市民向け講演会で岩崎順子さん (新宮市 )
新宮市健康長寿課は16日、市役所別館で市民向け講演会を開いた。いのちの講演家・岩崎順子さんが「ガンが病気じゃなくなったとき」を題目に講話。約90人が聴講した。岩崎さんは「優しさは悲しみから生まれる。それは人権の根本ではないか」と呼び掛けた。
岩崎さんは和歌山県海南市出身。著書に自宅で他界した夫をみとった経験をつづった『ガンが病気じゃなくなったとき』がある。命や人権、心、子ども、生と死、心の病気、震災、戦争などについて全国で1000回以上の講演経験がある。
開会に当たり田岡実千年市長が「講演会を通じて家族と話すきっかけになれば」とあいさつした。
岩崎さんは、がんで余命宣告を受けた男性が、「もう種を植えても仕方がない」と自分の畑で収穫した野菜を近所の人に配ったところ「おいしくて元気をもらった」と好評を得て以来、収穫した野菜を配り歩いているうちに自身まで元気になったという話や、30代で乳がんを患い両乳房を失った女性が乳がんカウンセリングを始め、同じ乳がんで苦しむ女性の心に寄り添いながら頑張っているといったエピソードを紹介。「がんが人間の生き方を変えることもある」と述べた。
肺がんにより他界した夫のがんが進行していく様子や、家族・親子間の心の触れ合いなど、みとりまでの経緯について話し、「人が死んでいくことはきれい事ではない。しかし死は悲しいだけではなく、人が亡くなっていく姿を見た人間にはその命を次の誰かに受け継いでいく役割がある」と語った。
大切な人の死は生きる力と知恵になっているとし、「インターネットの中に情報はたくさんあるが、生きる知恵に関する情報はない。人から人へ、心から心へ、魂から魂へ、ちゃんと顔を見て伝わっていくもの」。
介護をしている人に対して「一人で抱え込まないで。しんどいと思う気持ちは本気でその人をサポートしてきた証し」と語り掛けた。「人が亡くなると財産を奪い合おうとする家族や親族がいる。介護やみとりの時間を取り合うような世の中になれば」といった知人の言葉を紹介し、「介護の中に笑顔とユーモアを入れて、少し心を緩めて一歩を踏み出して」と呼び掛けた。
(2019年6月18日付紙面より)
岩崎順子さんが講演 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は15日、町体育文化会館で在宅医療・介護連携推進事業講演会を開いた。いのちの講演家・岩崎順子さんが「介護する人 される人 心の橋渡し~私は病気の○○さんではありません~」をテーマに講演。約50人が聴講した。
開会に当たり、矢熊義人副町長が「高齢者が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、地域の医療・介護の関係団体が連携して包括的かつ継続的な在宅医療が提供できるよう求められている」とあいさつ。岩崎さんは「友達とコーヒーを飲みながら話すように、顔を見ながら話を聞いていただければ」と呼び掛けた。
岩崎さんは講演会で出会った、当時60代の男性が母親をみとったエピソードを話した。母親に甘えることのできなかった男性が認知症の母親に心を寄せるまでの経緯を紹介し、「男性は、最後は『お母ちゃん、もう頑張らなくて良いよ。ありがとう』と見送ることができた、と報告してくれた」と述べた。
男性は認知症が進行してどこを見ているのか分からない状態の母親が、亡くなる3日前に、男性のことをじっと見ていたという体験をしたことにも触れ、「男性は、母親のまなざしは自分が子どもの時に見せてくれた母親のまなざしだったと言っていた。認知症でも年を取ったとしても病気だったとしても、母親が子どもを思う気持ちは変わらないのでは」と語った。
男性から「介護は大変だが、その気持ちを自分だけで辛抱していたらしんどい。抱え込まないでほしいと講演会を通じてみんなに伝えてほしい」と告げられたと話し、「市町村には窓口がある。相談すれば道は開ける。一人で抱え込まないで」と訴えた。
岩崎さんは2011年の紀伊半島大水害についても触れ、夫をみとった自身の経験から「大切な人を亡くすと体がもぎ取られた気持ちになる。でも死は悲しみだけではない。目には見えないけど、生きる力と知恵になって心の中で一緒に生きてくれていると信じている」と語った。
