色とりどりの大絵馬完成 (勝浦八幡神社 )
那智勝浦町の勝浦八幡神社(髙橋正樹宮司)で26日、大絵馬作りが行われた。町内の子どもたち31人が参加。太地町在住で日本画家の土長けいさんが講師を務める中、子どもたちは好きな絵の具を用いて来年の干支(えと)「卯(う)」の絵馬を完成させた。
同神社における大絵馬作りは昨年に引き続き2回目。神社本庁の過疎地域活性化推進施策を受けており、今年は「町の平和と繁栄を願って子どもたちで大絵馬を描こう」をテーマに開催された。
大絵馬は縦120㌢、横150㌢のヒノキ製。参加者が多かったことや、昨今のコロナ情勢を考慮し、子どもたちは「青」「赤」「黄」の3班に分かれて作業を実施。また、時間の短縮を図るため、ステンシル(型押し)の手法に挑戦した。順番を待つ班は小さな絵馬に好きな絵や目標を描いた。
鮮やかな青系統のグラデーションをバックに子どもたちは、それぞれ好きな絵の具を選び、スポンジを使って同神社例大祭を象徴するササや干支のウサギを表現した。土長さんが仕上げを行い、カラフルに彩られた来年の絵馬が出来上がり。子どもたちは拍手で完成を祝った。
土長さんは「モチーフ(ウサギ)は小さいがいっぱい描いてもらった。大人数だったのでできる限り密にならないように工夫しました。好きな色を使ってもらって個性あふれる絵馬に仕上がったと思います」。
髙橋宮司は、子どもたちに「お正月には絵馬を見に来て。また来年の大絵馬作りに参加してください」と呼びかけ、「元気でにぎやかな絵馬が完成した。来年は良い年になると思います」と笑顔を浮かべた。
大絵馬と子どもたちがそれぞれ作成した小さな絵馬は、年末あたりに境内に掲げられる予定。
(2022年11月30日付紙面より)
串本ライオンズクラブ(串本LC、山形五六会長)が27日、串本町古座にある旧古座川病院跡地で第6回自動二輪車安全運転講習会を開き愛好者29人が県警察本部交通部交通機動隊からじかに指導を受けて安全運転の意識を高めるなどした。
自動二輪車の知識や技術を高めて交通事故防止を図ることを目的とし、年1回の頻度で実施。旧串本警察署の統合に伴い今回は新たに新宮警察署へ協力を求め、同隊と調整して実施日時を決め口コミで愛好者に参加を呼びかけた。
当日は串本LC会員18人と同署交通課の課員が場内安全の確保に献身。開会に当たり山形会長と同署の山本貴彦・串本分庁舎長があいさつし、以降は同隊の隊員4人が手分けして運転前点検の紹介や▽スラローム▽ちどり▽連続カーブ▽急制動―といった練習コースで指導を注ぐなどした。
各練習コースは公道を走る中ではほぼ経験できない内容ぞろいで、その無理のない練習を通して自身の運転の限界がどこにあるかを実感し、万が一その限界に直面しても対処できる向上を図るのが狙い。今回は急制動以外の各練習後にそれら内容が連続するロングコースを組み、向上を確かめる機会も取り入れた。
全体を指揮した同隊第一小隊第三分隊の西村将平分隊長は「一生懸命に練習し考えていただけたことで、今後は交差点などで自身の動き方が変わっているのを感じられると思う」と話し、その成果を生かして危険を解消しより安全な運転を楽しみ他の愛好者にも教え広めることを期待。この講習会を計画する中軸で愛好者の一人として参加もした串本LCの小森正剛・第一副会長は帰路でさっそく成果を実行するよう促して締めくくった。
(2022年11月30日付紙面より)
火災予防運動に伴い総合訓練 (新宮市 )
新宮市消防団(中谷健兒団長)と市消防本部(垣内一男消防長)は27日、同市佐野の新宮港緑地で新宮地区総合訓練を実施した。熊野川町を除く、市内7分団団員と団本部91人、消防本部職員16人が参加。放水や礼式などの各訓練に取り組んだ。
訓練は消防団員が主体で実災害に即した訓練を行うことによる、団員の技術の向上と知識の習得を目的に毎年実施している。消防職員の訓練時の安全管理意識の向上を図る狙いもある。
今年は秋の全国火災予防運動(9~15日)期間中の13日に行う予定だったが、天候不順のため延期に。なお、熊野川地区では延期日の20日も天候に恵まれなかったため、訓練は中止となった。
訓練開始に先立ち、田岡実千年市長が日頃の活動に感謝を伝え「地震発生時には津波や火災などにより多くの住民から助けを求められる事態になる。特に消火活動は消防団の皆さまの力がなければ対応できない」。
「皆さま方の存在は地域住民にとって大変心強く、寄せられる期待はますます大きくなっている」とあいさつ。
中谷団長は「市民の安心・安全のために対応力向上のため、訓練を重ねていきたい。自分で納得のできる訓練になるように」と呼びかけた。
新型コロナウイルス感染症の影響で春の総合訓練は中止となっており、約1年ぶりとなった今回の訓練では、発生が危惧される南海トラフ地震に対応するため、可搬式ポンプからポンプ車への中継送水・放水訓練を展開。機関運用や無線交信要領の習得に努めるとともに、団員間の連携強化を図った。
訓練礼式は、消防活動に必要な、厳正な規律と迅速かつ的確で秩序ある団体行動を身に付け、消防精神の錬成を図ることを目的に実施。団員らが職員から指導やアドバイスを受け、真剣な表情で訓練に取り組んでいた。
閉式に当たって、垣内消防長が「大きな地震が発生するといろいろな所で同時に火災が発生する。各分団が各担当地域で消火活動を行うことを考えておかないといけない。普段から地震発生を想定し、しっかりと訓練をしておく必要がある」と講評。
「準備のための訓練を、全体の目標として取り組んでいきたい」とさらなる協力を呼びかけた。
(2022年11月30日付紙面より)
世界道路交通犠牲者の日 (新宮市 )
11月の第3日曜日は「世界道路交通犠牲者の日」。紀南交通事故被害者の会の中岡貴恵さんとその支援者、新宮警察署、第一生命株式会社和歌山支社新宮営業オフィスの社員らがこの国際デーに合わせて26日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店で安全運転と交通死ゼロを呼びかける啓発活動を実施した。
犠牲者を追悼し、遺族の救済や交通犯罪予防の取り組みの重要性を啓発する国際デーで、2005年の国連総会決議で定められた。日本では、TAV交通死被害者の会(大阪府)が「黄色い風車」を統一アイテムとした運動を展開している。
当地方で活動の中心となっている中岡さんは、2018年12月14日に紀宝町鵜殿の六反田交差点付近の県道で発生した交通事故で、母親の中尾叔子さん=当時(85)=を亡くした。家族と共に事故現場を訪れた中岡さんは、白い花と黄色い風車を手向け「犠牲者を悼み、二度と事故が起こらないよう願う心は世界共通。ハンドルを握る責任と命との重さを感じ、ドライバーの方々には安全運転を心がけてほしい」。孫の間部遙斗君(10)も「事故をなくすため、ちゃんと信号を守ってほしい」と思いを語った。
啓発活動では、買い物客たちに黄色い風車や12月11日(日)に同市文化複合施設「丹鶴ホール」で開催される「新宮ハートフルコンサート~交通事故防止の願いを込めて~」のチラシなどを手渡した。
新宮警察署によれば、2022年に管内で発生した交通事故(11月25日現在)は、死亡事故3件、人身事故64件、物損事故約1250件。啓発に協力した第一生命の林田祥道オフィス長は「情報を頂き、地域の方々への呼びかけに協力させていただいた。私たち社員一同も、改めて日々の仕事で安全運転を心がけていきたい」と話していた。
(2022年11月30日付紙面より)
消防団が合同放水訓練 (那智勝浦町 )
那智勝浦町消防団(下地将仁団長)の合同放水訓練が27日、那智勝浦町天満の町消防・防災センターであった。町内8分団から44人が参加、他分団との連携による放水の手順を確認したほか、無線による正確な情報伝達も訓練した。
同センターは、4月に運用を開始。同町消防団8分団の合同の訓練は、同センターでは初となる。せっかくの合同訓練であることから、実際に火災発生で連携を取ることもある、1・7分団と2・3分団、4・5分団、6・8分団で合同班を組んで、訓練を実施した。
放水訓練は、消火ホースを250㍍伸ばし、水源から7㍍高い場所で放水を行うというものだった。距離が長く高低差もあるため、ポンプ車から水を送り、中間地点に可搬ポンプを設置して水圧低下を防ぎ、無線で指示を送って目的の場所で放水した。各要所では同町の消防職員が指導した。団員らは、協力して懸命に取り組み、迅速な放水を目指していた。
無線による情報伝達訓練は、四つの火災現場写真のうちの一つを見て、無線で正確に情報を伝えるというものだった。同センター内の3部屋に分かれ、1部屋目の団員が写真を見て「木造平屋の火災で、裏は山、左は空き地、右は建物あり」などと連絡。
2部屋目の団員がこれをメモし、3部屋目へ無線で伝達。3部屋目の団員はこれを聞いてメモを取り、最終的に四つの写真のうちどの火災かを当てた。団員らは正確で簡潔な情報伝達と、メモを取りながらの無線連絡に苦労していた。
