新宮市船町の尾﨑酒造株式会社(尾﨑征朗(いくろう)社長)の「本醸造太平洋」が、イタリアのミラノで6月20日に開催された酒品評会「ミラノ酒チャレンジ2022」(イタリア酒ソムリエ協会主催)の純米・本醸造部門の「利き酒部門」で、ダブル金賞を受賞したほか、「フードペアリング部門」でベストフードペアリング賞(トマトとモッツアレラのカプレーゼ)に選ばれた。
同品評会は、酒ソムリエ資格を持つ、イタリア人ワインソムリエ・バーテンダーなど酒と食の専門家がイタリア・ミラノで審査する日本酒コンテスト。日本酒の知識を広め、日本酒の素晴らしさをイタリア国内に伝える目的で2019年に第1回を開催。同社の「本醸造太平洋」は、その際にも本醸造部門で、最高賞であるプラチナ賞を受賞している。なお、新型コロナウイルス感染症の影響で品評会は2年連続で中止となっていた。
今品評会では、利き酒ティスティング部門62人、デザイン部門20人を合わせた総勢82人の審査員が、合計408銘柄を審査。純米大吟醸・大吟醸酒部門、純米吟醸・吟醸酒部門、純米酒・本醸造部門、スペシャル部門の四つのカテゴリーで行われた。
フードペアリング部門審査では、ワイングラスを使用し、トマトとモッツアレラのカプレーゼ、魚介のパスタ、ティラミスなど、イタリアを代表する食品や料理、デザートとともにブラインドテイスティングを実施。日本酒とイタリア食が持つ味の特性をお互いに引き出し合える、最適な組み合わせを判断した。
7月に入って受賞の知らせを受けた尾﨑社長(78)は「熊野の地酒が国際的なプロの料理人に認めてもらえた。和食にも洋風の料理にも合うことが証明された。ありがたいこと」と喜びの声。
「日本酒には日本の伝統の技術が結集されており、それが世界的に認められている。日本酒もワインと同様に食事とともに楽しむお酒。世界に通用するお酒として、今後より国際的になっていくのでは」と期待を込めた。
同社は熊野地方唯一かつ本州最南端の蔵元。熊野川の伏流水、地元産の米を使用するなど地元「熊野」にこだわった酒造りを続けている。
「本醸造太平洋」は「コクやキレ、丸みがありやや辛口」な口当たりが特徴。「全国燗酒コンテスト2021」お値打ちぬる燗部門最高金賞、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」で2017年、18年と2年連続最高金賞を受賞するなど、数々の栄冠に輝いている。720㍉㍑1100円、1・8㍑2100円(いずれも税別)で販売中。
(2022年7月30日付紙面より)
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アジア・オセアニアフォーラム (和歌山県 )
日本を含めた18の国・地域の高校生が集う「世界との対話と協働:アジア・オセアニア高校生フォーラム」が25~27日、オンラインで開催された。新宮・東牟婁地方からは県立新宮高校と串本古座高校から計10人が参加。3日間のプログラムを通じて環境や食糧、教育といった世界共通の問題について意見を交わした。
和歌山県、県教委など主催。各地の高校生と交流する中で、グローバルな視野で物事を捉える力を養うとともに、国際社会で活躍できるリーダーの育成を図ることが目的。
本年度は日本の他、インドやシンガポール、韓国、中国、ブルネイ、ラオス、ミャンマー、モンゴル、トルコ、オーストラリアなどから計84人が参加。和歌山県内では14校から47人、県外は9校から10人が出席した。
プログラムは全て英語で行われ、高校生たちは▽津波・防災▽環境▽ダイバーシティー(多様性)▽教育▽食糧―の五つのセクションに分かれて自らの意見・提案などを発表した。
教育セクションでは、教育格差や教師の働き方、世界寺子屋運動、10代のデートDV予防、学校外も含むさまざまな学習体験を高等教育の単位として認める「単位銀行制」の導入など、多岐にわたる内容について議論。新宮高校の柿本優心さん(2年)らのグループは、世界には貧困によって初等教育を受けることができない人々がいることから、使途が明確で楽しんで参加できる募金活動の必要を伝えた。
ダイバーシティー・セクションに参加した中野祐一朗君(3年)は「ダイバーシティーという言葉の意味や具体的にどんな取り組みが必要かを発表した。海外の生徒が『受け入れる』という表現に、『抱きしめる』という意味の“embrace”を使っていて、自分もまねしてみるなど、いろんな発見がありました」と話していた。
(2022年7月30日付紙面より)
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退任に伴い堀町長が贈呈 (那智勝浦町 )
国際交流員(CIR)として那智勝浦町で活動していたミャオミャオ・イェさん(27)が31日(日)をもって退任することから28日、役場町長室で感謝状の贈呈式があった。堀順一郎町長や瀧本雄之副町長らがこれまでの活動をねぎらうとともに、感謝を述べた。
中国浙江(せっこう)省出身で国籍はオーストラリアのイェさんは「語学指導等を行う外国青年招致事業(JETプログラム)」により来日。2020年12月から同町で任用され、観光案内所や町観光企画課で勤務していた。
飲食店のメニューやホームページなどの翻訳、町内の小学校訪問や町立図書館で実施した国際交流行事で、オーストラリアの紹介を行うなど尽力してきた。
金子恭之総務大臣から贈られた「JET絆大使任命状」を代読し、感謝状を手渡した堀町長は「新型コロナウイルスで外国人観光客が激減した中での勤務となった。その間のミャオミャオさんの業績は今後、海外からの観光が回復した際につながっていくと思う。また、子どもたちとの文化交流は、その子どもたちが大人になった際に国際的に活躍するきっかけになるかもしれない。本当にありがとうございました」と感謝を述べた。
