観光に影響、早急な対応求める (那智の瀧源流域環境保全の会 )
那智勝浦町の那智の滝源流域を調査する「那智の瀧源流域環境保全の会」(岡﨑吉男会長)は25日、第9回例会を開いた。緊急の問題として台風21号の豪雨で崩落した那智山を通る県道46号線の対応を協議した。
崩落箇所は那智山奥之院駐車場の手前。25㍍以上にわたって片側車線がえぐり取られたように崩れ、約20㍍下の駐車場にがれきや土砂が積もっている。応急処置として奥之院駐車場内を普通車は通れるようにしているが、大型の観光バスが通行できないため、早期復旧が望まれている。
県は土砂の撤去作業にあたっている。今後はさらなる水の浸入と崩落を防ぐため応急的にモルタルを吹き付け、本格的な復旧を計画中としている。
那智山区の高木喜三区長から対応の報告を受けた岡﨑会長は「コンクリートでふさがず、アスファルト下の水を流す構造でないといけない」と主張。熊野那智大社の男成洋三宮司は「土中の水をせき止めないよう工事をしてもらわないといけない。県にも説明会を開いてもらわねば」と話した。
寺本眞一町長は「崩落箇所は町道ではなく県道。こちらから早急に県へ対応を尋ねる」と述べた。
会員からは仮設道路を敷設するべきという声も上がった。路線バスと観光バスの仮設駐車場や運行予定についても話し合われた。
本題の那智の滝源流域の環境保全も議題にあげ、ドローンの空撮映像から環境の変化を把握し、保全方法を模索した。那智川の流れにも過去の工事の影響で一部に無理が生じていると報告があった。
(2017年10月27日付紙面より)
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太地浦くじら祭実行委
太地町で11月5日(日)に開催される「太地浦くじら祭」に向けて25日、実行委員会が同町公民館で開かれた。岡本光正実行委員長ら15人が集まり、予定している内容や運営の注意点を確認。来場者に気持ちよく祭りを楽しんでもらうための意見を出し合った。
例年、振る舞いの食べ物には人気が殺到してしまうことから、混雑を避け、なるべく多くのブースを回ってもらえるよう「整理券を配ってはどうか」、「開始の時間をずらしては」といった意見が挙がった。トラブルなく運営するため、今後も事務局を主体に検討を重ねる。
同祭は午前10時ごろから、太地漁港ふれあい広場で開かれる。荒天時は旧グリーンピア南紀の多目的ホールが会場となる。
同町の姉妹都市・長野県白馬村や、近年交流を深めている大阪市浪速区によるステージパフォーマンス、「鯨踊り」などの町の伝統芸能披露、町内外の加工業者や有志による販売ブースの出店などがあり、プログラムの最後には景品付きの「もちほり」も予定されている。
例年ステージでパフォーマンスを行っている町青年会(谷口武史会長)は、今年はクイズを企画。町に関する問題などを出す予定で、上位3位まで景品がある。谷口会長は「大人から子どもまで楽しめる内容を工夫しています。皆さんでお越しください」と来場を呼び掛けている。
(2017年10月27日付紙面より)
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笑福亭鶴笑さん招き人権全体鑑賞会 (新宮高校 )
新宮市神倉の県立新宮高校(畑伸憲校長)で25日、人権全体鑑賞会があった。NPO法人「国境なき芸能団」の代表で、国内外で活躍し、社会貢献に取り組む落語家の笑福亭鶴笑(かくしょう)さんが、「笑いは世界の共通語。笑顔は笑顔の連鎖を生む。一緒に笑うと仲良くなれる」と、笑いと平和の大切さを生徒たちに伝えた。
鑑賞会はさまざまな視点から人権問題を考える機会にと毎年開かれている。鶴笑さんは世界各国で毎年人形を使った「パペット落語」公演を続ける国際派落語家。「国境なき芸能団」として国際交流や国際貢献に取り組み、公演実績は世界35カ国、100都市以上に上る。アフガニスタンの病院や難民キャンプへも笑いと救援物資を届けた。
鶴笑さんは「地上に平和を 人に笑顔を~笑いは世界の共通語~」をテーマに軽妙な語り口で、笑いを交えながら自身の経験を紹介した。勉強する習慣を身に付ける必要性や、「笑いは人間だけの特権。笑ったり、笑わせたりすることで世界中の人が仲良く慣れると思う」と笑いの大切さを話した。
紛争地域などでの体験も交え、「笑いは平和な空間でしか生まれない」と語り、難民キャンプでの出来事を挙げた。戦争の悲惨さなどを訴え「情報を得て、何が正しいかを見極めなければならない。戦争は戦争を、戦いは戦いを生むだけ。何の解決にもならない」と訴えた。イラクでの活動の映像を上映し、寄席を披露。会場に笑顔があふれた。
(2017年10月27日付紙面より)
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集めたキャップ窓口に託す (高池小児童会 )
古座川町立高池小学校(大畑眞校長)の児童会(後口幸宏会長)が25日、ポリオワクチンを必要とする世界の子どもたちに向けた支援として集めたペットボトルキャップ3万6960個を最寄りの窓口・毎日新聞古座販売所に託した。
この取り組みは今から9年前、当時5年生の担任だった大畑校長が道徳の授業で「燃やせばダイオキシンが出て環境を悪くする。リサイクルすれば人の命を救うこともできる」とし、リサイクル素材として集めた同キャップの売却益を開発途上国の子どもたちに対するポリオワクチン接種費用に充てる運動があることを紹介したのがきっかけ。
命を救う方がいいと考えた5年生はさっそく全校集会で他の学年や教職員に協力を呼び掛け、全校規模で収集を始めた。以降、歴代の児童会が活動を引き継ぎ今日まで続いているという。
今回託したのは、昨年4月以降に集めた分。児童が家庭から持ち寄ったほか、取り組みを知った保護者が勤務先で集めたり地域の個人団体が町教委経由で託したりした分も含まれるなど地域ぐるみの成果だという。
この日は本年度前後期の児童会役員9人が寄付の段取りを整え、支援活動の筋道を仲介する毎日新聞古座販売所が放課後に来校して同キャップを預かった。大畑校長によると児童会は今後も収集を続けるそうで「小学生でも取り組めば遠くにいる子どもの命を救える。そのように世界へと視野を広げていける子どもをこれからも育てていきたい。児童が入れ替わるたびに目的が薄れやすい面があるので、今回の寄付が今通う児童の意識の高まりに結び付けば」と今後を期待した。
支援の先になるユニセフのポリオワクチン単価は1人分20円で、同キャップ約2㌔が1人分に相当するとされている。
(2017年10月27日付紙面より)
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災害ボランティアセンターを設置 (新宮市社会福祉協議会 )
新宮市社会福祉協議会(向井一雄会長)は24日、新宮市福祉センター内に「災害ボランティアセンター」を開設した。台風21号で被害を受けた一般家庭の片付けや泥出しなど市内で手伝いが必要な人の要望を受け付けている。時間は午前9時~午後5時。専用電話は090・7356・6446、080・8332・4935で、内容によっては受け付けられない場合もある。
ボランティアも募集している。市内在住の人で1日2日の短期でも可能。午前9時から市福祉センターで受け付けており、直接センターに来るよう呼び掛けている。
市内では市田川沿いの王子地区や下田地区などで家屋の浸水被害が多く見られた。24日午後7時時点、市内全域で約1000世帯の被害が確認されている。センターは一人暮らしの高齢者や障害のある人たちからのニーズを受け、設置を決定。初日は25人の市民ボランティアが駆け付けた。23件の要請があり、畳の上げ下ろしや掃除などの作業にあたった。
