王子幼稚園で卒園式 (新宮市 )
今月末で休園が決定している新宮市立王子幼稚園(山本眞也園長)で24日、卒園式が開かれた。園児11人(男8、女3)は職員や保護者から祝福され通い慣れた学舎を巣立ち、新たな一歩を踏み出した。園児らは保護者に対し、「お父さん、お母さん、今まで育ててくれてありがとうございました。1年生になっても頑張ります」と感謝を述べ、手作りのメッセージカードと歌を贈った。
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1958(昭和33)年に誕生した王子幼稚園。ピーク時の79年には138人もの園児が在園し、子どもたちの元気な声が周辺地域を明るくしていた。
83(昭和58)年に初めて入園者が100人を切り、微増微減が続いた。その後も少子化や保護者の働き方、生活環境などの変化もあり、入園児数は減少傾向へ。新年度の入園希望者がおらず、休園する運びとなった。
同園所蔵の資料から主な行事を振り返ると▽69(昭和44)年9月の始業式ではプレハブ園舎を使用▽74(昭和49)年、王子小学校のマラソン大会に初参加▽同年8月プレハブ園舎取り壊し作業が開始され、王子青年会が奉仕で備品類を小学校へ運搬▽80(昭和55)年3月、太地町のくじらの博物館と植物園への卒園遠足▽93(平成5)年3月に新園舎竣工(しゅんこう)式、園児も出席▽2009(平成21)年6月、お茶ごっこ▽15(平成27)年3月、国体選手のなぎなた演技を見学▽18(平成30)年11月、焼き芋パーティー―など。
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同園では17(平成29)年度から同小の校長が園長を兼任することとなり、畑下圭喜・元校長が園長を務め、18(平成30)年度から山本園長が引き継いだ。
山本園長は「児童にとっても、園児と交流することは多くのことを学ぶ良い機会になっていた。休園は大きな損失の一つ。遊びの中で学習していく幼稚園の姿は小学校にはない学びであり、私も勉強になった」。
「卒園生の方々やご家族が幼稚園の良さを地域に伝えていただけたらありがたい。園児が増え、再園することを強く願っています」と話した。
卒園する園児たちに対しては「素直に喜び、積極的な姿に元気をたくさんもらった。幼稚園で学んだことを小学校でも生かして、何事にも興味を持って取り組む姿勢を続けてほしい」と語った。
(2020年3月25日付紙面より)
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「宇久井海と森の自然塾」が地玉の浜清掃 (那智勝浦町 )
那智勝浦町宇久井半島の自然保全活動を続ける宇久井海と森の自然塾運営協議会(玉置之一会長)は22日、同半島の地玉(じごく)の浜海岸で漂着物を取り除く清掃活動を実施し、会員ら45人が汗を流した。
毎年この時期に実施する恒例作業。宇久井ビジターセンターから徒歩約20分の磯場には、台風など高波で打ち上げられた多くの漂着物があり、ごみの種別もペットボトル、空き缶、空き瓶、スプレー缶、ロープ、漁の浮きに使われた発泡スチロールなどさまざま。町指定ごみ袋で分別回収し、大きな流木は、のこぎりやチェーンソーで小さく切断して処分した。タイヤ4本も回収した。自然塾会員の西垣内茂さんは「大きなごみや外国製のペットボトルは昨年より減ったが、細かなごみやプラスチックごみがこんなに多いとは」と驚いていた。
作業にはNPO大杉谷自然学校、休暇村南紀勝浦、那智宇久井郵便局からも応援に駆け付け、地道な手作業ながら海岸は見違えるほどきれいになった。
ボランティア参加の40代女性=同町天満=は「時々ここへ遊びに来るが、ごみの量は気になっていた。これだけの人数だと片付くのも早い」と感心していた。ボランティアには中学生と高校生の2人も参加した。
昼食時にはこの海岸でとれたフノリのみそ汁と、海岸で花開くハマダイコンが作業の疲れを癒やした。
(2020年3月25日付紙面より)
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田並のさくら遠足2020 (串本町 )
串本町田並にある田並劇場が20日、イベント「田並のさくら遠足2020」を開き事前に申し込んだ24人をクマノザクラ眺望の名所「ちのと」へといざなった。
同劇場を営む林憲昭さん・澄蓮さん家族が地元住民から教わり、毎年訪れて愛(め)でている「ちのと」の山桜。その眺望場所一帯は山が深く切れ込み、山腹にある山桜の花盛りが一望できる景観に親しむ事ができる。
今時期に咲いているのはクマノザクラではないかと直感した澄蓮さんは、基本野生種としてにわかな話題になった2年前に古座川町長追在住の樹木医・矢倉寛之さんに相談。期待通りの答えを得て、以降「ちのと」を広く紹介したいという思いで前年度からこのイベントに取り組むようになった。
