県立高校で合格発表 (和歌山県 )
和歌山県の県立高校で19日、一般入学試験の合格発表があった。新宮・東牟婁地方では新宮、新翔、串本古座高校で計394人が合格した。
発表は午前10時、一斉に各校内の掲示板などへ張り出されるとともに、新型コロナウイルス感染症拡大予防として、県ホームページにも掲載された。緊張した面持ちで待っていた受験生は自分の受験番号を確認すると、友人たちと笑顔を見せながら合格を喜んだ。
各校の合格者数は新宮高校全日制194(定員200)人、定時制3(同40)人、新翔高校111(同120)人、串本古座高校86(同105)人だった。
新宮高校に合格した男子生徒は「自分の受験番号を確認して安心しました。クラブ活動は入学後にしっかりと考えて決めようと思います。文武両道を目指して勉強、運動に頑張りたい」と喜びを語っていた。
定員に満たなかった高校の追加募集は24日(水)に出願受け付け、26日(金)に学力検査、30日(火)に合格発表を行う予定となっている。
(2021年3月20日付紙面より)
冷凍施設が供用開始 (太地町 )
太地町森浦の「太地町冷凍施設」がこのほど完成。15日に竣工(しゅんこう)検査を終え19日、同所で竣工式が営まれた。約30人の関係者が出席する中、三軒一高町長、塩崎伸一議長、南紀くろしお商工会の森川起安会長、町漁業協同組合の脊古輝人代表理事組合長、㈱小森組の小森正剛代表取締役がテープカットを行い、施設の完成と供用開始を祝った。
同施設は鉄骨造2階建てで延べ床面積は673・5平方㍍。管理温度マイナス25度冷凍室とマイナス55度超低温冷凍室に加え事務室や荷捌場も完備した、水産物の保管を目的とした冷凍施設。公称トン数は計636㌧で、これまで町外で保管していた鯨肉や水産加工原料などが収容可能となる。
建設事業費は約4億654万円。設計・監理を㈱清水設計事務所が、施工を㈱小森組が請け負った。
竣工式開式に当たり、三軒町長は「完成までに二階俊博・自由民主党幹事長や下宏・県副知事に大変な尽力を、町漁業協同組合には大きな支援を頂いた」と感謝。
「皆の強い思いで完成した施設が、未来永劫(えいごう)関係者の皆さんの仕事に大きく寄与できることを願いたい」と式辞を述べた。
指定管理者の町漁業協同組合・貝良文専務理事はおととし、近隣の冷凍施設より「保管している品物が入れられないから外に出してほしい」といった旨の連絡が文書で来たといった、着工・完成に至るまでの経緯を振り返り「喜びとともに一安心している」。
「三軒町長に相談に行って以降、こんなに早く、こんなに立派な施設が完成したのも町長をはじめ、漁野洋伸副町長、町議会議員の皆さま方の支援と協力のたまもの」と感謝を示し「今後は施設を活用し、町の水産行政がもっと発展するように組合員一同、頑張っていきたい」と思いを語った。
(2021年3月20日付紙面より)
高池小6年生が卒業記念で (古座川町 )
古座川町立高池小学校(大畑眞校長)の6年生11人が18日、池野山公園でクマノザクラの卒業記念植樹に取り組んだ。
同町観光協会のクマノザクラ振興を活用してふるさと学習に取り組む同校。本年度の6年生はクマノザクラ子どもガイドに挑戦し、池野山地内にあるタイプ標本木の花盛りに合わせて訪れる人々にクマノザクラや同町の魅力を伝えるなどした。
この日はそのような親しみがあるタイプ標本木から得た苗木を植樹した。この学習の外部講師を務める樹木医・矢倉寛之さんは2018年発芽の実生苗2株を準備。11人は樹木医の道具「鋼棒」を使って苗木を植えるときに必要な土壌環境などについて教わった後、2組に分かれ同公園道の駅側ゲートから入ってすぐ右手へ植え込んだ。
準備した実生苗の地上部の高さは70~80㌢。約60㌢掘り下げて培養土に入れ替えた場所へ苗木を移し、卒業記念植樹であることを伝える看板を立て苗木にたっぷりと水を与えて作業を終えた。
