王子幼稚園で緑化活動 (県鳥獣保護管理員連絡会 )
新宮市立王子幼稚園(山本眞也園長)と和歌山県鳥獣保護管理員連絡会(海野和浩会長、会員数51人)は25日、同幼稚園で「実のなる木植樹事業」を実施した。同会員5人、県職員4人、同園児20人らは協力し合ってイロハモミジ、ナンテン、クヌギ、コナラの4種類の苗木を園庭の花壇に植樹した。
県鳥獣保護管理員連絡会は自然保護の重要性に鑑み、野生鳥獣の保護および管理、適正狩猟など、鳥獣行政の推進に協力し、業務の円滑な遂行を図ることを目的に、県知事より委嘱された鳥獣管理員で構成されている。毎年県民の善意により集められた緑の募金を財源とした「緑の募金事業」を活用し、地域住民の自然保護意識を育む目的で緑化活動をしている。鳥類や小動物の良好な生育環境の形成を図る目的もあり、今年で31回目の活動となる。
植樹開始に当たり、同会の下忠文・東牟婁支部長が「けがのないように気を付けて」とあいさつ。園児らはあらかじめ花壇に掘られた穴に苗木を植え、スコップで順番に土を掛けていった。会員は園児らに「木が倒れないように見守ってあげてね」「みんなが6年生になる頃には大きくなってるよ」などと語り掛け、植樹の様子を見守った。
東牟婁振興局の久保田清之・健康福祉部長は「季節ごとに姿を変える苗木を見て、自然の大切さに関心を持ってもらえたら」と述べ、園児らに「皆さんと同じようにすくすく育っていくのを楽しみにしています。日々の手入れをして、大切に育ててください」と呼び掛けていた。
県では、毎年新緑の春季(3~5月)と紅葉の秋季(9~10月)を中心に「緑の募金運動」を実施している。集められた募金は、毎年7月ごろに募集する「緑の募金事業」などによって、県内各地域の森林整備や緑化活動などに活用されている。
(2019年2月27日付紙面より)
色川大文化祭盛大に開催 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の色川山里文化クラブ(千葉智史会長)は24日、同町田垣内の籠ふるさと塾で「第11回色川大文化祭」を開催した。踊りや劇、歌など盛りだくさんのステージ披露や内容に集まった地域住民ら約150人は大きな拍手を送り、会場は終始にぎわった。
大文化祭は毎年恒例の人気の催し。千葉会長は「この日のために出演者の皆さんは、たくさん練習をしてきてくれた。また、多くの力作も並んでいます。時間の許す限り、ステージを楽しんでください」とあいさつした。
トップバッターは同町立大野保育所の園児ら9人が務め、童謡「たき火」を歌い、皆勤出演している江戸芸かっぽれが場を盛り上げた。さらに手品、合唱、ダンス、漫才、空手演武、バンド演奏などが行われた。なかでも初参加の色川郵便局の局員ら10人が日々、練習に打ち込み、仕上げた昭和を代表する音楽番組を独自に再現した「ザ・ベストヘン!?」は会場を沸かせた。軽快なトークの司会役と完成度の高い踊りや歌を披露する歌手役の演出に、笑い声や拍手が送られた。
会場内には住民らによる絵、書、盆栽、生け花などが展示されたほか、おまぜや赤飯、カレー、焼き餅などが販売された。
町内在住の80代女性は「毎年楽しみにしています」と笑顔で語った。
(2019年2月27日付紙面より)
わかやまシニアエクササイズの自主8グループ (串本町 )
串本町保健センター主催のわかやまシニアエクササイズ自主活動グループを対象にした合同交流会が22日に同町立体育館であり、同グループに属するメンバーや保健推進員45人が歩くことを軸にした合同活動に取り組んだ。
同エクササイズは和歌山大学教授の本山貢さんが県と共同考案し奨励する▽準備運動▽ストレッチ運動▽ステップ運動▽筋トレウオーク―の4要素からなる高齢者向けの軽運動群で、基本3カ月間の体験メニューで成果を実感した人が仲間づくりの面でも功を奏する自主活動グループを結成して継続する形で実践の裾野が広まっている。
同町域では現在▽ハーモニー(串本1)▽大島さくら▽お元気プロジェクト串本2▽お元気プロジェクト有田▽お元気プロジェクト田並▽はまゆう(潮岬)▽お元気プロジェクト古座▽田原自主トレ隊―が結成され、仲間内で取り組む中でこの運動を長く続ける工夫を重ねている。同日現在、8グループ全体で150人が所属し、月2~4回の頻度で各地域の集会施設に集まり活動しているという。
この日開かれた合同交流会は、同町が介護予防目的で展開する事業「お元気プロジェクト」の一環。規定のメニューの繰り返しで単調になりがちな自主活動に刺激をもたらす目的で、おおむね年1回開いている。今回は同町地域おこし協力隊の隊員で町民への運動習慣の普及に取り組む木戸俊秀さんを講師として迎える形で計画し、8グループのメンバーに参加を呼び掛けた。
木戸さんは「ウオーキングの効果的な方法と注意点」と題して準備運動や筋力トレーニング、ストレッチに取り組むときのポイントを解説。併せて「歩く」と「○○」といった具合に二つの事柄を同時にこなすことを強調して意識付けた。メンバーはそれらの実践を通して日頃の自主活動で培った筋力の活用の幅を広げる視点を培い、同じ町で同エクササイズに励む仲間との交流も深めた。
