住民らがこいのぼり設置 (新宮市熊野川町 )
熊野川地域フラワーツーリズム推進協議会(下阪殖保会長)は24日、新宮市熊野川町日足道路バイパス付近の水田で、毎年恒例のこいのぼり設置作業を実施。地域活性化などへの思いを込めた。
2011年9月の紀伊半島大水害からの復興への願いを込め、また「地域の人々を元気づけたい」との思いから、地元住民らが設置を始めて11回目。なお、災害復興イベント「鯉(こい)のぼり祭り」は新型コロナウイルス感染症の影響を鑑み、今年も中止となっている。
11年まで町内イベントで使用し、熊野川行政局で保管していたこいのぼりは水害の際に全て流出。現在使用しているこいのぼりは、熊野川行政局が新聞などで呼びかけを行い、県内各地から集まったものだ。
この日は、会員と行政局職員ら約10人が設置作業に当たった。熊野杉の間伐材で作った高さ約12㍍のポール6本を立てて取り付けると、30匹のこいのぼりは風を受けて元気に泳いだ。
こいのぼりの設置期間は5月14日(日)ごろまで。下阪会長は「イベントを催すたびに12年前の水害を思い出す。日々の生活の中でも、一瞬忘れてもすぐに思い出す。全てあの水害につながっている」と水害に思いをはせる。
「(こいのぼりを)子ども連れの家族が見に来てくれるとそれだけで元気になる。少しでも明るい話題につながればうれしい。マスクを外して、みんなで元気に過ごせる日が来ればいいですね」と話していた。
(2023年4月27日付紙面より)
初の国民保護制度研修 (那智勝浦町 )
他国による高頻度で発射される弾道ミサイルなどの事案を受け、那智勝浦町は25、26の両日、役場大会議室で職員に対する国民保護制度研修を初開催した。元自衛官で町総務課企画員・防災対策担当の柴田通仁さんが講師を務め、制度の理解と知識の習得のために講話を行った。
同制度は万一、武力攻撃や大規模テロが発生した際に、国や地方公共団体、関係機関などが協力して住民を守るための仕組み。
研修は、危機管理における国民保護などを含む制度の概要を学び、武力攻撃事態などから、住民の生命・身体・財産を守るための基礎的な知識を育成することが目的。2日間で合計8回実施した。
柴田さんは、国民保護の三つの柱として「住民の避難」「避難住民の救援」「武力攻撃災害への対処」を挙げ、「国民保護計画は、全庁職員が取り組むもの。全員が周知しておかなければならない」と述べた。
そのほか▽武力攻撃事態▽緊急対処事態▽過去日本で発生した緊急事態例▽着上陸侵攻や弾道ミサイルなどの武力攻撃事態の類型▽防災と国民保護の差異▽住民等の避難に関する措置の流れ▽町で作成している避難パターン―などの詳細を、元自衛官の専門知識を生かしながら解説した。
国民保護に携わる人たちや、そのために使用される場所などを識別するために使用される「特殊標章」について説明。ジュネーブ諸条約で保護されていることや同町でも職員数以上に準備しているとした。
また、戦時中に同町浦神で、米軍航空機による攻撃があった事案などにも触れた。
柴田さんは「国を取り巻く安全保障環境を受けて、国や県でも国民保護制度に基づく役場の対応が求められている。制度についての知識や意識を持っていただけたら」と締めくくった。
柴田さんによると、他府県の自治体では役場や自衛隊、消防、警察が協力して、大規模な訓練に取り組んでいるという。同町でも今後、同様の訓練実施を目標に取り組んでいきたいと話していた。
(2023年4月27日付紙面より)
「やまじ採れたて市」を新築 (御浜町 )
御浜町山地の無人市場「やまじ採れたて市」が26日、新築オープンした。広々としたスペースに木々や休憩エリアを設け、利用者と生産者、利用者同士をつなぐ憩いの場、ふれあいの場にリニューアルした。
建物は以前より天井が高くなり、幅21㍍に20のブースが並ぶ。壁には絵地図作家の植野めぐみさん(津市在住)と看板館が共同製作した作品を設置。上空から斜めに見下ろした伊勢から串本までの山並み、七里御浜海岸などが描かれている。ミカンの種類も紹介し、「年中みかんのとれる町」をPRした。
2010年に開設。年中無休で、町特産のかんきつや新鮮な野菜など地元産品が多くそろう市場として人気を集めてきた。より多くの人が利用しやすいよう、株式会社R.LinkCorporation(椋野玲史・代表取締役会長)と山地地区企業会が前回に続き建設し、無償提供した。
駐車場も広くなり、防犯カメラを4台設置、管理棟も新築した。午後10時まで営業するため、照明も加えた。
初日はイチゴ、フルーツジャム、みかんジュース、生きくらげ、野菜、ミカンなどがそろい、地元産品を買い求める客でにぎわった。山地地区企業会からの寄付もあり、管理責任者の尾﨑英夫さんは「将来性を見込んで建て直してくれた椋野会長に感謝しています。くまのグリーンファームを中心に各店舗が年間を通してより良い商品を提供したい。お客さんと生産者との信頼関係が大切で、ぜひ協力してほしい」と話している。
(2023年4月27日付紙面より)
新宮市役所で応援展示
新宮市は、FIFA女子ワールドカップ(W杯)オーストラリア&ニュージーランド2023に挑むサッカー女子日本代表(なでしこジャパン)の跳躍を願い、市役所1階玄関ロビーで応援展示を行っている=写真。
熊野は日本サッカー協会のシンボルマークである「ヤタガラス(八咫烏)」と日本サッカーの始祖といわれる那智勝浦町名誉町民の中村覚之助の古里。その縁で、熊野三山協議会(会長・田岡実千年新宮市長)は2002年W杯日韓大会から熊野三山一寺で必勝を祈願している。
FIFA女子W杯は7月20日(木)に開幕。2011年以来、3大会ぶり2度目の優勝を目指す日本女子代表はグループCで初戦は22日(土)。ザンビアと対戦する。
応援展示は5月12日(金)まで。展示はいったん終了するが、開幕前に改めて展示を行う予定としている。(西久保勢津子)
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日本サッカー協会では「なでしこジャパン応援キャンペーン」として、写真で作る応援モザイクアートを実施する。「笑顔」「サッカー」「なでしこジャパン」にまつわる写真を募集しており、寄せられた写真でモザイクアートを制作する。応募者の中から抽選で7人に、なでしこジャパン選手のサイン入りグッズが当たる。
応募期間は5月14日(日)まで。詳細はキャンペーンページ(QRコード)を参照。
(2023年4月27日付紙面より)
県スポ少バレー東牟婁予選
