ニュースアーカイブ|ARCHIVES
アーカイブ検索で表示されるグレーのリンクのない記事については、熊野新聞紙面をご覧ください。
ご購読のお申し込み
過去2年分の熊野新聞は、
SHIMBUN ONLiNE
でご購読頂けます。
新聞オンライン(電子新聞)
カレンダー検索:99件の記事がありました
【検索ステータス】 
2023年03月25日
1 価値ある景観を残したい
 下里懸泉堂の模型作り  (那智勝浦町 )

 「下里の古い建物を形に残すためにも、この建物を作りたかった。本物は本当に立派な建物」。そう話す那智勝浦町下里在住の大工・清水啓自さん(79)だ。清水さんは、大工歴64年の腕前を駆使し、地域の歴史的な建造物・下里懸泉堂(けんせんどう)の30分の1サイズ(縦32㌢、横60㌢、ヒノキ・スギ製)の模型を作製した。

 同町八尺鏡野にある懸泉堂は、文豪・佐藤春夫の父・豊太郎の生家だ。佐藤家は代々、医者の家系であり、春夫の曽祖父の百樹が私塾を開いていた。

 谷川瓦が用いられた和風の母屋と、大正期に建築されたといわれる洋館で成立。国や町の文化財指定は受けていないが、和歌山県教育委員会が実施した近代化遺産の調査も受けており、建築的価値は高いとされる。

 そんな懸泉堂だが、建物の老朽化が著しく、雨漏りや倒壊を懸念する声や保存などを訴える町民の声も多い。

 さらには現在、県の空き家バンクに登録されており、わかやま住まいポータルサイトでも建物を確認できる。サイトの特記事項には「春夫の父の居宅であったこと」「町から登録有形文化財を進める声があり、購入者はそれらを引き継いでほしい」などの文言が掲載されている。

 今回の模型は、下里地域の景観を残したいと考える下里在住の城本和男さんが発起人。懸泉堂を模型にしてはどうかと考え、同じく下里在住の中村起士央さんに相談した。以前に旧・下里小学校の模型も手がけている清水さんに作製を依頼し、今回に至った。

 清水さんは、実際に懸泉堂の寸法を測り、資料などを基に1月末ごろ、作製に取りかかった。

 材料には、流木や自宅に保管する木材などを使用し、模型作りに対応する道具も自身で加工。格子や屋根などの細部にまでこだわった。今月15日時点で建物が完成し、塀を作るのみとなった。

 清水さんは「町展にも出展する。皆さまに見ていただき、懸泉堂を身近に感じてもらえたら」。

 中村さんは「懸泉堂の面影を残して、多くの人に見てもらいたいとの思いで、作っていただいた。懸泉堂の活用も考えていただけたら」と語った。

 父の時代から佐藤家と親交があり、長年にわたり、懸泉堂の管理を行っている下里在住の太田耕二さんは「地域に残る歴史的価値のある大切な建物。このまま絶やしてはいけない。模型完成を機会として、地域や町、各関係機関が協力して、文化財として活用してほしい」と話していた。

  □     □

■今後の懸泉堂は



 町教育委員会は、2019、21年の2度にわたり所有者の下を訪問している。町としては、懸泉堂の購入はできないが、保全や登録有形文化財制度への申請などの説明・提案をしたとしている。しかし、その後に、前述の空き家バンク登録に至っている。

 田中逸雄教育次長は「所有者さまからは、買い手が見つからない場合は寄贈も検討しているとの話もあった。懸泉堂は下里地区を代表する文化的な建物。もしも、寄贈いただけるのならば、現時点では今後の詳細は未定だが、登録有形文化財に申請するとともに、保存したいと考えている」と話していた。

(2023年3月25日付紙面より)

下里懸泉堂の模型を作製した清水啓自さん=15日、那智勝浦町下里
現在の下里懸泉堂=23日、同町八尺鏡野
2023年03月25日
2 今後は自らの責任で学問を 近大新宮で中学校修了式 

 新宮市の近畿大学附属新宮中学校(池上博基校長)で24日、第30回修了式が開かれた。義務教育課程を修了した中高一貫コースの3年生39人が証書を受け取り、保護者や在校生、教職員から祝福を受けた。

 式では、池上校長が修了生一人一人に証書を授与。式辞では、高等教育の段階に入る生徒たちに「自分で学び、自分が向かうという主体的な学問スタイルに変化する」ことを求めた。哲学者カントの言葉から「自分らしく生きるための心眼を身に付けるという決意を胸に、今後の学校生活を送って。リーダーシップを発揮し、学校をけん引する柱となるよう期待している」と結んだ。

 修了生を代表して中学校生徒会の速水救会長が、さまざまな制約の中で前向きに進み続けた中学校生活を振り返り「一つ一つの行事に対して全力を出し尽くし、みんなで楽しめるこの学年を、本当にすごいと思うし、尊敬している。本当にありがとう」。保護者や教職員らにも感謝の言葉を伝えた。

(2023年3月25日付紙面より)

感謝を込め「未来へ」を合唱する卒業生=24日、新宮市の近畿大学附属新宮中学校
2023年03月25日
3 「公認のおせっかい屋」
 先輩委員迎えて研修会  (紀宝町民児協 )

 紀宝町民生委員児童委員協議会(西村喜久男会長)は、定例会を同町鵜殿の町福祉センターで開いた。委員約30人が出席し、5期15年務めた山田十司さん(井田)から長年の活動への姿勢を学んだ。

 定例会と研修会は毎月開催し、委員、町、町社会福祉協議会と情報共有をしている。研修会の講師として迎えた山田さんは定年退職後の60歳から75歳まで委員として活動し、このうち3期9年は会長を務めた。

 委員を委嘱された1年目の心境について「自分にできるかと不安だったが、宮沢賢治の『雨ニモマケズ』を見た時にこれが民生委員だと思った」と振り返り、「地域を良くしようとする公認のおせっかい屋さん」と例えた。

 新任の委員に向けて、「これまでの仕事と全く違うと思っているかもしれないが、そうではない。これまでの仕事の一歩先、延長線上にある。無理することはない」と励ました。

 2011年の紀伊半島大水害では、町役場、町社会福祉協議会、民生委員の三者が一体となって取り組んだことを振り返り、民生委員としてどのように動いたのかを説明。被災前に災害ボランティアセンターを運営する災害ボランティアコーディネーターを養成していた経緯を紹介し、迅速なボランティア派遣につながったことを伝えた。

(2023年3月25日付紙面より)

長年の活動を振り返る山田十司さん(右)=紀宝町鵜殿の町福祉センター
2023年03月25日
4 2日間で約80人が鑑賞
 タイプ木ライトアップ  (古座川町 )