当日は同劇場へ集合し、案内役の矢倉さんも合流。田並川沿いの田並上集落奥まで車で移動し、その先は歩いて約1・4㌔先にある「ちのと」の眺望場所を目指した。道中に点々と自生するクマノザクラを間近に観察し、矢倉さんは自身の研究の経緯や分類学の視点、クマノザクラの花序の特色や同定時に注目する部分などを解説。お気に入りの一本を見つけてよく観察しほかのクマノザクラなどとの違いを確かめながら理解を深める筋道を立てて関心を促した。
眺望場所に到着後は、古田にある農家カフェ「つくる」の仕出し弁当を味わいながら小休憩。林夫妻によるワークショップも体験して折り返し、同劇場へ戻って解散した。
(2020年3月25日付紙面より)
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社会福祉法人美熊野福祉会(森常夫理事長)は19日、各事業所(杉の郷、杉の郷えぼし寮、虹、ゆず、ワークランドそら、法人本部)の職員らに手作りマスクを配布した。職員や地域ボランティアが新型コロナウイルスなどの感染症予防のために308枚を制作。色とりどりの手作りマスクが、各事業所に明るい風を吹き込んでいる。
同法人では現在、マスクやアルコール消毒液を全体に供給しており、業者にも発注済みとのことだが、今後のマスク不足に備え、このほど職員と10人の地域ボランティアにマスクの制作を依頼した。マスクの着用徹底により、利用者や来客の健康や不安払拭(ふっしょく)に最大限の注意を払っている。
手作りマスクの利用は「待っているより自分たちにできることをやろう」という思いによるもの。橋上慶一・本部事務局長は「手作りマスクは職員やボランティアの皆さんが、善意で1枚1枚一生懸命縫い上げてくださったもの。大切に使わせていただいています」と感謝を示す。
同法人の障害者自立支援施設「ワークランドそら」が運営する「cafeそら」(新宮市佐野)では、玄関に消毒液を設置。手作りマスクを着けた職員、利用者らが調理や接客に当たっている。橋上事務局長は「最善の策を取っています。ぜひ、多くの方々に安心してご来店いただき、楽しい食事の時間を過ごしてほしい」と願いを込めた。
(2020年3月25日付紙面より)
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新宮市や那智勝浦町などの小学校で (卒業式 )
新宮市と那智勝浦町の各小学校で19日、卒業式が行われた。児童たちは校長から卒業証書を受け取り、思い出が詰まった母校を巣立っていった。北山村では北山小学校の3人が卒業した。今年は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から各校ではマスク着用の上、規模を縮小するなどして実施した。
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新宮市では神倉99人、王子ヶ浜48人、三輪崎72人、高田3人、熊野川14人の計236人が卒業した。三輪崎小では芝﨑勝善校長が一人一人に卒業証書を手渡して、最上級生として自覚ある行動とパワーで下級生をリードしてくれたと語り、「人と人が共に生きる社会で大切なものの一つがあいさつです。これから進むそれぞれの中学校で不安なこともあると思いますが、『笑顔であいさつ』を忘れず、夢に向かって進んでください」と送り出した。
全員で「旅立ちの日に」を合唱した後、卒業生代表の福田美心(みこ)さんが教職員や学校関係者、保護者らに感謝の気持ちを伝え、「これから私たちは夢に向かって歩んでいきます。小学校で学んだことを胸に刻み、力強く生きていきます」と別れの言葉を述べた。
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那智勝浦町では勝浦45人、宇久井33人、下里12人、市野々4人、色川3人の計97人が卒業。宇久井小では山本健策校長が卒業証書を手渡し、卒業生の頑張りをたたえた。課題に対する集中力の高さ、下級生への素晴らしい接し方など担任教職員の言葉を紹介し、「つらいことがあっても、おなかいっぱいご飯を食べて、寝て、力をためて、何度でも挑戦する。君たちならできるはず。活躍を祈っています」とエールを送った。
卒業生は全員で答辞を読み、教職員や給食調理員、子ども見守り隊、保護者など、学校生活を支えてくれた多くの人に感謝した。「真っすぐ前を向き、希望を胸に夢に向かって一歩一歩歩んでいきます」と結び、「旅立ちの日に」を合唱。保護者たちはわが子の姿をカメラに収め、涙を浮かべていた。
23日(月)には太田小学校(尾﨑卓子校長)の6年生5人が卒業式を迎える。
(2020年3月20日付紙面より)
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勝浦漁港公衆トイレ供用開始 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は今年2月末に同町築地の勝浦漁港に完成した勝浦漁港公衆トイレなどの利用を19日正午に開始した。船員専用浴室など、設備が充実したトイレ施設は同漁港に寄港するマグロ漁船の乗組員(船員)や、観光客らの利用に向けて建設された。
