新宮市は21日から24日まで、東京都の東京ビッグサイトで開催された世界最大級の旅の祭典「ツーリズムEXPOジャパン2017」の和歌山県ブースに参加した。観光関係者や一般客に熊野速玉大社、神倉神社、阿須賀神社の世界遺産三社参りや熊野川川舟下り、レンタサイクルでの周遊などをPRした。
日本観光振興協会、日本旅行業協会、日本政府観光局の共催イベント。今年4回目で、4日間の来場者は過去最高の19万1500人だった。
21日は旅行会社やメディアとの商談会、22日は業界やプレス向けの展示会と訪日商談会、23、24の両日は一般来場者向けの展示会だった。
新宮市は商談会で旅行関係者やメディアなどにツアーの造成や観光素材を提案。国内外の人に市に興味を持ってもらうため、テレビ、雑誌、ネット関係者とも商談した。
展示会では旅行相談や観光パンフレットを紹介。23日にはステージ上で、クイズ形式で新宮市をPRしたほか、熊野三山観光協会としての出展もあった。会場では仲氷店がユズ、ウメ、スイカのかき氷を振る舞い、新宮出身者など大勢の人が集まった。
(2017年9月29日付紙面より)
高齢ドライバー対象に教室 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の那智勝浦自動車教習所で27日、参加体験型の交通安全教室「第3回シニアドライバーズコンテスト」が開かれた。交通事故をなくする県民運動推進協議会串本地区連合会、県交通安全協会串本支部、串本警察署が昨年9月から、春と秋の全国交通安全運動に合わせて開催している。
近年、高齢者が関係する交通事故の割合が増加していることから、加齢と共に低下する身体機能や運転能力について、高齢運転者に自身の状況を正しく認識してもらうことや交通ルールを再確認する機会にしてもらうのが目的。
串本町と古座川町から3人1組で2チームずつ、合計12人が出場し、交通ルールに関する30問の問題を解く学科部門と、指定されたコースを交通ルールに従って走行し、同乗の警察官が採点する実技部門の合計点数を競った。
同署交通課の東谷潤課長は今年管轄内で発生した交通事故の約4割に高齢者が関わっており、その内約7割が乗車中の事故であると参加者に説明。同連合会の東照久会長は「身体機能や運転能力など、今持っているものを自覚して、今後の交通安全に役立ててほしい」とあいさつした。
採点の合間には目と足を使って動作の俊敏性を測定する機器の体験や、高齢者が主人公のストーリー仕立ての交通安全DVDの視聴も行われた。
(2017年9月29日付紙面より)
光洋中2年生が日本舞踊学ぶ (新宮市 )
新宮市立光洋中学校(宮本雅史校長)の2年生60人は26、28の両日、総合的な学習の授業で日本舞踊を学んだ。若柳社中の8人を講師に迎え、生徒らは扇子を手に『もみじ』を踊った。
生徒らは浴衣に着替え、指導を受けながら一つ一つの動きをまねていった。2日目の28日には音楽に合わせて上手に踊れるようになり、講師の若柳吉左衛門師匠のアドバイスを受けながら熱心に練習に励んでいた。
水本七夕(なゆ)さん(14)は「足の動かし方が難しかったです。扇子の回し方も。でも、踊り方が分かるようになり良かったです。初めてでしたが、このような経験ができて良かったです」。
中島尚俊君(13)は「難しかったですが楽しかったです。扇子の動かし方や足の運び方などが難しかった。礼儀なども学べて良かったです」と感想。
若柳師匠は「今年は日本調の落ち着いた曲を選びました。生徒たちを見ていると日本の落ち着いた心が表れているようで感心しました。2日間で日本の良さに少しでも触れ、このときしか味わえないしきたりや作法、所作を少しでも忘れずにいてくれれば」と話していた。
授業は日本の伝統文化に親しんでもらおうと毎年実施しており、1年生は着装とマナー、3年生は茶道に取り組んでいる。
(2017年9月29日付紙面より)
