早期実現求め決議採択 (県内17市町村 )
高速自動車道紀南延長促進協議会(会長・田岡実千年新宮市長)の通常総会が9日、新宮市井の沢の新宮商工会議所であった。関係者約100人が出席し本年度事業計画など6議案を承認した。役員改選では田岡市長をはじめとする全員が留任。紀伊半島一周高速道路の早期実現などを求める決議文を満場一致で採択した。
3月に一般国道42号(近畿自動車道紀勢線)「新宮道路」と「紀宝熊野道路」の新規事業化が決まり、紀伊半島を一周する高速道路全ての未事業化区間が事業化された。新宮道路は同市あけぼの―三輪崎間を結ぶ延長4・8㌔で、全体事業費は約300億円。紀宝熊野道路は熊野市久生屋(くしや)町―紀宝町神内(こうのうち)間を結ぶ延長15・6㌔で、全体事業費は約850億円。現在「すさみ串本道路」(19・2㌔)、「串本太地道路」(18・4㌔)、「新宮紀宝道路」(2・4㌔)、「熊野道路」(6・7㌔)が事業中となっている。
田岡会長は高速道路は全ての区間がつながってこそ機能、効果が発揮されると述べ「事業中区間の早期完成を実現させるため、これまで以上の活動を展開していくのはもちろんのこと、市町村も地元対策などといった役割を果たしていく」と協力を呼び掛けた。
総会に出席した顧問の濱口太史・県議会議員は「地域の活性化を図るために県当局や関係機関と連携を強化しながら、現在事業中区間の早期完成、新区間の早期着工など、全面開通に全力で取り組んでいく」と県議会高速自動車国道紀南延長促進議員連盟の谷洋一会長のあいさつを代読。
参与の中家啓造・県県土整備部道路局道路政策課長は「県としては今後も事業が円滑に進むよう取り組むとともに、2025年開催予定の大阪・関西万博までに紀伊半島一周高速道路はもちろん、南紀田辺までの4車線化が完成されるよう国や関係機関に働きかけていきたい」とあいさつした。
決議は「地方創生、国土強靱(きょうじん)化、地域の安全・安心を実現するとともに、ストック効果を早期に発揮させるためにも、紀伊半島一周高速道路の実現が急務」などとする内容で、新宮青年会議所の鈴木竜司理事長が朗読した。
同協議会は御坊市、田辺市、新宮市、日高郡、西牟婁郡、東牟婁郡の17市町村40団体で組織。各機関への要望などを展開している。
(2019年7月11日付紙面より)
第47回ブロック別研修会 (県更生保護女性連盟 )
和歌山県更生保護女性連盟(石谷秀子会長)主催のブロック別研修会〈紀南ブロック〉が8日、役場古座分庁舎であった。主題は「現代の家族をめぐる問題への更生保護女性会員としての関わり方について」で、同ブロックに所属する会員約60人が和歌山保護観察所の岡田和也所長と共に児童虐待と更女の接点を考える機会を持った。
この研修は、会員の資質向上と相互交流を図る目的で年1回、管内各ブロック単位で開いている。紀南ブロックには現在、新宮市、那智勝浦町、太地町、串本町の各更生保護女性会(串本町には同会古座分会と同会串本分会がある)があり、その持ち回りで研修会場を準備。今回は串本町更生保護女性会古座分会(川名千代美会長)がその役割を担った。
同分会の山本珠美さんが開会を宣言し、東嘉容さんが綱領唱和、中道晶子さんが御歌斉唱を主導。川名会長が参加を歓迎し、石谷会長は同連盟事業への支持に感謝しつつ「これまでの常識が通用しない犯罪やいじめ、不登校や子育ての不安を抱えた方々がいる中、私たちはその方々の痛みに目を向け、いつか私たちの身にも(保護の必要性が)降り掛かると思いながら誰もが幸せに明るく暮らせる家庭環境を真剣に考えないといけない」とあいさつして会員の気持ちを引き締めた。
来賓を代表して田嶋勝正町長、岡田所長、牟婁保護司会の生熊和道会長がそれぞれの立場から祝辞を述べて会員の活躍を期待。平田秀教育次長、津久田琢也保護観察官、牟婁保護司会串本の住野芳文副分会長、串本青少年センターの出口孝センター長も列席して盛会を祝った。
研修会は基調講演と全体会の2部構成で、間にはアトラクションとして南京玉すだれや詩舞など同分会管内で活発な芸能発表もあった。
