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2022年04月19日
1 大漁やコロナ収束願う
 孔島鈴島で例大祭  (新宮市 )

 新宮市三輪崎の孔島(くしま)嚴島(いつくしま)神社と鈴島蛭子(えびす)神社で18日、例大祭が営まれた。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から関係者のみが参列し斎行。孔島・鈴島保護委員会の井上元和委員長や中村武・三輪崎八幡神社氏子総代会長、屋敷満雄三輪崎区長らが航海の安全や大漁、新型コロナ早期収束などを願い玉串をささげた。

 孔島嚴島神社の主祭神は海路を守護する神として信仰を集める市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)。鈴島蛭子神社の祭神は漁港を見守る大漁の神である蛭子命(ひるこのみこと)とされている。孔島と鈴島は南紀熊野ジオパークを構成するジオサイトに認定されており、孔島嚴島神社の石造物は、2017年に日本遺産「鯨とともに生きる」に追加登録されている。

 毎年、大勢の地域住民が参加している餅まきは、新型コロナ情勢を踏まえおととし、昨年に引き続き今年も中止に。熊野速玉大社の佐藤仁迪(ひとふみ)権禰宜(ごんねぎ)が斎主を務め、しめやかに神事が営まれた。

 井上委員長は「今日は風が強いが雨も降らず、天候に恵まれて良かった。本来なら多くの地域住民にご参列いただき、美しい三輪崎の海を見てもらいたいが仕方ない。大漁と新型コロナの一日も早い収束を祈りました」。

 孔島・鈴島や周辺の自然保護を主たる目標に定めて活動を展開する同委員会。井上委員長は「漁協組合職員が美化活動に協力してくれておりありがたい限り。しかし、同所に流れ着くプラスチックごみは後を絶たない。一人一人の意識が大事。ポイ捨てはやめてほしい」と話していた。

 例大祭は毎年、旧暦の3月18日に営まれている。

(2022年4月19日付紙面より)

一時的にマスクを外し記念撮影に応じた=18日、新宮市三輪崎の嚴島神社(孔島)
関係者らが玉串を供え、大漁やコロナ収束などを祈願
2022年04月19日
2 通学路で安全意識促す
 古座小前で取り締まり  (新宮警察署 )

 串本町中湊、串本町立古座小学校正門前で18日早朝、新宮警察署による可搬式速度違反自動取締装置(通称・可搬式オービス)を用いた速度違反の取り締まりがあった。

 通学路における通行車両の交通法令順守意識の向上、ひいては通学する児童を保護することが目的。同署は管内にある学校の第1学期始業に合わせてこの取り締まりを始め、ほぼ連日の実施で目的の推進を図っているという。

 古座小正門前の県道は法定速度(自動車の場合は毎時60㌔)が適用されていて、利用者相互の配慮が交通事故の抑止に大きな役割を果たしている。同装置による取り締まりを要する状況はほぼないと判断し、この日は車両通行を妨げずかつドライバーから目に付きやすい位置に同装置を配置し警察官3人も同装置横やその周囲で姿を見せるなど、ドライバーの意識喚起に重点を置き登校時間帯に合わせて活動した。同時に日々の交通状況をじかに見届け、交通安全面での課題を探ることにも努めていた。

(2022年4月19日付紙面より)

可搬式オービスを据えてドライバーの意識喚起を図る新宮警察署の警察官=18日、串本町中湊
2022年04月19日
3 大漁や地域発展を祈願
 目覚山水底神社で明神祭  (那智勝浦町 )

 大漁と海上安全を祈願する明神祭が17日、那智勝浦町宇久井の目覚山(めさめやま)水底(みそこ)神社で営まれた。参列者は海上安全や地域の発展などを祈願した。

 同神社の御神体は獅子頭、社殿横の大きな岩、蛇など複数の説がある。このうち蛇については、1286(弘安9)年5月に伊勢方面から入港する船に乗り込み、目覚山に鎮座したと伝えられる。社殿は1961(昭和36)年に造営されたが、90(平成2)年の9月から11月にかけて上陸した4回の台風で全壊。今の社殿は92(平成4)年4月に竣工(しゅんこう)した。

 祭りは旧暦3月14日の前の日曜日に開かれるという。かつては船主が祭主となり、後には宇久井神社宮司に受け継がれてきたが、95(平成7)年度からは区が実施している。神社には中路進総区長をはじめ、宇久井漁業協同組合、宇久井青年会、区の役員や漁業関係者など、合わせて約20人が参拝に訪れた。

 神事は熊野那智大社から出仕した神職によって営まれた。今年は、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、宇久井青年会による獅子神楽の奉納はなかった。参拝者一人一人には「目覚山神符」と餅が配られ、それぞれが安全操業の誓いを新たにした。

 中路総区長は「海上安全や大漁祈願、地域の発展に加えて、新型コロナウイルス終息も祈願しました。近年は一般参拝者が減っていることを懸念している。目覚山は素晴らしい場所なので、ぜひ区民の皆さまにも知っていただけたら幸いです」と話した。

(2022年4月19日付紙面より)

参列者の皆さん=17日、那智勝浦町宇久井の目覚山水底神社
神事の様子
2022年04月19日
4 潮風受けて名車が疾走
 ラ・フェスタ・プリマベラ  (新宮・東牟婁 )

 クラシックスポーツカーの公道ラリー「ラ・フェスタ・プリマベラ2022」が15~18日に開催された。16日には56台が出走し、那智勝浦町のブルービーチ那智、太地町立くじらの博物館、串本町の潮岬観光タワーを通過。ランボルギーニ(イタリア)やジャガー(英国)、ポルシェ(ドイツ)などの名車を一目見ようと集まった地域住民らが、沿道から旗を振って歓迎した。

