年内に市内全域へ (新宮市 )
新宮市と新宮郵便局は現在、QRコードおよび海抜表示付き郵便ポストの更新作業を実施している。28日には同市伊佐田町の新宮郵便局前ポストで竹田和之・防災対策課長と間嶋義則・新宮郵便局長がQRコードシートを貼り替えた。年内をめどに市内99カ所の全ポストへの更新作業を行っていく。
郵便ポストへのQRコード貼付は、昨年3月から共同実施している「災害・観光・郵便局のPR」を兼ねた取り組み。
このたびの貼り替えは防災情報を最新版である「Web(ウェブ)版新宮市ハザードマップ」にリンクするためのQRコード更新に伴うもの。更新前は市内避難所・避難場所の一覧表示だったが、貼り替え後は位置情報を利用し、現在地の危険性を瞬時に確認することができる。
郵便ポストにQRコードと海抜情報を貼付することで市民はもちろん、土地に不慣れな観光客もいざというときはスマートフォンなどでQRコードを読み込むことによってハザードマップに接続が可能。ポストの位置から現在地の津波の浸水深、最寄りの避難場所などを確認することができる(位置情報を取得するためにはブラウザの位置情報をオンにしておく必要がある)。
間嶋新宮郵便局長は「新型コロナウイルスが終息したら多くの観光客が新宮市を訪れると思う。歩いて観光する人も多く、その際は防災・観光情報などの取得に活用いただければ」と話している。
□ □
■Web版新宮市ハザードマップ
新宮市では、昨年5月から「Web版新宮市ハザードマップ」のサービスを開始している。洪水浸水想定区域や浸水被害実績、津波浸水想定区域、土砂災害警戒区域、避難所の位置などを選択して確認できるほか、洪水時や津波時の「逃げどき判定」ができる機能も備えられている。
多言語(日本語、英語、中国語、韓国語)にも対応。パソコンやスマートフォン、タブレット端末で閲覧ができる。市では「Web版新宮市ハザードマップを事前にお使いいただき、避難の際に役立てて」と活用を呼び掛けている。
(2021年9月30日付紙面より)
「社会奉仕の日」に合わせて (紀宝町 )
全国老人クラブ連合会が定めた全国一斉「社会奉仕の日」の取り組みとして、紀宝町鵜殿の老人クラブ「讃寿会(さんじゅかい)」(牧戸光彦会長)は28日、同地区の中曽公園で清掃活動を実施した。
社会奉仕の日(9月20日)は、地域社会に対する感謝と地域の担い手としての活力を示すことが目的。「きれいな地球を子どもたちへ」をスローガンに、全国各地で「花のあるまち、ゴミのないまち」を目指した美化活動、環境活動が展開されている。
同会では30年ほど前から「社会奉仕の日」と3月、7月の年3回、ボランティアで清掃に取り組んでいる。
今回は約30人が参加し、午前7時から作業を進めた。草刈り機で公園内の雑草を刈り取り、雑草を集めてビニール袋に回収するなどして約2時間で清掃を終えた。
牧戸会長は「前日から作業してくれた有志会員や参加してくれた会員のおかげでスムーズに作業を終えることができた」と話していた。
(2021年9月30日付紙面より)
すさみ串本道路田並中ノ谷地区進入路工事を請け負う木下建設株式会社が27日、串本町立串本西中学校(平原良一校長、生徒29人)を招いて現場見学会を開いた。
同社が住民に身近な工事を知ってほしいという思いで現場最寄りの同校に提案し、同校は校外の職場に触れキャリア教育を進める良い機会として招待を希望。双方、時節柄の新型コロナウイルス感染症対策を十分に講じた上で現場見学会実施へとこぎ着けた。
先んじて25日に同町の12~15歳対象新型コロナワクチン集団接種〈2回目〉があった影響で参加できた生徒は18人。スクールバスで国道42号沿いの出入り口から作業用道路経由で同社田並中ノ谷作業所(得能晃所長)を訪ね、得能所長ら社員の歓迎を受けて現場見学会に臨んだ。
得能所長による現場や見学の概要説明を経て、序盤は国土交通省紀南河川国道事務所の田中富博建設監督官がすさみ串本道路の概要を紹介。中盤は同社が準備した▽ICT建機操縦▽調査用ドローン操縦▽鉄筋組み―の各体験提供で、生徒は学年別に分かれローテーションして一通り挑戦した。終盤は工事中に心掛けていることややりがい、すさみ串本道路事業の全体像や予算規模など同校が事前に寄せた質問事項に答えて生徒の理解を後押しした。
一連の体験を経て河田栞奈さん(3年)は「ドローンで遠くまで見渡せるのが楽しかった。来る途中でいろいろな現場を見てきたけれど、難しい作業も多そうで大変だろうなと感じた。そのような仕事に頑張ってくれている皆さんと接してとてもかっこいいと思った」と印象をコメント。得能所長は「まずは学校に身近な所でしている工事や働く人々に関心を持ってもらえれば」と生徒の今後を期待し、平原校長は「校内では伝えることしかできない校外の職場をじかに見させていただけたことは、生徒の将来に対する視野を広め目標にバリエーションをもたらす。生徒の目指す将来はそれぞれなので土木分野に就くかどうかは別として、頂いた経験は今後の進路選択の中で必ず生きてくると思う」と同社の招待に感謝しつつ生徒の体験を後押ししていた。