スポ少野球東牟婁大会
第43回マクドナルド・トーナメント
投票率は過去最低 (新宮市議選 )
任期満了(30日)に伴う新宮市議会議員選挙が23日、投開票され、現職9人、新人6人の計15人が当選した。トップ当選は現職の大石元則氏(68)で1276票を獲得した。投票率は64・14%(前回69・75%)で、これまで最低だった2015年の68・59%を下回り、過去最低となった。
15の議席をめぐり、現職10人、新人7人の計17人が立候補していた。現職3人が勇退を表明する中、早々に新人が立候補の動きを見せるなど、告示前から選挙戦モードとなっていた。
各候補者は、少子高齢化、人口減少、医療福祉、まちの活性化など、市の諸課題を争点に舌戦を展開。23日午後8時10分から市立総合体育館で行われた開票作業では、各候補の支持者らが固唾(かたず)をのんで作業の様子を見守った。結果確定は午後11時55分。当選した各陣営では、候補者と支持者らが喜びを分かち合った。
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何も言うことはない。誠心誠意、皆さんの役に立ちたい、その一心で務めさせていただく。力を合わせれば、新宮市はきっと良くなると思う。日々の生活が健康で、たとえつらいことがあってもまた頑張れるようなまちを目指したい。何より大きな災害が控えている。犠牲者を出さないのは当然のことだが、何が起こっても悔いのないように準備しておくこと、そして災害が起こっても立ち直れるような、そんな新宮市であってほしい。
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結果には驚いている。同級生、友人、先輩の方々。皆さん本当に一生懸命やってくれた。一票一票の重さをひしひしと感じている。特に防災、減災に力を注ぎたい。「逃げる」という訓練を積み重ね、そして各自治会で防災リーダーを育成していく。資格を取得するために補助金を出してもらうなどして防災士をたくさんつくる。まずは人の育成が必要だと思う。
(2023年4月25日付紙面より)
奥熊野いだ天ウルトラマラソン
4年ぶりとなる「奥熊野いだ天ウルトラマラソン」(同実行委員会主催)が23日、那智勝浦町の山間部をコースに開催された。和歌山県や大阪府などの近畿地方をはじめ、北海道から沖縄県までの28都道府県から485人が100㌔、80㌔、65㌔の3部門に分かれて自慢の健脚を競い合った。
同大会は1999年に当地で催された「南紀熊野体験博」の関連イベントとして「奥熊野100㌔マラソン」の名称でスタートし、今回で第23回を迎えた。第11回大会で初めて100人を超えて以降、回を重ねるごとに参加者数は増加していたが、新型コロナウイルスの影響により2020年以降は中止となっていた。
今大会は「ボランティアで地域力がアップする!」をテーマに行われた。レースは、100㌔の部が午前5時に那智の滝前、80㌔が午前6時45分に井鹿エイド近く、65㌔が午前8時15分に西中野川トンネルをスタートした。
参加者は那智山や太田、色川などの各地域を巡るコースを走り、沿道からの応援やボランティアスタッフらのサポートを受けながらゴール地点の補陀洛山寺を目指し、100㌔総合で木畑貴行さん(和歌山市)が7時間40分21秒、80㌔総合で蛯原和弘さん(奈良県)が9時間13分36秒、65㌔総合で東田薫さん(大阪府)が4時間29分51秒でそれぞれ優勝を果たした。
木畑さんは「2014年の参加以来、初めての優勝なのでうれしいです。40㌔付近が最も苦しかったが、絶対に歩かない気持ちが結果に表れたと思う。また来年も挑戦したい」。
東田さんは「久しぶりの参加で1位になることができて最高。50㌔手前の山道がきつくて少し歩いてしまいましたが、何とか乗り越えることができました。ボランティアや地域の方々から熱い応援を頂き、温かみを感じる素晴らしい大会。来年も参加し、2連覇を目指していければ」と笑顔を見せていた。
(2023年4月25日付紙面より)
4年ぶり、企業と地域団体が (紀宝町 )
パナソニックエレクトリックワークス紀南電工株式会社(外岡正博代表取締役社長)は22日、「農山村活性化の取組に関する協定」を結ぶ地域活性化団体「神内生き活き協議会」(矢熊敏男会長)の協力を得て、紀宝町神内の田んぼで田植え作業を行った。
協定は県が2012年度から取り組む「三重のふるさと応援カンパニー推進事業」の一環で、農山漁村の豊かな地域資源を生かして、社会貢献や新規ビジネスなどに取り組む企業や地域を応援する事業。
締結した17年4月から毎年、田植え、稲刈り体験をしてきたが、新型コロナウイルスの影響で20年から中止となっていた。
4年ぶりの今年は従業員と家族ら106人と協議会の会員12人が参加。外岡社長が「待ちに待ったイベントの再開。今日は楽しみながら植えましょう」、矢熊会長が「皆さんの神内を応援する心で再開することができた。慣れない作業で大変ですが頑張ってください」とあいさつ。参加全員で記念撮影した。
休耕田になる予定だった17㌃の田んぼで作業を開始。ほとんどの参加者が田植え初体験で、悪戦苦闘しながらもコシヒカリの苗を丁寧に植えた。
1時間の作業で泥んこになった子どもは「楽しかった。稲刈りも楽しみ」と笑顔を見せていた。
休止していた3年間は協議会が稲を育て、米を同社に届けてきた。今年は8月20日ごろに稲刈りを計画しており、収穫した新米は従業員に配り、社員食堂でも提供するという。
(2023年4月25日付紙面より)
泉涓一さんヤエン釣りで (串本町 )
串本町古座、泉涓一さん(90)が18日午後に動鳴気漁港で3・2㌔のアオリイカを釣り上げた。3㌔超は20年ほど前に釣り上げて以来の大物で、90歳になっても衰えない腕前に感心する声が近所から上がり始めている。
泉さんは20年ほど前に船釣りを引退して以降も年間を通して陸釣りを愛好している。アオリイカは陸釣り一本になったころから釣り始めたそうで、釣法はヤエン釣り。多い年には1シーズン(3~6月)で100匹ほど、その頃は7~8匹釣れた日もあったという。最近は産卵場所の海藻が減っているのか数が伸びないが、それでも昨シーズンは28匹を釣り上げ地元で今も一目置かれる存在であり続けている。
「2㌔ちょいちょいはよく釣っている」。18日はその手応えを上回るアタリがあり、力負けして50㍍ほど糸を持っていかれたが何とか体勢を立て直し、愛用の磯竿1・5号や道糸3号をかばいつつ寄せてヤエンを投入。触腕に針がかかった状態で釣り上げた。30分ほど格闘した末の釣果で、その瞬間は「やれよと思った」という。