下地団長は「今回の訓練で、他の分団としっかりと連携を取れるようになれば。また、技術の向上のため、他の分団ではどういうことをしているかをしっかりと見て、良いところは取り入れて、今後の活動に生かしてもらえれば」と語った。
(2022年11月29日付紙面より)
串本漁港で夜間潜水訓練 (串本町消防本部潜水隊 )
串本町消防本部潜水隊(岩谷大輔隊長、隊員11人)が25日、串本漁港北詰めで夜間潜水訓練に取り組んだ。
この訓練は月に1、2回の頻度で日中に取り組んでいる潜水訓練の成果を夜間に当てはめて実践し、身に付けている技術の発揮や隊員としての士気をいっそう強める目的で年1回実施。今回は内規の定めから1年延長で隊に残り後進の指揮を取り続ける岩谷隊長(41)からの引き継ぎも意識し11人一丸で臨んだ。
訓練項目はスノーケリングによる泳法と垂直潜降、スキューバダイビングによる潜降や浮上と水中での環状検索や横隊検索など。岩谷隊長は陸上から全体指揮を取り、他10人は訓練海域内へ入り日没で夕闇が徐々に深まる中で順次各項目を実践した。
同隊は現状、実働における夜間潜水はしないこととしている。にもかかわらず夜間潜水訓練に取り組む狙いは、暗さや濁りなど視界が極端に制限された水中環境に直面しても互いの位置関係を把握し連携して対応する力を高める点にあるという。岩谷隊長は自分のように年齢制限で抜ける隊員もいれば新たに入る隊員もいることで隊の規模が一定に保たれている点を見据え、この訓練で経験の浅い隊員が深い隊員に少しでも追い付き隊全体として対応力が高まる成果を願いながら適時指導を注いだ。
(2022年11月29日付紙面より)
3年ぶり、タウンガーデンで点灯式 (新宮市 )
新宮市保健センター横の「タウンガーデン」で27日夜、「クリスマスイルミネーション点灯式2022」が開催された。3年ぶりとなった点灯式には市内外から多くの人が訪れ、イルミネーションの華やかな光やステージイベント、飲食・体験ブースなどを楽しんだ。
同点灯式実行委員会(沓澤敦委員長)が主催。同所の花壇を管理する花づくりボランティア「タウンガーデン」(平田裕子代表)会員の高齢化などの理由から、以前より設置作業に協力していた有志らがイルミネーション設置作業を引き継いで今年で6年目。点灯式は15回目で、有志らが引き継いで4回目の開催となった。
点灯式は、サンタクロースに扮(ふん)した大山山学道・立石光正行者らによるほら貝で幕開け。開催に当たり、沓澤委員長は「3年ぶりの点灯式。この3年間は健康について見つめ直すことが多かったと思う。健康は体の健康に目を向けがちだが、心の健康も大事。今夜は元気をいっぱい放出して楽しい思い出を家に持ち帰って」とあいさつ。
会場全員のカウントダウンに合わせて、市立丹鶴幼稚園の植松禅君と下瑚乃羽ちゃんが「魔法のステッキ」を一振り。会場はイルミネーションの華やかな明かりで包まれた。
来賓の田岡実千年市長は実行委員や平田代表ら「タウンガーデン」会員の日頃の協力を伝え「3年ぶりに点灯式が開催でき、多くの市民の皆さんに楽しんでいただけることをうれしく思います」と話した。
同幼稚園児らによるダンスに続き▽F.S.P.A▽HAL CREW▽シャンシャン▽FAL(県立新翔高校バンド)▽あっちゃん’sバンド▽theのの&あづ▽ピアニッシモ&コスモス▽AniAni Hula Studio―らが歌やダンスなどで会場を盛り上げた。
新翔高校の生徒が考案した「マグロカツサンド」をはじめとする飲食の販売やクリスマス縁日などのブースも並び、多くの人が列を作っていた。
会場内にはツリーも設置され、来場者らはそれぞれに願い事を書き込んだ用紙をツリーに飾り付けた。用紙は翌日に護摩だきを行った。
式の最後には豪華景品が当たる菓子まきもあり、会場は終始多くの人の笑顔であふれていた。イルミネーションは来年1月7日(土)までを予定している。
(2022年11月29日付紙面より)
初の「地域医療シンポジウム」 (紀宝町 )
紀宝町地域医療シンポジウム2022―共に学ぶ、優しい街の未来へ―が26日、紀宝町鵜殿の町生涯学習センターまなびの郷で開催された。医療や行政関係者、住民ら約120人が訪れ、がん患者や家族との関わりを考えた。
地域医療と地域包括システムを充実させようと町は10月、町立相野谷診療所に紀宝町地域医療研修センター「KITCHEN(キッチン)」(センター長=森本真之助・相野谷診療所長)を開設。住民への学びや健康普及活動を基本方針の一つに掲げており、一般向けに初めてシンポジウムを開催した。
一般社団法人がんサポートナース代表の片岡幸子さんによる特別講演「小学生から知ってほしい、がんと命の物語」と、医師看護師による質問&トークセッション「聞いてみよう、がんのこと」を企画した。
講演では看護師になった理由や、緩和ケア病棟で働いた日々、思い出深い患者家族とのエピソード、2019年に同法人を立ち上げた経緯を振り返った上で、患者や家族が大切にしていることを自らも大切にしながらケアしていると紹介。「がん患者の最後の苦痛は孤独といわれるが、生きている間に(家族や周りの人に)やれることがたくさんある」とし、患者と話したり、スキンシップをとったり、主治医と良い関係を築いたりすることが大切と伝えた。
「100%死ぬ」ために「あなたが大切にしているものを家族は知っていますか」と問いかけ、「自分が大切にしていることを誰かに伝えておいて。そして、困ったときに相談できる人をつくっておいてほしい」と呼びかけた。
あいさつした森本センター長は、同センター開設の経緯や、今後、年に1~2回程度シンポジウムを開きたいことを伝え「人を育てるという機能を持たせた地域医療研修センター。この場に皆さんが集まってくれたことに感謝し、実りある時間にしたい」と話した。
トークセッションでは森本センター長とくまのなる在宅診療所(井田)医師の濱口政也・副センター長、片岡さん、同法人の緩和ケア認定看護師・佐藤絹代さんが登壇し、来場者の質問に答えたほか、看護師・医師と患者との関わり、医療現場について語り合った。オープニングでは同町の和太鼓グループ「熊野水軍太鼓」が演奏した。
(2022年11月29日付紙面より)
県レスリング新人大会で活躍 (新宮高校 )
県軟連東牟婁支部学童部新人大会
県内主要駅で配布 (和歌山大学きの活 )
和歌山大学の学生で構成される「和歌山大学きのくに線活性化プロジェクト」が企画・制作した冊子「うみえるマップ」がこのほど完成した。24日には同大学学生で那智勝浦町出身の宮井凜晴さんと、三重県御浜町出身の村井優太さんが新宮市徐福のJR新宮駅を訪れ、坂本純一駅長に冊子を手渡し配架を依頼したほか、列車を利用する乗客に冊子を配布。沿線の魅力を伝えた。
和歌山大学の有志学生らで構成される同プロジェクト。鉄道を通じた実践的地域振興を目的に、各種取り組みを展開している。
冊子は、きのくに線の海が見える区間や、車窓から見える名所・海にまつわる魅力を路線図形式で掲載。学生らが地元住民に取材を行い、おすすめのスポットなどを聴取した。デザインも自分たちで手がけており、こだわりと地域の魅力が詰まった一冊に仕上がった。
B5サイズ16㌻で、「紀北」「紀中」「紀南・西牟婁地域編」「紀南・東牟婁編」などの項目別に、寺社や観光資源、特産品などを紹介。「きのくに線の旅のお供に」「絶景を見逃さない」と銘打っており、列車の旅の醍醐味(だいごみ)を一層促進する内容となっている。
県内の24市町村で構成する紀勢本線活性化促進協議会が発行。JR西日本和歌山支社が協力した。冊子は同駅や紀伊勝浦駅などの主要駅に配架される予定だ。
坂本駅長に冊子を託した宮井さんは「地元の人しか知らない情報もたくさん盛り込んだ。多くの人に伝わりやすく、見やすいように心がけました。自分たちで取材をするなど苦労した分、自信作に仕上がった。ぜひ多くの人に手に取っていただければ」。
千葉県から、観光を兼ねた墓参りで新宮市を訪れた50代会社員女性は「一目でいろいろな情報を見ることができていい冊子。デザインもいい。インターネットで事前に見られたらいいなと思いました」と話していた。
(2022年11月26日付紙面より)
初めて紀宝町でイベント (新宮JC )
熊野の魅力を集めた「熊野フェス~親子でまるっと楽しめるお祭り~」が23日、紀宝町鵜殿の町生涯学習センターまなびの郷で開催された。多くの人が訪れ、体験やグルメなどさまざまな催しを楽しんだ。
熊野地方の観光をテーマにしたイベントで、地元経済の起爆剤となればと新宮青年会議所(新宮JC、梅村英義理事長)が主催、紀宝町が後援した。熊野市まで活動エリアを拡大したため、初めて三重県側の紀宝町を会場に選んだ。
串本町から熊野市までの観光関連団体にPRや体験のための出展を呼びかけ、飲食店による食のブースも設置。ステージでは町立矢渕中学校吹奏楽部による演奏や各団体によるダンスが披露された。
