建設に先立ち市民説明会 (新宮市文化複合施設 )
新宮市教育委員会文化振興課は23日夜、市文化複合施設建設工事の今月下旬の着手に先立ち、市役所別館で市、設計業者による市民説明会を開いた。約70人の市民が参加する中、施設概要などについて説明があった。
説明会に先立ち、田岡実千年市長が「皆さんにご心配を掛けいろいろな意見を頂く中、紆余(うよ)曲折しながら当初予定地の丹鶴小学校跡地西側1棟案で決定した。どのような施設になるのかを中心に説明させていただきたい」とあいさつした。
当局は、市文化複合施設は市街地再生を目的としていると説明。外観は所々に熊野材を使用し、周りと調和の取れた色彩計画としている。
文化ホールは可動席を利用してさまざまな会場づくりができるとし、熊野学機能に関しては熊野学の情報発信の拠点として、熊野学ファンが集まる空間をつくっていくとした。
図書館には子ども、大人それぞれのゾーンがあり、授乳室や子ども用トイレを配備する。低い本棚を設置することで見通しの良い空間にしていくと説明した。床面積、開架図書ともに現図書館の1・7倍の規模となる。
財源や事業費などの説明もあったほか、2021(令和3)年2月の完成を見越しているが、図書館の引越しや運用トレーニングなどのために夏頃のオープンになると伝えた。
質疑応答では、財源やランニングコスト、可動席などについての質問や「このタイミングで説明会をするのは遅すぎる」といった意見もあった。
「引っ越しにかかる図書館の閉館期間はどれくらいか」の質問には「他の地方の前例を参考に3、4カ月を見込んでいる。できる限り短くする工夫をしていきたい」と回答した。
「新施設にはメジャーな人も呼べるように努力してほしい」「ランニングコストをカバーできるような壮大な計画を」などの意見もあり、当局は「市民に参画してもらい委員会を立ち上げるなどして自主事業を実施していきたい」と述べた。
図書館を別の場所にとの意見に対して、向井雅男副市長は「土地の優位性、複合であるという優位性を加味し、結果的に丹鶴小学校跡に文化の拠点を持ってくると決まった」と説明し、理解を求めた。
速水盛康教育長は「次世代に向け、本当に市民にとって良かったと実感してもらえるように検討を重ねていきたい」と述べ閉会のあいさつとした。
説明会は全4回を予定しており、27日(月)午後6時30分から熊野川総合開発センター、28日(火)午後6時30分から新高田会館、29日(水)午後7時から佐野会館で開く。
(2019年5月25日付紙面より)
新しい川舟の進水式営む (川舟製作プロジェクト )
紀宝町北桧杖の熊野川河川敷で24日、新しい川舟の進水式が営まれた。新宮市の熊野川町ふれあい公社が川舟製作の資金を募る「クラウドファンディング」の支援を受けて完成したもの。森本博也・熊野川川舟センター長や田岡実千年市長らがお神酒によりお清めをし、運航の安全を祈願した。
インターネット経由で資金を集める「クラウドファンディング」では、定員14人の木船1隻の製作と船外機1台の購入に充てるため、目標金額を200万円と定め、昨年12月3日から今年1月31日まで支援を求めていた。
支援総額は目標金額を22%超える244万2000円(支援者数142人)となり、集まった資金で熊野速玉大社例大祭・御船祭(みふねまつり)の早舟製作も手掛ける「熊野川体感塾 川舟工房」の谷上嘉一さんに川舟製作を依頼していた。製作期間は約2カ月。
開式に当たり、森本センター長が支援者や関係者らに感謝を述べ「皆さまのご支援を無駄にせぬよう、歴史ある『川の熊野詣で』を、これからも守り続け、後世に伝えていくため努力を重ねていく」とあいさつ。田岡市長が「クラウドファンディングで多くの共感が得られたのは、なにより船頭さんや語り部さんをはじめ、事業を支えているスタッフの皆さんの『思い』や『頑張り』が伝わったから」と祝辞を述べた。
進水式では古式にのっとり、サカキで舟を飾り、舳先(へさき)をお神酒で清めた後、船頭の津呂進さんと打越保さんが舟に乗り込みサオをさして右回りに舟を3度回した。
谷上さんは「安全安心に乗っていただけるような舟づくりを目指している。進水式を終えてまずは一安心。運航される日が楽しみです」と話していた。