 古座川町池野山にあるクマノザクラタイプ標本木(以下タイプ木)のライトアップが18、19日の2日間にわたってあった。

 このライトアップは、観光協会の振興事業「桜フェア」の一環。三尾川(みとがわ)にある古傳山光泉寺のイチョウを照らすために導入した光源装置(LED照明4基とポータブル電源2基)を活用した初の取り組みで、鶴川公園のカワヅザクラに続く実施となる。

 初日のタイプ木は開花が早かった枝の花が17日から18日にかけての雨に打たれてほぼ散ってしまったが、大半の枝は散り進むことなく花盛りを保った状態。投光中は途絶えることなく見物客の姿があり、初のライトアップを捉えようと写真撮影愛好家らも思い思いの場所から様子を見守った。

 協会職員の上田柊大郎さんによると、2日間計の見物客数は約80人。うち3分の1ほどは地元以外で、タイプ木は日中も多くの見物客が訪れていて、今回のライトアップは大きな混雑もなく初の夜桜を鑑賞してもらえたという。

  □     □

次は一枚岩前と佐田で点灯



 次は相瀬にある一枚岩前のソメイヨシノを対象にして25日(土)、26日(日)、4月1日(土)、2日(日)に実施予定で、開花の進み具合を見て実施日を決めるという。実施日は道の駅一枚岩monolithが夜間営業で連動するため、実施時間帯に変更はなし。小雨決行、荒天中止。中止する場合は事前に公式ホームページなどで伝えるので、直前に確かめた上で見物の可否を判断してもらえればとしている。

 他方、町内随一のソメイヨシノの名所として知られる佐田地内で24日午後に佐田区と桜まつり実行委員会が協力して恒例となっているちょうちんを設置し、散り終わりまで午後6時~9時に点灯する(タイマー制御となっていて期間中は毎日点灯)。桜まつりは今年も感染症予防のため中止となっているが、どんどろの森駐車場の芝生広場で開花時期の出店はあるという。

 ライトアップの問い合わせは同協会(電話0735・70・1275)、佐田のちょうちんなどの問い合わせは町地域振興課(電話0735・67・7901)まで。

(2023年3月25日付紙面より)

桜フェアの一環でライトアップされたタイプ木=18日、古座川町池野山
2023年03月25日
5 声優朗読劇に600人  「丹鶴ホール」で  (新宮市 )
2023年03月25日
6 一丸となって施策推進  129人の内示、新宮市の人事異動①  
2023年03月25日
7 トルコ・シリアのために  日赤奉仕団が救援金届ける  (那智勝浦町 )
2023年03月25日
8 当初予算案など可決し閉会  新宮市議会3月定例会  
2023年03月25日
9 尾仲陽夏さんが最優秀賞  読書感想画コンクール県審査  (新宮高校 )
2023年03月25日
10 春休みに胸躍らせて  公立小中高校で終業式  (新宮市・東牟婁郡 )
2023年03月25日
11 大好きな園巣立つ  こども園・保育所で卒園式  (那智勝浦町 )
2023年03月25日
12 卒業生の経験講話も  進路分野別で説明会  (新翔高校 )
2023年03月25日
13 子育て支援や文化財活用に向け 那智勝浦町の人事異動 
2023年03月25日
14 五郷診療所に医師着任  4月5日から診療  (熊野市 )
2023年03月25日
15 草刈り機の安全使用を確認  シルバー人材センターが講習会  (紀宝町 )
2023年03月25日
16 12日間の春休みに入る  小中学校で一斉に修了式  (熊野市・南郡 )
2023年03月25日
17 1年生になっても頑張ります  うどの幼稚園で卒園式  (紀宝町 )
2023年03月25日
18 孫のためのサクラ花盛りに  添野川・宮野さん宅一帯で  (古座川町 )
2023年03月25日
19 生徒18人が練習成果披露  文化セでモダンダンス発表  (串本町 )
2023年03月25日
20 行政17人、医療1人規模  4月1日付人事異動内示  (古座川町 )
2023年03月25日
21 スノーフレーク咲く  那智勝浦町の空き地  
2023年03月17日
22 「35年間、ありがとう」
 新宮支局、歴史に幕  (和歌山放送 )

 和歌山放送新宮支局は、17日の放送をもって新宮単独放送を終了する。新宮スタジオの開設から35年。新宮市の一角から地域に密着した情報を届けてきたその歴史に幕が下ろされる。

 和歌山放送は1959年4月1日午前5時30分、「県下の皆さま、おはようございます。~略~県下の皆さまの放送局として皆さまと共に歩んでゆきたいと考えております」と第一声を放送。県民からの期待を受け、開局した。

 時代が昭和から平成へと移り変わろうとしていた88年。「県都中心の情報より、地域密着の情報を」との要望に応える形で「新宮スタジオ」が開設。新宮・串本単独放送を開始した。新宮スタジオの開設により、現在の本社、田辺支局、新宮支局の3局体制が完成。地域に寄り添った放送を住民に届けてきた。

 しかし、今年3月、放送機器の中核であるマスター設備の更新に伴う設備投資を実施するに当たり、現在の3元放送の維持が困難に。新宮単独放送をやむなく終了するという決断に至った。

 現在、17日にかけて「ありがとう! お世話になりました! 感謝感謝の35年!!『ラジオDE元気!』」が放送されており、歴代パーソナリティーが日替わりで番組に登場。秘蔵音源の紹介などをもって番組の歴史を振り返りながら、リスナーらへの感謝を伝えている。

 小田川和彦さん(75)は、初代パーソナリティーとして1993年9月まで放送の中核を担った。中上健次が後に設立した「熊野大学」の前段階であった「熊野大学準備講座」や御燈祭(おとうまつ)り、那智の原生林、四十八滝、当時のリスナーからのはがきなど「思い出は山ほど」と振り返る。

 「住んで、いろいろな人と出会って、生活を共にして熊野の魅力を感じた。親切を受けたことも数多い。熊野は古来から多くの人を受け入れてきた優しい土地で優しさは熊野の本質だと思う」。

 一方、「妻との結婚を決めるきっかけともなった新宮市への赴任は、人生の中で一番大きな転機だった」と語るのは93年10月から98年3月まで、2代目パーソナリティーを務めた小川孝夫さん(56)。

 「阪神・淡路大震災の時は繰り返しの情報を伝えるだけで、力のなさを感じた」と回顧しつつも「新宮で生まれた娘は、私が出演する明日16日に入籍する(取材は15日)。当時、ここは楽しくて子育てに最適な所だと思った」。