潮岬中教諭が潮岬小で授業 (串本町 )
串本町立潮岬小学校(濵正和校長)で26日、同町立潮岬中学校(藤本弘子校長)の教諭による出前授業が行われた。5、6年生41人が英語科教諭の授業を受け、将来取り組むことになる英語学習の雰囲気に一足早く親しんだ。
両校間で小中連携の在り方を話し合う中から始まった新たな試み。児童に中学校の雰囲気を伝えて進学への期待感や意欲を高めることを狙いとし、今回は児童の外国語活動の成果を生かして英語科の授業を体験する形で実現を目指してきた。
潮岬中からは英語科の貴志円香教諭(24)が潮岬小へ赴き、潮岬小からは5年生と6年生の2クラスが出前授業に参加した。5年生のクラスでは、アルファベット26文字とその発音を歌やカードを使って紹介し、児童はカード2組を使った神経衰弱に挑戦しながら発音を反復練習。26文字のアルファベットを頭文字にする単語カードを使ったかるた様のミニゲームに挑戦し、関心の幅を広げる感覚も経験した。
6年生のクラスでは町内の主な建造物などの位置関係を確かめ、道案内する時に使える英語を紹介。対象が児童ということで、いずれも小学校の外国語活動と中学校の英語学習の中間的な内容で進められた。
貴志教諭は「英語に苦手意識を持たず、楽しんで言葉として使ってもらえるようにしたいなあと思ってこの授業を計画した」とコメント。初の出前授業を濵校長と共に見守った藤本校長は「児童もやがては生徒になり、英語の授業を受けることになる。この出前授業はその先取り体験。参加した5、6年生が中学校の授業に期待を膨らませて進学する一助になれば」と成果を期待した。
両校は小中連携の一環で、すでに潮岬幼や潮岬地区自主防災会と共に合同津波避難訓練に取り組んでいる。出前授業の今後の実施は未定だが、小中間で難度差がある主要教科ではなく児童がストレスなく楽しく親しめる音楽や美術といった教科での実施を模索している。違った角度からの同様のアプローチとして、10月4日(水)に同校吹奏楽部が潮岬小へ出前公演に赴きクラブ活動の雰囲気を伝えるといった連携も計画している。
(2017年9月29日付紙面より)
佐渡裕さん指揮、復興祈念演奏 (那智勝浦町 )
那智勝浦町と同町教委は18日、兵庫県立芸術文化センター芸術監督で世界的指揮者の佐渡裕さんと同センターのスーパーキッズ・オーケストラを招いて「佐渡裕&スーパーキッズ・オーケストラ2017 紀伊半島大水害復興祈念演奏活動 こころのビタミンプロジェクト in なちかつうら」を開催した。
佐渡さんは午後の演奏会に先だち、同町市野々の県土砂災害啓発センター敷地内で鎮魂演奏会を催した。佐渡さんは新宮高校の生徒から「音楽で地元を元気づけたい」と手紙を受け取ったことを来町のきっかけと話し「手紙に感動しました。大水害から6年が経過してしまい、いつか来なければと思っていました」とあいさつ。コンサートマスターの前田妃奈さん(中3)がバッハの「バイオリンソナタ」よりソロを演奏後、会場の全員で黙とうをささげた。高い演奏技術と美しい響きに、約150人の鑑賞者は大きな拍手を送った。
佐渡さんは同町井関の紀伊半島大水害記念公園で慰霊碑に献花し、手を合わせ、「たくさんの命が自然災害で奪われるというのは本当に心が痛みます。自然豊かな所で生まれ育った私たちは、これからますますそうした災害に工夫しながら向き合っていかなければならない。手を合わせるということは、未来のことを決意するということだと思います。励まし合い手を取り合い生きていけるのは日本の素晴らしいところ。われわれには音楽を通してこころのビタミンを届けることしかできませんが、この美しい町がますます魅力的な町になっていくことを願っています」と話した。
(2017年9月20日付紙面より)
知的障害者の雇用など例に学ぶ (新宮市 )
新宮市婦人団体連絡協議会(仲富美子会長)は16日、新宮市福祉センターで、講師に新宮市人権尊重委員会の和田勝さんを迎え人権学習会を開催した。