(2021年9月30日付紙面より)
新クリーンセンター建設地 (那智勝浦町 )
那智勝浦町二河に建設される新クリーンセンターの敷地造成工事がこのほど、終了した。当初は今年5月に終了予定だったが、資材調達などに時間を要したため約3カ月の延長となっていた。令和7年度の稼働開始に向け、一歩進んだ形となった。
同町によると、工事では排水溝を設置し、谷を埋め立てて平地を造成。敷地面積は約8800平方㍍で、本年度中に工事業者の入札を実施するという。
施設本体工事は業者選定後、来年12月ごろから開始する予定。6年度(7年3月)中に工事を終え、7年度の稼働を目指すとしている。
担当職員は、新クリーンセンターは将来の人口減少やごみ量も予測して建設するとし、「1日当たりのごみ処理量は旧クリーンセンターが約50㌧だったが、新クリーンセンターは約23㌧の能力となる。人口に合わせて施設の規模も小さくなる」と話していた。
(2021年9月30日付紙面より)
2年ぶりに近大新宮祭 (新宮市 )
新宮市の近畿大学附属新宮高校・中学校(池上博基校長、生徒471人)で24、25の両日、2年ぶりの近大新宮祭(文化行事の部)が開催されている。今年のテーマは「Rainbow∞(レインボー・レインボー)」。生徒一人一人が無限の色で構成される「虹」の色になり、雨上がりの空に虹を架けようというメッセージを込めた。
本年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため一般の参加はなく、生徒のみで開催。中学校生徒会(宇惠諒介会長)、高校生徒会(小屋敷卓真会長)、実行委員らが中心となり、マスク着用や体育館の換気などを徹底して実施にこぎ着けた。
初日の24日には、2回に分けてオープニングセレモニーが開かれた。各クラスの準備風景を集めたメディア部の映像作品上映やダンスサークルのパフォーマンス、パンフレット表紙を手掛けた下地貴子さん(高2)の表彰に続き、宇惠会長が「規模を縮小しながらも、近大新宮祭を開催できることをうれしく思う」と述べ、開会を宣言。
「コロナ禍でも前向きに」との思いを込めた吹奏楽部のパフォーマンスでは、参加生徒が色とりどりのサイリウムを振って会場を盛り上げた。
池上校長は「心ときめく近大新宮祭がやってきました。全生徒一丸となって築き上げた近大新宮祭が、雨上がりの心を癒やすレインボーのように、素晴らしいものになることを心から願っている」とあいさつを寄せた。
25日には、中学生の演劇発表や高校のクラス行事、文化部の展示などが行われる。
(2021年9月25日付紙面より)
町立病院も協力し実証実験 (串本町 )
くしもと町立病院(竹村司・病院事業管理者、阪本繁院長)で22日、第5世代移動通信システム(通称・5G)と4K映像伝送システム「LiveU」を用いた遠隔医療支援の実証実験があった。
この実験は、学校法人近畿大学、串本町、株式会社NTTドコモの3者で実施。5Gで遠隔医療支援を実現する実証実験として同大学とドコモが同大学病院とつながりを持つ同町立病院に協力を求めて計画した。
具体的には同病院産婦人科診察室における胎児心臓エコー映像とその診察の様子を両システムで約120㌔離れた同大学病院胎児心エコー検査室=大阪府大阪狭山市=へ伝送し、同検査室からすでに普及している第4世代移動通信システム(通称・4G)で遠隔医療支援を注ぐ内容。伝送は通信上の安定性を確保するため1秒前後の低遅延設定で行い、対面時とほぼ遜色がない高度医療提供を同診察室で形にした。
同検査室側は医学部の稲村昇准教授、同診察室側は産婦人科の木村憲三医師と小児科の有馬智之医師が対応。患者3人の協力を得て3度繰り返し、検証を進めた。同町立病院では通信を利用し医師間で症例検討をする機会は取り入れているが、今回のように診察自体を通信でつなぐ試みは初の経験だという。
田嶋勝正町長も同実験を部分的にモニター越しで視察し、「へき地故に高度医療が受けられない状況の中、5Gを使って遠隔で高度で適切な医療を受けられるのは画期的。(この手法は)これからの医療になると状況を見て確信した」とコメント。竹村管理者は「相手側が高度な技術を持っていれば専門的な画像診断ができるとともに専門医教育の場面にも使え、こういうことに慣れていくと都会へ専門医教育を受けずとも遠く離れた所からガイドをしてもらい熟練することにつながる。医療が豊富な都市部と過疎地の格差を埋めるこの方法の大きな展開を今後に期待する」と印象を語り、地方における医師確保の難しさを和らげる可能性も見据えつつ同実験を見守った。
この実験は、同大学とドコモなど5者で昨年11月に締結した「5Gの推進、『スマートシティ・スマートキャンパス』創造に関する包括連携協定」に基づく取り組みの一環。同町はごく一部を除いてまだ5Gエリア外のため、ドコモが移動基地局車を持ち込み5Gの通信環境を確保した。