同日現在、同エクササイズの体験メニュー実施の予定はないが、一部を除くグループが若干名の新規メンバーを募集している。詳細の問い合わせは同センター(電話0735・62・6206)まで。
(2019年2月27日付紙面より)
森岡茂夫さんが防災講習会 (乳幼児の命を守る会 )
新宮市で活動する子育て支援の団体でつくる「乳幼児の命を守る会」(勢古啓子委員長)は23日、市保健センターで防災講演会を開いた。約20人の参加者を前に、1級建築士で防災士の森岡茂夫さんが「災害から子どもの命を守る」をテーマに話した。
同会は2011年の紀伊半島大水害を教訓として、乳幼児や子どものいる家庭の防災意識を高めようと13年に発足。親子で楽しみながら学んでもらおうと、防災キャンプを行うなどさまざまな催しを開いている。
南海トラフ巨大地震が起こった場合、最悪のケースで約32万3000人の死者数が予想されている。内訳は▽建物の倒壊8万2000人▽地震火災1万人▽津波23万人▽その他(塀の倒壊など)30人―など。森岡さんは「災害は起きてからでは遅い。起きる前にどうやって安全性を確保するか、それが一番大事。命を守るのは日頃の意識」と呼び掛けた。
森岡さんは、東日本大震災の際に多くの住民が亡くなった宮城県名取市の閖上(ゆりあげ)地区において、ただ一人も犠牲者を出さず「閖上の奇跡」と呼ばれるようになった市立閖上保育所を紹介した。当時の同保育所長・佐竹悦子さんの防災意識が強く、普段から訓練を繰り返しては防災マニュアルを更新していたことなどに触れ、「奇跡を起こしたのは先生たち。普段からここまで考えているのかと感銘を受けた」。
佐竹さんら職員は園児らに恐怖心を与えないように、避難している間もお話をしたり歌を歌ったり、避難所ではお遊戯やゲームなどをして子どもたちをなだめながら命を救った。森岡さんは「奇跡って偶然の上に起きるものではない」という佐竹さんの言葉を紹介。「小さいお子さんがいる家庭にとって、とても良いサンプル」と述べ、普段から想像力を働かせて災害に備えるべきと訴えた。
森岡さんは「小さい子どもには全てが凶器となり得る。家具にストッパーを付けるなど全てに対してあらゆる対策を」と喚起。ベッド型シェルター「防災ベッド」や、通電火災を防ぐブレーカー自動遮断装置、段ボールベッドなどを紹介し「日本では避難所の国際基準である『スフィア基準』が守られていない。行政も知らないケースがある。各自治体が準備できるように、市民の皆さんが意識を持ち、発信していくべき」と話していた。
(2019年2月27日付紙面より)
久保榮子さんが研修で講話 (那智勝浦町 )
那智勝浦町役場で13日、防災研修が開かれた。2011(平成23)年9月に発生した紀伊半島大水害以降に採用された職員(医療職除く)ら60人が対象。防災士の久保榮子さんと県土砂災害啓発センターの坂口武弘所長が水害の詳細や被害、対策について講話した。
久保さんを招いての研修は町としては初。災害の恐ろしさや犠牲者の遺族の悲しみなどを風化させず、当時を振り返るとともに防災意識を高めることが目的。午前・午後に分けて実施された。
久保さんは同水害で夫の二郎さんを亡くし、自身も生死の危険を経験したことから、72歳で防災士の資格を取得。各所で体験談や防災についての講話を実施している。
この日も手作りの紙芝居で当時の水害の悲惨さや状況を説明。細かく描写された絵や臨場感のある語りに職員らは真剣な表情で見入っていた。続いて、避難情報の違いや水害からの生還例を紹介し、防災にまつわる○×クイズが行われた。
久保さんは「命はなくなったら戻ってこない。災害時は一人一人状況は違うが、早めの避難は本当に大切」と話し、「奇跡的に助かったこの命を使って、一人でも多くの方の心に命の大切さや防災の重要性が残るように語り部として伝えていきたい」と気持ちを込めた。
その後、坂口所長が同水害時に県内で発生した深層崩壊や土石流などの状況を解説。当時、同町が出した一部の地区への避難指示のタイミングなどについても指摘し、「那智勝浦町は過去に何度も洪水被害に遭っていることが研究で分かった。今後はそれらを踏まえ、行政活動に尽力していただけたら」と述べた。矢熊義人副町長は「3分の1の職員が水害時の業務未経験者。今後の業務としても知っていただくことは大事で、良い機会」と話した。
(2019年2月15日付紙面より)
古座小6年生15人が紙すき (串本町 )
串本町立古座小学校(野端則久校長)の6年生15人が13、14日の2日間、紙すきに取り組んだ。卒業証書用の和紙を得るのが目的で、元教諭の谷本節代さんから手順を教わり1人1枚を手作りした。
卒業証書用の和紙作りは、20余年来続く歴代の6年生伝統の活動。本年度の6年生は昨年12月13日、古座川町にある国王山へ赴いて和紙の材料として一般的なガンピ(雁皮)の枝を集め、図工や総合的な学習の時間を使って繊維を含む樹皮をむき細かく切り刻むといった準備を重ねてきた。紙すき直前に水と一緒にミキサーにかけてパルプ液(ほぐれた繊維が混ざった水)を作り、紙すきの本番を迎えた。
谷本さんは、和紙の代表的な原料にはコウゾ(楮)やミツマタ(三又)、ガンピがあり、旧古座町域は数十年前まで和紙を作って売る習慣が盛んだった名残で、今でも原料となる樹木が山の中に残っていることを伝えて和紙作りへの興味をそそった。