最後に同町で経験した地域住民らとの触れ合いについて紹介し、「那智勝浦町は私にとって優しい町。こんな町で講演をさせてもらえるのは幸せなこと。肩肘張って生きている地域よりも、助け合って生きている地域の方が幸せでは」と講演を締めくくった。
(2019年6月18日付紙面より)
妙法山阿弥陀寺で「青葉祭り」 (那智勝浦町 )
女人高野として知られる妙法山阿弥陀寺(谷宏之住職)=那智勝浦町南平野=で15日、弘法大師の誕生を祝う青葉祭りが営まれた。本堂では西国三十三所霊場お砂踏みと先祖供養、大師堂では四国八十八カ所霊場お砂踏みと護摩祈とう法会が行われ、荒天の中次々と参拝者が訪れた。
同寺は平安初期の815(弘仁6)年、弘法大師こと空海上人が妙法山で修行し、西方にある極楽浄土への入り口として開いたとされる。お砂踏みは布袋に入った札所の砂を踏むことで、霊場参拝と同じ功徳が得られるといわれる。
1509(永正6)年に建てられた大師堂(県指定文化財)では、弘法大師42歳の姿と伝えられる等身大の大師尊像が開帳された。御詠歌と鐘の音が響き、お砂踏みの参拝者が手を合わせて堂内を歩いた。アジサイの花で飾られた花御堂(はなみどう)も設けられた。
参拝を終えた三重県尾鷲市の西平(にし・たいら)さん(84)と妻の伸代さんは「元気なうちは毎年お参りしたい」と笑顔を見せ、「ここの御詠歌が聞きたくて雨風が強くても必ず来ています」と話す女性もいた。
厄よけ大師としても信仰の厚い大師尊像は、この後(公財)美術院の国宝修理所で解体修理を予定しており、次回の開帳は4月20・21日に営まれる「御影供」となっている。
(2019年6月18日付紙面より)
弁天島に100人が奉仕 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の大勝浦区にある弁天島で16日、「弁天島クリーン作戦」があった。午前10時の干潮を待って大勢の参加者が弁天島に渡り、町の名所を美化した。
地区住民らの弁天島を守る会と弁天島保存会、南紀くろしお商工会中部支部、なちかつ古道を守る会のメンバー、周辺企業の社員、町職員、子どもたちを含め町民約100人が参加。漂着した流木やごみを拾い集め、周辺の草刈りを行った。二手に分かれ、お蛇浦(じゃうら)方面への遊歩道の清掃も行った。
堀順一郎町長は「東京での調べによると勝浦で一番有名なのが那智の滝、熊野那智大社の次が弁天島だと聞きました。パワースポットとして名高いそうです。多くの人が訪れ、願いがかなうよう気持ちを込めて掃除したい」とあいさつ。勝浦1区の裏東芳樹区長は「皆さんのおかげで年々ごみは減少しています」と感謝し、熱中症への注意を呼び掛けた。
同町宇久井の吾妻亜弓さんは「子どもを連れて行けると聞き参加しました。島に渡ったのは初めてですが良い所ですね」と話していた。
(2019年6月18日付紙面より)
JCカップ少年少女サッカー和歌山大会
和歌山県中学校空手道選手権大会 (太地中学校 )
新宮市観光協会(里中陽互会長)は12日、新宮商工会議所で総会を開き、本年度の事業計画案などを承認した。
里中会長は「寄せてくる観光の大波を、共に手を携えて乗り切り、『世界の熊野』、『世界の新宮』と胸を張って言える街にしていきたい」と協力を願い、「皆さまから貴重なご意見を賜り、より一層観光を新宮市の重要な産業として確立させたい」とあいさつした。
本年度事業は▽観光客誘致のための宣伝活動▽まちなか観光推進事業▽水野家入部400年記念事業への協力▽世界遺産登録15周年事業▽クルーズ客船受入事業の共催▽南紀熊野ジオパーク事業・日本遺産「鯨とともに生きる」への協力―など。事業費は1943万1000円(前年比256万3000円減)。
協会会員の隅地洋さんは「市にとって観光振興の具体的な目標、その方法は何なのか。曖昧にしたまま進めてしまうと、何をすべきか分からず、結果として活動が停滞し、目標と外れた方向へと向かってしまう」と指摘。