16日にも2・8㌔のアオリイカを釣り上げていて好調続きの泉さんだが、「今年は近場に活アジ(=ヤエン釣りの餌)がない」と悩みも。あっても高値で、遠出をしてまとめ買いしても釣る前に死なせたら意味が無く、そのあたりのやりくりが今は大変だという。
アオリイカのシーズンはまだ前半。泉さんは「昔は日が昇る前から釣りをしていた。今は午後に行くことが多くなったが、元気なうちは釣りを続けたい」と続投に意気込んでいる。
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串本の魚に詳しい南紀串本観光協会の宇井晋介事務局長(元串本海中公園センター水族館館長)によると、泉さんが釣り上げた3・2㌔のアオリイカはレッドモンスターと通称されるアカイカ型の雄。沖合で最大5~6㌔まで育つ大型種(3㌔はまだ普通の域)で、それが動鳴気漁港に寄っているとするとさらに大物がかかるかもしれないという。
(2023年4月25日付紙面より)
春季高校野球和歌山県予選
新宮市議選
4月23日23時55分確定【定数15】
当落 | 得票数 | 候補者名 | 年齢 | 党派 | 現元新 |
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当 | 1,276 | 大石 元則 | 68 | 無 | 現 |
当 | 1,213 | 湊川 大介 | 61 | 無 | 新 |
当 | 1,007 | 榎本 鉄也 | 66 | 公 | 現 |
当 | 995 | 竹内 弥生 | 62 | 無 | 現 |
当 | 945 | 東原 伸也 | 57 | 自 | 現 |
当 | 933 | 濵田 雅美 | 57 | 無 | 現 |
当 | 911 | 三栗 章史 | 59 | 無 | 現 |
当 | 900 | 榎本 友子 | 63 | 公 | 新 |
当 | 882 | 福田 讓 | 73 | 無 | 現 |
当 | 877 | 大西 強 | 79 | 無 | 現 |
当 | 821 | 中山 忠吏 | 53 | 無 | 新 |
当 | 740 | 百村 匡洋 | 35 | 無 | 新 |
当 | 675 | 吉良 康利 | 50 | 無 | 新 |
当 | 668 | 大坂 一彦 | 59 | 無 | 現 |
当 | 539 | 月輪 匡克 | 55 | 無 | 新 |
535 | 小川 峰男 | 73 | 共 | 新 | |
511 | 岡﨑 俊樹 | 38 | 無 | 現 |
当日有権者数 22,712人
投票者数 14,567人
無効投票数 139票
投票率 64.14%
新宮小売酒販組合(辻良治理事長)などは21日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店で20歳未満飲酒防止・飲酒運転撲滅全国統一キャンペーンの街頭啓発を実施した。組合員ら約50人が買い物客らにチラシと啓発物資を配った。
毎年4月は「20歳未満飲酒防止強調月間」。和歌山県小売酒販組合連合会では、致酔性・依存性を有する酒類を販売する立場から、この月を中心に広報啓発活動を展開し、20歳未満の者の飲酒を中心とするアルコール関連問題の現状を県民に伝えるとともに、組合員の意識高揚を図るため、2000年から街頭キャンペーンを実施。新宮組合では1993年から街頭キャンペーンを展開している。
国税庁では20歳未満の者が飲酒をしてはいけない理由について▽脳の機能を低下させるおそれがある▽肝臓をはじめとする臓器に障害を起こしやすくする▽性ホルモンの分泌に異常が起きるおそれがある▽アルコール依存症になりやすくなる▽20歳未満の者の飲酒を禁ずる法律がある―を挙げている。
この日、街頭啓発には同組合のほか新宮市や新宮警察署、大阪国税局、新宮税務署、新宮納税協会などが参加した。
辻理事長は、活動参加に感謝を伝え「今日は天候にも恵まれた。私はお酒を売る立場だが、20歳未満の飲酒と、飲酒して運転してはいけないということを強くアピールしていきたい」などと開会宣言。
河野武・新宮税務署長は「これからはコロナの取り扱いも変わってくる。酒販組合も盛り上がっていくためにも今日の啓発が素晴らしいものになれば」。井田昌樹・新宮警察署長は「警察としても、20歳未満の飲酒防止、飲酒運転の取り締まりに力を入れていきたい」。
田岡実千年市長は「お酒は20歳になってからというルールと、飲んだら乗らないということを皆さんと共に啓発していきたい」とそれぞれあいさつした。
「飲まへん、売らへん、勧めへん」「二十歳未満の飲酒は法律で禁止されています」などと放送が流れる中、参加者らは買い物客らに啓発物資を配布。ルール順守の重要性を訴えかけた。
また、この日は高校生に運動の趣旨を伝えようと早朝、通学時間に合わせてJR新宮駅でも啓発を展開。近畿大学附属新宮高校・中学校の生徒会も活動に参加し、電車から降りてくる高校生に「20歳未満の飲酒はやめよう」と呼びかけた。
(2023年4月23日付紙面より)
台船使わず那智漁港で打ち上げ (那智勝浦町 )
那智勝浦町花火大会実行委員会(串俊男会長)は20日、令和5年度の第1回実行委員会を同町役場で開いた。新型コロナウイルスの影響で、中止となっていた夏の風物詩である花火大会が今年8月11日(金・祝)、4年ぶりに開催されることが決定した。会合では、台船を使用せず、最大号数を5号玉とした花火を、那智漁港の突堤から打ち上げるなどの事務局案が承認された。
同大会は平成19年に町民手作りの花火大会として復活し、夏の恒例行事となっている。コロナ禍で、第13回の大会開催後は中止となっていた。
会合の冒頭で、大会長の堀順一郎町長や同実行委員会の串会長は、町民に喜んでもらえる大会を実施したい旨を伝えた。
今大会では、天候と海況による延期や中止のリスクを減らすため、台船を使用しないこと、それにより、約140万円の削減ができることがメリットとして挙げられた。
デメリットでは、保安距離の観点から、従来の最大号数「10号玉」の打ち上げができず、最大が5号玉になることや、那智漁港側に来場者が集約、代替駐車場確保の必要性などがあるとした。
