現場鑑識競技会で1位に (新宮警察署 )
新宮警察署(山田守孝署長)生活安全刑事課生活安全捜査係の永谷美波巡査(22)と地域課大橋交番勤務の川口淑翔(しお)巡査(21)の2人が、先月26日に和歌山市の鑑識科学センターなどで開かれた第25回和歌山県警察現場鑑識競技会で1位の快挙を果たした。
犯罪現場における鑑識技術向上のほか、優秀な鑑識員の発掘を目指し開催されている競技会。今回は車上狙いがテーマに定められ、乗用車の助手席ガラスが割られ、車内の現金が入った財布が盗まれたという想定で競技が行われた。
県内14署28人が参加。2人一組となり制限時間内で車に付着した指紋を採取したり、被害者役の立会人から状況を聞いたりしながら犯人に結び付く資料を作成。鑑識技術を競い合った。
適切な鑑識捜査ができているか、立会人にちゃんと説明ができているか、資料が的確に採取できているかなどが総合的に審査され順位が決定。なお、14署中女性ペアは新宮署のみであったという。
結果を受け、永谷巡査は「現場で実践を通して学んできた。やり切ったという気持ちはあった。『1位だったらいいな』ぐらいに思っていたけど、結果を聞いてとてもうれしい」。
川口巡査は「競技会は現場とはまた違う緊張感があった。結果がどうであれベストを尽くした。全力を尽くして1位だったことがうれしい」と笑顔。
今後の鑑識活動に対する自信向上につながったと口をそろえ「自分の経験として残った。現場でも犯人につながるような資料を作ることを心掛けたい」(永谷巡査)、「積極的に専門的な鑑識も実施していけたら」(川口巡査)と目を輝かせていた。
(2021年12月24日付紙面より)
修学旅行で児童が平和学ぶ (熊野速玉大社 )
熊野速玉大社のご神木で平和の象徴として知られる梛(なぎ)の木。梛、そして熊野とゆかりのある香川県善通寺市の市立筆岡小学校(佐藤宏一校長)の6年生28人が21日、修学旅行で新宮市の熊野速玉大社を訪れ、上野顯宮司から梛に込めた世界平和への思いを聞いた。
筆岡小学校区内には、紀伊熊野を意味する木熊野(きくまの)神社があり、熊野速玉大社から梛が移植されたことから「梛の宮」と呼ばれている。児童たちは「ふるさと学習」として、熊野速玉大社との関係性を調べ、その集大成として訪れた。
熊野速玉大社では祝詞奏上の後、2人の巫女(みこ)が世界遺産登録記念御神楽の「神なぎの舞」を奉奏。佐藤校長が玉串を奉奠(ほうてん)した。
上野宮司は、2012年6月に沖縄県で開催した「沖縄県本土復帰四十周年記念式典」に梛が深く関わっていたことを紹介。50年前、善通寺市の植木職人、山地義一さんが梛の木の苗500本を種から育て、本土復帰の記念として沖縄県内の各学校へ植樹する計画を立てた。
その後の足跡をたどるため、1991年ごろから沖縄に足を運び、2010年にようやく農林高校の校庭で発見したという上野宮司。痛々しい木が戦火にまみれた沖縄と重なり、校庭での式典挙行を決意し、平和への願いを梛の木に託した。
開催前年には紀伊半島大水害が発生し、「災害は人の力であらがうことができず、受け入れるしかない。戦争や犯罪、いじめなど人の手でつくられた悲しみは人の手でなくさないといけない」と説いた。
「迷ったときは自然を見渡して大きく深呼吸し、人は自然の一部と気付いてほしい」と伝え、本土復帰50周年の前年に訪問してくれたことに感謝。「山地さんや多くの人が思いをつなげた素晴らしさを感じ『できた人』になってほしい」と呼び掛けた。
(2021年12月24日付紙面より)
紀南高生らのPR映像を投影 (ウミガメ公園 )
紀宝町井田の道の駅「紀宝町ウミガメ公園」で22日、紀南高校、松阪商業高校、皇學館大学の生徒・学生が作成したプロジェクションマッピングの上映が始まった。同公園物産館に投影するイベントで来年1月3日(月)まで、午後5時から6時30分まで開催する。小雨決行。
昨年に続く取り組み。初日は物産館で点灯式があり、紀南高校の高橋幸暉君(3年)が「東紀州についてもっと知ってもらいたく、授業で精いっぱい作りました。ご家族や知り合いにぜひ、ウミガメ公園のプロジェクションマッピングを紹介してください」とあいさつした。
活動に協力した同公園の石本慶紀さん、紀勢国道事務所熊野維持出張所の阪井宣行所長、同校の森典英校長もそれぞれ、開催への感謝を伝えた。
