王子幼稚園で緑化活動 (県鳥獣保護管理員連絡会 )
新宮市立王子幼稚園(山本眞也園長)と和歌山県鳥獣保護管理員連絡会(海野和浩会長、会員数51人)は25日、同幼稚園で「実のなる木植樹事業」を実施した。同会員5人、県職員4人、同園児20人らは協力し合ってイロハモミジ、ナンテン、クヌギ、コナラの4種類の苗木を園庭の花壇に植樹した。
県鳥獣保護管理員連絡会は自然保護の重要性に鑑み、野生鳥獣の保護および管理、適正狩猟など、鳥獣行政の推進に協力し、業務の円滑な遂行を図ることを目的に、県知事より委嘱された鳥獣管理員で構成されている。毎年県民の善意により集められた緑の募金を財源とした「緑の募金事業」を活用し、地域住民の自然保護意識を育む目的で緑化活動をしている。鳥類や小動物の良好な生育環境の形成を図る目的もあり、今年で31回目の活動となる。
植樹開始に当たり、同会の下忠文・東牟婁支部長が「けがのないように気を付けて」とあいさつ。園児らはあらかじめ花壇に掘られた穴に苗木を植え、スコップで順番に土を掛けていった。会員は園児らに「木が倒れないように見守ってあげてね」「みんなが6年生になる頃には大きくなってるよ」などと語り掛け、植樹の様子を見守った。
東牟婁振興局の久保田清之・健康福祉部長は「季節ごとに姿を変える苗木を見て、自然の大切さに関心を持ってもらえたら」と述べ、園児らに「皆さんと同じようにすくすく育っていくのを楽しみにしています。日々の手入れをして、大切に育ててください」と呼び掛けていた。
県では、毎年新緑の春季(3~5月)と紅葉の秋季(9~10月)を中心に「緑の募金運動」を実施している。集められた募金は、毎年7月ごろに募集する「緑の募金事業」などによって、県内各地域の森林整備や緑化活動などに活用されている。
(2019年2月27日付紙面より)
色川大文化祭盛大に開催 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の色川山里文化クラブ(千葉智史会長)は24日、同町田垣内の籠ふるさと塾で「第11回色川大文化祭」を開催した。踊りや劇、歌など盛りだくさんのステージ披露や内容に集まった地域住民ら約150人は大きな拍手を送り、会場は終始にぎわった。
大文化祭は毎年恒例の人気の催し。千葉会長は「この日のために出演者の皆さんは、たくさん練習をしてきてくれた。また、多くの力作も並んでいます。時間の許す限り、ステージを楽しんでください」とあいさつした。
トップバッターは同町立大野保育所の園児ら9人が務め、童謡「たき火」を歌い、皆勤出演している江戸芸かっぽれが場を盛り上げた。さらに手品、合唱、ダンス、漫才、空手演武、バンド演奏などが行われた。なかでも初参加の色川郵便局の局員ら10人が日々、練習に打ち込み、仕上げた昭和を代表する音楽番組を独自に再現した「ザ・ベストヘン!?」は会場を沸かせた。軽快なトークの司会役と完成度の高い踊りや歌を披露する歌手役の演出に、笑い声や拍手が送られた。
会場内には住民らによる絵、書、盆栽、生け花などが展示されたほか、おまぜや赤飯、カレー、焼き餅などが販売された。
町内在住の80代女性は「毎年楽しみにしています」と笑顔で語った。
(2019年2月27日付紙面より)
わかやまシニアエクササイズの自主8グループ (串本町 )
串本町保健センター主催のわかやまシニアエクササイズ自主活動グループを対象にした合同交流会が22日に同町立体育館であり、同グループに属するメンバーや保健推進員45人が歩くことを軸にした合同活動に取り組んだ。
同エクササイズは和歌山大学教授の本山貢さんが県と共同考案し奨励する▽準備運動▽ストレッチ運動▽ステップ運動▽筋トレウオーク―の4要素からなる高齢者向けの軽運動群で、基本3カ月間の体験メニューで成果を実感した人が仲間づくりの面でも功を奏する自主活動グループを結成して継続する形で実践の裾野が広まっている。
同町域では現在▽ハーモニー(串本1)▽大島さくら▽お元気プロジェクト串本2▽お元気プロジェクト有田▽お元気プロジェクト田並▽はまゆう(潮岬)▽お元気プロジェクト古座▽田原自主トレ隊―が結成され、仲間内で取り組む中でこの運動を長く続ける工夫を重ねている。同日現在、8グループ全体で150人が所属し、月2~4回の頻度で各地域の集会施設に集まり活動しているという。