串本町田原で建設が進む日本初の民間ロケット射場「スペースポート紀伊」に関する講演もあり、南紀串本観光協会のロケットガイド・坂本直弥さんが登壇。なぜ串本が選ばれたかや、事業が軌道に乗れば年間20回ほど打ち上げを見る機会があることを紹介し、「宇宙への扉が私たちのすぐ近くにできる。宇宙の町を皆さんと一緒に盛り上げていきたい」と呼びかけた。
会場には雨の中、家族連れが多く足を運び、グルメ巡りを楽しんだり、あらためて地元観光の魅力に触れたりしていた。梅村理事長は「本年度のメインイベントとして開催した。紀宝町には会場の件など協力的に対応していただきとても感謝している」と話していた。
(2022年11月26日付紙面より)
串本町教委と連携イベント (ジュニアリーダークラブ「ビー・スター」 )
東牟婁地方ジュニアリーダークラブ「ビー・スター」と串本町教育委員会の連携イベント「宝探しスタンプラリー」が23日に同町内であり、小学生26人が挑戦を楽しみつつ協調の良さを実感した。
主導した同リーダーは、県青少年育成協会がリレー式次世代健全育成事業の中で育成している中学生や高校生の人材。同協会は県内に三つある青少年の家を拠点にして年2回、同事業の実働企画「地域ユース・ジュニアリーダー養成キャンプ」を開いていて、同リーダーは同ユース(=リーダーを目指す小中学生)と活動を仲立ちする立場で日々高めている資質を発揮して集団をまとめ、同ユースはその姿に協調することで求める資質を実感し互いに成長し合う状況を形にしている。
県内のジュニアリーダーは大枠でクラブ「パステル」を結成する中で地方単位の小クラブも結成していて、その一つが東牟婁地方青少年育成県民運動推進委員連絡協議会付けの小クラブ「ビー・スター」。今回のイベントは小クラブならではの機動力を生かして市町村の教育委員会と連携し相互成長の裾野を広げることを目指した取り組みで、「ビー・スター」にとっては2年前に那智勝浦町教育委員会と連携して以来2回目の実施になるという。
当日はジュニアリーダー「そうた」「とーこ」「はるか」が活動を主導し、序盤はレクリエーションを楽しんで緊張感をほぐし、中~終盤に本題の「宝探しスタンプラリー」に挑戦。26人が4チームに分かれて五つの課題に挑戦し、クリアの証しとしてスタンプをそろえて菓子入りの宝箱を得る流れで協調の良さに触れた。
最年長のジュニアリーダー「そうた」こと岩本颯太さん(17)は「知らない子同士で集まっても仲良くなれて、一緒に楽しく遊べることを知ってもらえれば」と参加した小学生に感じてほしいところをコメント。そのために一人一人に適切に接することを心がけたいと自身の課題を見据えつつ、3人一丸で全体主導に励んでいた。
(2022年11月26日付紙面より)
地域交流イベント「本気フェス」 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立図書館(久保敏晴館長)で23日、「本気(マジ)フェス~本とフリマとラクガキと~」があった。例年は駐車場で実施しているが雨天のため、館内での開催となった。古本市やワークショップ、フリーマーケットには多くの家族連れや図書館利用者、読書愛好家などが来館しにぎわった。
同図書館が主催する地域交流イベントの一環で3回目。本と図書館を通して、地域住民同士や職員との交流を図ってもらうことが目的。催しを通して図書館に足を運んでもらうきっかけづくりも兼ねている。
地域住民が出店するフリーマーケットはこれまでは本限定だったが、今回は店主がセレクトした物品を販売する形を取った。館内にはパンや菓子、陶器、アクセサリーなどの販売があったほか、絵本カフェのブースもあった。
一般書、児童書、雑誌などの廃棄本と配架できない寄贈本を地域住民に有効活用してもらうための恒例の「古本市」は今回無料となった。足を止め、本を選ぶ来館者の姿が多く見られた。
しおりとクリアファイル作りが体験できるワークショップも盛況で、子どもたちは笑顔で作業に取り組んでいた。
例年好評を博している駐車場での「ラクガキであそぼ。」は雨天で中止となったが急きょ、大きな紙を室内に張り、チョークで落書きが楽しめるスペースを設けた。
家族と訪れた新宮市立王子ヶ浜小学校2年の園山将臣君は「2階ではお茶を飲んできた。ワークショップは楽しかった。クリアファイルは部屋に飾ります」と話していた。
久保館長は「子どもたちには晴天の下、落書きを思い切り楽しんでほしかったので残念。本に限定しないフリマも実施したため、従来の来館者層とは違う方々にも足を運んでいただけて良かった。これをきっかけにこれまで来館する機会がなかった方々にもぜひ、気軽に図書館に来ていただければうれしい」と話していた。
(2022年11月26日付紙面より)
近大新宮は近畿大会へ (県なぎなた選手権、近畿高校選手権など )
県高校空手道新人大会兼近畿大会予選
全国スポ少東牟婁予選兼スポ少交流バレーボール大会
新嘗祭とサッカー必勝祈願祭 (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で23日、「新嘗祭(にいなめさい)」と、同日夜に2022サッカーワールドカップカタール大会で初戦を迎える日本代表チームの必勝祈願祭を営んだ。自然の恵みに感謝するとともに、日本代表選手らの健闘を願った。
新嘗祭は古くから伝わる宮中儀式の一つで、天皇陛下がその年に取れた五穀を神々に供え、自身も食して収穫を感謝する祭り。神前に穀物などがささげられ、上野宮司が祝詞を奏上。巫女(みこ)たちが「浦安の舞」を奉納した。
必勝祈願祭には、地元のサッカー愛好家や新宮サッカースポーツ少年団の子どもたちも参列した。
なお、先月27日には、(公財)日本サッカー協会の田嶋幸三会長、反町康治技術委員長、宮本恒靖理事らが同大社を訪れ、チームの健闘を祈願。同協会では、日本サッカー協会のシンボルマークである「ヤタガラス(八咫烏)」と日本近代サッカーの始祖といわれる那智勝浦町名誉町民の中村覚之助の古里である熊野において、2002年ワールドカップ日韓大会から熊野三山一寺で必勝を祈願している。
神事に参列した子どもたちは「今日の相手(ドイツ)はかなり強いけど全力で頑張ってほしい。ヤタガラスが見守ってくれると思います」と笑顔。
上野宮司は「新嘗祭では全国からお供えいただいた新穀をお供えさせていただき、天恵に感謝しました」。
ワールドカップに関して「スポーツを通して世界が一つになり感動を分け合うのは素晴らしいこと。世界平和を願う祭典に参加できる日本を誇らしく思う。ヤタガラスの力を頂き、けがのないように頑張って感動する試合を見せてほしい」と思いを語った。
なお、同日に行われたドイツ戦において、日本代表はドイツ代表に2―1で勝利。27日(日)にコスタリカ、12月1日(木)にスペインと対戦する。
(2022年11月25日付紙面より)
熊野那智大社で新嘗祭・献穀講祭
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)は23日、「新嘗祭(にいなめさい)・献穀講祭(けんこくこうさい)」を営んだ。
新嘗祭は古くから伝わる宮中儀式の一つで、天皇陛下がその年にとれた五穀を神々に供え、自身も食して収穫を感謝する祭り。
同大社でも神前に新しい穀物などをささげ、農作物の恵みに感謝した。責任役員や町内の農家からなる献穀講員ら18人が参列し、五穀豊穣(ほうじょう)を祈った。
祭りでは男成宮司が祝詞を奏上し、正装した2人の巫女(みこ)が「浦安の舞」を奉納した。献穀講代表の大江清一さんらが玉串をささげた。
大江さんは「近年は異常気象が続いており、農家にとっては不安がある。本日は来年の豊作を祈願するとともに、皆さまが安心して暮らせるように、新型コロナウイルス終息も祈りました」と話していた。
(2022年11月25日付紙面より)
熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)は21日、新宮市徐福のJR新宮駅(坂本純一駅長)を訪れ、九鬼宮司が来年のえと「癸卯(みずのとう)」を描いた絵馬を寄贈した。坂本駅長は「毎年頂き、ありがたい」と感謝を述べた。
新宮駅は毎年、熊野三山の各大社から絵馬の寄贈を受け、ホームに飾っている。来年の「癸卯」の絵馬を届けたのは熊野本宮大社が一番早かった。新宮駅に届けた絵馬は五角形となっており、大きさは周囲の木枠を除いた画面の最大部で横が103㌢、縦が80㌢となっている。
熊野本宮大社は新宮駅のほか、いずれもJRで紀伊田辺駅、白浜駅、周参見駅などにも絵馬を寄贈している。各駅のある市町のイメージで背景の色を変えており、新宮駅は「海・山・川」などの自然をイメージした緑だった。月を仰いで祈るウサギが描かれ、「祈」「安全」「平和」「コロナ終息」などの文字も揮毫されている。