以降の育苗管理は同協会が担当するそう。久保嘉由都君は「池野山公園を彩るシンボルになってほしい」と苗木の成長を願い、その状態を将来見届けるのが楽しみだと期待した。
(2021年3月20日付紙面より)
公立小学校で卒業式 (新宮市・太地町 )
新宮市と太地町の公立小学校で19日、卒業式が開かれた。新宮市では計205人、太地町では7人が、涙を浮かべながらも笑顔で学びやを巣立っていった。
新宮市立王子ヶ浜小学校では、在校生の自画像が飾られた体育館で、山本眞也校長が卒業生59人に一人一人卒業証書を手渡した。
式辞では▽感謝の心を忘れない▽自信と誇りを持つ▽夢を持ち、失敗を恐れずさまざまなことに挑戦する―の三つを願い、「4月からいよいよ中学生。新しい生活、クラブ活動に期待が膨らんでいると思う。人が笑うには、いつも仲間が要る。友達を大切に、一日一日を有意義に過ごしてほしい」と呼び掛けた。
在校生はビデオメッセージで送る歌「鳥になる」を歌い、「ご卒業おめでとうございます。中学校へ行っても頑張ってください」。卒業生たちは別れの歌「旅立ちの日に」を歌い、学校生活を支えた教職員や保護者、地域住民、友達全てに「皆さん、ありがとうございました」と感謝を伝えた。
那智勝浦町、串本町、古座川町、北山村の公立小学校の卒業式は23日(火)を予定している。
(2021年3月20日付紙面より)
「よむよむ」がん早期検診啓発 (那智勝浦町 )
「自分のために少し時間をつくってみてください。そして検診を受けてください。自分は大丈夫と、私みたいにならないでください」―。那智勝浦町絵本の会「よむよむ」では現在、「『負けないで! 乳ガンと闘うおかあちゃん』~今、伝えたくて~」を題目に、がんの早期検診を呼び掛ける取り組みを展開中。那智勝浦町立図書館において、会員の丸亀聡美さん(51)の闘病体験を基にしたリーフレットをがん関係書籍のリストと共に、手作りのエコバッグに入れて配布している。
同会は本年度、読み聞かせの他に▽SDGs(エスディージーズ=持続可能な開発目標)を絵本からとらえて紹介▽地域の産業を伝える―などの事業を展開。おはなし会と併せたエコバッグ工作などを通してSDGsの考えを広く周知するための活動も行った。
このたびの企画は、コロナ禍において「できるかぎり」可能な形で「今、何ができるか」を模索し、同図書館と話し合いを重ねて計画。「令和2年度花王ハートポケット倶楽部地域助成事業」の支援を得ている。
丸亀さんは現在、夫、長女、次男との4人で同町市野々に在住している。初めて乳がん検診を受けたのが40歳の時。多忙な日々を送る中で生来の病院嫌いも手伝って、それ以降検診を受けることはなかった。
胸にしこりを感じたのが48歳の頃。長女の後押しもあり、病院でマンモグラフィー検査を受けた。結果、ステージ3の乳がんが発覚。摘出手術、抗がん剤治療を経て現在は検診のために2カ月に1度病院を訪れ、ホルモン治療を行っているという。
「頭が真っ白になって泣きたくないのに涙があふれた」。がんが判明した時の心境をそう振り返りながらも「がん=死というイメージ。家族も泣いていた。でも奮い立たせました。『私は絶対に死なない』と」。
抗がん剤治療では、受けた人しか分からない苦しみを味わった。「髪の毛が抜けたことはあまり気にならなかった。手間が掛からず、似合っていましたから」と笑顔を見せる。
2カ月に1度、新宮市立医療センターで開催されている、がん患者と経験者、がん患者の家族を対象にした集い「ひまわりの会」に参加し、思いや心境を共有できたことも貴重な体験だと話す。同会を立ち上げたのは丸亀さんの同級生。長い闘病の末亡くなったという。現在は丸亀さんが遺志を引き継ぎ、代表を務めている。