(2021年9月25日付紙面より)
3年後の開通目指し工事進む (新宮紀宝道路 )
紀宝町神内から新宮市あけぼのに至る延長2・4㌔の自動車専用道路「一般国道42号新宮紀宝道路」。紀宝町側では8月に248筆全ての用地契約が完了した。
国土交通省が平成2013年度に事業化し、18年度から町内で工事に着手。24年秋の開通を目指し、同道路の一部「熊野川河口大橋」などで工事が続いている。
本年度の同道路予算は紀宝町域に45億5000万円、昨年度補正予算15億円、新宮市域では本年度23億円、昨年度補正予算15億円が配分された。
熊野川河口大橋は延長821㍍。18年7月から工事が始まり、現在、橋脚6基の下部工事が完成し、上部工事を施工中だ。
町では「今後も国、県をはじめ関係機関と連携を密にし、早期完成に向け努力する」とコメントしている。
紀伊半島一周高速道路の実現に向けて、8月29日には、一般国道42号熊野尾鷲道路(Ⅱ期)尾鷲北インターチェンジ(IC)から尾鷲南ICを結ぶ5・4㌔がつながり、全線が開通した。
(2021年9月25日付紙面より)
老ク連180人が奉仕活動 (新宮市 )
新宮市老人クラブ連合会(上廣正幸会長)は「老人の日・老人週間」の全国一斉奉仕活動に合わせて24日朝、浮島の森駐車場や鴻田公園、緑ヶ丘会館前など市内12カ所で清掃活動を実施し、同会に所属する約180人が参加した。
清掃奉仕は「花のある町、ゴミのない町」をテーマに実施。美しい環境で公共施設を利用してもらおうと毎年、草引きやごみ拾いの活動に取り組んでいる。
同市神倉の県立新宮高校旧校門前では、西道楽天会(河上政方会長)のメンバー約15人が手分けして周辺の草を引き、協力しながら紙くずや落ち葉、空き缶を拾うなどして汗を流した。
河上会長は「天候にも恵まれ、無事に清掃を終えることができました。どうしても雑草などは多いが、昔に比べると年々、紙くずやたばこの吸い殻は格段に少なくなった。日頃から住民の皆さんの美化意識が高いのだと思っています。これからも、地域全体できれいな町を保っていければ」と話していた。
(2021年9月25日付紙面より)
なちかつGGCクラブ大会
学童軟式野球大会
秋季高校野球一次予選
紀伊風土記の丘で特別展 (三輪崎小 )
和歌山市の県立紀伊風土記の丘で開館50周年を記念した令和3年度秋期特別展「海に挑み、海をひらく―きのくに七千年の文化交流史―」が10月2日(土)から12月5日(日)まで開催される。新宮市立三輪崎小学校でこのほど、展示品として同校所蔵のモリを貸し出し提供すべく、梱包(こんぽう)作業が行われた。
同展は紀伊半島の沿岸に暮らした先人たちや海の歴史を考古学と民俗学の観点から紹介することがテーマ。和歌山県発祥の漁業にもスポットを当て、改良を重ねた技術が全国各地に伝わったことや、新宮・東牟婁含む県内各地の漁具や資料などが展示される。
同校のモリ2本は寄贈されたもので、捕鯨を行っていた三輪崎組の紋「三つの輪」が刻まれている。このモリに加え、クジラのひげや疑似餌などが貸し出しされる。
三輪崎区や三輪崎郷土芸能保存会、三輪崎漁業協同組合も協力。「鯨踊りの衣装」や「捕鯨に関する写真」「一本釣りに使用した竹の釣り竿」なども展示されるという。
紀伊風土記の丘の主査学芸員・蘇理(そり)剛志さんは「県内では江戸時代から明治半ばまで捕鯨をやってきたのが、太地や古座、三輪崎。紆余(うよ)曲折を経て、約300年にわたり、行ってきた文化が残っている。三輪崎の捕鯨はなくなったが、鯨踊りなど、さまざまな形で伝統が引き継がれ、地域の誇りになっている」。
モリについては「古式捕鯨時代のもの。形も古く、数も残っていない。古くからある三輪崎鍛冶にもつながる。鉄を加工する技術あってこその捕鯨。このモリは重要なものだと思う」と話した。
嶋田雅昭校長は「当校は三輪崎郷土芸能保存会の皆さまから鯨踊りや捕鯨について教えていただいているため、児童も三輪崎の捕鯨文化に触れることができている。価値のあるモリなどを多くの方々に見ていただけるのはうれしい」。
児童に対しては「博物館に展示されるほどの貴重な物が学校にあるということを児童にも伝えたい。県内での修学旅行になるため、行き先の一つとして展示を見に行くことも検討している」と語った。
なお、太地町の鯨舟の模型や鯨絵巻、串本町の河内祭の道具なども展示される予定。
(2021年9月19日付紙面より)
相須地区でいきいきサロン (新宮市熊野川町 )
新宮市熊野川町の相須集会所で16日、「ふれあいいきいきサロン」があった。地域住民5人が参加し、防災クイズを交えてコロナ禍の避難について考えた。
サロンは地域のコミュニティーづくりや介護・寝たきり防止、1人暮らしの人への見守りなどを目的に、区と市社会福祉協議会が協力して開いている。新宮市の施設利用再開を受け、手指消毒や参加者全員の検温、マスク着用などの感染対策を取りながら実施した。