 現在も同放送局で和歌山県地域密着アイドルグループの冠番組のディレクターを担当する小川さん。「何らかの形で携われることができてうれしいです」と話していた。

 最後のラジオカーリポーターによるインタビューに応じた田岡実千年市長は「長きにわたり、いろいろな思いを届けていただいてありがたい限り。さみしくなるが、これからも県民の放送局として活躍を期待しています」と語った。

 最後の放送は17日午後1時から。3代目パーソナリティーの平井理弘さんが出演する。

(2023年3月17日付紙面より)

(前列左から)小川孝夫さん、小田川和彦さん、引本孝之さん、(後列左から)柿白享子さん、尾崎さとみさん=15日、オークワ仲之町店内の新宮スタジオ
最後のインタビューに応じる田岡実千年市長=同日、新宮市役所
2023年03月17日
23 外国人観光客の防災
 町内事業者集め研修  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町は15日、那智勝浦観光機構の協力の下、町内事業者を対象にした「外国人観光客に向けた防災研修」を行った。約10人が参加、災害発生時の外国人観光客への対応をどうすべきかを学んだ。

 初の取り組みとなる。同町役場防災対策室の柴田通仁さんが、和歌山県による災害発生時の外国人への避難所対応の講習を受け、これを避難所以外の外国人観光客にも応用できるのではと発想。那智勝浦観光機構の協力を得て実施に至った。柴田さんが「もしもの時の外国人観光客への対応や情報提供について」を演題に講話した。

 柴田さんは、外国人観光客の特性として▽日本語が話せない▽土地勘がない▽災害の基本知識を持たない▽文化・宗教の違いにより災害時行動や避難所でトラブルの可能性あり―と説明。「外国人観光客に災害関連情報の入手方法を確認しておいてもらう必要がある」と話した。

 そのために普及啓発を行うべき災害関連アプリとして「セーフティティップス」を紹介。「緊急地震速報や津波警報などを通知する無料アプリで、14カ国語15言語で提供する。この案内板を店内などに掲示し、QRコードも表示すれば、外国人観光客にも役に立つ」と語った。

 翻訳アプリ「ボイストラ」も紹介。「31言語に翻訳してくれる。日本語で話して翻訳してもらい、相手に何語が話せるかをタップしてもらえば、会話が始まる。ポイントは、やさしい日本語で話しかけること。難しいと誤訳が多くなる」と述べた。

 一般財団法人自治体国際化協会のサイトにある▽災害時多言語表示シート▽災害時用ピクトグラム(案内用図記号)▽多言語指さしボード―に言及、有効性を伝えた。

 和歌山県が行う「外国人サポートメール」についても「空メール送信で登録できる。印刷して外国人観光客に配布していただければ」と勧めた。

 また町や観光機構としても「観光客への災害情報の伝達や、宿泊を伴わない観光客への避難案内を実施する」とした。「事業者さまも災害時のご協力を」と呼びかけた。

 熊野別邸中の島の長谷川文平取締役は「研修を受け、ピクトグラムの準備が足りていないと分かったので、そこをどう拡充させていくかが旅館としての課題かと思った。ただ、一番怖いのは津波。5分ぐらいで来るともいわれているので、今後の検討課題として、適切なやり方を考えていきたい」と話した。

(2023年3月17日付紙面より)

柴田通仁さんの説明を聞く参加者=15日、那智勝浦町役場
2023年03月17日
24 クマノザクラ楽しんで
 みなと橋やゆかし潟で満開  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町二河の国道42号沿いのみなと橋すぐ横に植わっているクマノザクラが満開を迎えている。また、ゆかし潟周辺のクマノザクラも同じく満開を迎え、地域に彩りを添えている。

 クマノザクラはバラ科サクラ属の樹木で、2018年に新しく公表された野生種。森林総合研究所の勝木俊雄博士らが新種として命名、発表した。紀伊半島南部の3県に分布し、早咲きで花が美しいことから観賞用の利用が期待されている。

 みなと橋横の木は秋にも花を付け、二度咲きすることでも知られている。クマノザクラの利活用や保全活動に取り組む「日本クマノザクラの会」では、「みなと橋小春」と命名している。

 そこから少し離れたゆかし潟沿いの歩道にも小さなクマノザクラが確認できる。この木は「ハート型の汽水湖」としても有名なゆかし潟のハート上のくぼみ部分から対岸に位置しており、花びらは背を見せているのが特徴だ。

 同町湯川の喫茶きよもんの駐車場からは、ゆかし潟を見渡すことができ、周辺に植わる多くのクマノザクラが楽しめる。

 同会会員の大江伸二さんによると、現在、各地で確認できるサクラのほとんどがクマノザクラであるという。その確認方法として「一つの花芽に2個の花が付く」「花柄は比較的短くて毛が生えていない」「葉身が卵形で幅が18~36㍉と細長く、鋸歯が粗い」などの特徴を挙げた。

 大江さんは「背を見せているクマノザクラは、佐藤春夫が命名したゆかし潟のゆえんでもある『奥ゆかしさ』を感じさせる。『ゆかし桜』と名前を付けてみた。いろんな見方で楽しめるのでは」と笑顔。

 観賞については「ゆかし潟は1周2・1㌔あって、30~40分のほど良い散歩コース。ジオパークの説明書きがある場所にも車を止めることができる。歩きながら多くのクマノザクラを楽しんでほしい」と話していた。

(2023年3月17日付紙面より)

みなと橋横のクマノザクラが満開=13日、那智勝浦町二河の国道42号
奥ゆかしさを感じさせる『ゆかし桜』
喫茶きよもんからは多くのクマノザクラが楽しめる
2023年03月17日
25 劔持家に伝わる「慶喜奏聞書」
 「丹鶴ホール」で展示中  (新宮市 )

 新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」2階の「熊野サロン」で、「江戸幕府一五代 徳川慶喜奏聞書 写(うつし)」の特別展示が始まった=写真。4月末まで展示している。

 江戸幕府かつ日本史上最後の征夷大将軍、徳川慶喜。江戸末期、「薩長同盟」が成立し倒幕への動きが加速する中、慶喜は1867(慶応3)年10月に政権を朝廷に返上した。

 奏聞書は、慶喜から明治天皇に宛てたもので、慶喜に対する辞官納地の決定に激昂した主戦論派の幕閣によって作成され、京都に持ち込まれたもの。

 岩倉具視らの抑止で天皇への提出には至らなかったが、旧幕府側では江戸城に召集された諸大名・重臣らに老中から本書の写しが渡され、また早々に兵を率いて集まるようにと呼びかけられた。