そのほか▽予算はコロナ禍も考慮し、協賛金や寄付金の集まりが予想できないため、前回より約400万円減額して計上▽昨年同様に今年秋・冬ごろに、町主催の花火大会を開催▽夏の花火は「追善供養」、秋・冬の花火は「観光誘客」が目的▽プロポーザルは行わず、昨年秋の大会を担当した岐阜県の業者に随意契約を行う―などの事務局案が示された。協議の結果、全て承認となった。
委員からは「4年ぶりなので、観光の起爆剤となるためにも、他地域に負けないものにしてほしい」「前回は10号玉をどれくらい打ったのか」「最大5号でも、大きくきらびやかに見せる業者じゃないといけない」「業者はこれまで通りに2年ごとのプロポーザル方式で選ぶべきでは」などの意見が挙がった。
事務局は「打ち上げ位置の変更や寄付金減額などに伴う予算も考慮しつつ、大会の詳細や花火の構成は、業者や実行委員会と協議し、進めていく」「前回は10号玉は20発」「今回は最大が5号玉。発数は維持し、きらびやかに演出したい」「昨年11月の花火はプロポーザル方式で前述の業者に決定した。この業者の当町における実績を考慮し今回、事務局案を提出した」と答えた。
業者の選定では、事務局案について多数決で賛否を問い、賛成多数で承認された。なお、大会の開催は町ホームページで周知するほか、協賛金の協力なども呼びかけていくとした。
(2023年4月23日付紙面より)
まなびの郷、ふるさと資料館に (紀宝町 )
紀宝町立図書館は、町生涯学習センターまなびの郷ふれあいゾーンと、田代公園内のふるさと資料館「みどりの里」にリサイクル本コーナーを設置した。5月31日(水)までで、気に入った本があれば持ち帰りできる。
利用対象は紀宝町内在住、在勤に限る。来館の際は本を入れる袋などを持参し、検温、手指消毒などに協力すること。
役目を終えた本を有効活用するため、2施設にリサイクルコーナーを設けた。現在、両施設に並ぶリサイクル本は雑誌、文庫本、手芸本などで、今後さまざまなジャンルの本を追加するという。
初日の22日、まなびの郷には雑誌や小説、盆栽大百科、総合百科事典など1000冊近くが並び、訪れた人たちは目当ての本や気に入った本を持ち帰っていた。
開館時間は、まなびの郷が午前9時から午後9時まで、ふるさと資料館は水曜日~日曜日の午前9時30分から午後2時30分まで。
問い合わせは、同図書館(電話0735・32・4646)まで。
(2023年4月23日付紙面より)
三輪崎少年剣道大会
京都橘大訪問し熱意伝える (那智勝浦町 )
「那智勝浦町に京都から多くの学生が来て、にぎやかになれば。『学生版蟻の熊野詣』の実現に向けて取り組んでいく」と同町の熊野カフェオーナー・畑中卓也さんは語る。その主旨に賛同した町内の飲食、宿泊、菓子、観光船などの事業者ら12人が集い4日、同町と「大学のふるさと」として地域連携協定を結ぶ京都市の京都橘大学(以後、橘大)を訪問した。一行は橘大を見学し交流を深めるとともに、自身らの構想や熱意を伝えた。
自立・共生・臨床の知を教学理念に掲げ、多様な学部・学科を設置する橘大は、2001年に文化政策学部を開設した。
当時、町職員だった畑中さんは、同学部開設の新聞広告に胸を打たれたという。町の観光に生かすべく、個人的に交流を図り、橘大にも訪問を重ねた。その努力や関係者の協力の結果、町と大学が協定を締結。町に学生を迎え、多くの催しにも取り組んできた。
退職後も橘大との関係を絶やさないように努めてきた畑中さんはその集大成を「学生版蟻の熊野詣」だと話す。院政期の熊野御幸をきっかけに、多く人々が熊野の地を訪れた「蟻の熊野詣」になぞらえたもので実現には、学生をもてなす民間の協力が必須だと訴える。
橘大の学生が学生証を提示すれば、町内の各店舗で、割引が受けられる仕組みを整備するとした。それにより、学生が歴史や文化、人に触れ、町のファンになることで将来再び、来町してもらえる「未来の観光」につなげることが目的だ。
参加者はJR紀伊勝浦駅に集合し、京都を目指した。到着後は、橘大学術事務部学術振興課の宮前重徳課長や中村圭吾さんが一行を迎えた。宮前課長は「那智勝浦町さまとご縁を頂き、20年近い。感染症も緩和へと進むため、さまざまな連携ができるはず。学生が訪れた際は、優しく迎えていただけたら幸いです」とあいさつした。
畑中さんは「連携を密にし、互いが良い方向に進むことができれば。多くの学生に来てほしい」とし、「学生版蟻の熊野詣」への思いも伝えた。
その後、中村さんの案内で校内の各施設を見学。現在は7000人の学生が在籍するが、新学科の設置に伴い、学生数が約1万人に上ることなども説明された。
訪問後、畑中さんは「親切で丁寧な対応に、誠意を感じた。ありがたい。熊野にはポテンシャルがあり、研究材料も豊富。教職員の方にとっても価値ある町にしていくことが大事。学生に足を運んでいただき、町に触れてほしい。家族ができた後にも、来町してもらうことで交流は代々と続く。最終的にはその輪を京都中の大学に広げたい」と語った。
今後は、受け入れ態勢構築のために専用のマップを作成するとした。マップの表では連携協定や「学生版蟻の熊野詣」の趣旨を説明。裏には、町の地図と協力事業者の店舗や情報を番号順に掲載する予定だ。完成後は町内各所に置き、学生を迎える。
(2023年4月22日付紙面より)
福祉委員に8地区314人を委嘱 (新宮市社会福祉協議会 )
新宮市社会福祉協議会(濵前泰弘会長)は20日、市福祉センターで福祉委員委嘱式を開いた。濵前会長が地区の代表者らに委嘱状を手渡し、協力を求めた。
福祉委員は高齢者や障害者など福祉問題を抱えている人たちに福祉情報を提供し、問題の解決を図っていくボランティア。福祉問題の発見や福祉情報の伝達、関係性づくりなどを通して福祉のまちづくりを推進する。任期は2年。
濵前会長は、日頃の活動に感謝を述べ「私が思う福祉委員は、地域の住民の方にとって最も身近な地域のアンテナのような存在。いろいろな関係者や専門職の方などと連携しながら、そして近隣の住民の方と一緒になって生活や福祉の課題、困り事などの解決に向けて取り組んでいただきたい」と協力を呼びかけ。
「市社会福祉協議会としても皆さんと一緒に新宮市の福祉の向上を目指して取り組んでいきたい」と誓いを新たにした。
委嘱式後には研修もあり、見守り協力委員DVD「地域見守り協力員制度について」を視聴。県内における高齢者の見守りを巡る状況や地域見守り協力員の内容と取り組み、具体的な見守り事例などについて学びを深めた。
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委嘱状を受け取った各地区の人数は次の通り。
▽丹鶴28人