ボランティアに登録した緑ヶ丘在住の60代の女性は「うちは床下浸水でした。午前中は友人の所を手伝ってきました。今日は予定があるので午後は活動できませんが、登録だけでもと思いました」。清水元在住の70代女性は「王子地区があれほどつかるのは初めてのこと。氾濫と聞いて避難しましたが、家は大丈夫だったのですぐに駆け付けました」。
阿須賀地区の60代女性は「雨もですが風が怖かったです。前(紀伊半島大水害)の時は来ていただいた側なので、今回はお返しをしたいと思いました」。作業した橋本の70代男性は「ボランティアセンター立ち上げの際にいた人間なので参加しました。熊野地のあたりで畳を出したりするのに並んでいる状態。王子も相当つかっているようでした」と話していた。
紀宝町社会福祉協議会は同日、町福祉センターに災害ボランティアセンターを開設した。29日(日)まで、台風21号で被害を受け、ボランティアが必要な人の要望を受け付けている。
問い合わせは紀宝町社会福祉協議会(電話0735・32・0957)まで。時間は午前8時30分~午後5時15分。
(2017年10月26日付紙面より)
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台風21号の被害状況 (新宮市 )
新宮市役所防災対策課は24日、同日までに把握した台風21号による市内の被害状況を発表した。住宅の被害調査では同日午後7時時点で、一部破損46棟、床上浸水462棟、床下浸水428棟の計936棟と店舗など192棟が被害に遭った。
市では25日も市内全域を対象に約80人体制で被害状況の調査を実施している。
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市の国指定天然記念物「浮島の森」はすのこの破損や遊歩道脇の倒木などの被害があり、休園中となっている。再開の見込みは未定。
熊野古道「大雲取越」は那智勝浦町の石倉峠~地蔵茶屋跡間が倒木により通り抜けが不可となっている。熊野川町玉置口の瀞の郷は浸水によりトイレが使用不可となった。
新宮城跡では北と西の城跡斜面が崩落。西斜面は土砂が隣接する駐車場に流入したが、撤去済み。崩落が拡大する恐れがあるため、水ノ手郭への立ち入りを禁止している。
高田第1自然プールではトイレが天井まで浸水した。男・女トイレに泥が堆積し、扉が破損。屋根部分が中央で折れた。出入り口をテープで封鎖し、中に入らないよう措置を取っている。
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同市三輪崎では、23日午前1時、佐野川改修工事に伴い仮設橋に取り付けられていた仮給水管が佐野川の増水により落橋。給水管が破損し、付近の15戸が断水した。午前6時ごろから応急給水用ポリタンクを各戸に配布した。7時ごろから仮復旧作業に着手、11時30分ごろに作業が完了し断水が解除された。
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市消防本部では、台風21号関連で消防職員51人、消防団員111人が出動した。救助要請事案が38件、安否確認事案が3件あった。職員は市内の巡視、冠水地域からの救助要請対応にあたった。分団員は河川巡視活動と、樋門操作など、熊野川団員は河川などの巡視活動を実施した。
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南谷墓地では崩土により、墓石が倒壊。離れた位置の墓石にも土が飛散するなどの被害が出ている。場所は作家、中上健次の墓の周辺。
(2017年10月26日付紙面より)
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太地中3年生が町議会を模擬体験
太地町役場議場で24日、町立太地中学校(城谷真司校長)の3年生による模擬議会が開かれた。
地方自治について学ぶ社会科の学習の一環として、平成23年から毎年行われている。実際の一般質問さながらの質疑と答弁が繰り広げられた。
訪れた18人の中から、2人の生徒が議長・副議長を務め、交替で議会を進行。9人の生徒が議員役となって登壇し、事前に学年全員で話し合った内容を1人二つずつ質問した。傍聴席では、他の生徒や町会議員らが答弁に聞き入った。
初めに三軒一高町長から「30年かけて町をクジラの学術研究都市とする」という施政方針が語られ、清潔で自然豊かな町にしようと取り組んできた経過や、議会の意義などについても説明がなされた。
議員役の生徒からは、避難路の整備やカーブミラーの設置など、防災や安全面に対する要望や、「トイレにクジラの飾りをつけてはどうか」といった提案、「道の駅の駐車場はなぜあの不便な形になったのか」、「『森浦湾くじらの海計画』について知りたい」といった質問などが挙がり、答弁を受けて追加で質問を投げ掛ける場面もあった。
進行を務めた感想を、議長役の矢田真那斗君は「席に座ると、偉くなったようで緊張した」、副議長役の田中結華さんは「なかなか見られない景色で、思い出に残る経験」とそれぞれ語った。
休憩中にも町長が生徒らの疑問に答える姿などが見られ、議員役の山本源也くんは「考えた質問に真剣に答えてくれて、町長や職員の方の町に対する思いが伝わってきた」と話した。
三軒町長は「将来を背負っていく子どもたちに、町の方向性を知ってほしい。実際の議会よりも気を遣うほどです。いい質問ばかりで、理解しやすいよう考えながら答えました」と話し、中学生が町政や議会に触れたことを喜んだ。散会後、生徒らは町長室など役場内部を見学し、帰途についた。
(2017年10月26日付紙面より)
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文化セで県警音楽隊公演 (串本警察署 )
串本町文化センターで24日、県警音楽隊公演「おまわりさんのハートフル・コンサートinくしもと」があり、約400人(主催者発表)が演奏鑑賞を楽しみながら交通安全や防災・防犯への意識を高めた。
串本警察署(津田健治署長)主催、串本町共催。「みんなでつくろう安全・安心のまち みんなで守ろう交通ルール」をアピールする巡回公演で、同町域での実施は昨年10月に続きほぼ1年ぶりとなる。今回は夕方のみの一回公演、当日受け付けで来場を呼び掛けた。
同隊は昭和39年に結成。同59年にカラーガード隊を導入してアピール力を増し、現在は森敏三楽長を筆頭に25人ユニットでイベント時の啓発演奏や公演などの活動を重ねている。
この日のプログラムは同署交通課による寸劇を取り入れた3部構成。同隊は第1部でメドレー2曲と往年のテーマソング、第3部で著名なシリーズ映画やドラマの楽曲や洋楽、カラーガード隊のパネル演技を交えた歌謡曲を吹奏楽基調の音色で披露し、最終は和歌山県輩出の演歌歌手・坂本冬美さんの楽曲メドレーで締めくくった。
第2部では同署の東谷潤交通課長が登壇し、この日配った靴用反射材など薄暮時の安全対策に努めるよう呼び掛けた。続く寸劇は高齢ドライバーが反応速度の低下で事故に遭い、神様と○×クイズ数題の駆け引きをして助かる内容。観客2人も駆け引きに参加し、▽シートベルト無しの致死率は有りの13倍▽シニアカーは歩道通行可▽反射材は100㍍手前から見える―といった出題に挑戦した。