町によると、これまでは同漁港に隣接するにぎわい市場にはトイレはなく、その近くにある足湯施設「海の湯」のトイレのみだった。また、乗組員用のシャワー室も新冷蔵庫施設建設のため撤去。浴場を無料開放していた勝浦シーハウス熊野灘も営業時間帯のみの利用だったため、深夜や早朝に寄港する乗組員にとっては利用しづらい状況にあったという。
トイレ施設の建設は、観光客の利便性向上とマグロ漁船乗組員へのサービスの一環。建築面積は68・14平方㍍。▽男子トイレ(大便器1基、小便器2基)▽女子トイレ(大便器2基)▽多目的トイレ(大便器1基、オストメイト、ベビーチェア、おむつ替えシート)―が設置されており、5台分の専用駐車場もある。
水揚げなど同漁港に寄港した乗組員が24時間利用できる浴室にはシャワー室が3室、浴室が1室あり、ドライヤーやロッカー、シャンプー、リンス、ボディソープも完備。最も多いインドネシアの乗組員に対応した看板も設置している。設計監理費含め建設費は約4260万円。隣接のにぎわい市場や足湯施設らと統一感を持たせたデザインとなっている。
担当する農林水産課は「多くの乗組員の皆さまが那智勝浦町へ来ていただけるようにシャワーなどを整備させていただいた。トイレについても観光客や一般の方々に利用していただけたら」と語った。
(2020年3月20日付紙面より)
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串本町や古座川町の小学校が19日、新型コロナウイルスの感染防止策を講じて一斉に卒業式を営んだ。串本町では119人(男子67、女子52)、古座川町では14人(男子9、女子5)が卒業証書の授与を受け、感謝や決意を掲げて巣立ちの時を迎えた。
古座川町立高池小学校(大畑眞校長)は同町中央公民館で同式を営み、在校生代表の5年生と教職員、家族が見守る中で6年生11人(男子7、女子4)が卒業証書の授与を受けた。大畑校長は将来の夢やこれから取り組みたいことにコツコツと努力して頑張ること、そして詩「赤い花白い花」を紹介して自分らしく周りの人の事も考えられる人になってほしいと11人の今後に願った。
5年生は11人への憧れの思いを明かしつつ「友達を大切にして勉強や運動に頑張ってほしい」と送る言葉を寄せ、11人は在校生への思いや先生ら学校職員や家族への感謝を示して「中学校に行っても小学校での学びを忘れず新しい友達とも仲良くして頑張る」と決意を掲げた。児童はそれぞれの思いを歌に乗せて交わし合って、別れの節目をつけた。
他の小学校の卒業生数は▽明神小1人▽三尾川小2人▽串本小27人▽橋杭小5人▽潮岬小37人▽出雲小4人▽串本西小16人▽大島小7人▽西向小8人▽古座小12人▽田原小3人―となっている。
(2020年3月20日付紙面より)
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熊野速玉大社
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)はこのほど、熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ、イザナギノミコト)、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ、イザナミノミコト)をはじめとした十二柱のご祭神の拝殿に案内板を設置した=写真。
案内板の設置は昨年の暮れ。社務所に「どこにどの神様が祭られているのか」といった質問が多く寄せられていたことから設置に至ったという。案内板には神々の名前のほかにも、簡単な説明文も添えられている。
同大社によると、新型コロナウイルス感染症の影響で3月上旬をピークに参拝客が激減したとしながらも「最近では少しずつ参拝者数も増え、意識的には次の段階に来たと感じます」。「よみがえりの地・熊野」をPRすることによって、地域活性化に寄与することができればと話していた。
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■4月3日にさくら祭り
同大社境内で4月3日(金)午前11時から、「新宮神社例祭・さくら祭り」を斎行する。例年は祭典終了後に餅まきを実施していたが、今年は新型コロナウイルス感染症予防の観点から、正午より餅を配布する。
(2020年3月20日付紙面より)
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県立高校で合格発表 (和歌山県 )
和歌山県の県立高校で18日、一般入学試験の合格発表があった。新宮・東牟婁地方では新宮、新翔、串本古座高校で337人が合格した。
発表は午前10時、一斉に各校内の掲示板などに張り出されるとともに、新型コロナウイルス感染拡大予防として、受験者や中学校関係者用に設けられた県ホームページにも掲載された。緊張した面持ちで待っていた受験生たちは、自分の受験番号を見つけると友人と抱き合うなどして合格を喜んだ。
