JUNTOSメンバーが農業体験 (那智勝浦町 )
那智勝浦町長井にある太地町立子育て支援室・子どもの居場所づくり指導員の村上和弥さん所有の田んぼで22日、新宮・東牟婁地方を拠点に活動する中学生クラブチーム「JUNTOS(ジュントス)フットボールクラブ」の2年生17人が田植えに取り組んだ。生徒らは晴天の下、楽しみながら農業体験に汗を流していた。
農業体験は、同クラブの⻆利則さんが、知人の村上さんに協力を求めて昨年から始まった。現在はクラブの取り組みとして、2年生で田植えと稲刈りの体験が実施されることとなっている。
この日は、田植え前に村上さんが田園風景の中で講義を実施。農業繁忙期に、学校を休んで農業を手伝うという学校教育法の農繁休暇に触れて農業の大切さを説いた。
さらにサッカーなどのスポーツに焦点を当て、チームワークについても解説。その源流・原点には狩猟や採集があるとし、獲物を捕らえるためには、仲間同士の協力が必要であったと述べた。
また、多くの大会入賞者を輩出するなど、長年取り組んできたけん玉の指導を挙げ「けん玉で養えるコンセントレーション(集中力)、コンフィデンス(自信)、コントロール(調整力)は農業やサッカーにとっても重要。どれが欠けてもいけない」と話した。
その後、生徒らは田んぼに入り、手で苗を植える昔ながらの田植えに取り組んだ。続いて、筋引きにも挑戦。各作業の際も、互いに声をかけ合いながら、和気あいあいとした姿が見られた。
同クラブのクラブマネジャーの向井健人さんは「普段食べているお米は、生産者の方々が作ってくれていることを理解してもらえたら。体験を通して、心の成長を育んでほしい。必ずサッカーにも生きてくる」。
大堀陽向さん(城南中2)は「講義はとてもためになった。田植えも楽しく、良い経験になりました。プレー中の集中やチームワークにも役立つと思います」と語った。
村上さんは「チームワークには、仲間に対しての優しさと思いやりが必要になる。三つのCとともに、今後のサッカーや生活に生かしてもらえたら」と語った。
(2023年4月28日付紙面より)
「マグロのぼり」掲揚 (熊野那智大社 )
5月5日の「こどもの日」に先立ち、熊野那智大社(男成洋三宮司)境内では、マグロを模したこいのぼり「マグロのぼり」が青空の下、風を受けて元気よく泳いでいる=写真。
「マグロのぼり」は、生マグロの水揚げ日本一を誇る同町のPRにと、南紀くろしお商工会が同大社に奉納したもの。青色と赤色のマグロはそれぞれ約4㍍。
同大社によると、21日に設置し、5月7日(日)まで掲揚されるという。27日は晴天の下、優雅に泳ぐマグロのぼりの様子を撮影する観光客の姿が見られた。
滋賀県から家族で訪れた50代女性は「那智勝浦町ならではのこいのぼりがかわいらしい。旅の記念になりました」と笑顔で話していた。
井戸大輔禰宜(ねぎ)は「海外から多くの観光客が見えられている。5類移行も含め、新型コロナウイルスも収まりつつある感じもある。観光客の方はもちろん、地元の皆さまもゴールデンウイークにご参拝の際は、ぜひマグロのぼりを見ていただけたら」と話していた。
(2023年4月28日付紙面より)
ふるさと資料館前で6月3日に (紀宝町 )
小学生が描いたホタル灯ろう作品を展示する紀宝町の「ほたる灯ろう展」が4年ぶりに復活する。例年同様、町ふるさと資料館前広場を会場に、6月3日(土)午後6時30分から開催することが決まった。
ホタルの飛び交う美しい町になることを願い「ほたるを守る会」(蔵本一範会長)が主催。新型コロナウイルスの影響で3年間中止になっていたが、今年は26日の総会で再開が決定した。
今年もほたる夢太鼓の演奏で開幕し、優秀作品表彰式、ホタル学習、○×クイズの後、灯ろうに明かりをともす。
町内全小学校に灯ろうのイラスト作成を依頼しており、蔵本会長は「保護活動は続けてきたが、ようやくイベントが再開できるようになった。灯ろう作品を出品してくれる小学生の思いを大切にしたい。当日は、ぜひご来場ください」と話している。
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例年実施している活動の一つとして23日、町内3地区7カ所にホタルの保護啓発を呼びかける看板を設置した。
会員が3グループに分かれて、ホタルが生息する井田川、神内川、相野川の各地区に掲げた。看板には「ホタルは自然環境のバロメーター」と記し、5~6月中旬までホタル保護のため草を残していることを伝えた。