基調講演の講師は岡田所長が務め、主題への考えを促すため▽児童虐待の防止等に関する法律における児童虐待の定義(身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待)と具体例▽公の介入を行いやすくするための民法改正の動向▽実母を対象にした調査から見える要因▽虐待が生活に与える影響(少年院内調査から)▽虐待の世代間連鎖―などを解説。
「自分がされて嫌なことは他人にしないのが普通だが、それができない人も社会には一定数いる」と言う点も押さえながら、全体会では加害者・被害者の視点〈事後対応〉と行政・地域の視点〈事前防止〉の両面から児童虐待防止を考えてほしいと促した。
全体会では各女性会や分会の代表者が今回の主題について話し合った内容を発表し、津久田保護官と同連盟の石谷会長と坂口侑子副会長が助言。岡田所長が講評を述べて在り方への筋道をつけた。
その後は中道さんの主導で県連盟歌を斉唱し、太地町更生保護女性会の北年美会長が閉会のあいさつを述べ研修会を締めくくった。
(2019年7月11日付紙面より)
補陀洛山寺で土用護摩祈とう (那智勝浦町 )
那智勝浦町浜ノ宮の補陀洛山寺(髙木亮享住職)で10日、土用護摩祈とう、先祖供養法要があった。髙木亮英副住職が先祖の名が記された塔婆木を読み上げ、「家内安全」「健康長寿」「心願成就」など参列者の願いが書かれた護摩木をたき上げた。
本堂では国の重要文化財でもある本尊の「三貌十一面千手千眼観世音菩薩(190㌢、香木造立像)」が開帳された。
開帳法要は、この日も含め1月27日の立春大護摩供星祭、5月17日の渡海上人供養の春まつりと年3回営まれている。
髙木副住職は「功徳をいただき観音様の御心、人への思いやり、慈しみの心を持って健やかにお過ごしください」とあいさつした。
(2019年7月11日付紙面より)
太地小で体験授業
太地町立太地小学校(宮本礼子校長、児童80人)で9日、南極の氷を紹介する授業があった。自衛隊和歌山地方協力本部新宮地域事務所の垂水秀所長と菰田剛久さんが来校し、児童は南極についての説明を聞き実際に氷に触れて学びを深めた。
普段、ほとんど見る機会のない南極の氷を間近で見て触ることで、児童に生態系や貴重さを知ってもらおうと6年に1回ほどの頻度で開いている。
菰田さんは南極の位置や生息している生物、気候などをクイズ形式で紹介。「南極は世界で最も寒く、大きさは日本の36倍で、約1400万平方㌔もあります。約60年前に世界が約束してどこの国の領土でもないこととし、平和のためだけに使うことを決めました」と解説した。
氷を運んできた経緯を「自衛隊が、南極で研究をしている人のための移動や道具、食料などを運ぶ手伝いを50年以上しています。移動手段も、厚い氷の海のため、海上自衛隊の船『しらせ』でしか通れません。その船が交代の人を連れて帰るときに、日本の小学生の皆さんへのお土産として氷を運んできてくれました」と語った。
氷の特徴として「海の水と違い南極の氷は雪が凍っています。白い部分は約80万~100万年前の空気が封じ込まれており、3年をかけて3030㍍地下まで掘り下げて取り出しました」と説明した。
体験では児童が学年ごとに南極と通常の氷を触って比較。「色が違う」「ザラザラしてる」「冷たさが違う」などと感想を言い合った。
宮本校長は「子どもたちが目を輝かせ、興味を持って学ぶ姿が見られました。授業を通じて海の町である太地と海でつながっている南極の氷や生態系などを知ってもらえれば」と話していた。
(2019年7月11日付紙面より)
和歌山県、三重県、奈良県にまたがる三つの霊場(熊野三山、高野山、吉野・大峯)と参詣道(熊野参詣道、高野山町石道、大峯奥駈道)を対象とする「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産(文化遺産)に登録されて、今月7日で15周年を迎える。
「紀伊山地の霊場と参詣道」は2004年7月7日に登録。世界遺産登録は日本では12番目で、近畿地方では5番目に当たる。登録時の規模は周辺地域を合わせて日本の世界文化遺産では最大となる1万㌶。
日本で初めて「道」が世界遺産として登録され、文化遺産の中でも人間の営みと自然の結びつきを示す「文化的景観」にも初めて選ばれた。山岳霊場と参詣道、そして文化的景観は、紀伊山地の自然がなければ成立しなかった、世界でも類を見ない資産として高く評価されている。16年10月には阿須賀神社などが追加登録、軽微な変更がなされ現在に至っている。