紙すきの手順は、巻きすを底板にした型枠にパルプ液を流し入れて水切りし、さらに型崩れしない状態までスポンジで水抜きするという内容。6年生は数に限りがある型枠を効率よく使い回すため、3グループに分かれて順次▽紙すき▽パルプ液作り▽和紙文化の調べ学習―をこなした。
紙の厚みにむらができないよう均一にパルプ液を流し入れ、気になるごみをピンセットで取り除いてからスポンジで吸えなくなるまで水抜きするなど、いい和紙を作るため細心の注意を払いながら作業。まだ湿っている和紙が途中でちぎれて苦労が台無しにならないよう、慎重に巻きすからはがし取った。
2日がかりで書き損じたときの予備も含めた枚数を手作りし、その中で全員が紙すきを経験した。仕上がった和紙は今後時間をかけてしっかりと乾燥させ、谷本さんが卒業証書の文面を書き入れ野端校長が学校印を押して授与するという。
(2019年2月15日付紙面より)
赤ちゃんの命を守る防災術 (鵜殿図書館 )
「赤ちゃんの命を守る防災術」と題した子育て支援講座が10~12日、紀宝町立鵜殿図書館などで開かれた。町内在住の親子や、町子育て支援センター職員、保育士ら約20人が参加し、3日間の講座を通して、災害から子どもを守るすべを学んだ。
発生が危惧される南海トラフ地震などへの備えが求められている中、小さな子どもの命を守るために何をすべきかを考える講座。
防災アドバイザーとして名古屋市などで活躍する椿佳代さんが講師を務め、明石雅世さん、みずのかずこさんがサポートした。
講話を中心とした初日は椿さんが「災害はいつ起こるかわからない。年齢に応じて1歳から防災教育ができる」。自分の命を守れる子どもに育てましょうと求めた。
「家族の命が助かることが基本で、どう行動するか考えておく必要がある」と述べ、「地震発生時は台所が一番危険。電子レンジや冷蔵庫、食器棚などの転倒、飛散防止対策を」と呼び掛けた。
災害伝言ダイヤルの登録、おむつの予備、非常持ち出し袋、避難所の場所と時間など今できる対策も示した。
2日目は、町防災対策室の阪井耕平さんが町防災マップの津波浸水予想図を基に「地震による強い揺れや長時間ゆっくりした揺れを感じたら津波警報、防災行政無線を待たずマップに表示されている海抜20㍍ラインより高い場所へ避難してください」。参加者は自宅と勤務先をマップで確認し、避難路などを話し合った。
親子で図書館から鵜殿小学校まで歩き、危険箇所や所要時間を確認し、災害時に避難所となる同小体育館で避難所生活をイメージした。
最終日は、椿さんが感染症の予防と対策を説明。「避難所は多くの人から菌が持ち込まれやすく感染症が広がりやすい」とし、感染者の命も守り、処理者も感染しないことと話した。
参加した母親らは、災害時にどう子どもを守るのか、講話などを通して真剣に考えていた。
(2019年2月15日付紙面より)
那智勝浦町で春祭り
那智勝浦町内では10、11の両日、川関、浜ノ宮地区の神社で春を呼ぶ例大祭が営まれた。伝統のお弓行事や獅子舞の奉納があり、地域の人たちでにぎわった。
川関区の飛烏(あすか)神社例大祭の本宮が11日に営まれた。式典や厄よけ祈とうに続き、川関共心会(田原禎久会長)が獅子舞を披露し、大勢の見物人でにぎわった。
式典は午前11時に熊野那智大社神職の出仕により境内で営まれ、厄よけ祈とうなどが行われた。
午後からは区内を練り歩いた獅子屋台が境内に戻り、川関共心会が「八車」「剣の舞」「玉獅子」「乱獅子」「八車二頭立て」を次々に披露。続く「天狗(てんぐ)」は天狗役を速水優吾君(勝浦小3)が務め、かわいい舞に盛んな拍手が送られた。大役を果たした速水君は「緊張したけどうまくやれた」と笑顔だった。
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浜ノ宮区の熊野三所大神社(くまのさんしょおおみわやしろ、髙橋正樹宮司)の例大祭が10日、本宮を迎えた。
髙橋宮司による神事が執り行われ、神前で獅子舞を継承する一心会(中村誠一会長)が、「幣の舞」「剣の舞」「乱獅子」を奉納した。続いて、お弓行事諸役が境内外周を巡り弓場に入った。
今年の射子は▽弓太郎(ゆだら)=中川信夫さん▽弓太郎分け=中川光生さん▽中弓(なかゆみ)=藤社祐樹さん、中川貴照さん▽弟弓(おとゆみ)=中村充さん、中村知さん。
射子が見事、的を射ると太鼓が打ち鳴らされ、親族が胴上げされた。拝観者から拍手と歓声が上がった。
中村正直区長代理は「無事大祭を執り行うことができてよかった」と安堵(あんど)していた。
(2019年2月15日付紙面より)
商工会議所、納税貯蓄組合連が宣言式 (新宮市 )
新宮商工会議所(関康之会頭)と新宮納税貯蓄組合連合会(島野勝会長)主催の「消費税完納及び軽減税率制度への対応推進」ならびに「ICT(情報通信技術)を利用した申告・納税手続の推進」宣言式が8日、新宮市の新宮商工会議所であった。関係者63人が出席する中、関会頭が「消費税の期限内完納と軽減税率制度の円滑な導入への思いを新たにするとともに、会員自らがICTによる税の手続きを積極的に利用し、広く地域社会の人々に対してもICTによる税の手続きの利用拡大に向けた運動を推し進めていく」などと誓った。