 「古いものに敬意を」「いくつになっても心・少年」「イベントに関わる全ての人と友情の輪を広げる」の精神の下、2009年に始まったイベント。毎年春に開催されることから、イタリア語で春を意味する「プリマベラ」の名を冠している。株式会社フォルツァ主催。

 今年のラリーは愛知県名古屋市の熱田神宮をスタートし、2府5県の約1250㌔を走ってゴールの京都府京都市の岡崎公園へ向かう。

 16日は好天に恵まれ、ルーフ(屋根)をオープンにしたクラシックカーが潮風を受けて沿岸部を疾走。ブルービーチ那智のチェックポイントでは、地元の観光パンフレットや那智黒あめなどの土産を受け取った。

 普段は目にすることのないクラシックカーの姿に、地元の子どもたちも大喜び。武内弥那人(みなと)君(勝浦小2)は「車が大好き。5番や33番の車がかっこよかった」と笑顔で話していた。

(2022年4月19日付紙面より)

チェックポイントを通過するクラシックカー=16日、那智勝浦町のブルービーチ那智
土産を手渡して歓迎
2022年04月19日
5 晩春の陽気受けて色づく  各地でフジの花咲き進む  (串本町・古座川町 )
2022年04月19日
6 実釣指導で愛好を後押し  フライフィッシング教室  (七川漁協 )
2022年04月19日
7 近大新宮が3回戦進出  串本古座、新翔は初戦突破ならず  (春季高校野球県予選 )
2022年04月19日
8 コロナが再拡大傾向  ワクチン接種の進捗は  
2022年04月19日
9 選挙に向けて準備進む  ポスター掲示板設置  (那智勝浦町長選 )
2022年04月19日
10 「来年はぜひ見に来て」  満開終えた瀧岡さんの桜  (那智勝浦町 )
2022年04月19日
11 色とりどりのツツジ咲く  新宮港第二期緑地帯  (新宮市 )
2022年04月19日
12 1年生の自転車をチェック  紀南高校で安全点検  
2022年04月19日
13 定数12に現新14人が立候補  2人超過の選挙戦に  (熊野市議選 )
2022年04月19日
14 花を植え絆深める  三重県民の日プロジェクト  (紀宝町 )
2022年04月19日
15 地域に笑顔呼ぶ「本宮祭」 熊野本宮大社 
2022年04月19日
16 お悔やみ情報
  
2022年04月10日
17 重篤な副反応見られず
 小児ワクチン、副反応報告  (新宮市医師会 )

 新宮市医師会(米良孝志会長)はこのほど、先月に1回目の新型コロナウイルス小児ワクチンを接種した5~11歳の年齢層における接種後の副反応集計結果を報告した。集計の結果、重篤な副反応は確認できなかった。

 今年に入って、国で5~11歳までを対象とした小児向け新型コロナワクチンが薬事承認されたことを受け、市では先月13日、市役所別館で1回目の集団接種を実施。約150人が接種を希望した。

 接種に協力した市医師会は、独自に接種者の保護者に副反応記録用紙を配布。その記録を基に、5~11歳の年齢層の副反応調査を行っている。

 同日に接種を受けた150人のうち、記録用紙の回収率は78・7%(118人)。接種直後、「息苦しい・気持ちが悪い」や基礎疾患関連の、アナフィラキシー以外の症状を見せた接種者は2人いたものの、重篤な副反応はなかった。

 また、接種当日から7日目までの8日間で、37・5度以上の発熱が見られたのは3人のみで、38・0度以上の発熱が見られた者はいなかったという。

 接種部位の反応では、痛み(疼痛=とうつう)が84・7%で頻度が高く、腫脹(しゅちょう)(16・9%)、熱感(6・8%)と続いた。また、全身の反応では身体のだるさ(倦怠(けんたい)感)が29・7%、頭痛(18・6%)の頻度が高かった。学校の欠席は接種翌日が多かった。

 集計結果を受け、米良会長は「2回目接種後の集計が済んでいないが、言われているよりも副反応が少なかったので安心している」と見解を示している。

 なお、市では、今月3日に接種を希望する小学3年生から5年生を対象にした2回目の集団接種を実施。接種率は1回目10・57%、2回目9・79%だった。ワクチンの供給量が見込まれ次第、小学2年生以下の接種を進めていく予定。

(2022年4月10日付紙面より)

3月13日に行われた新型コロナ小児ワクチン1回目の集団接種の様子=新宮市役所別館
(新宮市医師会ホームページより)
2022年04月10日
18 新入学児の命守って
 市内小学校に防災頭巾  (新宮市土建協同組合 )

 新宮市土建協同組合(松根康隆理事長)による防災頭巾の贈呈式が8日、新宮市役所であった。松根理事長をはじめ4人が訪問し、市内小学校の新1年生に向けた、防災頭巾200個を、速水盛康教育長に手渡した。

 同組合は2010年より、市内小学校の児童に向けて毎年、防災頭巾を贈呈している。きっかけは、組合創立60周年記念の取り組み。かつて市内の小学校では、児童は教科書を乗せて頭を守り、避難訓練を行っていたが、両手を使えればより安全と考え、贈呈が始まった。

 1回目は全校児童分、2回目からは新小学1年生分を贈ることで、全ての児童に行き渡らせた。頭巾は中綿入りで、緊急時には頭にかぶり、落下物から守るようになっている。平時には、学校のいすの背もたれ部分に挟んだり、座る部分に敷いたり、集会時に体育館に持ち込んだりしてクッションにできるため、身近にあって身を守れる。

 贈呈式には松根理事長のほか、阿万卓也副理事長、松原重充副理事長、七瀧伸事務局長が訪れた。市立小学校は5校あり、新1年生は185人。ただし高田小は0人だった。転入児や破損分を考え、余分に200個を贈った。