和田さんは認知症の祖母と孫が題材の絵本「ばあばは、だいじょうぶ」を紹介し、神奈川県相模原市の知的障害者施設津久井やまゆり園で起こった「相模原障害者施設殺傷事件」も取り上げた。社員の7割が知的障害者のチョーク工場が日本で一番大切にしたい会社と呼ばれる理由が描かれた「虹色のチョーク」という本を題材にし、知的障害者との関係などについて講話した。
日本国憲法第14条第一項を読み上げ、「人権というのは、人間が人間らしく幸せに生きていくための権利。人間は生まれた場所、住んでいる場所によって値打ちが決まるものではない。差別はされる側ではなく、する側に問題がある。する人がいるから差別が起こる。いじめも同じ。差別などは人間がつくり出したものですから、人間の力でなくしていかなければならない」と話した。
和田さんの講話の前には、赤十字奉仕団和歌山県支部の講習に参加してきた川嶋みどりさんが、講習時に教わってきた、緊急時に役立つ牛乳パックを使った一人用非常食セットを紹介した。
(2017年9月20日付紙面より)
三輪崎八幡神社例大祭の奉納行事 (新宮市 )
新宮市の三輪崎八幡神社(上野顯宮司)例大祭の神輿渡御(みこしとぎょ)と奉納行事が18日、同神社と三輪崎漁港周辺で営まれた。奉納行事では晴天の下、三輪崎郷土芸能保存会が獅子神楽と日本遺産に登録された鯨踊りを披露。踊りや演奏があり大勢の来場者らでにぎわった。
三輪崎漁協前の御旅所では三輪崎郷土芸能保存会が七つの獅子神楽を奉納。『鯨踊り』では扇子を持って鯨を追い込む様子を表した『殿中踊り』と竹製で銛(もり)を模した「綾棒」で鯨を突く様子を表した『綾踊り』を勇壮に披露し「ヨイハ」の掛け声を響かせた。
三輪崎婦人会、台楽保存会、若吉会の女性たちが2曲ずつ踊り、熊野曼荼羅太鼓の演奏に合わせて『黒潮囃子』と『新宮節』も踊った。
三輪崎郷土芸能保存会の濱口仁史会長は「台風の影響で予定を変更しましたが、晴天に恵まれてよかった。懸命に練習した踊りをめいっぱい披露できうれしいです。満足のいく御旅所での披露になりました」。三輪崎八幡神社氏子総代会の中村武会長は「天気も良く無事にでき、ほっとしています。祝日で子どももたくさん出てきてくれた」。
夫が保存会のメンバーの吉村まき子さんは「体力勝負で大変だと思いますが、頑張っていると感じます」。葛平愛子さんは「今年は神輿を担ぐ人が少なく、にぎやかさが例年と違っているように思います。いろんな世代の人が参加しておりいい祭りですね」と話していた。
(2017年9月20日付紙面より)
勝浦八幡例大祭
那智勝浦町の勝浦八幡神社(髙橋正樹宮司)例大祭式典が18日、営まれた。17日の予定だったが、台風による荒天が予想されたため延期。内容を縮小して、境内で神事と奉納行事を執り行った。
式典は正午に始まり、祭典委員や氏子らが参列した。櫂(かい)伝馬のこぎ手が「餅つきうた」を歌い、山伏勝浦会(山路昇会長)は歌舞伎の演目「勧進帳」を演じ、勝浦獅子神楽保存会(沖和也会長)が獅子舞を奉納した。
神輿(みこし)の渡御は中止となったが、午後3時からは櫂伝馬行事が営まれた。櫂伝馬愛友会(濱口泰至会長)、那智中学校の男子生徒が乗り込んだ3隻、南紀くろしお商工会の1隻の計5隻が勝浦湾内をこぎ回った。櫂伝馬を応援するギタリストの濱口祐自さんの演奏もあった。大阪府吹田市の浜田純さん(60)は、「毎年お祭りを楽しみにしています。台風で海中神事が見られず残念でしたが、櫂伝馬は見ごたえがありますね」と話していた。
(2017年9月20日付紙面より)
「ツール・ド・北海道」キナンチームレポート②
寺本千紗さん、潮﨑梨緒さん選出
秋晴れの中、神輿渡御や奉納行事 (三輪崎八幡神社例大祭 )
新宮市の三輪崎八幡神社(上野顯宮司)例大祭の神輿渡御(みこしとぎょ)と奉納行事が18日、同神社と三輪崎漁協周辺で営まれた。台風一過のさわやかな秋晴れの中、みこしや山車(だし)が区内を練り歩き、奉納行事は多くの人々でにぎわった。
