補陀洛山寺で春まつり (那智勝浦町 )
補陀落渡海の信仰で知られる那智勝浦町浜ノ宮の補陀洛山寺(髙木智英住職)で17日、年中行事の一つ「春まつり」があった。おととし、昨年は新型コロナウイルスの影響で僧侶のみの斎行となったが、今年は3年ぶりに信者らの参拝も可能となり、約20人が集まって法要が行われた。
補陀落渡海は、平安時代から江戸時代まで行われた宗教儀礼。観音の浄土、補陀落山に往生しようと多くの行者が渡海した。渡海上人が一度乗り込むと出入り口には板が打たれ、外に出られないようにした状態で、海のかなたへ出航したという。
この日、世界遺産に登録されている本堂では、国重要文化財の本尊「三貌十一面千手千眼観世音菩薩(ぼさつ)」を開帳した。
信者が手を合わせる中、髙木住職らが読経を行った。その後の大護摩祈祷では、熊野修験の山伏として修行を積む埼玉県在住の成田佳子さんも加わり、髙木住職らと共にコロナ終息や世界平和を祈った。
同寺裏山にある渡海上人の供養塔と歴代住職の墓地で追善供養も営まれた。
髙木住職は「補陀落渡海は強い思いがないとできる行ではない。渡海上人や歴代住職らの強い意志や背中を引き継いでいきたい」。
例年通り斎行された春まつりについては「お参りの方があっての寺。3年ぶりのご参列に、身が引き締まる思い。また、現在はコロナ禍やロシアによるウクライナへの軍事侵攻が行われている。われわれとしてできることは微々たるものだが、世界遺産の熊野から、終息と平和を祈っています」と語った。
(2022年5月19日付紙面より)
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新宮市の高齢者向け福祉サービス
高齢化率(総人口に占める65歳以上人口の割合)が28・8%に及ぶ日本。2065年には約2・6人に1人が65歳以上、約3・9人に1人が75歳以上になるといわれており(内閣府「令和3年版高齢社会白書」より)、少子高齢化に歯止めがかからない状況の中、高齢者が住み慣れた地域で尊厳ある自立した生活を送るために質の高い医療・福祉サービスの確保は重要な課題の一つだ。
特に地方において顕著となっている高齢化の波。65歳以上の人口1万345人(総人口2万7132人、4月末現在)、高齢化率38・13%となっている新宮市が展開する、高齢者向け福祉サービスを調べた。
「人生100年時代」という言葉が叫ばれるようになった昨今、学びや趣味、就労、社会活動を通して「生涯現役」を体現する高齢者は多い。しかし、市では65歳以上人口1万345人のうち、70~74歳が2588人、75~79歳が1800人、80歳以上が3896人となっており、今後訪れるであろう超高齢化社会を見据え、さらなる福祉サービスの充実と既存のサービスの利用促進に向けた周知が求められる。
市が現在実施している高齢者向け福祉サービスは①生きがい対応型デイサロン②健康増進型デイサービス③ふれあいデイサービス④生きがいデイサービス⑤「食」の自立支援事業配食サービス⑥寝具乾燥消毒サービス⑦認知症高齢者等見守り事業⑧緊急通報システム⑨家族介護用品給付(おむつなど)⑩ねたきり高齢者等訪問理髪サービス⑪家族介護慰労金支給事業。
①~④は65歳以上で介護保険の認定を受けていない人、または総合事業における事業対象者でない人が対象で、それ以外は各サービスごとに対象となる条件が異なる。
雲取温泉で自由に歓談などができ、健康チェックや入浴、給食サービスが受けられる「生きがい対応型デイサロン」には47人が登録しており、ピーアップシングウでインストラクターの指導による健康チェック、脳トレ、機能改善体操、ジム・プール・内風呂などの利用、給食サービスが受けられる「健康増進型デイサービス」には155人が登録している。
また、月~土曜日のうち、希望する曜日の昼食または夕食を定期的に配達し、利用者の安否を確認する「『食』の自立支援事業配食サービス」には225人が登録。新宮・東牟婁圏域の各市町村が取り組む、見守りシール交付による徘徊高齢者の早期発見と家族の安心に寄与するための「認知症高齢者等見守り事業」の市内における登録数は19となっている。
「サービスを受けられるけどまだ必要ない」「今の自分には関係ない」と感じている人も多い高齢者向け福祉サービス。しかし、自身や家族が当事者、対象者となったときを見据え、受けられるサービスを把握しておくことは肝要だ。市健康長寿課では「事業によって対象者は異なるが、積極的にサービスをご利用いただければ」と話している。高齢者向け福祉サービスに関する問い合わせは同課(電話0735・29・7193)まで。