▽千穂第一47人
▽千穂第二31人
▽蓬莱31人
▽王子49人
▽三佐木・蜂伏22人
▽高田32人
▽熊野川74人
(2023年4月22日付紙面より)
那智勝浦町2校に寄贈 (県調査士協会 )
(公社)和歌山県公共嘱託登記土地家屋調査士協会(吉田秀幸理事長)から那智勝浦町の2カ所へ、屋上ヘリサイン併設型登記基準点の寄贈があり、その寄贈式が20日、那智勝浦町役場であった。吉田理事長が堀順一郎町長に目録を手渡し、救助や物資輸送に役立ててもらえるよう呼びかけた。
屋上ヘリサインとは、災害などの際にヘリコプターが上空から目的地を確認できるよう、屋上に施設名を表示したもの。登記基準点は緯度、経度、標高などを示す印で、通常は地上に設置されるが、屋上ヘリサイン併設型では下部右端に描かれている。
同協会は、公益事業の一環として、和歌山県の各所で寄贈を実施。那智勝浦町でも、宇久井中と那智中の屋上に設置した。緑地に黄文字で校名が描かれ、夜間に光る。両方とも縦は4㍍、横は宇久井中が16㍍、那智中が12㍍。基準点は直径約20㌢。両校は津波災害時の町の指定避難所でもある。
寄贈式には吉田理事長のほか、同協会の常任理事、理事、新宮支所長も同席した。吉田理事長は「ヘリのパイロットは地図を渡され飛ぶよう言われるそうだが、(災害で)見た目が変わり、土地勘もなかったりする。目印としてヘリサインは有効」と説明。堀町長は「(大規模な)地震津波で浸水した際は、おそらく国道もなかなか通行できず、ヘリによる物資輸送は助かるかと。有意義なサインをありがとうございます」と感謝を伝えた。
同町から同協会に対する、感謝状の贈呈もあった。
(2023年4月22日付紙面より)
こいやロケットののぼり (潮岬青少年の家 )
串本町潮岬にある県立潮岬青少年の家が20日、こいのぼりやロケットのぼりを掲げ始めた。5月7日(日)まで、気象状態を見てその日の実施の有無を判断するそう。掲揚中は随時観賞しこどもの日(5月5日)に向けて気持ちを高めてもらえればという。
青少年の健全育成を主目的として運営されている同家。こいのぼりの掲揚はこどもの日前後に期間を設定して例年実施していて、最近は地元のロケット「カイロス」打ち上げに向けた応援として3年前に使い古したシーツを再利用して手作りしたロケットのぼりも一緒に掲げている。
今年も本館前ロータリー上に親ひもを張り、こいのぼり4本(うち吹き流し1本)とロケットのぼり3本を横一線で掲げている。もっとも大きいこいのぼり〈黒色の真鯉(まごい)〉は長さ約8㍍。掲揚を担当する職員・長谷洋さんは「この大きさのこいのぼりはもう、まちなかでもなかなか見られないと思う」と自負し、その迫力を間近に感じながら子どもの元気な成長を願ってもらえればと期間中の観賞を呼びかけている。
同家は期間中の6日(土)に連休中の一家だんらんを応援する主催事業「孫(こども)とグラウンド・ゴルフを楽しもう」を実施するとし、現在子どもと祖父母または親のペアでの参加希望を受け付け中(参加費は1ペア1000円)。その参加者にも見届けてもらえるよう、子どもの日をまたいでの期間設定をしている。
ロケットのぼりは真鯉、緋鯉(ひごい)、子鯉を模して大中小があり、もっとも大きいものは長さ6㍍。生地が厚く重さがあるが、相応に風がそよぐとこいのぼりと並んで青空を背景にしてたなびく様子が見られる。問い合わせは同家(電話0735・62・6045)まで。
(2023年4月22日付紙面より)
JR西と東海がイベント
JR西日本とJR東海の合同ハイキングイベントとして、「世界遺産のまち新宮・熊野のまちなみめぐり」が15日、新宮市であった。雨天の中、参加者が順次、JR新宮駅に降り立ち、新宮市内の観光名所を歩いて巡った。
JR西日本は「ふれあいハイキング」、JR東海は「さわやかウォーキング」の名称で、同様のハイキングイベントを沿線各所で実施しており、今回は合同実施することになった。双方ともに参加者カード(アプリ)があり、参加するとポイントが付与される。たまると景品と引き換えてもらえる。
今回は、スタート、ゴールともに新宮駅とするコースで、距離は約5㌔。徐福公園、阿須賀神社、新宮城跡、仲之町商店街、香梅堂、熊野速玉大社、神倉神社、浮島の森を巡って新宮駅へと戻る。所要時間は約2時間20分を見込んだ。
合同企画ということもあり、通常より多めの参加ポイントが付与された。名古屋方面、大阪方面の両方面からの参加を見越して、受付時間は午前8時50分から午後0時10分までとなっていた。両方面からの特急到着時間を念頭にした時間設定だった。配布する記念品も用意されていた。
雨天ということもあり、参加者は分散して訪れた。受付でマップを受け取り、コースへと出発した。愛知県名古屋市から参加した、会社員の瀬王清隆さん(44)は「この(さわやかウォーキング)イベントにはよく参加している。今回は、せっかく世界遺産の場所に来たので、神社をゆっくりと参拝しながら巡ろうかな」と話した。
また、新宮駅のホームでは「子供制服体験」も行われた。JR西日本とJR東海の両方の制服が用意され、子どもが試着を、保護者が撮影を楽しめるようになっていた。
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イベントの実施に合わせ、新宮市観光協会による「しんぐう駅マルシェ」も開かれた。柏堂切畑屋、観光協会と徐福公園、瀞峡めぐりの里熊野川、エンゼルが出店し、菓子や軽食、地域特産品などを販売してにぎわせた。
(2023年4月18日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)の例大祭「本宮祭」が16日、渡御祭(とぎょさい)で締めくくられた。晴天に恵まれ、神を移した神輿(みこし)と時代行列が社殿から旧社地の大斎原(おおゆのはら)まで練り歩き、斎庭(さいてい)神事が営まれた。
主祭神の家津美御子大神(けつみみこのおおかみ)(スサノオノミコト)などを祭り、五穀豊穣(ほうじょう)を祈る祭り。主祭神が「我を祀(まつ)るに母神(イザナミノミコト)をも祀れ」と命じたという故事から、熊野市の花の窟(いわや)から母神を迎え、挑花(ちょうばな)と呼ぶチョウを付けた菊の造花を奉じて鼓・笛・旗をもって祭りを行うようになった。
今年は、新型コロナウイルス感染対策を講じつつも、4年ぶりに従来の規模で斎行。なお、渡御祭は15日に斎行予定だったが、雨天のため日程を変更して執り行われた。