漁労加護、五穀豊穣(ほうじょう)、商売繁盛など地域の繁栄を願い、現在の三輪崎漁協付近にあった元宮に神様が年に1度里帰りする祭り。本殿大前ノ儀では祭り関係者が参列し地域の平穏無事を願った。
神輿渡御では、同神社を出発したみこしに続いて、大勢の子どもや大人に引かれた恵比寿(えびす)、二十四孝(にじゅうしこう)、大黒天の山車が、三輪崎漁港前の御旅所まで豪快にぶつかり合いながらまちを練り歩いた。
三輪崎漁港前の御旅所では、三輪崎郷土芸能保存会(濱口仁史会長)が獅子神楽を奉納した。獅子舞の天狗(てんぐ)役は、屋敷朋希君(5)が務めた。三輪崎婦人会、台楽保存会、若吉会が華やかな手踊りを披露。同保存会の青年たちが掛け声とともに、日本遺産にも登録された勇壮な鯨踊りを奉納した。
(2017年9月19日付紙面より)
イスタンブール高校来校 (串本古座高校 )
県立串本古座高校(愛須貴志校長)は15日、トルコ共和国のイスタンブール高校(ヒキメット・コナル校長)と姉妹校提携を結んだ。アメリカのヘメット高校、カナダのバニア高校に続き3校目で、愛須校長(57)は「生徒が世界へといっそう視野を広げ、地域の歴史を見つめ直すいい機会にしたい」と今後の交流に意気込んでいる。
イスタンブール高校は国内でトップクラスの優秀校として有名で、生徒890人が学んでいる。コナル校長(38)によると、生徒が授業でトルコ軍艦エルトゥールル号の史実を学ぶ中で串本町に興味を持ち、どうやれば行けるのかなどを調べて筋道をつけた延長で今回の訪問を計画した。その勢いの背景には日本に関心を持つ学生の増加があり、次年度には日本語クラブも創設される予定。将士を救った地域に感謝を届けるとともに、できることは限られているが生徒間交流で両国の友好に協力できればと考えて今年7月、串本古座高校に姉妹校提携を申し入れたという。
串本古座高校は次年度から地域に貢献できる即戦力人材を育てるグローカルコースを実働させる計画。教材とする地域はトルコ共和国との友好が深く、この姉妹校提携は今後の新たな挑戦において有益だと考えて受け入れることにしたという。
調印式は串本古座高校で行うことになり、この日はコナル校長ら教員3人と訪問を希望した3年生(日本の高校2年生に相当)12人が来校。愛須校長ら教員と生徒会執行部やCGS部トルコ班の生徒が出迎えて歓迎した。両校長、生徒を代表して生徒会執行部の高田紅恋会長(2年)とイイットジャン・カヤ君があいさつを交わし合い、互いの高校を紹介しあった後に両校長名で調印書を交わした。
イスタンブール高校一行は式後、校舎やクラブ活動を見学。各部も体験を準備して生徒間交流に臨み「トルコ語は無理だけど英語で何となくコミュニケーションできた」と興奮していた。
提携はしたが両校とも半ば勢いで縁組をした状況で、今後の具体的な交流事業は白紙の状態。学校紹介時に両校ともパソコンを用いてプレゼンテーションをしたこともあり、インターネット経由での情報交流であればすぐにでも始められそうだと愛須校長は思い描いた。
イスタンブール高校の一行は翌16日、串本古座高校と共に同町樫野にあるエ号殉難将士慰霊碑へ献花し、トルコ記念館を見学。一帯の清掃に取り組んでいる大島小学校を訪問し、当事者である児童らに会って感謝した。
その後に田嶋勝正町長と将士を救助した当時の村民の一人・高埜友吉のひ孫にあたる堀口徳弘さん(65)を表敬訪問。自分たちにできることの一端で、沖日記をトルコ語に訳し日本とトルコが今後共同設置する大学に託す目的で電子データの提供を要請し、堀口さんから伝え聞いている当時の状況を聴取しトルコ共和国における尊敬の所作を堀口さんに注いでこの上ない感謝の証しとするなどした。
(2017年9月19日付紙面より)
新宮市橋本児童館で
新宮市の橋本隣保館・児童館(速水得史館長)で16日、「第29回ささやかな敬老会」があった。子どもたちが歌を披露し、お年寄りたちを喜ばせた。