国税庁では、近年のICT化の進展を納税者サービスにも積極的に活用し、ICTを利用した申告の推進に取り組んでいる。国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」やe―TaxといったICTを利用することにより、納税者は税務署に出向くことなく申告を行うことができる。同連合会は2000年から消費税完納推進、07年からe―Tax普及定着の宣言式を地域の各種団体と共に実施している。
式典で島野会長は、新宮商工会議所の運動推進への賛同に感謝し、「年々多様化している税務手続きの普及啓発を図ることは、経済社会のICT化を一層加速させ適正な申告と納税の推進に大変大きく貢献する」とあいさつ。
来賓の丸之内陽一・大阪国税局徴収部長が「皆さんの税金が医療や福祉などに回っている。今日の宣言は非常に心強い」。榎本伸・新宮税務署長は「この宣言に力を得て、納税者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現するという使命の実現に向け、署員一丸となってさらなる努力をしていく」。上村英之・紀南県税事務所長が「消費税はさまざまな行政施策の貴重な財源。完納は地方自治体にとっても大変重要」などと祝辞を述べた。
田岡実千年市長は「消費税の完納を協力して推進していくとともに、納税者の利便性向上と適正な申告、納税のため、ICT利用の推進に努めたい」と祝意を示した。
(2019年2月10日付紙面より)
和歌山ラオス友好協会(田邉毅一会長、会員数46)は8日、新宮市井の沢の新宮ユーアイホテルで総会を開いた。20人が参加し4議案を承認。役員改選では田邉会長が再任された。
協会はラオスの観光と教育を援助し、友好的な関係を築こうと発足、5年目を迎える。ラオス人民民主共和国は、自然と歴史的文化遺産が多く、「ルアンパバーンの町」と「チャンパサック県の文化的景観にあるワット・プーと関連古代遺産群」が世界遺産に登録されている。
協会の2019年度事業として▽国際協力・親善に関する交流事業▽教育支援事業▽募金活動▽会員相互の親睦▽会員増強―などを予定している。
総会後の懇親会で田邉会長は、昨年10月にラオスを親善訪問しルアンパバーン市の副市長らと面談した時の様子を回顧。「空港を下りるとインフラ整備が進み、町が見違えるようだった。しかし教育現場は何も変わっていない。教材は2、3人に1冊、鉛筆や制服を持っていない子もおり、お弁当のおかずを用意できないため、米に水をかけて食べる子もいることを聞いた」と述べ、ナールワン小学校とクアンティーネン小学校の児童ら約600人に対する制服と文房具の寄贈を報告した。
教育施設の建設も進めているとし「来年か再来年の1月末完成を目指し着工したい。夢を引き寄せるためには会員の増強が必要。ボランティアは根気よくやっていかなければならない」と協力を呼び掛けた。
田堀国浩・東牟婁振興局地域振興部長は「取り組みによって新たな交流が生まれ、この地域にとっても地域活性につながる」と祝辞。在京都ラオス人民民主共和国名誉領事の大野嘉宏さんがラオスの近況を報告し、乾杯の音頭を取った。
(2019年2月10日付紙面より)
紀宝町立鵜殿小学校(辻至校長、児童232人)の3年生32人が8日、社会科の授業で同町大里の町立ふるさと資料館(栗須高洋館長)を訪れ、昔の暮らしぶりを学んだ。
16人ずつの2グループに分かれ、資料館を訪れた。元鵜殿小学校長の栗須さんが、施設に展示してある昭和初期ごろの生活用品などを紹介した。
後半グループの児童は、映像で約80年前の生活を学習。水道がなかった時代は各家庭に井戸があり、水がめにためて飲み水などとして使用していたことや、土間にあるいろりを囲んで食事していたことなどを学んだ。
この後、栗須さんが氷を入れて使用した大正~昭和30年代の冷蔵庫や火鉢、アイロン、こたつなど展示物を説明し、「電気がなかった頃はアイロンも炭火を使い、植物油を使ったランプで家の中を照らしていた」などと話した。
第2次世界大戦前の昭和11年の小学校教科書を用い、軍艦や大砲の数え方が出題されているなど、時代背景も伝えた。
栗須さんは2年前まで同校の校長を務め、児童たちは「先生、先生」と呼びながら質問していた。見学後は、「面白い物がいっぱいあった」「昔のカメラを初めて見た」と感想を語った。
(2019年2月10日付紙面より)
審査委員長は和田久士さん (太地町 )
第1回石垣記念館写真展が開催されている。15日(金)まで。昨年11月から公募し、自然の風景など26点の力作が展示されている。初日は、審査委員長の写真家・和田久士さんによる展示作品の講評があり、出品者6人が集まった。
和田さんは「構図的にとてもよくまとまった絵がそろった」との総評の後、それぞれの作品の前で光の加減や構図、焦点を当てるポイントなど作品をより良くするための手法を丁寧に話した。撮影場所の選び方や建築物を撮影する際の立ち位置、カメラレンズの選択などのアドバイスもあり、来場した出品者らは熱心に聞き入っていた。
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入賞者は次の皆さん。
■町長賞第1席
「荘厳なる夜明け」渡辺昌也
■町長賞第2席
「秋の古座川峡」早山信武
■町長賞第3席