任期は最長5年だが、更新は行わず退任を決意したイェさん。同町については「自然豊かで、人情に厚い町。子どもたちとも広く交流ができた。機会があれば今度は家族を連れて、一緒に来たい。本当に良い所でした」と振り返る。
今後については「しばらくは帰国して自宅で休みます。日本での経験を生かして、観光分野などで活躍したい。また、将来の夢は漫画を作って、本にできればうれしいです」と笑顔で語った。
(2022年7月30日付紙面より)
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古座川ロードレース実行委 (古座川町 )
古座川町内で9月3日(土)、ジャパンサイクルリーグ(JCL)第7戦「古座川ロードレース」が開かれる。その運営を担う同レース実行委員会(須川陽介実行委員長)が今月27日に役場本庁で第1回会合を開いて概要を確認し、当日の通行規制に必要なボランティア確保と地域協力確立の必要性を申し合わせた。
同リーグは地域振興と競技振興を重ねこなして世界的評価を目指す競技会として、昨年3月に発足。プロチーム10組が参画し、全国各地で対戦を繰り広げている。その一競技地として名乗りを上げたのが同町で、信号がなく交通量も穏やかな町内環境を生かして誘致に成功。以降コース設定など段取りを進めて初実施を目指すさなかにある。
第7戦はJCLが競技主管、同実行委員会が大会運営をして主催。当日は道の駅一枚岩拠点で午前10時~午後2時に競技、その前後に拠点で開閉会など諸行事を実施する。競技コースは今津橋~下露峠~滝の拝~鶴川交差点経由の周回ルート(全長41・6㌔)を設定していて、選手は3周して順位を競う。
同実行委員会事務局によると、通行規制は選手集団の先頭通過30分前~後尾通過30分後の範囲を目安にかけるが詳細な時間が見通せないため、競技中全般で住民らに選手最優先の協力を求める状況を見据える。ボランティアには競技中のコース管理(選手の脇道への誤進入防止や通過時の安全確保など)や受付など、特別な知識がなくてもできる運営を優先して充てる方向で協力を求めるという。
第1回会合の実施に当たり西前啓市町長は、直面する諸課題を乗り越えての運営成功を期待。誘致の当事者・須川実行委員長は実施の経緯と実施にかける町域振興の思いを伝えて、実行委員の結束を固めた。
同実行委員会の事務局は、第7戦の翌日に選手誘導のツーリング体験会「ぐるっと古座川サイクリングフェス2022」を計画し、現在エントリーを受け付けている古座川町観光協会。感染予防対策(観戦制限など)は目下の情勢が不安定のため模索中という。問い合わせは同協会(電話0735・70・1275)まで。
(2022年7月30日付紙面より)
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夏期巡回体操会に400人 (新宮市 )
新宮市佐野の市民運動競技場(やたがらすサッカー場)で24日早朝、株式会社かんぽ生命保険、NHK、NPO法人全国ラジオ体操連盟が主催、市、市教育委員会が共催する2022年度夏期巡回「ラジオ体操・みんなの体操会」があった。事前に申し込みした市民や近隣住民ら約400人が参加。ラジオ体操の模様はNHKラジオ第1で全国に生放送された。
「ラジオ体操」は、かんぽ生命保険の起源である逓信省簡易保険局が1928年に「国民保健体操」として制定。日本放送協会(現NHK)のラジオ放送で広く普及した。
体操の内容も51~52年に「ラジオ体操第一、第二」として再構成され、誰でも気軽に実践できる運動として、現在も多くの人に親しまれている。
夏休みの早朝にラジオ体操を行う風景は日本の風物詩として広く浸透しており、7月20日~8月31日の期間、全国で行われる「夏期巡回ラジオ体操・みんなの体操会」は各会場で盛況を博している。
毎朝、健康増進などを目的に11カ所の会場で約100人がラジオ体操に励む新宮市。ラジオ体操の普及奨励に寄与したとして、かんぽ生命保険、NHK、NPO法人全国ラジオ体操連盟から、2019年にラジオ体操優良団体等表彰の府県等表彰、20年に近畿地方表彰を受けている。
午前6時30分からの生放送を前に、田岡実千年市長が「市では、市民の皆さまの健康づくりや介護予防の観点からラジオ体操を推進し、市内11カ所で誰でも参加できるラジオ体操会の取り組みを行っている。まだ参加していない人も、今日をきっかけにぜひ始めていただければ。皆さんの元気を全国に届けてください」。
続いて、かんぽ生命保険の坂口徳道・和歌山支店長、和歌山県ラジオ体操連盟の古谷多市会長、NHK和歌山放送局の渡辺康子局長がそれぞれあいさつを述べた。
本番では、ラジオ体操 ピアノ奏者の能條貴大さんの演奏が響く中、参加者らは体操指導者の多胡肇さんのかけ声と動きに合わせてラジオ体操を実施。約10分間にわたって爽やかな汗を流した。
毎朝、神倉小学校会場でのラジオ体操に参加していると話す勝田香代子さん(85)は「ラジオ体操にはずっと通っており骨密度測定結果も良好。ラジオ体操と毎日のウオーキングが元気の秘訣(ひけつ)ですね」と笑顔で話していた。
(2022年7月26日付紙面より)
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住民らが「にっぽん丸」お見送り (新宮市 )
225人の乗客を乗せ、クルーズ船「にっぽん丸」(総トン数2万2472㌧、全長166・65㍍、商船三井客船株式会社)が24日、新宮港に入港。夕方に同港を出港した。乗客らはそれぞれ観光バスやタクシーを利用し、1日かけて熊野地方の観光を楽しんだ。
