新宮市出身の加藤恒平選手
日本サッカー協会は25日、キリンチャレンジカップ(6月7日、シリア代表)と2018ワールドカップロシア・アジア最終予選第8戦(同13日、イラク代表)に向けたメンバー25人を発表し、新宮市出身でPFCベロエ・スタラ・ザゴラ(ブルガリア)所属の加藤恒平選手(27)が初選出を受けた。
加藤選手は、小学1年で新宮サッカースポーツ少年団(新宮SSS)に入団。中学進学と同時に母方の祖母宅のある千葉県へ移り、ジェフユナイテッド千葉の下部組織、立命館大を経て当時のJ2町田入りした。その後はモンテネグロ、ポーランドでプレーし、現在はブルガリアでプレーしている。
代表入りについて父・恒生さん(60)は「まさか、自分の息子が選ばれると思ってなかったので驚いた。選ばれたからには、もう一つ上を目指して頑張ってほしい」、恒平選手と共に所属した新宮SSSで指導する兄の力也さん(30)は「宣言通りの代表入りだが、知らせを受けたときは奇跡だと思った。これからは試合に出られるように頑張り、後輩たちに夢を与えてほしい」と期待を寄せた。
新宮SSSの居軒龍成主将(12)は「帰省すると必ず練習に来て教えてくれる、優しい先輩であり先生。代表に選ばれたのは驚いた。後に続けられるように僕たちも頑張るので、恒平選手にも頑張ってほしい」とエールを送った。
(2017年5月27日付紙面より)
南紀くろしお商工会(森川起安会長)は25日、那智勝浦町のホテル浦島で本年度総代会を開いた。昨年度事業報告、本年度事業計画、役員の補充選任など3議案を承認した。
本年度は、「観光促進による交流人口の増加」「町内関係者の合意形成」「地域資源の発掘・磨きあげ」「両町協力による観光メニューの強化」の四つを重点として、小規模事業者の経営環境改善、事業継続のための伴走型支援に取り組む。
森川会長は「人口減少などの構造的な変化による消費の減少など厳しい状況にあるが、両町の地域資源を共有し、四つの事業を重点に置いて、地域活性化のために官民一致協力し、総力挙げて取り組んでいかなければならない。地域に活力をもたらす組織づくりを」と呼び掛けた。
総会の席上、優良事業所に町長表彰、優良従業員に商工会長表彰が行われた。4事業所、10人が表彰され、受彰者を代表して由谷恭兵さん(重大屋由谷商店)が「商売人の役割は地域の不便を感じ取り、解消すること。その役割が地域の活力を呼ぶことにつながる。初心に帰り、顧客目線に立った行動をしていく」と述べた。
寺本眞一町長のあいさつとして植地篤延副町長は「国内の経済情勢は緩やかな回復との分析結果が出ているが、まだまだ先行き不安な状況にある。人口減少に伴う高齢化や後継者不足などの厳しい中、魅力ある店舗づくり、経営指導、商品券利用促進、店舗づくり、町を元気にするイベントなど商工会が果たす役割は大きい。ますますの発展を」と代読した。児玉征也東牟婁振興局長は「4月に赴任してから、商工会の懇親会や女性部、青年部の総会などで皆さんの熱意を強く感じてきた。今後の活躍に期待する」とあいさつした。
(2017年5月27日付紙面より)
菓子潮ざきと儀平菓舗 (串本町 )
三重県伊勢市で開かれた第27回全国菓子大博覧会・三重で、串本町にある菓子潮ざきの和菓子「かわけむり」と儀平菓舗の和菓子「芋いも」が最高位の名誉総裁賞(一般菓子部門)に選ばれた。2175点の中から全国で50点、県内で2点が入賞していて、両店とも大きな励みとして受賞を喜んでいる。
この博覧会は1911(明治44)年に始まり、戦中戦後を除きおおむね4年に1回、全国菓子工業組合連合会と会場地の同会実行委員会が実施している。第27回は「お伊勢さん菓子博2017」と題して4月21日~5月14日に開かれ、期間中はのべ58万4100人の来場を集めた。
品評会は第1回から続く同博覧会の主軸。今回は業界団体推薦の専門家審査員が一次審査で数百点に絞り込み、さらに消費者らが二次審査をして同賞を始めとする各賞が選ばれた。
菓子潮ざきの「かわけむり」は、明治ごろから老舗菓子舗に伝わる秘伝の技法で仕上げた干菓子。阿波和三盆、国産天草天然糸寒天、鬼ザラ糖、那智勝浦町色川産の平飼い自然有精卵を素材とし、口の中で軽やかにとろけ洗練された甘さが余韻を引く風味を特色とする。