「渚の造形」野中誠一
■審査委員長賞
「大地の血管」山際 實
■入賞
「道」坪井洋一
「遠投」長雄正紘
「落葉」楠本憲平
「飛び出す瀞鏡」長谷 洋
「春光」日下生 修
「里の春」濵口恵美
「縁側越しに見る十牛之庭」浦 修造
「厳寒の自然美」宇井ますみ
「気嵐の中で」佐藤芳幸
「積年のしだれ梅」庄司起也
「渚の宝物」宮本成也
「パレードの瞬間」橋本久雄
(2019年2月10日付紙面より)
決勝戦は10日午後0時30分キックオフ (和歌山県高校サッカー新人大会 )
第4回バドミントン大会を開催 (紀南バドミントン協会 )
那智勝浦町体協グラウンドゴルフ部初春大会
臨時議会の会期延長 (新宮市議会 )
新宮市議会(屋敷満雄議長、15人)は4日、市役所議場で臨時議会を開いた。文化複合施設整備に関する予算2億5000万円を盛り込んだ平成30年度新宮市一般会計補正予算が審議された。紛糾する議論は12時間に及び、午後11時13分、会期延長が決まった。再開された2日目も議論が続いた。
事業費約63億円となる施設建設は市にとって命運が懸かる50年に1度といわれる事業。初日は1号議案が可決された午後から補正予算案の審議が始まり、多くの市民が傍聴に訪れその様子を見守った。
施設整備事業の交付金引き下げや国との協議過程など市当局の説明が不十分だとして、北村奈七海議員が国会の国政調査権に相当する地方自治法第100条に基づいた「百条委員会」の設置を求める決議を提出。賛成少数で否決された。
各議員は先月29日に当局が開いた議員説明会での説明内容について触れ、国からの都市再構築戦略事業の交付金減額や県の補助金について指摘し、説明を求めた。また、傍聴席からは市に対する疑義の声や議員の質疑に拍手が送られる場面もあった。
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会期延長された5日午前の議会では、前日に引き続き北村、大西強、榎本鉄也の各議員が質疑。議論は紛糾し、屋敷議長が声を荒らげる場面もあった。
一連の議会運営に対して、大西議員が屋敷議長の不信任決議案を提出。
屋敷議長の不信任決議に伴う議事日程の追加変更が賛成少数で否決された。
不信任決議についての議事は5日中もしくは会期を延長して行われる予定。
傍聴者からは議員の品位などについて苦言を呈する声もあった。
(2019年2月6日付紙面より)
弓頭2人的場などで励む (水門祭 )
串本町大島にある水門(みなと)神社の例大祭「水門祭」で奉仕する弓頭の稽古が同神社的場などで連日行われている。
2日に同神社社務所で営まれたおみくじ祭で選ばれた今年の弓頭は滝本虎之介君(18)と稲田駿也君(17)の2人。旧来の本祭日(2月11日)に比べて今年の本祭日が早いなどの事情で稽古は先月30日から始まり、2人は弓頭候補として指南役の稲田博さん(67)から先んじて所作を教わりつつ人選を受ける形となった。
初日は紀伊大島開発総合センター内で一通りの動作を教わり、2日目以降は同神社の的場で通し練習を積み重ねている。2人とも弓頭の奉仕は初めてだが、幼い頃から境内でのお的の儀を見て流れはある程度分かっているという。
人選を受けて滝本君は「動作の一つ一つをピシッ、ピシッとこなしながら矢を的に当てたいと思う。家族が健康でいられるよう、そして自分は来年の公務員試験で合格できるよう願いながら頑張りたい」。稲田君は「自分は弓道部ですが、弓が重く動作にも違いがあって射た後の弓さばきなどに少し難しさを感じています。本番ではしっかりと当てられるよう頑張り、自他の健康を願って矢を放ちたい」とそれぞれ意気込みを語った。
稽古は7日まで連日行い、雨天時は同センター内で動作にいっそうの磨きをかけるという。2人に伝えられている動作は、序盤で左右対称の動きをする結びの型。稲田さんは「今日(2日)の時点で2人はすでに型を一通り覚えていて、今年の弓頭は飲み込みが早いと感心している。後は2人の動きをどこまでそろえられるかといったところで、今後の稽古でしっかりと仕上げていきたい」と話した。
2人が奉仕するお的の儀は9日(土)午前10時30分ごろに同神社的場、午後に御旅所(苗我島)の2回行われる。御旅所は船渡御先であり陸づたいで赴くのも困難。同神社的場で行われるお的の儀が一般拝観の見どころとして例年注目を集めている。
(2019年2月6日付紙面より)
三重県警音楽隊コンサート (紀宝町 )
三重県警察音楽隊演奏会「ふれ愛コンサート」&地域安全講話が3日、紀宝町生涯学習センターまなびの郷で開かれた。会場を埋めた400人以上の観客が演奏に聞き入った。
同音楽隊は1955年の創設以来、交通安全運動や地域安全運動などの行事で県民と警察とを結ぶ「音のかけ橋」として演奏活動に取り組んでいる。
主催者を代表して町青少年育成町民会議の門賢会長が「素晴らしい演奏を期待しています」とあいさつした。
続いて、紀宝警察署生活安全刑事課の鈴木亮介課長が地域安全講話。県内で振り込め詐欺などの特殊詐欺が増加しているとし、「おととしは県内で200件ほど発生し、被害総額は5億円に上った」。