町内にはゲンジ、ヘイケ、ヒメの3種類のホタルが生息しており、毎年、ホタルが飛ぶ5月1日から6月中旬まで、「ほたる生息パトロール」に取り組んでいる。
(2023年4月28日付紙面より)
町教委設置のカメラ捉える (古座川町 )
古座川町直見(ぬくみ)にある大谷湿田の監視カメラがこのほど、コウノトリ2羽の飛来を捉えた。
このカメラは、町教育委員会教育課が野生動物などの侵入状況を把握するため2月~4月に設置。シカやカラス、タヌキとみられる動物などと共に見慣れない大型の鳥の姿もあり、映像から読み取れる情報を基に調べた末、コウノトリとみてほぼ間違いないと判断した。
飛来したのは3月20日正午前後。監視カメラはハッチョウトンボの幼生が生息する水域を中心に設置していたため何時間ほど同湿田に滞在していたかは分からないが、同日日中に3回、何かをついばみながら歩き回る様子を捉えていた。
洞内宏文課長によると、4月半ばまでに撮影した映像データを回収して内容を確かめたところ、コウノトリの姿が含まれていて驚いたという。映像から足環の個体識別情報までは読み取れなかったが、他方で22日に那智勝浦町中里でコウノトリ2羽の目撃事例があり同じ個体ではないかというところで結論が落ち着いている。
コウノトリは体長1㍍超の渡り鳥で、国内の野生種は1971年に絶滅したと判断され、以降に国内で目撃されているのは再度野生種を宿すために放たれている個体が大半。識別のために頑丈な足環が左右2個ずつ付いているのが特徴で、四つとも付いていない個体が現れたら求めて止まない自然繁殖で生まれた野生種か、国外から飛来したと考えられる。
(2023年4月28日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部
奥熊野いだ天ウルトラマラソン
新宮市議選
4月23日23時55分確定【定数15】
当落 | 得票数 | 候補者名 | 年齢 | 党派 | 現元新 |
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当 | 1,276 | 大石 元則 | 68 | 無 | 現 |
当 | 1,213 | 湊川 大介 | 61 | 無 | 新 |
当 | 1,007 | 榎本 鉄也 | 66 | 公 | 現 |
当 | 995 | 竹内 弥生 | 62 | 無 | 現 |
当 | 945 | 東原 伸也 | 57 | 自 | 現 |
当 | 933 | 濵田 雅美 | 57 | 無 | 現 |
当 | 911 | 三栗 章史 | 59 | 無 | 現 |
当 | 900 | 榎本 友子 | 63 | 公 | 新 |
当 | 882 | 福田 讓 | 73 | 無 | 現 |
当 | 877 | 大西 強 | 79 | 無 | 現 |
当 | 821 | 中山 忠吏 | 53 | 無 | 新 |
当 | 740 | 百村 匡洋 | 35 | 無 | 新 |
当 | 675 | 吉良 康利 | 50 | 無 | 新 |
当 | 668 | 大坂 一彦 | 59 | 無 | 現 |
当 | 539 | 月輪 匡克 | 55 | 無 | 新 |
535 | 小川 峰男 | 73 | 共 | 新 | |
511 | 岡﨑 俊樹 | 38 | 無 | 現 |
当日有権者数 22,712人
投票者数 14,567人
無効投票数 139票
投票率 64.14%
新宮小売酒販組合(辻良治理事長)などは21日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店で20歳未満飲酒防止・飲酒運転撲滅全国統一キャンペーンの街頭啓発を実施した。組合員ら約50人が買い物客らにチラシと啓発物資を配った。
毎年4月は「20歳未満飲酒防止強調月間」。和歌山県小売酒販組合連合会では、致酔性・依存性を有する酒類を販売する立場から、この月を中心に広報啓発活動を展開し、20歳未満の者の飲酒を中心とするアルコール関連問題の現状を県民に伝えるとともに、組合員の意識高揚を図るため、2000年から街頭キャンペーンを実施。新宮組合では1993年から街頭キャンペーンを展開している。