この日開かれた合同交流会は、同町が介護予防目的で展開する事業「お元気プロジェクト」の一環。規定のメニューの繰り返しで単調になりがちな自主活動に刺激をもたらす目的で、おおむね年1回開いている。今回は同町地域おこし協力隊の隊員で町民への運動習慣の普及に取り組む木戸俊秀さんを講師として迎える形で計画し、8グループのメンバーに参加を呼び掛けた。
木戸さんは「ウオーキングの効果的な方法と注意点」と題して準備運動や筋力トレーニング、ストレッチに取り組むときのポイントを解説。併せて「歩く」と「○○」といった具合に二つの事柄を同時にこなすことを強調して意識付けた。メンバーはそれらの実践を通して日頃の自主活動で培った筋力の活用の幅を広げる視点を培い、同じ町で同エクササイズに励む仲間との交流も深めた。
同日現在、同エクササイズの体験メニュー実施の予定はないが、一部を除くグループが若干名の新規メンバーを募集している。詳細の問い合わせは同センター(電話0735・62・6206)まで。
(2019年2月27日付紙面より)
森岡茂夫さんが防災講習会 (乳幼児の命を守る会 )
新宮市で活動する子育て支援の団体でつくる「乳幼児の命を守る会」(勢古啓子委員長)は23日、市保健センターで防災講演会を開いた。約20人の参加者を前に、1級建築士で防災士の森岡茂夫さんが「災害から子どもの命を守る」をテーマに話した。
同会は2011年の紀伊半島大水害を教訓として、乳幼児や子どものいる家庭の防災意識を高めようと13年に発足。親子で楽しみながら学んでもらおうと、防災キャンプを行うなどさまざまな催しを開いている。
南海トラフ巨大地震が起こった場合、最悪のケースで約32万3000人の死者数が予想されている。内訳は▽建物の倒壊8万2000人▽地震火災1万人▽津波23万人▽その他(塀の倒壊など)30人―など。森岡さんは「災害は起きてからでは遅い。起きる前にどうやって安全性を確保するか、それが一番大事。命を守るのは日頃の意識」と呼び掛けた。
森岡さんは、東日本大震災の際に多くの住民が亡くなった宮城県名取市の閖上(ゆりあげ)地区において、ただ一人も犠牲者を出さず「閖上の奇跡」と呼ばれるようになった市立閖上保育所を紹介した。当時の同保育所長・佐竹悦子さんの防災意識が強く、普段から訓練を繰り返しては防災マニュアルを更新していたことなどに触れ、「奇跡を起こしたのは先生たち。普段からここまで考えているのかと感銘を受けた」。
佐竹さんら職員は園児らに恐怖心を与えないように、避難している間もお話をしたり歌を歌ったり、避難所ではお遊戯やゲームなどをして子どもたちをなだめながら命を救った。森岡さんは「奇跡って偶然の上に起きるものではない」という佐竹さんの言葉を紹介。「小さいお子さんがいる家庭にとって、とても良いサンプル」と述べ、普段から想像力を働かせて災害に備えるべきと訴えた。
森岡さんは「小さい子どもには全てが凶器となり得る。家具にストッパーを付けるなど全てに対してあらゆる対策を」と喚起。ベッド型シェルター「防災ベッド」や、通電火災を防ぐブレーカー自動遮断装置、段ボールベッドなどを紹介し「日本では避難所の国際基準である『スフィア基準』が守られていない。行政も知らないケースがある。各自治体が準備できるように、市民の皆さんが意識を持ち、発信していくべき」と話していた。
(2019年2月27日付紙面より)
旧チャップマン邸改修工事進む (新宮市 )
新宮市伊佐田地区にある旧チャップマン邸の改修耐震工事が進んでいる。3月3日(日)の工事完了と春以降のオープンを目指しており、まちなか観光拠点としての活用が期待される。事業は国の「都市再構築戦略事業」に盛り込まれている。
同邸は、大正時代を代表する文化人で新宮市名誉市民の西村伊作(1884~1963年)が米国人宣教師のE・N・チャップマンのために設計し、大正15(1926)年に建設された洋風建築物。戦後から昭和53(1978)年までは旅館「有萬(あるまん)」として使われ、市出身の芥川賞作家・中上健次(1946~1992年)が執筆活動をした建物としても知られている。平成27(2015)年に同市に無償譲渡された。
築90年以上が経過していることから老朽化が激しく、譲渡後すぐに耐震診断を経て改修耐震工事に入っていた。今月8日に外装工事の足場が一部取り外され、改修された外装がお目見えした。