元号が変わることを悪用した詐欺が全国で発生しているとし、「振り込め詐欺、オレオレ詐欺は認識しているが、被害に遭ってしまう。電話があると頭が真っ白になってしまう。普段からコミュニケーションを取り、不審な電話があったら家族に相談してほしい」と呼び掛けた。
ふれ愛コンサートはアニメ『名探偵コナン』のテーマ曲で開幕し、『北国の春』『糸』などを披露した。
演奏に合わせた特殊詐欺被害防止寸劇もあり、音楽と劇を通して振り込め詐欺被害に遭わないよう啓発した。
アンコールの『U・S・A』を含む8曲を奏でると、会場から大きな拍手が湧き起こった。
同音楽隊の中川達也楽長は「防犯意識高揚の助けになればと、各地の会場で寸劇を披露しています」と話していた。
(2019年2月6日付紙面より)
小型ポンプ付積載車更新 (那智勝浦町 )
那智勝浦町消防団(貝岐昌志団長)の第6分団(色川地区、吉田創分団長)の消防ポンプ自動車が更新され、4日に同町役場前で配備式があった。平成30年度消防団第6分団小型動力ポンプ付軽積載車整備事業。総事業費は約297万円。
約20年前に導入された旧車両が老朽化したための更新整備。ダイハツ工業株式会社の658㏄に小型動力ポンプを積載した軽四輪駆動車で、山間部の狭い道路の進入や、急勾配な道路事情に対応できる仕様となっている。旧車両よりも車両周辺を照らすLED作業灯を充実させており、夜間活動の視界改善に配慮されている。
配備式には貝岐団長をはじめ分団員、堀順一郎町長ら関係者が出席。堀町長は日頃の任務にねぎらいの言葉を述べ、「これからも訓練に励んでいただければ」とあいさつ。配備式の後、吉田分団長は「旧車両は年数のわりには走行距離が短かった。出番のないことが一番良いので、普段から防災、安全対策に務めたい」と話し、団員らと車両装備などの説明を受けた。
(2019年2月6日付紙面より)
第32回和田禎佑杯サッカー大会
地元・和歌山開催の全国選抜出場へ
那智山両社寺で節分行事 (那智勝浦町 )
那智勝浦町那智山で3日、熊野那智大社の節分祭や那智山青岸渡寺の節分会(せつぶんえ)が営まれ、境内や堂内に「福は内、鬼は外」の声が響き渡った。
熊野那智大社(男成洋三宮司)では午前8時に節分祭、以降2回にわたって節分祭鬼追い追儺式(ついなしき)があった。午前10時の式には大勢の大檀那(だんな)=特別崇敬者=が参列し、内庭で神事が執り行われた。
古式にのっとった衣装と鬼の面を付けた役人役が社殿の鈴門柱に進み、福升に入った豆をまいた後、鈴門の基礎石を鬼やらい用具(先の割れた竹)で3回打ちながら「家内安全、延命息災、家運隆昌」と大声で唱える式を務めた。
境内では神職がお弓の儀に臨み、「鬼」と朱書きされた的に矢が当たると拍手と歓声が起こった。男成宮司や大檀那らが宝物殿から豆まきをし、厄災を払って地域に春を呼んだ。
那智山青岸渡寺(髙木亮享住職)では、本尊の秘仏「如意輪観世音菩薩(ぼさつ)」が開帳され、午前7時から午後3時ごろまで、節分会を順次営んだ。大勢の人々が次々と訪れる中、髙木住職がかみしもを着た参列者の名前を一人ずつ読み上げ、所願成就を祈った。続いて「七難即滅、七福即生」と詠唱し、内陣に向けては「福は内」、反対を向いて「鬼は外」と豆をまき、一年の健勝や家内安全を願った。
(2019年2月5日付紙面より)
歴探スクールで中瀬古友夫さん (新宮市 )
新宮市教育委員会など主催の「歴史探訪スクール第6回講座」が2日、市福祉センターであった。熊野学研究委員会委員の中瀬古友夫さんが「目で見る新宮・熊野の近代史(5)」をテーマに、明治後期から大正時代に発行された「熊野百景写真帖」について、写真などを交えて解説した。
「熊野百景写真帖」は、現在も同市内で営業を続ける久保写真館の久保昌雄さんが、明治33(1900)年に製作。皇室に献上された。同年には官製はがきの私製が認可され、同写真館では絵はがきの販売も始まった。
同写真館は大正2(1913)年以降、同写真帖や、改訂版「紀伊熊野百景」の一般販売を開始。熊野地方の風景などを積極的に紹介した。中瀬古さんは「定価12円とあり、当時にしてはとても高額。広告や時刻表なども掲載されており、ガイドブックとしての色合いも濃く見られる。版を重ねるごとに内容も充実していった」と解説。旧浦神小学校の廃校の際に見つかった、同校が所持していた「紀伊熊野百景」には脱落した写真も多くあり、中瀬古さんは「当時は貴重な教材として使われていたのではないか」と予想した。
中瀬古さんは、昨年9月に文化財保護審議会の研修として福井の一乗谷朝倉氏遺跡、三国湊を視察したことについても触れ、保存や展示の様子を報告した。遺跡は芝生や砂利を敷き一部を復元しており、朝倉氏の館周辺の遺構はそのまま保存されているなどと説明した。
講座終了後、本年度同スクールの閉講式があり、速水盛康教育長が皆勤賞の9人に記念品を贈呈。「皆さんの熱心なご聴講により、無事に閉講することができた。熱意と一体感が感じられる情報提供の場として、来年度も重要な探訪スクールと位置付けて実施していきたい」とあいさつした。
(2019年2月5日付紙面より)
花の窟神社で「お綱かけ神事」 (熊野市 )
熊野市有馬町の「花の窟(いわや)神社」(山川均宮司)で2日、春の例大祭が営まれ、一本の綱を引くことで、全ての幸福が得られるという県の無形民俗文化財「お綱かけ神事」が行われた。