新しい川舟は現在、運航に係る必要な手続きを進めており、6月下旬の実用を目指している。
(2019年5月25日付紙面より)
UMOUプロジェクト (紀宝町社協 )
紀宝町社会福祉協議会は本年度から、「UMOU(うもう)プロジェクト」の取り組みを始めた。古くなり使わなくなった羽毛製品の提供を求めている。
プロジェクトは、使わなくなった羽毛製品を回収し、羽毛をリサイクルすることで羽毛の安定供給や環境の保全、障害者の就労支援などに貢献するもの。紀宝町では、その羽毛製品が募金となり「赤い羽根共同募金」を通じて町の地域福祉に使われる。
製品に付いている品質タグにダウン率50%以上の表示がある羽毛の布団やダウンジャケットなどが対象。穴あきや汚れがある不要な製品も回収可能だという。
町福祉センター内の同協議会で持ち込みを受け付けており、「衣替え時期の今が確認のチャンスです。不要になった羽毛製品で募金活動しませんか」と呼び掛けている。
問い合わせは、同協議会(電話0735・32・0957)まで。
(2019年5月25日付紙面より)
なちかつ古道を守る会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町のボランティア団体「なちかつ古道を守る会」(太田耕二代表)は22日、同町湯川などで人気の催し「新春ウオーク」の下見と同町内の夏山(なっさ)トンネル周辺のガードレール沿いの草刈りを実施した。
守る会は年に1回、町内の魅力を再発見しながら歩く新春ウオークを開催しており、毎回、多くの参加者が集まる。その催しのために、ルートの発見や確認に取り組んでおり、この日は会員9人が湯川と二河を歩いた。
その後、夏山トンネル周辺で草刈りや清掃に汗を流した。守る会によると、同所のガードレール付近には投棄されたごみが多く、草が生い茂っているとごみ自体が目立たたないことから、さらに投棄が増加してしまうという。それを含め、ごみが川や海に流れ出てしまうと生態系にも悪影響を及ぼしてしまうことから、景観と環境の保護のため定期的にクリーン作戦を実施している。
会員の一人は「今回は大きな袋に入ったごみがいくつも見つかった。行政に対処してもらうことにした」と述べ、下見については「この町には使われなくなった古い街道も多い。知る人がいなくなったり、全く通れない状態のままも残念」と話した。
(2019年5月25日付紙面より)
新宮弓友会主催月例射会
空手道・拳武館新宮道場
都道府県対抗少年剣道優勝大会選考会 (三輪崎剣道クラブ )
第12回南紀海彩まつり (新宮市 )
県内外の団体が一堂に会し多彩な踊りを披露する「第12回南紀海彩(かっさい)まつり」(同実行委員会主催)が19日、新宮市佐野の新宮港緑地であった。1700人以上(主催者発表)が訪れた。時折雨の降る中、46団体がよさこい、ヒップホップ、フラなどを披露し、来場者を楽しませた。
「南紀海彩まつり」は、踊りを通じて地域・世代間の交流を深め、地域を活性化したいとの思いから始まり、今年は和歌山市や遠方の名古屋市の団体も集まった。
開会式で来賓の田岡実千年市長は「年々規模も大きくなり、地域にとって欠かせない行事になっている」と祝辞を述べた。
会場は踊りや演奏、和歌山市出身・在住の兄弟お笑いコンビ「すみたに」のトークショーなどで盛り上がった。「総踊り」では各団体のメンバーらが一緒に踊り、交流を深めた。
会場内のテント村にはハンドメイド雑貨が集まった「かっさいマルシェ」や食べ物の屋台が出店したほか、子ども向けのパンダバルーンや輪投げコーナーなども設けられ、親子連れの楽しそうな声が響いた。
毎年恒例のタオルくじ、餅やお菓子・日用品などをまく「Happy Throw!(ハッピースロー)」もあり、会場は多くの人でにぎわった。
北道江利実行委員長は「出店してくれるお店や足を運んでくれる人が増え本当にありがたい。毎年、遠方から参加してくれる各団体のメンバーの皆さんやスタッフをはじめ、多くの方々の協力に感謝しています。今後も参加したい、楽しいと思ってもらえるよう努力し、さらに盛り上げていければ」と話していた。