 紀州藩においては「南紀徳川史」に、老中から江戸の紀州藩家老に渡されたと記載があり、これが水野家中でも写され、水野家が新宮城領主として入部した際に側用人として浜松から入国したという劔持家に伝わることとなったとされる。

 今回の展示は、市が同市下本町の劔持幸代さんより預かった奏聞書を一般公開するもので、市が所蔵する「御広間三番方勤役日記」(1867年)も併せて展示。同書は城主の命により赤井武左衛門らが記した水野家中の日記で、城中の出来事や、城主・家臣の動きなどが記されている。

(2023年3月17日付紙面より)


2023年03月17日
26 1位に野中誠一さん  写連紀南支部3月例会  
2023年03月17日
27 親子でプログラミング学ぶ  県教委が方法や思考教える  (那智勝浦町 )
2023年03月17日
28 焼き肉モリモリおいしいね  わかば保育園で卒園前に  (那智勝浦町 )
2023年03月17日
29 小学校でも頑張ってね  丹鶴幼でお別れ会  (新宮市 )
2023年03月17日
30 一回の使用も駄目  薬物乱用防止教室  (三輪崎小学校 )
2023年03月17日
31 「適切な生活設計を」  那智中学校で消費者教育  
2023年03月17日
32 あ、今年もこの臭い…  ヒサカキの花が咲く  (那智勝浦町 )
2023年03月17日
33 串本町へトルコ義援金寄託  組合長自ら目録読み上げて  (和歌山東漁業協同組合 )
2023年03月17日
34 4組が演奏を響かせる  町民音楽祭バンドの部  (串本町 )
2023年03月17日
35 校区に義援金など呼びかけ  大島小児童が受け付け寄託  (串本町 )
2023年03月17日
36 サイクルツーリズムの推進を  東紀州サイクリング活用推進協  
2023年03月17日
37 鵜殿長照、町のPRに  紀宝町議会一般質問③  
2023年03月17日
38 自宅への不審電話に注意  すぐに相談窓口へ連絡を  (紀宝町 )
2023年03月17日
39 第2期入選作品を発表  新宮市インスタグラムフォトコンテスト  
2023年03月17日
40 トルコ地震に救援金  団員有志が善意の寄付  (新宮赤十字奉仕団 )
2023年03月17日
41 お悔やみ情報
  
2023年03月11日
42 「できるだけ着ける」約6割 マスク着用、独自にアンケート 

 新型コロナウイルス感染対策の一つ「マスク着用」が13日(月)から個人の判断に委ねるとする政府の方針を受け、本紙が独自に調査した結果によると約6割の人が「できるだけ着ける」と回答した。すでに着用が習慣になっていることが主な理由として挙がった。

 アンケートは7、8日に実施。御浜町~串本町に住む20~80代の100人から回答を得た。マスクの着用は13日から屋内、屋外を問わず個人の判断に任される。調査では「できるだけ着ける」が57人で最も多く、「状況による」が38人、「できるだけ外す」は5人にとどまった。

 着用を続ける理由としては「マスクの方が落ち着く」「3年もマスク生活をしていると外すと恥ずかしい」「なるべく顔を出したくない」「マスクなしで人と接する自信がない」などの回答が目立ち、長期化するコロナ禍において、マスク着用が習慣化している人が多かった。

 また「基礎疾患がある」「感染防止のため。家族にもうつしたくない」「日本がコロナ感染者ゼロになるまで外さない」といった、基本的な感染対策として着用を続ける声も多かったが、一方で「アウトドアや運動のときは外す」「現実問題、不特定多数が出入りする場所へ行く場合以外しか外せないのでは」「当分着けるけど夏場は無理かも」などの意見もあった。

 「状況による」を選択した人からは「ひとまず花粉シーズンが終わるまでは着ける」「花粉シーズンが終わったら屋外では外す」「近しい友人と会うときは外す。コンビニなどは周囲の雰囲気や様子を見る」「屋外や友人宅など、ケース・バイ・ケースで外す」など、感染症以外の予防や周囲の様子をうかがうといった声が多かった。

 個人に加え、各業界団体でも脱マスクに向けた指針改定を急いでおり、全国的には大手のスーパーやコンビニなどでも利用客に着用を求めない方針を示している。

 なお、新宮市では政府の方針を受け、職員などのマスクの着用については個人の判断に委ねるとするが、窓口などの対応時や家庭訪問時など、高齢者や妊婦など重症化リスクの高い人と接する場面を想定し、マスク着用を推奨していく構え。また、パーティションについては、当面の間設置を継続する計画としている。

 那智勝浦町では、重症化リスクの高い人の来庁を想定し、また感染拡大防止継続の観点から、職員の勤務時間中のマスク着用を継続。パーティションの設置も続けるが、勤務時間外の着用については個々の意思に任せるとしている。

(2023年3月11日付紙面より)

2023年03月11日
43 5、6年生調理技術教わる
 橋杭小でキッズシェフ体験  (県調理師会新宮支部 )

 串本町立橋杭小学校(溝内聡子校長)で9日、県調理師会主催のキッズシェフ体験があり5、6年生24人が包丁の扱い方やだしの取り方と味の整え方をじかに教わるなどした。

 この体験は、子どもたちに調理の楽しさを伝えるため会員が学校へ赴く形で実施。この日は支部の新宮調理師会から平見一雄さんと平見輝行さん〈ともにたぬき屋〉、里中陽互さんと里中佑吉さん〈ともに徐福寿司〉、中畑光史さん〈葵鮨〉の5人がアジのつみれ汁の材料を準備して橋杭小へ赴いた。

 感染症予防対策の一環で、児童は全員手袋を使用。まず会員が魚のさばき方を実演紹介し、児童は6班に分かれ5人の直接指導を受けながら同じように挑戦した。

 さばいて皮を取った後はたたきにし、刻んだネギとつなぎの卵黄を加えてこねてつみれに。この調理過程で切る、たたく、時にはヘラの代わりにするなど包丁の幅広い扱い方を経験した。他方で昆布とかつお節でだしを取り、しょうゆや砂糖、塩などを加えて汁作り。味見をして足りないと感じた調味料を少しずつ加え、好みの味に近づける経験もした。

 つみれを団子の大きさで汁に入れ、最初は沈んでいたつみれが浮かんでからさらに一煮立ちさせて調理終了。試食をしてプロの技術で整えた味わいを確かめた。併せて平見さん親子からSDGsの観点でだしを取った後の昆布やかつお節をつくだ煮(通称・ごはんのお供)にして無駄にしない実演紹介もあった。

 人見茉奈さん(5年)は「魚をさばくのが難しかったけれど(会員の)教え方がとても分かりやすくて何とかできた。まだ一人で作る自信は無いけれど、家でまたやってみたい」とコメント。