(2022年5月19日付紙面より)
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熊野川体感塾で県警ら点検 (紀宝町 )
北海道知床沖での観光船海難事故を受け、三重県警は17日、紀宝町北桧杖で河川観光船事業を行う熊野川体感塾(谷上嘉一塾長)に安全指導を行った。
船舶免許や運行書類、船上からの連絡方法などを確認した国土交通省中部運輸局三重運輸支局鳥羽海事事務所の定期点検と合同で実施。県警水上警察隊はライフジャケットの安全性を確かめたほか、運行の計画や基準、通信手段などをチェック。広報チラシを事務所に掲示するよう依頼し、乗船者に「船頭の指示に従いましょう」「ライフジャケットは必ず着用しましょう」などと求めるチラシの配布を呼びかけた。
事務所で書類などを確認した後、熊野川の乗船場に移動し、観光川下り船「三反帆(さんだんぼ)」の安全対策を点検。船で観光コースに向かい、運行の安全性も確かめた。
鳥羽海事事務所の岩崎雅樹所長は「点検の結果、よくできていると感じた。観光客の皆さんには、体感塾の説明をよく聞き、川下りを楽しんでほしい」と話していた。
熊野川体感塾は地域おこしを目的に、15年前から遊覧事業を続けている。川風を受けて進む三反帆に乗り、世界遺産「熊野川」の景観などを望むコースが人気だという。谷上塾長は「お客さんの安全を最優先に運行している。コロナ禍でおととしから利用者が激減しているが、これからも熊野川の歴史や自然を愛する人たちに利用していただきたい」と話していた。
(2022年5月19日付紙面より)
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古城梅(ごじろうめ)奉納奉告祭が16日、田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)であった。同市長野の一般社団法人長野古城梅振興会(那須豊平会長)が、収穫したばかりの約3㌔の梅を奉納し、業界の発展を祈願した。
古城梅は、長野発祥の希少品種。実の色が美しく「青いダイヤ」とも呼ばれ、ほとんどが梅酒やジュースとして消費されている。収穫はこの日から始まり、今月末ごろまで続く。同大社への奉納は、「ごじろ」に語呂を合わせて2015年より毎年5月16日に行っており、今回で7回目となる。
同振興会から2人が訪れたほか、田辺市やJA紀南の職員、同大社の関係者など、合計で14人が参列した。古城梅を神前に供えて祈りをささげた。九鬼宮司(65)は「全国、全世界に、梅の素晴らしさ、特に紀州の梅を多くの人に知ってもらえるよう、発信していただければ」と呼びかけた。
那須会長(73)は「今年の出来は今のところ、並といったところ。梅を通じてヘルシーになるよう、体のケアに使ってもらえれば。梅酒などでもいただいてほしい。最近は若い人が古城梅を作らない傾向があるが、何とか伝承していきたい」と話した。
(2022年5月19日付紙面より)
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和歌山県空手道選手権大会 (和道流空手道新宮支部 )
増田さん招き「ソフトテニス教室」 (那智勝浦町 )
「SMILE.E.T」 (進め!!青春 )
「磯のいきもの観察会」 (太地町立くじらの博物館 )
太地町立くじらの博物館(稲森大樹館長)は15日、森浦湾の磯で「磯のいきもの観察会」を開いた。同館水族館担当の荻原拓さんらの解説の下、町内外から参加した親子4組13人は磯や潮だまりに生息する生き物を観察し、生態などを学んだ。
観察会は魚類やヤドカリ、エビなどの無脊椎動物の観察、採集を通して種類や生態を学ぶとともに、海を利用する際の危険や注意の普及啓発を行う目的で昨年から実施している。
参加者は同館園内に集合し、徒歩で森浦湾の磯へ移動。荻原さんから、湾内に生息するウツボやハオコゼ、ガンガゼ、カツオノエボシなどの危険な生物の紹介や海での事故防止について説明があった。
参加者はライフジャケットや軍手を装着後、網とバケツを持って、磯や潮だまりで生き物の観察や採集に取り組んだ。