国税庁では20歳未満の者が飲酒をしてはいけない理由について▽脳の機能を低下させるおそれがある▽肝臓をはじめとする臓器に障害を起こしやすくする▽性ホルモンの分泌に異常が起きるおそれがある▽アルコール依存症になりやすくなる▽20歳未満の者の飲酒を禁ずる法律がある―を挙げている。
この日、街頭啓発には同組合のほか新宮市や新宮警察署、大阪国税局、新宮税務署、新宮納税協会などが参加した。
辻理事長は、活動参加に感謝を伝え「今日は天候にも恵まれた。私はお酒を売る立場だが、20歳未満の飲酒と、飲酒して運転してはいけないということを強くアピールしていきたい」などと開会宣言。
河野武・新宮税務署長は「これからはコロナの取り扱いも変わってくる。酒販組合も盛り上がっていくためにも今日の啓発が素晴らしいものになれば」。井田昌樹・新宮警察署長は「警察としても、20歳未満の飲酒防止、飲酒運転の取り締まりに力を入れていきたい」。
田岡実千年市長は「お酒は20歳になってからというルールと、飲んだら乗らないということを皆さんと共に啓発していきたい」とそれぞれあいさつした。
「飲まへん、売らへん、勧めへん」「二十歳未満の飲酒は法律で禁止されています」などと放送が流れる中、参加者らは買い物客らに啓発物資を配布。ルール順守の重要性を訴えかけた。
また、この日は高校生に運動の趣旨を伝えようと早朝、通学時間に合わせてJR新宮駅でも啓発を展開。近畿大学附属新宮高校・中学校の生徒会も活動に参加し、電車から降りてくる高校生に「20歳未満の飲酒はやめよう」と呼びかけた。
(2023年4月23日付紙面より)
台船使わず那智漁港で打ち上げ (那智勝浦町 )
那智勝浦町花火大会実行委員会(串俊男会長)は20日、令和5年度の第1回実行委員会を同町役場で開いた。新型コロナウイルスの影響で、中止となっていた夏の風物詩である花火大会が今年8月11日(金・祝)、4年ぶりに開催されることが決定した。会合では、台船を使用せず、最大号数を5号玉とした花火を、那智漁港の突堤から打ち上げるなどの事務局案が承認された。
同大会は平成19年に町民手作りの花火大会として復活し、夏の恒例行事となっている。コロナ禍で、第13回の大会開催後は中止となっていた。
会合の冒頭で、大会長の堀順一郎町長や同実行委員会の串会長は、町民に喜んでもらえる大会を実施したい旨を伝えた。
今大会では、天候と海況による延期や中止のリスクを減らすため、台船を使用しないこと、それにより、約140万円の削減ができることがメリットとして挙げられた。
デメリットでは、保安距離の観点から、従来の最大号数「10号玉」の打ち上げができず、最大が5号玉になることや、那智漁港側に来場者が集約、代替駐車場確保の必要性などがあるとした。
そのほか▽予算はコロナ禍も考慮し、協賛金や寄付金の集まりが予想できないため、前回より約400万円減額して計上▽昨年同様に今年秋・冬ごろに、町主催の花火大会を開催▽夏の花火は「追善供養」、秋・冬の花火は「観光誘客」が目的▽プロポーザルは行わず、昨年秋の大会を担当した岐阜県の業者に随意契約を行う―などの事務局案が示された。協議の結果、全て承認となった。
委員からは「4年ぶりなので、観光の起爆剤となるためにも、他地域に負けないものにしてほしい」「前回は10号玉をどれくらい打ったのか」「最大5号でも、大きくきらびやかに見せる業者じゃないといけない」「業者はこれまで通りに2年ごとのプロポーザル方式で選ぶべきでは」などの意見が挙がった。
事務局は「打ち上げ位置の変更や寄付金減額などに伴う予算も考慮しつつ、大会の詳細や花火の構成は、業者や実行委員会と協議し、進めていく」「前回は10号玉は20発」「今回は最大が5号玉。発数は維持し、きらびやかに演出したい」「昨年11月の花火はプロポーザル方式で前述の業者に決定した。この業者の当町における実績を考慮し今回、事務局案を提出した」と答えた。
業者の選定では、事務局案について多数決で賛否を問い、賛成多数で承認された。なお、大会の開催は町ホームページで周知するほか、協賛金の協力なども呼びかけていくとした。
(2023年4月23日付紙面より)
まなびの郷、ふるさと資料館に (紀宝町 )
紀宝町立図書館は、町生涯学習センターまなびの郷ふれあいゾーンと、田代公園内のふるさと資料館「みどりの里」にリサイクル本コーナーを設置した。5月31日(水)までで、気に入った本があれば持ち帰りできる。
利用対象は紀宝町内在住、在勤に限る。来館の際は本を入れる袋などを持参し、検温、手指消毒などに協力すること。