 今回の体験を主導した中畑さんは「橋杭小の皆さんはじっとすることなく積極的に調理を楽しんでくれて、教える自分たちが逆に楽しませてもらえたという気分。包丁を使うなど真剣さが必要なところは真剣に教えたが、終始緊張していてもいいものは作れない。今日はこの体験の本来の目的がうまく伝わったと思う」と手応えを語った。

(2023年3月11日付紙面より)

調理師の包丁さばきを間近に見学する5、6年生=9日、串本町立橋杭小学校
直接指導を受けながらアジの三枚おろしに挑戦
2023年03月11日
44 来年は返り咲けるように
 南紀勝浦温泉が2位  (温泉総選挙2022 )

 国民参加型の地方活性化プロジェクト「温泉総選挙2022」でこのほど、本紙エリアの「南紀勝浦温泉(以降、同温泉)」が歴史・文化部門において2位に輝いた。昨年の1位から順位を落とすこととなったが、同温泉はこれまでも常に上位入賞を続けている。

 温泉総選挙は好きな温泉地への応援投票を通じて、さまざまな情報に触れ、各温泉地の利用促進を図ることで、地域活性化につなげることが目的。

 投票方法は「ウェブ投票」「リアル投票」「SNS投票」の3種類で、「リアル投票」と「SNS投票」は希望温泉地のみの投票方法となる。同温泉は全ての投票方法での参加となった。

 九つの部門があり、全国各地の温泉地が毎年、エントリーを行っており、今回の総投票数は19万5263票に上った。歴史・文化部門は歴史上の出来事や人物にゆかりのある温泉地や独自の文化を残している温泉地がエントリーしている。

 同温泉はこれまでに、「総選挙2018」で総務大臣賞を、「総選挙2019」では歴史・文化部門で1位、「総選挙2020」では同部門で3位、「総選挙2021」で1位を受賞している。

 エントリーの際の紹介文では、177カ所の源泉と水揚げ量日本一を誇る生マグロが楽しめる宿泊施設や世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に指定されている熊野那智大社や那智山青岸渡寺、那智の滝など、「マグロと温泉と世界遺産のまち」をアピールした。

 南紀勝浦温泉旅館組合の清水貞吾組合長は「本年も皆さまの応援のおかげをもちまして、2位に入賞することができました。当温泉地に投票してくださいました皆さまに心より感謝申し上げます。また、来年も1位に返り咲けるよう、今後も南紀勝浦温泉の知名度向上のため、宣伝を頑張ってまいりますので、これからも南紀勝浦温泉の応援をどうぞよろしくお願いいたします」。

 一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)の理事長も務める清水組合長は「機構の理事長としてになるが、18日から26日まで『温泉』を盛り上げるべく、『南紀勝浦温泉・南紀湯川温泉 温泉ウィーク2023』を開催します。観光のお客さまのみならず、地元の皆さまにも当温泉地の魅力を改めて実感していただく機会となればと思っております」と話していた。

  □     □

■温泉ウィーク2023



 観光機構は18日(土)~26日(日)までの間、町内の各温泉で「南紀勝浦温泉 南紀湯川温泉 温泉ウィーク2023」を初開催する。和歌山県一の源泉数を誇る町内の温泉巡りが楽しめるイベントで、費用は「温泉めぐり札」の代金500円。1500個限定。

 温泉めぐり札は、JR勝浦駅前の町観光案内所や大門坂観光案内所、南紀勝浦温泉旅館組合、道の駅なちで購入できる。

 購入後は、日帰りおよび宿泊温泉施設の入浴が半額になる入浴券が3枚もらえるほか、温泉施設周遊バスが無料乗車できる。また、その他の特典もある。

 問い合わせは観光機構(電話0735・52・6153)まで。

(2023年3月11日付紙面より)

ホテル浦島大洞窟風呂 忘帰洞温泉(南紀勝浦温泉旅館組合提供)
2023年03月11日
45 クロマツ240本を植樹
 3市町で計169人が参加  (GG作戦 )

 七里御浜松林を守る協議会(会長・西田健紀宝町長)は4日、熊野市、御浜町、紀宝町の七里御浜国有林内で3年ぶりに「七里御浜防風林GG(グリーングロー)作戦」を実施。3会場で80本の抵抗性クロマツを植樹した。

 七里御浜海岸の海岸林を守ることを目的に、1993(平成5)年度から植樹、林内清掃を続けてきた。新型コロナウイルスの影響で中止が続いたが、再開した今年は熊野市18人、御浜町50人、紀宝町101人の参加があった。

 紀宝町では井田地区で開催し、町民をはじめ町議会、町商工会、道の駅「ウミガメ公園」、ウミガメ保護監視員、NPO法人環境ファースト連合会、三重くまの森林組合、紀宝みどりの少年隊、町、県、国の各関係団体も参加した。

 西田町長は「松林は地域に住む皆さんを守っている。今日は皆さんと一緒に植樹したい」、協議会副会長で七里御浜国有林を管理する三重森林管理署の石上公彦署長は「植樹した松をしっかりと守っていきたい」とあいさつ。参加者は国有林でクロマツを植樹し、発泡スチロール、ペットボトル、缶、瓶など周辺のごみも拾い集めた。

 七里御浜国有林内は3市町の海岸林に位置し、海からの強風、塩分を含んだ潮風から人々の生活、農作物を守るため、海岸防風林として重要な役目を果たしているという。

(2023年3月11日付紙面より)

クロマツの植樹に取り組む=4日、紀宝町井田
紀宝町会場のGG作戦に参加した皆さん
2023年03月11日
46 無事完走と8位入賞祝う  串本町チームが結果報告  (ジュニア駅伝 )
2023年03月11日
47 人はどう生まれるか  児童が命の大切さ学ぶ  (高田小学校 )
2023年03月11日
48 一般会計予算を可決  3月定例会3日目  (那智勝浦町 )
2023年03月11日
49 1人登壇、補正予算など承認  新宮市議会一般質問(終)  
2023年03月11日
50 身近なものにもニセモノが!  知的財産侵害物品取締強化期間  (大阪税関 )
2023年03月11日
51 さらなる周知に努める  本宮行政局にガス器具寄贈  (県エルピーガス協会 )
2023年03月11日
52 春を感じ生け花楽しむ  本年度最後の生花教室に13人  (新宮市 )
2023年03月11日
53 堀順一郎町長諸報告㊦  令和5年3月那智勝浦町定例会  
2023年03月11日
54 ようこそ熊野新聞へ  6人が新聞作りを学ぶ  (紀宝町立成川小学校 )
2023年03月11日
55 鮮やかピンク、春の訪れ  御浜町でハナモモ見頃  
2023年03月11日
56 「一緒に遊んでくれて、ありがとう」  わかば保育園でお別れ会  (那智勝浦町 )
2023年03月07日
57 商店街に笑顔あふれる
 4年ぶり「春よこい」盛況  (新宮市 )