九鬼宮司は「串本町でロケットの打ち上げが予定されていることから、月は宇宙と熊野がつながるイメージで描いた。新宮駅に来られる方の安全、新型コロナの終息、世界の平和などをウサギが祈っているイメージ。来られる方を笑顔でお迎えし、熊野の良さを発信していただければ。絵馬が熊野三山をイメージされるきっかけになり、それぞれに足を運んでいただければ幸い」と語った。
坂本駅長は「このような素晴らしい絵馬を頂き、ありがたい。新宮駅を訪れる人に見ていただき、当地方を回っていただいて、これまでコロナ禍で辛抱してきたところもあると思うので、今後は皆さんが飛躍していただけるような年になればと思う。絵馬を見て、熊野三山や熊野古道に足を運んでいただければ」と述べた。
(2022年11月25日付紙面より)
多くの来場者が花火楽しむ (那智勝浦町 )
那智勝浦町は22日夜、同町の勝浦湾・渡の島で「海の章」と題し、関西初となる新色「エメラルドグリーン」の花火を打ち上げ、同町の秋の夜空に大輪を咲かせた。合計2000発が打ち上げられ、多くの見物人から拍手や歓声が上がった。
3年連続で中止となった那智勝浦町花火大会に代わるイベントとして町独自で計画。花火大会の実施を望む町民の声を受け、コロナ禍で疲弊する町を元気づけるとともに、町の活性化につなげることが目的だという。
イベントでは15分間の花火を2度に分けて披露するもので、初回の13日には「山の章」と題し、紅葉と那智の滝しぶきの競演を表現した花火が打ち上げられた。
2回目は20日に実施予定だったが、天候不良でこの日に延期となった。町職員らは見物場所付近に待機し、来場者の安全確認や交通誘導に努めていた。
午後8時、美しい光の大輪が夜空と勝浦湾の水面(みなも)を彩った。その光景を見物したり、写真や動画に収めようとする来場者の姿が多く見られた。終了の際は大きな拍手が送られた。
この日、家族と共に見物に訪れていた同町湯川に住む清水弘治さんは「間近で見ることができ、迫力があった。とてもきれいだった。温泉街で花火が3年間ないのは寂しい。少しずつでも、コロナ禍以前の日常に戻ってくれればうれしい」と話していた。
(2022年11月25日付紙面より)
来年の大絵馬が完成 (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で21日、来年のえと「癸卯(みずのとう)」の大絵馬が完成した。12月から大社拝殿に掲げられる。
大絵馬はヒノキ製で、縦1・5㍍、横2・1㍍。上野宮司が8月ごろから構想を練り、手直しなどを加えて今日に至った。「天の恵みに感謝し、頂いた命を一生懸命、謙虚に生きてほしい」との思いを込め、「天恵(てんけい)」「壽福(じゅふく)」の文字を揮毫(きごう)し絵馬を完成させた。
アクリル絵の具を使用し、瑞光を背景に、金の御幣を立てた鏡餅に向かって梛の御幣を手に邪を払う父親ウサギ、それを見つめる母親ウサギ、そして無邪気に遊ぶ子ウサギが描かれている。
上野宮司は「今年の絵馬(寅)は、邪悪なものを打ち破るべく眼光鋭い虎を描いた。来年の絵馬では、家族を中心とする温かい暮らしを取り戻すことができれば、との思いを込め、日本の祈りの形、お正月の家族の姿を表現した」。
「暗いニュースが多い中、見る人に『いい年になる』と力を与えられるような、明るい絵馬になるように努めました」と思いを語り「悲しみがあっても、私たちは助け合う気持ちを持ってお互い鼓舞してきた。悲しみに浸るだけではなく、日本に生きる私たちは天の恵みを素直に喜び、恵みに見合うように謙虚に生き、そして地球のために生活を改める必要もあると感じています」と話した。
毎年、JR新宮駅に掲げている小絵馬(縦70㌢、横110㌢)は、12月半ばごろに届けられる予定。
(2022年11月22日付紙面より)
樫野埼灯台のタイムカプセル (田辺海上保安部 )
串本町樫野にある樫野埼灯台で19日、タイムカプセルの開封式があった。このカプセルは10年前の灯台記念日行事の一環で封入されたもので、当時参加した児童生徒が未来の自分に宛てた手紙を受け取り、成長を実感するなどした。
灯台を身近にする目的で2012年11月1日に行われた、第五管区海上保安本部管内初の趣向。開封は10年後とし、当時の大島小児童47人と大島中生徒24人が「10年後の自分への手紙、未来へのメッセージ」と題した作品を現役引退した灯台部品「灯ろう」に封入し、以降は雨露がしのげる同灯台内部で保管していた。
開封するに当たり田辺海上保安部(真部克彦部長)は当時の児童生徒や教職員などへ招待状を発送し、当日には60人が出席した。真部部長が地域の風景の一つとして灯台に親しみ愛してほしいという願いを掲げて開封を迎えられることを喜びつつ「自分の過去からのメッセージをこれからの道しるべとし、明るい将来を目指してほしい」とあいさつ。当時の児童を代表して伊勢谷詠さん(19)と伊勢谷連さん(17)、同じく生徒を代表して山﨑将一郎さん(22)と宮下翔平さん(22)が小中それぞれの同カプセルを開封した。
内容物は当時の大島小校長・中道美代子さんと大島中校長・藤田陽子さんが受け取り、集まった児童生徒へと手渡した。同部は式後に同灯台の内部特別公開や海上保安庁所属航空機の飛行展示も実施し、紀伊大島ならではの経験として託して締めくくった。
10年後の自分に宛てた手紙を手にして山﨑さんは「何を書いたかまでは覚えていなかったので期待して開封した。一言で言うと10年前の自分から叱咤(しった)激励をもらった気分です」、宮下さんは「書いてあることがあまり実現できていなくて恥ずかしいけれど、自分ももう仕事をする年齢なのでこれから頑張らないといけないなという気持ちになった」。
伊勢谷詠さんは「今でも眼鏡をかけてるの?とか、犬は元気?とか、何を書いてるのと読んで恥ずかしくなりましたが、勉強してる?というのは今大学生でその通りなのでこれは頑張らなければと思いました」、伊勢谷連さんは「お父さんが初めて髪を切らせてくれたことが書いてあった。美容師になるのはその頃からの夢で、当時を思い出せていい励みになったしお父さんにも改めて感謝かな」とそれぞれ印象を語った。
(2022年11月22日付紙面より)
AED取り扱い講習会 (三輪崎自主防 )
三輪崎区自主防災委員会(湊川大介委員長)は20日、新宮市消防本部の協力を得て、同市の三輪崎会館で自動体外式除細動器(AED/通称:電気ショック)の取り扱い講習会を開いた。区役員など8人が参加、AEDの取り扱いや心肺蘇生法を学び、緊急時に備えた。
同会館は文化やスポーツの教室などで高齢者の使用も多いため、万が一を想定して実施した。新宮消防の救急係の松本裕也さんと前田響音さんが講師を務めた。
開会に当たり、湊川委員長があいさつ。「万が一のときに、一人でも多く助かるようにしっかり学んで、使うことがないのが一番ではあるが、(講習が)役立つ日が来るといいなと思う。よろしくお願いします」と呼びかけた。
AEDの講習に先立ち、心肺蘇生法の講習があった。前田さんは「心臓が止まると血液が回らない。脳に3、4分血液が回らないと、脳細胞が死んでしまう。脳が死んだら治療しても戻らないため、それを防ぐために胸骨圧迫(心臓マッサージ)をしてもらう」などと説明した。
訓練用の人体模型を使い、救急係の2人による手本の後で、参加者が心肺蘇生法として胸骨圧迫と人工呼吸を訓練。続けて、AEDも訓練用を使い、人体模型にパッチを取り付けて実施、手順を確認した。参加者はいずれも、救急係の2人の指導や助言を受けながら、懸命に取り組んでいた。
(2022年11月22日付紙面より)
勝吹が感謝伝えるコンサート (那智勝浦町 )
熊野地方の社会人などで構成する那智勝浦吹奏楽団(大江一恵団長)は20日、那智勝浦町体育文化会館で第3回「勝吹感謝コンサート ありがとう~いやし 満たし よみがえる~」を開催した。コンサートには約350人が来場し、地元団員らが演奏やパフォーマンスを通してさまざまな「ありがとう(感謝)」を伝えた。
1996年から開催している同楽団の定期演奏会。毎年、県内外から多くの人々が来場し、にぎわっていたが、新型コロナウイルス感染症の影響で3年連続の中止に。おととし、昨年はコロナ禍を踏まえて、身近な関係者を招待し、「ファミリー感謝コンサート」と銘打って人数制限や演奏時間短縮などの対策を講じながら演奏会を実施してきた。
コロナ禍3年目の今年は「多様性あふれる地域をめざして」をテーマに、タイトルを「感謝コンサート」に変更。活動が継続できることに対する地域への感謝を第一に、またポストコロナと多様な文化交流を軸に「今、できる演奏会」「誰もが楽しむことのできる演奏会」を目指した。
コンサートでは、来場者のマスク着用や検温、アルコール消毒の呼びかけ、団員と客席の距離を5㍍離すなどのコロナ対策に取り組んだ。