世界遺産登録を受け、和歌山県では05年3月に世界遺産条例を制定。7月7日を「和歌山県世界遺産の日」と定め、「基本理念を十分に踏まえ、県民等の理解のもとに、世界遺産に係る保存、調査研究、整備、活用その他の活動について、適切に必要な施策を実施する」とした。
各自治体やボランティア団体が熊野古道や景観、登録資産などの美化や保護のために保全活動をする中、観光地化による観光公害や、公共工事などによる「川の参詣道」熊野川への悪影響も懸念されている。
6日、7日(日)に、当地方においても登録15周年を記念するイベントが各地で催される。県世界遺産条例の前文には「私たちは、世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約の精神に基づき、人類共有の財産『紀伊山地の霊場と参詣道』を将来の世代へ確実に引き継いでいくことを決意して、この条例を制定する」とある。登録15周年を機に、人類共通の財産を次世代へつないでいくために、文化や自然環境の重要性を認識し、当地域から世界へと発信していくことの意義を再確認したい。
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■6、7日の本紙エリア内記念イベントなど
▽~世界遺産登録15周年記念~世界遺産「高野・熊野夢舞台」コンサート(6日、熊野速玉大社/観覧申込終了)
▽世界遺産登録15周年記念ウオーク(6、7日、大門坂~那智の滝、青岸渡寺~那智の滝/受付終了)
▽「紀伊山地の霊場と参詣道」世界遺産登録15周年記念メッセージ花火(7日、那智勝浦町勝浦湾内/午後8時から・荒天の場合は翌8日に延期)
▽世界遺産登録15周年奉告祭(7日、熊野本宮大社/午前10時から・メッセージの記入でキーホルダー授与)
▽「紀伊山地の霊場と参詣道」登録15周年・世界遺産熊野本宮開館10周年記念イベント(7日、世界遺産熊野本宮館/午前10時から午後5時・音無茶の振る舞い、熊野参詣曼荼羅(まんだら)絵解きなど)
(2019年7月7日付紙面より)
文化複合施設管理運営検討委 (新宮市 )
第13回新宮市文化複合施設管理運営検討委員会(関康之委員長)が5日、市役所別館で開かれた。文化ホールなどの開館時間や時間区分、予約受付など貸館利用規則について意見を交換した。
速水盛康教育長は「市民の文化活動の拠点にふさわしい管理を目指して取り組んでいきたい。施設は第2次総合計画のテーマに近付いていくためにも大きな役割を果たすものであると実感している」と述べ協力を呼び掛けた。堀内秀雄・前委員長に代わり新たに就任した関委員長は「費用対効果は重要視する部分。稼働率を上げ新宮市の文化力を高めていくことが地域全体の活性化につながっていく」とあいさつした。
計画策定を支援する株式会社シアターワークショップ代表取締役の伊東正示さんが、開館・受付時間や貸出時間、申し込み時期、予約申し込み方法などについて案を示した。他自治体の市民運営や利用調整会議の事例を紹介し、▽幅広い層の利用を促進する方針となっているか▽優遇措置についてどう考えるか▽市民運営を取り入れるか―を検討ポイントに挙げ委員らに意見を求めた。
委員からは夜間の利用頻度や市民運営、自主事業の優先性などについての質問があった。「ランニングコストが気になっている市民が多い。自主事業ばかりで歳入が少なくなるのはおかしな話」「民間が使用しやすいように成人式など、行政側の年間を通したスケジュールを周知するべき」などの意見もあった。
伊東さんは予約申し込み方法や使用料金の市内利用優遇措置について「広域的に使ってもらうことが大事。交流人口を増やすためにはメリットが大きい」と市内外同ルールを提案した。委員からは「税金を納めているという市民感情も考慮すべきでは」との提言があり、申し込み時期を早めるなどのアドバンテージが必要などと意見をまとめた。
(2019年7月7日付紙面より)
世界遺産15周年記念 (那智勝浦町 )
那智勝浦町観光協会(矢熊義人会長)は6日、世界遺産登録15周年を記念した熊野古道ウオークイベント「曼荼羅(まんだら)の道」を開いた。雨の中、県内外から16人が参加。自然道などを巡り那智参詣曼荼羅絵図に描かれた「熊野詣」を堪能した。
