合いながら無事にしめ縄を設置した。
年2回の張り替えの様子を見物できたことを喜び、写真撮影を行う参拝客らの姿も見られた。
男成宮司は「今日はすす払いを行い、しめ縄の張り替えも済み、新年を迎える準備が整った。今年はコロナ禍に加え、ロシアによるウクライナ侵攻もあり、厳しい社会情勢だった。来年こそはコロナ終息や紛争の終結する年になれば。すがすがしい一年になることを祈っています」と語った。
同大社では新型コロナウイルス対策に取り組み、年末年始の参拝客を迎えるとしている。
なお、那智の滝は大みそかから元旦にかけて青岸渡寺の三重塔とともにライトアップされる。
(2022年12月28日付紙面より)
串本町田原
串本町田原の荒船海岸では冬の風物詩、海霧が発生している=写真(20日撮影)。
霧は12月に入って、続く寒さでほぼ連日のように出ている。この日の串本の日の出は午前6時56分ごろだったが、水平線に雲があり、すこし遅れて顔を出した朝日に照らされて黄金色の海霧が浮かび上がった。
海霧は海面から発生する湿気を含んだ水蒸気が低温によって冷やされて蒸気霧となる現象で、気嵐(けあらし)といわれる。
シーズンはこれから本番を迎え、1月末ぐらいまで続く。
(2022年12月28日付紙面より)
来年2月末ごろのロケット「カイロス」初号機打ち上げを目指すスペースワン株式会社=東京都港区=がこのほど、準備の大詰めを迎えている射場「スペースポート紀伊」を報道公開した。同社は、事業の背景と概要を説明し総合指令棟と射点一帯の外観を紹介した。
射点には「カイロス」より一回り大きい高さ約20㍍の移動式射点組立足場があり、隣接するロケット整備棟からパーツを運び込んで射点上に組み上げる。打ち上げ時に立ち入り禁止となる「カイロス」の半径1㌔圏外となる場所に管制室があり、遠隔操作で「カイロス」を打ち上げて人工衛星を軌道投入するまでを一括監視する。
「カイロス」のロケットシステムは宇宙へ到達するための1段目と第一宇宙速度(地球の引力と人工衛星の遠心力がつりあい地球に落下しない最低速度、秒速約8㌔)までの加速を担う2、3段目からなり、さらに軌道修正用液体エンジン(スラスター)を駆使し適切に軌道投入をする。とりわけ多くのニーズが見込まれる高度500㌔の太陽同期軌道(打ち上げる方向は南方)に投入する場合、「カイロス」は150㌔の打ち上げ能力を発揮する。
これら技術の集大成により同社が目指す事業コンセプトは▽信頼性▽即応性(契約から1年、衛星受領から4日で打ち上げ)▽柔軟性▽低コスト―の4本柱。他の射点の手法を参考にし、遅くとも打ち上げの1カ月半前までにその日時を公表し、直前の気象条件などを見て日時を調整する形を取るという。
2020年代半ばには年間20回の打ち上げ頻度を目指していて、その光景と音響が日常となる射場周辺地域に向け同社の川井孝之部長は「初号機を成功し、そして定期的に打ち上げられるようになること、できることで地域の皆さんと一緒に頑張っていくことが貢献になると思っている。宇宙産業が拡大する中、宇宙へ出ていくためにはその手段が必要。われわれのロケットにより世界中の宇宙産業が多くなり、また入りやすくするような貢献もしていければ」と語った。
(2022年12月28日付紙面より)
市内小学生から120点の力作 (新宮市 )
新宮市野田の市福祉センターで20日、令和4年度赤い羽根絵はがきコンクール審査会があった。市共同募金委員会長の田岡実千年市長と社会福祉法人和歌山県共同募金会の髙瀨一郎常務理事、市社会福祉協議会の濵前泰弘会長らが審査員を務め、市内小学校の児童から寄せられた作品を審査。県共同募金会会長賞などに8作品を選んだ。
誰もが住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう、さまざまな地域福祉の課題解決に取り組む民間団体を応援する「じぶんの町を良くするしくみ」としての取り組みが展開されている「赤い羽根共同募金」。