公演時間は約90分。県警音楽隊はアンコールに応えてさらに歌謡曲1曲を披露し、歌「ふるさと」の合唱を観客に求めて共に音楽を楽しんだ。同署は公演日時に合わせて同センターロビーで防災パネル展を開いて平成23年の紀伊半島大水害や東日本大震災、平成28年の熊本地震の各被災地における県警の災害支援活動を紹介したほか、プログラムと一緒に特殊詐欺被害の防止や免許証自主返納の推奨、異常気象への備えなどの各種啓発物資を配って防災防犯意識を促した。
(2017年10月26日付紙面より)
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川端さん、弓場さんが優勝
新宮剣友会が奉納試合
日高中津の杉浦君(宇久井中出身)
平安時代の熊野詣でを再現する「あげいん熊野詣」(同実行委員会主催)が22日、那智勝浦町立市野々小学校の体育館で催された。台風21号の影響で予定を大幅に変更し、約100人が館内で行列をつくって歩いた。
「あげいん熊野詣」は1985年から始まったイベント。34回と最も多く熊野を訪れたという平安時代末期の後白河法皇の「熊野御幸」をモデルにしている。華やかな衣装を着た女性を中心に、平重盛、平維盛など熊野詣でゆかりの武士に扮(ふん)した男性も加わって大門坂を歩くのが本来のイベント。
今年は台風の影響で熊野那智大社と那智山青岸渡寺の参拝を中止するなど大きく短縮した。参加者は記念撮影した後、行列の雰囲気を体験してもらおうと体育館内を2周歩いた。神武天皇陵がある奈良県橿原市の職員4人もゲスト参加。後白河法皇役は県商工労働部の山西毅治部長が務めた。
長雄正紘実行委員長は「台風さえなければ。いろんなことが重なったが、キャンセルは少なかった。また来年来てくれるきっかけになれば」と次回への期待を込めた。
(2017年10月25日付紙面より)
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きのくに線のアート巡る (紀の国トレイナート )
JRきのくに線の駅舎を舞台に展開するアートプロジェクト「紀の国トレイナート」(同実行委員会主催)が開かれている。29日(日)は「アート鑑賞列車DAY」で、ラッピングデザイン列車が御坊駅を出発。新宮駅までを巡り、戻りは紀伊田辺駅まで運行する予定となっている。
トレイナートは「トレイン(列車)」と「アート(芸術)」を組み合わせた造語で、きのくに線の駅舎にさまざまなジャンルのアーティストが作品を展開して楽しむイベント。地域の人々とアーティストが共に生み出した作品を鉄道がつなぎ、交流を深め、全世界から人々を引きつけて多種多様なネットワークがつながる場となることを目指している。
15日は「JAZZ列車DAY」のテーマで紀の国トレイナート号が紀伊田辺駅を出発。御坊駅~新宮駅、新宮駅~紀伊田辺駅を運行した。JR新宮駅では昨年、ジャズトランペッターの唐口一之さんとコラボレーションした新宮高校吹奏楽部メンバーが乗客らを演奏で出迎えた。
大阪府のデザイナー、河合進さんによる作品「水平線から手を振って」を使ったしゃぼん玉ワークショップもあった。子どもたちが魚型の作品を手に取り、尾ひれの部分に液を付けて手を振るとしゃぼん玉が作られた。
和深駅~新宮駅間ではさまざまなアーティストによる作品が展開されている。紀の国トレイナート開催期間は29日(日)まで。
(2017年10月25日付紙面より)
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11月1日から町営バス (那智勝浦町 )
交通不便地域を解消しようと那智勝浦町は、町営バス下里線の運行を11月1日(水)から開始する。新路線の停留所となる同町役場下里出張所で20日、運行開始記念式典があった。太田地区の大江清一代表区長をはじめ路線内の各地区区長、運行委託事業者の株式会社クリスタルタクシー代表取締役・田中英司さんらが出席した。
バスは浦神東から下里天満で折り返し、下里出張所で太田線と接合する。小匠方面、勝浦方面へは乗り換えが必要。浦神東~瀬田、粉白~下里西は「フリー乗降区間」となっており、国道や駐停車禁止区域などでなければ停留所以外でも合図を送ることで乗り降りができる。
式典では寺本眞一町長のあいさつに続き、浦神西の並川廣区長が「地区の高齢者が喜んでいる。利用の多い高齢者目線での運行を」と求め、大江区長は中里地区の利用例などを示し「乗客が少ない日もあるかと思うが、無くてはならないもの」と述べた。
(2017年10月25日付紙面より)
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橋杭岩が日本夜景遺産に (串本町 )
串本町は20日に栃木県足利市で開かれたイベント「夜景サミット2017in足利」に出席し、橋杭岩ライトアップの日本夜景遺産認定証を受けた。これにより正式認定となり、同町は「町を代表する観光資源にさらなる箔(はく)が付いた」と喜び、称号活用に意気込んでいる。
この遺産は、一般社団法人夜景観光コンベンション・ビューローが年次的に自治体などから推薦を受け付けて選考認定している。本年度で13回目を数え、「橋杭岩ライトアップ」は同町の推薦により7月31日付で本年度の新規認定地候補として発表された。
同町は認定証の受領が正式認定の条件とし、役場産業課の担当職員1人を同イベントに派遣。イベント会場でじかに授与を受けて称号を持ち帰った。区分は「ライトアップ夜景遺産」で、認定期日は上記発表日。同ビューローによる当面のアピール効果が期待できるが、中長期的には地元が称号活用を図るべきとし、同課はこの機に観光関係者との協議を深めてアイデアを練り上げたという。認定書は原本を役場本庁で保管し、写しを同駅に掲げて啓もうに資するとしている。
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本年度の橋杭岩ライトアップは11月3日(金・祝)から5日(日)まで3日間実施。点灯時間は午後5時15分~8時となっている。小雨決行、荒天中止。
「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界文化遺産登録(平成16年)を祝って初実施され、平成17年以降は同町が単独事業として継承。当初は単色だった光源が近年は多色化されるなど演出は年々充実していて、虹色に映ろう幻想的な光景で鑑賞を集めている。
同遺産認定は本年度の同ライトアップの冠になっているが、具体的な祝賀企画は今月23日現在未定。問い合わせは役場産業課(電話0735・62・0557)まで。
(2017年10月25日付紙面より)
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那智勝浦町総体ソフトバレー
田岡実千年さん3選果たす (新宮市長選 )
任期満了に伴う新宮市長選の投開票が22日にあり、無所属で現職の田岡実千年さん(56)=自民・公明推薦=が前市議会議員との一騎打ちを制し、新宮市では約46年ぶりの3選を果たした。田岡さんは、勝利を祝うため選挙事務所に集まった大勢の支持者たちを前に「市民の声を裏切ることなく、渾身の力で新宮市政を頑張っていきます」と固く誓った。
超大型の台風21号の影響で、熊野川町内の国道168号で冠水や土砂崩れが発生。同町からの投票箱が開票作業場の市立総合体育館に届かず、午後8時20分から予定していた開票作業は約3時間遅れの午後11時30分から始まった。
投票日当日は台風の影響を受けることが予想されたことから田岡さんの陣営は、JR新宮駅前に設置していた選挙事務所をアーケード内にある仲之町サンタウンホールに移し、勝利の一報を待った。当確の情報が翌23日午前1時30分に事務所に入ると集まっていた支持者たちから「よかった」との喜ぶ声と拍手がわき起こった。