小学生に対する読み聞かせの他、2018年12月にはミニサロンを開催。丸亀さんは「初めて読んだ時衝撃を受けた。思いがよみがえり、涙が出た」という絵本「はなちゃんのみそ汁」(作者:安武信吾・千恵・はな)の読み聞かせを行った。「がんが見つかったのは長女のおかげ。読み聞かせや啓発を通して、子どもたちから『お母さん、検診に行こうね』と言ってあげてほしい。早めの検診が命を助け、家族を守ることにつながる。誰にも同じ思いはしてほしくない。リーフレットを通して何かを感じていただけたら」。19歳の長女は現在、医療従事者を目指し看護学校で学びを深めているという。
リーフレットやエコバッグは「会員みんなのあふれる思いが多くの人に届けば」との気持ちを込め、会員らが30セットを手作りした。同図書館で配布されるほか、5セットが町福祉課健康対策係に託されている。「はなちゃんのみそ汁」を含めた、がん関係書籍の展示は今月31日(水)まで。「サンキュー(ありがとう)」の思いを託し、39冊を展示している。
(2021年3月18日付紙面より)
県立串本古座高校の吹奏楽部(仁木愛里部長、部員5人)が14日、第一体育館で第10回定期演奏会を実施した。コロナ禍の情勢を踏まえて今回は一般公開を控え、生徒や教職員、保護者など同部が感染症予防対策を講じて許容した40人が見守る中で活動の集大成を披露した。
前年度は新型コロナウイルス感染症拡大に伴う臨時休校で実施できなかった定演。本年度も実施の有無で悩んだが、対策をしてでも活動したいという思いに至り実施を決めた。
部員は12月下旬の県アンサンブルコンテスト紀南地区大会を経て、1月から定演に向けた練習に集中。引退した3年生部員も時間が許す範囲で練習をし、賛助出演のOBOGらは月1、2回の交流と自主練習で同部と息を合わせたという。
第10回のテーマは「高山流水~Good Bye COVID―19~」で、3部構成でアンコール曲を含め18曲を披露。各部とも冒頭を合同演奏とし、以降第1部は本年度一緒に活動した1~3年生7人と漁崎祐顧問の計8人で流行歌5曲、第2部は現役部員5人で県アンサンブルコンテストでの発表曲・打楽器五重奏「Lost Crystal」を含む4曲を奏でた。第3部は全7曲とも合同演奏で、体を揺さぶりながらの演奏やソロ演奏などの演出を織り交ぜて場を盛り上げた。
本年度は夏の大会や紀南吹奏楽の集いなどが中止となり、唯一大規模に取り組めたのは紀の国わかやま総合文化祭2021プレ大会の7校合同演奏のみ。この日の定演は17人の賛助出演により、漁崎顧問を指揮者とする24人組で演奏する機会を得た。
仁木部長(2年)は「練習の方が上手にできたなと思ったところもあったけど、この人数で互いに補い合って自分の中では最高の演奏ができたと思う。これから部員が増えるのか減るのか分からないけれど、新しいメンバーになっても力を合わせて頑張っていきたい」とコメント。「1年前はコロナで定期演奏会を断念せざるを得なかったけど、今年は皆さんのおかげで開催できて良かったです」と周囲の支えに感謝した。
(2021年3月18日付紙面より)
宇久井中1年が校外学習 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立宇久井中学校(坊信次校長、生徒62人)の1年生27人は16日、校外学習で同町市野々にある和歌山県土砂災害啓発センター(坂口隆紀所長)を訪れ、土砂災害から命を守る取り組みについて学んだ。
土砂災害について知り、防災意識の向上や非常時の行動について考えてもらうことが目的。昨年12月に同校で行われた防災学習プログラムで同センターが講話したことがきっかけとなり、さらに詳しく学習してもらおうと実施した。
同センターの筒井和男さんは、県内で行われているソフト・ハード両面の土砂災害対策について解説。地滑りを防止するために地下水を排出する横ボーリング工や地面にくいを打ち込むアンカー工などの方法が取られていると話した。模型を使った実験では、流木や巨石を含む大量の土砂を2段構えの砂防堰堤が受け止める様子を見せた。