クルーズ名は「相馬港発着 夏の清水・新宮・青ヶ島周遊クルーズ」で行程は相馬(福島県)~清水~新宮~青ヶ島周遊~相馬。河北新報トラベルと日立ポートサービスがチャーターした。乗客全員に対して乗船の約1週間前と出発港(相馬港)で当日のPCR検査を実施。陰性を確認の上出港した。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、入港セレモニーは実施せず、平安衣装姿の女性や雅楽演奏が乗客をお出迎え。出港時には田岡実千年市長が「蘇(よみがえ)りの地 熊野」への来訪に感謝を述べ「この地は1日では回り尽くせないほどたくさんの見どころがあります。地域を挙げて皆さまを歓迎させていただきますので、二度三度と熊野・新宮へお越しください」とあいさつした。
見送りに集まった市民らは、熊野水軍太鼓の太鼓演奏が響く中「さようなら、ありがとう、また来てね」と手を振って送り出し。乗客らは「ありがとう、また来るね」と返し、次の寄港地に向けて出港した。
8月17日(水)には「ぱしふぃっくびいなす」が入港する予定。
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■「梛の木見送り隊」会員募集
新宮市では、新宮港から旅立つクルーズ客船を見送る「梛(なぎ)の木見送り隊」の会員を募集している。問い合わせは新宮港クルーズ客船受入協議会(電話0735・23・3333、FAX0735・21・7422、市企業立地推進課内)まで。
(2022年7月26日付紙面より)
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宇宙シンポジウムin串本 (和歌山県 )
串本町サンゴ台にあるホテル&リゾーツ和歌山串本で24日、イベント「第4回宇宙シンポジウムin串本」があり、民間ロケット発射場「スペースポート紀伊」や国内の衛星事業などの最新情報が発信された。
県主催のイベントで、同発射場の射点がある串本町から宇宙関係の情報を発信する趣旨で年1回実施。今回も新型コロナウイルス感染症予防対策として会場聴講を上限200人とし、別途オンライン聴講〈ライブ配信〉の機会を準備して事前申し込みを受け付けた。
主催者を代表して仁坂吉伸知事は今年中の打ち上げ開始に向けた取り組みや今回の趣向を報告しつつ「われわれは和歌山、串本を舞台に新しい時代の宇宙開発がこれから始まるという歴史的な出来事の体験者。スペースワンのロケットのことを考えるとワクワクするが、今日は皆さんと共にこのワクワクを高めていきたい」とあいさつ。以降、中盤までは基調講演や報告、休憩を挟んで終盤はパネルディスカッションを実施した。
基調講演の登壇者は▽淺田正一郎さん(株式会社Synspective執行役員)▽岡島礼奈さん(株式会社ALE代表取締役CEO)▽深堀昂さん(avatarin株式会社代表取締役CEO)▽豊田正和さん(スペースワン株式会社代表取締役社長)―の4人で、取り組んでいる事業の現況と展望を15~30分の持ち時間で紹介。
加えて県立串本古座高校の清野健太郎君と雑賀和さん(ともに2年)がCGS部における宇宙振興活動や缶サット甲子園への挑戦、県産業技術政策課の大原眞晴課長が打ち上げ時の地域対策や打ち上げ応援サイトの設置、串本古座高校普通科宇宙探究コース開設の3点で報告を交えた。
パネルディスカッションは東京大学大学院教授の中須賀真一さんがモデレーターを務め、淺田さん、岡島さん、深堀さん、スペースワン株式会社最高顧問の遠藤守さん、大原課長の5人に▽今後の宇宙産業への興味▽宇宙に関わろうと思ったいきさつ▽宇宙産業に必要な人材▽ロケット「カイロス」打ち上げへの期待と提案―などを問いかけて考えを探った。会場からの質問も若干受け付け、宇宙少年団の分団立ち上げに必要な事柄で遠藤さん、宇宙産業におけるエンターテインメントの展望で岡島さんが応答。最後に5人それぞれに射点がある地域へのメッセージを寄せて締めくくった。
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会場地の関心が特に高いところで、豊田さんは「今年の年末(の打ち上げ開始)を目指し一丸で開発を進めている。何とかこのスピード感で作り上げたい」と発言。地域も含めた一丸で成功させて皆さまのお役に立ちたいとした。
(2022年7月26日付紙面より)
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井関保で交通安全教室 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立井関保育所(山田有美所長)で22日、和歌山県警察本部交通部交通企画課安全教育係(通称・ひまわり)による交通安全教室が開かれ、園児たちが楽しく交通ルールを学んだ。
今後自転車に乗ったり友達と一緒に出かけたりすることが増える園児たちに、一つしかない命を守ってもらおうと、各園を巡って開催している。
園児たちは「アロハ~」のかけ声でニャン太郎や警察官と一緒に南の島へ出発。いたずらをしてサルの城に捕まってしまった「しんちゃん」を助けるため、町中に散らばった信号機や交通標識を集めながら、▽道や駐車場で遊ばない▽道路の右側の歩道を歩く▽車に乗るときはチャイルドシートに座る▽自転車に乗るときはヘルメットをかぶる―などを学び、最後に「飛び出しはしません!」と約束した。
同町を含む東牟婁郡の小中学校は、21日から夏休みに入っており、日中に子どもたちが遊びに出かけることが増えるこれからの時季は、ドライバー側も十分注意が必要だ。
(2022年7月26日付紙面より)
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西千恵子さんが「湯ごりの郷」に寄贈 (那智勝浦町 )
那智勝浦町浦神在住の西千恵子さん(86)は22日、社会福祉法人高瀬会(切士桂理事長)の地域密着型バーデンライフ・ケアセンター「湯ごりの郷」(切士知憲施設長、同町湯川)を訪れ、手作りのお手玉200個を寄贈した。