各校の合格者数は新宮高校全日制173(定員200)人、定時制7(同40)人、新翔高校96(同120)人、串本古座高校61(同120)人だった。
新宮高校に合格した女子生徒は「合格は信じていましたが、不安だったのでとてもうれしく安心しました。サッカー部に入ってクラブ活動と勉強を両立させて頑張りたい」。新翔高校に合格した生徒は「掲示板を見るまで緊張しました。理科は得意ですが、英語が苦手でたくさん勉強した。部活ややりたいことは、これから探そうと思います」と期待を込めて話していた。
定員に満たなかった高校の追加募集は24日(火)に出願受け付け、26日(木)に学力検査、30日(月)に合格発表を行う予定。
(2020年3月19日付紙面より)
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小中学校午前の授業再開 (古座川町 )
古座川町立の5小中学校が18日、午前の授業を再開した。先月28日以降、19日ぶりに登校した児童生徒は新型コロナウイルス感染症予防対策をこなしつつ、3学期に節目をつける学校生活に臨んでいる。
同町教育委員会は国の要請を受けて今月2日以降、学校を当面休みとしつつ再開のめどを模索。校長会の考えや保護者の声、学校医3人の意見を総合的に勘案し、今回の対応を16日付で児童生徒の保護者に通知した。
その内容は18日、19日(木)、23日(月)、24日(火)と期日未定だが春季休業期間中の離任式がある日の計5日間を3月の登校日とするもの。今後の状況により変わる場合があるとしつつ、午前のみ授業を行うとしている。学校給食やクラブ活動は引き続き休止となっている。
同町立明神小学校(速水和美校長、児童12人)の児童は事前に学校が配ったマスクをして登校。げた箱前で先生に迎えられ、互いに元気かどうかを確かめ合いながら手をアルコールで消毒しそれぞれの教室へ入った。その後は集会を開いて今回の対応中の過ごし方について説明を受け、授業に臨んだ。
19日は卒業証書授与式で4年生以下は自宅待機となり、24日は修了式、期日未定の日は離任式があるため、授業に臨める回数には上限が伴うのが実情。速水校長は中道悟教育長の意に準じ、児童が3学期の節目をしっかりとつけ、進級して迎える新しい年度を意識できるよう努めるとしている。
(2020年3月19日付紙面より)
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令和元年観光入込客総数 (和歌山県 )
和歌山県は、令和元年観光客動態調査で、総数・日帰り客数・宿泊客数とも前年より増加し、うち、総数・日帰り客数が史上最高を記録した平成28年を上回ったと発表した。また、外国人宿泊客数も過去最高となった。
県が発表した観光入込客総数は約3543万3000人(前年比102・4%)で日帰り客数は約2993万1000人(同102・5%)、宿泊客数は550万2000人(同101・7%)。うち外国人宿泊客数は約50万2000人(同104・7%)だった。
昨年は7、8月の天候不順や台風の接近などで、夏季の観光入込客総数が前年に比べ減少したものの、例年にない長期間のゴールデンウイークや、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の登録15周年記念キャンペーン、ねんりんピック紀の国わかやま2019の開催などが奏功し、年間の総数・日帰り客数は史上最高に、宿泊客数も前年を上回る結果となった。
10月からの羽田―南紀白浜線の航空機材大型化や改元に伴う各地での記念イベントの実施、1年を通じて高野山・熊野地域をはじめ、県内各地が多くのメディアに取り上げられたことも影響したと分析する。
宿泊客数は田辺市本宮町(前年比121・7%)、旧串本町(同115・8%)などが好調。那智勝浦町は大型宿泊施設のリニューアル工事の影響で、前年比72・9%となった。
外国人宿泊客数に関しては、中国市場が白浜町などで好調に宿泊客数を伸ばし、前年比31・5%増と過去最高を記録。欧米豪市場も引き続き好調で、高野山・熊野の世界遺産エリアを中心に、前年比16・6%増と堅調に推移。韓国市場においては、日韓関係の悪化の影響を受け、前年比43・7%減と宿泊客数が大幅に減少した。
観光地別では、世界遺産エリアの高野町や田辺市、新宮市、そして白浜町などで過去最高を記録した。一方で、耐震工事の影響や団体ツアーの減少により、那智勝浦町などで宿泊客数が減少した。
県では、世界的メディア(CNN、BBC、ロンリープラネットなど)との共同キャンペーンや海外プロモーション、メディア取材・エージェント下見支援などの継続的な誘客対策に加え、東京五輪やワールドマスターズゲーム2021関西など、多くの外国人観光客の訪日が見込まれる機会を捉え、引き続き海外からの観光客の誘客を進めるとしている。
(2020年3月19日付紙面より)