「伊作設計の姿に戻すことに価値がある」と、モノクロ写真や研究者の意見を参考にした。大正期当時の復元を目指し、旅館時代の青緑色のスペイン瓦風屋根は天然スレート風の屋根に変更。食器棚などの備品や調度品はそのまま展示する。来館者用トイレなどを備え付け、施設から直接庭に出られるように仕切りドアを広くするなど、観光拠点としての利活用を目指している。
(2019年2月20日付紙面より)
科学的特性マップの説明会 (新宮市 )
原子力発電環境整備機構(NUMO)は16日、新宮市井の沢の新宮商工会議所で科学的特性マップに関する対話型説明会を開催した。市内外から15人が参加。NUMOや経済産業省資源エネルギー庁の職員らが高レベル放射性廃棄物の地層処分の仕組みなどについて詳細を説明し、理解を求めた。
原子力発電に伴い発生する高レベル放射性廃棄物の地層処分の仕組みや実現に向けた地質環境の調査プロセスなどの理解を深めることが説明会の目的。地層処分に関する地域の科学的特性を一定の要件・基準に従い客観的に整理した科学的特性マップを用いて全国で実施している。県内では和歌山市に次いで新宮市で2度目の開催となる。
NUMO地域交流部の水野敦部長は高レベル放射性廃棄物の処分で国民の生活環境に影響を及ぼさないように地下深くの安定した岩盤に埋設する計画が地層処分であると解説。「新宮市での開催で合計80回目となる。今日は地層処分の仕組みや今後、どのようなステップを踏まえて処分地が決定していくのかご理解を賜ることができれば」とあいさつした。
エネルギー庁放射性廃棄物対策課の来島慎一課長補佐が詳細を報告。最終処分までの流れとして、使用済燃料は資源の有効利用後、高レベル放射性廃棄物の減容化や有害度低減のため、再処理を行い、ウラン、プルトニウムを回収する方針とし、残った廃液をガラス原料と高温で溶かし合わせて固化する。そのガラス固化体は冷却のため30~50年、貯蔵・管理し、地下深部の安定した岩盤に埋設すると解説。地層処分事業には文献調査・概要調査・精密調査などの法定調査や処分地の選定などに約20年、処分場の建設に10年程度、処分場の操業と閉鎖に50年以上かかるとし100年事業であると話した。
グループに分かれた参加者らは職員に対し、「なぜ新宮市で説明会を行うのか」「広報ととってよいか」や専門的な質問があり、職員らは「地域のバランスをみて検討している」「その通り。学校での出前授業も実施している」と対話を進めた。
来島課長補佐は「原子力を使うということは日本のどこかで必ず地層処分を行わないといけない。地層処分の理解を広めるために説明会は今後も予定通り進めていく」と語った。
(2019年2月20日付紙面より)
町職員を対象に養成講座 (串本町 )
串本町職員を対象にした認知症サポーター養成講座が15日に役場本庁であり、28人が受講して修了の証しとなるオレンジリングや同町独自ノベルティ(缶バッジ)を取得した。
同サポーターは、認知症を正しく認識し日常生活面で適切な手助けに努める人材。この講座は厚生労働省の推奨により市町村単位でも活発に開かれている育成の機会で、修了者に同リングを託し同サポーターであることが分かるよう掲げてもらう形で地域における支援の輪を広げている。
串本町は2010(平成22)年からこの講座を開くようになり、同日までに400人弱が修了。同町地域包括支援センターは総人口の2%強という修了者率をさらに引き上げて町域の支援環境を整える必要があると考え、独自ノベルティを作るなどしてこの講座の開講に力を入れ始めている。
多くの町民と接する町職員対象の同講座は、公務と受講の兼ね合いに配慮し複数回にわたって開く考え。その初回となるこの日は各課から2人以上の参加を呼び掛けて開き、同サポーターキャラバンメイトの資格を持つ同センター所属保健師・中まどかさんが登壇して▽認知症サポーター制度の趣旨▽町域の高齢化の現状と見込まれる認知症患者の数▽認知症の特徴と接し方のポイント―などを語った。
総人口と高齢化率から見た町内の65歳以上高齢者は約7000人。65歳以上で7人に1人、75歳以上で4人に1人が認知症を患っていることを伝えて、支援を必要とする人の数を大まかに示唆した。
認知症の6割はアルツハイマー型、2割は脳疾患性、2割はその他。加齢による物忘れとの比較で認知症独特の物忘れや伴う言動の特徴も紹介。中さんは「物事は忘れても気持ちは決して忘れないのが認知症だということを覚えてほしい」とし、言葉以上に感情で伝えることを促しつつ接し方のポイントとして▽まずは見守る▽余裕を持って対応する▽声を掛けるときは1人で▽後ろから声を掛けない▽相手に目線を合わせて優しい口調で▽穏やかにはっきりとした話し方で▽相手の言葉に耳を傾けゆっくり対応する―の7項目、さらに災害時の避難で日常を失ったときの接し方7箇条を伝え託すなどした。