「ヤドカリ見つけた」「魚おった」「海草が柔らかい」と笑顔ではしゃぐ子どもたちの姿が見られた。その後、各自で採集した生き物約20種類を大きな水槽に移し、荻原さんが特徴や生態を解説した。
町内から参加した山下みつきさん(太地小5年)は「生き物を捕まえたり、観察ができてすごく楽しかった。いろいろなことを知れたので、家でも家族に話してあげたいです」と語った。
荻原さんは「当館はクジラを専門としている博物館。そのクジラやイルカが生息する豊かな海を支えている小さな生物たちにも目を向けていただきたかった。子どもさんたちには観察会を通して、水温を直接感じ、海草を踏む感触や生き物に触れることなどを体感して、楽しんでいただけたら幸いです」。
稲森館長は「皆さま方に、自然に直接触れて体験していただける機会として昨年から実施している。どのような頻度や形になるかは検討中だが、今後も観察会などの催しを拡充していく予定です」と話した。
(2022年5月18日付紙面より)
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新宮ユネスコ協会が総会 (新宮市 )
新宮ユネスコ協会(個人60人、法人12社)は15日、新宮市福祉センターで令和4年度総会を開いた。会員約20人が出席する中、本年度事業や予算などを承認した。
日本では、民間ユネスコ活動から起こったユネスコ運動が、政府、国会などに波及し、ユネスコ加盟の機運が高まって
いったという経緯がある。1947年に宮城県で、世界で最初の民間ユネスコ運動団体「仙台ユネスコ協力会」が発足。新宮ユネスコ協会は2012年10月20日、和歌山県で7番目に立ち上げられた。
開会に当たり、中谷剛会長があいさつ。いまだ世界的に猛威を振るう新型コロナウイルス情勢、ロシアのウクライナ侵攻に言及し「日々、大変悲惨な状況が耳に入ってくる。国際社会や国連の無力さを感じるが私たちもなすすべなく見守っていくしかないのが現状。平和や戦争について考えていかなければならない。この総会が祈りの場となるような、実り多きものになれば」と思いを語った。
来賓の田岡実千年市長は、同協会の日頃の尽力と新型コロナ対策への協力に感謝を伝え「多くの皆さま方からの支持を受けられるようになったのは、設立メンバーの皆さま方がユネスコの理念の持つ素晴らしさと民間ユネスコ運動の意義の正当性を信じ、この世界に誇れる歴史と伝統と文化の地『新宮』を守るため、そしてより世界に開かれた地域とすべくため、熱意をもって呼びかけられた成果」と活動や取り組みをたたえた。
本年度の事業計画は▽熊野古道の実地学習と保全活動▽市町村行事、学校行事への団体参加▽ユネスコ協会連盟、連絡協議活動への参加▽書き損じはがきキャンペーンへの参加▽組織ならびに活動の活性化に向けての方策▽平和への取り組み▽会議の充実―などを予定している。新型コロナウイルス感染症の状況を見ながら、ユネスコ文化講演会の実施に向けて準備を進めていくという。
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総会後には、勢古啓子副会長による講話があった。勢古副会長は「ジェンダー平等について」をテーマに、日本におけるジェンダーバイアス(性的役割の固定的価値観)の現状について話した。
勢古副会長は、1975年に国連によって制定された「国際女性デー」(3月8日)に触れ「日本でも『女性の生き方を考える』として全国に拡大している。47都道府県中22県で開催されたが、和歌山県は不参加だった」。
また、ジェンダーギャップ指数は国連加盟156カ国中、日本は120位であるとし「日本は男女の賃金格差が大きく、役員や管理職、女性議員の割合が低く深刻な状況」と説明した。
▽管理職には男性の方が適している▽喪主は長男がすべきだ▽育児休業を男性が取るなんて考えられない―などの項目を挙げて意識チェックを促し「ジェンダーバイアスの影響を受けている人は少なくない。ジェンダー平等を実現するためには身の回りの当たり前に気付き、見直しと気付きを深めていくことで自分らしく生きられる社会が実現できるのでは」と締めくくった。
(2022年5月18日付紙面より)
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星野さんの刺しゅう画展示 (補陀洛山寺 )