高さ14・5㍍、長さ125㍍の鳴子谷川1号堰堤の見学もあり、紀伊半島大水害発生当時の那智川周辺の写真を見ながら土石流の恐ろしさを体感した。
亀井星空(きらら)さんは「みなさんが教えてくださったことを参考に、災害から避難できるように事前に情報を集め、行動することが大切だと分かった」と述べ、センター職員に感謝を伝えた。
(2021年3月18日付紙面より)
高齢者見守り隊が啓発活動 (紀宝町 )
紀宝町の高齢者地域見守り隊(小田原徳子代表)は、同町鵜殿の主婦の店で15日、紀宝警察署と合同の啓発活動を実施。参加者15人が来店者に新型コロナウイルスワクチンに便乗した詐欺の手口や対策などを掲載したチラシやウエットティッシュを配布した。
特殊詐欺から高齢者を守ろうと毎月1回、啓発活動を展開。奇数月は紀宝警察署と合同で取り組んでいる。同署によると、昨年は三重県内で122件(前年度比30件増)の特殊詐欺が発生し、被害総額が4億2820万円(同2億8590万円増)で架空請求が68%を占めている。今年2月末現在では17件発生し、被害総額が2540万円(同2110万円減)。還付金、架空請求、キャッシュカードの各種詐欺の傾向が見られるという。
見守り隊が配布したチラシは「新型コロナワクチンが接種できる。後日全額返金されるので10万円を振り込むように」との不審な電話がかかってきた、といった事例を記し「接種を受ける際の費用は全額公費です」などと紹介した。
小田原代表は「最近は全国でさまざまな特殊詐欺が発生しているので注意していただきたい。一人で悩まずに周りの方々に相談してほしい」と語った。
新型コロナワクチン詐欺に関する相談は、独立行政法人国民生活センターの消費者ホットライン(電話0120・797・188)で受け付けている。
(2021年3月18日付紙面より)
第35回勝浦バドミントン大会
グラウンドゴルフ「春季大会」 (ニュータウン友愛クラブ )
中学校で卒業証書授与式 (新宮・東牟婁 )
新宮市、那智勝浦町、太地町、串本町、古座川町の公立中学校で9日、卒業証書授与式が挙行された。義務教育を修了した卒業生たちが思い出の詰まった校舎を巣立ち、それぞれの道へ歩を進めた。なお、北山村は8日に式を実施した。
本年度の卒業生は新宮市207人、那智勝浦町107人、太地町22人、串本町77人、古座川町24人、北山村3人の計440人。
新宮市立緑丘中学校(松本潤校長)は、体育館の全面改修工事に伴い、同市徐福の蓬莱体育館で式を実施した。
松本校長は卒業生81人に一人一人証書を手渡し、「みなさんの周りには、たくさんの応援団がいる。家族をはじめ、地域の方々や先生たちです。母校、緑丘中学校の誇りを胸に、この学びやで育んだ絆を生かして、新たな一歩を踏み出していきましょう」と式辞を述べた。
卒業生を代表して西珀人君が、個性豊かな友に恵まれた3年間を振り返り「僕たちはたくさんの経験をしながら大人に向かっていく。これからも温かく見守っていてください」と答辞。在校生には「自分の好きなことをしながら、緑丘中学校を雰囲気の良い学校にしていってほしい」と語り、自分たちに根気強く向き合ってくれた教職員や学校生活を支えた家族に感謝を伝えた。
最後に、卒業生が手話を交えて「旅立ちの日に」を合唱。教職員と保護者が「想い出がいっぱい」を歌って送り出した。
(2021年3月10日付紙面より)
健康ウオーキングに20人参加 (紀宝町 )
紀宝町大里の「相野谷川・電気の谷往復コース」を歩く健康ウオーキングが7日にあった。20人が参加し、ウオーキングの基礎を学んで緑鮮やかな渓谷沿いを歩いた。
運動習慣のきっかけや仲間づくりを目的とした町山歩き部会と町みらい健康課の合同企画。健康運動指導士の杉浦資史さんを講師に招いた。
大里親水公園駐車場に集合後、杉浦さんがストレッチ法を紹介。ゆっくり全身をほぐし「ストレッチは姿勢づくりに効果的。朝や疲れたときに取り組んでください」と呼び掛けた。