開館の翌年から始まり、紀伊半島大水害の年を除いて毎年開催されている。地域住民たちが子どもたちへのプレゼントを作るなど、手作りイベントとして続いている。
会場には地域の高齢者たちが作った生け花、陶芸、手芸、プリザーブドフラワーなどを展示。松嶋亨さんのシルバー川柳、松嶋享さん、中田定弘さん、広野武子さんの歌のほか、マジックショーやビンゴゲームもあり、盛り上がった。
速水館長は「台風が近づいていたので心配しましたが、多くの人が来てくれて良かったです。本当に手作りの敬老会ですが、毎年皆さんが楽しみにしてくれています」と話していた。
(2017年9月19日付紙面より)
台風18号、近畿地方通過
大型の台風18号は17日午前、鹿児島県南九州市付近に上陸、九州南部、四国、近畿地方を通過し、18日には北日本を進んだ。和歌山県には17日夜に最も接近し、和歌山地方気象台によると午後8時35分に和歌山市の友ヶ島で44・7㍍の最大瞬間風速を記録。新宮市では熊野速玉大社の大鳥居手前で倒木があった。
熊野地方でも強風が吹き、大雨が降った。17日午後9時までに太地町太地で43㍉、那智勝浦町勝浦で38㍉、同町浦神西で37㍉の最大時間雨量を記録。累積雨量は同町勝浦で333㍉、太地町太地で328㍉、新宮市高田で318㍉に達した。和歌山県の調べによると県内の主要河川のはん濫は無かった。
各地で避難準備情報が出された。那智勝浦町では17日午後4時20分に市野々から天満中村にわたる地区と天満地区薬師谷付近に「避難準備・高齢者等早期避難」を発令した。新宮市は16日午後5時、21カ所の自主避難所を開設。20世帯24人が避難した。
県内では由良町白崎海洋公園道の駅で28歳の男性が転倒して骨折、田辺市消防団龍神支団中山路分団車庫のシャッターが破損するなどの被害が出た。
交通機関にも乱れが出た。JRきのくに線は新宮―和歌山間が運転を見合わせた。関西電力によると田辺市内で約3560軒が停電した。
(2017年9月19日付紙面より)
「ツール・ド・北海道」キナンチームレポート①
県大会目指し熱戦繰り広げる
サ市訪問の中学生が報告会 (新宮市 )
新宮市国際理解教育海外研修事業の帰国報告会が14日、同市役所で開かれた。市の姉妹都市であるアメリカ・サンタクルーズ市(サ市)を訪問した生徒らが体験を発表。生徒代表の福田蓮君(光洋中3年)は「研修はかけがえのない人生の宝物になった。感謝を忘れず、新宮とサンタクルーズ市の懸け橋になれるよう頑張りたい」とあいさつした。
新宮市とサ市は1974年に姉妹都市縁組を締結。研修事業は市の将来を担う心豊かな人材を育てようと始まり、訪問は11回目。交流活動を通じ、地元の生徒との親睦を深めることや文化の違い、歴史を学び、自国文化への理解を深めるなどの内容で、ホームステイによって現地の生活様式を体験し外国語学習の意欲を高める狙いがある。
生徒らは8月17日から25日まで、サ市の歴史公園やレッドウッドの森、遊園地、水族館、スケートボード会社などさまざまな場所を訪れ、ホストファミリー、現地の人たちとの交流、ダウンタウンでのショッピングや体験などを通して思い出をつくった。
生徒らは印象に残ったことや感想を日本語や英語で発表。「最高の思い出になった」「歴史の授業より学べて勉強になった」「アメリカの広さを感じた」「サンタクルーズにまたいつか必ず行きたい」「自分が親切にされたように、受け入れたり体験させたりしたいと思った」「とても幸せな時間だった」「失敗を恐れず何事にも挑戦する大切さと積極的なコミュニケーションを取る大切さを学んだ」などと報告した。
福田君は「行く前は希望と不安でいっぱいだったが、一人一人が貴重な体験をし、生活や文化を学び、たくさんのことが得られた」と話した。