役目を終えた本を有効活用するため、2施設にリサイクルコーナーを設けた。現在、両施設に並ぶリサイクル本は雑誌、文庫本、手芸本などで、今後さまざまなジャンルの本を追加するという。
初日の22日、まなびの郷には雑誌や小説、盆栽大百科、総合百科事典など1000冊近くが並び、訪れた人たちは目当ての本や気に入った本を持ち帰っていた。
開館時間は、まなびの郷が午前9時から午後9時まで、ふるさと資料館は水曜日~日曜日の午前9時30分から午後2時30分まで。
問い合わせは、同図書館(電話0735・32・4646)まで。
(2023年4月23日付紙面より)
三輪崎少年剣道大会
パートナーシップ・ファミリーシップ制度 (那智勝浦町 )
那智勝浦町では1日より、パートナーシップ・ファミリーシップ制度を導入する。和歌山県内では昨年10月に導入した橋本市に次ぐ2例目で、ファミリーシップ制度導入は県内初となる。
パートナーシップ制度とは、性的少数者のカップルが互いを人生のパートナーや家族として、表明した関係であることを宣誓して町が証明するもの。
婚姻や親族関係の形成、相続、税金の控除などの法律上の効果は生じないが、各種行政サービスの適用が拡大される。同町では宣誓をした場合、町営住宅の入居申し込みや町立温泉病院において、家族と同様の対応が行われる。
ファミリーシップ制度では、二人のほかに、家族として暮らしている子どもや親などの家族との関係も証明される。
昨年12月20日、同町で性の多様性を祝福し、分かち合う催し「レインボーフェスタ」を開催しているレインボーフェスタ那智勝浦実行委員会の代表を務める丸山都さんら7人が堀順一郎町長を訪問し、両制度導入を求める署名計1万1798筆(直筆・オンライン含む)を届け、制度導入を訴えた。
堀町長は導入を約束。庁内各課や丸山さんらとも協議・検討を重ねてきたという。同町では今後、さまざまな場面で実質的な効果を伴うよう整備を検討し、事業者や町民に周知啓発を進めていくとしている。
堀町長は「町では『那智勝浦町人権尊重の社会づくり条例』を制定し、一人一人の人権が尊重される豊かな社会の実現に向けて取り組みを進めている。その中で、LGBTQをはじめとする性的マイノリティの方々への取り組みとして両制度を導入する。今後とも、町民一人一人が互いに人格や多様性を認め合い、誰もが自分らしくいきいきと暮らせる社会の実現に取り組む」とコメントしている。
丸山さんは導入について「制度がある町は素晴らしい。帰りたい町、住みたい町になってほしい。多様なセクシュアリティーや婚姻の平等がない日本で、小さなつまずきが日々の生活にある僕たち当事者を知ってもらうきっかけになれば」。
制度の検討・導入に踏み切った同町について感謝を示す一方で、研修会の実施など、制度への理解が進んでいるかは不安が残ると主張。町民への広報についても尽力してほしいと要望している。
丸山さんは「今回は婚姻制度を利用できないLGBTQのみが対象。限られた少数者だけでなく、あらゆるSOGI(性的指向と性自認を表す)の皆さんが使える制度になることを願ってます」と語った。
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■宣誓方法など
宣誓には▽双方が成人▽双方が町内に住所を有しているまたは町内への転入を予定している▽双方が他の者と法律上の婚姻関係にない▽双方が他の者とパートナーシップの宣誓をしていない▽双方が直系血族または三親等以内の傍系血族、直径姻族の関係にない▽ファミリーシップを宣誓する人は、パートナーシップにある者の一方または双方の子または親等と生計が同一である―という全ての要件に該当が必要。
手続きには、同町パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓書や住民票の写しまたは住民票記載事項証明書(町内に住所がないときは、転入予定が分かる書類) 、配偶者がいないことを証明する書類(戸籍抄本、戸籍全部事項証明書、婚姻要件具備証明など) 、本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど顔写真の貼付があるもの)、通称名が確認できるもの(通称名を希望する人のみ)を準備する。
宣誓日の事前予約は、希望日の5日前までに町福祉課生活・障がい支援係(電話0735・52・2945)まで連絡する。宣誓予約した日時に二人で来庁し、必要書類を提出する。