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レッスンバッグを寄贈 (JAみくまの )
みくまの農業協同組合(JAみくまの、村上幸弘組合長)は17日、太地町公民館にある教育委員会を訪れ、反射板付きレッスンバッグの寄贈式を開いた。村上組合長が宇佐川彰男教育長に対し、今春町立太地小学校に入学する新1年生14人分のバッグを贈った。同町含む管内22校342人の児童らに対し、各教育委員会を通じて届けられる。
JA共済の交通事故対策活動の一環として、毎年実施している。児童を交通事故から守り、安心して暮らせる地域社会づくりに貢献することを目的に交通事故対策事業費を活用している。おととしは那智勝浦町、昨年は新宮市で寄贈式があった。
この日は村上組合長のほか、共済部の向井和央部長、内田和宏課長、岡本光正太地支所長が同席した。
村上組合長は「地域の宝である子どもたちの交通安全に役立てていただけたら幸いです」と語った。
バッグを受け取った宇佐川教育長は「JAみくまのさんにはいつもお世話になっている。有効に使わせていただきます」と感謝を述べた。
(2020年3月19日付紙面より)
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恒例演奏会、中止の判断 (新宮高校吹奏楽部 )
和歌山県立新宮高校(前田成穂校長)吹奏楽部(亀谷覚史顧問、山門由奈部長)は、世界的に猛威を振るう新型コロナウイルス感染症の影響を鑑み、22日(日)に同校体育館で開催を予定していた「第39回定期演奏会」を中止すると決定した。
同校吹奏楽部は、コンクールやコンテストに出場するほか、イベントへの参加や小学校訪問演奏などを通して演奏活動を行っている。この時季恒例の定期演奏会は、趣向を凝らしたステージを一目見ようと保護者や地域住民、吹奏楽ファンなどが多数訪れる人気の催し。卒業生の引退セレモニーとしても位置付けられている。
感染症拡大防止に向け、各地の小・中・高等学校で臨時休校措置が取られる中、同校では2月28日に急きょ卒業証書授与式を実施。見送る在校生、巣立ちを祝う保護者や来賓がいないばかりか、入場曲もない、校歌斉唱もない、「音のない」卒業式となった。
亀谷顧問や部員らは、世界的な社会混乱の中、「少しでも明るい話題を提供できれば」との思いから状況が好転することを期待し準備を進めてきた。臨時休校に入り、クラブ活動が休止になってからは「卒業生を送り出したい」との思いから、山門部長や副部長らと電話やメールで連絡を取り合い「規模の縮小はやむを得ない。しかし開催を目標に、前向きに準備を」と打ち合わせを続けたという。
中止の判断は、今月11日に決定した春の選抜高校野球中止と、世界保健機関(WHO)のパンデミック宣言を受けたもの。亀谷顧問は、決定は人命を最優先に判断したもので仕方がないとしながらも「みんな頑張って練習してきた。卒業生に最後の見せ場をつくってあげられなかったことが悔やまれる」と苦しい胸の内を明かす。
卒業生や各パートの紹介、演奏会の曲目や演目などを盛り込んだ自信作のパンフレットと消化しきれない思い出だけが残った。パンフレットに関しては、状況の改善が見込まれる4月以降に希望者に配布するという。
亀谷顧問は「いつの日か笑顔で演奏会を開催することができれば」と、感染症の終息と社会的混乱の収束に期待を寄せた。
(2020年3月14日付紙面より)
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図書館が来年度に仮移転 (串本町 )
串本町図書館が今年の秋に地域保健福祉センターへ仮移転する。同町は来年度当初予算で移転改修事業費3840万円を計上し、同町議会3月定例会は12日の本会議で承認。所管する同町教育委員会教育課は来年度早々に同センター内の改修工事の入札をし、年末の現施設敷地返還を間に合わせるとしている。
同館は現在、串本小学校の北隣にある旧園舎を利用する形で開館している。敷地は借地で年末に返還期限を迎えるため、同町はかねて適した本移転先を模索してきたが現時点でめどが立たず。南海トラフを震源とする大地震に伴う津波の到達が懸念されるものの、利便性を過度に損なうことがなく、すでにバリアフリー済みで改修経費も抑えられる同センターに仮移転して返還を間に合わせることとした。
本年度中に仕上がる設計では、同センター1階のロビーと食堂を図書館フロアとして確保しているそう。年末の返還期限から逆算して4月に改修工事の入札をして着手。9月ごろに引っ越しを始め、完了次第現施設を解体撤去して敷地を所有者に返す流れで進める。引っ越しは1カ月前後を要するとし、この間は休業とし利用者に理解と協力を呼び掛けるという。
南海トラフ巨大地震を前提にした同町津波ハザードマップにおける地域保健福祉センターの津波浸水深は5~10㍍。同じく県津波災害警戒区域図における同センターの津波浸水深は約6㍍で、現施設も約3㍍となっている。今回の仮移転では浸水の懸念が拭い去れないため、被災による損失が許されない貴重な蔵書は仮移転を機に高台にある空き施設で一時保管し、その他の蔵書を同センター内に並べて閲覧や貸し出しに資することを考えているという。