10月からの運動期間に合わせ、市では市内の子どもたちに街頭募金への協力を呼びかけ運動を展開しているが、昨今の新型コロナウイルス感染状況を鑑み、募金活動は縮小傾向に。コンクールは「活動が制限される中でも子どもたちに広く運動および活動の趣旨を伝えることができれば」との思いから、市共同募金委員会の主催で昨年初めて開催。市社協職員らが市内各小学校で「赤い羽根共同募金」の授業を実施しつつ、児童らにコンクール参加への呼びかけを行っていた。
2回目となる今回は、市内5小学校から120点の作品が寄せられた。審査会では最終審査に残った83枚から田岡市長らが▽県共同募金会会長賞(1点)▽市共同募金委員会会長賞(同)▽市社会福祉協議会賞(同)▽審査員特別賞(5点)―を選定。「絵だけではなく優しい言葉が入っている」「言葉も良く、絵も遠近感もある」「福祉の精神をよく理解していると思う」などと講評した。
審査を終え、髙瀨常務理事は、福祉への意識高揚を図る市と市社協の取り組みに感謝。田岡市長は「力作が多く、選ぶのに苦労した」と話していた。
応募作品は1月10日(予定)からの約1カ月間、市福祉センターで展示予定。入賞作品は市社協広報紙「Assist(アシスト)」2月号に掲載する。なお、表彰式の開催は未定となっている。
(2022年12月28日付紙面より)
新宮弓友会納射会
新宮ロータリー杯ジュニアバド大会
ケンドリック旗争奪少年野球大会 (串本RC )
需要期に向け目慣らし会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町苺(いちご)生産組合(桒野稔近〈くわの・としちか〉組合長)は、クリスマスや年末年始の需要期出荷に向け16日、同町南大居のJAみくまの太田営農センターで、和歌山県オリジナル品種のイチゴ「まりひめ」の目慣らし会を開いた。イチゴ生産農家や、みくまの農業協同組合らが参加し、イチゴの品質などについて意見を出し合った。
「まりひめ」は東牟婁地方を代表する特産品で、那智勝浦町の太田地区が主要産地。果実は大きめ、甘味が強く酸味もほどよい。
例年12月初旬から翌年の5月ごろにかけて出荷。公設市場を通して近隣のスーパーなどで販売される。昨年は4パック入り約1万6036ケースが出荷された。
目慣らし会はケース詰め基準の統一と等級の確認を目的に、イチゴの出荷が本格化し始める時季に開催している。
はじめに桒野組合長は「昨年は1週間早く目慣らし会を行ったが、今年は台風があったため定植が遅れ、出だしが遅い。寒波の影響も不安要素の一つ。年末にかけて忙しくなると思うので、皆さん頑張ってください」とあいさつし、感染症対策も呼びかけた。
その後、生産農家や職員らが真剣な表情で、同センターに集まった146ケースのイチゴを確認し合った。
桒野組合長は「寒い時期のイチゴは甘い。ぜひ、おいしい『まりひめ』を味わっていただけたら」と語った。
同組合は1971(昭和46)年に結成され、昨年設立50年を迎えた。現在、生産農家は10世帯約20人おり、今年も新規就農者が増えたという。
(2022年12月18日付紙面より)
クリスマスを前に、新宮市徐福のJR新宮駅前の広場で華やかなイルミネーションが点灯した。駅前の花壇を管理する美化里親ボランティア団体「はなはなきっさこ」(上廣正幸会長)が設置したもので、下校途中の高校生たちがベンチに並んで写真を撮るなど、にぎやかな雰囲気となっている。
市社会福祉協議会の「MACHI(まち)サポート募金」の助成金と新宮ロータリークラブ、JR新宮駅、新宮観光協会が寄付をして協力した。
設置期間は1月中旬まで。駅に到着する最終電車に合わせて午後5時~午前0時に点灯しており、同会は「毎年工夫しながら飾り付けをしており、クリスマスや年末年始に駅を利用する方々にも喜んでいただければ」としている。
