市田川大規模内水対策部会合 (新宮市 )
2017年10月の台風21号豪雨を受けて発足した熊野川減災協議会「市田川大規模内水対策部会」の4回目の会合が25日、新宮市役所であった。今般の会合を経て「市田川流域大規模浸水対策計画」を策定。同部会は今月をもって閉会し、今後は熊野川減災協議会において年に1度、各機関による対策の進捗(しんちょく)管理や達成状況およびその効果などを確認し、早期に目標が達成できるよう努めていく。
同部会は、市内を流れる市田川沿いの水害の原因を究明するとともに軽減対策を考えようと、昨年1月22日に発足。4回にわたり、より効果的な浸水対策を総合的、一体的に推進するために、ハード・ソフト対策を短期的、長期的事項に取りまとめる計画案を協議していた。委員は国土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所の堤英彰所長、気象庁和歌山地方気象台の山田尚幸台長、和歌山県県土整備部の髙松諭部長、田岡実千年市長の4人。
計画は、短期計画としては5年程度で浸水被害の軽減効果が高い対策を集中的に実施し、長期計画は概ね20~30年程度で浸水被害解消に向けた対策を実施することを目標に掲げている。
計画にはハード対策として▽市田川、浮島川排水機場ポンプ増強▽都市下水路の整備▽流域対策。ソフト対策として▽水位情報共有システムの構築▽複合ハザードマップの作成▽防災教育・啓発活動の推進▽水防資機材の充実▽タイムラインの確実な運用―などが取りまとめられた。
策定を受け、髙松部長は「2017年の台風以上を想定しておかなければならない。県としても協力していきたい」。堤所長は「西日本豪雨を含め、国民の関心の高い状況。各機関で引き続き想定外を見据えながらハード面、ソフト面での連携をしていきたい」。山田台長は「気象庁としては、活動に役立つために、そして住民が避難できるための情報をしっかり提供していきたい」と述べた。
田岡市長は計画策定に対して関係者らに感謝を述べ「昨年9月の集中豪雨では750㍉の雨が降り、5時間で200㍉を超えたが、取り組みの中で被害を最小限に抑えられたと効果を実感している。策定後もこれまで以上に連携いただき、防災・減災に努めていきたい」と協力を呼び掛けた。
(2019年3月27日付紙面より)
那智勝浦町は25日、町役場大会議室で町内の有志14人と観光企画課の職員らによる「観光振興ワークショップ」の成果報告会を開いた。町議会議員や住民ら約30人が参加した。
町が(株)リクルートライフスタイルに委託した「平成30年度観光振興アドバイザリー業務」の一環。ワークショップは昨年8月から11月末にかけて、顔合わせ1回のほか計6回、役場や町体育文化会館で実施した。問題解決型ワークショップの主催や企画プランニングをする(株)マサカノ(福岡県・門田隆代表取締役社長)が協力し、門田さんが進行役を務めた。
堀順一郎町長は「次年度の町の施策であるDMO(※)に生かされると期待している。観光振興に尽力を」とあいさつ。観光企画課の吉田明弘課長は▽官民協働で観光振興の機運を高めること▽10年、20年先を見越した地域の若手、中核人材の育成▽地域コンセプトの作成―などの趣旨を述べ、「考えたコンセプトを対外的プロモーションの軸にできれば」と話した。
この日はワークショップに参加した町内の団体、個人の中から熊野那智大社神職の井戸大輔さんほか4人が出席し、第1回目からのワークショップの内容を報告した。地域が大切にしているものを挙げる話し合いでは、那智の滝と熊野那智大社だと全員が一致したことから、井戸さんが同大社の由緒や神話について詳しく語った。八咫烏(やたがらす)の絵文字が描かれた「那智瀧宝印」を解釈し「御利益のキーワードは『結ぶ』ではないか」と述べた。
話し合いの中から合意的に導き出されたコンセプトを「那智勝浦町は、那智の滝が源となって育んだ命、暮らし、文化の町。御利益は“結ぶ”」と示し、▽いつでも誰でも楽しめる「結ぶ&つなぐ33パスポート」▽滝水を使用した結(むす)ビールや結(むすび)ソーダ、地域の食材を取り入れた「お結び」―などの商品開発を提案した。
門田さんは「那智勝浦町は良い観光資源がたくさんあって一本化が難しい。ようやくかけらが見えてきた。来期に磨き込み、発信できれば」と話していた。