同課は「新庁舎、こども園、統合小と大きな事業が続く中、図書館もと言い出しにくいのが実情。移転後は町立体育館や文化センターなどと共用する駐車場が使えて、今以上に利用しやすくなる」と話し、仮移転後の利用の活発化を期待しながら来年度の仮移転を見据えている。
(2020年3月14日付紙面より)
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紀宝町でボラコ養成講座
2011年の紀伊半島大水害の際、2週間にわたり紀宝町で災害ボランティアセンターの活動に携わった県社会福祉協議会の山口訓広さんが12日、町福祉センターで講演した。昨年10月の台風19号で被害を受けた栃木市での活動を振り返り「社協は地域とのつながりが強み。被害を知ってもらうことも大切」と伝えた。
14人が参加した第6期災害ボランティアコーディネーター(ボラコ)養成講座の第4回講座で、山口さんは台風被害の概要を説明。12日に関東地方を通過し、全国で死者約100人、負傷者約400人、全壊家屋約3300棟などの被害があった。
栃木市では床上・床下浸水が計7583棟あり、山口さんは23日から1週間、市災害ボランティアセンターで運営支援に取り組んだ。「受付や現地調査など、その地域に応じたルールで活動した」などと話し、泥出し作業や運営支援など活動の様子を写真で紹介した。
「運営支援を通してスピード感や柔軟性、地域とのつながり、情報発信などの課題が見つかった」と問題提起。支援現場を想定し、参加者は「ボランティアが来ない、連絡が取れない」など住民の声にどう対応するかグループで考えた。
各グループからは「災害範囲が広く、ニーズが多くて優先順位をつけてしまうと思う」「被災者にニーズが変わっていないか確認する必要がある」などの意見があった。
(2020年3月14日付紙面より)
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第1回Kスポーツカップ
JA全農杯全国小学生選抜サッカーIN関西和歌山県大会
コロナ影響で卓球合宿中止 (那智勝浦町 )
国内外で猛威を振るう新型コロナウイルスの影響で、3月中に那智勝浦町に滞在予定だった大学卓球部の合宿が相次いで中止となった。経済的効果や町の周知、今後の来町にもつながる合宿の中止は同町にとっても大きな痛手となる。現状の詳細や今後について、合宿誘致に携わる同町在住の中西毅さん(66)に話を聞いた。
中西さんによると、合宿誘致は地域活性化や卓球競技の振興を目的に11年前から始まった。京都、大阪などを中心に大学卓球部を回り同町のPRを行ってきたという。
南紀くろしお商工会や町、町観光協会、南紀勝浦温泉旅館組合らが協力し、来町の際は歓迎セレモニーを開き、選手たちにも好評だという。
「他県と比較して気候的にも良い。体育文化会館には24台の立派な卓球台もあるため、50人までの規模の合宿なら受け入れが可能」。
選手たちが練習後に体を癒やす町内の旅館や民宿などの宿泊施設に触れ、「各宿泊施設の皆さんが、食事にも気を使い献立を考えてくれている。この町ではマグロが食べられ、温泉で体を休めることができるのも大きなポイント」と中西さんは話す。
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合宿は春と夏に実施されており、今季は5~8日に大阪経済法科大学、10~15日に佛教大学、25~29日に近畿大学がそれぞれ来町する予定だったが、新型コロナウイルスの影響を受け、全て中止になったという。「合宿はバスの移動などが主となるので、感染の可能性も上がってしまう。さらにクラブ活動も自粛となっているので今回は残念な結果となった。早期の終息を願っています」と話した。
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夏の合宿には龍谷大学、大阪商業大学、同志社大学、佛教大学が例年訪れている。
卓球合宿について中西さんは「合宿に来てもらい、技術などを向上していただくのはもちろんだが、若い世代の方々にこの町の良さを知っていただき、再び訪れていただけたらありがたい。町の活性化にもつながる」。「今後は卓球だけでなく、そのほかのインドアスポーツの誘致にも広がっていけばうれしい」と語った。
(2020年3月12日付紙面より)
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クマノザクラ花の時期に (古座川町 )
古座川町池野山にあるクマノザクラのタイプ木の開花がこのほど始まり、日に日にその度合いが進んでいる。同町発表によると11日現在で「五分咲き」の段階。他方、峯の優良木、蔵土(くろづ)や中崎の群生地の一部でほぼ満開に達する木もあるなど、町全体では時間差を伴いながら開花が進む状況にあるという。