神木の榊(さかき)を手にした神職を先頭に、天狗(てんぐ)や修験者、稚児など約200人の行列が続いた。ほら貝や笛の音が響く中、4年ぶりとなる子ども神輿、桜神輿、本神輿が「わっしょい」の掛け声とともに渡御。参道やまちなかには、地域住民や観光客らの笑顔が広がった。
大斎原では地元小中学生が「大和舞」「八咫烏(やたがらす)舞」を奉納し、子どもたちによる御田植神事、父と子の八撥神事が行われた。熊野修験道の採燈大護摩、餅ほりもあり、多くの人でにぎわった。
斎庭神事を終え、九鬼宮司は「多くの方々に協力いただき、コロナ禍以前の形で斎行することができた」と関係者や地域住民、参列者らに感謝。
「全国的に少子化が進むが、本祭は子どもの協力がないと成り立たない。子どもたちには改めて感謝を伝えたい」と拍手を送った。
(2023年4月18日付紙面より)
飛雪の滝キャンプ場で体験会 (紀宝町 )
サウナテントの聖地、紀宝町浅里の飛雪の滝キャンプ場で16日、サウナ体験会「Hisetsu Sauna Festival」が開かれた。サウナ初体験の来場者らが、深いリラックス状態になることを意味する〝整う〟を堪能した。
春の二大イベントの第2弾。高温のロシア式サウナ「モルジュ」、フィンランド式サウナ「サボッタ」など3種類のテントサウナを無料で体験できる催し。お菓子と飲料水のプレゼントもあった。
キャンプ場は2019年2月からフィンランド製のテントサウナを導入し、大自然の中で体験できるサウナとして注目を集めている。
この日は晴天に恵まれ、訪れた人たちは30分ほどのテントサウナで汗を流し、水風呂代わりの滝つぼに入り、ここでしかできない体験を満喫した。体験した男性は「テントサウナも滝つぼも初めて。最高に気持ち良かった」と話していた。
キャンプ場では、29日(祝・土)~5月6日(土)のゴールデンウイーク期間中、千葉、東京、京都、大阪、兵庫などからの宿泊客でコテージやテントサイト、研修室の宿泊施設、テントサウナの予約が全て埋まっているという。
(2023年4月18日付紙面より)
七川漁協が稚アユ放流 (古座川町 )
古座川町の七川漁業協同組合(中田善和組合長)が14日、管内流域で稚アユ800㌔の放流に取り組んだ。
県内水面漁業協同組合連合会が事業委託する、資源増強を目的とした取り組み。七川漁協は600㌔を標準としてその年の放流量を計画しているが、今年も大手釣り具メーカー「株式会社シマノ」が協賛し200㌔分を上積みして稚アユを調達した。
この日は組合員ら約30人が集合。届いた稚アユを▽古座川本流400㌔▽古座川支流平井川300㌔▽同支流添野川100㌔―と割り当て、手分けして放流用ホースやバケツリレーでそれぞれの河川各所へ分散放流した。
県内水面漁連によると、今回の稚アユは海産と人工産が半々で、おおむね体長約10㌢、体重8㌘強、匹数に換算して10万匹弱。中田組合長は海産を本流、人工産を支流に充てて様子を観察し、必要であれば冷水病対策アユの追加放流も検討するとしている。
七川漁協管内のアユはアマゴと並ぶ管理対象魚で、今年の漁(友釣り)の解禁日は6月3日(土)と設定。中田組合長は「ここ最近の取り組みで本漁協の認知も年々広まってきている。伴って増える釣り客の皆さまのための環境を保つことは並大抵の努力ではないが、組合員一同で頑張っている。今年も管内流域へご来場いただき、満足していただければ何より」と話し、この日の放流の指揮に励んでいた。
七川漁協管内でアユ漁をする場合は、七川漁協が発行する鑑札が必要(日券2000円など、18歳以下は年齢が確認できる書類提示で無料)。問い合わせは管内の赤いのぼりを立てたおとり店や七川漁協(電話0735・77・0063)まで。
(2023年4月18日付紙面より)
近大新宮は初戦敗退 (春季高校野球和歌山県予選 )
スポ少野球東牟婁大会が開幕
第24回三輪崎少年剣道大会
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)の春の例大祭「本宮祭」を間近に控え、同大社の敬神婦人会が3日、同大社の瑞鳳殿で行っていた「挑花(ちょうばな)」作りを終えた。祭典で使用する無病息災などを願う縁起物で、約600本を用意した。
同大社の氏子総代会(榎本隆文・総代会長)の依頼を受けて毎年、敬神婦人会が手作りしている。菊を模した造花「挑花」は、直径約15㌢、高さ約60~90㌢。昨年の11月に、氏子総代会が材料となる竹を本宮町内から切り出して集め、12月から敬神婦人会の有志5人が作り始めた。赤、白、黄などの紙を花びらや葉の形に切り、接着剤などで貼り付ける。
この日は、4人が作業を行った。慣れた手つきながらも慎重に、黙々と作っていた。本宮町請川の岸谷和代さん(86)は「新型コロナも収まりつつあり、元の生活に戻りつつある。(本宮祭の)15日は、また皆さんが熊野本宮大社へお参りいただければ。皆さんの健康を願い、一本一本丁寧に作らせていただいています」と話した。
本宮祭は、13日(木)から15日(土)にかけて行われる。コロナ禍の影響でこれまで規模を縮小していたが、今年はコロナ禍前の規模に戻しての実施を予定している。挑花は6基の木箱に入れられ、15日の午後からの渡御祭で旧社地の大斎原(おおゆのはら)へと渡る。
かつては大斎原で、氏子が挑花を奪い合ったが、現在は餅まきの赤餅と引き換えている。昨年はコロナ禍の影響で渡すだけだった餅も、今年はまく。授与する挑花は300本で、残る300本は同大社へと還御する。九鬼宮司は「敬神婦人会の皆さんのおかげで、多くの方に挑花をお渡しできることを感謝しています」と述べた。
同大社の例大祭は、主祭神の家津美御子大神(けつみみこのおおかみ)(スサノオノミコト)が本宮に鎮座する際に「我を祀(まつ)るに母神(イザナミノミコト)をも同じく祀れ」と言ったという故事が起源。熊野市の花の窟(いわや)から母神を迎え、花を奉じて鼓、笛、旗をもって祭りを営むようになったと社伝に記されている。
(2023年4月5日付紙面より)
Go Kuma Base 2023
野外音楽フェスティバル「Go Kuma Base 2023」が1、2の両日、那智勝浦町天満のホテル浦島駐車場であった。両日ともに県内外から多数が来場し、有名アーティストのステージを楽しんだ。
「Go Kumano」(福本友樹代表)の主催。昨年3月の太地町森浦の旧グリーンピア南紀南側での開催に続き、2回目となった。