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※DMO=デスティネーション・マネジメント・オーガニゼーションの略。DMOとは、地域の観光資源に精通し、地元と連携しながら観光名所を作り出す法人のこと。海外では、地場に根付いた法人が活発に機能することで成果が出始めている。
(2019年3月27日付紙面より)
おむすびマルシェ2019 (古座川町 )
古座川町相瀬にある一枚岩前で24日、イベント「おむすびマルシェ2019」があった。風は冷たいが始終日差しが注ぐ好天に恵まれ、今回も手作り品の市などが多くの来場者を集めてにぎわった。
このイベントは、町内の若手有志が結成するおむすび部が主催。初秋の「おむすびまつり」と双翼の交流行事で、「マルシェを通して人と人を結び地域のみんなをつなげたい」という有志の一人・岩倉美記さん(27)の思いを他の有志みんなで支える形で回を重ねている。
今回は同町観光協会(須川陽介会長)が初展開するキャンペーン「古座川桜フェア」に包括される一イベントとして計画。フランス語で市場を意味するマルシェには24店舗が参加し、一枚岩鹿鳴館下のスペースに軒を連ねて来場者の注目や購買を集めた。
幼い子どもは勝浦ライオンズクラブが作成した広さ6畳程度のエア遊具に興味津々。会場中央にはステージが設けられ、グループ「笑音風」の音楽ライブやパフォーマー「タクト」の演技、地かるた「くまのじかるた」を使った景品付きの競技会やビンゴゲーム大会が活気を誘い、最後はお菓子まきで盛り上がった。
今回は同フェアとの連動で川をさかのぼるように会場を求める必要があり、旧来の南紀月野瀬温泉ぼたん荘から一枚岩前へと舞台を移したそう。この企画を主導した岩倉さんは「マルシェということで店と客のやりとりが主な内容になりますが、それだけではもったいない。いろいろな人と親しくなれるのが田舎のいいところで、今日のやりとりをきっかけに大勢の皆さんがつながってくれたら」と期待しながら運営の指揮に当たっていた。
(2019年3月27日付紙面より)
専修学校各種学校優秀卒業生 (新宮市 )
平成30年度専修学校・各種学校優秀卒業生市長表彰式が26日、新宮市役所であった。王子珠算学校、萩原きもの総合学院、新宮料理学院の生徒ら10人に田岡実千年市長が表彰状と記念品を贈呈した。
表彰は市内にある各種学校の模範となる卒業生に毎年行われている。表彰式には向井雅男副市長ら関係者も出席した。田岡市長は受賞者たちの努力に敬意を表し、「習得した知識、技能はこれからの長い人生で役立つ」と述べ、「各学校の皆さんの活躍を祈念しています」とあいさつした。
受賞者を代表し、萩原きもの総合学院の平尾優芽さん(17)は「このような晴れがましい栄誉を頂いたのは、ひとえに各学校の先生方をはじめ、皆さんのご指導などのおかげ。今後も受賞に恥じないよう頑張っていきます」と謝辞を述べた。
(2019年3月27日付紙面より)
第11回和歌山陸上競技協会記録会
第7回新宮市長杯女子サッカー大会
那智勝浦町長旗・町老連会長盾争奪グラウンドゴルフ大会
市空家等対策計画の現状 (新宮市 )
新宮市は2018~22年度までの5カ年計画で「市空家等対策計画」を進めている。国の「空家等対策の推進に関する特別措置法(特措法)」を受けて本年度から始まった。年度末に向けて市に取り組みの現状を聞いた。
空き家などは「個人の財産」であることから、所有者等の理解を得ることができない場合、行政が介入することが難しいケースが多く、全国でも対応に苦慮してきた。
ここで国が14年に特措法を制定、公布し、市町村が空き家などの対策に取り組むために法的根拠の整備に取り組んだ。新宮市内でも空き家などが増加しており、市民の生命、身体、財産を保護するとともに、生活環境の保全を図り、空き家の適正管理や利活用の促進の対策を総合的に推進していくために同計画を策定した。
同計画は、▽快適な住環境の保全▽安全で安心なまちづくりの推進▽空家等を活用した定住の促進―を基本理念に、相談会や適正管理の促進といった対策を進めている。昨年3月には市空家等対策検討委員会を設置、情報共有や対策の推進などについて協議、検討を行っている。