 松根理事長は「日頃は工事のほこりや騒音などで、住民の皆さんに迷惑をかけているので、何かできることはないかと考え、地震のときに子どもの命を守ろうと贈呈することになった。子どもは国の宝。今後も贈呈を続けていきたい」と話した。

 速水教育長は「避難訓練などを行って、(防災頭巾を)活用していけるよう取り組んでいきたい。防災意識を高める役割もあるかと。大人のたくさんの力で、地域で子どもを育てる取り組みで、ありがたい」などと語った。

(2022年4月10日付紙面より)

防災頭巾を手渡す松根康隆理事長(左から2人目)、阿万卓也副理事長(同3人目)、松原重充副理事長(同4人目)=8日、新宮市役所
2022年04月10日
19 英霊の冥福とコロナ終息祈り
 花まつりの平和祈念祭  (新宮仏教会 )

 新宮仏教会(会長=清水文雅・本廣寺住職、会員14人)は8日、新宮市福祉センターで花まつりの記念行事「平和祈念祭法要」を営み、祖国の平和と繁栄を願いながら亡くなった諸英霊の冥福を祈った。

 祈念祭には遺族約20人が参列し、住職らの読経の中焼香した。田岡実千年市長は「戦後、市においても平和で心豊かに生活できる魅力と活力のあるまちづくりのためにまい進してこられたことは戦没者のご加護と遺族の協力・支援のたまもの」。

 「現在享受している平和と繁栄が戦争によって心ならずも命を落とした方々の犠牲の上に築かれていることをひとときも忘れず、明日の市のために一層努力しなければならない」と追悼の辞を述べた。

 池上順一・市遺族連合会長は「先の大戦より77年を迎えるが、ロシアのウクライナ侵攻に伴い、日々悲惨な状況が報道されており、世界からは今なお戦禍の報が絶えることはない。その中にあってわが国が平和でいられるのは祖国の繁栄と将来を案じながら尊い命をささげられた諸霊の思いが導いてくださったたまもの。コロナ禍を乗り越え、あの戦争を後世に伝え続けるとともに、世界平和への道を進むことを改めて誓う」と祭辞を読み上げた。

 祈念祭後には「新型コロナウイルス終息祈願法要」が営まれ、猛威を振るい続ける新型コロナの早期終息を願う読経が会場内に響いた。

 清水会長は「戦争は、全ての命が尊い、という仏教の基本姿勢の全否定。犠牲者の一人一人に家族があり、友人があり、思いがあり、人生を全うするはずだった。時々刻々と情勢は変化するが、こうした法要を通して歴史を感じ取り、先人の犠牲、努力の上に築かれたわれわれの現在を再確認することが、変化への対応の軸になるのでは」と話していた。

(2022年4月10日付紙面より)

諸英霊の冥福を祈り読経=8日、新宮市福祉センター
焼香する平和祈念祭の参列者
2022年04月10日
20 田んぼに広がる青苗
 太田米の田植え始まる  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の太田地区で、「太田米」の田植えが始まった。水を張った田んぼに青苗を植える作業が5月中旬ごろまで続き、早いものは8月上旬に収穫となる。

 太田米は、太田地区で生産されるコシヒカリ。同町川関在住の桒野稔近(くわの・としちか)さん(38)は、太田地区の一部である、同町中里に約50枚、面積にして約400㌃の田んぼを持つ。7日が田植え初日とのことで、田植え機で田んぼを何度も往復し、苗を植えていた。

 田植えのタイミングとしては、太田地区では2番目か3番目で、時期は耕作者により、早かったり遅かったりするという。桒野さんは幾つかに時期をずらして植えていき、5月中旬ごろまでに終わらせる予定でいる。

 現在植えているものは、8月7日までに刈り取り、JAを通して地元の温泉旅館に卸されるという。旅館では新米として、お盆明けには出されることになる。昨年同様の量の出荷を依頼されたとのこと。

 桒野さんは「今年はいつもより暖かい気がする。成長がいいのが期待できるのでは。うまく育つといい」と話した。

 なお桒野さんは、那智勝浦町苺(いちご)生産組合の組合長も務めており、同町中里の8㌃のハウスで、太田地区のブランド苺「くろしお苺」も生産している。こちらも含め、「どちらも頑張って育てたい」と述べた。

(2022年4月10日付紙面より)

田植え機で青苗を植える桒野稔近さん=7日、那智勝浦町中里
2022年04月10日
21 特選に日浦寛人さん  写連紀南支部3月優秀作品  
2022年04月10日
22 今年も多くの見物客  佐野川沿いの桜が満開  (新宮市 )
2022年04月10日
23 花見や交流楽しみウオーク  ニュータウン熟年クラブ  (那智勝浦町 )
2022年04月10日
24 大泰寺で祝う釈迦生誕  疫病退散や無病息災も  (那智勝浦町 )
2022年04月10日
25 催し中止して法要営む  海翁禅寺で「花まつり」  (那智勝浦町 )
2022年04月10日
26 3カ月ぶり活気にあふれる  朝市「紀の宝みなと市」  (紀宝町 )
2022年04月10日
27 自覚と誇り、希望を胸に  木本、紀南高校で入学式  
2022年04月10日
28 甘茶で釈迦の誕生祝う  色とりどりの花御堂  (紀宝町東正寺 )
2022年04月10日
29 本紙エリアで6人受章  第38回危険業務従事者叙勲  
2022年04月10日
30 お悔やみ情報
  
2022年04月07日
31 救助と防災の要が完成
 消防・防災センター竣工式  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町は6日、同町天満の駿田山に建設された消防・防災センター(以後、センター)の竣工(しゅんこう)式を開いた。有事の際は災害対策本部として、町の救助や防災の要となる施設の完成を、堀順一郎町長をはじめ各関係者らが祝福した。