 新宮市と市内の3商店街(駅前本通り商店街振興組合、丹鶴商店街振興組合、仲之町商店街振興組合)でつくる「はいから実行委員会」は4日、商店街活性化イベント「春よこい」を開催した。各商店街で趣向を凝らした催しがあり、多くの家族連れらでにぎわった。

 市中心地の活性化を目的として始まり、10年以上続いている恒例催事。新型コロナウイルス感染症の影響で、実に4年ぶりの開催となった。

 駅前本通り商店街では射的やヨーヨーつり、飲食ブースなどが並んだほか、抽選会も行われた。太平洋食堂のカレーなどの販売には、開始前から多くの人が列を作った。丹鶴商店街ではバルーンすべり台やお絵かきロード、イタ車展示などのほかじゃんけん大会や○×クイズ、ダンスのステージも盛り上がった。

 仲之町商店街でも踊りや、県立新翔高校によるバンド演奏、ミニ電車、お菓子つかみどり、風船パフォーマンスなどが行われ、各商店街には子どもたちの笑い声が響き渡っていた。

 また、連携事業として同市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」ではチムチムサーカスによる大道芸パフォーマンスも開催。メンバーの3人が息の合ったドタバタコメディーを披露し、多くの人が拍手を送った。午後からは各商店街で回遊パフォーマンスも行った。

 下地昌宏実行委員長は「天候にも恵まれ、4年ぶりに開催できて良かった。多くの人が楽しみにしてくれたと思う。来年も開催することができれば」と話していた。

(2023年3月7日付紙面より)

多くの家族連れらでにぎわった=4日、新宮市の仲之町商店街
チムチムサーカスが大道芸パフォーマンスを披露=同日、「丹鶴ホール」
2023年03月07日
58 「またね」「ありがとう」 「銀河」見送りに350人 (JR西日本)

 JR西日本が運行する長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の8日(水)の運行終了に先立ち、新宮市徐福のJR新宮駅で5日、最終運行おもてなしイベントがあった。子ども連れの家族やカメラを手にした鉄道愛好家ら約350人が、駅を出発する列車に「またね」「ありがとう」などと声をかけて見送った。

 観光を中心とした西日本エリアの活性化のためにJR西日本が運行する同列車。2年目となる紀南コースは、昨年10月3日に運行を開始し、約5カ月にわたり京都―新宮間を往復。延べ約3000人の観光客を当地方に運んだ。

 この日の最終運行おもてなしイベントでは、参加した子どもたちにはプレゼントの配布もあった。参加者らは、田岡実千年市長や里中陽互・観光協会長、市ツイッターキャラクターめはりさんらと共に、手旗を振って列車を見送った。

 田岡市長は「今日は見送りに多くの人が来てくれてありがたい。『銀河』は今年も都会から多くの人を新宮・熊野に運んでいただいた。今後も当地域に定期的に運行いただけるように要望していきたい」と話していた。

 同列車のラストランは8日の午前9時50分新宮発。乗客への特産品の配布や、市内保育園・幼稚園児らによる見送りを予定している。

(2023年3月7日付紙面より)

約350人の地域住民らが「銀河」を見送った=5日、新宮市徐福のJR新宮駅
2023年03月07日
59 必要性と実践の実感を託す
 田原で地域支えあい勉強会  (串本町 )

 串本町田原にある田原山村交流センターで3日、地域支えあい勉強会「田原の未来をみんなでつくろう!!支えあいの地域を」があり、田原地区の高齢者20人らが地域の支えあいを実感しながら教わる機会を得た。

 この勉強会は、同町社会福祉協議会と同町が主催。町は2019年度から町社協へ生活支援体制整備事業を委託していて目下、生活支援コーディネーターなどによる地域支えあい推進活動が展開されている。コロナ禍で大きく動けない中でも同コーディネーターは町域へ出向いてじかに支えあってほしい高齢者層の声を聞き、目指すべき形を模索。その延長で今回、同事業のモデル地区となっている田原地区で地域への啓発企画となるこの勉強会を初計画し参加を呼びかけた。

 当日は町福祉課の鈴木一郎課長が同事業の趣旨を伝えて推進への協力を希望。公益財団法人さわやか福祉財団の生活支援アドバイザー・高林稔さんが講師となり、前半は健康寿命と平均寿命の間にある健康とは言い難い期間をどうするかに着目し、フレイル(虚弱状態)の予防と地域の支えあいの必要性を共に考え実践に向け気持ちを切り替えることを促した。

 後半は近隣助け合い【時間通貨】体験ゲームキットの一部を使って、地域の支えあいが具体的にはどういったものかを実感。高齢者らは3グループに分かれ、さまざまな生活の困り事が書かれたカードの中から洗濯や買い物、草引きや掃除など先々困り事になるであろう事柄三つを選び、順々に具体的にどのように困っているかを説明しつつそのカードを出し、みんなでどう助けられるかを考えるなどした。

 高林さんはこれら支えあいをお互いさまで定着させるには地域の中に困り事を話せる相手や解決できる相手が必要で、そのために日頃から関係性を豊かに保っておくことが大事だと呼びかけ。関係性が深まれば人となりが分かり助けあいの心が分かると筋道を説き、今回の経験を一人でも多くに伝えその域を目指して考えてほしいと求めた。

 最後にこの勉強会を見届けた町社協役員を代表して堀登世会長は、お互いの支えあいが安心できる地域の実現につながることを願い締めくくった。

(2023年3月7日付紙面より)

困り事をどう助けられるかを話し合う高齢者ら=3日、田原山村交流センター
2023年03月07日
60 ゆかし潟周辺を清掃
 毎年恒例のクリーン作戦  (なちかつ古道を守る会 )

 那智勝浦町の「なちかつ古道を守る会」(地庵晋司会長)は5日、同町湯川で「ゆかし潟周辺クリーン作戦」を開いた。約40人が参加、ゆかし潟周辺や夏山(なっさ)トンネル付近に散乱するごみを拾い集めた。

 同会、地域住民、那智勝浦観光機構、南紀くろしお商工会西部支部、同町、和歌山県などから参加。新聞告知を見た新宮市民の姿もあった。ゆかし潟周辺は熊野古道大辺路が通り、野鳥や魚などさまざまな生物が生息している。美しい景観を保つため同会は、毎年この時期にクリーン作戦を実施、15年ほど続いている。