1日目は、来場者がステージ前で演奏を聞いたり、椅子に腰かけて飲食を楽しんだりしていた。会場には、飲食やグッズのブースが多数出店していた。那智勝浦町のギタリストの濱口祐自さんが出演の際は、地元ということもあり、より多くがステージ前に参集。濱口さんの演奏と語りを堪能し、盛んな拍手を送っていた。
福本代表は「音楽イベントの開催で、新しい観光の形として、今までは来るはずのなかった人たちを呼び込むことができ、大きな経済効果を生み、地域振興に役立っていると思う。そこを理解して、応援してもらえたら」と話した。
(2023年4月5日付紙面より)
さくら祭りで「今様」奉納も (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で3日、境内にある新宮神社の例祭(さくら祭り)が執り行われた。大社関係者ら約30人が参列。多くの観光客が見守る中、参列者らは桜の枝を玉串として奉奠(ほうてん)。併せて楽人・大谷ちえこさんと、令和の白拍子・智野莉慧さんによる「今様」(平安時代中期から鎌倉時代にかけて宮廷で流行した歌謡)の奉納も行われた。
新宮神社は1907(明治40)年、神社合祀(ごうし)令により、新宮町内にあった18社18柱の祭神を大社境内の金刀比羅(ことひら)宮に合祀したのが始まり。中でも最も位の高い渡御前(わたりごぜん)社の主祭神・神武天皇の例祭に合わせて、毎年4月3日に営まれている。
この日は天候不順により、祭典は本殿で斎行された。上野潤権宮司が祝詞をささげ、巫女(みこ)が「浦安の舞」を舞った。
「今様」奉納では、34回もの熊野詣でを行った後白河法皇が編さんした「梁塵秘抄(りょうじんひしょう)」から、熊野にゆかりのある歌や、市名誉市民の文豪・佐藤春夫の「今様」も披露。智野さんは、梁塵秘抄や熊野との縁、自身が大学の論文のテーマに佐藤春夫を選んだことなどについて紹介していた。
上野宮司は「熊野にゆかり深い歌と、そして春夫先生の歌もご披露いただき、時代を超えた今様を創っていただいた」と感謝。
参拝者らに対し「今日は天候の関係で本殿での斎行となったが、新宮神社にもお参りいただければ」と呼びかけた。
神事後には、大社関係者らによって参拝者や地域住民らに厄払いの餅が配られた。
(2023年4月5日付紙面より)
文豪・佐藤春夫の詩を現代音楽と融合して発信する活動を支援するグループ「秋刀魚の会」(東芳史会長)が2日、串本町サンゴ台にある旧ホテル施設で発足記念パーティーを開いて今後の展開への弾みをつけた。
春夫の旧制新宮中学校時代の同級生であり作家人生を支えた盟友・東凞市。その孫に当たるミュージシャン・東哲一郎さんと春夫研究に打ち込む東京大学の河野龍也准教授が対で試みるのが前述した活動で、それを生誕の地から応援する実動体として昨年11月、春夫生誕130年記念行事で気持ちが高まった東会長(凞市の父・常三郎〈三男〉の兄・芳太郎〈次男〉の子孫)ら有志が同会を立ち上げた。
同日現在の会員数は、発起した有志3人。今年10月8日(日)に新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」でイベントを開くことを目標にして実働を始めていて、そのために会員の裾野を大きく広げるため同パーティーを開いた。
当日は新宮市の田岡実千年市長や佐藤春夫記念館の辻本雄一館長、新宮商工会議所の関康之会頭ら約40人が来場。東さんが前述した活動の趣旨、東会長が「秋刀魚の会」発足の趣旨をそれぞれ伝えて歓迎し、辻本館長は「必要な資料提供などで協力する」と応えて同会の実働へ歩み寄った。
以降は講演とライブの2部構成。講演は河野准教授が「秋刀魚の会に寄せて―佐藤春夫と東凞市―」と題して登壇し、台湾で歯科医として歩み出した凞市がスランプに苦しむ春夫を約2カ月にわたり招いた時期の状況などを解説し、盟友としてのつながりを明瞭にした。
ライブは東さんが実の姉を含むコーラス隊を連れて出演した。春夫の詩が現代音楽にも通じることを▽犬吠崎の歌▽海邊の戀▽こころ通はざる日に▽ためいき―の各楽曲発表で伝え、間の2曲は東さんのこだわりに応えて東会長がリードボーカルを担当。さらに2017年4月発表の楽曲「秋刀魚の歌」を熱唱し、河野准教授もそれら詩の解説をして今後の展開への弾みをつけた。
東さんは「地元に強力な応援体制ができた」と同会の発足を喜び、この日発表した楽曲について「自分以上に皆さんに歌っていただく形にしていきたい」と今後の展開に思うところを語った。
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入会希望はLINE(ライン)やメール、電話などで受け付け中。問い合わせは同会事務局(電話0735・62・0888、平日午前10時~午後4時、担当は潮岬病院の北野さん)まで。
(2023年4月5日付紙面より)
パートナーシップ・ファミリーシップ制度 (那智勝浦町 )
那智勝浦町では1日より、パートナーシップ・ファミリーシップ制度を導入する。和歌山県内では昨年10月に導入した橋本市に次ぐ2例目で、ファミリーシップ制度導入は県内初となる。
パートナーシップ制度とは、性的少数者のカップルが互いを人生のパートナーや家族として、表明した関係であることを宣誓して町が証明するもの。
婚姻や親族関係の形成、相続、税金の控除などの法律上の効果は生じないが、各種行政サービスの適用が拡大される。同町では宣誓をした場合、町営住宅の入居申し込みや町立温泉病院において、家族と同様の対応が行われる。
ファミリーシップ制度では、二人のほかに、家族として暮らしている子どもや親などの家族との関係も証明される。
昨年12月20日、同町で性の多様性を祝福し、分かち合う催し「レインボーフェスタ」を開催しているレインボーフェスタ那智勝浦実行委員会の代表を務める丸山都さんら7人が堀順一郎町長を訪問し、両制度導入を求める署名計1万1798筆(直筆・オンライン含む)を届け、制度導入を訴えた。
堀町長は導入を約束。庁内各課や丸山さんらとも協議・検討を重ねてきたという。同町では今後、さまざまな場面で実質的な効果を伴うよう整備を検討し、事業者や町民に周知啓発を進めていくとしている。
堀町長は「町では『那智勝浦町人権尊重の社会づくり条例』を制定し、一人一人の人権が尊重される豊かな社会の実現に向けて取り組みを進めている。その中で、LGBTQをはじめとする性的マイノリティの方々への取り組みとして両制度を導入する。今後とも、町民一人一人が互いに人格や多様性を認め合い、誰もが自分らしくいきいきと暮らせる社会の実現に取り組む」とコメントしている。