市では県、専門家とタイアップして、偶数月に空き家所有者を対象にした無料相談会を開催。司法書士や建築士、不動産鑑定士などを交え、昨年10月から3回実施した。東牟婁管内で1回平均10件程度の相談があり、大半の相談が市内だったという。また、苦情への対処として所有者に適正管理を促している。
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16年度の調査によると、建物に対する空家等率は3・2%で、県内では低い数字だ。
相続されていないままや、引っ越しして放置されているケースが多く、市管理課では「空き家対策は幅広い専門家の協力が必要。市単独では難しい。県では相続を含めた相談会を開いているので、日時などを紹介しています」。なお、次回は4月9日(火)に同市緑ヶ丘の東牟婁振興局で開催する予定。「空き家相談センターわかやま」(電話073・427・6070)でも相談を受け付けている。
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調査結果を踏まえ、市では、戸別に相談を受けた空き家の状況などを把握し、所有者のニーズを把握し、今後の取り組みや施策に反映していく考え。
賃貸、売却などの利活用を考えている所有者に対しては、県住宅供給公社が運営する「わかやま空き家バンク」を紹介。同バンクでは、市内で住宅を探している人、市外からの移住を考えている人とのマッチングを図っている。高田、熊野川地区では空き家バンクを実施している。年に数件の相談があり、担当する熊野川行政局を紹介している。
(2019年3月13日付紙面より)
JR西日本と那智勝浦町は10日夜、合同の津波避難訓練を実施した。巨大地震の発生を想定し、走行中の列車を停車。津波から身を守るため、乗客らは町立下里中学校の体育館まで避難した。
同町と新宮警察署、串本警察署、和歌山大学、JR西日本、鉄道各社約160人が参加。地元の下里区の住民も体育館へ避難した。
雨天の中、行われた訓練では、新宮方面から串本方面に向かう287系3両編成の列車が走行中に、マグニチュード9・1の南海トラフ巨大地震が発生し、列車が緊急停車したと想定。停車したJR下里駅では参加者や関係者らがJR職員の指示の下、ホームから避難場所である中学校を目指した。また、避難用のはしごを用いて列車から降りる参加者もいた。
学校体育館に到着後、JR西日本和歌山支社の伊藤義彦支社長は「雨の中の参加ありがとうございました。これだけの雨と夜間の中の訓練は初めてだった。今日は本番ではなく、いつ起きるか分からない災害が発生した際が本番。例え条件が悪い中だったとしても、本日の経験を生かして避難してほしい」と講評。堀順一郎町長はJRや参加した地元自主防災組織、住民に感謝を述べ、「訓練を重ねることで一人一人が助かろうという機運も高まり、実際に逃げ切れると思う。南海トラフに係る地震や津波が20~30年の間に70~80%起こるといわれている。町では防災減災に取り組んでいるが今後、さまざまな訓練を実施していくので、ご参加していただけたら」と語った。
訓練に参加した下里在住の芝地洋子さんは「今まで緊張感がなかったが、最近は災害関連の報道も多くなってきた。しっかりと心の準備をしていかなくてはならない」と気持ちを新たにした。
すさみ町でも11日、同様の訓練が行われた。
(2019年3月13日付紙面より)
高田小・中で土砂災害避難訓練 (新宮市 )
新宮市立高田小学校・中学校(大家淳志校長、児童14人、生徒3人)で11日、土砂災害を想定した避難訓練があった。児童、生徒たちは避難経路を確認するなど、災害への意識を深めた。
2011年に発生した東日本大震災から8年が経過したことに伴い、子どもたちに山の多い同地域で起こる可能性がある土砂災害への意識を持ってもらおうと初めて実施した。
訓練は同校横の山が崩れ落ちてきたと想定。午後2時に校内放送が流れると、児童生徒らは校舎裏口から教職員の指示に従って校庭へと逃げた。避難を済ませた子どもたちに大家校長は、避難経路が土砂でふさがれて危険性が増す場合もあるとし、用意した脚立で校外に脱出し安全な場所へと逃げるよう語った。
同中学校の竹村伸也教頭は「地盤が緩くなる大雨や地震が発生したときには土砂崩れになる可能性が高くなる。自分の身を守り、素早く避難することが大切です。いつどこで起きるか分からない。先生や家の人たちがいない場合などもあるため、日頃から考えて行動してほしい」と呼び掛けた。