この日は市社協熊野川ステーションの大江真季さんが、コロナ禍中に災害が発生して避難所生活を送ることになったときの備えについて講話。「災害時は危険な場所から避難するのが原則だが、食料や水に加えてマスク、アルコール消毒液、体温計などの感染対策用品を持ち出し袋へ入れておくことが大事。9月の防災月間に合わせて市内のスーパーマーケットに防災用品コーナーができているので、一度見に行ってみて」と呼び掛けた。
「高齢の方や足の悪い人は警戒レベル3の『避難準備・高齢者等避難開始』のときにはもう避難しておいてほしい」と言い、改めて早期避難の重要性を伝えた。
住民からは「紀伊半島大水害の時、なかなか救援物資が届かず難儀した」「自分の身は自分で守らなければ」との声があった。
(2021年9月19日付紙面より)
宇久井神社例大祭・宵宮祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の宇久井神社(男成洋三宮司)例大祭の宵宮祭が17日夜、本殿であった。例年多くの人でにぎわうが、昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止のため宵宮と本宮の規模を縮小。神職や祭典役員、党家講など関係者ら約20人が参列して厳かに式典が斎行された。
例年の宵宮では、式典後に宇久井青年会と秋葉会による神楽の奉納や宇久井婦人会による踊りが場を盛り上げ、盛大に餅まきが行われているが、昨年、今年は取りやめとなった。
台風接近の影響で雨が降る中、式典が進められた。熊野那智大社から出仕した伊藤士騎禰宜が神事を執り行い、祝詞を奏上。出席者が玉串をささげた。
式典後の神酒拝載では伊藤禰宜が「コロナが終息に向かいまして、活気あふれる宇久井のお祭りが復活することを心よりお祈りしております」と述べ、一同、手にした杯で乾杯した。
祭典委員長の亀井二三男さんは「残念ながら省略した形での宵宮祭となった。昨年は当地域でのコロナの影響は少なかった。来年こそはと思っていたが、感染が広がり今年も縮小する形となった。2年はわれわれにとっては大きな年。祭典関係者の高齢化も進む中、2年間休んで来年は体力的に大丈夫だろうかとの懸念もある」。
来年については「地域の祭りは氏子の方々にとって大切なもの、決断は心苦しかった。今回の祝詞にもコロナ終息の思いを込めていただいた。来年こそは皆さまの豊漁や健康を祈り、盛大にやっていきたい」と意気込みを語った。
(2021年9月19日付紙面より)
4年生が「鵜殿ばやし」を練習 (鵜殿小 )
新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの祭り、イベントが規模縮小や中止を余儀なくされ、紀宝町鵜殿地区で毎年11月22、23日に開催される「うどのまつり」も2年連続の中止が決まった。
秋を彩る「うどのまつり」は、鵜殿ばやしの手踊りが練り歩き、熊野水軍太鼓の演奏、諸手船(もろとぶね)をかたどったダンジリの上でハリハリ踊りを披露するなど、毎年、地区内が祭り一色に包まれる。
鵜殿ばやしは1992年に誕生し、96年に保存会が発足。うどのまつりや紀宝みなとフェスティバルなどで披露し、町村合併以前の旧鵜殿村運動会でも住民総出で踊ったという。
その地域の伝統踊りを子どもたちに継承してもらおうと、町立鵜殿小学校では毎年、運動会で4年生のプログラムに組み込んできた。
昨年は新型コロナの影響もあって運動会で披露する機会がなかったが、今年は10月2日(土)の運動会で2年ぶりに復活する。
本番に向け、4年生35人が保存会のメンバーに踊りを教わりながら練習に励んでいる。15日にはメンバー4人が訪れ、細かい動きを丁寧に指導した。
「沖を眺める」「網をたぐり寄せる」など漁師のしぐさを盛り込んだ男踊り。手を上げる角度や指先の力の入れ方など、難しい動作も多く、児童たちはアドバイスを受けながら覚えていった。今後も本番まで練習を重ねるという。
メンバーの松元美国さんは「現在の保存会メンバーは20人ほど。昨年から鵜殿ばやしを披露する場がなくなり、踊りを知っている子どもも少なくなってきた。鵜殿の伝統を引き継いでもらい、来年、祭りが開催されれば参加してもらいたい」と話していた。
女子児童は「踊りは難しいけど、頑張って運動会までに覚えたい」と笑顔を見せていた。
(2021年9月19日付紙面より)
新宮市観光フォトコンテストの表彰式が10日、市役所であり、最優秀賞を獲得した小阪享志さん(67)とフォスティロプロス ソフィア裕希さん(6)らに賞状と記念品が贈呈された。入選した作品35点は観光カレンダーやパンフレットなどとして活用する他、10月29日(金)まで、市役所1階ギャラリー横に展示される。