 センター建設は老朽化した旧消防庁舎が耐震・免震設計ではなく、南海トラフ巨大地震の津波浸水域に位置していることに伴うもの。2020年5月に着工し、先月31日に完成した。

 庁舎棟、車庫棟、訓練塔、補助訓練塔、倉庫からなるセンターは鉄筋コンクリート造の一部鉄骨造2階建てで海抜27㍍に位置。敷地面積が9201・98平方㍍で、全体延べ床面積が1910・14平方㍍、全体建築面積が1194・35平方㍍。

 設計は同町築地の清水設計事務所が、施工は有田郡有田川町の株式会社ケイズが行った。総事業費は約12・7億円。

 自家発電設備や自家給油取扱所、ヘリポート、救急消毒室、女子仮眠室、研修室などを完備。さらには近畿でも珍しい、個人ロッカーを採用した出動準備室なども備えている。

 式典では堀町長が「センターは大規模災害発生時の救出や救護の拠点として、役場が被災した際の災害対策本部になる。今後も町民の皆さまの安心と安全のために防災・減災対策に取り組んでいく」と式辞。

 続いて、湯川辰也消防長から事業経過が報告され、関係事業者に対し感謝状が贈呈された。来賓の祝辞では、知事代理で東牟婁振興局の玉置昌彦地域振興部長と荒尾典男町議会議長、谷洋一和歌山県議会議員が祝いの言葉を述べた。

 テープカット終了後は訓練塔において、町消防本部の職員が日頃の訓練の成果を披露した。最後は内覧会が開かれた。

 湯川消防長は「南海トラフなどが発生した際も消防力の低下なく、対応できることがありがたい。訓練設備では消防職員だけでなく、消防団員の皆さまも訓練が行えるため、地域消防力の強化につながる」と話した。

(2022年4月7日付紙面より)

新施設の竣工を祝いテープカット=6日、那智勝浦町の消防・防災センター
訓練塔で職員が訓練の成果を披露した
2022年04月07日
32 往時のにぎわいを復刻で
 レトロ絵はがき取り扱い  (串本町・古座川町 )

 南紀串本観光協会や道の駅一枚岩monolith(モノリス)でこのほど、串本・潮岬や古座川のレトロ絵はがきの取り扱いが始まった。奈良県吉野郡十津川村にある観光拠点「瀞ホテル」代表の東達也さん(41)が手掛ける復刻版の一端で、1枚220円で購入できる。

 「瀞ホテル」は100余年続いた旅館だが、2011年紀伊半島大水害により宿泊施設としての機能を損失。以降喫茶店として再出発し、現在は観光案内や座敷の貸し出しもする拠点となっている。「瀞ホテル」の名はいつか旅館として再興したいという決意として拠点名に掲げているという。

 再興を目指す中、押し入れを整理している時に昔のパンフレットなどが出てきて「古いのに色あせを感じさせない」と往時の絵柄のすごさに感銘を覚えた東さん。興味の延長で熊野の近現代史に詳しい中瀬古友夫さんと出会い、親身な応援を受けて数年前に瀞峡のレトロ絵はがき17種類を復刻し取り扱いを始めた。

 販路を広げる中、三重県熊野市にある道の駅熊野・花の窟(いわや)の売店からも設置の声掛けがあり、それならと熊野市方面の昔の絵柄を探し出し、木本~矢ノ川峠~尾鷲のレトロ絵はがきを第2弾として復刻し応えた。その折に串本や古座川、勝浦や那智など他地域の絵柄も複数残っていることを知り、レトロ絵はがきのシリーズ化を思い立った。

 復刻の第3弾が串本・潮岬(9種類)と古座川(3種類)の各レトロ絵はがきで、拠点に加え前者は同協会と道の駅一枚岩monolith、後者は同駅に協力を求め販路を開いている(5日現在、今後も販路拡大予定)。

 先月下旬から取り扱いを始めた同協会はセット買いや好みの絵柄の単品買いでさっそく動き出しているという。売店機能を持つ同協会古座事業所では瀞峡関係のレトロ絵はがき9種類、同道の駅も6種類を取り扱い。東さんは「昔を知る人には懐かしむ、知らない人にもデザインを通してにぎやかな当時に思いをはせる感じで親しんでもらえれば」と話している。

 現在は勝浦や那智山の復刻に挑戦中という。レトロ絵はがき全般の問い合わせは瀞ホテル(電話0746・69・0003、不定休)まで。

(2022年4月7日付紙面より)

先月下旬から取り扱っている串本・潮岬のレトロ絵はがき=5日、南紀串本観光協会古座事業所
2022年04月07日
33 タイヤ価格が上昇
 公共交通への影響は  (熊野御坊南海バス )

 コロナ禍やウクライナ情勢の影響により4月から、タイヤの価格が7~10%上昇している。都市部に比べ地方は生活における車への依存度が高く、本紙エリアでも各所で影響が聞かれる。所有する多くの大型バスのタイヤを必要とする、新宮市の熊野御坊南海バスに現状を尋ねた。

 タイヤ価格は、コロナ禍における海運コストの上昇に加え、ウクライナ情勢の悪化によるエネルギー危機で、各主要メーカーが4月からの値上げを発表。これを受けてタイヤ販売店は、駆け込み需要を狙って盛んな商戦を繰り広げていたが、それも3月末で終了していた。

 営業・企画・総務担当の谷埜泰正部長によると、熊野御坊南海バスは、38台の大型バスを所有。しかも普通車と違い、タイヤは1台当たり6本もあり、サイズも大型のため値段も高い。このため、値上げ前に履き替えたのかと思いきや「ゴム製品は劣化もあるので、そういうわけにもいかない」と明かす。