同神社は日本書紀に記述があり、日本最古の神社ともいわれる。国指定文化財と世界遺産に登録され、神事は、同神社に葬られているイザナミノミコトの魂を鎮めるために始まったとされ、毎年2月2日と10月2日に行われる。
午前10時の花火を合図に神事が始まり、長さ約170㍍の大綱の一端が白装束の氏子たちの手でご神体の上にくくりつけられ、もう一端は信者や地元の人たちの手で国道42号を挟んだ七里御浜海岸の波打ち際まで引っ張られ、移動しながら神社を囲う形で境内の支柱にしっかりと固定された。
1日から早稲田大学オープンカレッジフィールドワークでこの地を訪れている一行14人も神事に参加した。「初めて」という都内在住の松元浩子さん(58)は「熊野古道もお綱引きも、東京では伝えられていない。こういう神社は、どんどん全国に発信すればよいのに」と話していた。
(2019年2月5日付紙面より)
タイムラインの進化版 (紀宝町 )
紀宝町は2014年度、災害が発生する前にあらかじめ取るべき対策を時間ごとに決める「タイムライン」(事前防災行動計画)を導入し、台風発生時などに運用してきた。現在は、町全体と浅里、大里、鮒田の3地区で運用しており、今後、他の地区にも広げていく計画。今年4月からは、町内各地区の避難所に専用タブレットを配布し、最新の情報を確認しつつ、住民自らが発信できる新システムを構築する。町や地区ごとの行動計画の進捗(しんちょく)状況などが共有できるタイムラインの進化版で全国初の取り組みとなる。
タイムラインは、台風発生時などの行動を事前に時系列で組み立てておくもの。甚大な被害を受けた11年9月の紀伊半島大水害を教訓に、紀宝町が全国に先駆けて導入した。
国土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所、同省中部地方整備局紀勢国道事務所、気象庁津地方気象台と行政、警察、消防、消防団など関係団体が連携して活用してきた。
災害時には町防災拠点施設が災害対策本部になる。各担当がタイムライン表に記入し、情報共有しながらステージ1~5の行動項目に沿って運用する。
台風が発生した場合、約5日前から行動を開始。ステージ1では情報収集や施設の点検を行う。紀宝町が台風の予報円に入り大雨が予想された際はステージ2に移行する。
警報が発表されるとステージ3、避難判断水位に到達するか土砂災害警戒情報が発表されるとステージ4、台風が最接近、河川氾濫危険水位の超過、氾濫発生でステージ5に移る。
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■新システム
新システムを導入することで、タブレットやスマートフォンなどで進捗状況の入力や確認が可能となる他、避難者数の入力、地区別の雨量、水位、避難所の開設状況、気象情報なども確認できる。
各地区と町との情報共有がより早くなる。刻々と変化する状況を瞬時に把握できるようになる。
町では運用開始後、出水期の6月までに訓練を実施する予定だという。
(2019年2月5日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部
和歌山少年ラグビー大会 (新宮RFC )
総合優勝は新宮高校陸上部 (くじら浜公園駅伝大会 )
もみじ会1月月例杯
第12回ミックスダブルス大会 (紀南テニス協会 )
那智勝浦町体協冬季ソフトバレー大会
田中章雄さんが講演 (那智勝浦町 )
一般社団法人和歌山県発明協会は1月30日、那智勝浦町商工会館で「地域団体商標の活用とブランド戦略~地域資源を活用して魅力アップへ~」を開いた。南紀くろしお商工会協力。株式会社総合研究所代表取締役社長の田中章雄さんが講師を務め講演。参加者らは地域活性化に生かせるブランド戦略や事例を学んだ。
同協会の小畑俊嗣常務理事・事務局長は「ブランド戦略は地域活性化につながる。今後も南紀くろしお商工会さんと協力し、開催していきたい」とあいさつした。
田中さんはブランド構築のツールで活用される地域団体商標制度を解説後、「過去の成功事例をまねしてもうまくいかない。会社に余力があるうちに新しいことに取り組み、誰もやっていないことをやらないと駄目」と主張。15年前の時点では「地域活性化」の対象は日本国内のものだったが、現在はインバウンド(外国人観光客)があると述べ、大きな市場になっていると述べた。
地域のブランド力を高めるには▽魅力づくり(付加価値化)▽魅力の伝え方(ターゲティング)▽顧客満足度の向上(体験化)―の戦略が必要と述べ、無形資産では「知的財産」「人的資産」「文化歴史等」「イメージ等」を挙げ、「いかに付加価値をつけられるか、いかにほかの商品と差別化できるかが売れる、売れない商品の差になる」と説いた。男性と女性によって視点が違うことにも注意が必要とした。
田中さんは国内で料理や農業などさまざまな体験が流行していることに触れ、「体験は興奮状態のため、良いものが増幅される。食べたものがよりおいしく感じる。これによって和歌山の魅力も伝えることはできる」と語った。
(2019年2月1日付紙面より)
相続・事業承継の講演会 (串本町 )
串本町商工会館で1月28日夜、講演会「落語で学ぶ相続・事業承継」があり、50人が聴講してトラブルを招かない在り方を学んだ。