丸山さんは導入について「制度がある町は素晴らしい。帰りたい町、住みたい町になってほしい。多様なセクシュアリティーや婚姻の平等がない日本で、小さなつまずきが日々の生活にある僕たち当事者を知ってもらうきっかけになれば」。
制度の検討・導入に踏み切った同町について感謝を示す一方で、研修会の実施など、制度への理解が進んでいるかは不安が残ると主張。町民への広報についても尽力してほしいと要望している。
丸山さんは「今回は婚姻制度を利用できないLGBTQのみが対象。限られた少数者だけでなく、あらゆるSOGI(性的指向と性自認を表す)の皆さんが使える制度になることを願ってます」と語った。
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■宣誓方法など
宣誓には▽双方が成人▽双方が町内に住所を有しているまたは町内への転入を予定している▽双方が他の者と法律上の婚姻関係にない▽双方が他の者とパートナーシップの宣誓をしていない▽双方が直系血族または三親等以内の傍系血族、直径姻族の関係にない▽ファミリーシップを宣誓する人は、パートナーシップにある者の一方または双方の子または親等と生計が同一である―という全ての要件に該当が必要。
手続きには、同町パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓書や住民票の写しまたは住民票記載事項証明書(町内に住所がないときは、転入予定が分かる書類) 、配偶者がいないことを証明する書類(戸籍抄本、戸籍全部事項証明書、婚姻要件具備証明など) 、本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど顔写真の貼付があるもの)、通称名が確認できるもの(通称名を希望する人のみ)を準備する。
宣誓日の事前予約は、希望日の5日前までに町福祉課生活・障がい支援係(電話0735・52・2945)まで連絡する。宣誓予約した日時に二人で来庁し、必要書類を提出する。
宣誓内容や要件を確認し、不備などがない場合は後日、宣誓証明書が交付される。
(2023年4月1日付紙面より)
新宮市にヘリサイン寄贈 (県調査士協会 )
(公社)和歌山県公共嘱託登記土地家屋調査士協会(吉田秀幸理事長)から新宮市の2カ所へ、屋上ヘリサイン併設型登記基準点の寄贈があり、その寄贈式が3月30日、新宮市役所であった。吉田理事長が目録を手渡し、救助や物資輸送に役立ててもらえるよう呼びかけた。
屋上ヘリサインとは、災害などで空路を活用する際に、ヘリコプターが上空から目的地を確認できるよう、屋上に施設名を大きく表示したのもの。登記基準点は緯度、経度、標高などを示す印で、通常は金属製で地上に設置されている。屋上ヘリサイン併設型は、ヘリサインの一部に丸に十字の登記基準点が描かれている。併設すればヘリサインの位置情報が公開されるほか、復旧作業の際の基準点にもなる。
同協会は、公益事業の一環として、屋上ヘリサイン併設型登記基準点の寄贈を和歌山県内の各所で実施している。新宮市にも打診し、設置場所を協議。海に近い王子ヶ浜小と光洋中の屋上に、1文字4㍍四方の学校名を設置することになった。両校ともに、体育館が市の指定避難所でもある。
素材は反射フィルムで、緑地に黄文字の校名がデザインされており、右端下方に直径約20㌢の基準点がある。校名が光り、夜でも上空300㍍から確認できる。両方とも縦は4㍍、横は王子ヶ浜小が20㍍、光洋中が12㍍で、接着剤で屋上に貼り付けてある。三輪崎小も候補だったが、屋上の状態が不向きだった。
寄贈式には吉田理事長のほか、同協会の常任理事、理事、新宮支所長も同席した。吉田理事長は「救助活動や物資輸送などに役立てていただければ。また(別の市町村でも)希望があれば、予算の範囲で寄贈の相談に乗りたい」と話した。田岡実千年市長は感謝を伝え「引き続きご支援を」と呼びかけた。
なお、同協会による寄贈は、すでに有田市、日高町、由良町、田辺市などで、主に学校屋上で行われており、新宮市の両校で9、10カ所目となる。那智勝浦町でも宇久井中と那智中の屋上に設置し、寄贈式を4月下旬に行うよう調整している。
(2023年4月1日付紙面より)
魅力伝える絵本も出版 (島田麻衣さん )
サウナの魅力を伝えたい―。那智勝浦町宇久井の島田麻衣さん(27)は、新宮市や東牟婁郡、三重県の南牟婁郡や熊野市で、無料の「ふるまいサウナ」を実施している。テントサウナを車で運び、河川敷などに設営。交流サイト(SNS)で来場を呼びかけ、現地に居合わせた人も誘う。サウナの絵本も自費出版を予定など、その活動はとどまることを知らない。
島田さんは、同町宇久井の出身。宇久井小中、新宮高校を卒業し、兵庫県、大阪府、東京都で約10年を過ごし、地元にUターンした。サウナに出会ったのは、東京都にいた頃。「銭湯に行ったらサウナがあって好きになった。サウナ施設で働いた後、こっちに戻った」と明かす。テントサウナは、最初は友人知人を誘う程度だったが、昨年から知らない人にも来てもらう「ふるまいサウナ」を始めた。
サウナの魅力について「入りに来る人の様子や中の雰囲気が銭湯のよう。人もサウナも温かく迎えてくれ、ぼうっと何も考えずに中で過ごし、出るとちょっとした幸せに気付ける」と話す。「この魅力を他の人にも伝えたい」と行動を起こした。
絵本は、子どももサウナに親しんでほしいとの思いで執筆した。「本格的なサウナは、子どもは入れないイメージ。子どもにも気軽に楽しんでほしいと、絵本を描いた」という。費用は、クラウドファンディングで寄付を募り、目標額を達成。6月末に製本を予定している。タイトルは「もくもくサウナ」。4匹の動物が登場してサウナを楽しむ。絵は独学だが、以前から趣味だった。
「サウナと絵本と和歌山がテーマ。絵本をきっかけにサウナを知ってもいいし、サウナをきっかけに絵本を読んでもいい。そしてその両方で、再発見として和歌山に出会う、そのきっかけになれば。ふるまいサウナにぜひ来て」とまとめた。
なお絵本は、近隣の図書館や学校に寄贈できればと考えている。ふるまいサウナの情報は、インタグラム(https://instagram.com/mai.shimada037?igshid=YmMyMTA2M2Y=)に掲載。絵本購入を希望する場合は、インスタを通して受け付けるという。また、いつかはサウナ施設を持ちたいとの夢もあるとのこと。
(2023年4月1日付紙面より)