同店は「立岩巻」も出品し、一次審査で選ばれた証となる金菓賞を得た。店主の潮﨑雄一さん(48)は「今の店を開いて初めての名誉総裁賞で、光栄の限り。入賞に恥じないよう、今後も精進していきたい」と意気込みを新たにしている。
儀平菓舗の「芋いも」は、古くからおいしいと評判の潮岬産サツマイモを使った黄身餡(あん)をシナモンの風味の皮で包んだ和菓子。和洋折衷の懐かしい味わいが特色で、同店の看板和菓子「うすかわ饅頭」に次ぐ主力商品として親しまれている。
同店は「うすかわ饅頭」も出品し、「立岩巻」と同じ金菓賞を得た。さらに製造部長の丸山正雄さん(42)は潮﨑さんに続いて町内2人目となる橘花榮光章(功労表彰)を受章。「重みのある賞状を数多くいただき、うれしさでいっぱい。これからも皆さんの期待に応えるよう励みたい」と喜びを語った。
今回の審査は新たに一般の目も加わったことで消費者感覚に一層近づいたとされている。上記の和菓子はいずれも定番商品で、各店で随時購入できる。同博覧会の名誉総裁は現在、三笠宮彬子女王殿下がお務めになられている。
(2017年5月27日付紙面より)
新宮市交通事故をなくする市民運動推進協議会(会長・田岡実千年市長)は25日、同市春日の市人権教育センターで総会を開いた。本年度事業計画など全4議案を承認したほか、交通安全功労者として3人を表彰した。
本年度は▽子どもと高齢者の交通事故防止▽飲酒運転の根絶▽後部座席を含めた全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底―を重点に啓発活動などを展開する。
昨年、新宮市内では81件の交通事故が発生し、死者は1人、けが人は102人だった。県内の交通事故は2914件で、死者40人のうち57・5%を占める23人が65歳以上の高齢者だった。田岡市長は事故件数は減少しているものの死亡事故が発生しており予断を許さない状態と述べ、協力を求めた。
谷本克也新宮警察署長は「管内の状況は、人身事故が昨年に比べマイナス。しかし今年は物損事故が増加しており、いつけがのある交通事故に発展するか分からない」と述べ、高齢者への啓発を行いたいとし「皆さんは地域の交通安全リーダー。ぜひ連携を深めて、お願いできれば」とあいさつした。
(2017年5月27日付紙面より)
医療センター中井院長が講演 (新宮市 )
新宮市立医療センターの中井三量院長(脳神経外科医)が11日、新宮市福祉センターで「身体の健康について―脳卒中の予防的外科治療―」をテーマに講演した。脳卒中は医学の進歩で死亡率4位に下がっているが、後遺症が残ることが多いため、介護原因の1位になっているとし、発生前の治療などを紹介した。
厚生労働省の平成14年の調査によると、脳卒中(脳血管障害)は死因の4位(年間13万人)で、患者数は年間137・4万人(4位)、国民医療費は年間1・7兆円(4位)。高齢者医療費では年間1・38兆円(1位)で、要介護の原因の1位となっている。
脳卒中の内訳は、くも膜下出血15%、脳出血25%、脳梗塞60%(脳血栓42%、脳塞栓15%、一過性脳虚血3%)。中井院長は、脳卒中が発生する原因として▽血圧が高い▽食塩を多くとる▽糖尿病▽悪玉コレステロールが多い―などを紹介。
突然、激しい頭痛に襲われたり、手足の動きが悪く、ろれつが回らなくなったりした人がいたら、衣服を緩めるなど、息をしやすい体勢にして、すぐ救急車を呼ぶよう呼び掛けた。
新宮市教育委員会主催の健人大学5月講座で講演した。受講生約200人が聴講した。中井院長は、医療センターの医療に対する要望があれば、声をあげてほしいと話していた。
(2017年5月13日付紙面より)
北山小学校4年生の社会見学
熊野市有馬町の熊野市消防本部(職員80人)を10日、北山村立北山小学校(松本広明校長、児童15人)の4年生3人が山口哲(さとし)教諭の引率で社会見学に訪れた。
児童らは消防司令補の北勝志さんの案内で庁舎を見学し、北さんから救急隊員や消防隊員がどのような仕事をしているかを教わった。