町職員対象の同講座は全職員修了を目標にして続けていくという。
(2019年2月20日付紙面より)
大規模改修終わり竣工式 (うどの幼稚園 )
大規模改修工事が昨年12月17日に完了した紀宝町立うどの幼稚園(岩本小百合園長)で2月19日、竣工(しゅんこう)式があり、西田健町長、西章教育長、町議会議員、辻本将利PTA会長、岩本園長らが完成を祝ってテープカットした。
同幼稚園は1976年に建設され老朽化が進んでいた。町では安心・安全の向上を進めるとともに教育環境の更なる充実を目的に昨年6月から外壁や照明、トイレ、保育室、正門などの改修を実施。学校施設環境改善交付金を活用した。工事費は3471万1000円。
竣工式でテープカットした西田町長は「開園以来、町の先進的な幼稚園教育を展開してきたが、施設の老朽化が進み、大規模改修工事に至った。今後とも一層のお力沿いを」と式辞。設計監理者のタツミ建築設計事務所、建築工事施工業者の前地水道工業所に感謝状を贈呈した。
莊司健町議会議長は「幼稚園が安心できる居場所となるよう見守り育ててほしい」と祝い、岩本園長は「工事中も従来と変わりなく楽しく安心して保育できました。子どもたちは新しい園舎に大喜びです。職員一同、質の高い幼児教育を提供できるよう頑張っていきます」と感謝した。
全園児33人も出席し、手話と英語を交えながら『世界中のこどもたちが』を歌い、「幼稚園をきれいにしてくれてありがとうございました」と伝えた。最後は学用品の贈呈を受けた。
(2019年2月20日付紙面より)
もみじ会2月月例杯
第61回串本バドミントン競技大会
池田仁彦キッズサッカーフェス
17日の「雪まつり」前に到着 (那智勝浦町 )
那智勝浦町役場前に16日、翌17日に開催される「第24回商工祭・南の国の雪まつり」で使われる約100㌧の雪が長野県白馬村から大型トラック8台で運ばれ、メイン会場の役場駐車場前に雪山が設営された。
昭和61年に始まった、南国の子どもと雪の触れ合い企画。
17日は午前8時30分から雪山を開放。「熊野朝市」や物産展、バザーが開かれ、9時30分からステージイベントが始まる。雪像コンテストや近くの機関車公園ではヤギや犬との触れ合いコーナーなどもあり、午後3時の「お菓子な餅まき」までさまざまなイベントが繰り広げられる。
当日は、会場周辺に駐車場が無いため、主催者は公共交通機関やシャトルバスの利用を呼び掛けている。バスの停車場は那智漁港、JR紀伊天満駅近くのパルスイン勝浦、ホテル浦島駐車場、築地の中西商店前、茶ケ浦に設置。ここから出るシャトルバスが無料で利用できる。午前8時~11時、午後1時~3時の間、那智漁港から茶ケ浦間をピストン運行する。バスに乗ると、珍しい景品が当たる「お楽しみスタンプラリー」に参加できる。
(2019年2月17日付紙面より)
神戸大学卓球部 (那智勝浦町 )
神戸大学の卓球部は14日、那智勝浦町入りし、18日(月)まで町体育文化会館で春季合宿を行っている。初日の14日は合宿参加メンバー36人を迎え、町観光協会の花井啓州会長らが出席して歓迎式が開かれた。
歓迎式には町、同協会のほか、南紀くろしお商工会、南紀勝浦温泉旅館組合、同町民宿組合、休暇村南紀勝浦の代表者や関係者、町体育協会元卓球部長の中西毅さんが出席した。
同大学卓球部の合宿は同町では初。合宿責任者の津田健裕さん(20)によると、同町での合宿経験を持つ近畿大学や同志社大学の担当者の薦めもあり、同町に決めたという。合宿は、春と夏の2回実施しており、春季は親睦を兼ねて大阪市立大学など関西の六つの大学の卓球部からゲストを受け入れ全体のレベルアップを図っている。
歓迎式では堀順一郎町長の歓迎のメッセージを町観光企画課の職員が代読。花井会長は町内の名所を紹介し、「今後もぜひ来町を」と呼び掛けた。旅館組合の職員が、平安衣装姿で学生らにお土産のタオルを手渡し、飲料の差し入れもあった。
女子主将の仲絢香さん(20)は、「バスで移動中に見た海がとてもきれいでした」。男子副主将の前田忍さん(20)は「春季関西学生リーグ1部入りを目指しています。今回の合宿で力を付けたい。時間はないと思いますが、那智山に興味があります」と話し、町を挙げての出迎えに感謝の言葉を述べた。