「東日本大震災から10年。東北の皆さまの心や思いなどを考えた際に千手観音菩薩(ぼさつ)の姿が浮かんだ」。そう話すのは刺しゅう作家として国内外で活躍する東京都在住の星野真弓さんだ。「慈愛」をテーマとし、一針一針に東北復興への思いなどを込めて作成した「レジリエンス~千手観音菩薩~」の特別展示会が16日から、那智勝浦町の補陀洛山寺(髙木智英住職)で始まった。
慈愛に満ちた表情を浮かべる千手観音菩薩が座した大作は約44万針刺し、およそ22万個のマスをクロスステッチで仕上げた。作成に使用した針も同じく展示されている。7月1日(金)まで観覧できる。
星野さんは国際平和芸術協会の特別会員や一般社団法人三月のひまわりの代表なども務め、日本代表団の一員として、スイス・ジュネーブ国連欧州本部で作品の展示も行われるほど。今年6月にはフランス・パリの国連教育科学文化機構(ユネスコ)本部において、桜をイメージした作品の展示も決まっている。
東日本の震災後、作品の寄贈や刺しゅう教室を開くなどして、10年にわたって東北地方の復興のために尽力してきた。
10年を機に癒やしや鎮魂の願いを込めた作品に取り組むことを決意。一針入魂の思いで作業に没頭し、約80色の糸を使い用いた針は1本。5㌢ほど短くなったが折れることはなかった。
作成期間中には最愛の父を亡くした。その悲しみにも耐えながら作品に力を注ぎ、1年3カ月をかけて仕上げた。サイズは縦124㌢、横106㌢、重さ16㌔(額含む)。
災害などの困難に負けないという思いも込めて、作品名には「回復力」「復元力」「しなやかな強さ」などの意味を持つレジリエンスを加えた。完成後は東北地方、千葉、佐賀県など各地で巡回展を実施してきた。
今年1月、母と共にクルーズ船の旅に出かけ、船が新宮港へ着岸。タクシーで周遊した際、偶然にも最初に立ち寄ったのが同寺だったとし、「補陀洛山寺のご本尊は十一面千手観音菩薩。ご縁を感じた。自身の作品や巡回展のお話をさせていただいた」と述べ、今回の展示に至ったと話した。
同寺の管理人である南善文さんは「素晴らしい作品の展示、ありがとうございます。ぜひ、多くの皆さまに見に来ていただけましたら」。
星野さんは「糸には思いが宿る。多くの方々のさまざまな思いと一緒に全国を回っている。現在、コロナ禍で世の中が沈んでいるが、暗闇の中にも必ず光がある。この作品が皆さまの光となり、心の豊かさにつながれば」と語った。
刺しゅう画の観覧は午前8時30分から午後4時まで。年中無休。問い合わせは補陀洛山寺(電話0735・52・2523)まで。
(2022年5月18日付紙面より)
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南紀串本観光協会協力し (日本釣振興会 )
串本町くじ野川にある橋杭ビーチで16日、ヒラメの稚魚放流があった。公益財団法人日本釣振興会和歌山県支部による釣りを楽しむ環境づくりの一環で、会員の南紀串本観光協会(島野利之会長)が協力し稚魚約1200匹を串本の海へ送り出した。
同協会がフィッシングタウンとしての地域振興に打ち込む一環で同振興会の団体会員となったことで始まった取り組みで、同支部はまず4年ほど定点実施し放流効果のデータを得る方向で同協会に協力を求めている。
2回目となる今回も、県南部栽培漁業センターからふ化後約3カ月、体長8・5㌢前後まで育った稚魚を入荷。同協会の職員や会員、西向出身のアングラーズアイドル・そらなさゆりさんら関係者計8人が協力し、同ビーチ駐車場から波打ち際まで急ぎ稚魚を運び入れ、今回は沖へ出やすいよう引き波へ乗せることを意識して放った。
稚魚が同振興会の見据える大きさになるまでには3~4年ほどかかるとされ、このことが定点放流を続ける期間の一目安となっている。
2回目の実施を経て同協会の宇井晋介事務局長は「フィッシングタウンとして振興を目指す中、資源が増えてほしいなぁという思いで協力しています。稚魚は来年の今ごろには30㌢ぐらいになる予定。橋杭ビーチの活用ということでいろいろ使っていますが、(その中でレンタル提供している)フィッシングカヤックなどいろいろな形でヒラメの釣りを楽しんでいただければ」と話した。
(2022年5月18日付紙面より)
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スポ少野球東牟婁予選
県サッカーU―12選手権東牟婁予選
第93回紀南統一メーデー (新宮市 )