市役所に設置された災害対策本部から選挙事務所に車で駆け付けた田岡さんは、集まった支持者たちと抱き合い、がっちりと握手。勝利の万歳は市内で被害があったため自粛し、しらばく仲間たちと当選の喜びを分かち合った後、すぐに災害対策本部へ戻った。
田岡さんは集まった大勢の支持者を前に「深夜にもかかわらず、このように多くの支援者の方々にお集まりいただき、ありがとうございます。今回の7日間の選挙戦は雨ばかりで運動員の皆さんに苦労をおかけしました。そんな中、皆さん一人一人が自分のこと以上に『田岡を頼む』『田岡をよろしく』と真剣に訴えていただいたおかげで、この勝利があると思います。本当にありがとうございます」
「皆さんからいただいた『田岡頑張れ』という本当の真心をどうやって返していくかと考えましたが、新宮市をしっかりと魅力的なまち、誰もが『新宮市に住んで良かった』と新宮市を自慢できるようなまちづくりをしていくことが皆さんに対する恩返しだと思います。4年間一生懸命頑張りたいと思います。『市民の誰もが元気で心豊かに暮らせるまち』が私のまちづくりの青写真ですが、これを本物にしていくため、しっかりと渾身の力で仕事をしてまいります。引き続き、皆さまには田岡にご支援をいただくこと、あらためてお願いしたいと思います。田岡実千年、一生懸命頑張りますので、よろしくお願いします」と深く頭を下げた。
後援会の前田徳男会長(73)は「皆さんの支えがあってはじめて田岡が、3期目というものに風穴をあけました。この期待に応えるよう田岡もしっかり頑張るつもりでございますので、今後ともよろしくお願いします」
後援会の泉巌幹事長(58)は「この勝利は市長を応援してくれた人たちの新宮人としての誇りとプライドの結果だと思います。投票日までの残り2日間は一段と雨が厳しい中、一段と多くの人に集まっていただき、約50年ぶりの3選を果たすことができました。本当にありがとうございました。自分たちの後援会の『当選させれば市役所に預けるだけ』という基本に基づいて、後は田岡市長に、市職員の皆さんと一緒に、みんなが喜ぶ新宮市をつくってもらいたい」
娘の里野さん(27)と美季さん(24)は「お父さん、おめでとう」と花束を贈呈。妻・さゆりさん(55)は「3選の壁は怖かったです。ハラハラドキドキでした。本当に心から応援してくれた方々のおかげです」と涙を流した。
今月16日から21日までの6日間実施された期日前投票の投票者数は1万490人(男4393人、女6097人)だった。前回の市長選(2013年10月)より3727人多かった。
投票日当日は台風が接近するとの情報があり、期日前投票は大幅に増えたものの投票日の投票者は6404人と伸びず、投票率は過去最低の68・62%だった。
(2017年10月24日付紙面より)
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台風21号、熊野川で土砂崩れ (開票作業3時間遅れる )
台風21号は22日午後11時ごろ、紀伊半島に最接近し、熊野地方では暴風が吹き荒れ、激しい雨が降った。21日の降り始めからの雨量が新宮市で900㍉を超えるなど記録的な大雨となった。
選挙にも影響が出た。新宮市では熊野川地域の道路冠水のため、市長選、衆院選などの投票箱が届かず、開票が約3時間10分と大幅に遅れた。熊野川地域で山間部からの増水により道路が冠水。8カ所の投票所の投票箱が開票予定の午後8時20分までに市内の市立総合体育館まで届かなかった。午後9時ごろ同市熊野川町田長地区の国道168号で土砂崩れが発生したため、三重県内の国道311号を経由して、投票箱を運んだ。同11時30分に開票作業が始まり、終了は23日午前2時50分になった。
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■新宮市
新宮市の高田地区では23日午前6時時点の累積雨量が960㍉、三輪崎地区で919㍉を観測した。22日午後7時49分に市田川の氾濫が憂慮されたため、旧市内に避難指示が出された。市防災対策課で現在被害状況を調査中。市田川沿線の王子、熊野地地区で多数の浸水が確認され、他の地区など市内の広い範囲で被害が出ている。三佐木蜂伏地区では断水があった。23日午前11時現在、人的被害は体調不良による救急搬送が1件。
熊野川町日足、熊城、志古、宮井、相須地区では22日午後11時2分に熊野川の水位が上昇し、氾濫の恐れが出たため、避難指示が出された。熊野川町田長、行政局周辺で崩土、相賀で路面決壊が確認されている。
市が設けた29カ所の避難所には午後11時時点で440人が避難し、不安な夜を過ごした。
市総務課の防災担当職員は「被害数が多く、時間がかかると思う。今回は降り始めから短時間でかなりの雨量が続いた。あけぼのの市田川の排水ポンプをフル稼働し、氾濫には至らなかったが、ギリギリまで水が上がってきた。50年に1度の大雨と言われたように、これまでに無かったような雨。今後も訓練を充実しながら対応できるよう研さんを積みたい」と話していた。
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■那智勝浦町
那智勝浦町では22日午後6時に那智山、市野々、井関、川関、天満中村の那智川流域5地区と天満地区薬師谷、太田地区全域に避難勧告を発令。対象は2027世帯4037人に上った。
午後8時35分には下里、八尺鏡野、高芝の673世帯、1424人、太田地区の564世帯、1059人に避難指示が出された。
午後8時ごろに朝日の町道が陥没した。原因は不明で現在復旧作業に取りかかっている。23日午前1時ごろに川関で土砂崩れが確認された。いざかた通り一帯やゆかし潟前、甫子(ほこ)浦など町内の多くで冠水の被害が出た。
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■太地町
太地町では落石により片側通行の箇所がある。水ノ浦地区、新屋敷地区で冠水。町内で床上浸水1軒、床下浸水1軒の被害が出ている。町役場では調査を続けている。
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■串本町、古座川町
古座川町では高瀬地区で住宅浸水が4軒、月の瀬地区で1軒となっており、その他の地域は現在調査中。串本町では有田上で床上浸水が確認された。22日午後11時10分に潮岬で最大瞬間風速33・7㍍を記録した。
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■通行規制
国道168号線、新宮市磐盾~同市熊野川町宮井大橋間は22日午後8時30分から冠水、崩土のため全面通行止めとなっている。迂回(うかい)路はない。
北山村大沼地内の国道169号では23日午前1時10分から路側決壊により通行止め。迂回路はなし。
那智勝浦町川関地内の県道那智山勝浦線では23日午前1時30分から、崩土、落石により通行止めとなっていた。同日午前7時40分から片側通行を開始している。
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■きのくに線で運転取りやめ
JRきのくに線では23日、始発列車から夕方まで運転を取りやめている。新宮駅~串本駅間は線路設備不具合のため、終日運転を見合わせる。被害状況により運転取りやめが継続する場合がある。