クマノザクラは2018年3月、日本植物分類学会が国内10種目の基本野生種とする森林総合研究所の研究論文を受理したことが新種として判断する節目となった。タイプ木はその過程で必要となった標本を採取した木。同町は判断の節目以降速やかにクマノザクラを町の花として制定し、節目の半年後に発足した同町観光協会も帯企画「古座川桜フェア」を展開して適切な振興に努めるさなかにある。
道の駅虫喰岩前の県道を串本町佐部方向へ約850㍍進んだ先の民有地にあり、地元の高池小児童が手作りした看板が目印。今年は3日ごろから花が見られるようになり、同町は昨年に引き続いて公式ホームページのトップページ左上のリンク先で開花の様子を平日に更新しながら情報発信している。併せて町内の観賞に適した優良木や群生地を伝える「クマノザクラMAP」も公開し、観賞時の利便を図っている。
このリンク先は従来からあるソメイヨシノの主な観賞先の開花状況を伝えるリンク先と並列で運用していて、更新を担う役場地域振興課は「現地を訪ねるときの目安として参考にしてもらえれば」としている。
(2020年3月12日付紙面より)
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9682人の卒業生を輩出 (矢渕中学校 )
これまで9682人の卒業生を輩出してきた紀宝町立矢渕中学校。1974(昭和49)年に建設された現校舎の老朽化が進み、町では大規模改修工事を計画した。令和2年度内に本工事の詳細設計をし、早期に工事着工できるよう進めていく。
72回目を数えた本年度の卒業式では70人が学びやを巣立った。学校の歴史は長く、47(昭和22)年4月4日、当時の鵜殿村立鵜殿中学校として設立された。翌年、鵜殿・御船・井田三組合立中学校を創設。10月1日に開校式を行い、以降この日が創立記念日となった。
50(昭和25)年3月1日、校名が鵜殿村・御船村・井田村三ヶ村組合立矢渕中学校に決まった。51(昭和26)年10月13日には木造の旧校舎が竣工(しゅんこう)した。
71(昭和46)年2月5日、この2階建て校舎は一夜にして焼失した。「鵜殿村九十年史」にはこう記している。
「矢渕だ!中学校が火事だ」村人は取るものも取りあえず矢渕へ走った。寒い夜空をこがして、真紅の炎が大きな二階建校舎に燃え狂っている。火事場は驚きと悲しみの騒ぎが続いた。校舎の東にあった体育館と、その隣りにあった図書館だけが焼失を免れたが、焼け残った校舎は全く使い物にならなかった。(一部中略)
火災から20日後にはプレハブ7教室が完成し、授業再開となった。その後、校舎再建に取り掛かり、井田中学校との統合が実現。74(昭和49年)6月22日、現在の校舎と体育館の新築落成式が執り行われた。
2006(平成18)年1月10日、町村合併により、現在の紀宝町立矢渕中学校となった。苦難を乗り越え47年を迎えた現校舎。大規模改修では照明のLED化や防災機能の強化、床、壁の張り替えなどに取り組む。
(2020年3月12日付紙面より)
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会員のみで実施 (なちかつ古道を守る会 )
那智勝浦町のボランティア団体「なちかつ古道を守る会」(太田耕二代表)は11日、同町湯川で「ゆかし潟クリーン作戦」を実施した。新型コロナウイルス感染拡大に配慮し、今年は一般参加の呼び掛けを行わず会員のみで実施した。
汽水湖のゆかし潟周辺は熊野古道大辺路が通っており、妙法山も見ることができる。湖にはさまざまな魚や生物が生息している。この景観をきれいに保つため毎年クリーン作戦を行っている。
午前10時に会員16人が喫茶きよもん駐車場に集合。太田代表は「例年より少ない人数ですが、できるだけきれいにしましょう。ごみが捨てられている所へは、廃棄が続きます。道路から目立つごみにも気を付けてください」と呼び掛けた。
参加した会員は2人組になるなどして、夏山(なっさ)トンネル付近や、ゆかし潟周辺のごみを分別しながら拾い集めた。
(2020年3月12日付紙面より)
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新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、2日(月)の卒業式を中止にした県立新宮高校(前田成穂校長)と新翔高校(東啓史校長)は2月28日、3年生に卒業証書を授与した。27日に県教育委員会から卒業式中止の通達を受けて、急きょ予行演習日に実施した。
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新宮高校は3年生197人(男子80、女子117)が出席。各クラスを代表して髙岡麗さん、尾鷲丈君、東口紀之君、久司侑佳さん、久保慎之介君が卒業証書を受け取った。
前田校長は「入学以来、多くの仲間と共に心の底から喜び合ったこと、涙を流して悔しがったことなど、さまざまなことを体験しながら成長してきました。皆さんの軌跡に心から敬意と賛辞を送ります」と式辞を述べ、新たな門出に際し「力必達」「豊かな共生社会を創造する」の二つの言葉を贈った。