市観光カレンダー製作実行委員会(山本大輔委員長)が主催で毎年開催しており今年で10回目。今回はテーマを「私の新宮遺産」として作品を募集。一般の部には66人から242作品が、学生の部には14人から22作品の応募があった。
一般の部では昨年に引き続き小阪さんが再び最優秀賞に輝いた。作品名は「悠久の石畳」。緑色の鮮やかなこけが生えた高野坂の石畳を被写体とした。小阪さんは「(高野坂は)最近造られたものではなく、先人たちの苦労と思いが込められている。それを写真で伝えられたら」と「私の新宮遺産」に選んだ理由を語り「昨年、最優秀賞に選んでもらってビギナーズラックで終わらせないように頑張った。審査員の方々に感謝です」と笑顔。
王子ヶ浜沿いを疾走する特急列車「パンダくろしお」を捉えたのは学生の部最優秀賞のフォスティロプロス ソフィア裕希さん。保育園の卒園旅行で南紀白浜アドベンチャーワールドに行く予定だったが新型コロナウイルスの影響で中止に。「パンダが好き。アドベンチャーワールドに行きたい」という思いを写真に写した。
山本委員長は「新宮市の観光もコロナ禍で大きな影響を受けている。皆さんの作品が、新宮市の魅力発信と観光PRの一助となることを期待しています」。
審査員を務めた田岡実千年市長は作品一点一点を講評し「過去最高の作品数となった。素晴らしい数々の作品が集まった。すてきな観光カレンダーができると確信しています」と話した。
(2021年9月12日付紙面より)
南澤玄樹さんがオンライン講話 (新宮高校 )
新宮市の県立新宮高校(東啓史校長)で10日、国立研究開発法人理化学研究所・脳神経科学研究センター研究員の南澤玄樹さん(薬学博士)がオンラインで講話した。理系選択の2年生21人が脳科学研究の世界に触れ、脳と「絆」の関係について学んだ。
生徒の進路選択の一助とするとともに、最先端の研究や科学的思考に触れることで将来の研究者育成につなげることなどを目的に実施した。
南澤さんは、心理学と脳科学の違いを「心や行動に、『脳』という体の一部がどのような機能を果たしているのかを研究するのが脳科学」と説明。「人間の脳は約1000億個の神経細胞(ニューロン)によって成り立ち、嗅覚野、聴覚野、体性感覚野など部位ごとに機能分化しているが、サルやネズミ、ハエなどの脳とも大まかな位置関係や機能の共通性を持っている」と言い、「さまざまな動物の脳を研究した結晶として人間の脳が解明されていく」と話した。
現在は、一緒に時間を過ごした仲間との絆(パートナー嗜好(しこう)性)を育む習性を持つハタネズミを用いた研究に取り組んでいることを紹介。「嗅周皮質と呼ばれる脳の一部の活動を抑制することで仲間と過ごす時間が有意に減ったことが確認でき、仲間との絆を育むために嗅周皮質が大きな役割を果たしていることが分かった」と述べた。
「着想のもとになったのは、新型コロナ感染拡大後、ソーシャルディスタンスで人と人の距離が離れてしまったこと。今後さらに感染が広がってロックダウンのような状態になれば、人々の絆が失われてしまうかもしれない。研究所の仲間とオンラインで会話しているとき、それが絆の維持にどのような役割を果たしているのか、絆が失われないためには何が必要なのかと考えた」と語り、「研究を通じ、脳の損傷で人の顔が認識できなくなる『相貌失認』という症状についての認知が広がり、遠い未来に治療法開発につながる可能性もある」と話した。
参加した生徒からは「難しいところもあったが、ハタネズミの研究の話が面白かった」「研究者の仕事に興味を持てた」との声があった。
(2021年9月12日付紙面より)
紀伊大島で注目浴びる (串本町 )
串本町大島で10日夕方、コウノトリが飛来し住民の注目を浴びるなど話題になった。
コウノトリは体長1㍍を超える大型の渡り鳥で、羽を広げると2㍍前後に達する。羽はほぼ白いが翼の風切り羽などが対照的に黒く、その特徴と大きさで他の鳥類と一線を画する。
世界的に絶滅危惧種となっていて、国内では1971年に野生のコウノトリが絶滅。後にロシアから贈られた個体を繁殖させ、その子孫を放って国内で繁殖する野生個体の復帰が図られている。
目撃情報を頂き確かめたところ、3匹が県道樫野大島線から大島港へ降りる交差点一帯を断続的に飛び回り日没ごろに交差点そばの電柱に降り立って夜越しの準備を始めた。コウノトリは寝床を見つけると朝までその場にとどまり続けるそう。住民らの注目が他の注目を呼び、飛来中は入れ替わるようにその姿が見届けられていた。
3匹とも放鳥のあかしである四つの足環がついていて、兵庫県立コウノトリの郷公園の公表資料によると3匹は今年5月6日に福井県小浜市の巣塔で野外繁殖により生まれた個体で、7月14日に巣立ったそう。いずれもオスで、2カ月弱で本州縦断飛行を成した状況となっている。
(2021年9月12日付紙面より)
報知旗争奪関西さわやか大会
紀伊半島大水害供養花火 (新宮市熊野川町 )