(2017年10月24日付紙面より)
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出雲地区と合同で防災訓練 (出雲小 )
串本町立出雲小学校(山路和彦校長、児童20人)と出雲地区(濵口智道代表区長)の合同防災訓練「防災ウオークラリー」が20日、出雲集会所を拠点にしてあり、全校児童と区民約20人が、地区内の低地から高台につながる道を確かめた。
津波避難を前提とした訓練に同校はかねて取り組み、大地震後に高台へ避難する意識を高めてきたが、その内容は区民にとっても同じく大切。共育コミュニティー活動の活発化に伴い、半田瑠美子共育コーディネーターを仲介として学校と地区が結びつき、前年度から合同実施するようになった。
前回は起震車による大きな揺れの体験、津波緊急避難路の確認、避難所設営の3項目を体験し、発災から避難所生活までのイメージを考えた。今回は津波から逃げ切る点に重点を置いて「防災ウオークラリー」を計画。児童と区民がチームを組んで、低地と高台を結ぶルートを舞台に競い合う内容で区民に参加を呼び掛けたという。
当日は区民約20人が参加。濵口代表区長に続いてあいさつした山路校長は児童が▽避難場所を知る▽非常食を知る▽区民とのふれあいを広げる―といった目当てを持って臨むことを伝えて協力を求め、森博司地域共育統括コーディネーターのルール説明を経て同ラリーを開始した。
区民のラリー参加は任意。希望者は5チームのいずれかに加わり、「コマ図」を頼りにして設定されたコース(集会所~県営前~旧小学校前~墓所前~渡船前~集会所)を予測して歩いた。途中には五つのチェックポイントがあり、海抜43㍍の旧小学校前のポイントでは「現在の場所に移ったのは何年前?」という課題に挑戦。他にコース沿いの植物5種類の葉の採集など、児童と区民が話題にできる出題をこなしながらゴールを目指した。
5チームが到着後は表彰もあり、上位チームには景品、全員に参加賞が贈られた。ラリー非参加の区民は地区と防災懇談会を実施。表彰後は役場総務課防災防犯グループ提供の災害時用備蓄食(アルファ米)や懇談会参加者らが炊き出したみそ汁を試食。同グループは併せてパーティーションや簡易トイレ、簡易ベッドの設営や映像教材上映といった諸体験も行った。
6年生の浦地葵さんは「今日のコースは今まで歩いたことがなく、先にはいろいろな場所があって自然もいっぱいあるのが分かった。いざという時に逃げ切る自信が増した」とコメント。
濵口区長は「いつもの低地は見て分かるように目の前が海。大きな地震があったらとにかく高い所へ逃げるしかない。そのことだけをとにかく考えてほしい」と期待した。同地区は29日(日)実施の町内一斉津波避難訓練に参加予定。今回の成果発揮を参加した区民に呼び掛けていた。
(2017年10月24日付紙面より)
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LC杯東牟婁地方少女バレーボール大会
第12回新宮市展の写真の部と洋画・デザインの部の審査会が15日、市立蓬莱体育館であり、入賞者が決まった。市展は11月4日(土)と5日(日)に市立総合体育館で開かれる。時間は午前9時から午後5時まで。最終日は午後4時まで。表彰式は5日午後3時から、総合体育館で行われる。
今回の市展には362人から455点の出品があった。内訳は▽洋画55人(55点)▽デザイン7人(7点)▽書114人(114点)▽写真27人(45点)▽生け花59人(59点)▽日本画4人(5点)▽俳画ちぎり絵その他32人(53点)▽木彫1人(2点)▽陶芸47人(86点)▽粘土1人(2点)▽アートフラワー1人(1点)▽手芸・編み物2人(4点)▽刺しゅう1人(2点)▽パッチワーク10人(19点)▽レース編み1人(1点)。
(2017年10月21日付紙面より)
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初の芸術鑑賞行事 (近大新宮高校 )
新宮市の近畿大学附属新宮高校・中学校(川合廣征校長、生徒580人)保護者会(瀧川久哉会長)は19日、同校体育館で初の芸術鑑賞行事を開催した。生徒、教職員と保護者らが和歌山県内で活動する落語家、桂枝曾丸さんらの演じる古典落語に親しんだ。生徒が体験する一幕もあり、会場は笑い声に包まれた。
日本の古典落語を鑑賞し、日本文化の魅力を再発見する目的。日本古来の文化や考え方に触れ、歴史に対する興味関心を深める狙いもある。行事は今後3年に1回の頻度で実施していく予定となっている。
桂さんは落語の成り立ちなどを解説。生徒10人が手拭いや扇子の使い方、太鼓、人の表現などを舞台の上で実際に体験し、観客らの笑いを誘った。露の眞さん、桂あさ吉さんらが古典落語や英語落語、太神楽曲芸師のラッキー舞さんが神楽を披露。トリは桂枝曾丸さんが『七度狐』を演じ、会場は笑いと拍手でいっぱいになった。
瀧川会長は「当地方では文化的な行事が少なく、地元でやってほしいと思いました。枝曾丸さんが中学生、高校生に落語を伝えるために来てくれて感謝しています」と話していた。
(2017年10月21日付紙面より)
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潮岬中3年生が調理体験 (串本町 )
串本町立潮岬中学校(藤本弘子校長)の3年生が19日、家庭科の一環で炊き出しに挑戦した。潮岬地区自主防災会(木山誠彌会長)の協力を得て、米6升半分の塩おにぎりと7・2㍑のサツマイモのみそ汁を調理。学んだことの延長で自分たちにも炊き出しができることに気付くなど、家庭や学校ではまずできない貴重な実践経験を積んだ。
この挑戦は前年度、義務教育の中で炊き出しを経験させたいと考えた同校が同会に協力を求めて計画した。藤本校長によると、将来の発生が予測される大地震が日中に起こった場合、校区内にいるのは高齢者と中学生以下が大半。その状況で避難所生活を始めると中学生の役割は大きいと考えるさなかに同会の炊き出し訓練を見て、「これを生徒に(できることとして)経験させたい」と思い同会に相談したという。
時期的な感染症を警戒して年度中には行えなかったが、その分準備をしっかりと整えて実現にこぎつけた。今回は生徒教職員全員とこの日来校した同会会員分の塩おにぎり、3年生や教職員と同会員分のサツマイモのみそ汁を炊き出しする内容で、同会は炊き出し用として備蓄している3升炊きのガス炊飯器と容量60㍑の大鍋を貸し出し。各材料の分量計算は教員があらかじめ行い、生徒は調理を担当といった役割分担をし、同会女性会員から段取りを教わりながら目標の量を仕上げた。
生徒の石川朝香さんは「すごい量だったけど、先生が分量を計算してくれたので難しいとは感じなかった。自分たちにも炊き出しができると分かり、今後協力する自信もついた」とコメント。
材料のサツマイモを自分の畑から提供して見守った木山会長(78)は「生徒にはこれから先どの地域に行くにしても、地域のリーダーとなり何か人のお役に立つことができる人であってほしい」と期待し、今後も学校と協力して歴代生徒の炊き出しを支援するとした。併せてこの経験はどの中学生にも意義があるとし、この機に潮岬中をモデルにして他校に実施の裾野が広がればとも期待した。
挑戦の様子は役場総務課防災防犯グループも見学し、枠谷徳彦グループ長は津波緊急避難後の事を考えたよい取り組みだとたたえるなどした。
(2017年10月21日付紙面より)