「はなはなきっさこ」は現在、花壇の見守りや手入れの手伝いが可能な市内在住者を募集している。活動は週1回、1~2時間程度。向井美江副会長は「イルミネーションのときだけ学生さんにボランティアをお願いするなど、多くの方々の協力を得ながら活動を継続していく方法を考えている」と話していた。
(2022年12月18日付紙面より)
体文のイルミネーション (那智勝浦町 )
町内各種団体で構成する那智勝浦町イルミネーション実行委員会は16日、同町の体育文化会館で「第20回体育文化会館イルミネーション」の点灯を行った。各団体によって設置されたイルミネーションは、町の冬の夜を美しく彩っている。来年1月9日(月・祝)まで。点灯時間は午後5時~10時。今月24日(土)、25日(日)は午前0時まで。
例年は点灯式が開催され、出席した園児らが歌や演奏を披露して盛り上がる人気の催し。
おととし、昨年に引き続き今年も、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から点灯式は実施しなかった。点灯初日から見物や写真を撮影する家族連れなどの姿が見られた。
イルミネーションは▽勝浦手話サークル“ちゃお”▽那智勝浦町建設業組合▽勝浦金融協会▽南紀勝浦温泉旅館組合▽那智勝浦町職員互助会・職員組合―の5団体がそれぞれ、10日と13日に飾り付けた。
同町観光企画課の担当職員は関係団体の協力について「前向きな熱意を持って継続していただいている。本当にありがたい」。
来場者については「町では、体育文化会館を町民が集える場所にするために事業を進めており、イルミネーションもその趣旨にのっとった形となる。町内外の多くの皆さまにお楽しみいただければ幸いです」と話している。
(2022年12月18日付紙面より)
ゆうゆうクラブ女性部が音楽体操 (新宮市 )
新宮市ゆうゆうクラブ(老人クラブ連合会)女性部(石原千里部長)は16日、市役所別館で令和4年度健康づくり教室「予防のための楽しい音楽体操」を開催した。会員約90人が参加。講師の宇都宮惠美さんに教わりながら、音楽に合わせて体を動かした。
女性部が毎年実施している恒例の取り組み。夏ごろの開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大状況を鑑み、長らく延期となっていた。
この日は、感染予防のため1時間交代の2部制で実施。太地町を拠点にピアノやリトミック指導をしている宇都宮さんに講師を依頼した。音楽体操は簡単な手指体操で体の固まりをほぐすとともに、歌うことで脳の血行促進になり、感情の放出やストレス発散の効果も期待できるという。
宇都宮さんは「短い時間ですが皆さんと楽しいひとときを過ごせれば」とあいさつ。参加者らは「お嫁においで」「マイムマイム」「きよしのズンドコ節」などの楽曲に合わせながら、ボールを使った体操や歌唱を通した脳トレなどに挑戦。和気あいあいと体を温めていた。
参加者に「今日はストレスを発散するつもりで頑張って」と呼びかけた石原部長。「こんなときしか集まることができない。久しぶりの開催なので多くの人が参加してくれた。実施に当たっては副部長の河原良子さん、幹事の松尾由美子さん、田中ミチコさん、和田町子さんらが尽力してくれた。近況報告など、交流を深めるいい機会になったと思う」と話していた。
(2022年12月18日付紙面より)
新宮高3年・山際小麦さん
和歌山県立新宮高校(東啓史校長)の3年生の山際小麦(やまぎわ・こむぎ)さんがこのほど、「第12回大阪成蹊 全国アート&デザインコンペティション2022」の高校生の部で、4位に当たる大阪成蹊大学学長賞(金賞)を受賞した。作品は、B2(約51㌢×約73㌢)サイズのアクリル絵画「フルーツタルト」。受賞について山際さんは「びっくりした。お母さんと喜んだ」と話している。
同コンペティションは、中学高校生を対象に全国からアート・デザイン作品を公募し、毎年行っている。テーマは「ワタシノセカイ」で、自分の好きな世界観を自由に表現するものだった。中学生と高校生の部に分かれており、今年は高校生991点、中学生689点の応募があった。