道の駅なち・世界遺産情報センターに集合した一行は、補陀落渡海(ふだらくとかい)の信仰で知られる同町浜ノ宮の補陀洛山寺(髙木亮享住職)へ。
本堂で特別に開帳された国の重要文化財「三貌(さんぼう)十一面千手千眼観世音菩薩」を前に寺の由緒や本尊について説明を受けた。同寺は熊野古道中辺路と大辺路の分岐点に存在すること、三貌の表面はふっくらとした顔立ちで穏やかな表情だが脇面が2面とも「憤怒」の表情なのが珍しいことや光背がおよそ400年後に作り直された可能性などの話に耳を傾けた。
境内に展示している渡海船を見学し、熊野那智ガイドの会の山東健会長から、同寺の住僧たちが南海の観音浄土を目指した捨て身行の「補陀落渡海」について聞いた。船の構造なども間近に見て説明を受けた。
その後は同町井関の尼将軍供養塔、大門坂・多富気(たぶき)王子を経て熊野那智大社、那智山青岸渡寺を参拝し、那智の滝も正式参拝した。
友人と紀宝町から参加した産屋敷基久さん(62)は「一度も見たことのない本尊の開帳を知り参加しようと思った。最近は外国人観光客が増えてきたので地域の良い所を知り、聞かれたら説明できるようになりたい」と話していた。
(2019年7月7日付紙面より)
曽根秀行さんらを表彰 (紀宝地区防犯協会 )
紀宝地区防犯協会(会長・西田健紀宝町長)は5日、紀宝町役場大会議室で本年度総会を開催した。紀宝町防犯委員会御船地区運営委員の西地隆さんと同相野谷地区運営委員の曽根秀行さんを表彰した。
副会長の大畑覚御浜町長、顧問の岡田智治紀宝警察署長らが出席。西田会長は「安心安全な社会、非行のない明るい社会の実現を目指すための防犯活動を推進してもらいたい」とあいさつした。
岡田署長は犯罪情勢を報告した。昨年中、県内の刑法犯認知件数は1万1247件で戦後最少を記録。5月末現在は4226件で本年も減少傾向にある。
同署管内では昨年の認知件数が59件で前年より25%減少した。5月末現在は21件で昨年同期より11件減り、県内18警察署で被害発生が最も少ない地域となった。21件のうち19件がさい銭盗などの窃盗だった。
高速道路の延伸により紀宝地区でも凶悪事件が起こる可能性があると危惧し、「犯罪のない町づくりにご協力を」と呼び掛けた。
議事では昨年度の事業、決算を報告。本年度の事業計画案、予算案を審議して採択した。役員改選に伴い、西田会長、大畑副会長らを再任した。
本年度は10月11日(金)から20日(日)までの「全国地域安全運動」に協力し、地域安全運動街頭キャンペーン、地域安全ポスター展などを実施する。
警察、関係機関が協力し、自主防犯団体による防犯パトロール、小学校の通学路で児童の見守り活動をサポートするとともに、子どもに対するあいさつ運動に取り組む。12月の紀南剣道大会を支援する。
年間を通して、特殊詐欺被害防止活動、キッズ輝けスクール、薬物乱用防止教室などの開催、補導活動の推進を行う。
(2019年7月7日付紙面より)
商業捕鯨再開後初の入札 (太地町 )
31年ぶりの商業捕鯨再開により、漁獲されたミンククジラの販売が始まった。太地町の太地漁協地方卸売市場では4日、再開後初の鯨肉の入札があった。
北海道の釧路港から1日に出港した沿岸捕鯨の船団(5隻)に、同漁協所属船の第7勝丸(竹内隆士船長)が参加。勝丸が初日に捕ったミンククジラが解体され、赤肉など約66㌔が太地町に空輸で届いた。
漁協参事の貝良文さん(59)は「再開初日に水揚げがあった上、太地の勝丸が捕ったのは倍の喜び。調査捕鯨と違って船上で血抜きするので質が良い。おいしいクジラがいち早く地元に届きありがたい」と話した。3日までに釧路港に揚がったミンククジラ4頭のうち2頭は勝丸が漁獲した。
午前8時からの入札には町内の仲買人約10人が参加。肉質を見定めながら入札した。赤肉約40㌔を落札したカネヨシ由谷水産の代表、由谷章さん(50)は「ご祝儀相場で落札させてもらった。これからの世代にクジラを食べてもらうため、刺し身で提供するだけでなく商品開発を進めていきたい」と意気込みを見せた。
太地漁協スーパーには、この日落札された赤肉が100㌘598円で店頭に並んだ。
(2019年7月5日付紙面より)