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新宮の名物や名所を世界に発信してもらおうと新宮市観光推進キャンペーン協議会は16、17の両日、市内で「インバウンドファムツアー~新宮の寿司を楽しむ~」を開催した。外国人ライターたちが、さんま寿司(ずし)などを試食し、市内の名所を巡った。
参加したのは台湾、オランダ、アジア系オーストラリア人ライター4人と訪日外国人向けツアーをネット販売する「Voyagin(ボヤジン)」の担当者。徐福寿司、柿乃肴、東宝茶屋、鹿六などを訪れ、昆布巻き、なれ寿司などを味わった。
市観光ガイドの会、西田晴胤会長の案内で神倉神社、阿須賀神社、新宮城跡などを訪れた他、16日には熊野速玉大社例大祭「御船祭り」「御旅所神事」を見学した。取材記事は英語と中国語でネット、SNSで発信する。
マグロの寿司にサンズと塩を振って食べたアレクサンダー・スタンコフさんは「ものすごくおいしい。この食べ方は初めて。さんま寿司や熊野牛も初めて食べました」と絶賛。「新宮はコンパクトでいい。世界に発信すればたくさん外国人が訪れると思います」と話していた。
(2017年10月21日付紙面より)
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愛好者への技術指導とダブルス大会
中体連新人バレーボール大会
東牟婁地方中学校新人バスケット大会
新宮市出身の谷口暁理君(大阪・浪速高校)
国の重要無形民俗文化財(重文)の指定を受ける熊野速玉大社(上野顯宮司)の例大祭「新宮の速玉祭」が15日、午前に行われた「本殿大前ノ儀」で幕を開けた。
大勢の氏子らが参列。雨が降るあいにくの天候の中、日曜日ということもあり大勢の観光客に見守られながら、上野宮司が祝詞を奏上し、4人のみこが世界遺産登録記念御神楽の「神なぎの舞」を奉奏した。弓矢八幡(白浜町)の鎮魂放生会による神楽の奉納も行われた。
午後からは、速玉宮の祭礼で主神の速玉大神(はやたまのおおかみ)の神霊が神馬で渡る特殊神事の神馬(しんめ)渡御式が営まれた。
御霊を上野宮司が懐に抱き、弓、剣などの神宝を手にした神職や神子、稚児らとともに阿須賀神社へと向かった。阿須賀神社での神事後、御霊を神馬に奉安して速玉大社へと還御。本殿に奉安して神事が行われた後、再び神霊を神馬へと遷(うつ)し、御旅所へと渡御した。
熊野川河原の乙基(おとも)の御旅所では、「杉ノ仮宮」に神霊が遷されると、神子が「鈴剣の舞」を舞って神霊を鎮めた後、掛魚(かけうお)や「オミタマ」という特別な神饌(しんせん)などが供えられ、赤々と燃え盛るたいまつの明かりを受けて、上野宮司が祝詞を奏上。神恩感謝、皇室、国家の安泰と世界平和への祈りがささげられた。
今年の神子は、紀宝町立井田小学校6年の大江歩心(あこ)さん(12)と森倉みのりさん(11)が務めた。
(2017年10月17日付紙面より)
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会場や内容変更し開催 (新宮秋まつり )
新宮市の駅前広場と中央通りで15日、「新宮秋まつり」が開催された。参加団体は雨の中、熱気あふれる創作踊りを披露した。同日開催予定だったお祭り新宮節、熊野速玉大社での子どもみこしや手踊り、新町一丁目会場での創作踊りは雨天のため中止。プログラムも一部変更しての実施となった。
新宮秋まつりは、市、新宮商工会議所、市観光協会でつくる実行委員会が主催。熊野速玉大社例大祭を盛り上げる目的で始まった商工祭を前身として、20年以上続く催し。
昼の部は新宮駅前広場、夜には中央通りで華やかな踊りが披露され、通りには雨の中多くの見物人が訪れた。各団体の踊り子が入り混じった総踊りもありにぎわった。
(2017年10月17日付紙面より)
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ジュニア駅伝串本町チーム
和歌山県市町村対抗ジュニア駅伝競走大会に向けて14日、串本町チームの合同練習が同町サンゴ台にある総合運動公園で始まった。同日現在、小学5年生~中学3年生26人が選手候補として参加。久保浩子監督ら指導の下、週1回の同練習や週5回の自主練習、町内近隣の長距離走大会出場や大会コース試走などの経験を積んで出場を目指すという。
この大会は、青少年のスポーツ振興と健全育成、青少年の目標達成のための地域活性化を図る目的で年1回(2月の第3日曜日)、紀三井寺公園~県庁間10区21・1㌔コースを設定し、市町村ごとに小学5年生~中学3年生で結成したチームを参加対象にして実施。1市町村あたり1チーム(通称・選抜チーム)を順位認定対象とし、2チーム目以降はオープン扱いで記録計測のみ行う仕組みになっている。
串本町チームは近年、選抜とオープンの2チームを結成して出場。前年度の選抜チームは歴代最高となる記録1時間12分45秒で8位に入賞し、オープンチームも歴代記録をさらに縮める成績を収めて町域に大きな喜びをもたらした。同時に県内町勢の筆頭になり、選手層が厚く上位入賞の常連になっている市勢をいかに上回るかが今後の挑戦における大きな関心事になっている。
本年度の合同練習は、これまでより1カ月早いタイミングで開始。久保監督がかねて希望してきた前倒しで、より高いチームワークの醸成が狙いだという。
旧来は11月下旬に合同練習を始めていたが、間もなく度胸づけのために取り入れている町内近隣の長距離走大会出場のシーズンを迎えてしまう。今回はその前にしっかりと醸成を図るとし、継続参加を目指す選手候補が年間を通して自主的に練習に励んでいることから前倒しは可能、とチームを支える同大会串本町実行委員会も判断したことで実現した。
合同練習の開始にあたり、副団長候補の潮﨑伸彦教育長がチームを激励。久保監督は「前回よりさらに1秒短縮」を全体目標として位置づけ、そのためにどう頑張るかを選手候補個々に発表させて指導を始めた。この日は▽ウオーミングアップ(1200㍍ランニング)▽フォームトレーニング▽1000㍍記録計測▽クールダウン―に取り組み、久保監督の采配で山本人和君(串本中3年)を男子キャプテン、濱中凜さん(潮岬中3年)を女子キャプテンに指名するなどした。
本年度は将来の選手を目指す小学4年生以下の参加も受け入れ。同実行委員会事務局によると選手候補は今後も数の増減が見込まれるなど流動的なため、来年1月末ごろの結団時に選手を確定するとしている。
(2017年10月17日付紙面より)
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東牟婁地方中学校新人大会野球大会
新宮市民スポ祭グラウンドゴルフ大会
新宮市民スポーツ祭典弓道競技の部
ティム・デットマーさん講演 (新宮市 )
新宮ユネスコ協会(中谷剛会長)主催の講演会が8日、新宮市井の沢の新宮商工会議所であり、市内で英会話教室を営むティム・デットマーさん(57)が「新宮生活30年を振り返って~これからの熊野~」をテーマに熊野で暮らすようになった経緯や魅力について語った。
アメリカ・ワシントン州シアトルで生まれたティムは、1984年に合気道を学ぶため来日し、新宮の熊野塾道場に入門した。初来日した時は地平線まで建物しか見えない東京の風景にとまどったが、熊野に入り、ふるさとへ帰ってきた感覚があった。初めて食べたサンマの丸干しがおいしく、一気に3本を完食。今では新宮を訪れる外国人たちの橋渡し役として活躍している。
2017年に和歌山県の「高野・熊野特区通訳案内士」資格を取得。外国人のためのガイドブック作りに協力するようになってから熊野古道に興味を持つようになり、日本人には当たり前の単語や熊野信仰を分かりやすく紹介している。古道を歩く外国人ライターが自信を持って世界に発信できるよう、外国語看板の充実を訴えた。