水口風輪(かりん)さん(小6)は「実際に土砂崩れなどが起きた場合、どうしたらよいのか分からないので、訓練ができて良かった。学校行事の一つではなく、普段から心掛けることが重要だと分かった」。
大家校長は「日頃から訓練で終わらせず、一人一人が災害などへのイメージを持つことが大切。子どもたちだけでなく、大人も何が何でも生きるという気持ちを忘れないでもらえれば」と話していた。
(2019年3月13日付紙面より)
新宮市
東日本大震災から8年を迎えた11日午後2時46分、新宮市役所で犠牲者に対し黙とうがささげられた。庁舎内に呼び掛けの放送が流れると、職員らは起立し、亡くなった人たちを追悼した=写真。
震災発生後の2011年3月14日に茨城県高萩市で給水活動に携わった山本茂博・市防災対策課長は「今なおまだまだ課題がある中で、それぞれの地域の人たちが頑張っている。一日も早い復興復旧を願っている」とコメント。当地方でも必ず起こるとされる巨大地震、各地で発生する内陸地震に触れ「どこで発生するか分からない地震に対し、より一層気を引き締めたい。出前講座など機会を見つけて啓発を行い、防災・減災に尽力していきたい」と話していた。
新宮市は、震災で甚大な被害を受けた宮城県名取市と姉妹都市関係にある。
(2019年3月13日付紙面より)
春季近畿地区高校野球大会県予選
亀山柔道クラブカップ (紀宝柔道会 )
新年度当初予算案を発表 (太地町 )
太地町は7日、過去最高額となる一般会計33億6495万9000円の新年度当初予算案を発表した。前年度より8億7005万6000円(34・9%)増。
森浦湾周辺整備事業や夏山地区の公園化に係る事業、防災行政無線の更新などに力を入れる。また、町の将来を見据え、日本の鯨研究の最高機関である鯨類研究所の整備にも着手する意思を示した。さらに今年度は初の試みとして、50周年を迎えるくじらの博物館事業会計から一般会計へ繰入金5000万円を計上する。町が掲げる「くじらの恵みを全町民に」のスローガン通り、その恵みが一般会計予算を通じて町民に分配される。
三軒一高町長は、博物館の発案者で元町長の故・庄司五郎氏に触れ、「今回の5000万円の計上は庄司元町長のくじらの博物館の財源をもって住民を豊かにするという思いを一つかなえることができたのでは」と話した。鯨類研究所については「クジラの学術研究都市として、世界の学者が『クジラの研究をするなら太地へ行きたい』という町にしたい。30年の計画は現在15年目。ビジョン通りに進んでいる」と語った。
予算案は12日(火)開会の町議会に上程する。
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■歳入
町税は前年度より1106万5000円(5%)減の2億927万円。地方交付税は2500万円(2・6%)増の9億8000万円。繰入金は前年度と比較し7273万3000円(25・4%)増の3憶5957万6000円。町債は過疎対策事業債や施設整備に係る水道事業会計出資金などで、前年度より5億7010万円(91・7%)増の11億9200万円。町税などの自主財源は19・5%(6億5506万7000円)、地方交付税などの依存財源は80・5%(27億989万2000円)。
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■歳出
投資的経費の普通建設事業は14億3595万円で7億7701万4000円(117・9%)増となり、全体の42・7%を占める。主な事業に冷蔵施設整備事業(4億9294万1000円)、防災行政無線デジタル化整備事業(4億4495万3000円)などを計上。社会資本インフラ関係の整備を中心に大型事業などを実施する。
(2019年3月9日付紙面より)
新宮市健人大学(同大学運営委員会主催)の閉講式が5日、市役所別館(旧職業訓練センター)で開かれた。上廣正幸委員長が橋口嘉代さんら21人に5年間精勤賞を贈ったほか、生徒たちが128人の来場者たちを前にコーラスや民謡、大正琴などを披露した。
大学の生徒は市内の老人クラブ会員たち。本年度は約350人が受講し、毎月さまざまな分野の講演を聴講した。5回以上の出席が5年間続いた生徒たちに精勤賞が贈られている。