紀南地区労働組合協議会(喜田俊生議長)などでつくる「第93回紀南統一メーデー実行委員会」は1日、新宮市福祉センターでメーデー集会を開催。国民主権、平和主義、基本的人権の尊重を徹底する政治の実現を求めるメーデー宣言を承認したほか、雨の中、市内でサイレントアピール行進を実施。世界平和や民主主義の重要性などを広く呼びかけた。
メーデー(労働者の日)は、労働者が権利を要求するために行進や集会を行い、団結力を示す日として世界各地で実施されている。日本では1920年5月に、第1回メーデーが東京都の上野公園で開かれた。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、集会は人数を制限して開催。あいさつに臨んだ喜田議長が、ロシアのウクライナ侵攻などに言及。国際連合の取り決めの中、ロシアの行いはあってはならないことであるとし「多くの人を救うことができるよう、日々努力を重ねていかなければならない」。
また「日本が良い国であり続けるために、憲法9条の改正はあってはならない」と力を込めた。
東牟婁労働者福祉協議会と近畿労働金庫新宮支店を代表し、岩崎浩明・同金庫新宮支店長が祝辞。「相互扶助と連帯といった労働者自主福祉運動の原点を大切にし、事業を進めていきたい」などとあいさつした。
丸山さおり・和歌山県教職員組合東牟婁支部長、新宮市平和委員会の金田真さん、年金者組合の高塚建さん、新日本婦人の会の田中幸子さん、畑野よしひろ・日本共産党南地区委員会副委員長らによるリレートークも行われ、各登壇者が教育や平和、生活などの諸問題について問題提起を行い、課題と認識を共有。同協議会の岸本芳明事務局長がメーデー宣言を読み上げた。
紀南統一メーデーのスローガンは▽国民のいのちと健康確保へ コロナ対策予算拡充を!▽なくせ貧困と格差▽消費税減税▽軍事費削除、「敵基地攻撃能力」保有反対―の四つ。
(2022年5月3日付紙面より)
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イオン新宮店で「生命のメッセージ展」 (紀南交通事故被害者の会 )
新宮市橋本のイオン新宮店イベントスペースで1日、紀南交通事故被害者の会(中岡貴恵代表)が主催する「生命(いのち)のメッセージ展」があった。会場には遺族が制作した、理不尽に生命を奪われた犠牲者を型取りメッセージを託した30人分の「メッセンジャー」を展示。買い物客らは足を止めてメッセンジャーを見つめ、命の大切さを再認識するなどしていた。
殺人や悪質な交通事故、いじめ、医療過誤、一気飲ませなどの結果、理不尽に人生を断ち切られた犠牲者が主役のアート展。犠牲者一人一人の等身大の人型「メッセンジャー」(硬質発泡材)に遺品の靴、残された遺族がつづったメッセージが添えられているもので、向き合う者に命の重さや尊さを訴える。
同展は昨年11月、王子公民分館が主催して新宮市内で初めて開催。多くの来場者が訪れた。同店での開催は新宮警察署からの声かけにより実現したもので、同店23周年記念イベントの一連として実施。新宮警察署は同店駐車場でパトカーなどの展示を通して、交通安全や犯罪防止に向けた取り組みを展開した。
また、イベントスペースでは同展開催時間に合わせて県立新翔高校吹奏楽部による演奏会も実施。「風になりたい」「宝島」「シェリーに口づけ」など5曲を披露。イベントの盛り上がりに花を添えた。
2018年に最愛の母・中尾叔子さん(享年85)を交通事故で亡くした中岡代表は、市内で再び開催できたことを、関係者らの協力によるものとし、また新翔高校吹奏楽部に対して「心を込めて楽しく演奏する姿で、生きていることの素晴らしさを皆さんに伝えていただいた」と感謝。
「生きたくても生きられなかった人もいる。生きていることは当たり前ではない。命を大切に、毎日を生きてほしい。事故や犯罪のない社会の実現を願っています」と同展に託した思いを語った。
(2022年5月3日付紙面より)
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ぼたん荘のRVパーク (古座川町 )
古座川町月野瀬にある南紀月の瀬温泉ぼたん荘が4月29日、いろり館横で車中泊施設「RVパーク南紀月の瀬温泉ぼたん荘」をオープンした。
RVパークは、日本RV協会が快適に安心して車中泊ができる場所として規定の滞在環境を満たした運営者からの申請を受けて認定する施設。認定後は公式ホームページによる統括紹介などでニーズにアプローチし、誘客を図る仕組みとなっている。