新宮市熊野川町能城山本(のきやまもと)で4日夜、2011年の紀伊半島大水害で犠牲になった人々を追悼する花火が打ち上がった。地元住民や車中から花火を観覧していた人らは、夜空に咲いた774発の花火に10年前の水害に思いを巡らせるとともに、犠牲者の冥福を祈った。
10年の節目に供養する機会を設けられればとの思いから「供養花火をする会」(池上順一会長、会員12人)が実行した。和歌山、三重、奈良の3県から50を超える団体や法人、個人の協賛を得て実施に至った。
新型コロナウイルス感染症が拡大する中、花火打ち上げの是非や事前告知の在り方などについて協議を重ね、地元ケーブルテレビ局でのライブ中継やインターネットの動画投稿サイトの配信準備も進めた。
池上会長は「『やらない』という選択をするのは簡単なこと。供養花火を打ち上げることに対し、多くの人から協賛と協力を得た。何もしないと前に進まない。多くの人が同じ思いだったのでは」。
当日は十数㌶の田んぼの真ん中から打ち上げた。スターマインや6号玉が夜空を彩り、「献花」をイメージした白一色の花火がフィナーレを飾った。
池上会長は「6号玉の響く音が、水害で亡くなった天国のみんなに届いてくれたら。(花火が打ち上げられたのは)多くの方々のおかげ。みんなの思いが一つになった花火だと思う」。
10年間、長かったが早かった―。池上会長は熊野川を見つめ「水害後数年は復旧活動に奔走した。水害後もいろんなことがあった。これで一つの区切りがついたと思う」と話していた。
(2021年9月7日付紙面より)
鮒田地区の新たな防災拠点に (紀宝町 )
紀宝町の鮒田地区自主防災会(東口高士会長)は5日、地区の高台に完成した一時避難場所防災倉庫に地区住民の避難用品を収納した。災害時の資器材なども保管し、東口会長は「この避難場所を鮒田地区の新たな防災拠点にしたい」と話していた。
避難場所に整備した三つの倉庫を活用し、水害だけでなく、火災や津波など全ての災害を想定した防災の取り組み。150世帯のうち、この日集まった74世帯分を保管した。今後も避難用品を受け付けていくという。
避難用品を入れる衣装ケースは幅74㌢、奥行き40㌢、高さ31㌢で全世帯に配布。各家庭専用QRコードを貼り付け、家族の名前、電話番号を読み取ることができるよう工夫した。
この日は住民約50人が協力。鮒田構造改善センターで受け付けし、地区住民が各自の衣装ケースを持ち込んだ。ケースには衣類やマスク、ティッシュ、毛布、靴などが入っており、地区の男性は「災害時に必要な物を入れた」と語った。
軽トラックで衣装ケースや資器材などを倉庫に運び保管した。避難場所は海抜20㍍に位置し、広さは約850平方㍍。災害時には車中泊も可能だという。
センターでは、同地区の防災活動に関わってきた大阪工業大学工学部都市デザイン工学科の田中耕司・特任教授が配布した防災アンケートも回収した。
アンケートは、防災意識の調査を目的としたもので▽日常の習慣▽地区との関わり▽地区の防災情報▽日常的な災害への備え▽台風接近時の行動―などを聞いた。
田中教授は「鮒田地区が取り組む防災農園や防災散歩などの効果を調べた。皆さん協力的で、意識の高さがうかがえた」と話し、これから回答を分析するとした。
(2021年9月7日付紙面より)
大水害記念公園で慰霊祭 (那智勝浦町 )
2011年に発生した紀伊半島大水害から10年を迎えた4日、那智勝浦町は同町井関の紀伊半島大水害記念公園で慰霊祭を営んだ。例年は犠牲者の遺族や地域住民が参列するが、昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から堀順一郎町長と那智谷大水害遺族会の岩渕三千生代表のみが出席。二人は29人の犠牲者・行方不明者をしのび献花を行った。
午後1時30分に町内全域にサイレンが響く中、関係者は黙とうをささげた。その後、二人は29個のキャンドルがともされた慰霊碑に白いカーネーションを供えた。
堀町長は「亡くなられた方々のご冥福と被災された皆さまへのお見舞いを申し上げるとともに、人的災害や家屋災害がないように霊前にお誓いした。ご遺族にとっては悲しみが薄れることはない。4割の町職員が大水害を知らない世代となっているが、決して風化させてはいけない」。
対策や抱負については「台風は止めることはできないが、来た際にはハード整備で一時的に止め、危険から逃げていただく。町としては情報収集を行い、素早く町民に知らせ避難いただけるように率先して啓発していきたい」と述べた。
岩渕代表は「もう二度と災害が起きないように見守ってくださいという思いしかない。早めの避難を徹底し、自分の身は自分で守ることが大事。これらの行事は後世に伝えていかなくてはいけないと改めて思った。そのための活動を今後も続けていきたい」と語った。
□ □
この日は熊野那智大社(男成洋三宮司)と那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)が初の合同慰霊祭を営んだ。