熊野信仰を学ぶ中で、合気道の引土道雄先生の言葉「熊野では技ばかりではなく、合気道の心を持って帰ってほしい」の意味が分かり、「合気道は熊野信仰の結晶」と考えるようになった。
来日当初は「日本でもアメリカでも外国人」と居心地が悪かったが、新宮生活7年で、二つの文化に対応できるようになった。文化の違う国での暮らしは人間の成長を促すと、現在は若者たちのホームステイも支援している。
(2017年10月11日付紙面より)
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太地町の飛鳥神社(髙橋正樹宮司)の例大祭が7日に宵宮、8日に本宮の日程で営まれた。宵宮では、顔に化粧した若者らが大小の樽を担ぐ「樽神輿(たるみこし)」が町内を威勢良く練り歩いた。
樽神輿は、江戸時代初期に新宮市の阿須賀神社から分霊を受け、樽に入れて運んだ故事に由来する。年ごとに寄水方面、東新方面に渡御する習わしがあり、今年は東新方面へ向かった。
宵宮は午後7時30分から始まり、太地水産協同組合で神事を営んだ後、参列者の行列が出発した。これに小樽神輿、大樽神輿の順で続き、寄水青年同志会と東新青年同志会の会員らが道中の店舗で商売繁盛を願って神輿を担ぎ上げた。海中みそぎでは樽神輿とともに若者が次々と太地湾に飛び込んだ。
本宮では、午前9時から氏子代表の供進使を先頭に、祭員らの列が町内を巡った。行列が神社に到着した後、神事を営み、両青年同志会が獅子舞を奉納した。
正午には道の駅たいじで屋固めが行われ、寄水青年同志会が来町者らに獅子舞の全芸を披露した。
(2017年10月11日付紙面より)
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樫野雷公神社例祭宵宮 (串本町 )
串本町樫野にある雷公神社(深美芳治宮司)の例祭が8日に宵宮、9日に本祭を迎えた。宵宮は樫野祭典部(池本寿祭典委員長)による獅子舞奉納や伝統の参拝「走り参り」といった幻想的な奉仕が重ねられた。
この神社は、古く須江に鎮座していた神体が荒天で樫野の集落下にある雷公の浜に流れ着き、やや高台になる現在の場所に祭られたことに由来する。「走り参り」は、神体の漂着に気づいた寺の住職がたいまつを掲げて迎えた故事にちなむ慣習で、現在は樫野祭典部や応援参加している航空自衛隊串本分屯基地の若手らが参拝者となり伝統を守っている。
宵宮は午後7時に宵宮祭があり、同部は獅子舞を奉納。幣の舞、乱獅子、剣の舞、幣の舞の四つを納め、「走り参り」に備えて宿へ戻った。近年は午後9時に迎え火役が宮を出る流れが定着していて、今年は岩谷翔馬君(17)が長さ約4㍍の裂いたタケ十数本を束ねたたいまつの先に神火をいただいて出御した。
その先で同様のたいまつに分け火をいただいた参加者約30人は、小走りで火を振りかざし「参るぞ」と声を上げて宮登りし、深美宮司の祈とうや神酒の授与を受け本殿、八幡神社、蛭子神社を参拝。再びたいまつを持ち「参ったぞ」と声を上げて集落へ戻った。参拝後のたいまつは火災守護の利益があるとされ、後に束をほどいて希望者に小分けするという。
翌9日午前は大前の儀や獅子舞奉納などがあり、同部は正午ごろに集会所で餅まきもして祝うなどした。「とても緊張しているけど、ケガなく務めたい」と意気込んで出御した岩谷君はたいまつを使い切って大役を全う。池本祭典委員長は「秋祭りなのでまずは果物などの豊作を願う」など地場産業の隆盛を願って奉仕を積み重ねた。
(2017年10月11日付紙面より)
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那智勝浦町総体バド大会
東牟婁地方中体連サッカー新人大会
2021年の稼働を目指す (株式会社エフオン )
全国各地で木質バイオマス発電事業を展開している株式会社エフオン(島﨑知格社長、本社・東京都中央区)がこのほど、新宮市佐野の新宮港第2期工業用地に新宮発電所(仮称)を建設する計画を発表した。2021(平成33)年中の稼働運転を目指すとしている。
発電所を建設する土地は現在、国土交通省が紀伊半島大水害後、熊野川河口で実施した掘削工事で採取した土砂の置き場になっている。敷地面積は約5万3000平方㍍。発電所の定格出力は1万8000㌔㍗で、年間発電量は一般家庭約3万世帯分となる。稼働日数は年330日(24時間稼働)。燃料として県内や近隣県から調達した木質チップを年間約18万㌧使用する。総投資額は約100億円。
同社グループは、2006(平成18)年から木質バイオマス事業を実施しており、現在、大分県日田市と豊後大野市、福島県白河市の3カ所で稼働運転している。2019(平成31)年からは栃木県壬生町でも稼働を計画している。新宮発電所は豊後大野市と同規模となる予定。
同社は新宮港を選んだ理由について「わが国有数の木材産出地であったことから、森林資源の潜在性は高く、木質バイオマス発電に必要な燃料確保が十分見込まれること、また日本の『新たな木材産業のしくみ』を地域産業とともに生み出すにふさわしい地であることから、事業開発を推進することといたしました」
木質バイオマスについては「単なるエネルギー源としての目的ではなく、木質燃料の購入・消費を通じて、林業・製材事業者、運送業者など、多岐にわたること。加えて事業の継続を通じて地域経済に雇用や産業振興機会を創出する効果が期待されています。再生エネルギーとして地球環境を考慮した純国産木材で電気を供給するという本来の意義を備えた事業です」と話している。
同社は1997(平成9)年5月設立。資本金21億6400万円(6月末現在)、従業員は連結126人、単体30人(同)。
港の土地を所有する新宮市は、同社とまだ売買契約を締結しておらず、詳細は今後話し合うとしている。港内に残る他の土地でも、別会社とバイオマス発電所建設の話し合いを進めている。
田岡実千年市長は「今回の会社からは、正社員を地元優先で40人、運送や林業など関連企業を含めると100人規模の新たな雇用が生まれると聞いています。人口が減少する中、雇用の創出が大きな課題になっているので、ぜひ成功させたい」と話した。
(2017年10月7日付紙面より)
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那智勝浦町の宇久井区自主防災組織(東正通会長)は1日、宇久井小学校グラウンドで同町消防団第5分団(大場英正分団長)の協力を得て放水訓練を行った。区民ら約60人が参加し、消防ホースの延長から実際に放水するまで一連の動作を実際に体験した。
同地区には火災発生時の初期消火に対応するため、区内32カ所に消防ホースやノズルなどを備えた消火栓箱を設置している。同区自主防災組織では消火活動の安全を図るため、昨年度から進めてきた可変ノズルの配備が完了したことを受けて訓練を実施した。
大場分団長は「火災が発生したら、まず周囲の人たちに声を掛けてほしい。1人では行動せず複数であたり、役割を指名しながら活動してほしい」と参加者に呼び掛けた。区民らは地区ごとの班に別れて訓練に取り組んだ。各班には消防団員が補助につき、ホースの延長、巻き方、接続金具の扱い、筒先の構え方などを丁寧に指導していた。
東会長は「基礎的な訓練だったが、いい経験になった。地域の消防団員と一緒に訓練したことでお互いに知り合うことができ、相談しやすくなったと思う」と話していた。
(2017年10月7日付紙面より)