(2019年5月21日付紙面より)
田岡市長報告会に130人 (新宮市 )
田岡実千年新宮市長の市政報告会が19日、同市野田の市福祉センターであった。田岡みちとし後援会主催。約130人の市民を前に田岡市長は「市政は市民(みんな)のために」の理念の下、本年度取り組む事業などを紹介した。
田岡市長は、3月29日に事業化が決定した「紀伊半島一周高速道路」について、国土交通省が地区別に説明会を実施していると状況を説明。防災、産業、物流、観光、生活道路としても貴重な道路になると述べ「一日も早い完成を目指して、これからも要望をしていく」と話した。
昨年度は15隻の豪華客船が新宮港に入港したと報告し、歓迎、見送りセレモニーなどおもてなしの取り組みや実施しているオプショナルツアーについて説明した。県の整備事業によって、物理的には11万㌧級の船の入港も可能だとし、「そういった点も評価され、『クルーズ・オブ・ザ・イヤー2018』特別賞を受賞した。名誉なこと」と述べた。
6月1日(土)、2日(日)には新宮港開港40周年を記念して開催される「新宮港みなとフェスタ」で地球深部探査船「ちきゅう」の一般公開も行われると紹介し、多くの参加を呼び掛けた。
木質バイオマス発電事業に関しては、本年度から建設が始まる予定であるとし、運営が開始されれば直接雇用、関連産業含めて約100人の雇用が生まれるのではと期待を込めた。
今年1月に市役所別館として開設した高齢者相談センターでは、4カ月間で地域包括支援センターで297件、在宅医療で14件の相談を受けたことを報告した。「介護保険制度やサービス内容、認知症の見守り相談、高齢者に対する虐待に関する情報などが寄せられている。関係機関と密に連携を図りながら対応している」。
死亡などの自然減が約200人、転出などの社会減が200人の、年間で合計約400人の人口が減少しているとし、自然減の減少のために「子育て世代包括支援センター」の充実を図っていくとした。
令和3年の春の完成を目指す市文化複合施設の概要を説明し、「旧市民会館に比べて座席の幅が約5㌢広く、席の前後も広く取っている。男性でもゆったりと座っていただけるのでは」などと述べた。建設費や図書館、川湊遺跡などについても触れ「心配を掛けたが市民の皆さんに喜んでいただけるような、有益な活動の拠点となるような施設を目指したい」とした。
市民の誰もが元気で心豊かに暮らせるまちづくりを目指し、「市政の改革」「雇用の創出」を二本柱に、残りの任期を頑張っていきたいと抱負を語った。「市職員が自ら市民のために一生懸命頑張ろうという気持ちを醸成させるのが自分の役目。信頼関係があって初めて一つのチームとして市民のために頑張れる」と話し、「職員にもしっかりと取り組むように指示を出し、人権に優しい新宮市を作っていく」と力を込めた。
(2019年5月21日付紙面より)
タイムラインの効率運用目指し (紀宝町 )
紀宝町は災害が発生する前にあらかじめ取るべき対策を時間ごとに決める「タイムライン(事前防災行動計画)」の新システムを構築し、今季の出水期から運用を開始する。
タイムラインは、台風や大雨などでの災害発生を前提に防災関係機関が連携して、あらかじめ状況を想定、共有した上で防災行動を時系列で整理した計画。
甚大な被害を受けた紀伊半島大水害(2011年9月)の教訓を踏まえ、町では全国に先駆け14年度から開始した。現在、町全体と浅里、大里、鮒田の3地区で運用しており、今後、他の地区にも広げ、さらなる地域の防災力向上に努めていく。
新システムは、町と地区ごとの行動計画や進捗状況などを共有でき、タイムラインの効率的な運用が期待できるという。
専用タブレットを活用し、避難者数の入力ができるほか、地区別の雨量、水位、避難所の開設状況、気象情報なども確認できる。現場で撮影した写真などの情報も即座に共有が可能で、刻々と変化する状況を瞬時に把握できるようになる。
町では17台のタブレットを導入し、町内各地区の主要避難所に設置する計画。今後は町内37の自主防災組織を対象にタブレットの説明会を実施する。