鈴森早有美団長は「継続することが大事と感じることができた。今後も積み重ねていければ」とあいさつ。引率の山本佳人・高田中学校教頭は「生徒たちはしっかり時間を取り、いろんなものを見て、体験し、知識が得られたと思う。生徒、私自身も記憶に残る体験だった」。
市教育委員会の雜賀まどかさんは「研修を通し、たくさんの人とのつながり、成長を感じた。体験や学んだことを生かせるリアルな教育プログラムだと思う。人との交流が実を結ぶ過程が分かる学習ができた」と話した。
田岡実千年市長は「研修で本場の英語に触れる機会は大きかったと思うが、心のつながりが勉強になったと発表を見て感じる。今後この縁、経験を大切にしてくれれば」。屋敷満雄・市議会議長は「現地に行き、何事も見るのが一番の勉強」と述べた。
姉妹都市親善協会の岩澤卓会長はサ市の歴史を語り「新宮の町でみんなが大きくなって出て行ったとしても、サンタクルーズ市が努力して町をつくったことを思い、新宮を自分たちが育てていくことをしてもらえれば大きな成果になる。経験したことを分かち合うだけでなく、今回経験したことを将来に生かし、新宮を今後自分たちのふるさとであるよう、自分たちが頑張ることがためになる」と呼び掛けた。
(2017年9月17日付紙面より)
みテますキープ制度1号にウミガメ公園 (紀宝町 )
紀宝警察署(島田満署長)と管内の事業所で組織する「テロ対策紀宝地区パートナーシップ」はテロ防止対策を進めるモデル事業所に道の駅紀宝町ウミガメ公園(石本慶紀駅長)=紀宝町井田=を指定した。13日に同所で伝達式があり、島田署長から石本駅長にクリスタル像とのぼり旗を伝達した。
パートナーシップは、参加の民間事業所が半年ごとの持ち回りでテロ防止に取り組む制度で「みテますキープ制度」。ウミガメ公園は第1号に選ばれた。期間中はシンボルのクリスタル像を設置し、のぼり旗を掲げるほか、マグネットシートの貼り付けと缶バッジの着装で従業員の危機意識高揚を図りながら、テロをうかがわせる不審な動きに注意を払う。島田署長は「テロは許さない、の感覚で」と協力を呼び掛け、石本駅長は「海外からの客も増えている。地元が連携を深めて連絡システムをきちんとし、みんなの目で見守ることが大切」と述べた。
(2017年9月17日付紙面より)
本宮(17日)は台風影響で渡御のみ (那智勝浦町 )
那智勝浦町の宇久井神社(宮司・男成洋三熊野那智大社宮司)例大祭の宵宮が15日、本殿で営まれた。熊野那智大社の井戸大輔神職が出仕し、神楽奉納、婦人会の踊りの後、神餅投げがあった。
台風18号が接近する中、井戸神職は「どのような天候であろうと例大祭の日は良いものであると思います。神事が無事に営まれるよう、ご奉仕を」と話した。
式典後、本宮開催について祭典委員会(亀井二三男委員長)が会議を開いた。本宮当日の17日午後に、同町が暴風圏内に入るとの予報から海上渡御などは中止とし、神輿(みこし)は出さずに「大旗」を先頭とした渡御のみ行うことに決めた。亀井委員長は「ここまで準備した。非常に残念だが、苦渋の選択をご理解いただきたい」と呼び掛けた。
□ □
■大旗
渡御行列の先頭で頭(当)家の人たちが持つ「大旗」。これはご神体をうつす神のより代とされている。海が荒れたり、雨天の場合には神輿が海を渡御できなくても、大旗だけ一定のコースを渡れば祭りを終えることができるという昔からの言い伝えがある。
(2017年9月17日付紙面より)
21日にはクラス発表やバザーなど (新宮市 )
近畿大学附属新宮高校・中学校(川合廣征校長)の「2017近大新宮祭」が16日、同校体育館で開幕した。今年のテーマは「群星謳歌(ぐんせいおうか)」。台風接近の影響で2日目は21日(木)午前9時から行う。中学2、3年生の劇発表、吹奏楽部演奏、食物バザー、水産養殖魚や米の販売などを予定している。