迫力あるオープニングファンファーレで幕を開け、行進曲や大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のテーマ、人気アニメ「SPY×FAMILY(スパイファミリー)」の主題歌「ミックスナッツ」などを披露し、会場を沸かせた。
また、新たな取り組みとして「手話が聴覚障害者と聴覚障害者以外の者がお互いを理解し合うための大切な言語である」との認識に基づき、手話通訳も設置。「翼をください」のサビ部分では、来場者全員で手話を行った。
昨年に引き続き、唱歌「ふるさと」では「あ」「り」「が」「と」「う」と1文字ずつ書いたパネルを持った団員が登場し、演奏とともに感謝を伝えた。
指揮者の大江伸二さんは「コロナ禍以前の状態に近づけたい思いから、お客さまとの距離を確保し、団員がマスクを外しての開催に臨んだ。来年は今年よりも感染防止の理解を変えていくとともに、多様な取り組みも進めていきたい」。大江団長は「暴風雨の中、多くの皆さんにお越しいただき、感謝しています。今後も応援してくださる地域の皆さまに感謝を伝えていきたい」と語った。
(2022年11月22日付紙面より)
新宮市下本町の「新宮下本町遺跡」が10日、官報告示を経て正式に国史跡に新規指定された。市内では2003年に新宮城跡附水野家墓所が指定を受けて以降、19年ぶりの指定となった。
国指定史跡は、文化財保護法または文化財保護条例によって歴史上、学術上価値の高いものとして指定された遺跡。「新宮下本町遺跡」は6月、文化審議会文化財分科会の審議・議決を経て、文部科学大臣に新規指定するよう答申がされていた。
このたび指定された「新宮下本町遺跡」は、15年以降の市教育委員会による発掘調査によって確認された、12世紀後葉から16世紀中ごろにかけての港湾に深く関係すると考えられる遺跡。
14世紀末ごろから15世紀にかけて最盛期を迎え、熊野川に面した自然堤防の斜面地を石垣に用いて段状に造成した面から地下式倉庫群や鍛冶遺構が検出されるとともに、それに直交して石段を伴う通路が設けられている。また、この時期には出土遺物から交易範囲の拡大が想定されるなど、港湾都市として機能したことが分かる。
中世以降、太平洋航路の重要な拠点であった新宮における港湾や海を介した交流の実態を知る上で重要なだけでなく、中世の海上交通と宗教勢力との関係、平安時代末ごろ以降から全国へ信仰が拡大する熊野三山の経済基盤などについて考える上でも重要なものとされる。
指定を受け、市では今後、実際に文化財を総合的に保存・活用するために必要とされる「保存活用計画」を策定し、保存と活用に向けた整備を実施していく予定としている。
また、指定を記念して、市と市教育委員会は12月17日(土)午後1時から同市下本町の「丹鶴ホール」で、シンポジウム「新宮下本町遺跡~中世の港町新宮の実像に迫る~」を開催する。来年2月25日(土)からは、市立歴史民俗資料館で国史跡指定記念企画展「中世新宮の町と海上交通」を開催する予定。
(2022年11月18日付紙面より)
堀町長が砂防部長に要望 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の堀順一郎町長は9日、同町の那智川上流遊砂地の下流付近の渓流保全工整備について、国土交通省水管理・国土保全局の三上幸三砂防部長を訪問し、要望活動を行った。
2011年9月の紀伊半島大水害によって、甚大な被害が発生した同町。復旧のため、国の緊急対策工事により、砂防えん堤が8支流で15基、完成している。
要望書には現在、工事着手している那智川上流遊砂地の下流にある二ノ瀬橋付近において万一、上流から土石流が発生した場合、土石流とともに流下する流木が橋脚を閉塞(へいそく)し、被害を拡大するおそれがあると記した。
さらには、流域の治水安全度向上および、近隣住民の安全・安心確保のため、当該箇所における渓流保全工整備を要望した。
堀町長は「流域の治水安全度は確実に向上していることを実感している。渓流保全工整備については、かかる状況をご賢察いただき、各段の配慮がなされますようお願い申し上げます」と訴えた。
この日は堀町長に加え、町建設課の楠本定課長も同行した。
(2022年11月18日付紙面より)
榎本君、全国大会3位を報告 (矢渕中 )
「第20回全国中学生都道府県対抗野球大会in伊豆」で3位に輝いた三重選抜(U―15 MIE SELECT)のメンバー、榎本健志君(紀宝町立矢渕中学校3年)が16日、同町役場を訪れ、西章教育長に入賞を報告した。
榎本君は、東紀州選抜の主将で出場した県選抜大会で優勝、三重選抜にも選ばれ、東海大会決勝戦で逆転のきっかけとなる安打を放ち優勝に貢献した。
全国大会は全国各地区を勝ち抜いた10チームが出場し、10月29日に開幕。東海地区代表の三重選抜は初戦で関東代表に勝利、準決勝で優勝した近畿代表に敗れたが3位入賞を果たした。
三重、東海、全国の各大会で全試合、捕手で出場した榎本君。報告会では全国大会を振り返り「自分にとって初めての全国大会で、レベルの高い選手が集まり、一緒にプレーできたことはとても貴重な経験になりました。これからは高校野球で甲子園に出場することが目標」と語った。
西教育長は「全国の舞台で、捕手で全試合出場したことは自信になったと思う」とたたえ「夢を持って一日一日を過ごすことが大事。甲子園に出場して矢渕中に甲子園の土を持ち帰ってほしい。夢を追いかけてこれからも頑張って」と激励した。
(2022年11月18日付紙面より)
ロシア非難で県内一斉 (新宮ユネスコ協会 )
ユネスコ設立77周年となる16日の正午、和歌山県内の9ユネスコ協会は、ロシアのウクライナ侵攻を非難し、平和を祈って鐘を打つ「平和の鐘」を行った。新宮ユネスコ協会(中谷剛会長)も新宮市千穂の宗応寺(石原知実住職)に10人が集まり、祈りを込めて鐘を鳴らした。
新宮ユネスコ協会はもともと毎年、世界平和記念日・第1次世界大戦停戦の日である11月11日に、新宮市内の寺院で年ごとに場所を変えながら、平和の鐘を行っていた。しかしロシアのウクライナ侵攻を受けて京都ユネスコ協会が、京都市がウクライナのキーウ市の姉妹都市であることから、3月26日に「平和の鐘」を行うことを決定。これに合わせて新宮ユネスコ協会も、同日に行っていた。
今回は他の県内協会の意向に合わせ、ユネスコ設立の日に時期をずらした。宗応寺に集まった会員らは順次、山門の上にある鐘つき堂に上がり、1人ずつ鐘を鳴らした。鐘を鳴らした後にその場で手を合わせ、一心に祈る姿も見られた。石原住職は「(ウクライナ侵攻が)一刻も早く終わってほしい」と語った。
中谷会長は、ユネスコ憲章にある理念「心の中に平和の砦(とりで)を」に言及。「今回の侵攻はロシア大統領のゆがんだ、誤った考えにより引き起こされたことが明確で、一片の正当性もない」と非難した。
戦争を起こさないためにつくったはずの国際連合の、常任理事国のロシアが侵攻に踏み切ったことを「暴挙であり、戦後社会の理念を踏みにじる行為」と強調。「憤まんやるかたなく、世界の誰もが(止めることができない)無力さを感じている。鐘を鳴らすことで、平和への思いや願いを届けたい」と述べた。
(2022年11月18日付紙面より)
県小学4年生サッカー大会
新宮JC杯中学新人サッカー大会
新宮市熊野川町の若もの広場で15日、「第13回ふれあいグラウンドゴルフ大会・熊野川」が開かれた。秋晴れの下、地域住民や市立熊野川中学校の生徒ら計131人が集い、和気あいあいとプレーした。
高齢者らの仲間・健康・生きがいづくりやひきこもり防止を目的に毎年開催している大会。熊野川区長連絡協議会、公民分館、ゆうゆうクラブ熊野川支部、福祉委員会、民生委員児童委員協議会などで組織する「熊野川ふれあい交流事業実行委員会」(木村康史・実行委員長)が主催し、市社会福祉協議会が後援
している。熊野川中学校の生徒22人も受け付けや審判、司会で運営に協力した。
木村実行委員長は「久しぶりに顔を合わせる人、毎日会っている人、いろいろだと思うが、最後の餅ほりまで楽しく愉快に交流して」。同中生徒会の中前幸太会長は「今日晴天に恵まれたのも、皆さんの日頃の行いが良いからでは。元気にグラウンドゴルフを楽しみましょう」とあいさつした。
参加者たちは4~6人のチームで8ホールを2周。芝生の難しいコースに「全然飛ばないねえ」「逆に行きすぎた」と盛り上がった。初プレーの中学生たちは、あさっての方向に飛んでいくボールに苦戦しながらも、チームの参加者らに教わって徐々にこつをつかんでいた。
終了後には、最高齢102歳の奥栗枝さんに特別賞が贈られていた。
(2022年11月17日付紙面より)
第24回西向子ども祭り (串本町 )
串本町立西向小学校で12日にイベント「第24回西向子ども祭り」があり、同校の児童やその家族、教職員や校区内の住民など地縁者が挑戦や鑑賞などを楽しみながら一体的に親交を深めた。