たばこ組合が啓発 (新宮市・那智勝浦町 )
和歌山県たばこ商業組合新宮支部(塩崎伸一支部長)は4日、JR新宮駅とJR紀伊勝浦駅で未成年者の喫煙防止を呼び掛けた。
(一社)日本たばこ協会、全国たばこ販売協同組合連合会は各団体らと協力し、2009年度より毎年7月に全国的に未成年者の喫煙防止に対する意識の向上を図っている。
新宮駅では同支部組合員7人と新宮警察署の署員2人が参加。雨天の中、未成年者の喫煙防止を訴えた。
紀伊勝浦駅では塩崎支部長ら7人と同署の署員2人が、啓発物資のポケットティッシュを駅の利用者や未成年者に声掛けをして手渡した。
塩崎支部長は「未成年の方にたばこを絶対に吸わせないために全国一斉で取り組んでいる。たばこは20歳になってからを理解していただければ」と述べ、大谷敏子女性部長は「年齢が判別しにくいお客さまもいるので販売時にはしっかりと確認をしている。今後も未成年者の健康のために活動に尽力していきたい」と語った。
同支部では啓発のほか、たばこのポイ捨て禁止などの呼び掛けを目的に年間20回ほどの清掃活動を実施している。また、喫煙者のための灰皿設置にも取り組んでいる。
昨年度の県内のたばこ税収は約10億4500万円で、支部管内では約4億5734万円だった。これらは地域や住民の日常生活に必要な施策などに活用されている。
(2019年7月5日付紙面より)
B&Gで水辺の安全教室 (串本町 )
串本町サンゴ台にある同町B&G海洋センター(伊藤俊文所長)で6月30日、講習会「体験から学ぶ水辺の安全教室」があり、町内の小学1~3年生20人が着衣泳の感覚を確かめ身近な浮く物やライフジャケットで助かる方法を学ぶなどした。
この講習会は同町ふるさと振興公社と同センターが主催、B&G財団が後援、同町教育委員会が協力。海や川などの水の事故から子どもたちを守るために同財団が提唱するプログラムに基づいた取り組みで、同センターや町内の小学校経由で参加を呼び掛ける形で年1回、水辺で遊ぶ機会が増える真夏前に開いている。
通算17回目となる今回は、同センタージュニアスイミングスクールの受講生と一般がほぼ半々の比率で参加。インストラクターの太田陽介さんが全体進行を担当し、児童は2組に分かれ中正司智さんと芝本大輝さんが直接指導をする形で体験を積んだ。
これら内容を学ぶにあたり、太田さんは「自分の命は自分で守る、という気持ちを持って水辺で遊ぼう」と事前に呼び掛け。序盤は着衣泳で、「気持ち悪い」「服がくっつく」「(水着より)動きにくい」など感想を述べながら、服を着た状態で水に落ちたときにどんな感じになるかを経験した。
中盤は服を着た状態で水に落ちたときの助かり方として、2㍑のペットボトルやバケツなど浮きの代わりになるものを抱えながらの背浮きを練習。できれば服の中にペットボトルを入れて両手が使える状態にした方がいいことや、もし友達が水に落ちてペットボトルを投げ渡さないといけないときは空っぽより少しだけ水を入れた方が遠くに飛ばしやすい、といった知恵も体験しながら学んだ。
終盤はライフジャケットを着た状態で浮く練習。大声で助けを求めると疲れて溺れやすくなるので簡単に大きな音が出せる笛が付いていることや、慌てなければジャケットの浮力だけで頭を水面上に出したままにできることも確かめた。
参加者の家族は屋内プールを見渡せる窓があるロビーから様子を見学。館内放送で太田さんの進行を聞きながら、児童と一緒に学びを深めるなどした。
(2019年7月5日付紙面より)
蝗封祭と虫送り行事 (紀宝町神内 )
紀宝町神内で3日、神内神社(宮地秀直宮司)による蝗封祭(むしふうじさい)と善光寺(一村桂晋住職)の虫送り行事が神仏習合で営まれた。
水田の虫害を防ぎ農作を祈願する法要で、古くから7月最初の丑(うし)の日に行われてきた。今年は神社、寺の関係者ら約20人が参列した。
神内神社で宮地宮司による神事を執り行い、5月に田植えした神社近くの宮田で祈とうした。
逢初(あいぞめ)ノ森に移動し、宮司が祝詞をあげた。平穏を祈念して1740年に建立された妙法華塔で虫送り行事を行い、一村住職が「虫」の文字を書いた白石を地中深くに封じ込め、五穀豊穣(ほうじょう)を祈願した。
神仏習合による虫送り行事は全国でも珍しいという。
(2019年7月5日付紙面より)