また、インターネットで町防災情報システムを公開しており、スマートフォンやパソコンから雨量や水位、ダム情報などが確認できる。URLはhttp://www.kasen.town.kiho.lg.jp/
(2019年5月21日付紙面より)
西国三十三所巡礼が日本遺産に
文化庁は20日、究極の終活を達成できるストーリーとして「1300年続く日本の終活の旅~西国三十三所観音巡礼~」を日本遺産に認定した。巡礼一番札所である那智勝浦町那智山の青岸渡寺・髙木亮享住職は「大変ありがたい。世界遺産登録15周年の年に、歴史ある巡礼路が日本遺産に選ばれ喜んでいる」と話した。
日本遺産とは、地域の歴史的魅力や特色を通じて、日本の文化・伝統を語るストーリーを文化庁が認定するもの。ストーリーを語る上で欠かせない文化財などを地域が主体となって、整備、活用し国内外に発信していくことで地域の活性化を図る。
令和元年度のストーリーは申請72件、認定16件。昨年度までの認定数と合わせて、現在83件となっている。今回、県が申請した「今も息づく『語り』~絶世の美女 清姫がたどった道~」「海から始まる修行の旅『葛城修験』」は認定がなかった。
認定後は、関係自治体や観光関係団体などで構成する協議会を設立。文化芸術振興費補助金の交付要望を行い、公開活用のための整備や人材育成、情報発信および旅行商品の造成などに取り組む。
(2019年5月21日付紙面より)
春季近畿地区高校野球大会県予選
県大会への出場権懸けて熱戦展開 (全日本U―12少年サッカー )
総会でスローガンなど決める (新宮YEG )
新宮商工会議所青年部(新宮YEG、瀬古伸一郎会長、部員81人)は9日夜、新宮市井の沢の同会議所で令和元年度総会を開き、事業計画や収支予算を承認したほか本年度スローガンを「清新~若さが創る新時代~」にすることなどを決めた。
承認した本年度事業計画は▽新宮秋まつり実行委員会との連携・協力▽地域活性化に向けた事業の企画・運営▽忠度(ただのり)まつり実行委員会との連携・協力▽熊野川地域フラワーツーリズム推進協議会との連携・協力▽「熊野川きらきら清流まつり」の開催―など。本年度予算は303万4140円。スローガンには、清い心で新しい気持ちで若さと情熱を持って新しい時代を築き上げたいという思いを込めた。
瀬古会長は新紙幣一万円札の顔として「日本資本主義の父」と呼ばれた渋沢栄一が選ばれたことに触れ「渋沢栄一は東京商工会議所の設立者、初代会頭としても知られる。ますます商工会議所に注目が集まり、役割も多様化、重要化してくるのでは」とあいさつ。「利益と公益を追求する渋沢の意志をつなぐために、地域社会の発展に貢献し、共に新時代を築いていきたい」などと決意を新たにし協力を呼び掛けた。
昨年度は「熊野川きらきら清流まつり」や「ひまわりまつり」を開催。RIZAP健康増進セミナーや熊野古道トレッキング、新宮城跡を活用した地域活性化事業「あえかなる城」を初めて実施した。
(2019年5月11日付紙面より)
本年度手話奉仕員養成講座 (美熊野福祉会 )
社会福祉法人美熊野福祉会が展開する手話奉仕員養成講座〈串本会場〉が8日、串本町役場古座分庁舎で始まった。年度を通して計39回開く計画で、24人が受講登録し修了を目指す。
この講座は、新宮市・東牟婁郡の1市4町1村が同法人に委託して実施。高校生以上を対象にし聴覚障がい者の母語・手話の表現技術を託し支援者を育成することを目的としていて、実施2年目となる本年度は▽新宮会場(同法人ワークランドそらで毎週火曜日午後7時~8時30分)▽串本会場(毎週水曜日午前10時15分~11時45分)―の2会場を設け、それぞれで国が規定するカリキュラムに沿って目的の達成を目指す。
各会場とも定員先着25人で受講生を事前募集し、新宮会場は25人の受講登録を得て7日、串本会場は24人の受講登録を得て8日にそれぞれ開講した。串本会場の初回は受講生21人が出席。同法人本部の大代聖子さんと東牟婁・新宮聴覚障害者協会の松尾玲子さんが講師を務め、手話を学ぶ前段階として聴覚障害を正しく知るための基礎知識や聴覚障がい者の生活の様子を伝えて理解を促した。