同荘はブームが過ぎ利用が停滞していた旧ゲートボール場を整地改修し、13区画分の給電設備を整備。同環境として不足していた炊事場やコインランドリー(3台)を新設しごみの引き取りにも対応する準備をして申請し、認定後の4月28日に公式ホームページでの紹介が始まるなど状況が整ったことを受け、翌日の受け入れ開始へとこぎつけた。
RVはレクリエーショナル・ビークルの略称で、RVパークは国内でキャンピングカーと通称される車種などをターゲットにした車中泊施設で、同荘は一区画につき3000円〈税込み〉で提供する。当日の利用状況にもよるが、区画数の多さを生かして複数区画の追加利用(2区画目以降は1区画につき1500円〈税込み〉)の相談にも応じるという。詳細は同協会か同荘の公式ホームページを参照。
県内では4番目となる登録で、区画数は目下県内最大級。飲食は同荘提供のサービス利用となるが、入浴は温泉館が優待利用できるなど敷地内に必要な環境が一通りそろっている点を魅力として自負している。当面は同協会の仕組みに加え、独自広報として近隣の道の駅などへチラシなどの設置や紹介の協力を求めて誘客を図るという。
同荘を運営する古座川ふるさと振興公社の関口隆男理事長は「当面の課題は認知度の向上で、一番は口コミによる広まりだと思っている。環境は十分と自信を持っているので、後は広まりとともに日々の利用が伸びてくれれば」と話した。
問い合わせは同荘(電話0735・72・0376)まで。
(2022年5月3日付紙面より)
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吹奏楽部が定期演奏会 (近大新宮 )
近畿大学附属新宮高校・中学校の吹奏楽部(廣下亜美部長)は1日、御浜町中央公民館アメニティホールで第11回定期演奏会を開催した。部員ら計46人が部活動に関わる全ての人々へ感謝を込め、演奏を届けた。
吹奏楽部は創部16年を数え、昨年の第57回和歌山県吹奏楽コンクール高校小編成部門では初の関西大会出場をつかんだ。定期演奏会は毎年3月に開いているが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2カ月延期。会場では検温や手指消毒、席間隔の確保などの対策を取った。
演奏会には新1年生6人を含む部員37人とOB・OG9人が出演し、行進曲「アルセナール」で開幕。本年度の夏のコンクールで挑戦する「梁塵秘抄(りょうじんひしょう)~熊野古道の幻想~」では、熊野の霧深い山々の風景や行き交う人々の心情を表現した。
第2部は2グループに分かれ、紅組「BEAUTY AND THE BEAST」、白組「明日があるさ」で演奏対決。 ポップスステージの第3部では「ご長寿番組大メドレー~テレビの名作・ケッサク20曲」などで会場を盛り上げ、卒部式では卒部生4人に花束を手渡した。アンコールでは、おなじみの「Sing Sing Sing」を披露し、観客らが惜しみない拍手を送った。
廣下部長は「2カ月延期したが、まずは開催できたことがうれしい。部員たちにとっても、いい経験になりました。ありがとうございました」と話していた。
(2022年5月3日付紙面より)
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オンラインで交通安全教室 (宇久井小 )
那智勝浦町立宇久井小学校(芝﨑勝善校長)で4月28日、和歌山県警察本部交通部交通企画課安全教育係(通称・ひまわり)による交通安全教室があった。全校児童178人が、オンラインで交通ルールや安全な自転車の乗り方を学んだ。
和歌山県警が公表している「令和3年中 和歌山県の交通事故概況」によれば、県内の中学生以下の子どもが関係する事故は死者1人(小学生)、傷者計98人を出している。「令和2年版交通年鑑」を見ると、登下校や買い物、訪問中に事故が起こっており、原因は歩行中の「飛び出し」や自転車乗車中の「前左右安全不確認」が多い。
教室には、ひまわりの西山俊幸警部補、池田映実巡査部長、北岡萌巡査の他、宇久井駐在所の中井功治巡査部長、同町の交通安全指導員らが協力。前日の雨でグラウンドが使えないことや、新型コロナウイルス感染拡大状況を受け、初めてオンラインで実施した。