3年生を代表して竹内裕賀さんが答辞を読み上げた。「令和最初の卒業生として、私たちがこれから新たな時代をつくっていかなければなりません。新宮高校で互いに高め合ったことを忘れず、誇らしく進もう」と高らかに告げ、感謝の気持ちを伝えて母校・新宮高校の発展を祈念した。
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新翔高校では147人(男子72、女子75)と在校生が出席した。東校長は失敗を恐れず、さまざまなことに挑戦してほしいと呼び掛け、「失敗はマイナスなことと捉えがちだが、発想を転換すれば価値を生み出して新たな意味を持つことがある。世界の熊野にある、この高校で学んだ誇りを胸に、新たな目標に向かって頑張ってください」とエールを送った。
校歌斉唱後、各クラスの代表生徒が卒業証書を受け取った。皆勤・精勤や和歌山県知事、全国総合学科高等学校長協会優秀者、県産業教育振興会会長などの各賞の表彰も行われた。
(2020年3月1日付紙面より)
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下里小6年生の12人が (指導室学習会 )
東牟婁地方教育委員会連絡協議会は2月27日、那智勝浦町教育センターで「第7回指導室学習会(ふるさと学習編)」を開いた。東牟婁郡内の教職員、教育委員ら約20人を前に町立下里小学校の6年生12人が10カ月にわたるウミガメ保護活動を発表した。
15日に東京大学で開催された「第7回海洋教育サミット」で活動を発表する予定だったが、直前で断念したことから、学習会で紹介する運びとなった。
同小は海岸線に面し、漁港、海水浴場、磯場、ウミガメが産卵する浜辺が近くにあり、20年ほど前から玉の浦リップルズクラブの協力を得て保護活動を続けている。児童たちは「黒潮の海をフィールドに~小さな生命が大海原へいく~」をテーマに全員で発表し、「ウミガメの保護と飼育、海の学習を下級生に引き継いでいくことが大切だと感じた」などと伝えた。
2018年4月にウミガメ事前学習で保護活動や環境保全を学び、5月には全校児童で下里大浜の清掃活動に取り組んだ。6月にふ化場で砂の入れ替え作業をし、7月2日に産卵があったアカウミガメの卵をふ化場に移した。8月24日に76匹がふ化し、9月上旬に70匹を放流した。
10月から6匹のアカウミガメを飼育し、児童たちは「カメが元気に泳ぐとうれしくなった」「貴重な経験ができた」と語った。
ふ化してから10カ月後の19年6月に放流し「今まで育ててきたので寂しかったけど、大人になったら帰ってきてほしいと思った」と振り返り、「これからも地域の人たちと一緒に身近な環境を守っていきたい」と述べた。
発表を聞いた東京大学大学院教育学研究科附属海洋教育センターの川上真哉・特任研究員は「皆さんの訴えが大人の心に響いていく。歴史がある取り組みは磨くことで素晴らしい伝統になる。ぜひ下級生に伝えていってほしい」と話し掛けた。
この後、学習会で「那智勝浦町ふるさと読本」について作成の意図や活用方法、今後の展望などを共有した。ふるさと読本は小中学校の教諭が各地域を取材して作成したもので、小中学校の社会科や総合的な学習で活用する。また、情報をデジタル化して随時、更新するという。
(2020年3月1日付紙面より)
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三重大東紀州サテライトが協力 (うどの幼稚園 )
紀宝町立うどの幼稚園(岩本小百合園長、園児32人)で2月25日、「プログラミング教室」があった。園児たちはタブレットを操作し、夢中でキャラクターを動かして遊んだ。
プログラミングとは、コンピューターに人間の意思に沿った動きを指示するプログラムを作成することで、2020年度から小学校での必修化が決まっている。
同幼稚園では、プログラミングに親しもうと昨年度から教室を開いている。教育活動支援の一環として、三重大学東紀州サテライトの大野恵理准教授らが指導した。
昨年11月に続く2回目の教室で、園児が2グループに分かれて、1人1台のタブレットを使ってアプリケーションソフト「スクラッチジュニア」で学習した。
基本操作を教わった園児たちは、画面に登場した男の子や女の子がサッカーボールを蹴るようコンピューターに指示した。ボールを蹴る前は「今からボールを蹴ります」、ゴールが決まると「おめでとう」「やったぜ」などの音声も録音した。
シュートが決まり、自分の声が流れると「やったー。できた」と喜んだ。同サテライト東紀州教育学舎特任教授の榎本和能さんは「前回よりランクアップしたプログラムで、子どもたちは集中して取り組んでくれた。考えながらプログラミングできたと思う」と話していた。
(2020年3月1日付紙面より)
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