ウオーキングはリズムが大切と伝え、「早く歩く」「ゆっくり歩く」を繰り返すウオーキング法「インターバル速歩」を指導した。
歩き方の基礎を学んだ参加者は、往復5㌔のウオーキングに出発。通称「電気の谷」に架かる吊り橋を渡り、1903(明治36)年に開設された大里発電所横の石段を登って水路上の道へ。リズムや足の運びを意識しながら上流の取水堰を目指した。
折り返し地点には、浸食によってできた円形のくぼみ甌穴(おうけつ)が大小数個あり、参加者は川の歴史を満喫しつつ、帰りは渓谷を眺めながら雄大な自然を楽しんだ。
(2021年3月10日付紙面より)
ゆかし潟で花咲かす (那智勝浦町 )
那智勝浦町二河の国道42号沿いで現在、クマノザクラが満開を迎えている。付近を散歩する町民や車を運転するドライバーたちの目を楽しませている。
桜の場所はゆかし潟近くの「みなとはし歩道橋」すぐ横。ピンク色をした無数の花びらが美しく咲き、地域に春を告げている。
ゆかし潟周辺でもクマノザクラを見ることができるほか、町教育センター(旧三川小学校)近くの河川公園裏の山にもヤマザクラが色づき始めている。今後はソメイヨシノなどの桜の開花も控えている同所では、毎年きれいな桜を目当てに散歩や写真撮影に訪れる町内外の人々も多い。
また、喫茶きよもん前では愛らしいヒドリガモの群れが泳ぐ姿も見ることができる。
(2021年3月10日付紙面より)
13日、新型車両にバトンタッチ (JR西日本 )
13日(土)の春のダイヤ改正に伴い、和歌山県からその姿を消すJRの車両「105系」。13日以降は新型車両227系にバトンタッチされる。かつては通勤・通学の足として、多くの人の生活を支えた。新宮発のラストランは12日(金)午後9時59分。同日をもって県、そして近畿地方から勇退となる。
105系は、日本国有鉄道(国鉄)が1981(昭和56)年から製造した直流通勤型電車。国鉄分割民営化後はJR西日本とJR東日本に継承されたが、JR東日本ではすでに全廃されている。
和歌山県では84(昭和59)年に導入。2009(平成21)年度からJR西日本が実施した、地域に合わせた統一塗装により太平洋をイメージした青緑色の塗装が行われ、海沿いや山間を疾走する鮮やかな姿が多くの人の目に焼き付いている。
和歌山線では19(令和元)年9月30日をもって廃止。現在は紀勢本線(新宮―紀伊田辺間)の他、岡山県と山口県の一部路線で運用されているのみで、紀勢本線での廃止は和歌山県と近畿地方での廃止につながる。
ラストランを目前に、JR新宮駅の小谷典史駅長は「古い電車なので、暑かったり寒かったりと乗客の皆さまにはご不便を掛けたこともあったが趣のある電車だった。新型車両導入後は快適にご利用いただけると思っています」と話している。
13日からは車載型IC改札機が搭載された新型車両が新宮―紀伊田辺間を走行。区間21駅でICOCA(イコカ)、ICOCA定期券が利用できるほか、ICOCA以外の全国相互利用対象ICカード乗車券も使用可。これにより県内全域でICOCAが使えるようになる。
(2021年3月10日付紙面より)
春季近畿高校野球和歌山県予選
120年ぶりの現象か (新宮市 )
新宮市の橋本児童館裏の坂を上った周辺(通称・砂羅=じゃら)の竹林や、市立佐野体育館へ向かう坂の周辺で現在、ハチクが花を咲かせている。イネ科マダケ属の竹の一種で、北海道以南で広く植栽されている。開花周期は120年といわれており、図鑑でもイラストで紹介されていることが多いため、直接花を観察できる機会は非常にまれだ。
タケ類はいずれも地中を走行する太い地下茎を通じて栄養繁殖するが、数十年に1度、広域で一斉に開花することがある。花が咲くと地上部は枯れてしまうため、古くは「開花病」「十年枯病」と呼ばれ、天変地異の前触れとされていた。