新宮会場は来年3月10日(火)、串本会場は来年2月26日(水)に最終回を迎える予定。全39回は前半が入門編、後半が基礎編となっていて、講師は健聴講師4人と同協会会員2人・県聴覚障害者協会会員2人が対となって務める。出席率80%以上の受講生に対し、本年度は新宮市名で修了証を交付するという。
本年度は両会場ともほぼ定員を満たす受講登録を得て開講。大代さんは「古座川町に続いて新宮市も手話言語条例を制定する中、地域で手話奉仕できる人が増え、聴覚障がい者の皆さんがどこに行っても手助けをしてもらえる環境をこの講座で充実していければ」と目指すところを語った。
(2019年5月11日付紙面より)
児童ら対象に防災研修会 (井田小 )
紀宝町教育委員会は9日、井田小学校で児童、職員対象の学校防災研修会を実施。5年生21人と6年生24人がそれぞれ学校周辺を歩き、防災マップづくりに取り組んだ。
防災教育事業の一環で、児童の研修会は地域を歩いて地理的特徴を把握し、地震、津波が起きた際の身の守り方を考えることが狙い。
町学校防災アドバイザーで三重大学大学院工学研究科の川口淳・准教授が講師を務めた。5年生の授業では「地震は突然地面が揺れることが怖い。揺れると建物やブロック塀などが倒れ、火災も発生する。地震の後には津波が来るかもしれない。できるだけ高い場所に逃げるしかない。地震が起きるとこの町はどうなるのか考えながら歩いてほしい」と呼び掛けた。
地図上で歩くルートを確認し、川口准教授は「揺れたら倒れそうな物や火事のときに使う消火栓を探してほしい。役に立ちそうな公衆電話、避難場所の位置も確認しよう」とアドバイスした。
学校周辺の地図、筆記用具、デジタルカメラを持ち、5グループに分かれてフィールドワークに出発。危険と思われる箇所や消火栓などを撮影し、気付いたことをメモしながら歩いた。
児童たちは学校に戻った後、調べた箇所を地図に記して防災マップを作った。
町教委では、本年度も町内各小中学校で防災研修会を実施する予定だという。
(2019年5月11日付紙面より)
福岡脩惠さんを館長に任命 (新宮市 )
新宮市はこのほど、新公民館長に福岡脩惠(のぶよし)さんを任命した。任期は1日から令和2年3月31日まで。10日に行われた任命式では速水盛康教育長が「令和元年にふさわしい館長であると思っています」と激励した。
福岡さんは1952(昭和27)年生まれ。大学卒業後三重県職員として採用され、市立丹鶴小学校をはじめ、市内・東牟婁郡内で小学校教諭、教頭、校長として奉職。2013(平成25)年3月に市立神倉小学校長を定年退職後、法務省新宮人権擁護委員会人権委員や市総務部人権啓発(政策)課人権教育指導員として人権尊重に関わる業務に従事した。
福岡さんは「公民館の大きな目標は生涯学習と地域コミュニティーの形成。丹鶴、蓬莱公民館に関わったことがあるが、地域の実情や特性に応じて特色のある活動をされており、コミュニティーの形成に大きな役割を担っている。それを陰で支えるのが自分の役目だと思っています」。
速水教育長は「豊富な経験のもと、実践もされている方なので、広い知見からさまざまな各公民館活動に理解を示されている。公民館長がしっかりと見守り支援をしていく、そんな活動になっていくのではと期待しています」と話していた。
(2019年5月11日付紙面より)
新天皇陛下が即位され、新たな時代「令和」が始まった1日、熊野速玉大社、熊野本宮大社、熊野那智大社では即位と改元を寿(ことほ)ぎ、奉告祭や揮毫(きごう)などが営まれた。
新宮市新宮の熊野速玉大社で営まれた「践祚(せんそ)改元奉告祭」では、上野顯宮司が祝詞を読み上げ、みこたちが世界平和を願う「神なぎの舞」を優雅に奉納。上野宮司に続き、参列者たちが玉串を供えた。
神事後、上野宮司は「新緑薫る時に新しい時代を麗しく迎えることができました」とあいさつ。11月に執り行われる、天皇の即位の礼の後初めて行われる新嘗祭(にいなめさい)である大嘗祭(だいじょうさい)に触れ「御代替(みよが)わりのたびに行われてきた。日本人が大切にする節目というものは、確認し魂を引き継ぐこと」と説明。