西さんがお手玉作りを始めたのは2004年、旧浦神小学校で低学年を対象にした「昔遊び学習」で子どもたちと一緒にお手玉遊びをしたことがきっかけ。その後、勝浦小学校からも声がかかり、西さんの元には両校の子どもたちから、感謝を告げるお礼の手紙が多数寄せられたという。
浦神地区では初午(はつうま)の日、厄年生まれの人がおはらいを受けた後に餅やお菓子をまく習わしがあることから西さんは一念発起。
自身が米寿を迎える今年の初午の日に餅と一緒にお手玉をまこうと米寿にちなみ880個のお手玉の製作を始めたが、新型コロナウイルス感染症の影響で餅まきは中止に。近所に住む切士理事長にお手玉寄贈の話を持ちかけたところ、切士理事長は快諾。この日の寄贈に至った。
なお、西さんは同施設のほか、町社会福祉協議会にもお手玉を寄贈。友人や孫にもプレゼントしたという。
お手玉遊びは認知症予防に効果があるといわれており、「高齢者の遊び」として取り入れている施設も多い。
寄贈を受けた切士理事長は「利用者さんの楽しみが増えた。昔を思い出してくれると思う。おじゃみ(お手玉)を見て、自分も作ってみたい、そう思う利用者さんもいるのでは。自身の生きがいを利用者さんの生きがいづくりにつなげてくれた。ありがたいです」。
切士施設長は「新型コロナウイルスの影響でご家族の面会も窓越しとなっており、夏祭りなどの地域交流行事も中止を余儀なくされている中、お手玉の寄贈は利用者さんにいつもと違う刺激をもたらしてくれると思う」と感謝。
西さんは「おじゃみは認知症にも良いと聞く。ぜひ活用してほしい。おじゃみ作りは楽しく、生地選びや色合わせなど頭を使うことも多いため自分のためにもなっている。次は1000個を目指したいですね」と笑顔で話した。
(2022年7月24日付紙面より)
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就労部会通じて業務委託 (国道168号美化協議会 )
新宮・東牟婁圏域自立支援協議会就労部会(小阪武部会長=障害者就業・生活支援センターあーち)を通じて業務を受託している、若者応援センター「ヨリドコ」の利用者らは22日、国道168号沿い5カ所に設置されている「公衆ごみ箱」の回収作業を実施した。回収されたごみは、同じく業務受託している社会福祉法人熊野緑会「なぎの木園」とひきこもり者社会参加支援センター「あづまプラッツ」に搬入され、分別や洗浄作業が行われる。
東牟婁地域と県内外各地域との往来のための主要道路である国道168号。沿道は住宅が少なく人目にもつきにくいことから、全域でポイ捨てによる空き缶やペットボトルなど飲料のごみが散乱しており、待避所や道の駅周辺では飲食物のごみが散乱している。沿道に捨てられたごみは熊野川に流れ込み、最終的に海に至る。
そういった状況の中、東牟婁振興局健康福祉部衛生環境課は昨年秋、168号沿いの道の駅および待避所計3カ所に実験的に公衆ごみ箱を設置。ごみ箱の維持管理における問題点と沿道などにおける散乱ごみの削減効果の検証を実施したところ、全域でごみの種類別に25~40%程度の削減効果が認められた。
検証の効果を鑑み、公衆ごみ箱の常設設置を行うことにより、路上などの散乱ごみ(ポイ捨てごみ)を低減させ、当地方の山・川・海の自然環境の保全に寄与することを目的に今年5月、東牟婁振興局、市、市観光協会、民間団体などで組織する「国道168号美化協議会」を設立。運営母体となって情報交換や連絡調整を行いつつ、官民一体で相互に連携して不法投棄対策活動を展開していくことを共有した。
就労が困難な障害がある人たちの活動を支援するとともに、就労などに係る現状や課題について協議や情報共有を行う新宮・東牟婁圏域自立支援協議会就労部会は、同美化協議会から「公衆ごみ箱」の回収分別などに関する業務委託の話を受けて協議を行い調整。部会員以外の事業所にも声をかけるなどして、前述の3事業所が請け負う運びとなった。受託金は工賃などとして利用者らに支払われる。
ごみの回収は月曜と金曜の週2回。168号沿い▽南桧杖▽相賀▽熊野川町田長(道の駅瀞峡街道熊野川)▽同町日足▽同町相須―の5カ所に設置されたごみ箱からごみを回収し、燃えるごみは市クリーンセンターに、それ以外のごみは分別などの業務を行う事業所に運搬する。
初日となったこの日、「ヨリドコ」の利用者や並河哲次理事長らが、回収作業に汗を流した。
部会長代理の南紀ひまわり作業所の日浦頼和主任は「少しでも地域の環境美化に寄与できれば」。
東牟婁振興局健康福祉部新宮保健所の堀内達司・衛生環境課長は「協議会は、賛助会員さんや関係団体の協力を頂き、熊野の自然を守るために発足した。設置したごみ箱にごみを捨てていただくことでこの美しい景観を守っていけるのであればそれが一番です」と話していた。
同協議会では6月、田長の公衆ごみ箱近くに、竹で作った「ごみ箱の維持管理募金箱」も設置。「ここ熊野の素晴らしい自然を守り、未来の子どもたちに残していくために」と協力を呼びかけている。
(2022年7月24日付紙面より)
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神倉小5年生が着衣泳 (新宮市 )
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)で19日、着衣泳があった。5年生64人が、同市を拠点に活動している健康運動指導士で「High―Five」の杉浦資史(もとし)代表から着衣時での泳ぎの困難さや対処法などについて学んだ。
同校育友会が主催の学年行事で、子どもたちに水難事故から自分の命を守る方法を身に付けてもらおうと実施。この日はクラス別で行われた。