「行政や観光協会、さらには市民挙げての共通目標と、それを実現するために必要な方策を生かす重要な取り組みが必要」と訴え、市と連携して真剣に取り組み、議論し、具現化し、観光振興を支える体制の形成を提案。
それに対して森本祐司専務理事は「提案いただいているワーキンググループや特別委員会のような形で、協会内に組織をつくるなど前向きに検討して、皆さまに発表させていただきたい」と応えた。
議事前には、観光功労者として熊野交通株式会社志古船舶営業所の山合忍さん(45)を表彰。業務の都合により山合さんが欠席したため、塩崎陽統括部次長が代理で表彰を受けた。「今回の受賞を励みとして、新宮市また南紀地方の観光発展のため、微力ではございますが業務に一層精励したい」との謝辞を代読した。
(2019年6月14日付紙面より)
城南中と王子ヶ浜小が研修会 (新宮市 )
新宮市立城南中学校(中田善夫校長)と王子ヶ浜小学校(山本眞也校長)は12日、合同の研修会(二校研)を開いた。同小の教職員30人が城南中を訪れ、公開授業の見学、全体会、分科会を通じて教育活動の情報を交換した。
王子ヶ浜小に通う児童のほとんどが城南中に進学することから、両校の連携を深め、継続的な教育活動を展開することが目的。今回を含め年3回実施する。
公開授業では、本年度から中学校で「特別の教科」になった道徳の授業を見学。全体会では、中田校長のあいさつに続き、教職員紹介があった。参加者らで各学年の様子を共有した。分科会では「人権・防災安全部」「学力向上部」「生徒指導部」に分かれ、それぞれのテーマで話し合った。
中田校長は「生徒たちは懐かしい小学校の先生に会えるのを楽しみにしていた。小学校では1年早く道徳が教科化したので学べることが多いのでは」。山本校長は「落ち着いてしっかり授業を受けていた印象。小学校と中学校は同じ校区にあっても、対象年齢や学級担任制と教科担任制などさまざまな違いがある。しっかり情報交換していきたい」と話していた。
第2回二校研は、8月1日(木)に王子ヶ浜小学校で実施する予定。
(2019年6月14日付紙面より)
熊野川中2年生が職業講話 (新宮市熊野川町 )
新宮市立熊野川中学校(吉田元紀校長)で12日、職業講話があった。同校の2年生6人が、同町日足の池上石油・プロパンの池上順一さんから働くための心構えや知識などを学んだ。
働く人の話を聞き、仕事の楽しさや厳しさを学び職業に対する理解を深めようと、職場体験を前に毎年行われている。
池上さんは、江戸時代には職業が制限されていたため、代々父親の仕事を継いでいたと説明。自身の家系も先祖代々、日足で約400年暮らしており、曽祖父の代までは紺屋(染め物)をしていた。父親の代になると、終戦後にパン屋、菓子やジュースの卸し屋などを経て現在の会社を営んでいると紹介した。これまでの商売でうまくいかなかった要因として「商品には寿命がある。物自体でなく地域で商品としての寿命が尽きた」と語った。
池上さんは生徒に夢を尋ね「好きな職業に就くために、仕事内容や自分はどうすればいいのかなど、いろんな情報を集めることが大事。皆さんは自分の力で好きな仕事を探し選んでいくと思いますが、それに向けての努力や覚悟も必要であることを忘れないでください」と呼び掛けた。
(2019年6月14日付紙面より)
姫ひじき生産組合加工場で (串本町 )
串本町の姫ひじき生産組合(堀喜代子会長)が11日、同組合加工場で3~4月に収穫した姫産ヒジキの釜炊きを始めた。今年の収量は乾燥重量で2・6㌧と例年になく少なめ。当面は梅雨時期の晴れ間に合わせて作業を進め、特産品「姫ひじき」として出荷するという。
古くから良質のヒジキが育つことで漁が活発な同町東岸域。中でも姫の磯場は長く柔らかく味も良いヒジキが採れることで知られ、同組合が特産品「姫ひじき」を生産していることで地域内外に親しまれている。
長らくの食用により地元に根付いた伝統製法でおいしく炊き上げ、天日干しして乾燥保存できるようにしたのが特産品「姫ひじき」。その要の調理となるのが直径、深さとも約1㍍ある鉄釜で60㌔を4時間余りかけて炊き続ける釜炊で、11日は雨天だったが翌12日の好天を見越して今年のヒジキを初炊きした。12日は昨年のヒジキを早朝から1回炊き、釜の熱が抜け切る前に今年のヒジキを入れて4時間30分ほど炊いた。