この講演会は、役場産業課と同町商工会が主催。どの家庭や事業所でも起こる引き継ぎの在り方を実務家に教わり、適切に乗り切るための知識や心掛けを託す趣旨で参加を呼び掛けた。
講師はこころ亭久茶(きゅうちゃ)さん。行政書士やファイナンシャルプランナーなどの実務経験に基づく知識や話題を落語による情景描写も織り交ぜながら伝える講演で定評があり、今回は固く難しいという印象を持たれがちな相続や事業承継をテーマにして解説を重ねた。
前半は相続関係の内容で、兄弟の相続トラブルを落語で描写しつつ「子どものけんかは人生の悔いになる」として、目に見える財産だけでなく先祖や子孫への思いや自分の生きざまなども記すなど心を込めた遺言書を残すことや、長寿に伴う老いに備えて後見制度や民事(家族)信託といった手法の活用にも関心を持つよう促すなどした。
後半は事業承継関係で、創業以来最大のピンチともいえるこの状況において後継者は社外より先に社内の信頼を作るよう強調。事業には「不易(経営理念や社訓、社会的責任など)」と「流行(販売手法、商品開発、サービス拡充など)」の両側面があり、後継者は売上向上を優先し「流行」を意識しがちだが、他方で経営理念などを引き継がないと社員に迷いが生じ、その状況を見た社外も警戒する。その先では社員の離職や取引停止などがあり、それらの状況が事業承継をうまくいかなくすると筋道立てて伝えた。
久茶さんは、専門家も交えたチームで事業承継をすることを推奨。経営者が後継者を選び、実務家でもある久茶さんは教育などのペースメイキングをしていると紹介し、その役割はコンサルタントであったり顧問税理士であったり経営指導員であったりとさまざまだが、熟練の経営者と未熟な後継者の見解の相違に伴う口論で承継を難しくしない手法として勧めた。どうしても後継者が得られない場合は、M&A(企業の合併や買収)や事業譲渡も選択肢であり昔は恥と思われることもあったが、今は事業が社会的に認められているからできることであり、経営者は胸を張ってやってきたことをバトンタッチしてほしいとした。
(2019年2月1日付紙面より)
在宅介護住民啓発講演会 (紀宝町 )
紀宝町地域包括支援センターでは、高齢者が住み慣れた地域で安心して生活が送れるよう幅広く相談に応じ、支援を続けている。介護予防事業にも取り組み、必要に応じて福祉、保健、医療など関係機関と連携して対応している。
1月25日には、鵜殿地域交流センターで「在宅医療・介護住民啓発講演会」を開催。地区住民ら32人が参加した。
住民と専門職の人が在宅医療を気軽に話し合える機会を設け、人生の最終段階を迎えた時にどうするか考える機会を提供することが狙い。
町内4カ所で実施を計画しており、その一環。はじめに同支援センターの職員らが寸劇で退院を迫られている夫婦を演じ、介護付き高齢者住宅や有料老人ホーム、在宅でヘルパーを利用した場合の費用負担などを示し、「自分でできることは自分ですることが大切。お金も節約できる」と啓発。町内には19の関連施設があることも示した。
講演会はパネルディスカッション形式で進められた。司会役のコーディネーターは県地域医療研修センターの鈴木孝明センター長が務め、意見を発表するパネラーには特別養護老人ホーム宝寿園の弓場啓史相談員、町社会福祉協議会の小山高司ケアマネジャー、紀南病院地域連携室の阪口智美副看護部長、相野谷診療所の松林研二医師が参加した。
弓場さんは宝寿園を18床のショートステイも実施している施設と紹介し、小山さんは施設をどう利用していいか、個々の事情に応じてマネジメントしていると説明した。阪口さんは「困っていることがあれば、看護師に相談を」とアドバイスし、在宅医療を推進する松林医師は、主体的かつ上手なケアマネジャー利用を勧め、「どの医者も在宅医療ができるようにしなければ」と意見を述べた。
参加者からはリハビリなど質問が相次ぎ、鈴木センター長は「皆さんは意識が高く、勉強されている」と感心。主催者は「相談先の不明なときは、まずは包括支援センターに」と呼び掛けた。
(2019年2月1日付紙面より)
昭和52年卒還暦同窓会が寄付 (新宮高校 )
新宮市神倉の県立新宮高校(前田成穂校長)を1977(昭和52)年3月に巣立った第29回卒業生の代表ら4人が1月30日、同校を訪れ、還暦記念同窓会の会費の一部を母校に寄付した。
同窓会は2日に那智勝浦町のかつうら御苑で開かれ、184人が出席。77年当時は1クラス40人以上の13クラスあり、557人の卒業生がいた。恩師も3人が出席し、歌や談笑などで旧交を温めたという。
贈呈式には還暦同窓会の世話人を代表し、國見一郎実行委員長、野尻政典さん、川合啓介さん、坂本寿志さんの4人が来校し、余剰金7万1612円と会場で募った募金など4万3479円の計11万5091円を同校同窓会の夏山晃一会長に手渡した。
寄付金を手渡した國見実行委員長は「体育祭や文化祭、ロングハイキングなど、これからの学校行事に少しでも役立ててもらえれば」。夏山会長は「気持ちを寄せてくれるだけでもありがたいが、寄付をしていただき感謝でいっぱいです。今後の学校活動費として大切に使わせていただきます」と話していた。
(2019年2月1日付紙面より)
第35回新宮マラソン大会