表彰式では、近大新宮祭のテーマ、詩、原画を担当した生徒らが賞状を受け取った。オープニングセレモニーでは生徒や教職員がダンスを披露し、にぎやかにスタート。ITサークルの映像上映やなぎなた部、空手道部、書道部の発表、高校音楽選択生の合唱、中学1年生の劇があり、それぞれが練習の成果を発揮した。
近大新宮祭実行委員長の山本ふう子さんは「今年のテーマは『群星謳歌』です。一人一人が個性を込めたパワフルな文化祭にしていきましょう。高校3年生にとっては最後の文化祭。いつまでたっても『楽しかったね』と話し合ってもらえる文化祭にしたいです。みんなで盛り上げていきましょう」と呼び掛けた。
川合校長は「成功には一人一人の積極性と協力が不可欠。来客、保護者、生徒全員が満足感と感動が得られる近大新宮祭にしてほしい」とあいさつを寄せた。体育行事は20日(水)午前9時から同校グラウンドで行われる。
(2017年9月17日付紙面より)
太地町対策協議会の定例会
小型鯨類追い込み漁解禁を1日に控えて太地町や関係機関でつくる「鯨類捕獲及び鯨類産業に係る太地町対策協議会」(会長・三軒一高太地町長)は8月30日、同町公民館で定例会を開いた。県警、海保、水産庁、漁協、大阪入管から55人が出席し、反捕鯨団体の動向や警備体制などについて話し合った。
この日は三軒町長が出張のため、代わって町総務課の漁野洋伸課長があいさつ。「捕鯨を巡る国際情勢は反捕鯨団体の圧力が強まっており、町としても合法的に行われている漁業をなんとしても守りたい。妨害などがあると思うが、皆さんのお力添えを頂き、対処したい」と協力を求めた。
水産庁国際課捕鯨企画班安全対策係の伊藤鋼係長はカズハゴンドウとシワハイルカ2種の捕鯨対象追加によるデモなどの大きな反発はないと報告。今年度6月には鯨類資源の持続的な利用を目的とした「鯨類科学調査実施法」も施行されたことから、妨害対策などを施していきたいと述べた。
県警本部警備部公安課テロ対策官の原口憲司警視は、反捕鯨団体シーシェパードの結成40周年に伴う活動の活発化を予想して警戒態勢を整えていると伝え、鯨類産業関係者による自主防犯対策も必要だと述べた。海保第五管区警備救難部警備課の内海浩一専門官も動物愛護を訴える外国人と日本人の動向に注意していると話した。
大阪入国管理局関西空港支局審判部門の清水大敬総括審査官は、関西空港における昨年度の外国人の入国者数が成田空港に次ぐ609万人と急増しており、厳格な審査を実施するとした。
(2017年9月1日付紙面より)
町立温泉病院の健康講座 (那智勝浦町 )
那智勝浦町体育文化会館で8月28日、町立温泉病院(山本康久院長)医師による健康講座「認知症と介護の予防」があった。医師・看護師3人が認知症と認知症患者との接し方を講話し、町民ら約60人が耳を傾けた。
紀南病院の初期研修医・藤内康平さんが認知症について解説した。物忘れ自体を自覚できない症状が特徴で、高齢者の4人に1人がかかり、アルツハイマー型が多く、治療は発展途上だと説明した。生活習慣の改善や日記をつける、脳を働かせるなど低下しやすい能力を鍛えることで進行を遅らせることができると話した。
認知症検査方法の一つである長谷川式簡易知能評価も試した。治療可能な認知症もあるとし、「早期発見、早期受診、早期介入が大切。本人と家族が心地よく暮らせるようにして」と述べた。
温泉病院看護師の西地仁美さんは認知症患者について「本当に困っているのは患者本人。外国の空港に取り残されたような心境になっている」と話し、コミュニケーションのポイントとして▽否定しない▽言葉は分かりやすく▽非言語的に身ぶり手ぶりなどを交えて接する▽不安や混乱を和らげる関わりを持つ▽自分の感情が相手の感情にも影響することを知る▽感情に働き掛ける▽思い出話をする―の7点を教えた。
患者の家族は戸惑いと否定、混乱と怒り、拒絶、割り切りを経て人間的に成長し、認知症を理解すると話した。