 同社では常に運行前に、タイヤなど各部の点検を実施。すり減りや傷を確認するほか、定期的にタイヤ交換を行っている。しかも夏用だけでなく冬用タイヤも同様にメンテナンスをしているため、タイヤに要する費用は大きい。「タイヤ値上げは相当痛い」と話す。コロナ禍による乗客数の減少や、原油高による燃料費高騰も追い打ちをかける。

 一方で他の業種、例えば飲食店のように、仕入れ値や原材料費の上昇をすぐに価格、バス事業でいう運賃に反映させるわけにはいかない。「われわれは国の認可を受けての事業で、簡単に改定はできない。自社努力で吸収するしかない」と述べる。

 タイヤ価格高騰の要因の一つである、ウクライナ情勢に関しては「人道的にはもちろん、経済的にも戦争は反対」と強調。バス利用者を含めた周辺住民に対しては「地域のため、公共交通は守っていかないとと考えています。ぜひバスのご利用を」と呼び掛けた。

(2022年4月7日付紙面より)

タイヤの周囲を点検する運転手=4日、新宮市の熊野御坊南海バス
2022年04月07日
34 春の全国交通安全運動始まる
 各地で啓発活動など展開  

 正しい交通ルールの順守とマナーの実践を呼び掛ける「春の全国交通安全運動」が始まった。15日(金)までの10日間、「子供を始めとする歩行者の安全確保」「歩行者保護や飲酒運転根絶などの安全運転意識の向上」「自転車の交通ルール遵守の徹底と安全確保」を重点に全国で活動が行われる。

 新宮市では初日の6日、市交通事故をなくする市民運動推進協議会(会長・田岡実千年新宮市長)、市交通指導員協議会、市交通安全母の会、県交通安全協会新宮支部、交通事故をなくする県民運動東牟婁地区推進協議会(会長・酒井清崇東牟婁振興局長)、新宮警察署(田原正士署長)など関係者約70人が、同市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店で決起集会を挙行。買い物客らに啓発物資配布などを通して交通安全を呼び掛けた。県では三つの運動重点に加え「高齢者の交通事故防止」を掲げて運動を展開していく。

 田岡市長は「啓発活動を通して、交通事故を1件でもなくし安心安全なまちづくりにつなげていくといった私たちの思いをお伝えできれば」とあいさつ。

 東牟婁振興局の玉置昌彦地域振興部長は「気を付けていても事故に巻き込まれることがある。リスクのある社会で暮らしているということを改めて意識する機会に」。

 田原署長は、串本町と古座川町を含む管内では、人身・物損合わせた交通事故総件数は昨年同期比で減少傾向にあるが飲酒運転の根絶にはいたっておらず予断を許さない状況であると説明。

 「管轄区域が広くなったが、引き続き交差点関連の交通違反を取り締まるとともに、重大事故に直結しかねない横断歩行者妨害や飲酒運転に対して徹底した取り締まりを。自転車による悪質な違反に対しても取り締まりを強化していく」と述べ、さらなる協力を求めた。

 特別ゲストの和歌山市出身の漫画家・マエオカテツヤさんは「気持ちにゆとりを持って運転を」などと呼び掛け。初の試みとして、新宮警察署交通取り締まり部隊による出発式もあり、警察官らが白バイやパトカーに乗り込み取り締まりに出発。関係者らが拍手をもって見送った。

(2022年4月7日付紙面より)

取り締まり部隊を見送る関係者ら=6日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店
啓発物資を配布し交通安全を呼び掛けた
2022年04月07日
35 林縁に繊細な白花揺れる  シャガの花咲き始める  (古座川町 )
2022年04月07日
36 第1回定例会一般質問①  串本町議会  
2022年04月07日
37 町民の安心安全のために  中地さんを交通指導員に委嘱  (那智勝浦町 )
2022年04月07日
38 ウラシマソウの花  那智勝浦町  
2022年04月07日
39 個性あふれる店がいっぱい  第2回「くまのクエスト」  (新宮市 )
2022年04月07日
40 5人が新生活スタート  太地こども園で入園式  
2022年04月07日
41 旧校舎に演奏響く  音楽イベントが盛況  (交流センター太田の郷 )
2022年04月07日
42 小中学校で新学期始まる  一斉に1学期の始業式  (熊野・南郡 )
2022年04月07日
43 「幼稚園は楽しいよ」  うどの幼稚園で入園式  (紀宝町 )
2022年04月07日
44 矢渕中をモデル校に指定  春の全国交安運動を前に出発式  (紀宝警察署 )
2022年04月07日
45 お悔やみ情報
  
2022年04月06日
46 地域の実情に対応
 18歳からカーローン可能に  (新宮信用金庫 )

 成人年齢を20歳から18歳に引き下げる改正民法が1日、施行された。新宮市大橋通に本店を置く新宮信用金庫(浦木睦雄理事長)では、「カーライフプラン」(マイカーローン)の契約の対象年齢を18歳以上に引き下げた。

 これまで▽1人暮らしの部屋を借りる▽クレジットカードを作る▽高額な商品を購入したときにローンを組む―といったとき、未成年者の場合は親の同意が必要だったが、民法の改正により18歳以上で親の同意がなくても上記契約や進路決定などが自分の意思で行うことが可能となる。

 そんな中、多くの金融機関が返済できなくなるリスクがあるとして、ローンの対象年齢を据え置きの20歳以上を条件としているが、同信金では公共交通機関が少ないなどといった地域の実情を踏まえ、カーローンのみ対象を18歳以上に引き下げて契約できることを決定した。