今年産の釜炊きは1年余り寝かせた去年産とは炊き方が若干違うそうで、色味が淡くふっくらと仕上がるのが特色。釜から出した後はそのまま天日干しで乾燥させ、雑藻などの混ざりものを取り除く手間も掛けて袋詰めし「姫ひじき」として出荷する。
堀会長は「ここ最近は4㌧ほど採れていたが、今年はヒジキの育ちが鈍く厳しい不作。周りもそのような状況で、県水産試験場からは黒潮の接岸の遅れが影響したと聞いている。姫は場所にもよるが育ちが良く、釜炊きした後の柔らかさと味の良さはいつも通り」とコメント。一日でも早く待ってくれているファンに届けようと鋭意生産に励んでいる。
「天日干しする前の『姫ひじき』もおいしい。ごまのドレッシングがお薦め」―。地元では釜炊き後の「姫ひじき」をサラダパスタ風に味わう食べ方も親しまれているそうで、炊き上がる頃に同組合を訪ねれば天日干し前の「姫ひじき」も販売するという。同組合の加工場は旧養春小学校そばにある。
(2019年6月14日付紙面より)
進捗状況報告や意見交換 (熊野川治水対策協 )
第17回「熊野川の総合的な治水対策協議会」が7日、新宮市役所別館で開催され、近畿地方整備局や紀南河川国道事務所、和歌山、三重、奈良県など関係機関が取り組み状況を報告し、意見交換を行った。
同協議会は、平成23年9月の台風12号に伴う熊野川流域の未曽有の被害が発生したことを受け、熊野川流域で総合的な治水対策を推進するため、河川管理者、ダム管理者、沿川市町村により平成24年7月に設立した。
開会に当たり、近畿地方整備局の山本佳也・河川調査官が「昨年も災害が多く発生し、熊野川でも大きな被害が出ている。特に台風20号では日足地区に甚大な被害があり、まだまだ治水作業を進めていかなければならない。密に連携し、情報や進捗(しんちょく)状況を共有し、モニタリングを図ることは当協議会の重要な役割」とあいさつし協力を呼び掛けた。
近畿地方整備局からは3月25日に設立した「日足地区等フォローアップ部会」についての報告があった。同部会は日足地区などの対策を早期に完了させるため、国、和歌山、三重県が連携を図りながら事業進捗の確認や情報共有などのフォローアップを年1回の頻度で実施していくもの。浸水被害の軽減と解消のため、日足地区の宅地かさ上げ作業、田長地区と和気地区の河道掘削作業を実施しているとし、今後のスケジュールなどについて報告した。
紀南河川国道事務所は相野谷川の浸水被害の軽減を図るため、「緊急対策特定区間」の重点的河道掘削実施などを報告。砂州掘削事業効果についての説明もあった。
田岡実千年新宮市長は「河川整備基本方針の見直しについては、本年度内の社会資本整備審議会河川分科会の小委員会での審議を目指すとあるが、大水害から8年がたち、住民は毎年不安な台風シーズンを迎えている。一日も早い方針決定を」と強く要望。西田健紀宝町長が「河川整備基本方針については明確にいつと示していただきたい。早く基本方針を定め、それに続く整備計画を立ててほしい」と求めた。
(2019年6月9日付紙面より)
小渕伸二さんが講話 (新宮市婦連 )
新宮市婦人団体連絡協議会(仲富美子会長)は7日、市人権教育センターで研修会を開いた。23人が参加する中、田辺市の小学生のふるさと学習講師で新宮城復元対策委員の小渕伸二さんが「新宮城について」を題目に講話した。
研修会に先立ち、仲会長が「市民のシンボルとも言える新宮城について講話していただけることはこの上ない幸せ」とあいさつ。来賓の平見仁郎教育部長が教育行政に対する理解と協力に感謝を述べた。
小渕さんは新宮城の歴史や築城の経緯などについて説明。関ヶ原の戦い後、紀伊国に入国した浅野幸長の重臣だった浅野忠吉が慶長6(1601)年に新宮城縄張工事に着手し、一国一城令で一時は廃城になるも、一揆など周辺の不安定な状況を鑑み再築城が許可された。元和5(19)年に新宮城主となった水野重仲が築城工事を継続した。