(2019年2月17日付紙面より)
高校生対象に企業説明会 (新宮市 )
ふるさとUターンフェア実行委員会は14日、新宮市立総合体育館で「地元企業知っとこガイダンス2019」を開催した。地方公共団体、サービス業、金融業など20社が会社の概要などを説明。和歌山県立新宮高校(12人)、県立新翔高校(80人)、三重県立紀南高校(91人)の生徒ら計183人が参加した。
高校生たちに地元で働くことの良さを知ってもらい、若年層の都市部への流出を抑止しようと新宮市、那智勝浦町、新宮商工会議所、南紀くろしお商工会、新宮地区職業安定協会で組織する同委員会が開催。今年で3回目となる。
開会にあたり、勢古口千賀子・実行委員長が「就職する方はもちろん、進学する方にも、進学先で地元の良さを広めていただきたい」などとあいさつ。生徒たちは事前に希望していた3社のブースを回り、各企業の担当者から説明を受けた後、気になったことについて質問した。
新宮高校の坂本健一さん(2年)は「そこで働いている人たちが説明してくれることによって、職場や人の雰囲気が感じられて良かったと思います」と話していた。
(2019年2月17日付紙面より)
音楽体操の研究結果を報告 (紀宝町 )
御浜・紀宝フォローアップ・プロジェクトの結果説明会が15日、紀宝町生涯学習センターまなびの郷であった。
三重大学附属病院認知症センターの佐藤正之センター長が、認知症予防を目的に両町で実施してきた「音楽体操」の効果を発表した。
両町と三重大学、ヤマハ音楽振興会の産学官連携で2011年度から御浜・紀宝プロジェクトが始まった。「音楽付きの運動は音楽なしの運動より認知機能への効果が高い」と仮説を立て、地域の健常高齢者を対象に音楽あり・なしの運動を1年間行い、その前後での認知機能の変化を調べてきた。
対象者の肺活量や視空間認知、記憶検査などを検査した結果、運動は体と脳に良く、音楽が付いた運動はさらに脳に良いことが明らかになった。
紀宝町では取り組みを継続しようと、13年度から音楽体操の「きほうまちかどエクササイズ」を開始。今年度は61人が参加し、月に3回、音楽に合わせた運動に取り組んでいる。
説明会にはエクササイズの教室生ら60人が参加。佐藤さんは、認知症に対する音楽療法やプロジェクトの経過などを報告した。
13年度から5年間の効果を17、18年度にフォローアップ・プロジェクトとして検証してきた。
佐藤さんは5年間の変化をデータで示した上で、「運動回数が多いほど、記憶と精神運動速度がより良好になる。現時点で認知症の予防効果が科学的に認められている活動は運動であり、音楽を組み合わせることでその効果が増強されることがプロジェクトで分かった」とまとめた。
(2019年2月17日付紙面より)
市内外から4件の情報 (新宮城復元対策委 )
新宮城復元対策委員会(須川倍行委員長、12人)が14日、新宮市役所3階会議室であった。委員11人が出席し、事務局から「新宮城復元資料収集懸賞事業」の状況報告を受けた。
市では新たに「ヤフー」のインターネット広告を活用して、広く情報を集めている。「新宮」「城」「古写真」「懸賞金」をキーワードとして検索すると、ユーザーの検索結果ページに「懸賞金総額1700万円! 新宮城の古写真等を探しています」とのタイトルが掲載される。
今月5日から開始し、12日までのクリック数は108回だった。委員からは継続を求める声が上がった。
懸賞事業は、最高総額1700万円の懸賞金をかけて新宮城の天守や大手門、やぐらの復元につながる古写真や設計図などの資料を来年3月31日まで募っている。
昨年9月号から市広報紙に「シリーズぶらり新宮城」の連載を開始し、市のホームページに事業概要を掲載、ユーチューブでPR映像を配信している。新宮城入り口2カ所にポスター看板を設置した。
国内では三菱史料館や水野総家20代当主・水野勝之さん、和歌山県立図書館など市町村や施設などにポスターやパンフレットなどを送付した。
資料が外国に秘蔵されている可能性から、姉妹都市サンタクルーズ市(アメリカ)、独日フォーラム・エルベ(ドイツ)、海外美術館などにも協力を依頼した。
昨年11月から今年1月までに「父が依頼を受けて新宮城の油絵を描いた時、依頼者から設計図のような図面を渡されたように記憶している」「壊れかけの状態の新宮城の古写真を見たことがあるように思う」など4件の情報が寄せられた。