 引き下げに伴い、18歳以上から新車や中古車、バイクなどの購入のほか、免許取得や車検・修理、車庫設置などの用途で融資を受けることが可能となる。

 営業推進部の口地耕司部長と審査部の濵口康夫課長は「お金を使うということにはいろいろな責任が生じてくる。その辺の周知を含めて丁寧に対応していきたい。収支のバランスなどを考慮して審査をしていく」とし、「人口減少の中、地元で働きたいといった若い人たちを応援していければ」と話していた。

(2022年4月6日付紙面より)

新宮信用金庫がカーローンの対象を18歳以上に引き下げた(写真はイメージ)
2022年04月06日
47 観光客数回復なるか
 県割引プランが開始  (那智勝浦町も期待 )

 和歌山県民向けの旅行割引制度「わかやまリフレッシュプランS」が、4月から利用可能となった。本紙エリア内の主要観光地である那智勝浦町も、同プランによる入り込み観光客数の増加に期待を寄せる。

 同プランは、コロナ禍で落ち込む観光業界を支援するための県の施策。県民限定で、県内の総旅行代金の2分の1以内、1人1泊当たり最大5000円を補助する。利用期間は28日(木)までとなっている。

 同町の観光企画課では4日現在、まだ始まったばかりのため、同プランによる入り込み客数は未集計となっている。ようやく、新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置が解除となったこともあり、今後の動向に注目している。

 また同町では3月に、初のオンライン開催となった「まぐろ祭り」(同運営委員会主催)が、目標の10倍を超える申し込みを集めるなど、盛況となった経緯がある。このため同課では「今度はリアルで来てもらえるように頑張りたい」と意気込む。

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■プランは追加募集



 他方で、肝心の同プランの申し込みは、予定の応募数を大幅に下回った。このため県は、3月31日までとしていた募集を、4日から追加募集とした。

 チケットはもともと、約1万6000人分を用意していたが、応募は約6500人分にとどまった。本来は応募があふれ、抽選を行う予定だったが、3月末現在での応募者全員が当選となった。

(2022年4月6日付紙面より)

来客を待つ宿泊施設群=4日、那智勝浦町
2022年04月06日
48 管内4カ所へ分散し放つ
 本年度の稚アユ放流実施  (古座川漁協 )

 古座川漁業協同組合(大屋敏治代表理事組合長)が5日、管内流域4カ所(佐本、三尾川(みとがわ)、明神、小川)に分散して稚アユの放流に取り組んだ。

 県内水面漁業協同組合連合会の事業委託による、管内の資源増強を目的とした春恒例の取り組み。天然アユの砕波帯調査や遡上状況を目安にし、今年は例年並みの1・5㌧を1㌧と0・5㌧の2回に分けて放流する計画を組んでいる。

 今回の放流量は1㌧で、同連合会から届いたのは紀ノ川漁業協同組合で中間育成した体長おおむね10㌢の稚アユ。当日は大屋組合長(65)と理事や組合員有志が4組に分かれて3台の輸送車を迎え、あらかじめ定めた放流場所へホースを伸ばして分散放流した。

 今年の天然アユの遡上は断続的だが昨年よりは良好との判断をしていて、引き続き理事ら組合員も各所で魚影を確認しながら状況を見守るという。大屋組合長は「県内水面漁連から届いた稚アユは思っていた以上に大きく形もそろっていて、これが解禁時にどうなるかを楽しみにしている。今年も大勢の皆さんに古座川へ訪れていただけたら」と放流の成果を期待した。

 古座川漁協管内のアユ漁の次の漁期は6月1日(水)~12月31日(土)で、友釣り漁から順次解禁となる。漁時は同漁協

が遊漁料と引き換えで発行する鑑札が必要(18歳以下は無料だが、証明書を提示して発行を受ける必要がある)で、詳細は同漁協公式ホームページの遊漁規則を参照。問い合わせは同漁協(電話0735・72・3800)まで。

(2022年4月6日付紙面より)

管内流域へ稚アユを放流する古座川漁協の組合員=5日、古座川町三尾川地区
2022年04月06日
49 春の味覚「タケノコ」満喫
 宇久井海と森の自然塾  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の宇久井半島で自然保護活動を展開する「宇久井海と森の自然塾」は3日、環境省宇久井ビジターセンター園地内でのタケノコ掘りや休暇村南紀勝浦での温泉入浴、タケノコ料理がセットになった体験行事「竹の子ウオッチング&温泉入浴」をスタートさせた。

 初日には小雨の中、近隣市町村から7人が参加。同塾運営協議会のメンバーと共に、かつては里山の棚田だった園地内のモウソウチクの林に入り、地面から顔をのぞかせているタケノコを掘り起こして汗を流した。

 新宮市佐野から参加した70代女性は「友人に誘われて2回目の参加。慣れないつるはしを使って汗が出ました」。一緒に参加した友人は「掘ったタケノコは、ワラビと一緒に炊いて食べようと思う」と話していた。

 4月中は10日(日)、17日(日)にも開催予定で、20人以上の団体は月・金・土曜日の開催も可能。参加費は大人2500円、中学生以下2200円。10人以上の団体は大人2200円、4歳以上中学生以下2000円。申し込みは、開催日2日前午後5時までに、ビジターセンター内の自然塾運営協議会(電話0735・54・2510)まで。水曜日休館。

(2022年4月6日付紙面より)