1組32人の授業では訪れた保護者が見守る中、児童が水着で泳いだ後、それぞれが服を身に着けて再びプールに入ると「重たい!」「動きにくい」などの声を上げ、思うように泳げないことを体験。2人一組でペットボトルを使用し、あおむけで安全に浮く練習や浮力のある物にロープを装着して投げる救助法を教わった。その後、誰が最も長く浮いていられるかにも挑戦した。
杉浦さんは服を着た状態での水泳などには長所と短所があると説明。「着衣時には水を含むため重くなって泳ぐのが困難になる危険性がある一方で、空気が入りやすい状態にもなります。もしものときには体力を使わないことが重要。慌てず、落ち着いて『浮いて待つ』行動を忘れないでください」と呼びかけた。
名越真悠さんは「服を着ている状態が想像以上に重くて驚きました。改めて水の事故を起こさないように気を付けて水泳を楽しみたい」。
浅井扇介君は「水着と服を着ているときの動きが全然違うことを実感した。教わったことを忘れずに、万が一に備えて意識するのが大事だと思った」と話していた。
(2022年7月24日付紙面より)
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例大祭に向け那智の滝で (熊野那智大社 )
熊野那智大社(男成洋三宮司)は9日、世界遺産・那智の滝上の大しめ縄の設置を行った。14日(木)に斎行される国指定重要無形民俗文化財「那智の扇祭り(火祭)」を前にした恒例行事で、日本一の落差133㍍の滝口で神職たちが足元に注意を払いながら慎重に新しいしめ縄に取り換えた。なお、今年の扇祭りは人数制限や斎行時間の変更はあるが、3年ぶりに諸祭儀が例年通り執り行われる。
那智の滝は同大社の別宮・飛瀧(ひろう)神社のご神体。張り替え作業は例大祭前の7月と年末の毎年2回行われている。
しめ縄はサラシ製で長さ約26㍍、重さ約4㌔。大社本殿で安全祈願を行い、白装束に烏帽子(えぼし)姿の神職ら5人が表参道約2㌔の道のりを運んだ。到着後、命綱を着け、滝の流れに足をつけた神職らは声をかけ合いながら無事にしめ縄を設置した。
男成宮司は「天候は不安だったので無事、張り替えができて良かった。今年は3年ぶりに本来の形でお祭りができる。現在、感染者が増えているため、当日は世の中が平常に戻ることを祈願したい」と話していた。
おととし、昨年は新型コロナウイルスの影響で、規模縮小と一部中止で斎行された扇祭り。今年は、全国的にも観客を入れてのコンサートなどが開催されていることから、別宮における渡御祭の拝観者参入も認めるとしている。
3年ぶりとなる大和舞(稚児舞)と、「那智の田楽」は感染拡大防止の観点から、13日(水)夜の宵宮のみ、奉納される。
祭典時刻は、本社大前の儀を例年より1時間繰り上げて実施し、午後1時までに例大祭を終了する予定。
(2022年7月10日付紙面より)
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国連セミナーで忍足謙朗さん講話 (新宮高校 )
新宮市の県立新宮高校(東啓史校長)で8日、「国連セミナー」が開かれた。元国連世界食糧計画(WFP)アジア局長の忍足謙朗(おしだり・けんろう)さんが、世界の飢餓問題や紛争地などへの食糧支援について講話した。
高校生に国際機関で活躍する人々に触れる機会をつくることで視野を広げ、自身の可能性や人生選択を再考するきっかけとしようと学校が企画。忍足さんは30年以上国連で勤務し、WFPでは世界の紛争地や被災地に食糧を届ける緊急人道支援でリーダーシップを発揮してきた。
この日は「生徒と同じ目線で話したい」という忍足さんの意向から、生徒たちが円形に囲む形で講話。忍足さんは冒頭「世界は思ったよりも小さく、つながっている。しかし、公平にはできていない」と述べ「世界の8億人が飢餓に苦しみ、年間300万人の子どもたちが5歳の誕生日を迎える前に慢性栄養失調で亡くなっている」と説明。飢餓を深刻化させる要因として紛争を挙げ「ウクライナだけでなく、シリアやパレスチナ、イエメン、コンゴ、エチオピアなど多くの国々で紛争が続いている。紛争が起これば生活が破壊され、人々を生き延びさせ、インフラを回復させるために莫大な金額が必要になる。もしそれを学校の建設などに使うことができるようになれば、どれだけ世界や地域の発展につながることか」と人道支援に携わる葛藤についても語った。
ウクライナ紛争が食糧や燃料価格高騰を引き起こし、WFPの食糧支援にも影響を与えていることに触れ「『遠い国の出来事だから、自分には関係ない』という考えは捨ててほしい。困ったときはお互いさま」と世界の不平等に目を向け、国際的感覚を養っていくことの重要性を訴えた。
小林泰明君(2年)は「僕は将来、この地域の発展のために尽くしたいと思っている。『国際的な感覚を持ちながら、ローカルが豊かになるために尽くすのも、等しく重要』と考えを肯定してくれ、世界で活躍する人ながら、身近に感じることができた。戦争や紛争は、自分が求める地域の発展とは対極のもの」と話していた。
(2022年7月10日付紙面より)
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優秀安全運転事業所表彰 (新宮市 )
自動車安全運転センター和歌山県事務所(寺園勝人所長)と県警本部はこのほど、優秀安全運転事業所として、新宮市王子町の佐川急便株式会社新宮営業所(小川純一郎所長)に銀賞を贈った。8日に新宮警察署(田原正士署長)で表彰式があり、田原署長が小川所長と同営業所安全推進課主任の村田祐司さんに表彰状と盾を手渡した。
表彰は同センターが主催、警察が共催して毎年3期に分けて実施している。対象となるのは社員が20人以上で、そのうち8割がドライバーの事業所。社員は運転記録証明書を申請し、分析結果の交付を受けている。公私にわたって1年間の事故や違反が2%以内なら金賞、4%以内なら銀賞、5・5%以内なら銅賞が贈られる。連続3年間の成績では、プラチナ賞も設けられている。