「清らかに真心を込めて見守る皇室をいただいていることはわが国にとって幸せなこと」と述べ、令和の名の下に、平成に引き続き平和な時代であるよう願いを込めた。
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田辺市本宮町の熊野本宮大社本殿前では、九鬼家隆宮司が新元号「令和」を揮毫した。多くの参拝者が見守る中、新時代への希望を込めて力強く筆を走らせた。
昨年12月21日には、御創建二千五十年奉祝式年大祭の締めくくりとなる終了奉告祭で、新年への願いを込め「刻」の一文字を書いた。
白装束に身を包んだ九鬼宮司は両手で大筆を持ち、縦2・9㍍、横2・1㍍の白い布に「令和」と一気に書き上げた。迫力のある筆運びを見つめた参拝者からは大きな拍手が湧き起こった。
最後に朱印を押して書を仕上げた九鬼宮司は、「平成の30年間はさまざまな災害があり、今なお復興に向かって歩んでいる。令和の時代は穏やかで平和で素晴らしい時代であってほしい。和歌山の和でもあり、大きな力押しの元号になってほしい」と話した。
揮毫した「令和」の文字は瑞鳳殿正面に掲げる。
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那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)では践祚(即位)改元奉告祭が営まれた。大社責任役員や那智の扇祭り保存会、町観光協会の関係者らが参列。小雨の降る中、大型連休の中日ともあって境内は大勢の参拝客でにぎわった。
祭典で男成宮司が祝詞を奏上し、2人のみこが浦安の舞を奉納した。神事の後、宇久井青年会(柴原寛会長)が「天狗之舞」「扇之舞」「終之舞」を披露。紀宝町の熊野水軍太鼓保存会(廣里稔暢代表)は太鼓の演奏を奉納した。
霧の立ち込める幽玄な雰囲気の境内では、即位奉祝の記帳や新元号が記される御朱印を求めて、参拝客が列をなした。お神酒、紅白の餅、梅ジュースの振る舞いもあった。
この日の午後からは、本殿内庭の一般参入も許可された。参拝者らは順におはらいを受けた後、間近に見る本殿に恭しく手を合わせた。日没から午後9時までは、那智の滝をライトアップする。
(2019年5月2日付紙面より)
下里の清水啓自さん (那智勝浦町 )
明治43年の建築当時は県内で最も大きい校舎といわれた下里小学校旧校舎。惜しまれつつ昭和63年に取り壊された建物の50分の1スケールの模型が完成した。那智勝浦町下里在住の大工・清水啓自さん(75)が、スギなどの流木を材料に制作した。
模型を作り始めたのは今年の正月明けごろで、3月20日に完成した。古い写真を集めて作られた旧校舎のスライド映像を見て制作意欲が湧いたという。校門や校庭なども当時のままに作ろうと、校庭にはシーソーなどの遊具や藤棚を配置。教室の数などは、写真や映像で確認した。コの字型の校舎の一角には、佐藤春夫が作詩した校歌も飾られている。
大工歴60年の清水さんが新宮の「おいさま」(=棟りょう)に弟子入りしたのは昭和34年。新宮城跡では二の丸旅館を建築中で「ちょうど内装工事が始まっていました。伊勢湾台風の時は、現場で雨戸を押さえて建物を守りました」と懐かしそうに話し、「自分の腕というより、道具がきっちりあるからできるんです」と謙遜する。
清水さんの自宅は、サーフィンのポイントとして有名な下里天満海岸の近くにある。同海岸の太田川河口付近には、大木が流れ着くことが多いため、こうした流木を材料に木工品の制作を思いついたという。最初は初盆で使う灯籠をヒントに花立てを作り、希望があれば地区住民に提供していた。
「海岸で見つけた流木を60㌢くらいにカットして運ぶのですが、とにかく重い。学校は皆さん懐かしがってくれるのでうれしいですね。(工程を)見に来てくれた人たちと、当時を思い出しながら作りました」と話していた。
(2019年5月2日付紙面より)
令和元年の初日の出観望 (串本町 )
串本町潮岬にある望楼の芝で1日早朝、ツアー客ら約400人が令和元年の初日の出観望を試みた。前日来の雨はやんだものの、曇天で観望はかなわず。日の出時刻の午前5時9分を過ぎても太陽が姿を見せる気配のない空模様を残念がりながらの散会となった。