正確な周期やメカニズムは解明されていないものの、ハチクは直近で1908年に日本全国で開花した記録があり、今後2028年をピークに各地で開花が観測されると推定されている。
タケの花はイネに類似し、風で花粉を飛ばして受粉する「風媒花」。色鮮やかな花弁はなく、一つ一つの小花を茶色の穎(えい)が覆った穂が形成され、外部に8㍉ほどの黄緑色の葯(やく)がついたおしべが垂れ下がる。めしべが受粉して成熟するとイネの米にあたる「穎果(えいか)」が実るが、同属のマダケなどは多くが発芽しない粃(しいな)であり、充実種子の発芽率も低い。
ハチクの稈(かん=茎)は細かく割りやすい性質があることから、茶せんやちょうちん、すだれといった竹ひご細工に用いられる。枝が多いため竹ぼうきにも加工される他、紙質の皮は竹皮笠(たけのかわがさ)に、甘く柔らかいタケノコは食用に、茎の内側にある竹紙(ちくし)は漢方薬になって人々の生活を支えてきた。
開花に遭遇したときには、120年に1度の機会を逃さず、じっくり観察してみてはいかがだろうか。
(2021年3月7日付紙面より)
86人が思い出を胸に卒業 (矢渕中 )
紀宝町立矢渕中学校(竹原巧校長)で6日、第73回卒業式が行われた。新型コロナウイルス対策のため規模を縮小したものの、マスク姿の卒業生86人が在校生や保護者、教職員に見守られながら思い出が詰まった学びやを後にした。
感染拡大防止対策に伴う臨時休校や学校行事、部活動の制限といった困難な状況を仲間たちと共に乗り越えてきた3年生。全員の思いを答辞に込め、小山仁汰君、山副真緒さん、荘司大喜君が読み上げた。
部活動を振り返り「練習や試合の中では協力することの大切さや、責任感なども培われました。3年間の活動で私たちは多くのことを学びました」。
学校生活を支えてくれた家族、教職員に感謝の気持ちを伝え、後輩には今後の活躍を期待した。同級生には「一人一人の夢に向かって高校でも頑張っていきましょう」と励まし合った。
3年間の思いを込めて「今、この瞬間を出発地点として進み、たくさんの新しい出会いを大切に過ごしていきたいと思います」と決意を伝えた。この日合唱できなかったものの、録音した式歌が流れ、3年生の歌声が会場を包んだ。
竹原校長は「人を思いやる気持ちや冷静に判断する姿勢は、これからのステージで良い意味での変化をもたらす力だと考えています。全ての人に優しい社会の担い手になってくれることを期待し、今後も応援し続けたいと思います」とはなむけの言葉を贈った。卒業証書を受け取った卒業生は、それぞれの志を胸に新たな一歩を踏み出した。
(2021年3月7日付紙面より)
紀南地域の郵便局長で組織される紀南地区郵便局長会(会長=吉田仁久・椿郵便局長)は6日、那智勝浦町勝浦のお蛇浦(じゃうら)周辺で初の清掃活動を実施した。15人の局長が参加し、ごみ拾いに汗を流した。
同会では年に2回の献血活動や北山村の「じゃばらの里の収穫祭」への参加、若手中堅専門委員会が各所で草刈りを行うなど、積極的に地域貢献に取り組んでいる。
清掃活動はごみゼロを目指した条例の制定やさまざまな取り組みを展開する和歌山県に協力するとともに、郵便局が所在する各地域を美しくすることを目的に行われた。
新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、今回は参加者を少数に絞り込んだという。局長たちはペットボトルや流木、ビニール袋などのごみを懸命に拾っていた。
地元、太田郵便局長の坂本雄哉那智部会長は「各地域から集まっていただいた皆さまに国立公園であるこの地域をきれいにしていただけるのはうれしい。本当にありがたい」。
南方慎一朗副会長(新宮中央通郵便局長)は「ふるさと和歌山をきれいにするために今後も協力を継続していく。コロナ禍が収まれば多くの観光客の皆さまに和歌山を訪れていただきたい」と語った。
(2021年3月7日付紙面より)