寛永10(33)年に完成してからも改修工事は続き、現在の新宮城が完成したのは寛文9(69)年3代重上(しげたか)の時代だった。新宮城は平成15(2003)年に城郭跡と水野家墓地が国史跡指定を受け、平成29(17)年には続日本100名城に選出されている。小渕さんは「全国的に見てもコンパクトで、当時の新しい技術を使って造られた城は珍しい」と述べた。
スライドを使って古地図などの資料を基に新宮城の作りや石垣などについて解説した小渕さんは、見どころを「総石垣の城、水ノ手曲輪、独立した出丸」と紹介。「石垣は野面積み、打込み接ぎ、切込接ぎの基本3種類が見られる。中でも切込接ぎは完成度が高い。石組みの種類が多くて珍しい」とした。水ノ手曲輪は全国的にも船着き場などが城跡に残るのは珍しいと話した。
「お城を考えるきっかけになってくれたら」と新宮城の石垣の現状についても解説。台風被害や、森林として放置された結果、樹木根などの影響で崩落、崩壊した石垣の画像を紹介し「故郷の誇りである美しい新宮城の石垣をみんなで守っていけたら」と話していた。
(2019年6月9日付紙面より)
勝浦小1年生が稚魚放流 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は4日、那智湾に面した「海のホテル一の滝」近くの砂浜でヒラメ稚魚の放流会を開いた。町立勝浦小学校(山下真司校長)の1年生38人も協力し、約1000匹を海に放した。
栽培漁業の拡大を図るため、同町が紀州勝浦漁業協同組合に委託し毎年実施している。本年度は那智湾と浦神湾に計6万匹を放流する予定。
放流した稚魚は、串本町の県南部栽培漁業センターで2月14日にふ化し、同漁協が体長10㌢前後まで中間育成したもの。放流後しばらくは水深20㍍より浅い砂浜域で生活し、成魚になると水深200㍍までの岩礁域に移動する。2年で40㌢程度に成長し、3年ほどで産卵を行うという。
この日は、勝浦小学校の体験学習も兼ねており、児童たちは県職員からヒラメの生態について学んだ後、ペットボトルで作った容器に入れた稚魚を観察し、放流した。トンビに狙われる稚魚を心配そうに見つめる姿も見られた。最後は全員で「ヒラメさん大きくなってね」と声を掛け、ヒラメを見送っていた。
(2019年6月9日付紙面より)
11月17日開催、7月1日から受け付け開始
第8回新宮・那智勝浦天空ハーフマラソン大会(同実行委員会主催)の開催が11月17日(日)に決まり、新宮市役所で6日、記者発表が行われた。
大会は紀伊半島大水害からの復興と地域の活性化を願い、発生翌年の2012年にスタート。自動車専用道路(一般国道42号那智勝浦新宮道路)を走る非常に珍しいコースで、アップダウンは激しいが、コースから見える太平洋や熊野の山々の眺望がランナーに感動を与えている。
会見で大会長兼実行委員長の田岡実千年市長は「官民一体となっておもてなしの心でランナーを迎えさせていただき、『参加して良かった』と言っていただけるような大会を目指したい」と述べた。
表彰式終了後には、出場者を対象とした地域の特産物などが当たる抽選会を予定。ゲストランナーは現在調整中で、決定次第発表する。
スタート時間は3㌔が午前9時40分、10㌔が10時、ハーフが10時30分。各種目とも男女別に総合1位から8位まで、年代別に上位3人を表彰。ゴール地点では平安衣装を着た高校生が参加賞のタオルを手渡す他、熊野の食材をふんだんに使用した弁当なども用意する。
参加費はハーフ(高校生以上)が4500円、10㌔(中学生以上)が4000円、3㌔は中学生以上が3500円で小学生が2000円。例年通り全国のマラソン大会や県内を中心に関西地区のスポーツショップと関連施設で募集パンフレットを配布し、ウェブサイト(RUNNET、スポーツナビDo)や専門誌(ランナーズ)にも掲載予定。
申込期間は7月1日(月)から10月4日(金)まで。昨年は、北は北海道、南は沖縄県まで31都道府県から2257人がエントリーし、2078人が出場。2058人が完走した。
副大会長の堀順一郎那智勝浦町長は「令和元年という新しい時代の幕開け、世界遺産登録15周年ということで、大きな節目の年だと思う。熊野三山では御朱印なども普段とは違う形で行われているので、ご家族も含めて前後に歩いたり、三山をお参りいただいたりと、周辺を散策する楽しみもあるので、PRしていければ」と話した。