閉講式で上廣委員長は「日頃から熱心に受講していただき、ありがたい限り。5月から新元号がスタートします。新しい日本が皆さんにとって幸多い時代となりますよう、願っています」とあいさつ。大正琴教室が「さくら変奏曲」、コーラス教室が「和歌山県民歌」、民謡教室が「別府湯けむり」などを披露し、来場者たちも歌を口ずさんだ。
(2019年3月9日付紙面より)
神内小で人権落語鑑賞会
紀宝町立神内小学校(森脇洋校長、児童63人)で7日、人権落語鑑賞会があり、全校児童と地区住民が切磋亭琢磨(せっさてい・たくま=本名・石崎豊)さん(67)の落語を通して命や仲間の大切さを学んだ。
切磋亭さんは1976年、同町立成川小学校を皮切りに32年間、県内の学校で教壇に立った。津市在住で落語歴は40年を超える。
神内小では最初、児童と早口対決した。全ての願いを込めた子どもの長い名前の話「寿限無(じゅげむ)」で競い、児童の記録11秒を破る9秒で読み上げると、客席から大きな拍手が湧き起こった。
「落語を聞くときに大事なことは、笑うことと想像すること」と紹介。創作人権落語「好きなもの、嫌いなもの」を披露し、「好き嫌いはみんな違う。だから、みんな違っていいんだよ」と呼び掛けた。
一席後、30年ほど前の教員時代の思い出を話した。重い心臓病を患った4年生の児童がいた。手術が成功し、クラス全員で学校に迎える準備をしていた時に亡くなった。3学期の修了式後、「先生より早く死ぬな。長生きしろ」と最後の宿題を与えたという。
切磋亭さんは各地で「命の大切さ」を訴える講演活動を続けており、鑑賞会終了後、「生きたくても生きられない命がある。子どもたちに命の大切さを伝えたかった」と話していた。
(2019年3月9日付紙面より)
■那智勝浦町
那智勝浦町立の4中学校で8日、卒業式が開かれた。116人(男子58人、女子58人)の生徒が希望を胸にそれぞれの舞台へと歩みを進めた。
下里中学校(久保敏晴校長)では24人(男子5人、女子19人)が通い慣れた学びやを巣立った。
卒業証書授与後、久保校長は「3年生の全力で取り組む姿を2年生、1年生がしっかりと受け継いでくれる。皆さんは家族、地域の方々に見守られ、支えられて成長した。下里中学校で学んだことを糧にそれぞれの道を歩いてください」と祝福した。
同中学校のほかでは、那智中学校60人、宇久井中学校30人、色川中学校2人が卒業を迎えた。
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■太地町
太地町立太地中学校(城谷真司校長)では8日、義務教育を終えた28人(男子13人、女子15人)が3年間の思い出を胸に、新たな一歩を踏み出した。
城谷校長は一人一人に卒業証書を手渡し、「諦めず、粘り強く、限りなく前進してください」とエールを送り、宇佐川彰男教育長は「しっかりと学力をつけてくれた。成長を実感している」と祝辞。記念品の授与、在校生の送辞があり、卒業生を代表して由谷碧唯(あおい)君が答辞を述べた。
送る歌で在校生や教職員らが『変わらないもの』を歌い、卒業生は『はばたけ未来に』の横断幕と祝福の拍手に送られた。
(2019年3月9日付紙面より)
新宮市は2月27日、総額364億8579万9000円(前年度比5・3%増)の2019年度当初予算案を発表した。一般会計は178億3457万2000円と前年度に比べて11・3%増で、05年の合併以降3番目に高い数字となった。増率は10から11年度にかけての13・8%に次ぐ2番目。文化複合施設整備事業を中心に、将来を見据えた「暮らしやすいまち」を目指す予算編成となった。5日(火)開会の市議会3月定例会に提出する。
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■歳入
市民税は人口減などの影響により0・2%の減、固定資産税は償却資産が3・6%減を見込む一方で、新築件数の見込み増により、家屋で7・3%増、総額で0・3%の増を見込んでいる。
地方特例交付金は、住宅ローン減税分は前年度同額、10月からの幼児教育無償化は国からの全額補塡(ほてん)のため213・4%増とした。
地方交付税は、普通交付税が前年度実績などから増額が予想されるが、特別交付税は大きな増減が見込まれないことから前年度同額としており、0・8%増を見込む。