今期は県内で金賞3、銀賞7、銅賞10の計20事業者が受賞した。同事業所は2017、18年に2年連続で金賞を受けており、昨年も金賞を受賞。会社全体で環境・安全面を最優先に事業に当たっている。
表彰式に立ち会った寺園所長は「今期は20事業者が受賞しており、ここ5年間では最も多い数字。皆さんに安全運転に気を付けていただいていることが分かった。運転記録証明書は安全運転のためのツールの一つとしてさらに多くの人に活用いただきたい」。
田原署長は「多くの人の模範となる運転をしていただいてありがたい。交通事故を減らすため、こういった事業者さんが1社でも増えていただければ」と感謝を伝えた。
表彰状を受け、小川所長は「村田主任を中心に、日々の注意喚起を行っている。飲酒運転にも注視し、そういったことがないように努めています」。
村田主任は「『ながら運転』などが大きな事故につながる。カメラ検証を行うなど防止に努めてます。今後も社内全員で無事故無違反を目指し安全運転を心がけたい」と気持ちを新たにした。
(2022年7月10日付紙面より)
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熊野川で七夕行事 (新宮市 )
熊野地方の各地で7日、七夕行事が行われた。天候にも恵まれ、願い事を書いた短冊をつるした笹飾りを手にした子どもたちや家族連れの姿でにぎわいを見せた。
新宮市の熊野速玉大社下河川敷では、感染症対策を講じた友人同士や家族連れが訪れ、「家族みんなが元気で暮らせますように」「ウクライナに日常が戻りますように」「アンパンマンになりたい」など、短冊に願い事を託した笹飾りを置き、「願いがかないますように」と手を合わせたりスマートフォンで写真を撮影したりする姿が見られた。
また、同所ではコロナ禍以降初めて露店商が出店。フランクフルトやかき氷、唐揚げ、くじ引きなどの露店に、多くの人が列を作っていた。
両親と3人で訪れた鈴木朝日(あさか)ちゃん(6)は「ふくいっぱいかえますように」と短冊に願いを託し「願いがかなうといいな。これからお父さんとお母さんに露店で何か買ってもらう」とはにかんだ。
七夕は盆行事の一つ。笹に短冊をつるす風習は江戸時代に広まった日本独自のもので、七夕の伝説に登場する織り姫にあやかり、裁縫や手習い事の上達を願うものだったという。
(2022年7月9日付紙面より)
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新宮市人権尊重委員会が総会
新宮市人権尊重委員会(会長・田岡実千年市長)は7日、市役所別館で本年度総会を開いた。約45人が出席し、本年度事業計画など3議案を承認。役員互選では谷口幸生・王子ヶ浜小学校長と中岸基英・市女性人権推進協議会長(再任)を選任した。開会に先立ち、田岡市長は「今なお残る差別の厳しい現実を十分に認識し、あらゆる手立てによって市民一人一人の尊厳と人権が尊重された、誰もが元気で心豊かに暮らすまちを実現していきたい」と誓いを新たにした。
市人権尊重委員会は、市における部落差別をはじめとするあらゆる差別の解消を目指し、基本的人権を確立するための事業を推進。明るい平和な地域社会の建設を図ることを目的に設置された。市関係部課長や市議会議員、教育長、学校関係者、社会教育・人権啓発関係団体代表者などで構成される。
本年度は「新宮市部落差別をはじめあらゆる差別の撤廃に関する条例」の理念に基づき、市民一人一人の参加による人権尊重都市の確立、差別のない新宮市の実現に向け、あらゆる機会を捉えた啓発活動を展開していく。
事業では▽部落差別を人権問題の重要な柱として捉え、多種多様化する人権課題について正しい理解と認識を深める啓発活動の積極的な推進▽あらゆる差別をなくすため、関係機関などとの連携を図り、推進体制の充実に努め人権尊重の精神に則り、人権課題解決に向け取り組む▽「人権に関する市民意識アンケート」の調査結果の分析を基に、効果的な人権教育・啓発などを推進▽部落差別事件が連続して発生する状況、また新型コロナウイルス感染症による社会様式の変化を踏まえ、新たな啓発活動の在り方について調査・研究する―などを予定している。なお、昨年度は市内の企業や人権推進協議会、機関、団体で人権問題学習会や研修会などが開かれ、2000人以上が参加した。
議案審議後には研修もあり、市人権教育指導員の谷嗣弘さんが「性の多様性とパートナーシップ制度」をテーマに講話。
先進7カ国で同性婚を認めていないのは日本だけであるとし「パートナーに対する医療行為に『同意』できない」「葬儀に参列できない」「配偶者控除制度が適用されない」など、性的マイノリティー(少数者)が抱える悩みや問題を解説。
自治体が独自にLGBTQカップルに対して「結婚に相当する関係」とする証明書を発行し、さまざまなサービスや社会的配慮を受けやすくする「パートナーシップ制度」について「法的効力はないが、4月1日現在で209自治体が導入しており、人口カバー率は52・1%で今なお増加している。県内でも橋本市が今年10月より導入することが決まっている」などと制度の現状を紹介した。
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今年は、1922年には大正デモクラシー期の日本において、部落差別の地位向上と人間の尊厳の確立を目的に全国水平社が結成されてから100年となる。
100年前の創立大会では「人の世に熱あれ、人間に光あれ」と宣言が結ばれ、人間の尊厳と平等がうたわれた。