委員から「一部の樹木を切ってきれいになったが、配水池周辺も伐採すると全景が見えるのでは」との意見があり、市では所管課で協議するとした。
新宮城跡は石垣の修復や遺構整備などの課題があり、市では今後、修理と整備に関し、国庫補助事業の活用を検討していく。
委員会は来年度に視察を計画しており、高松城(香川県高松市)、丸亀城(香川県丸亀市)、福山城(広島県福山市)から視察先を絞る。
(2019年2月16日付紙面より)
チームくまのがわと太田地区が交流会 (新宮市熊野川町 )
新宮市熊野川町の熊野川総合開発センターで14日、「チームくまのがわ」と那智勝浦町の太田地区福祉委員会の交流会が開催された。両地区の地域活動や地域のつながり、地域活性化についてお互いに情報交換し、より良い地域をつくるために開催。両地区民は昼食会などを通して交流を深め合った。
チームくまのがわは「いつまでも、自分たちの生まれ育った町で元気に楽しく過ごす」という思いから発足した。地域の課題や情報などを住民同士が気軽に集い、話し合える場を設けようと月1回のペースで会合を開いている。
開会に当たり、チームくまのがわの玉置利春さんが「高齢になるほど助け合っていかなければ。それぞれの地域の意見を交換し合って、いい方向を見つけていきたい」。太田地区福祉委員会の仲三喜夫さんは「今日はいろいろとお世話になります。よろしくお願いします」とあいさつした。
太田地区福祉委員会は、太田地区は人口が1023人で高齢者率が51%、女性の1人暮らしが多いことなどを報告。民生委員や福祉委員の活動内容などを紹介した。同地区では平成元年から、独居高齢者などを対象に、見守り活動を兼ねた食事サービスを月1回行っているが、「調理をする側も高齢化しており負担が大きくなってきている」と課題を述べた。
チームくまのがわは、熊野川町には34地区1322人が暮らしており、高齢者率は46・7%であると報告した。福祉委員会は民生委員や区長など計74人で構成されており、それぞれの活動が福祉委員の仕事を兼ねていると説明。チームくまのがわの発足については、将来の不安に備えて、地域のつながりを全体で考える場づくりが必要であるとの考えを示した。
グラウンドゴルフなどのふれあい交流事業や、「ひまわりまつり」をはじめとした地域活性化事業内容なども紹介し、「内外にPRして、今後もっと仲間を増やしていければ」。みつの地域活性化協議会の下阪殖保会長は「今後は農業と福祉を連携させていきたい」と展望を示した。
各地区の発表後には、みつの地域活性化協議会が作った弁当を食べながら交流を図った。「地域のつながりについて」をテーマに情報交換をした後、グループごとに発表。「一人で地域の見守りには限界を感じる。集まりが必要」「災害時の避難に関しては、普段のつながりで解決」といった意見が上がっていた。
(2019年2月16日付紙面より)
井田小と矢渕中が取り組みを発表 (紀宝学力向上推進協 )
第5回紀宝町学力向上推進協議会が同町役場で14日に開かれ、教員の授業力向上と指導方法の改善を目指した取り組みの成果が町立井田小学校と矢渕中学校から発表された。
協議会は児童生徒の学力向上を目的として平成26年10月にスタート。今回は町立小中学校の教員19人が参加した。
はじめに井田小の前田幸利校長が、低学年が高学年の授業見学で学ぶ姿勢を学んだことや、全学年児童の机を「コ」の字に配置することで分からないことを互いに聞き合う関係が生まれ、落ち着いて授業を受ける環境が整ったことなどを発表。児童がペアになって、分からないことを教え合う時の優しい表情から「子どもほど上手な支援者はいない。クラスで誰も一人にしない関係ができてくる」と述べた。
矢渕中は数学担当の永田将大教諭が少人数での授業効果を説いた。習熟度によってベーシックとスタンダードに分けて授業した結果、ベーシックでは活躍できる子が増えて喜ばれた半面、スタンダードでは逆の現象も生じたという。「これからの工夫次第では、やりがいがあるかも」と結び、県教育支援事務所の前田綾指導主事は「子どもたちができないことを、できるようにする取り組みを学校全体でやってほしい」と注文を付けた。
西章教育長も出席。「会議が授業改善をどう進めるかが大切。会議結果を単に学校へ持ち帰るだけでなく、授業の改善が必要」と述べて、教師の工夫と実践を求めた。