基金繰入金は新宮城跡・新宮城下町遺跡発掘調査事業に対する熊野川関連施設整備基金繰入金などの減により24・6%減となった。
市債は文化複合施設整備、紀南環境広域施設組合負担金、道路橋りょう、クリーンセンター設備などの更新・整備による過疎対策事業債、文化複合施設整備による合併特例事業債の増などにより総額で15・8%の増。
歳入の構成比率は、自主財源23・2%、依存財源は76・8%となっている。
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■歳出
投資的経費は、旧仮庁舎再利用整備事業や、やたがらすサッカー場人工芝張替事業などが完了したが、文化複合施設整備事業や私立認定こども園整備事業補助金の計上により、総額で97・5%増。
義務的経費では、児童扶養手当の支払い回数増加などの影響で扶助費が増加したが、新陳代謝により人件費が5・3%減。児童扶養手当や訓練等給付事業扶助費の増により扶助費は0・5%増。公債費は保健センター整備にかかる地域総合整備事業債や臨時財政対策債などの償還額が減となるなど、総額で1・6%の減となった。
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■主な事業
▽子育て世帯等プレミアム付商品券発行事業(1億9587万円)消費税率引き上げの影響を緩和し、地域の消費を喚起・下支えするため、低所得者や子育て世帯主を対象に商品券を発券する。
▽「ねんりんピック紀の国わかやま2019」開催事業(1101万円)同市においてはサッカーとボウリング競技が行われる。
▽野菜花(か)き産地総合支援事業補助金(1241万4000円)野菜花き産地の拡大と活性化を目的に、イチゴなどの生産に用いるビニールハウスの新設などに対し補助する。
▽新宮港40周年記念事業補助金(1200万円)「地球深部探査船ちきゅう号」を招き、各種イベントを実施する。
(2019年3月1日付紙面より)
雪まつりスタンプラリー抽選会 (那智勝浦町 )
商工祭「南の国の雪まつり」実行委員会(森川起安実行委員長)は2月27日、那智勝浦町商工会館でシャトルバス利用者のプレゼント企画であるスタンプラリーの抽選会を開いた。今年の雪まつりは約3万人(主催者発表)が来場した。
雪まつりの会場周辺には駐車場が少ないことから、那智漁港やホテル浦島駐車場などに臨時駐車場を設け、そこから無料シャトルバスを運行した。
スタンプラリーはシャトルバスの利用促進とバスに乗車することを催しの一つとして楽しめるようにと平成25年から開始。乗車時に配布された台紙に会場内にあるスタンプを集めると賞品の抽選に参加できる。
今年の運行状況は午前8時~11時、午後1時~3時にピストン運行を行い、スムーズな運営を実施した。利用人数は延べ1442人(対前年比1128人減)と公共交通機関の利用も目立った。スタンプラリーには237人(同23人減)が参加した。
賞品は千葉県勝浦市、徳島県勝浦町、長野県白馬村と上松町の物産やグッズ、自衛隊Tシャツ、自衛隊バッジ、非常時セット、オリンピックマスコットぬいぐるみ、消防救急隊トートバックなど。森川実行委員長と名誉実行委員長の堀順一郎町長が抽選した。
スタンプラリーのメッセージには▽シャトルバスが次々と来て便利でした▽バスの時間がピストン運行でよかった▽毎年、グルメを買うのが楽しみ▽スタンプラリーが大好きです▽きいちゃんのグッズを販売してほしい▽芸能人が来てよかった▽娘と雪遊び楽しんでます▽子どもたちが初めての雪に大喜びだった―など多くの感想が寄せられていた。
堀町長は「たくさんの方々が町を訪れてくれた。また、応募も多くしていただき感謝しています」と述べ、森川実行委員長は「今年も無事に終了した。抽選は終わってからの新たな喜びだと思う。今後も期待していただけたら」と語った。
(2019年3月1日付紙面より)
来年度の当初予算案発表 (古座川町 )
古座川町が2月27日、来年度の一般会計など当初予算案の概要を発表した。一般会計当初予算案の規模は30億9840万円(対前年度比14・85%増)で、主な歳出事項として高池下部区内で来年度末完成予定の津波避難施設整備事業(3億円)などを含む。特別会計を含めた同案が提出される同町議会3月定例会は今月5日(火)午前9時、役場本庁議場で開会する。