タケノコを掘る参加者=3日、那智勝浦町の環境省宇久井ビジターセンター
掘る途中のタケノコ
2022年04月06日
50 多様な性のあり方考える  御浜町で人権講演会  
2022年04月06日
51 「楽しく遊ぼうね」  紀宝町5保育所で入所式  
2022年04月06日
52 「久しぶり、元気やった?」  サロン活動再開、笑顔広がる  (紀宝町 )
2022年04月06日
53 「買い物お助けカタログ」  新宮市が最新版発行  
2022年04月06日
54 避難所運営ゲームに挑戦  チームくまのがわ  (新宮市熊野川町 )
2022年04月06日
55 アケビの花咲く  新宮城跡・冠木門近くで  
2022年04月06日
56 「わうくらす」事業紹介  動物愛護センターが講習会  (東牟婁振興局 )
2022年04月06日
57 優しく心の強い子に  たづはら保育園で卒園式  (新宮市 )
2022年04月06日
58 楽しい思い出つくって  はまゆう・こども園で入園式  (新宮市 )
2022年04月06日
59 本年度開設期間は全7期  潮岬望楼の芝キャンプ場  (串本町 )
2022年04月06日
60 浜口智道さん、田中秀子さん優勝 グラウンドゴルフ競技会「チャンピオン大会」 (串本町)
2022年04月06日
61 お悔やみ情報
  
2022年04月01日
62 航海安全や大漁願い見送る
 商業捕鯨で第7勝丸出港  (太地町 )

 太地町漁業協同組合(脊古輝人組合長)の捕鯨船「第7勝丸」(32㌧、竹内隆士船長、乗組員5人)が3月30日正午、4年目を迎えた商業捕鯨を行うために太地漁港を出港した。船員の家族や関係者らが大勢駆け付け、無事を祈りながら手を振り見送った。

 第7勝丸は3日(日)からの操業開始に向け、千葉県を目指す。房総沖では1隻のみでツチクジラ漁を実施する。同漁協によると、通常6~7月に行うツチクジラ漁を4月に実施するのは初の試みだという。

 その後は5月ごろに青森県で、千葉県と宮城県の船合わせて4隻が共同でミンククジラ漁に取り組む。続いて、6月には北海道網走市において共同でミンク漁、7、8月も釧路市にて共同でミンク漁、9、10月は千葉沖にて、第7勝丸のみでツチクジラ漁を行うとしている。帰港は11月初旬を予定している。

 昨年は国が定めるミンククジラの漁獲枠120頭より少ない91頭だった。同漁協は、海水温の上昇などが捕獲頭数に影響したと要因を挙げた。また、今年の漁獲枠はミンククジラが110頭で、ツチクジラが16頭となっている。

 水産庁の許可が下りれば、10月中に宮城県でニタリクジラ漁(2頭のみ)を実施する可能性もあるとした。今回は31日未明に出港予定だったが、天候を考慮しこの日の出港となった。

 出港を見送った同漁協の〆谷(しめたに)和豊参事は「安全に事故がないように祈るとともに、去年以上に捕れることを期待しています」。同漁協専務理事で日本小型捕鯨協会の貝良文会長は「海水温の上昇は数年続くこともあり、コロナ禍で価格が付きにくいなど商業捕鯨の開始後は苦労が続いている状況。天候が良ければ捕れるため、今年はぜひ大きくておいしいクジラがたくさん捕れることを願っています」と話した。

 竹内船長は「最近ではスーパーで生のミンクが売っているため、購入する人の姿を見ることもある。昨年は天候が悪く目標頭数に届かなかった。今年は持ち枠いっぱいまで捕獲できればうれしい。事故なく、頭数も捕れて安全に帰ることができれば」と語った。

(2022年4月1日付紙面より)

出港する第7勝丸の航海無事と大漁を願って関係者らが見送った=3月30日正午、太地町の太地漁港
2022年04月01日
63 手厚い看護の体制づくり構築
 1日、HCU開設  (新宮市立医療センター )

 新宮市立医療センター(中井三量院長)は1日から、3階に新宮東牟婁医療圏で初となる高度急性期病床(HCU)を開設する。病床は5床(面積=314・9平方㍍)を新設。発症直後で重症化リスクの高い患者や、手術後の全身管理が必要な患者などに対し、より手厚い看護を行う体制づくりを構築していく。

 HCUは「High Care Unit」の頭文字を取ったもので、日本語では「高度治療室」「準集中治療管理室」と訳される。集中治療室(ICU)と一般急性期病棟の中間に位置するとされているが、分類的には高度急性期病床となる。

 2016年に策定された「和歌山県地域医療構想」には、新宮・東牟婁医療圏について「高度急性期に関しては、奈良県・三重県の隣接した地域に高度急性期機能を担う病床がなく、高度急性期機能を保有する和歌山圏域・田辺圏域から遠方にある地理的な条件から、圏域はもとより県境を越えた周辺地域の拠点として、新宮市立医療センターに多くの患者が集中している」「高度急性期機能を備えた医療機関から遠方となる新宮圏域としては、25年の必要病床数としては44床との推計があり、この地域において高度急性期病床(44床)を担っていくべきとの意見が新宮保健医療圏構想区域検討会で決定された」と記載されている。

 HCUの新設に当たり、4人部屋6室を改修。入院対象者は手術後の全身管理が必要となる患者や、事故などによる危篤な救急患者となる。これまでは3階の手術室から各階の観察室に患者を移送していたが、同階にHCUが開設されることによりフロア内での移動が可能に。

 生体情報モニタリングシステムや人工呼吸器、ICUベッドなどの医療機器が設置されており、専属の看護師長1人と看護師20人が配置される予定となっている。

 総事業費は約2億8000万円(本体工事費1億9800万円、医療機器など購入費8200万円)。財源は県補助金1億1200万円、企業債1億6600万円、内部留保資金200万円。工期は昨年7月16日から今年3月7日。

 中井院長は、救急専門医の確保などの課題を挙げつつも「新年度からの開設に間に合って良かった。県の補助金を頂いて運営できるようになった。(医師確保に対して)当センターに来ていただけるように、今後も活動を続けていきたい」と話していた。

(2022年4月1日付紙面より)