式終了後、建物正面に映像を投影した。約20分のうち、紀南高校のプロジェクションマッピングは約7分。11月上旬から1カ月かけて作成し、ウミガメや紀州犬などを紹介した。
生徒たちは「みんなで協力し合って一つの作品ができた」「来てくれた皆さんに分かりやすいよう心掛けた」などと話し「ぜひ、ウミガメ公園に来てください」と呼び掛けている。
(2021年12月24日付紙面より)
ピーアップシングウでゆず湯 (新宮市 )
冬至となる22日、新宮市蜂伏の温泉利用型健康増進施設ピーアップシングウ(岡野俊平施設長)にゆず湯が登場した。爽やかな香りがプール内に広がり、利用者やスイミングスクールを終えた子どもたちが季節のお風呂を満喫した。
ユズの精油成分には血行を促進させる働きがあり、風呂に入れると体を芯から温める。疲れや痛み、冷え性の他、皮に含まれるクエン酸やビタミンCには美肌効果もある。
冬至とゆず湯の関係性は不明だが、ユズがこの時季に旬を迎えることや「冬至」に「湯治(とうじ)」が掛けられており、「ユズ」だけに「融通が利くように」という願いが込められているという説がある。
ピーアップシングウでは毎月、季節の草花などを楽しむ温泉を用意している。
宇井彩人君(9)は「いい匂いがして、いつもとは違う感覚で新鮮だった。ポカポカして気持ち良かったです」と笑顔を見せていた。
(2021年12月24日付紙面より)
グラウンドゴルフ交流大会 (太地町教育委員会 )
全国中学選抜レスリング選手権 (新宮ジュニアレスリングクラブ )
緊急災害応急対策業務協定を締結 (近畿地方整備局 )
紀伊山系砂防事務所(山本悟司所長)は16日、那智勝浦町市野々の大規模土砂災害対策技術センター(県土砂災害啓発センター)で、(一社)県建設業協会紀南建設業協同組合(泉巌理事長)、(一社)県建設業協会新宮地方建設業協同組合(海邊俊行理事長)、(一社)県測量設計業協会(鈴木啓司会長)とそれぞれ「紀伊山系砂防事務所緊急災害応急対策業務協定」を締結。協定書に調印し、災害時のさらなる連携強化を誓った。
2011年の紀伊半島大水害から10年。国土交通省近畿地方整備局は、那智川で同時多発的に発生した土石流による甚大な被害を受け、大規模斜面崩壊や河道閉塞箇所の決壊による二次災害の恐れのある箇所に対し、緊急的に砂防事業を実施し安全を確保することを目的に12年4月、「紀伊山地砂防事務所」を設置した。
17年より近畿地方整備局は「紀伊山系直轄砂防事業」に新規着手。それに伴い、紀伊山地砂防事務所は廃止。紀伊山系直轄砂防事業と木津川水系直轄砂防事業を担当する「紀伊山系砂防事務所」が新たに設置された。
このたびの協定は、地震・津波・風水害などの異常な自然現象および予期できない災害などが発生した際、同事務所が管理している施設などに発生した災害の緊急的な応急対策調査や対策への協力を求めるもので、締結により一層の災害対応への迅速化が期待される。
協定締結に当たり山本所長は、いつ発生するか予測できない災害や震災に対して危機感を示しつつ「より一層緊密に連携し、地域の住民の安全を守るために災害への備えをしっかりしていきたい」とあいさつ。
鈴木会長は「私たちにとって10年前の水害は忘れることができない。県を守るという強い思いを持って力を合わせて迅速に協力することを約束したい」。海邊理事長は「10年前の大水害時には組合業者らが協力し合った。そのノウハウや経験がある。皆さんと連携しながら進めていきたい」。
泉理事長は「微力ではあるが連絡を密に取り、皆さんの命と財産を守るために迅速に対応させていただきたい」とそれぞれ思いを語った。
(2021年12月18日付紙面より)
海中公園と共催で特別展 (南紀熊野ジオパークセンター )
串本町潮岬にある南紀熊野ジオパークセンターで14日、特別パネル展「ウミガメから海洋環境を考えよう」が始まった。
このパネル展は、串本海中公園センターと施設間連携を図る中から持ち上がった共催企画。同センターからテーマに関係する解説パネル9枚を借り、1階に並べている。
同パネルの内容は▽ウミガメの起源と系統▽絶滅の危機が迫るウミガメ類▽アカウミガメの大回遊▽串本海中公園でのウミガメの繁殖▽繁殖ウミガメの野生復帰への取り組み▽アーケロンについて▽アーケロンのいた時代▽アーケロンとアンモナイトの関係など▽アーケロンと同じ時代を生きた日本のウミガメ・メソダーモケリス。