消防長の岡田敏哉さんからは「救急の電話をする時に備えて、自分の家の正確な住所、お父さんお母さんの名前を言えるようにしておいてください」と指導を受けた。通信指令室では119番通報する練習をしたが、練習中に実際の119番通報があり、児童らは1分で救急車が出動する様子を見ることができた。
車庫に移って、救急車や消防車に乗せてもらい、車の設備、車中での仕事、出動の手順などの詳しい説明を受けた。防護服を着せてもらい、その重みや暑さも体験した。
児童らは、消防の仕事は怖くないか、火事の一報から何分で出動できるか、なぜ短時間で出動できるのかなどを質問した。なぜ消防士になったのかという質問に、北さんは「人を助けたい気持ちがあったから。私だけでなく消防士はみんなそうだと思う」と答えていた。北さんからは、家に火災報知器があるか確認することと自宅の正確な住所を覚えるという二つの宿題が出された。
岡ひよりさんは「火事や救急の時に消防署でどんな仕事をするのかを教えてもらい、今まで知らなかったことを知ることができた」と話していた。
(2017年5月13日付紙面より)
橋杭小玄関前でお披露目 (串本町 )
串本町立橋杭小学校(岡﨑明生校長、児童48人)で今年もバラ「エルトゥールル」が花の時期を迎えている。昨年より半月ほど遅れたが、次々と深紅の花が咲いている。花つきがいい株を選んで玄関前に飾り付けていて、正門越しに鑑賞することができる。
このバラは平成25年5月、駐日トルコ共和国大使夫人に送られた新種で、同夫人は「エルトゥールル」と命名。27年6月に同町の日本トルコ友好125周年事業で町民が育てた株約20本がお披露目され、以来両国友好の象徴の一つとなっている。
同校は上記のお披露目時に使われた木製プランターケースを譲り受けた機に、バラ「エルトゥールル」を育てようと考えて入手先を調査。同事業に合わせて苗15本を寄贈した日本バラ協会の若林英子理事から千葉県船橋市の店舗「パティオローズ」(小川宏代表)が生みの親だと紹介を受け、併せて「串本町の学校が育ててくれるなら」と苗を私的に寄贈する申し出があり感謝して苗をもらうことにした。
昨年1月に苗20本が届き、児童を代表して当時の6年生(現中学2年生)が鉢植え。バラの育て方に詳しい田並在住の小川春寛さんに教わった方法で管理し、児童も水やりなどの世話をしているという。
昨年は4月中旬に咲き始めたが、今年は5月初めに初開花を迎えた。枝を切り詰めて越冬させたため、株自体がまだ小ぶりで花も大きいもので10㌢弱。前校長から管理を受け継いだ平松聡教頭は「つぼみをいくらか摘めば花を大きくできると思うが、花の数が減ってしまうのもさみしいのでなかなか踏み切れないでいる」と述べ、当面は株任せで大きくなるのを見守るとした。
(2017年5月13日付紙面より)
21日の体育祭本番に向け (潮岬中 )
串本町立潮岬中学校(藤本弘子校長)の生徒52人が12日、ダンス「これぞオチャヤレ岬節」の練習に取り組んだ。体育祭に向けた準備の一環。本年度は21日(日)に挙行する計画で、練習も大詰めを迎え、この日は全学年一丸で通し練習に臨むなどした。
「これぞオチャヤレ岬節」は潮岬節保存会(島田和幸会長)が継承する正調潮岬節を現代的にアレンジしたダンス。同校が体育祭で披露するのは8回目で、初披露となる1年生は4月中旬から、経験のある2、3年生は一足早く3月中旬から練習に励んできたという。
12日の前半は1年生と2、3年生に分かれて練習し、1年生は会員・稲生由紀子さんの指導を受けて稽古の総仕上げに臨んだ。2、3年生は教員指導で過去に教わった振り付けに磨きをかけ、後半は1年生も加わった生徒全員で通し練習などに励んだ。
本年度も生徒の指導を担当した稲生さんは「初めて挑戦する1年生は振り付けを一通り覚え、2、3年生はとにかく元気に踊ってほしい」と期待し、練習の後押しをした。
潮岬地区で育つ子どもは小学校で踊り「正調潮岬節」、中学校でダンス「これぞオチャヤレ岬節」を練習し運動会や体育祭で披露している。本番では同会が生歌を届け、生徒と会員の共演で郷土色豊かに会場を盛り上げる。
(2017年5月13日付紙面より)