山本院長は、いきいき健康サロンを通して見た町の中山間地区に住む高齢者について語った。サロンの参加者は元気で引きこもりを地域で支える動きがあり、難聴でも雰囲気を楽しみ、よくしゃべり、目的を持って体を動かしているとまとめた。認知症については、理解を深めて不必要な不安を持たず、自身や家族にもやってくるという覚悟を持つことが大切だと訴えた。
(2017年9月1日付紙面より)
5地区で意見交換会開く (古座川町 )
古座川町は8月28~30日、町内5地区で区役員らを対象にした意見交換会を開いた。町民目線で見た地域の課題を探るのが狙いで、町長~課長級の幹部職員がじかに各区単位での意見を聞き取りした。
町域が広く当局だけでは把握しきれない各地区の課題を、事情も含めてよく知る区役員や区が推薦する区民からじかに聞く機会として計画。今回は旧町村単位で5会場(七川総合センターふるさと、役場本庁、保健福祉センター、小川総合センター、三尾川小学校屋内運動場)を設け、町内44区の区役員らに最寄りの会場に足を運んでもらうよう要請して開いた。
30日午後に開かれた小川地区対象の意見交換会には区役員ら13人が出席。序盤は西前啓市町長が本年度主要事業のうち新規にあたる▽子育て支援事業(保育料軽減、給食費無料化拡充、子ども医療費助成拡充)▽移住定住者新築住宅等補助事業▽入院時室料市町村間差額補助事業―の概要をアピールし、重点継続事業の現状も報告した。
中盤以降は意見交換に充て、区単位で順次意見を聞いた。各区の役員からは▽生活道路でもある県道や町道の支障の速やかな改善▽町職員によるスズメバチの巣除去奉仕の復活▽アユなどの生息を意識した森林・河川環境整備の推進▽一人でも多く町内に来てもらうためのアピール実施や定住者を招きやすい住環境の推進▽害があってからではなく害を出さないための鳥獣害対策の推進▽自動体外式除細動器(AED)設置に伴う講習会の実施―などの項目で要望があり、各担当者が実現の是非の判断や実現に向けた方針などを掲げて受け止めた。
また▽老朽家屋を住民が解体した場合の廃材を町は無料で引き取れるのか(=一般廃棄物として引き取れる。労力と運搬費用は住民負担)▽本年度増便したふるさとバス路線はどうして片道しかないのか―などの質問もあった。
同日午後は小川地区のほか、夜半に三尾川地区で実施。高池地区と七川地区は28日、明神地区は29日にそれぞれ実施した。
(2017年9月1日付紙面より)
三山に正式参拝 (熊野速玉大社 )
全国の熊野に縁がある神社でつくる「全国熊野会」(会長・上野顯熊野速玉大社宮司)は8月29日、新宮市の熊野速玉大社を正式参拝した。
一行は関東地方から沖縄県までの熊野神社28社73人で、熊野神社の交流と親睦を深めることを目的とした第12回総会「熊野三山本山大会」に合わせて訪れた。28日には熊野那智大社に正式参拝。同大社で総会を開き、那智勝浦町内のホテルで懇親会を行った。
速玉大社に到着した一行は修祓(しゅばつ)・祓(はら)いの儀、祝詞奏上、神なぎの舞、玉串奉てんなどを行った後、場所を屋内に移して「熊野速玉祭」のビデオを鑑賞し、熊野本宮大社への正式参拝のために、同大社を後にした。
上野宮司は全国熊野会について「3年に一度『熊野三山本山大会』を開き、それ以外は東日本、西日本に会場を振り分けながら、全国にある熊野神社を巡拝している。一社一社お参りすると年数がかかりますが、夢やロマンを持ち続けながら親睦と熊野神社の隆盛を願って総会を続けている」と説明。
正式参拝終了後に訪れた宮司・総代らを前に「お祭りを続けていくためには、自然を守っていくといった状態が必要だ」と話したことについて、「熊野信仰は自然の中にある尊い聖なるもの。そして、恐れ多いものに対するスピリットをお祭りすることが根源になっていますから、いかに科学が万能になって便利な世の中になっても一番の原点である自然が残ってこないことにはお祭りもままなりません。自然を残すということが、お祭りの存続にも人の崇敬とともに大事なことだと思う」と話した。
(2017年9月1日付紙面より)