新宮市では「部落差別解消推進法」(部落差別の解消の推進に関する法律、2016年)に先立ち、15年に「市部落差別をはじめあらゆる差別の撤廃に関する条例」を制定。あらゆる差別をなくし市民全ての人権意識の高揚を図り、差別のない新宮市の実現を目指して各種取り組みが推進されているが、昨今においても部落差別事件など多くの人権問題が発生している。
(2022年7月9日付紙面より)
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串本町立串本西中学校(平松聡校長、生徒31人)で7日に日本航空株式会社(JAL)のキャリア教育出前講座があり、全校生徒が自身の将来を考える一助を得た。
この講座は、発案者でもある同社業務企画職の丸島拓郎さんが希望する学校へ届けている学びの機会。前年度に招致した古座川町教育委員会から紹介を受けた串本町教育委員会が同町青少年育成町民会議(生熊和道会長)へ事業提案し、その承認を受けて町立中学校に参加を呼びかけたところ串本西中、潮岬中、串本中が希望し順次実施するに至ったという。
串本西中では来校した丸島さんと共にデジタルイノベーション推進部の三輪祥子さんがオンラインで登壇。丸島さんは学生時代の経験が働くことに生きることを伝えつつ将来を考えるきっかけをつくるためにこの講座をしていると生徒に趣旨を伝えて話を切り出した。
前半はJALグループが131社3万6000人規模の集まりであることの紹介で、丸島さんは多様な業務が互いを認め合いチームとして仕事をするからみんなが得意を発揮して頑張れる点を強調した。
後半は羽田空港で実現している非接触型発券環境のアイデアを出して社長表彰を受けた三輪さんがその成果を紹介。丸島さんはアイデアを出したのは三輪さんだがこれもチームで動いてこその形、と補足して個々の得意がチームとして動くときの力強さを印象づけた。
半ばと終盤で生徒の自由質問も受け付け。仕事でつらかったことを問われた三輪さんは海外の人と一緒に仕事をするときの英会話に苦労したと明かし、「人に喜んでもらえるなら」という思いで克服に頑張っていると仕事の本質を伝えるなどした。
講座を経て清野直人君(3年)は自分のしたいことを続けることで思いがけない仕事に就きやりがいも得られるという筋道が印象的だったとコメント。丸島さんは「大人になるって楽しそうと思ってもらえることが一番。そのために学生の間はまず、目の前のこと(=興味)に頑張ってほしい」と生徒の今後を期待した。
潮岬中は翌8日に参加。串本中は秋に参加予定という。
(2022年7月9日付紙面より)
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9、10日、「勝浦展」開催
那智勝浦町教育センターで8日、近畿運輸局勝浦海事事務所、紀南海運協会、公益社団法人近畿海事広報協会、東牟婁地方美育協会が共催する「海と船の絵画コンクール」の審査会があった。9日(土)と10日(日)には、同所で3年ぶりとなる「勝浦展」を開催する。
海の恩恵に感謝するとともに、海洋国家日本の繁栄を願う日として制定された祝日「海の日」(7月18日)、および「海の月間」(7月1~31日)の協賛行事。
本年度は新宮・東牟婁地方の小学校から534点(特別支援51点含む)、中学校62点、合計596点の応募があった。水辺の生き物や海を泳ぐクジラ、マグロが並ぶ市場など、海と関わりの深い熊野地方の自然や文化をモチーフとした作品が寄せられ、特選120点が決定。各学年から1点が勝浦海事事務所長賞に輝いた。
審査に加わった勝浦海事事務所の中川洋所長は「絵を描いた子どもたちの姿を想像しながら審査した。海や船に注目し、興味を持っていただければうれしい。感染対策を取りつつ、ぜひお子さんたちの作品を見てほしい」と語る。
「勝浦展」の開場時間は9日午前9時~午後5時、10日午前9時~午後4時。30日(土)と31日(日)には、太地町立くじらの博物館で「くじら館展」も開催予定にしている。
(2022年7月9日付紙面より)
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「オレンジガーデニングプロジェクト」始動 (那智勝浦町 )
「世界アルツハイマー月間の9月にはオレンジ色の花を咲かせましょう」「認知症になっても暮らしやすいまちをみんなで創っていく」などを目的に掲げ花を育て、認知症啓発のシンボルカラーであるオレンジ色の花を咲かせる「オレンジガーデニングプロジェクト」。認知症への理解を深めるためのこの活動は全国各地でも広がりを見せており現在、那智勝浦町でも産声を上げている。
町地域包括支援センターで勤務し、認知症地域支援推進員でもある岩本ひろ子さんは昨年9月にこのプロジェクトを知り、自身にも何かできないかを模索。
今年4月に自費で、キバナコスモスとともにおすすめの花とされるマリーゴールドの種を購入。毎年色とりどりの花が美しいことで有名な同町下里の下里とも子ガーデンの岩本カナエ代表に協力を呼びかけた。
とも子ガーデンは花壇所有者の故・笠松朝子さんの遺志を受け継いだ会員や住民らがボランティアで管理している花壇。とも子ガーデンのメンバーが作業を進め、780本の苗が育った。
その後、岩本さんと同じ認知症地域支援推進員に近日、任命される職員がいる下里のグループホームつつじ園と湯川の社会福祉法人高瀬会の地域密着型バーデンライフ・ケアセンター「湯ごりの郷」に苗を届け、各施設で育て活動を広めてもらうこととなった。
とも子ガーデンは6月26日に太地町地域福祉センター梛(なぎ)で実施されたフリーマーケットに出店。認知症の普及啓発を行い、マリーゴールドの苗を販売した。
また、とも子ガーデンと岩本さん自身が育てた苗の一部は現在、町役場の玄関にあり、来庁者を出迎えている。
町福祉課の桝本佳貴さんは「町だけでなく、地域の方々との企画。とも子ガーデンの皆さんのように集まり活動することが認知症予防のモデル。町が関わることができてありがたい」。