試みたのは阪急交通社のツアー企画「潮岬から見る新時代の初日の出と熊野三山詣夜行日帰り」の参加者ら約300人、現在有料期間中の望楼の芝キャンプ場の利用者数十人など。
ツアーの来訪に合わせ、潮岬観光タワー(タワー・売店・無料休憩所「エルトゥールル館」)も午前4時すぎから早朝営業を開始。集まった人々は同タワー上や望楼の芝の丘、クレ崎を見下ろす展望所などで日の出の瞬間を待った。
4時30分には雨がやんだが東の空は折り重なるように雲が満ち、「せめて切れ目から日が差さないか」という期待の声もあったが同時刻を過ぎてもその状況は訪れない結果となった。
大阪府と福岡県からツアーを利用して訪れた男女(共に26)は「初日の出が見られなかったのは残念だが、たまたまこうなっただけだと軽く受け止めておきたい。令和の日本は今まで以上に(国際化して)いろいろな国と接することになると思う。その先で平和な時代になればと思う」と話し、次の目的地・熊野速玉大社へと移動した。
同町産業課によると、この日は道の駅くしもと橋杭岩でも観望を試みる人波があったが、臨時駐車場所へ誘導するほどには至らなかったという。
(2019年5月2日付紙面より)
大里桜愛好会(松場貞治会長)は平成最後の「昭和の日」となった4月29日、紀宝町大里の大里親水公園に「令和の桜」の記念碑を建てた。
3月30日に実施した「平成最後そして新しい時代を迎える 桜の植樹会」でサクラを植えた場所に設置した。
親水公園には、昭和50年と平成30年にそれぞれ「昭和の桜」、「平成の桜」が植樹され、サクラの名所として知られている。
松場会長は「新たな時代の幕開けとなるこの時にサクラの植樹ができ、非常に感慨深い気持ちです。平和で豊かな平成の時代に感謝し、新しい時代への希望を胸に植樹することができて良かった」と話していた。
(2019年5月2日付紙面より)
新宮弓友会主催の月例射会
天長西日本ソフトテニス大会 (黒潮クラブ )
県学童選手権大会東牟婁支部大会
熊野那智大社で「昭和祭」 (那智勝浦町 )
最長で10連休のゴールデンウイークを迎え、多くの参拝客が訪れる那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で「昭和の日」の4月29日、昭和祭が営まれた。本社と別宮の飛瀧(ひろう)神社それぞれの祭典で皇室の繁栄と国の隆昌(りゅうしょう)、国民の安泰を祈念した。
昭和天皇の誕生日である昭和の日は、2007年に国民の祝日に加わった。熊野那智大社では、この日にちなみ、在位六十余年のご聖徳を仰いで、神事を営んでいる。
埼玉県から夫婦で訪れた櫻井耕三さん(57)は正式参拝の後、「先祖がこちらで神職をしていたと知り、ご縁を感じてお参りを始めました。今日で4度目になります。平成の終わりに昭和祭に参列できるとは、もったいないこと。まれな機会をありがたく思います」と感謝し、参拝は初めてという妻のわかえさん(54)は「とても間近に神事を見ることができて感動しました」と、二人で喜びを分かち合っていた。
(2019年5月1日付紙面より)
平成最後となった「第21回奥熊野いだ天ウルトラマラソン」(同実行委員会主催)が4月28日、開催された。近畿地方を中心に北海道から鹿児島県までの33都道府県から、過去最多となる695人(エントリー758人)が、100㌔(501人)、80㌔(22人)、65㌔(172人)の3部門に分かれて出場。年代や性別などで分けられた8クラスで自慢の健脚を競い合った。
同大会は、1999年に当地で開催された「南紀熊野体験博」の関連イベントとして「奥熊野100㌔マラソン」の名称でスタート。第10回大会までは参加者数が100人を下まわっていたが、第11回大会で初めて100人を超えて以降、回を重ねるごとに参加者数は増加している。
コースは100㌔の部が那智の滝前を午前5時、80㌔が井鹿エイド近くを午前6時45分、65㌔が西中野川トンネルを午前8時15分にスタート。那智山、太田、色川地区などを巡るコースで行われ、参加者は沿道からの応援やコース上に設けられた32カ所(一部重複あり)のボランティアスタッフらによるサポートを受けながら、ゴール地点の補陀洛山寺を目指した。