この展示を担当する南紀熊野ジオパークセンターの本郷宙軌研究員は、砂浜を産卵場所とするウミガメの話題を通して身近な海洋環境を保全する重要性を伝える支援ができればとコメント。常駐する南紀熊野ジオパークガイドの会の会員も見せ方に協力し、丸石でカメをかたどり飾る趣向を交えるなどして来館者の特別パネル展鑑賞を促している。
実施期間は26日(日)まで。同センターは入館無料で、午前9時~午後5時に随時鑑賞できる。問い合わせは南紀熊野ジオパークセンター(電話0735・67・7100)まで。
(2021年12月18日付紙面より)
紀州舞踊隊がソーラン踊り (紀宝町 )
紀州舞踊隊(きしゅうおどりたい)(廣畑勝也代表)は12日夜、紀宝町大里のふるさと資料館で開催中の「光の祭典in紀宝」の会場でソーラン踊りを披露した。光り輝くイルミネーションをバックに6曲を踊り、来場者も手拍子で盛り上げるなど一緒に楽しんだ。
世代間、地域間交流を目指し、25年ほど前に誕生した紀州舞踊隊。現在は、熊野市~新宮市間の5歳から70代まで約30人が所属し、週に1回、練習に励んでいる。
これまで、老人福祉施設への慰問やキラフェス、紀宝みなとフェスティバル、新宮秋まつりなどで踊ってきたが、新型コロナウイルスの影響で約2年間、発表の場がなく、活動の休止、再開を繰り返してきた。
1カ月前にようやく練習を再開し、今回は「みんな元気に踊ってますよ」とのメッセージを発信しようと企画。メンバーは「海彩わっしょい」「ヨッチョレ」「ハレヤ節」「南中ソーラン」などを華麗に舞い、アンコールにも応えた。
毎週水曜日午後7時30分から、紀宝町神内福祉センターで練習しており、廣畑代表は「随時、メンバーを募集しています。興味のある方は見学にお越しください」と呼び掛けている。
(2021年12月18日付紙面より)
尾﨑酒造で初搾り (新宮市 )
熊野地方唯一の地酒メーカー、新宮市船町の尾﨑酒造株式会社(尾﨑征朗(いくろう)社長)で新酒の仕込み作業が本格化している。来年3月末までに700石、一升瓶で約7万本を造る予定で、正月用の太平洋しぼりたて生原酒、大吟醸、純米酒など約30種類の銘柄になる。
同社は紀伊半島の和歌山県田辺市以南から三重県松阪市周辺までの間で唯一、本州最南端の蔵元。6代目の尾﨑社長(77)が「地元の皆さんにかわいがってもらえるお酒を」と1880(明治13)年から約140年の伝統を守っている。
熊野川の伏流水や地元産「コシヒカリ」を使用するなど、地元「熊野」にこだわった酒造りを続けており、新宮出身の文豪・佐藤春夫や中上健次も愛飲していたことで知られている。
代表銘柄「本醸造太平洋」は「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」で2017年、18年と2年連続の最高金賞を受賞するなど、数々の栄冠に輝いている。今年8月には「全国燗(かん)酒コンテスト2021」の「お値打ちぬる燗部門」で最高金賞を受賞した。
仕込みは10月25日から始まり、11月29日に初搾りが行われた。杜氏(とうじ)を務める小林武司さん(47)らがタンクに入ったもろみを櫂(かい)でかき混ぜる「櫂入れ作業」などに取り組んでおり、清酒を利き猪口(ちょこ)にすくい、色や不純物の有無などの品質を確認した。
新酒は「太平洋」の搾りたて生原酒として今月15日(水)から店頭に並ぶ予定だ。
小林さんは「今年は暖かかったが、ここ数日で温度が下がって安心している。うま味があって飲みやすいお酒に仕上がりました」。製造部長の森本紘造さん(44)は「楽しみにして待ってくれている人もいる。地元に密着したお酒造りを心掛けている。多くの人に楽しんでいただければ」と話していた。
搾りたて生原酒は3000本限定で3135円(税込み)。商品に関する問い合わせは同社(電話0735・22・2105)まで。
(2021年12月1日付紙面より)
熊野姫まつりに大勢が参拝 (那智勝浦町 )
加寿(かす)地蔵尊世話人会(中田勝康代表)は11月27日、那智勝浦町の熊野古道駿田峠の加寿地蔵尊(同町湯川笹ノ子)で「熊野姫まつり」を開催した。10周年の節目を迎える今年も多くの人々が参拝し、催しを楽しんだ。