男成宮司が祝詞を奏上し、参列者が玉串をささげた。続いて、髙木住職らが読経する中、焼香が行われた。
合同慰霊祭を終え、岩渕代表は「自分の気持ちで詰まっていたものがすっと下りたような気がする。心が安まる追悼供養をしていただいた」と話していた。
(2021年9月7日付紙面より)
仁坂知事が慰霊碑に献花 (那智勝浦町、新宮市 )
2011年の紀伊半島大水害から10年となった5日、仁坂吉伸知事は県内に所在する同水害の慰霊碑や記念碑を訪れ献花。犠牲者の冥福を祈った。
県では同水害から10年の節目に当たり、那智勝浦町体育文化会館で「紀伊半島大水害10年追悼式」の開催を5日に予定していたが、県内外における新型コロナウイルスの感染状況を鑑み追悼式は延期となった。
仁坂知事は那智勝浦町井関の「紀伊半島大水害記念公園内慰霊碑」と、新宮市熊野川町田長の「道の駅 瀞峡街道熊野川内慰霊碑」など、県内4カ所の慰霊碑および記念碑での追悼献花を挙行した。
那智勝浦町では、仁坂知事は花束と、水害発生から県が復興に向け実施した取り組みなどを記した冊子「紀伊半島大水害 復興10年の軌跡」を慰霊碑に供え、犠牲者を追悼した。
仁坂知事は大水害発生当時を「どれだけの犠牲者が出ているのか、恐怖で肝がつぶれるようだった。われわれは津波に備え対策し、大きなダム設置も行ったが、足りないことが分かった。人命救助後は復旧を目指した。国の支援を受けながら懸命に努力し、本格復旧が95%まで達成できた」と振り返った。
今後については「災害を忘れず、行政は災害が発生した際に人の命を救うことが重要。ITなどを駆使して、情報収集や分析を行い、次に当たらなくてはならない」と決意を新たにした。
(2021年9月7日付紙面より)
秋季高校野球一次予選
歌詞作成の羽山美苗さん (那智勝浦町 )
「やさしい朝のあいさつが みんな仲よくたすけあう きょう一日のはじめです 明るい宇久井小学校
みどりの芝の運動場 ちひろの浜の白砂に とんだりはねたり元気です 楽しい宇久井小学校
大きくゆたかな黒潮の 心をうけて育とうと 勉強に仕事にはげみます かがやく宇久井小学校」―。
「まさか自分の歌詞が選ばれるとは思わなかった。今も歌っていただいているのは本当にありがたいことです」。そう話すのは新宮市三輪崎在住の羽山美苗(みなえ)さん(93)だ。那智勝浦町立宇久井小学校で約70年歌い継がれる校歌の歌詞を作った羽山さんに当時の心境や校歌に対する思いを聞いた。
田辺市下屋敷町に生まれた羽山さんは和歌山師範学校を卒業後、父親と同じ教職の道へ進む。幾つかの小学校を経て、20代前半で同校へ赴任。当初は知人や友人がおらず、不安を抱えていたが、当時の中地晴一校長や同僚たちに励まし支えられたという。
羽山さんによると、地域や教師生活に慣れてきた頃のある夏休みに、「教師への宿題」として中地校長から校歌の歌詞制作の話が上がった。同校にはすでに明治時代に作られた校歌はあったが、歌詞が難しく当時は歌われていなかったと話す。
宇久井地域について、詳しくなかった羽山さんは困惑しながらも、夏休み期間中に地域の海や山などを自身の足で歩いて回り、前述の歌詞が完成した。その後、9月の職員会議で提出された歌詞の中から見事、羽山さんのものが選ばれた。
「言葉や意味が難しい校歌じゃなく、子どもたちにとって分かりやすいものを心掛けて作った。私の校歌が当時の文部省に送られた後に、文部省の方が宇久井小へ来られた。歌詞にある運動場などを確認していたのを覚えている」と当時を振り返った。
町立那智中学校で定年退職を迎え、教師としての務めを終えた。その後新宮市の自宅で、書道教室を開く。和歌山県美術家協会に所属し、現在も現役で地域の子どもや大人たちに書道を指導している。
羽山さんは「歌い継がれていることに感謝しています。校歌にも『仲よくたすけあう』とあるように、宇久井小に赴任した時やこれまでも、今も多く方々に支えられて生きている。それを忘れず、今後も感謝していきたい」と笑顔で語った。
(2021年9月1日付紙面より)
長寿命化計画を策定 (新宮市 )
新宮市教育委員会はこのほど、「市学校施設等長寿命化計画」を策定した。子どもや、施設を利用する全ての人々の安心安全の確保を最優先に考え、80年改築を基本に改修周期などの方針を固めた。
全国的な児童生徒数の減少による学校施設などの統廃合が進む。そんな中、市も例外ではなく、現在は小学校5、中学校5、幼稚園1。市教委が所管するスポーツ施設は現在7施設となっている。災害時には避難所としての役割も果たすため、施設の老朽化対策や環境整備は喫緊の課題だ。
千穂・丹鶴小の統合に伴い神倉小が、王子・蓬莱小の統合に伴い王子ヶ浜小が誕生。その際、神倉、王子ヶ浜小ともに校舎の建て直しや増築などが実施された。建設から40年が経過し、経年劣化による雨漏りなどの被害があった緑丘中の体育館も先日、修復工事が完了した。