1日から、3階にHCUが開設する=3月30日、新宮市立医療センター
HCUについて解説する中井三量院長
2022年04月01日
64 5G経由でいけすを遠隔監視 近畿大学とNTTドコモが実証実験 (串本町)

 学校法人近畿大学と株式会社NTTドコモが3月30日、串本町串本沖で第5世代移動通信システム(通称・5G)と水中ドローンを活用して完全養殖クロマグロを飼育するいけすを遠隔監視する実証実験に取り組んだ。

 2020年に両者で締結した「5Gの推進、『スマートシティ・スマートキャンパス』創造に関する包括連携協定」に基づく取り組みで、同町域では昨年9月にくしもと町立病院―同大学病院間で実施した遠隔医療支援以来の実証実験となる。

 同支援時は移動基地局を据えてローカル5Gの通信環境を確保したが、以降昨年末に大字串本一帯でNTTの商用5Gが開局。今回はその通信環境をさっそく活用し、同大学水産研究所大島実験場と同大学東大阪キャンパスを結ぶ形で試みた。

 実証内容の目的は養殖業のさらなる効率化(現行でダイバーがこなしている作業の一部代替)で、同実験場は重さ10㌔前後の完全養殖クロマグロを飼育するいけすを実証実験の場として提供。同ドローンのいけすへの投入など不可避の現場作業を図りつつ5G経由で同キャンパスから同ドローンを遠隔操縦し撮影したいけす内の映像をリアルタイム伝送したほか、その映像情報に基づいて作業を指示する想定で別に準備したアーム付き同ドローンの現地操縦者がいけす内の死亡魚(今回の実験では同程度の大きさの模型を使用)を回収する手順も試みた。さらにNTTは、撮影した映像を自社クラウドサービスへ保存し、アーカイブ共有可能とする実証にも取り組んだ。

 同キャンパスで実験に参加した近畿大学水産養殖種苗センターの岡田貴彦センター長は、事前にわずかな映像遅延の説明があったが実際には感じられなかったと遠隔監視の印象をコメント。その映像からダイバーがいけすに入るよりも同ドローンの方が完全養殖クロマグロのストレスは小さいように見受けられた、と今回の実証内容の有用性を見据えるなどした。

 両者は今後も実証内容の検証を重ねて目的に資する成果を目指すとしている。

(2022年4月1日付紙面より)

完全養殖クロマグロのいけす内遠隔監視の実証に臨む実験参加者=3月30日、串本町串本沖
5G経由で伝送した映像の一部(近畿大学提供)
2022年04月01日
65 畝状竪堀群と堀切見つかる
 京城跡の整備で新たに  (紀宝町 )

 2019年、紀宝町指定文化財に指定された同町大里の京城跡(みやこのじょうせき)で、新たに畝状竪堀群(うねじょうたてぼりぐん)と堀切が見つかった。

 京城跡は相野谷川中流域にある平山城跡。紀伊続風土記には1585(天正13)年に豊臣秀吉の臣下、堀内氏善(うじよし)によって建てられたとの記述がある。

 海抜約70㍍の小高い山頂部を中心として、北東の曲輪(くるわ)と周囲に設けられた畝状竪堀や堀切などの防御施設から構成される。当時、山城としては全国的にも希少な石垣造りの城壁も築かれていたことから、かなりの規模と威容を誇る城であったと思われる。

 今年1~2月の下草刈り、間伐、支障木伐採により東側に四つの竪堀、堀切が確認された。町教育委員会では、間伐などで城の形状が分かり始めているとし、来年度も環境整備を続けていくという。

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■看板制作



 相野谷中学校の新2年生9人は授業「京城跡を学ぶ」で案内看板を制作し、京城跡保存・活用・整備検討委員会の寺尾邦義委員長に託した。1年生だった昨年度、学校近くの京城跡を訪れ、郷土の文化遺産を学習。その際「案内版がなく、文化財に思えない」と感じた生徒たちが発案して看板作りに着手した。スギ、ヒノキの板に「石垣」「竪堀」「堀切」などを彫り、1人1枚の計9枚を完成させた。

 寺尾委員長は「生徒の手作りに価値を感じる。立派な看板で設置場所を検討したい。生徒たちにはこれからも京城跡に関心を持ってもらいたい」と話していた。今後、検討委員会に報告した上で、設置場所などを話し合うという。

(2022年4月1日付紙面より)

新たに見つかった畝状竪堀群(青色箇所)
間伐、支障木伐採が進む紀宝町大里の京城跡
生徒たちが手作りした案内看板
2022年04月01日
66 PCR検査等期間延長  「県民の皆様へのお願い」変更  (和歌山県 )
2022年04月01日
67 永年継続企業と優良店舗表彰  第153回議員総会で  (新宮商工会議所 )
2022年04月01日
68 若者たちの「ヨリドコロ」に  仲之町に若者応援センター開設  (新宮市 )
2022年04月01日
69 優美なシダレザクラが八分咲き  熊野那智大社の内庭で  (那智勝浦町 )
2022年04月01日
70 会社と地域の発展に寄与  優良従業員21人を表彰  (新宮市 )
2022年04月01日
71 堂道橋交差点の改良完成  3月31日付で供用を開始  (串本町 )
2022年04月01日
72 第1回定例会一般質問(終)  古座川町議会  
2022年04月01日
73 暖かい一日を楽しむ  記念通り商店街「本まぐろ祭り」でにぎわう  (熊野市 )
2022年04月01日
74 山神慶子さんら受賞  全国書初展で数々の賞に  (書清会 )
2022年04月01日
75 「平岩桜」たくましく開花  水害耐えたソメイヨシノ  (新宮市熊野川町 )
2022年04月01日
76 お悔やみ情報