加寿地蔵尊は、千年前に熊野詣での途中、駿田峠で命を落としたといわれる姫を祭っている。姫の伝承にちなんだ短編映画「熊野古道加寿姫」の作成をきっかけに、それまで秋の大祭として営んでいた祭りを「熊野姫まつり」と改称し、今年で10年となる。
修験者の富岡秀清さんのほら貝に合わせ、平安装束の姫たちが加寿地蔵尊へ参拝。身体健全や無病息災を祈願する神事を営んだ。
奉納神楽のステージでは、藤紀流藤紀和会の姫組が「加寿姫舞」で稽古の成果を披露。晴天の下、タヒチアンダンスや江戸芸かっぽれ、Team雅龍のよさこい、しの笛と琴の演奏などがあり、小芝陽子さんも演歌で会場を盛り上げた。
会場ではマグロのかぶと焼きの振る舞いや農作物の販売、各家庭から持ち寄った「もらってくださいコーナー」もあり、最後は抽選券付きの「姫くじ引き」の賞品交換でにぎわった。
中田代表は「駿田峠が世界遺産に登録されて以降、本当に大勢の方に足を運んでいただいている。来年はこの地で命を落とした3人の姫をまつる三つ目の祠(ほこら)も完成する。今後も加寿地蔵尊を知っていただくため、新しいことに挑戦していきたい」と話していた。
(2021年12月1日付紙面より)
町子ども劇団等鑑賞事業 (串本町 )
串本町文化センターで11月29日、2年ぶりとなる町子ども劇団等鑑賞事業に基づく公演があり、町内の年長園児~小学4年生が劇団ポプラ=東京都=のミュージカル作品「ピーターパンとウェンディ」を鑑賞した。
この公演は、環境に秀でた同センターホールでプロの舞台芸術に親しむ機会として年1回、町教育委員会が町子ども会連絡協議会と連携し町内の小学生を対象にして実施。座席数(600席)の都合で1~3年生と4~6年生が隔年で参加する形となっていて、1~3年生が参加するときは次年度に入学する年長園児をゲストとして招待する形が定着している。
前年度は1~3年生が参加する番だったが、新型コロナウイルスの影響で実施できなかった。本年度はその巡りを引き継ぎ、劇団側が2回公演の協力をしてくれたこともあり、家族参加は見合わせたものの年長園児に加えて前年度に鑑賞できなかった4年生(前年度の3年生)も招待。対象者計491人を午前と午後の2組に分け、引率の教諭らと一緒に迎えた。
午後の部実施に当たり同協議会の小原真子会長は、年長園児もいることから分かりやすく「(本物の演劇を見るのは)なかなかない機会なので、しっかりと楽しんで」と気持ちを促して歓迎。以降はさっそく上演が始まり、約90分の鑑賞に親しんだ。普段は家族の参加も受け入れているが、今回は子どもと教職員のみに制限した。
(2021年12月1日付紙面より)
観光機構の理事会で選任 (那智勝浦町 )
一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)は11月29日、那智勝浦町築地の商工会館(南紀くろしお商工会本所)で令和3年度の第2回理事会を開いた。この日はオンライン含め11人が出席。機構設立時より理事長を務めてきた堀順一郎町長が理事長を退任し、清水貞吾副理事長が理事長職を引き継いだ。そのほか、一般会計収支補正予算などが承認された。
機構が11月4日付で観光地域づくり法人(登録DMO)となったことを受け、堀町長が19日付で理事長辞職届を提出。堀町長は機構が登録DMOとなったことで国庫補助金をはじめとする国からの支援が幅広く受けることが可能となったことを説明し、「かねて登録DMOとなった際には町の観光施策を推進していくためにも、常に観光の最前線におられて、民間の感覚と経験を持った方に交代すべきだと考えていた。今後は理事として引き続き、機構の運営に尽力してまいります」とあいさつした。
事務局からは南紀勝浦温泉旅館組合長の清水副理事長が理事長に、副理事長には理事である南紀くろしお商工会の森川起安会長が選任され、全会一致で承認となった。
森川副理事長は「堀町長、立ち上げから今日までの間、本当にご苦労さまでした。今後は副理事長として、理事長を支えていきたい」。
清水理事長は「大役を仰せつかり、身の引き締まる思い。観光機構の定款には関係団体と連携し、町の観光振興や地域活性化、産業の振興に関する事業を行い、地域の経済振興と地域社会の健全かつ持続的発展に寄与することが目的となっている。それらを皆さまと連携をしながら、精いっぱい努力する所存でございます」と抱負を述べた。
(2021年12月1日付紙面より)