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紀の国トレイナート
那智勝浦町のJR紀伊天満駅に真っ白の待合室が出現した。駅舎を舞台とするアートプロジェクト「紀の国トレイナート2017」(同実行委員会主催)の一環で、東京都在住の鮫島慧さん(24)が制作したアート作品。
壁も床もベンチも全て白くペイントされている。鮫島さんが一晩かけて塗り上げた。この待合室に制服姿の高校生(新宮高校の吹奏楽部員3~5人)に入ってもらうことで展示は完成する。観客も含め、その場に流れる時間や空気の全てが作品となる。
観客も展示の中に入り込んで鑑賞するインスタレーションという技法で、テーマは「共有」。駅の待合室は他人同士がひとときの時間を共有する場所であることや、電車が次々にやってくる都心の駅とは違い、同駅では少人数がゆったりとした時間を過ごしていることなどに着想を得た。白い色にはその存在を際立たせる意図がある。
高校生に依頼したのは、新しい「日本らしさ」の象徴や文化の担い手として、アートやファッションの世界で注目される存在であることから。定時制高校出身で「制服を着てみたかった」という作者のあこがれも投影されているそうだ。
トレイナートの開催期間は29日(日)までで、高校生によるパフォーマンスは28日(土)、29日(日)を予定している。白い待合室は開催期間終了後もそのまま残される。
(2017年10月7日付紙面より)
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勝浦小4年生がサバイバル学習 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立勝浦小学校(上浦一剛校長)で5日、那智勝浦町公民館勝浦分館(大嶽勝司分館長)によるサバイバル学習が開かれ、4年生が災害時に水道、電気などのライフラインが断たれた場合のサバイバル術を学んだ。
大嶽分館長は「災害時に取り残された時、救助が来るまで生き残るために、災害に強い精神と体を養ってください」とあいさつ。
非常時に用いる道具として、懐中電灯と水を入れたペットボトルを重ねたランタン、針金ハンガーを利用した鍋(フライパン)や金網、空き缶を用いたコンロの作り方を実演し、牛乳パックのろうそく、段ボールベッドも紹介。水のろ過方法と飲み水の作り方、火のおこし方、ランタン用の植物油の代わりに、ツバキの実から油を取る方法など、ユーモアを交えながら語り掛けるように説明し、児童らは楽しそうに話を聞いていた。
(2017年10月7日付紙面より)
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北道院拳法和歌山支部
総合上位4チームは全少県大会へ
速玉大社例大祭前に30人 (新宮市 )
熊野速玉大社例大祭を前に世界遺産を守る会(会長・上野顯熊野速玉大社宮司)は9月30日、新宮市相筋の乙基(おとも)河原にある御旅所(おたびしょ)を清掃した。約30人が草刈りなどで汗を流した。
御船島の対岸にある御旅所では、例大祭両日の夕刻に神事が営まれる。早船競漕(きょうそう)や神輿(みこし)などの『動』に対し、祈りを込める『静』の場所として最も重要な土地とされる。
守る会は2011年の権現山不法伐採を受け、翌年4月に地元住民を中心に発足した。御旅所は、約750平方㍍の平地の周囲をさまざまな樹木が取り囲む土地だったが、紀伊半島大水害でほとんどが流失。ナギ、マキ、サカキなどを植樹し復元を目指している。
上野宮司は「毎年皆さんの力を頂き活動しています。水害後、人の手を入れ、早く元の姿に戻る力をつけようという気持ちで奉仕してくれました。御旅所は新宮の新宮たるゆえんの第一歩の場所。祭りは国の重要無形民俗文化財に指定されており、喜びをさらに伝えていくには地道な活動が必要です」。
速水盛康事務局長は「世界遺産と関わり、自分たちの大切にしているものを確かめられる活動です。関わり、共有し、一体感を得られることに意味がある。例大祭に向け、神と人との交流の場だと感じています」。60代の女性は「神様と共にいられると実感しています。皆さんに神事を知ってもらいたい」と語った。
例大祭は「新宮の速玉祭(はやたまさい)・御燈祭(おとうまつ)り」として国の重要無形民俗文化財に指定されている。
(2017年10月1日付紙面より)
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田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で9月30日、献湯祭が営まれた。熊野本宮温泉郷(川湯、湯の峯、渡瀬)の16軒の旅館・民宿などの代表者たちが一番湯をささげ、自然の恵みに感謝するとともに温泉郷の繁栄を祈った。
熊野本宮観光協会(堀克也会長)が主催で、今年39回目の神事。旅館の女将(おかみ)らが朱塗りのたるに入れた一番湯を本殿前に置かれた大たるに願いを込めて注ぎ込んだ。社務所前では、熊野本宮女将の会が参拝者たちに温泉コーヒーを振る舞った。
観光協会によると、本宮町の観光客数は、2011年は紀伊半島大水害の影響で100万人を割ったが、翌年以降回復。昨年は宿泊客13万1184人(前年比7748人減)、日帰り客136万8500人(同2万1700人増)の計149万9684人(同1万3952人増)だった。
九鬼宮司は「来年は本宮大社創建2050年。それぞれの役目を果たし、あらためて熊野を発信できれば」。堀会長は「近年増えている外国人観光客に対するおもてなしを特に充実させ、多くの方に熊野の温泉の魅力を感じてもらいたい」と話していた。
(2017年10月1日付紙面より)
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風屋ダム2期工前に発表 (電源開発 )
電源開発は9月29日、11月から始まる風屋ダム(十津川村)の表面取水設備改良2期工事に伴う濁水軽減の追加対策を発表した。1期工事ではダム水位の低下が濁度上昇の主な原因になったと分析し、「できる限り水位を上げて工事する」などとした。新宮市議会が先日採択した「風屋ダム湖における堆積土砂撤去を求める決議」を重く受け止め、今後さらに対策を検討すると理解を求めた。
市福祉センターで開かれた「熊野川の総合的な治水対策協議会」の臨時連絡調整会議で、電源開発西日本支店の斉藤文彦支店長代理が説明。昨年11月から今年5月まで実施した1期工事では、ダム湖に堆積したシルト(沈泥)が流出し、熊野川流域住民に迷惑を掛けたと述べた。
2期工事では▽可能な限りダムの水位を上げる▽1期工事で効果があった濁水をろ過する沈殿池工を2基から6基に増やし、幅を約2㍍から4~5㍍に広げる▽地元の意見を参考に瀬の一部を掘削して流れの遅い部分を作り、濁質の沈降を促す▽チラシ配布などで流域住民への丁寧な説明に努める―などと報告した。
会議で国土交通省紀南河川国道事務所の冠雅之副所長は「追加対策の効果はどれだけ出るのか」と質問。斉藤支店長代理は「幅があると思うが、今後の協議会で説明していきたい」と回答した。
決議では、シルトを含む土砂撤去計画を示した上で2期工事に着手することを求めている。会議を傍聴した熊野川濁水・治水関連対策特別委員会の前田賢一委員長は「今日示された対策では効果が期待できない。さらなる努力を望みます」とコメントした。
(2017年10月1日付紙面より)
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