山際さんは、時期もあり現在はすでに引退しているものの、以前は美術部に所属し、副部長も務めていた。「フルーツタルト」はもともと、9月の文化祭で出展した作品。文化祭を最後に引退だったため、それまでの集大成として臨んだものだった。同コンペティションのテーマの「ワタシノセカイ」が気に入り応募を決めたという。全国レベルでの受賞は初となる。
「フルーツタルト」に取りかかったのは、昨年の夏。下絵を描いた状態にとどめ、今年の夏に色塗りを開始、文化祭前の9月上旬にいったんの完成となった。「文化祭の直前の方が、技術が上がっていると思い、色塗りは止めておいた」という。
制作に当たり「それまで平面的な絵が多かったので、立体的に仕上げようと思った」と語る。「果物のみずみずしさを出すのが難しく、(美術部顧問の)先生や友人に見てもらい、アドバイスを受けた」とのことだった。同コンペティションの応募に当たり、少し加筆した。
受賞の知らせは、11月26日に封筒で届いた。28日には学校にも連絡があった。山際さんは「びっくりした。自信はなく、たぶん落ちると思っていた」とほほ笑む。
山際さんは、すでに美術関係の専門学校への進学が決まっている。「将来は、会社のデザインを担当するところに入りたい」と考えており、その方面の就職率が高いところを選んだとのこと。
美術部顧問の中畑久美教諭も「うれしい。他の部員の刺激にもなる。一生懸命やってきた作品が評価され、自分の成長にもつながるし、これからの制作にも生きるのでは」と喜んだ。
(2022年12月7日付紙面より)
児童が情報モラル学習 (三輪崎小 )
新宮市立三輪崎小学校(嶋田雅昭校長)は11月28日、和歌山県職員を講師に招き、「情報モラル講座」を開いた。6年生58人が受講、インターネットの危険性を知り、正しい活用法を学んだ。
和歌山県青少年・男女共同参画課健全育成支援班の操本隆紀さんが「インターネット・SNSのトラブルについて」をテーマに講話した。6年生は2組あり、組ごとで実施。1組は29人が受講した。
操本さんは、人気オンラインゲームのフォートナイトを1組の児童全員が知っていることを確認した上で、対象年齢は15歳以上であることを説明。同じく人気の動画投稿サイトの「ユーチューブ」も、本来は対象年齢が13歳以上であることを明かした。
「フォートナイトは小学生でトラブルが多い。人間関係で問題が起こっている。ユーチューブも、見ていたら変な動画に誘導されたりして危ない。みんなは対象年齢より低いのだから、気を付けないと」と注意喚起した。
LINE(ライン)などのコミュニケーションツールについても言及。褒め言葉のつもりで「まじめだね」「おとなしいね」などと伝えても、人によっては嫌がられることを語った。「このぬいぐるみ、かわいくない」を例文に、同意を求めているのに否定と勘違いされることがあることを指摘した。
オンラインゲームなどでの課金の問題も解説。紀北で小学5年生が、母の携帯電話で17万円を使った事例を紹介した。交流サイト(SNS)に写真を上げる場合の注意点も伝えた。裸の写真を送るなどの、性犯罪についても言及。「インターネットで何かあったら、家の人や先生に相談を」とまとめた。
(2022年12月7日付紙面より)
不思議科学実験ショー (南紀くろしお商工会 )
南紀くろしお商工会(森川起安会長)は4日、那智勝浦町の体育文化会館で「不思議科学実験ショー」を開催した。那智勝浦町と太地町から小中学生41人とその保護者が参加し、科学技術振興機構・サイエンスレンジャーの海老崎功さんから「翼竜が空を飛んだ原理」を学んだ。
体験型学習を通じて科学やものづくりに興味を持ってもらう取り組み。2年ぶりの開催で、通算19回目を迎えた。
森川会長は子どもたちに向け「私たち商工会は、皆さんのお父さん、お母さんの仕事をお手伝いし、イベント開催を通じて地域の福祉向上に向けた取り組みをしている。何事にも興味を持ち、楽しく勉強して」とあいさつ。