一般会計当初予算案の歳入、歳出の内訳は別図の通り。歳入における自主財源は4億7351万8千円(構成比15・3%)で、対前年度比7795万6千円増。主な要因は繰入金8047万8千円増で、町税収入は1億8851万5千円を見込んでいる。
当局は同予算案に盛り込んだ来年度の新規事業として▽津波避難施設整備事業(3億円)▽高規格救急自動車整備事業(3278万5千円)▽町道改良事業〈立合峯線〉(500万円)▽各計画策定事業(公営住宅長寿命化計画407万円、子ども・子育て支援事業計画297万円、公立学校施設長寿命化計画369万6千円)▽公共施設・学校施設空調設備整備事業(三尾川小学校64万4千円、七川総合センター230万円)▽池野山集会所基本構想設計業務委託料(50万円)▽アメリカカンザイシロアリ被害本調査事業(100万円)―など。
継続事業として▽子育て支援事業〈保育料・給食費完全無料化と子育て支援出産祝い金〉▽入院時室料市町村間差額補助事業▽ブロック塀等耐震対策事業▽町道改良事業〈池田線、大柳高瀬線、平井川1号線〉▽子ども医療費助成事業〈18歳までの医療費助成〉▽移住定住者新築住宅等助成事業―を挙げている。
うち津波避難施設整備事業は本年度に詳細設計まで完了する見込みで、3億円は工事費とその監理費。国補助金1億3090万円、起債7810万円、防災基金からの繰り入れ9100万円で賄う計上内容としている。同施設は鉄筋コンクリート造2階建てで、フロア高4・6㍍の2階と同8・4㍍の屋上を避難場所とし260人規模の収容を想定。来年度中の完成予定だが、西前啓市町長は同施設の特性上、一日も早い完成を目指すと意気込んでいる。
高規格救急自動車整備事業は、平成18年度配備車両の更新整備。アメリカカンザイシロアリ被害本調査事業は、本年度の補正予算で緊急実施した調査の延長で取り組むという。
特別会計の当初予算案の規模は7会計(国民健康保険、同保険七川診療所、同保険明神診療所、へき地診療所、簡易水道事業、介護保険、後期高齢者医療)の合計で12億7448万9千円(対前年度比10・37%減)。当初予算案の総額は43億7288万9千円で、対前年度比6・14%増となっている。審議は6日(水)以降の本会議で行う見込み。
(2019年3月1日付紙面より)
田岡市長が記者会見で説明 (新宮市 )
新宮市の田岡実千年市長は2月27日、市役所で定例記者会見を開き、新年度当初予算案について「市民の誰もが元気で心豊かに暮らせるまちを目指して予算編成をした」などと説明した。
市は記者会見で、5日(火)に開会する市議会3月定例会に提出する条例7、予算18、その他1の計26議案を発表した。会期は28日(木)までの24日間。一般質問は12日(火)から15日(金)までの4日間を予定している。住民投票条例制定請求代表者の意見陳述、質疑、討論、採決については8日(金)の本会議で行われる予定。
田岡市長は新年度予算について、西村伊作設計の旧チャップマン邸をまちなか観光交流拠点として供用開始するために必要な事項を定める「旧チャップマン邸条例」、手話教室や手話奉仕員要請講座の内容の充実などを図る「手話言語条例」、50㌗未満の発電事業の実施に係る届け出を市において義務化、適正な事業管理を行う「太陽光発電設備と地域環境との調和に関する条例」の3件の新しい条例について説明。「水野家入部400年や新宮港開港40周年など節目の年になる。イベントなどを通して多くの人に来ていただき節目を祝うとともに、市内外にPRしていきたい」と決意を述べた。
文化複合施設整備事業については「大きな事業。これから2年間で完成させるために粛々と頑張っていきたい」とした。
本年度一般会計補正予算案は、6億1596万6000円を追加し、総額183億4349万1000円とするもの。▽退職手当基金積立金3000万円▽路線バス運行維持費補助金4967万3000円▽やましろ号運行維持費補助金1004万9000円▽企業誘致等促進補助金61万4000円▽県営事業の急傾斜地崩壊対策事業等に伴う地元負担金447万円▽小中学校のブロック塀改修および空調設備整備に係る費用3180万円―などを盛り込んでいる。
(2019年3月1日付紙面より)