(2019年6月7日付紙面より)
会見で6月議会提出の議案説明 (新宮市 )
新宮市は6日、市役所で定例記者会見を開き、11日(火)開会の市議会6月定例会に上程する市一般会計補正予算など6議案を発表した。会期は27日(木)までの17日間、一般質問は18日(火)から21日(金)までの4日間を予定している。
議案は条例4、予算1、その他1。一般会計の補正額は3132万6000円で、補正後の予算総額は178億6589万8000円となる。内訳は昭和37年4月2日から昭和54年4月1日の間に生まれた男性を対象に、抗体検査および予防接種を実施する「個別予防接種事業」が520万円の増。地方譲与税の一つである森林環境譲与税を財源とし、長期森林管理方針の作成および森林所有者への意向調査のために1004万2000円を補正。併せて「森林環境譲与税基金」を設置し、1608万4000円の積み立てを行う。
市森林環境譲与税基金条例の制定、市重度心身障害児者医療費の支給に関する条例の一部改正や、高田保育所の新高田会館への移転に伴う保育所条例の一部改正、市火災予防条例の一部改正などの各議案を提出する。
田岡実千年市長は、農林水産省が森林吸収源対策に係る地方財源を確保するために創設した森林環境譲与税について「比較的森林面積が広い市にとってはありがたい。譲与税を有効活用し、さらに森林の整備、活性化をしっかりと行っていくために基金を創設したい」と話した。
(2019年6月7日付紙面より)
県総体で準優勝 (紀南高校女子卓球部 )
全国高校総体(インターハイ)と東海高校総体の予選会を兼ねた三重県高校総体卓球競技が1、2日、伊勢市の三重交通Gスポーツの杜伊勢で開かれた。女子学校対抗の部で御浜町の県立紀南高校が準優勝し、3年連続で東海総体への出場を決めた。
県総体は優勝校に全国総体、上位4校に東海総体への出場権が与えられる。学校対抗の部はシングルス4戦、ダブルス1戦の5戦で3勝したチームが勝利となる。女子は34校が出場し、4ブロック8~9チームによる予選トーナメントで上位4校を決めた。
紀南は3年の檜作もえさん、南咲良さん、竹田真子さん、尾﨑萌音さんと2年の濱矢優香さんの5人。昨年も同じメンバーで東海大会に出場した。
初日の予選トーナメントはシードで出場し、2回戦で津、3回戦で四日市四郷にいずれも3―0で勝利。予選決勝は桑名に3―1で勝ち、ベスト4に入った。
2日目の上位4チームによるリーグ戦では、優勝した白子に敗れたが高田、神戸に競り勝ち2勝1敗の成績を収めた。
わずか5人の部員ながらも、3年生は春秋通じて5季連続の東海大会出場を手にした。檜作主将は「応援してくれた家族、顧問、監督のおかげで準優勝できた」と振り返り、「東海総体で上位進出を目指したい」と抱負を語った。
東海総体卓球競技は静岡県の湖西市アメニティプラザで22日(土)に開幕する。
(2019年6月7日付紙面より)
串本ジュニアソフトテニスクラブに所属する前向日葵(ひまり)さん(潮岬小6年)が5日、田嶋勝正町長に全日本小学生選手権大会(以下全日本大会)と近畿小学生選手権大会(以下近畿大会)に出場することを報告して激励を受けた。
前さんは印南ジュニアソフトテニスクラブ所属の濵本琴心(ことみ)さん(印南小6年)とペアを組んで5月4、5日に金屋テニス公園であった県小学生選手権大会(以下県大会)に出場。64組中3位となり、全日本大会と近畿大会の出場資格を得た。併せてこの成績により和歌山県団体Aチームの1組となり、両大会は個人戦と団体戦で挑むという。
前さんは1年生の時に姉の挑戦に憧れてソフトテニスを始め、その当時の縁で4年生の時からクラブの違いを超え濵本さんとペアを組んでいる。今は週1回の頻度で印南ジュニアソフトテニスクラブへ通い、濵本さんと合同練習。前さんが過去にも全国規模の大会に出場した経験があり、そのレベルを思い出しながら近畿大会はベスト8、全日本大会は一勝でも多くと目標をより頑張りやすい形に切り替えつつ、県大会で課題を感じたラリー展開時の粘りの向上に励むさなかにある。