同校(山本隆介校長)と同校育友会(谷端純会長)が実行委員会を立ち上げて計画した親子・地域交流行事。毎年晩秋に開いていて、今年も新型コロナウイルスなど感染症予防のため餅つきやバザーの再開はできなかったが代わりに新規企画を取り入れて内容を充実し各自感染症予防の協力を求めて来場を呼びかけた。
今回も子ども祭りとミニ演芸会の2部構成。子ども祭りではわたがしやアイスクリーム、菓子つりや積み木、昔遊びや刺しゅう糸のミサンガ作り、共同制作「メッセージツリー」など各コーナーに分散して密集を避け、児童はチャレンジランキングと題して▽丸太きり競走(目分量で重量1㌔の切り出しに挑戦)▽ビー玉つまみ・皿うつし▽割り箸落とし▽空き缶積み〈新規〉▽ピンポンカップイン〈新規〉―に挑戦した。
ミニ演芸会では西向小1~3年生、4~5年生、6年生の3組がそれぞれ音楽発表をし、ゲストの県立串本古座高校吹奏楽部の演奏を鑑賞した。1~3年生と4~6年生別で同ランキングの成績上位発表もあり、拍手で達成者を称賛。実行委員会を代表して谷端会長が実施に対する協力への感謝を掲げ、引き続きの西向小への支援を呼びかけて締めくくった。
(2022年11月17日付紙面より)
朗読劇で知る地域の偉人 (神倉小学校 )
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)で15日、一般社団法人「熊野新宮ミュージアム」(池上順一代表理事)による東くめの朗読劇「鳩ぽっぽのものがたり~東くめさんと基吉さんのこと~」があった。5年生64人が観覧し、地域の偉人であるくめの功績を学んだ。
神倉小学校運営協議会(下岡輝子会長)が同校と行う「ヤタガラス子ども未来プロジェクト~ふるさとの未来を託せる子どもの育成~」に協力した。同協議会は、保護者OBやボランティア有志などの協力も得て、同校児童のふるさと学習を、学校とともに推進している。同日は、新宮市が輩出した偉人として西村伊作や佐藤春夫、くめを紹介する取り組みを行っている、熊野新宮ミュージアムが朗読劇を行うことになった。
朗読劇は、日本で初めて口語体で幼稚園唱歌を作ったくめと、その夫で幼稚園教育の研究者だった基吉の功績などを分かりやすく紹介するもの。出演者も市出身の米本有希さんが若年、早藤真里さんが晩年のくめ、西庄英二さんが基吉を演じ、向井莉加さんがピアノを担当した。
くめ、基吉の両者ともに、新宮市(当時は新宮町)の出身であること。くめが作る以前は子どもが口ずさめるような易しい口語体の歌はなかったことなどが紹介された。くめと基吉の会話として、口語体の幼稚園唱歌の誕生のいきさつを再現。くめが作詞、滝廉太郎が作曲を行い、「鳩ぽっぽ」が誕生したことを語った。
向井さんのピアノ演奏に合わせた、米本さんの歌唱もあった。「鳩ぽっぽ」のほか、くめ作詞の「お正月」「かちかち山」などを歌った。児童らは、朗読劇、歌唱のどちらも、熱心に眺め、静かに耳を傾けていた。
児童を代表して佐藤伶菜さんが「朗読劇を通して東くめの功績を学べた。子どもから老人まで誰でも知っている曲を新宮市の人が作ったことを誇りに思う」と感想を述べた。
(2022年11月17日付紙面より)
開運暦の発送作業進む (那智山青岸渡寺 )
那智勝浦町の那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)で、来年の「那智山開運暦」の発送作業が大詰めを迎えている。今月中に北海道から沖縄県までの全国各地の信者約1万7000人に発送する予定で、15日は髙木住職と髙木智英副住職ら4人が発送作業の追い込みに入った。
那智山開運暦はB6判32㌻で、平常公開されない同寺秘仏の如意輪観世音菩薩(ぼさつ)のお前立ち像が表紙を飾る。
▽方位吉凶図と解説▽九曜星の年齢と吉凶▽六曜星と七曜星の吉凶▽結婚の吉凶▽1月から12月の運勢▽二十四節気の解説―などに加え、来年完成予定の熊野信仰・山岳宗教のシンボルとなる行者堂の完成予想図も掲載されている。
この日は開運暦と優待参拝券などを封筒に詰める作業を進めた。同寺では発送作業を終えた後は、祈とう札の準備や大すす払いなどの迎春準備に取り組むという。
髙木住職は「来年はうさぎ年で飛躍の年。新型コロナウイルス終息や世界平和、明るく穏やかな年となることを祈っている」と語った。
希望者には1部300円(送料込み)で発送する。問い合わせは那智山青岸渡寺寺務所(電話0735・55・0001、〒649―5301 那智勝浦町那智山8番地)まで。
(2022年11月17日付紙面より)
幼年消防クラブがパレード (那智勝浦町 )
秋の全国火災予防運動(9~15日)に伴って9日、毎年恒例の防火パレードが那智勝浦町であった。町立勝浦こども園(築紫依美香園長)の幼年消防クラブの鼓笛隊や町消防本部、消防団員ら約50人が町役場~那智勝浦観光機構バスターミナルを歩き、火災予防を呼びかけた。
パレードは火災予防と防火意識の高揚が目的。役場玄関前の出発式では、公務で不在の堀順一郎町長に代わり、瀧本雄之副町長が「皆さんの元気いっぱいパレードで、町の人たちに火の用心の大切さを教えてあげてください」とあいさつ。
園児は「僕たち私たちは、火遊びはしません」と誓いの言葉を述べ「よまわりおじさん」を演奏。代表園児が瀧本副町長や湯川辰也消防長、下地将仁団長らから「ミニまとい」を受け取り、パレードがスタート。
鼓笛隊の演奏や拍子木の音が響くと、地域住民や観光客らも足を止め、園児たちの姿を見守っていた。保護者たちもカメラやスマートフォンを手に、共に町を歩いた。
バスターミナルでの解散式では、鼓笛隊が隊列変化に取り組みながら「群青」を披露。築紫園長は「皆さんの前での演奏は、子どもたちにとって大きな自信につながったはず。今後も、火災予防の大切さを地域に伝えていきたい」と述べた。
湯川消防長は「寝たばこをしない」「ストーブの周りに燃えやすい物を置かない」「こんろを使うときはそばを離れない」などを呼びかけ、「園児の皆さんの演奏で町の人にも火の用心の大切さが伝わった。今後も火災のないまちづくりにご協力お願いします」と締めくくった。
最後は町消防本部から、園児たちにすごろくやお菓子がプレゼントされた。
なお、今年町内で発生した火災件数は5件で、建物火災が2件、車両火災が1件、その他火災が2件だった。
(2022年11月10日付紙面より)
商工祭「南の国の雪まつり」 (那智勝浦町 )
第26回商工祭「南の国の雪まつり」(来年2月19日予定)に向けた第1回実行委員会が7日、那智勝浦町の体育文化会館であった。新型コロナウイルス感染症の影響で2年間中止となっていた。来年の開催について、出席した各団体のメンバーらが意見を出し合った。
雪まつりは町の商業の活性化や地域振興、ふるさとの再発見、子どもたちの思い出づくりなどを目的に実施。人気の催しで、例年多くの来場者でにぎわってきた。
実行委員長の森川起安南紀くろしお商工会長は「コロナ禍の中、安全安心を有して開催しなくてはならない。会場は役場前で、入り口出口の規制はできない。最も重要なのは、雪を楽しむ子どもたち中心の祭りでなくてはならない」とあいさつした。
事務局から催しの目的や趣旨などの説明があり、出席者全員が自己紹介と開催についての思いなどを述べた。
出席者からは「開催する前提で話を進めたほうがいい。周囲の感染が増加した際は中止すればいい」「前向きに検討してもらい、活性化につなげてほしい」「先進地の感染症対策などを参考にしながら、開催しては」「コロナの第8波の影響が分からないため、第2回の際の状況で判断するほうがいい」「福祉施設としては基礎疾患を持つ利用者さまも多いため、リスクはあると思う」「現状では判断しづらい。直近に改めて検討すれば良いのでは」などの意見が上がった。
那智勝浦観光機構(NACKT)の清水貞吾理事長は「当町は観光の町。明るくにぎわってほしいため、前向きに考えるほうがいい。第7波、8波の動向を注視し、感染対策や開催場所の検討を行ってはどうか」。
堀順一郎町長は開催場所について、敷地が広く、近隣に多数駐車場があるブルービーチ那智駐車場周辺(熊野体験博跡地)を提案。開催については「雪まつりは歴史ある祭り。第8波で中止の場合もあるが、マスク着用し、屋外でのイベント。前向きに進めていっても良いのでは」と見解を示した。
それぞれの意見を受け、森川会長は「開催するほうが良いという意見が多かった。条件さえ整えば開催したい。場所についても、検討を進めていく。開催するとなれば3年ぶりの商工祭となる。これまで以上のご協力を皆さまにお願いします」と締めくくった。
開催の有無を決定する第2回実行委員会は11月末~12月初旬に実施する予定。
(2022年11月10日付紙面より)
太地小6年生が福祉学習
太地町立太地小学校(海野文宏校長)の6年生5人が8日、地域の高齢者5人と共に福祉体験学習に取り組んだ。児童が高齢者体験の装具を身に着けて平見の高台まで避難路を上り、安全に避難するために必要なことを考えた。