(2019年2月16日付紙面より)
全国各地のヤタガラス伝承を情報交換し、地域振興の魅力ある素材として役立たせることを目的に、地元有志らが中心となり「日本ヤタガラス協会」を設立することを発表。14日に新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局で行われた会見では「ヤタガラスと朝鮮半島の三足烏(サムジョゴ)の起源が同じであることを伝え、文化交流の必要性を説いていきたい。精神文化のシンボルとして、東アジア世界にも広げていければ」と語った。有志らは今後会員を募り、4月以降に設立総会を開催する。
カラス神話は世界各地に伝わっており、日本には中国大陸から朝鮮半島を経て飛来してきたといわれている。日本においては神武天皇東遷の折に天照大神の使いとして大和の国へ道案内したという伝承が残っている。朝鮮半島には高句麗の古墳壁画や百済の武寧王陵遺品に三足烏が表されており、かつては太陽信仰の象徴だった。
同協会は昨年3月に那智勝浦町で開催された「熊野の魅力・再発見シンポジウムin那智勝浦~熊野の神秘と八咫烏を通じた日韓文化交流と観光~」をきっかけに構想が練られ、昨年韓国で立ち上がった「韓半島三足烏交流協会」に誘起され設立の運びとなった。
有志らは「ヤタガラスを通して、将来は東アジア共同体を考え、人・文化・観光での交流が深まることを願っている。まずは熊野地方から魅力ある鳥を検証し発信していきたい」とし、ヤタガラスが「東アジアの友好の鳥」となることを期待する。設立後はヤタガラスにまつわる伝承の調査や研究、情報発信、講演会や研修会、韓国などとの相互交流事業などを計画していく。
(2019年2月16日付紙面より)
田中章雄さんが講演 (那智勝浦町 )
一般社団法人和歌山県発明協会は1月30日、那智勝浦町商工会館で「地域団体商標の活用とブランド戦略~地域資源を活用して魅力アップへ~」を開いた。南紀くろしお商工会協力。株式会社総合研究所代表取締役社長の田中章雄さんが講師を務め講演。参加者らは地域活性化に生かせるブランド戦略や事例を学んだ。
同協会の小畑俊嗣常務理事・事務局長は「ブランド戦略は地域活性化につながる。今後も南紀くろしお商工会さんと協力し、開催していきたい」とあいさつした。
田中さんはブランド構築のツールで活用される地域団体商標制度を解説後、「過去の成功事例をまねしてもうまくいかない。会社に余力があるうちに新しいことに取り組み、誰もやっていないことをやらないと駄目」と主張。15年前の時点では「地域活性化」の対象は日本国内のものだったが、現在はインバウンド(外国人観光客)があると述べ、大きな市場になっていると述べた。
地域のブランド力を高めるには▽魅力づくり(付加価値化)▽魅力の伝え方(ターゲティング)▽顧客満足度の向上(体験化)―の戦略が必要と述べ、無形資産では「知的財産」「人的資産」「文化歴史等」「イメージ等」を挙げ、「いかに付加価値をつけられるか、いかにほかの商品と差別化できるかが売れる、売れない商品の差になる」と説いた。男性と女性によって視点が違うことにも注意が必要とした。
田中さんは国内で料理や農業などさまざまな体験が流行していることに触れ、「体験は興奮状態のため、良いものが増幅される。食べたものがよりおいしく感じる。これによって和歌山の魅力も伝えることはできる」と語った。
(2019年2月1日付紙面より)
相続・事業承継の講演会 (串本町 )
串本町商工会館で1月28日夜、講演会「落語で学ぶ相続・事業承継」があり、50人が聴講してトラブルを招かない在り方を学んだ。
この講演会は、役場産業課と同町商工会が主催。どの家庭や事業所でも起こる引き継ぎの在り方を実務家に教わり、適切に乗り切るための知識や心掛けを託す趣旨で参加を呼び掛けた。
講師はこころ亭久茶(きゅうちゃ)さん。行政書士やファイナンシャルプランナーなどの実務経験に基づく知識や話題を落語による情景描写も織り交ぜながら伝える講演で定評があり、今回は固く難しいという印象を持たれがちな相続や事業承継をテーマにして解説を重ねた。
前半は相続関係の内容で、兄弟の相続トラブルを落語で描写しつつ「子どものけんかは人生の悔いになる」として、目に見える財産だけでなく先祖や子孫への思いや自分の生きざまなども記すなど心を込めた遺言書を残すことや、長寿に伴う老いに備えて後見制度や民事(家族)信託といった手法の活用にも関心を持つよう促すなどした。