宣誓内容や要件を確認し、不備などがない場合は後日、宣誓証明書が交付される。
(2023年4月1日付紙面より)
新宮市にヘリサイン寄贈 (県調査士協会 )
(公社)和歌山県公共嘱託登記土地家屋調査士協会(吉田秀幸理事長)から新宮市の2カ所へ、屋上ヘリサイン併設型登記基準点の寄贈があり、その寄贈式が3月30日、新宮市役所であった。吉田理事長が目録を手渡し、救助や物資輸送に役立ててもらえるよう呼びかけた。
屋上ヘリサインとは、災害などで空路を活用する際に、ヘリコプターが上空から目的地を確認できるよう、屋上に施設名を大きく表示したのもの。登記基準点は緯度、経度、標高などを示す印で、通常は金属製で地上に設置されている。屋上ヘリサイン併設型は、ヘリサインの一部に丸に十字の登記基準点が描かれている。併設すればヘリサインの位置情報が公開されるほか、復旧作業の際の基準点にもなる。
同協会は、公益事業の一環として、屋上ヘリサイン併設型登記基準点の寄贈を和歌山県内の各所で実施している。新宮市にも打診し、設置場所を協議。海に近い王子ヶ浜小と光洋中の屋上に、1文字4㍍四方の学校名を設置することになった。両校ともに、体育館が市の指定避難所でもある。
素材は反射フィルムで、緑地に黄文字の校名がデザインされており、右端下方に直径約20㌢の基準点がある。校名が光り、夜でも上空300㍍から確認できる。両方とも縦は4㍍、横は王子ヶ浜小が20㍍、光洋中が12㍍で、接着剤で屋上に貼り付けてある。三輪崎小も候補だったが、屋上の状態が不向きだった。
寄贈式には吉田理事長のほか、同協会の常任理事、理事、新宮支所長も同席した。吉田理事長は「救助活動や物資輸送などに役立てていただければ。また(別の市町村でも)希望があれば、予算の範囲で寄贈の相談に乗りたい」と話した。田岡実千年市長は感謝を伝え「引き続きご支援を」と呼びかけた。
なお、同協会による寄贈は、すでに有田市、日高町、由良町、田辺市などで、主に学校屋上で行われており、新宮市の両校で9、10カ所目となる。那智勝浦町でも宇久井中と那智中の屋上に設置し、寄贈式を4月下旬に行うよう調整している。
(2023年4月1日付紙面より)
魅力伝える絵本も出版 (島田麻衣さん )
サウナの魅力を伝えたい―。那智勝浦町宇久井の島田麻衣さん(27)は、新宮市や東牟婁郡、三重県の南牟婁郡や熊野市で、無料の「ふるまいサウナ」を実施している。テントサウナを車で運び、河川敷などに設営。交流サイト(SNS)で来場を呼びかけ、現地に居合わせた人も誘う。サウナの絵本も自費出版を予定など、その活動はとどまることを知らない。
島田さんは、同町宇久井の出身。宇久井小中、新宮高校を卒業し、兵庫県、大阪府、東京都で約10年を過ごし、地元にUターンした。サウナに出会ったのは、東京都にいた頃。「銭湯に行ったらサウナがあって好きになった。サウナ施設で働いた後、こっちに戻った」と明かす。テントサウナは、最初は友人知人を誘う程度だったが、昨年から知らない人にも来てもらう「ふるまいサウナ」を始めた。
サウナの魅力について「入りに来る人の様子や中の雰囲気が銭湯のよう。人もサウナも温かく迎えてくれ、ぼうっと何も考えずに中で過ごし、出るとちょっとした幸せに気付ける」と話す。「この魅力を他の人にも伝えたい」と行動を起こした。
絵本は、子どももサウナに親しんでほしいとの思いで執筆した。「本格的なサウナは、子どもは入れないイメージ。子どもにも気軽に楽しんでほしいと、絵本を描いた」という。費用は、クラウドファンディングで寄付を募り、目標額を達成。6月末に製本を予定している。タイトルは「もくもくサウナ」。4匹の動物が登場してサウナを楽しむ。絵は独学だが、以前から趣味だった。
「サウナと絵本と和歌山がテーマ。絵本をきっかけにサウナを知ってもいいし、サウナをきっかけに絵本を読んでもいい。そしてその両方で、再発見として和歌山に出会う、そのきっかけになれば。ふるまいサウナにぜひ来て」とまとめた。
なお絵本は、近隣の図書館や学校に寄贈できればと考えている。ふるまいサウナの情報は、インタグラム(https://instagram.com/mai.shimada037?igshid=YmMyMTA2M2Y=)に掲載。絵本購入を希望する場合は、インスタを通して受け付けるという。また、いつかはサウナ施設を持ちたいとの夢もあるとのこと。
(2023年4月1日付紙面より)