同校は町社会福祉協議会によって「福祉教育推進校」に指定にされており、学年ごとに高齢者や障害のある人々の生活について学んでいる。この日は児童・生徒の福祉教育に関係する各機関で立ち上げた「太地町福祉教育推進委員会」が主催し、民生児童委員、町熟年会(老人クラブ連合会)、町消防団の筋師光博団長、町役場総務課の防災担当・山下真一さんらが協力した。
最初に山下さんが避難路について講話。「津波などの災害から命をつなぐ逃げ道。周囲の状況に合わせ、舗装路や階段、建設足場を用いたものなど、町内に約50カ所ある」と語った。
児童は、膝関節を固めるサポーターや緑内障の視界を再現するゴーグル、イヤーマフなどを身に着け、周囲の手助けを得ながら避難路へ出発。「段差があるから気を付けて」と声をかけ合う様子が見られ、「ゴーグルで足元が見えづらい」「雨が降っていたら滑りそう」「電灯はあるけれど、夜はやっぱり危ない」など意見も聞かれた。
学校では、実際に避難路を歩いて気付いたことや、歩きやすくするための工夫についても話し合っていた。
(2022年11月10日付紙面より)
秋の火災予防運動初日に (新宮市 )
「秋の全国火災予防運動」初日の9日、各地の消防は防火広報を実施した。新宮市消防本部(垣内一男消防長)では新宮、三輪崎、高田、熊野川の4地区に分かれて住民らに防火意識の高揚を呼びかけた。今年の全国統一防火標語は「お出かけは マスク戸締り 火の用心」。
運動は、火災が発生しやすい時季を迎えるに当たり、火災予防思想の一層の普及を図り火災の発生を防止し、高齢者を中心とする死者の発生を減少させるとともに、財産の損失を防ぐことを目的に実施している。
市消防本部で行われた新宮地区消防団の出発式には丹鶴、千穂、蓬莱、警備の4分団から13人が参加した。中谷健兒団長は「今日から火災予防運動週間が始まる。市民の防火意識向上のため、十分な巡回をお願いします」と呼びかけ。車両に乗り込んだ団員らは「火災が発生しやすくなっています」などとアナウンスしながら、市内各所を巡回した。
13日(日)には新宮地区と熊野川地区で総合訓練を実施する予定としている。
期間中の全国重点目標は▽住宅防火対策の推進▽乾燥時および強風時の火災発生防止対策の推進▽木造飲食店等が密集する地域に対する防火指導の推進▽放火火災防止対策の推進▽特定防火対象物等における防火安全対策の徹底▽製品火災の発生防止に向けた取り組みの推進▽多数の者が集合する催しに対する火災予防指導などの徹底―の7点。
今年、市消防本部管内では、住宅火災4件、車両火災が3件、その他火災が4件の計11件の火災が発生している(9日現在)。
(2022年11月10日付紙面より)
新宮市民スポ祭硬式テニス
スポーツ祭典バレー競技
新宮警察署防犯学童軟式野球大会
「文化の日」の3日、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」敷地内の佐藤春夫筆塚前で、令和4年度「佐藤春夫『筆供養』」が営まれた。関係者ら約60人が参列し、使い古した筆を供養するとともに佐藤春夫(1892~1964年)の遺徳をしのんだ。
「筆塚」は春夫没2年後の1966年、新宮ライオンズクラブ(新宮LC)が認証5周年を記念して旧市民会館前に建立。揮毫(きごう)は春夫の親友だった詩人の堀口大學が行い、佐藤千代夫人と堀口夫妻らが除幕した。塚の中には春夫愛用の毛筆と万年筆が納められている。
市民会館解体により一時的に撤去されたが昨年10月、「丹鶴ホール」完成に伴い筆塚は同施設敷地内に移設された。今年6月には、新宮LCが認証60周年記念事業の一環として筆塚に「佐藤春夫筆塚石碑」を寄贈。石碑には51年、春夫が59歳の時に作詞し、文化の日に制定された「新宮市歌」が刻まれている。
式典では、新宮市歌斉唱に続き、田岡実千年市長が「市歌からは、ふるさとをこよなく愛された先生の思いが伝わってくる。われわれも熊野地方の豊かな自然と悠久の歴史、文化に抱かれ生きることを誇りに、後世にそれを守り伝えていかなければ」とあいさつ。
市立佐藤春夫記念館の辻本雄一館長は「筆供養は記念館ができる前から続いており、今年も多くの方々の協力の下、開催できることをありがたく思う」。
春夫遺族の高橋百百子さんは「素晴らしい天気に恵まれた。春夫は常々、自分は晴れ男だと言っていたが、『どうだ』と言っている顔が目に浮かぶよう」。東京大学准教授で実践女子大学客員研究員の河野龍也さんは「2000年に調査で初めて新宮市を訪れた時、大変親切にしていただき、ここが自分のふるさとの一つになるかもしれないと感激した記憶がある。記念館があることは私にとっても新宮市にとっても大切なこと」と話した。
お供茶式では、茶道裏千家淡交会南紀青年部の上宗景さん(お点前)と谷口宗尚さん(半東)が筆塚前にお茶を供えた。式典後には同青年部による呈茶もあった。
(2022年11月5日付紙面より)
新宮市内2カ所で街頭啓発
新宮市人権尊重委員会(会長・田岡実千年市長)は4日、同市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店前と、同市橋本のイオン新宮店前で街頭啓発を実施した。同委員や東牟婁振興局職員ら約35人がチラシやポケットティッシュなどの啓発物資を買い物客たちに配布した。
和歌山県は11月の「同和運動推進月間」に当たり、同和問題をはじめとするさまざまな差別に対する理解を深めてもらおうと県内各地で啓発活動を展開している。市は同月を「差別をなくする強調月間」とし、人権問題の早期解決を図るため実施している。
スーパーセンターオークワ南紀店では、田岡市長が「市では1953年に人権尊重委員会が結成され、あらゆる差別の解消を目指し取り組みを進めています」とあいさつ。「市民一人一人の尊厳と人権が尊重され、皆さんが明るく笑顔で心豊かに暮らせる人権尊重のまちを目指すことを目的に、市民の皆さまと共に『差別のない明るいまちづくり』には何が必要なのかということを考えて啓発させていただきたい」と協力を求めた。
新宮市では強調月間に伴い、人権尊重文集「春を呼ぼう」の制作(令和5年1月発行予定)や、市庁舎に「広げよう やさしい心と思いやり」の懸垂幕を掲揚するなどしている。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、例年開催している「市民のつどい2022」は中止となった。
(2022年11月5日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社と本宮町商工会、熊野本宮観光協会で組織する「熊野本宮よみがえり委員会」(会長・名渕敬熊野本宮観光協会長)は2日、同大社の瑞宝殿で、令和4年第3回の会議を開いた。約20人が出席、8月の大雨で破損した潜水橋について、年末年始までに盛り土を仮設し、旧社地・大斎原(おおゆのはら)まで渡れるようになる予定との報告を受けた。
潜水橋は現在通行止めとなっており、年末年始は多数の来客が予想されることもあって、早めの復旧が望まれていた。また、潜水橋の周辺にはかつて「高橋」という太鼓橋が架かっていたが、1889(明治22)年の十津川大水害で流出した経緯があり、これを機会に高橋そのもの、もしくは似たような橋の復元ができないかとの意見があった。ただ、世界遺産の場所であるため実現には障壁も多く、まずは潜水橋を復旧させる方向で進んでいる。
久畑弘幸本宮行政局長が、潜水橋の今後について報告。「潜水橋の復旧のための補正予算、7600万円を議決いただいた。(破損した橋の)撤去の入札が完了し、落札者が近々確定、撤去に入る。終わったら(水抜き穴を設けて)盛り土をして、大斎原に渡れるような対応をしたい」と述べた。
ただ、4月の同大社の例大祭「本宮祭」の頃には、盛り土は撤去されているが、潜水橋はできておらず、完成は8月ごろと想定されている。本宮祭は行列が潜水橋を通るため、何らかの対策が必要となる。このため九鬼家隆宮司は、開会あいさつの中で、高橋が架かる以前には参詣者が川を渡る「ぬれわらじの入堂」を行っていたことを紹介。「これを再現したいと思っている。海外の人にも体感してもらえれば。意見や案を。知恵を拝借できれば」と呼びかけた。
正月の態勢も協議した。九鬼宮司は、新型コロナ対策として、12月1日(木)から31日(土)までを「幸先詣(さいさきもうで)」期間とし、朱印や祈とうなどの受け付けを正月と同じ態勢とすることを報告。明けて1月1日(日・祝)から15日(日)までを「新年祭」期間とすることも語った。
また、同大社の警備担当者が、正月は動線を左右に分けて一方通行とし、密集や事故を予防する予定であることも解説した。出席者は注意点などを助言した。
(2022年11月5日付紙面より)
橋杭岩ライトアップ始まる (串本町 )