岩本さんは「フライングでスタートしたが、認知症への理解や啓発のために実施しています。プロジェクトに賛同いただける方で、マリーゴールドを育てる方を募集するなどを今後、検討していきたいです」と話した。
岩本代表は「岩本さんの思いを受けて、とも子ガーデンでも広めたいと思った。プロジェクトに参加できてうれしい。啓発の一助になれるように努めたい。苗を販売し、協力金として頂いたお金は福祉に役立てたいと考えています」と語った。
(2022年7月1日付紙面より)
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「ご当地ナンバー」は継続審査へ (新宮市議会6月定例会 )
新宮市議会(榎本鉄也議長、15人、欠員2)の6月定例会は6月30日、市一般会計補正予算(第2号)などを可決し閉会した。総務建設委員会に付託されていた「ご当地ナンバー導入の実現を求める請願書」は閉会中の継続審査となった。
「市支所設置条例の一部を改正する条例」や特別会計などを可決。「市議会議員及び市長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例」では、岡﨑俊樹議員が「国の法律が変わったからといって国の基準に従う必要はない。公費負担を下げるなど、条例の検討を行うべき」と反対討論。対し福田讓議員は「上限が上がっても常識の範囲内で選挙で戦っていくのが議員の務めでは」などと賛成の立場を示した。議案は賛成多数で原案通り可決した。
閉会に当たり、田岡実千年市長は議員らに対し「貴重な意見を賜り、また市の施策にもさまざまな提案を頂きありがたい」と感謝を伝えた。
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議会中、大西強議員は議事進行で、自身の一般質問において損害賠償請求事件に言及した件で、田岡市長が「補助参加人の控訴の権利を剝奪することもできたが議員の意思を尊重した」などとした答弁に対し「市民の不利益になるから控訴しないと言うのであれば、大西の意思を尊重してはいけないのでは」などと指摘。発言の訂正もしくは撤回を求めた。
対し、榎本議長は「市長の意思を確認したが、指摘の内容については、発言により不快な思いをさせたとしたら申し訳ない、法的な詳しい内容に関しては弁護士と相談したいとしていた」と伝えた。
(2022年7月1日付紙面より)
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串本消防署の第2警防班 (串本町消防本部 )
串本町消防本部の串本消防署第2警防班が6月29日、串本漁港の一角で水難救助訓練に取り組み必要と見据える技術の習熟に努めた。
この訓練は、年間を通して盛んな釣りに加え水浴なども始まって水難事故が多発しやすい夏季への備えとして毎年実施。同本部内の警防班それぞれに訓練計画を立てて実践する形で順次取り組んでいる。
この日実践に臨んだ串本消防署第2警防班は今回、喫緊で事例があった車両の海中転落対応(想定訓練)と溺者対応(資機材取り扱い訓練)の2系統で訓練を計画。班員12人が参加し、想定訓練は事故の認知から始め通報や現場での聞き取りで得た情報に基づいて救助隊(陸上・洋上組)と潜水隊(海中組)に分かれ、海中に沈んでいる要救助者を救助艇も駆使して陸まで救出する手順をその場で迅速的確に組み上げて実行した。
資機材取り扱い訓練は救命索発射銃で要救助者を避けつつ至近に浮環弾を投じる内容。海域での使用となるため、要救助者より沖に投じロープで引いて浮環を届ける設定で主に若手隊員がベテラン隊員指導の下で取り扱いを実践した。
安全管理者としてこれら訓練を見守った内田真也署長は「串本町内では結構な頻度で水難事故が多く起きている。対応できるよういろんな訓練を繰り返してほしい」と職員の今後に期待。同日現在で期日未定だが、第1警防班も近日中に独自の内容で水難救助訓練に臨むという。
(2022年7月1日付紙面より)
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人権講話会で性を学ぶ (矢渕中 )
紀宝町立矢渕中学校(立嶋信雄校長、生徒211人)は6月29日、体育館で人権講話会を開催。全校生徒が「パープルリボンくまの」の中谷奈央子さんから包括的性教育を学んだ。
元養護教諭で思春期保健相談士の中谷さんは「いま知りたい!思春期のからだ・こころ・性」をテーマに、「思春期は子どもから大人に近づき大人スイッチがオンになる時期。いつ入るかは人によって違うが、性ホルモンの働きで体も心も変わり、不安定になりやすい。自分を否定してしまう時期だが、どんな自分でも大丈夫。まずは今の自分を受け止めてほしい」と呼びかけた。
思春期は▽イライラする▽なんとなく寂しい▽自意識過剰▽友達とぎくしゃくする▽性への関心―などの特徴があるとし、自身の経験を交え「思春期、反抗期はいつの間にか始まり、終わる。いつまでも続くものではない」と伝えた。
「性は生まれながらの心の在り方。人権は自分らしく幸せに生きる権利で誰もが生まれながらに持っている。男の子、女の子は体や戸籍上のこと。性的指向、性表現などは人それぞれ。どう生きていくのかこれから自分で考え、みんなが堂々と生きられる学校や社会を考えてほしい」と語った。
これまで中学生から受けた体、性、恋愛などの質問を紹介。「みんなは相手にNOと言える?」と問い「相手に合わせるのはしんどくて自分らしく幸せに生きられない。相手にNOと言える、相手のNOを受け入れることで、良い人間関係が築ける。自分と相手の考えは違う。受け入れる考えを持ってほしい」とアドバイスした。
(2022年7月1日付紙面より)
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