8クラスによって実施されたレースでは、65㌔総合で本紙エリア内から出場した坂口尊紀さん(熊野市)が4時間57分49秒を記録し優勝(男子20歳以上50歳未満の部でも1位)した他、100㌔総合では曽我部拓磨さん(大阪府)が初出場初優勝となった昨年に続き7時間36分39秒で大会連覇(男子20歳以上50歳未満の部でも1位)を飾った。
65㌔で優勝した坂口さんは「昨年の悔しさがあったので、初めて優勝できてうれしいです。40㌔あたりからつらかったですが、今までの練習を思い出しながら頑張りました」。
100㌔連覇の曽我部さんは「運よく2連覇させていただき、うれしく思います。昨年は気持ちに余裕がなかったですが、今回は沿道で応援してくれる方たちの声がはっきりと聞こえ、交流を持つことができて良かった。90㌔地点で足が止まりそうになったが、呼吸を一定に整えて走ることができました」と話した。
(2019年5月1日付紙面より)
梶取崎公園で供養祭 (太地町 )
過去に古式捕鯨の見張り台であった太地町の梶取崎(かんどりざき)公園で4月29日、「鯨供養祭」が営まれた。1979(昭和54)年に建設した「くじら供養碑」の前で東明寺の関国昭住職が読経をする中、捕鯨OB会、同町漁協、町職員ら約100人が参列。古くから町民の生活の糧としてきたクジラの恩恵に感謝した。
三軒一高町長は「クジラは古来より、我々に数多くの恵みをもたらし、町の発展に多大な貢献をしてまいりました。私たちはクジラへの感謝を持ち続け、わが町とクジラとの長い歴史を後世に、そして新たな時代である令和へと伝えていきたい」とあいさつした。
同町漁協の貝良文参事は、昨年の漁期中にイルカを飼育する生簀(いけす)の網が切られた事案を振り返るとともに、7月から31年ぶりに再開する大型鯨類の商業捕鯨に触れ、「資源量に基づいた鯨類の再生産可能な捕獲割り当てを遵守し、ある程度の調査も継続してまいります」と述べた。恵みをもたらす鯨類資源が減ることのないように管理することを誓い、「今後も『いただきます』の精神を忘れずに鯨類に感謝し、冥福を祈ります」と語った。
その後、(一財)日本鯨類研究所、共同船舶株式会社、共同販売株式会社、日本捕鯨協会からのメッセージが代読され、参列者は供養碑に手を合わせた。
(2019年5月1日付紙面より)
平成から令和の空へ (七里御浜海岸 )
大型連休期間中の風物詩「泳げ!鯉(こい)のぼりくん」が今年も4月28日から、熊野市の国道42号沿い七里御浜海岸で始まった。平成から令和の時に向かって青空を泳ぐこいのぼりは約300匹。有志による実行委員会「七里御浜鯉のぼりの会」(島田満代表世話人)が主催し、5日(日・祝)午前中まで、訪れた人たちの目を楽しませる。
子どもたちの健やかな成長を願い、熊野の自然の素晴らしさを知ってもらうのが目的。今年で35回目となる。寄贈されたこいのぼりを、獅子岩から鬼ヶ城に向けて張った約1㌔のワイヤで大空に泳がせている。車を止めてカメラを向ける観光客も多く、42号沿いには長い駐車の列ができた。
初日の作業には木本高校JRC(青少年赤十字)部の生徒34人など150人が参加。同部で3年生の松田実優さんは「令和で最初のこいのぼりになる。感動です」。東京都内から熊野の実家に帰省中という親子連れ5人のうち、長女の青木香穏(かのん)さん(8)は「初めて見た。いっぱいのこいのぼりでびっくりした」と感動し、島田代表世話人は「無事に揚がってほっとした。気持ちがいいし、うれしい」と、こいのぼりが泳ぐ大空を見上げた。
この催しに合わせ、市観光協会は国道42号沿いの木本漁協特産物販売所跡に案内所を設けた。パンフレットで観光名所を紹介し、飲み物や軽食を販売する。営業は5日までの午前10時30分~午後4時。この日は近畿大学附属新宮高校3年生の女生徒4人がボランティアで接客に携わり、居軒ひかるさんは「初めてで戸惑いもありますが、いい経験になります」と張り切っていた。
(2019年5月1日付紙面より)
松阪スポ少交流柔道大会