後半は事業承継関係で、創業以来最大のピンチともいえるこの状況において後継者は社外より先に社内の信頼を作るよう強調。事業には「不易(経営理念や社訓、社会的責任など)」と「流行(販売手法、商品開発、サービス拡充など)」の両側面があり、後継者は売上向上を優先し「流行」を意識しがちだが、他方で経営理念などを引き継がないと社員に迷いが生じ、その状況を見た社外も警戒する。その先では社員の離職や取引停止などがあり、それらの状況が事業承継をうまくいかなくすると筋道立てて伝えた。
久茶さんは、専門家も交えたチームで事業承継をすることを推奨。経営者が後継者を選び、実務家でもある久茶さんは教育などのペースメイキングをしていると紹介し、その役割はコンサルタントであったり顧問税理士であったり経営指導員であったりとさまざまだが、熟練の経営者と未熟な後継者の見解の相違に伴う口論で承継を難しくしない手法として勧めた。どうしても後継者が得られない場合は、M&A(企業の合併や買収)や事業譲渡も選択肢であり昔は恥と思われることもあったが、今は事業が社会的に認められているからできることであり、経営者は胸を張ってやってきたことをバトンタッチしてほしいとした。
(2019年2月1日付紙面より)
在宅介護住民啓発講演会 (紀宝町 )
紀宝町地域包括支援センターでは、高齢者が住み慣れた地域で安心して生活が送れるよう幅広く相談に応じ、支援を続けている。介護予防事業にも取り組み、必要に応じて福祉、保健、医療など関係機関と連携して対応している。
1月25日には、鵜殿地域交流センターで「在宅医療・介護住民啓発講演会」を開催。地区住民ら32人が参加した。
住民と専門職の人が在宅医療を気軽に話し合える機会を設け、人生の最終段階を迎えた時にどうするか考える機会を提供することが狙い。
町内4カ所で実施を計画しており、その一環。はじめに同支援センターの職員らが寸劇で退院を迫られている夫婦を演じ、介護付き高齢者住宅や有料老人ホーム、在宅でヘルパーを利用した場合の費用負担などを示し、「自分でできることは自分ですることが大切。お金も節約できる」と啓発。町内には19の関連施設があることも示した。
講演会はパネルディスカッション形式で進められた。司会役のコーディネーターは県地域医療研修センターの鈴木孝明センター長が務め、意見を発表するパネラーには特別養護老人ホーム宝寿園の弓場啓史相談員、町社会福祉協議会の小山高司ケアマネジャー、紀南病院地域連携室の阪口智美副看護部長、相野谷診療所の松林研二医師が参加した。
弓場さんは宝寿園を18床のショートステイも実施している施設と紹介し、小山さんは施設をどう利用していいか、個々の事情に応じてマネジメントしていると説明した。阪口さんは「困っていることがあれば、看護師に相談を」とアドバイスし、在宅医療を推進する松林医師は、主体的かつ上手なケアマネジャー利用を勧め、「どの医者も在宅医療ができるようにしなければ」と意見を述べた。
参加者からはリハビリなど質問が相次ぎ、鈴木センター長は「皆さんは意識が高く、勉強されている」と感心。主催者は「相談先の不明なときは、まずは包括支援センターに」と呼び掛けた。
(2019年2月1日付紙面より)
昭和52年卒還暦同窓会が寄付 (新宮高校 )
新宮市神倉の県立新宮高校(前田成穂校長)を1977(昭和52)年3月に巣立った第29回卒業生の代表ら4人が1月30日、同校を訪れ、還暦記念同窓会の会費の一部を母校に寄付した。
同窓会は2日に那智勝浦町のかつうら御苑で開かれ、184人が出席。77年当時は1クラス40人以上の13クラスあり、557人の卒業生がいた。恩師も3人が出席し、歌や談笑などで旧交を温めたという。
贈呈式には還暦同窓会の世話人を代表し、國見一郎実行委員長、野尻政典さん、川合啓介さん、坂本寿志さんの4人が来校し、余剰金7万1612円と会場で募った募金など4万3479円の計11万5091円を同校同窓会の夏山晃一会長に手渡した。
寄付金を手渡した國見実行委員長は「体育祭や文化祭、ロングハイキングなど、これからの学校行事に少しでも役立ててもらえれば」。夏山会長は「気持ちを寄せてくれるだけでもありがたいが、寄付をしていただき感謝でいっぱいです。今後の学校活動費として大切に使わせていただきます」と話していた。
(2019年2月1日付紙面より)
第35回新宮マラソン大会