 参加者は、同町湯川にある喫茶きよもんの駐車場に集合。地庵会長はあいさつで「ゆかし潟周辺をきれいにすることで、全国から観光客が来てもきれいな姿を見てもらっている。最初の頃に比べてきれいになったのは、皆さんのおかげ。今日はけがをしないようにお願いします」と呼びかけた。

 この後、参加者が分散して清掃を実施。火ばさみや回収袋を手にゆかし潟周辺や夏山トンネル付近を歩き、空き缶やプラスチックごみ、ペットボトルなどを拾い集めた。参加者は協力して、熱心に作業を進めていた。

(2023年3月7日付紙面より)

参加者を前にあいさつする地庵晋司会長(左端)=5日、那智勝浦町湯川の喫茶きよもん駐車場
2023年03月07日
61 奨学金とトルコへの義援金  太地漁協が町へ寄付  (太地町 )
2023年03月07日
62 気になる!子育てとスマホ  篠原嘉一さんがSNS講座  (那智勝浦町 )
2023年03月07日
63 有事に対し日頃から備え  研修で団活動の深化図る  (新宮市消防団 )
2023年03月07日
64 田園を彩るアカシアの花  那智勝浦町  
2023年03月07日
65 和大学生考案観光パンフ配布中  熊野三山観光協会  
2023年03月07日
66 気持ちを新たに中学校へ  新木保で卒園児の集い  (新宮市 )
2023年03月07日
67 浅里バイパス事業化を  西田町長が知事に要望  (紀宝町 )
2023年03月07日
68 新入学予定園児に学校を紹介  うどの幼の5歳児招き交流会  (鵜殿小 )
2023年03月07日
69 美しく咲く花を楽しんで  日本クマノザクラの会が総会  (一般社団法人へ移行 )
2023年03月07日
70 支援継続の思いを新たに  半旗や黙とうで弔意示し  (串本町 )
2023年03月07日
71 映画「海難1890」上映  トルコ被災地支援で21日  (串本町 )
2023年03月01日
72 級友集い念願かなえる
 母校にクマノザクラ植樹  (那智勝浦町 )

 NPO太田の郷(大江清一代表)と旧太田中学校の昭和30年度卒業生で組織する同級会「九期会」は2月27日、那智勝浦町南大居の交流センター太田の郷でクマノザクラの植樹を実施した。苗は九期会で、同町在住の寺地恒文さんと清水康男さんが育てたもの。級友ら13人は、念願のクマノザクラ植樹に汗を流した。

 数年前の同級会の際、九期会メンバーで母校(現・交流センター太田の郷)に、クマノザクラを植樹しようという計画が持ち上がった。

 植樹担当となった寺地さんと清水さんだったが、当時はクマノザクラの知識が深くなかった。苗を探して各地を駆け回るも手に入らず、焦る日々を過ごしたという。

 二人は情報収集や研究を続け、クマノザクラの保全活動などに取り組む「日本クマノザクラの会」(勝木俊雄会長)にも入会し見識を深めた。

 寺地さんは持ち主から許可を得てクマノザクラを入手。台木として同じくクマノザクラで接ぎ木をし、苗木を育て始めた。清水さんも同様に苗木作りに精を出した。

 待望の植樹は、苗の育成状況や新型コロナウイルスの影響で延期に。しかし、二人は級友との約束を果たすために、苗作りに励み続けた。

 27日は九期会の地元メンバーのみが集まり、NPO太田の郷の石田一事務局長らも参加。木を支える鳥居支柱や獣害対策用の柵を設置し、丁寧に苗木を植えた。

 苗木は八重咲きや深いピンク、白さを帯びたものなど、それぞれ特徴が違う9本で、22日に植えた2本を合わせて計11本が植樹された。

 植樹場所は町有地であるため、使用申請するとともに、大江代表や役員と共に草刈りや重機で土壌を耕した石田事務局長は「それぞれ違ったクマノザクラが咲き、人々が集える場所になれば。太田小の児童にもクマノザクラを学んでもらう勉強会も予定している」。

 「日本クマノザクラの会」の副会長の田尾友児さんは「年齢を感じさせないお二人のすごい熱意に刺激を受ける。今日を迎えられたことは本当に素晴らしい」と話した。

 共に力を尽くしてきた寺地さんについて清水さんは「彼の性格と熱意があったからこそ、実現できた。九期会全員で植樹したかったが仕方ない。美しく咲いてくれるように見守っていきたい」。

 寺地さんは「植樹できたのは清水さんと九期会のおかげ。地域活性化のために取り組んできた。2~3年後にはきれいになるので、花を楽しんでほしい。将来はクマノザクラが地元・太田の産業になれば」と語った。

(2023年3月1日付紙面より)

念願だったクマノザクラ植樹の日を迎えた=2月27日、那智勝浦町南大居の交流センター太田の郷
植樹に取り組んだ
2023年03月01日
73 予防医療や支え合い学ぶ
 千穂第一地区福祉委員会  (新宮市 )

 新宮市地域包括推進課は2月24日、同市神倉の神倉老人憩いの家で、千穂第一地区福祉委員会(玉置裕委員長)の委員を対象に講座「健康増進と予防医療~健康寿命をのばしましょう~」を実施した。講師は訪問看護ステーション仁智の保健師で、市在宅医療相談窓口の相談員・瓜田真理子さんが務め、健康寿命を伸ばすための習慣や予防医療の重要性などを講演。市社会福祉協議会による「地域支え合いに係る勉強会」も行われ、委員ら20人は学びを深めた。

 講座は在宅医療介護連携推進事業の一環で行われ、今回は新宮市医師会の協力の下、実施された。

 瓜田さんは生活習慣の改善や適度な運動、予防接種は「一次予防」、病気の早期発見や病気の早期治療は「二次予防」、病気の増悪防止や回復、再発防止は「三次予防」になると説明。高齢者で健康に問題を抱える人が増えていると述べた。

 五つの健康習慣として「運動」「節酒」「適正体重」「減塩」「禁煙」を勧め、健診・検診や定期的な歯科受診、予防接種、薬の飲み方を説明し、かかりつけ医を持つことの重要性を訴えた。

 瓜田さんは「皆さんがずっとお元気で充実した日々を送ることができれば幸いです」と締めくくった。

 勉強会では、市社協の福島圭さんが、同市の現状に触れ▽認知症高齢者の増加▽一人暮らし高齢者の増加▽少子高齢化と労働力の減少▽介護の問題▽社会保障費の増大▽医療における医師不足―などの課題を挙げた。