しかし、城南中に至っては校舎、体育館ともに50年が経過しているほか、光洋中も45年、熊野川中も50年近く経過している。スポーツ施設では、総合体育館、佐野体育館が建築から40年以上がたっている。
同計画は、長寿命化改修を実施し、80年改築を基本とし、改修周期は建築後25年程度で大規模改造、50年程度で長寿命化改修を実施するというもの。
利用者の安心安全の確保を最優先とし、避難施設の位置付けも考慮しながら、ユニバーサルデザインの視点に立った施設造りを目指していくとしている。計画期間は今年7月から2060年までの40年間。なお、市の試算では計画実行で従来(築50年程度で改築を実施する更新)より年間8000万円のコスト縮減につながるという。
一方、児童生徒数についてはどうか。市によると、2020年度の児童生徒数は約1880人。25年後の45年度には半数程度の約920人になると予測されている。
今年2月に実施された市総合教育会議において、田岡実千年市長は「生徒数の減少に伴い、緑丘・城南中学校の2校の統合に向けて検討を」。8月19日の教育民生委員会の場で速水盛康教育長は「どのような学校にしたいかなど、さまざまなことを検討する委員会を本年度中に設置できたら」と発言した。
計画は、学校や施設の統廃合と並行して進めていく必要があるが、施設老朽化も待ったなしの状況。市教委は「子どもたちのために安定した教育環境を整備する必要がある。子どもや施設利用者の安全性や時代性を考慮しながら、どういった施設を残すのかなどを議論していかなければならない」と話している。
(2021年9月1日付紙面より)
古座川町社会福祉協議会へ (JAみくまの )
那智勝浦町天満に本所を置くみくまの農業協同組合(JAみくまの、漆畑繁生代表理事組合長)が8月30日、古座川町社会福祉協議会(会長・西前啓市町長)に介護用ベッド一式6台を寄贈した。
この寄贈は、同組合とJA共済の連名で展開する地域貢献活動の一環。介護・福祉活動として同町社協が必要とする一助を話し合う中で同ベッドが話題となり、その購入代行を同町社協に依頼し現物の到着に合わせて寄贈を申し出た。
この日は漆畑組合長と関係職員2人が西前町長を表敬訪問して目録を贈呈。その後は町社協が代行購入した同ベッドの実物を確かめて説明を受け、寄贈の旨を示すシールを貼り改めて有効活用を願い出た。
目録の贈呈を受け西前町長は「うち(=古座川町)も高齢化率が非常に高く、介護用ベッドは昔から無料貸与している。今は55台あるが51台が稼働している状況で、今回提供いただけたことは本当にありがたい。上手に活用させてもらいたい」と述べて感謝。町社協事務局は現行の無料貸与の仕組みに乗せ、全町規模で希望を受ける中で託された同ベッドも活用していくとしている。
この寄贈の背景には6月実施のJAみくまの第20回通常総代会で経済情勢の変化に対応しうる強固な経営基盤を確立するための拠点再編案が承認され、同町内にある七川店(購買店)と明神支所が次年度に西向支所・西向営農センターへ統合される状況がある。
JAみくまの共済部の井上馨部長によるとサービスの提供自体は統合以降も西向を拠点にして極力不便を掛けることなく続ける方向で準備を進めているが、併せてこれまで明神、七川の拠点を支えてくれた地域への貢献ができないかを考えた末今回の寄贈に至った。この日は田辺市本宮町にある同市社協本宮事業所へも同事業所が必要とする物品の寄贈を申し出たという。
(2021年9月1日付紙面より)
3日から、「スペースポート~天ノ光~」 (尾﨑酒造 )
熊野地方唯一の地酒メーカー、新宮市船町の尾﨑酒造株式会社(尾﨑征朗(いくろう)社長)は、3日(金)から新商品「スペースポート~天ノ光~」の販売を開始する。500㍉㍑で1210円(税込み)。
本州最南端の町・串本町田原で建設が進む、民間初の小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」。
同社は、熊野川の伏流水や地元産「コシヒカリ」を使用するなど、地元「熊野」にこだわった酒造りを続けている、本州最南端の蔵元。
6代目の尾﨑社長は「地元の皆さんにかわいがってもらえるお酒を」と、1880(明治13)年から140年の伝統を守っており、新商品には「大宇宙への清らかな光を求めての思い」を込めた。
宇宙や空をイメージした、青い爽やかなボトルの中身は本醸造酒で、ラベルには「太平洋」から月(宇宙)に向かって打ち上がるロケットをイメージ。気になるお味はボトルと同様「軽くて爽やかな味。癖がなくていろいろな料理に合わせやすい」(森本紘造・製造部長)。
新宮・東牟婁地方の酒屋や土産屋、ホテルの売店などで購入可能とのことで、尾﨑社長は「(ロケットの打ち上げは)うれしいこと。本州最南端の地からの打ち上げに、本州最南端の蔵元から応援したい。(新商品は)幅広く楽しんでいただける一品。若い人にも手に取っていただければ」と話している。
(2021年9月1日付紙面より)