海老崎さんは最初に「翼竜やグライダーは、羽ばたかずエンジンやプロペラもないのにどうやって飛んでいるのか」と問題提起。子どもたちはプテラノドンの模型を飛ばし、翼の角度や首の重さを変えることで、長距離を滑空できるようになることを発見した。
山田暁士君(市野々小1)は「模型の頭に重りを追加したら、遠くまで飛ぶようになって楽しかった。自由な形の模型を作るときは、ロケットにギザギザの羽がついた形にしたけれど、結構飛んだと思う」と語った。
海老崎さんは「上昇気流があれば、模型はどこまでも飛べる」と話し「自然の生き物の形がいかに優れたものなのかという点にも気付いてもらえたら」と話していた。
(2022年12月7日付紙面より)
仮称2号トンネル、安全祈願祭 (新宮市 )
現在、開通に向けて工事が進む新宮市高田の白見の滝周辺で11月30日、「国道168号(仮称2号トンネル)道路改良工事 安全祈願祭」が行われた。発注者の和歌山県や設計・施行関係者ら約40人が出席。玉串奉てんなどを通して早期完成や無事故などを願った。
新宮市と奈良県五條市を結び、南和地域集積圏と新宮地域集積圏の連携を強化する、紀伊半島の核となる五條新宮道路。一部区間として計画されている延長4・8㌔の一般国道168号相賀高田工区は▽新宮市街への通勤通学など、沿線住民の日常生活における移動支援▽落石やのり面崩壊、冠水などによる通行止めを回避し、第1次緊急輸送道路の機能強化▽2次救急医療機関へのアクセス向上▽世界遺産などの観光拠点を結ぶ周遊ルートの信頼性向上―を目的に計画され、2017年度に事業化された。
仮称2号トンネルは同工区のうち、相賀から白見の滝に至るまでの延長2658㍍のトンネルで、工期は2026年2月14日までを予定。日本工営株式会社が設計、大成・尾花・川合特定工事共同企業体が施工を請け負っている。
安全祈願祭では、同地区の高倉神社の田中安弘宮司が斎主を務めた。東牟婁振興局の久保浩也建設部長や大成建設㈱関西支店の梅本正樹土木部長、尾花組㈱の谷口庸介代表取締役、㈱川合組の川合康介専務取締役、大成・尾花・川合特定工事共同企業体の清水良純作業所長、成豊建設㈱の上山晃彦代表取締役らが玉串を供え、工事の無事や工期内の完成などを祈願した。
閉式に当たり、久保建設部長が関係者らの協力に感謝を伝え「168号は、現在沿岸部で着々と工事が進む近畿自動車道紀勢線と一体となって紀伊半島の幹線ネットワークを形成する路線。大規模災害時の緊急輸送道路としてはもちろんのこと、観光振興や産業活動、救急医療などの面において重要な路線となる」。
「地域住民も路線の早期整備を心待ちにしている。皆さんにはこれまで培った豊富な経験と優れた技術力を存分に発揮し、無事故の中で一日も早い工事の完成を祈念しています」とあいさつした。
今後は、約36カ月かけて掘削を行い、並行して覆工、舗装工事などを実施していく予定。清水作業所長は「いよいよスタートラインに立った。身が引き締まる思い。地元の方々の協力を得て、しっかりと安全に良いものを造っていきたい」と話していた。
(2022年12月1日付紙面より)
地域文化振興の功績たたえ (熊野那智大社 )
令和4年度地域文化功労者表彰(文部科学大臣表彰)がこのほど発表され、本紙エリアからは那智勝浦町の「那智の扇祭り保存会」(男成洋三会長・熊野那智大社宮司)が「民俗芸能の伝承」分野で選出された。和歌山県内では同保存会と岩出市の音楽家・米山龍介さんのみ。
同表彰は、全国各地において芸術文化の振興、文化財の保護に尽力するなど、地域文化の振興に功績のあった個人・団体に対し、その功績をたたえ文部科学大臣が表彰するもの。
同保存会は熊野那智大社を中心として、周辺地域の氏子や関係団体と協力して長年にわたり祭礼の執行や運営を行い、伝統文化の継承と地域の活性化に努め、熊野の世界遺産を生かした観光や魅力発信など、地域振興にも重要な役割を果たしてきた。