 社会参加の割合が高いほど「転倒、認知症、うつ病」のリスクが低い傾向にあるとし、福島さんは「高齢になっても健康でいられるようにすること、住民間のお互いさまの活動と意識が支え合いとして求められている」と話した。

 最後に委員らは2班に分かれ、近隣助けあいゲームに取り組んだ。各カードには、家事や雑務が書かれており、10年後にできなくなりそうなことを選択。1枚ずつ提示しながら、困り事などを助け合えるように相談した。

 玉置委員長は「千穂第一地区ではいろんなことに取り組んでおり、元気な方が多い。今回学んだことを生かして現在の健康維持につなげたい」と語った。

(2023年3月1日付紙面より)

近隣助けあいゲームに取り組む委員ら=2月24日、新宮市の神倉老人憩いの家
瓜田真理子さん
2023年03月01日
74 海底のごみを引き揚げ回収
 串本漁港の一角で奉仕活動  (マルハニチロMarine )

 串本町などでクロマグロ養殖出荷事業を展開する株式会社マルハニチロMarine〈旧・株式会社串本マリンファーム〉が2月28日、串本漁港の一角で海中清掃に取り組んだ。

 この清掃は、社員の速水崇至さんを中心にして広まる自発的な地域貢献意欲の形として、県や和歌山東漁業協同組合の了解を得て始めた奉仕活動。潜水の有資格者が多い社員構成を生かして海底のごみを引き揚げて回収する内容で、昨年に続き2回目の実施となる。

 今回は同社、県、漁協の3者で約30人のチームを結成して実施。同漁協串本本所市場の南側岸壁の海寄りを活動領域とし、潜水班が人海戦術で海底のごみを集め、陸上班が網やクレーンなどを駆使して引き揚げる流れで回収した。

 今回も3時間ほど活動し、県が準備したコンテナ2杯分を回収。廃タイヤやバッテリー類、金属製の構造物やプラスチック製のかご類など、引き揚げに労力を要するごみを主にして対処した。

 速水さんは前回の活動領域で新たに投棄されたごみがあることを確認しているそうで、何とかそういった行為を抑えたいという思いも込めて今回の活動を主導。大門高久所長は「地域と一緒に未来永劫仕事を続けていく上で、社員が自発的に海を美しくしようと行動するのをうれしく思う。今回は県や漁協の皆さまにもご協力を頂いているが、この活動を通してみんなで海をきれいにしていこうという意識をさらに広めていけたら」とコメントし、共に海域美化に当たった。

(2023年3月1日付紙面より)

串本漁港の一角で海中清掃に取り組む社員ら=2月28日、串本町串本
2023年03月01日
75 空き家利活用、新たな取り組み
 「空き家バンク」登録基準を緩和  (御浜町 )

 御浜町は町内空き家の利活用を図る新たな取り組みを始めた。定住希望者への住まいを確保するため、空き家の増加が顕著な阿田和、下市木、志原の海岸3地区で、空き家の活用を促進し、定住者数の増加を図る。空き家改修費用の一部を補助し、中古住宅の利活用も促す。

 これまで町では、移住・定住施策として住宅取得支援や移住相談窓口の設置などを展開してきたが、2020年国勢調査によると町の人口は5年前の8741人から662人減少して8079人となった。

 今後も人口減少の流れが続くと予想される中、「空き家バンク」への登録基準を緩和するなど、活用しやすい制度とした。

 新たな取り組みは▽耐震基準を満たさない空き家も、空き家の状態を記載することで登録可能▽空き家登録1件につきKiiCard商品券5000円分の交付▽契約成立後に空き家を改修する場合の改修費用補助(上限5万円)―の三つ。

 町の担当者は「空き家を貸したい、売りたい方に対する『町空き家バンク制度』を運営しています。所有者は空き家物件を登録することができ、利用者は登録された空き家物件を町のホームページなどで閲覧することができます。町内で空き家売買などを検討している方はぜひ、空き家バンクへの登録を」と話している。

 問い合わせは、町企画課(電話05979・3・0507)まで。

(2023年3月1日付紙面より)

御浜町の空き家バンクに登録されている物件(同町提供)
2023年03月01日
76 2月度月例杯の結果
 那智勝浦ゴルフ倶楽部  
2023年03月01日
77 東牟婁の4チームが総当たり戦
 県下小学生バレー新人大会予選  
2023年03月01日
78 地元勢が健闘見せる
 和歌山トヨタカップABリーグ県大会  
2023年03月01日
79 歌や踊りを元気に披露  三輪崎保育園が園芸会  
2023年03月01日
80 みなさんの将来の夢は?  国際社会貢献センターの講演  (三里小 )
2023年03月01日
81 町の活性化につなげる  花てまりの会が花壇整備  (那智勝浦町 )
2023年03月01日
82 令和5年度予算大綱①  新宮市・田岡実千年市長  
2023年03月01日
83 新年度予算など26議案  3月定例会が開会  (新宮市議会 )
2023年03月01日
84 デートDVは駄目  講演聞き知識深める  (新宮高校 )
2023年03月01日
85 木製のひな人形を工作  木育教室に親子11人  (新宮市 )
2023年03月01日
86 地元の良品、知って  仲之町商店街で新宮マーケット  (新宮YEG )
2023年03月01日
87 大きく育てと願い込め  児童が苗木50本植樹  
2023年03月01日
88 「水災害意識社会」の再構築目指し  熊野川減災協議会  
2023年03月01日
89 協働して取り組みを強化  熊野川流域治水協議会  
2023年03月01日
90 防災について考えよう  福祉健康センターで共育ミニ集会  (那智勝浦町 )
2023年03月01日
91 23年度予算案などを確認  串本町役場で第4回会合  (串本古座高校地域協議会 )
2023年03月01日
92 トルコ義援金寄託申し出  出雲の串本椎茸株式会社  (串本町 )
2023年03月01日
93 中学生男女、全国平均上回る  全国体力テストの結果公表  (紀宝町 )
2023年03月01日
94 木本普通科は0.84倍、紀南は1.02倍  三重県立高校入試後期志願状況  
2023年03月01日
95 「話を聞いて、心に寄り添って」  ゲートキーパー研修会  (紀宝町 )
2023年03月01日
96 聞き合う関係づくり目指し  本年度最後の公開授業研究会  (鵜殿小 )
2023年03月01日
97 当初予算73億7585万円  大畑町長が施政方針演説  (御浜町議会開会 )
2023年03月01日
98 20人が優勝目指して熱戦  5児童館交流オセロゲーム大会  (新宮市 )
2023年03月01日
99 お悔やみ情報