串本町くじ野川地内で3日、イベント「橋杭岩ライトアップ」が始まった。実施期間は5日(土)までで、期間中の午後5時30分~8時30分に投光が行われる。見物自由。
串本町が主催する、おおむね元岩~弁天岩間とその一帯に投光して夕闇が深まる中に浮かび上がらせる趣向。その幻想的な光景は2017年に日本夜景遺産〈ライトアップ夜景遺産〉として認定され、一段と注目されるところとなっている。
おととし、昨年と新型コロナウイルスの情勢により中止したため、今回は3年ぶりの実施。10色のパーライト計60基を2カ所に分けて配置して岩の数々、無限発色可能のLEDライト14基で道の駅くしもと橋杭岩そば一帯を照らす内容は変わらずで、期間前日の2日に委託を受ける事業者が試験点灯をして投光先の調整や色彩を変える流れのリハーサルをするなどして目前の本番に備えた。
期間中は同駅に加え橋杭漁港、橋杭ビーチに臨時駐車場を設けている。同駅内は投光中、北側を入り口、南側を出口とする一方通行としていて、同町は来場時に順路を守る協力を求めている。併せて不特定多数が集まりやすい状況となるため、各自で感染症予防対策を心がけて見物してほしいと呼びかけている。
(2022年11月5日付紙面より)
ゆうゆうクラブ芸能大会 (新宮市 )
ゆうゆうクラブ(老人クラブ連合会、上廣正幸会長)は10月29日、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で、3年ぶりとなる「『愛の日』ゆうゆうクラブ芸能大会」を開催した。約300人が来場し、年を重ねて磨き上げられた歌声や踊りを堪能した。
和歌山県が制定した「愛の日」(11月15日)に協賛し、会員同士の交流を深め、芸術文化への理解と教養を高めようと毎年開いている。今年で46回目を迎える。
開会式で上廣会長は「昨年完成した市民待望の『丹鶴ホール』で芸能大会を開催でき、会員一同喜びでいっぱい。新型コロナウイルス感染拡大によって3年間近く練習もままならない状況だったが、各教室で一生懸命練習してきた集大成を発表する場です」と喜びを語り「観覧の皆さまは、ぜひ大きな拍手でお応えください」と呼びかけた。
田岡実千年市長は「戦中戦後の困難な時代を生き抜き、市の発展にご尽力いただいた皆さま。市民生活に密着し、高齢者が安心して暮らせるまちづくりに努めていきたい」。市社会福祉協議会の濵前泰弘会長は「長寿社会をより豊かに生きていくためには、さまざまな活動を通じて教養を高め、仲間づくり、生きがいづくりを進めていくことが大切。人生の先輩である皆さまのお知恵を拝借したい」と祝辞を述べた。
和歌山市出身で歌手・女優として活躍する春菜美保さんによる歌謡ショーで開幕。会員たちは歌やダンス、大正琴の演奏、ひょっとこ踊り、フラダンスを披露した。最高齢96歳の会員も出演し、惜しみない拍手が送られた。孫子3世代で構成される「シャルレモリモトファミリーズ」によるエイサー太鼓がエンディングを飾った。
会場では、生きがい教室生徒らによる書道、生け花、陶芸作品や、はつらつ教室生徒の進化絵の展示もあった。来場者らは「赤い羽根共同募金」にも協力していた。
(2022年11月1日付紙面より)
吾妻聖子さんが食育講演会 (新宮市 )
新宮市食生活改善推進協議会と新宮市母子保健推進員会は10月30日、市役所別館で食育講演会を開いた。食育プロデューサー・TVプロデューサー・食コンサルタントの吾妻聖子さんが「疲れない・頑張らない食育」をテーマに講演。約120人が聴講した。
吾妻さんは大阪府出身。3歳から高校卒業まで那智勝浦町宇久井で暮らす。現在は東京でテレビの料理番組プロデューサーをしながら、食や食育のコンサルタントとしても活躍する1児の母。現在、月に1度、本紙にてコラム「疲れない食育」を連載中。
開催に当たり、田岡実千年市長が、食生活改善推進協議会と母子保健推進員会の日頃の活動に敬意を示し「吾妻さんは食と子どもについて独自の研究を進められている。具体的なヒントも頂き、健康づくりに役立てていただければ」。
食生活改善推進協議会の栃尾眞喜子代表は「常にバランスの良い食事を取るのは難しいかもしれない。本日の講演会が有意義なものになることを祈念しています」とあいさつした。
吾妻さんは、食育の資格を取得した経緯や2005年に制定・施行された食育基本法などについて触れ「資格取得の際には『フードマイレージ・フードロス』『栄養バランスを考える』『手作りで加工食品や添加物を避ける』を学んだが、多くの人が仕事も子育ても他の家事もしておりそれができないから悩んでいる」。
資格を取得してみて、新たに▽添加物って本当に怖いのか▽本当に毎日手作りすることが子どもの健康に直結するのか▽子どもの心身を健康にする食育とは―への疑問が湧いたと話した。
日本で使われている添加物は1500品目以上あるとし「避けていくのは至難の業」。添加物の管理方法や、添加物が含まれるうま味調味料、加工品、パン、マーガリンなどの体内における作用を説明し「全ての食品は化学物質でできている。添加物は毒にも薬にもならないが、どんなものも量を間違えると毒になる。目に付いてしまう危険な情報に惑わされないで」と呼びかけた。
「子どもも大人も心身共に健康で前向きになれる」「子どもが成長した後、健康に生きていける」食卓の実現が、自身が目指す食育の目的であるとし、子どもの食育について年代別に解説。「コミュニケーションを取ることが大事」と述べ、共食の重要性などに触れた。
大人・高齢者に向けては「50代以上の人が『食のトレンド』を追うのは低栄養を招く危険性がある」。
「作った食事を写真に撮って交流サイト(SNS)などに載せることが日々の励みになる」とし、インターネットスキルを上げることも効果的とした。
「子どもも大人も食事はコミュニケーション。楽しく笑って食事をすることが意識や肯定感の向上につながる。食育は何を食べるかよりどう食べるか。子どもにとってはお母さんの笑顔が何よりの食育だと思う」と講演を締めくくった。
(2022年11月1日付紙面より)
三尾川小招き「海の教室」 (勝浦海事事務所など )
国土交通省近畿運輸局勝浦海事事務所(中川洋所長)など主催の青少年対象行事「海の教室」が10月28日に串本町内であり、古座川町立三尾川(みとがわ)小学校(中井清校長、児童6人)が招待を受け魚類養殖の現場や潮岬灯台を巡るなどした。
この行事は同事務所と紀南海運協会、近畿海事広報協会が主催。青少年に海への関心を高めてもらう目的で同事務所管内の小学校に参加を呼びかけていて、本年度は4校が順次招待を受ける流れとなっている。
この日は2校目の実施で、大島港で三尾川小と合流し主催者を代表して同事務所の名越正典次長が海と人との関わりを楽しく学ぶよう願い出て歓迎。午前は有限会社岩谷水産協力による海の仕事講座で、船でブランド魚「紀州梅まだい」やクエの養殖いけすを見学し餌やりを体験するなどした。望楼の芝で昼食休憩し、午後は南紀熊野ジオパークセンターと潮岬灯台を見学。同パークガイドや同灯台の航路標識協力団体「燈光会潮岬支所」の阿部千穂支所長から説明してもらい質問をするなどして学びを深めた。
一通りの見学を経て名越次長は「今日経験したことをおうちに帰ってお話しして、海のことを好きになってくれたら」と期待を寄せ、児童は「見るのが初めての所がたくさんあって、自分は海のことを知っていると思っていたけれど発見が多かった」「今日はいろんな海の知識が得られた。養殖の現場を見たり餌をあげたりするのも初めてで、この経験を生かしてもっと賢くなりたい」などみんなで感想を発表して招待に感謝した。
1校目は串本町立串本小学校で5、6年生が10月6日に参加。3校目は串本町立出雲小学校で4~6年生が11月11日(金)に町内で、4校目は串本町立西向小学校で4、5年生が11月24日(木)に那智勝浦町・太地町でそれぞれ参加予定となっている。
(2022年11月1日付紙面より)
太田の郷でフリマ盛況 (那智勝浦町 )
那智勝浦町南大居の交流センター「太田の郷」で10月30日、「ハッピーハロウィーンフリーマーケット」があった。43店舗がスイーツやハンドメードアクセサリー、食器、雑貨、地元産の農作物などを販売し、町内外から大勢の親子連れでにぎわった。
地域おこし協力隊や集落支援員が企画したのが始まりで、例年春と秋の2回、フリマを開催している。
今回は仮装して参加した来場者や出店者にお菓子やドリンクのサービスがあり、カボチャおばけ「ジャック・オー・ランタン」や魔女、プリンセス姿の子どもたちの姿が見られた。ミュージックカフェスタジオネイバーフッド&Hiroya主催の音楽ステージもあり、コーラスや昭和歌謡フォークデュオが会場を盛り上げた。
家族6人で訪れた中村日葵さん(鵜殿小3)は「仮装は魔女。スコーンとクッキー、ポップコーンを買った。たこ焼きも食べたいな」と話していた。
(2022年11月1日付紙面より)