児童は「歩く人は右側。自転車は車の仲間なので左側を走る」という基本的な交通ルールを学習。自転車に乗るときには「ヘルメットをかぶる」ことを約束した。ゴールデンウイーク中に遊びに行くときの不審者対策や、川や海で遊ぶときの注意点も学んだ。
西山警部補は「横断歩道を渡るときは、右、左、右を見るだけでなく、後ろから曲がってくる車がないかどうかも確認して。命は一つしかない。小学1、2年生は事故に遭いやすいため、特に注意を」と呼びかけていた。
ゴールデンウイーク中は、日中に子どもたちが遊びに出かけることも増えるため、ドライバーも十分が注意だ。
(2022年5月1日付紙面より)
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JR利用者ら、昨年より増加 (熊野地方 )
大型連休をふるさとや観光地で過ごす人たちの帰省ラッシュが本格化している。今年はコロナ禍で迎える3回目の大型連休。連休初日の4月29日はあいにくの雨となったが、移動や帰省の自粛などの行動制限がない中、JR新宮駅では家族の帰省を車中で待つ人の姿などが見られた。
同駅職員によると、電車利用者はコロナ以前には回復していないものの、連休開始日周辺の利用者数はおととし、昨年に比べて増加の傾向にあるという。
西日本高速道路株式会社(NEXCO西日本)などでは、渋滞のピークを4月29日~5月1日、3日(火・祝)~5日(木・祝)と予想。和歌山県警が発表している5月の交通事故発生予報では、1日、2日(月)、3日を当地方の交通事故多発厳重警戒日としており「レジャー中の交通事故に注意を」と呼びかけている。
連休中前半は全国的に雨が多いが、中盤は東日本や西日本で晴れる所が多く、後半にかけて気温が高くなる見込み。
(2022年5月1日付紙面より)
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家族でロケットのぼり作り (潮岬青少年の家 )
串本町潮岬にある県立潮岬青少年の家(山口和紀所長)の主催事業「家族で作ろう!ロケットのぼり」が4月24日にあり、新宮市や串本町から家族3組が参加し小型ロケット「カイロス」打ち上げ開始への期待を高める一助にした。
この事業は、子どもたちに創作意欲とともにロケットへの興味を高めてほしいという願いを込めて立案した日帰り型の体験プログラム。感染予防を意識し事前告知を県民の友と公式ホームページのみにとどめて参加を呼びかけた。
後藤明洋副所長が歓迎のあいさつを述べ、以降は立案したスタッフ・松原孝季さんが小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」について現在分かっている状況を伝えて本題の工作指導を進めた。
ロケットの形になるようテーブル用の透明ビニールクロスを切り出し、出来上がる形をイメージしながら油性フェルトペンで好みのデザインを考えて着色。筒状とよりシンプルなシート状の2種類を仕上げ、最後にひもで棒へつないで手持ちのこいのぼりのような形に仕上げた。また紙コップ2個を使いゴムの力で飛び上がる紙ロケット作りもしたという。
3年前の秋にスペースポート紀伊の設置が決まって以降、イベント「おもしろらんど春祭り」など機会を捉えて体験企画を実施したりスタッフ手作りのロケットのぼりを掲げたりして地域の盛り上げに力を入れている同家。主催事業としてはロケットの高さをバルーンで体験するプログラム以来で、松原さんは「ロケットの打ち上げを楽しみにするきっかけを託せれば」の一心で、参加した子どもらの創作活動を後押しした。
(2022年5月1日付紙面より)
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熊野那智大社
5月5日の「こどもの日」に先立ち、熊野那智大社(男成洋三宮司)境内では、マグロを模したこいのぼり「マグロのぼり」が青空の下、風を受けて元気よく泳いでいる=写真。
「マグロのぼり」は、生マグロの水揚げ日本一を誇る同町のPRにと、南紀くろしお商工会が同大社に奉納したもの。青色と赤色のマグロはそれぞれ約4㍍。大型連休初日はあいにくの雨となったが、30日は天候に恵まれ、風を受けて気持ちよさそうに泳ぐマグロたちの姿が見られた。
5月8日(日)の午後3時30分まで掲揚される。
(2022年5月1日付紙面より)
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