祭りでは、同保存会を中心に那智田楽保存会と神役を担う青年会に当たる那智山正義会、神輿(みこし)を担ぐ役である扇指(おうぎさし)を出す同町市野々区、町内の諸団体、町立市野々小学校の児童などが参加して現在の祭りを形作っている。
那智の扇祭りは、1960年に和歌山県指定無形民俗文化財となり、2015年に国の重要無形民俗文化財に指定された。
表彰を受け、男成宮司は「お祭りは神社のみではできない。氏子の皆さまや関係者の皆さまが、歴史あるお祭りにご協力・ご奉仕していただけるからこその受賞」。
来年については「今年は3年ぶりに神輿やたいまつを繰り出すことができた。来年こそは全てが例年通りに、本来のお祭りの姿で執り行うことができるように願っています」と語った。
(2022年12月1日付紙面より)
水中クリスマスツリー設置 (串本ダイビング事業組合 )
串本ダイビング事業組合(谷口勝政会長、組合員24店舗)が11月29日、ダイビングポイント「備前」に水中クリスマスツリーを設置した。
より多くのダイバーに串本を認知してもらい地域内外で串本を活性化するために取り組んでいるイベントの一環。12回目となる今回は高さ3㍍の人工ツリーを前日に飾り付け、当日はダイバーら9人が「備前」へ赴き水深約18㍍の海底に同ツリーを設置した。
飾りに電飾は含んでおらず、訪れたダイバーが持参した水中ライトなどの光源を点灯した状態で同ツリーに差し込み聖夜の雰囲気を楽しむ仕組み。作業後はサンタクロースの衣装を着たダイバー2人を軸にし、アピール素材とする写真などの撮影にも臨んだ。
設置期間は12月25日(日)までを予定。イベント係としてこの取り組みを担当する道井洋之さんは「この時期の定着化に意義があるとして、コロナ禍にあっても途切れずやってきた。冬場はどうしても利用が減るので、このイベントで誘客を図り各店舗が盛り上がればと思うし、そのためにこれからも続けていけたら」と成果を期待して語った。
(2022年12月1日付紙面より)
尾﨑酒造で初搾り (新宮市 )
熊野の地酒「太平洋」の蔵元である、新宮市船町の尾﨑酒造株式会社(尾﨑征朗〈いくろう〉社長)で11月29日、新酒の初搾りがあった。杜氏(とうじ)が搾り機から流れ出た酒をぐいのみに注ぎ、味や香りを確かめた。作業は来年3月末まで続き、一升瓶で約8万本を造る予定という。
仕込み作業は10月下旬から始まった。熊野川の伏流水や地元産のコシヒカリなどを使用し、こうじや酵母を用いてもろみに。櫂棒(かいぼう)と呼ばれる長さ約2・5㍍の棒でかき混ぜて発酵を促し、搾って日本酒を醸造した。尾﨑酒造では約30種類の銘柄を造る。
杜氏の小林武司さん(48)は「今年は気温が高いからどうかと思ったが、雑味がなく味わいもすっきりして、甘みもあるきれいな味に仕上がった」と話す。「雑菌に汚染されないよう注意し、こうじや酵母の特性を生かすことに気を付けて作業した」という。
尾﨑社長(78)は、コロナ禍で酒の消費量が長らく落ち込んでいたことに言及。「元気の良い新酒ができている。これを飲んで新型コロナを吹っ飛ばしてもらえれば」と語った。
なお尾﨑酒造は、紀伊半島の田辺市以南から三重県松阪市周辺までの間で唯一の、本州最南端の蔵元となる。6代目の尾﨑社長が「地元の皆さんにかわいがってもらえるお酒を」と、1880(明治13)年から約140年続く伝統を守っている。「太平洋」は新宮出身の文豪の佐藤春夫や中上健次も愛飲していた。
尾﨑酒造では、12月上旬までは正月用の「太平洋しぼりたて生原酒」の醸造作業が行われる。サイズは一升のみ、3000本限定の予定で、価格は税込みで3135円。近隣の酒屋やスーパーなどで購入できる。12月中旬からは、他の銘柄の醸造が続く。商品に関する問い合わせは、尾﨑酒造株式会社(電話0735・22・2105)。
(2022年12月1日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部
新宮市民スポーツ祭典剣道の部大会
JAみくまの杯学童女子軟式野球大会