報告を受けた田嶋町長は、前さんが専門誌の表紙に載ることに憧れていることを受け「優勝したら町の広報誌の表紙で町民に伝える」と約束。「小さな頃からスポーツに打ち込むと、仲間や根性などいろいろなものが得られる。続けていれば評価もついてくるのでぜひがんばってほしい。プレッシャーもあるだろうが、まずは気楽に挑戦してほしい」と激励した。
(2019年6月7日付紙面より)
「さるびあ丸」で11回目 (新宮港 )
東京都渋谷区の青山学院初等部6年生120人と引率教諭ら21人の計141人を乗せた「さるびあ丸」(全長120・54㍍、4992㌧)が5日午前8時ごろ、新宮市の新宮港へ入港した。速水盛康・市教育長、東牟婁振興局の田堀国浩・地域振興部長らの歓迎を受けた一行は、バス3台に分乗し熊野古道などへ向かった。同日午後6時に出港する予定。
修学旅行を兼ね同校が毎年実施している洋上小学校の一環で、おととしに続いて11回目の来港。一行は5月29日に東京を出港し、横浜、高知、種子島、福江島、壱岐、門司へ寄港し、新宮に入港した。この後は館山を経て東京へ帰る。
船内での歓迎セレモニーで、速水教育長は熊野が聖地であると紹介し「人と自然がつくった聖地熊野を思う存分体験して」。田堀部長は「この地でいい思い出、楽しい思い出をつくり、人生の中でまた訪れてもらえればうれしい」とあいさつし、記念品を贈った。
児童代表は「熊野古道や那智の滝を楽しみにしてきた。感謝しながら熊野の歴史や文化を学びたい」と元気にあいさつし、バスに乗り込んだ。
(2019年6月6日付紙面より)
職員に向け人権学習会 (関西電力新宮事業所 )
新宮市野田の関西電力新宮事業所(加山和也・新宮担当部長)で4日、職員を対象にした人権学習会があった。市人権政策課の谷嗣弘さんが、性別や性的少数者(LGBT)など性的マイノリティーについて講話をし、45人の職員が人権問題について学びを深めた。
同事業所では、人権問題に対する正しい認識と理解の促進を目的に、定期的に人権学習会を開いている。
谷さんは、性的マイノリティー問題は、職場や家庭、地域社会においても無関係ではなく、身近に迫ってきていると話した。性的マイノリティーは全体の3~5%といわれており、増加傾向にあるとした。
「こういった問題が私たちのすぐそばにあることを知っていただき、理解して行動してほしい」と述べ、LGBTについて解説。最近では、自分の性に確信が持てない「Q(クエスチョニング)」を加え、LGBTQとされていることなども話した。
婚姻適齢について定めた民法731条では「男は、18歳に、女は、16歳にならなければ、婚姻をすることができない」とあるとし、「憲法には両性の同意に基づくという前提があるが、共に18歳とはなっていない」と述べた。
現在日本で同性婚は合法化されていないが、2015年に東京都渋谷区で初めて施行された、同性カップルを「結婚に相当する関係」と認める条例「パートナーシップ制度」について説明。現在は東京都世田谷区、中野区、三重県伊賀市、沖縄県那覇市などの自治体がパートナーとして権利を行使できるように定めていることなどを紹介した。
職員らは啓発DVDを通じ、学校や職場などで起こっている性的マイノリティーに対する差別の現状などを学んだ。谷さんは「多数が普通で、少数が普通ではないという意識が偏見や差別を生む。少数の人が普通ではないという概念を持たないように職場づくり、社会づくりに生かしてほしい」と講話を締めくくった。
(2019年6月6日付紙面より)
東京農業大学と包括連携協定 (太地町 )
太地町(三軒一高町長)、同町漁業協同組合(脊古輝人代表理事組合長)、太地水産共同組合(岸野知夫理事長)と東京都世田谷区の東京農業大学(髙野克己学長)は5月15日、包括連携協定を締結した。産業や教育など幅広い分野で相互協力する協定で、三軒町長は「鯨の学術都市を目指す町として研究者は不可欠。大学との連携は非常に喜ばしい」と話した。
同大学は3キャンパス(世田谷・厚木・オホーツク)6学部を擁する。小中高の附属校を含めたグループの学生数は約2万人となっている。全国75の地方自治体や企業・団体、教育・研究機関との連携活動実績を有し、各地の主な取り組みは▽6次産業化の推進▽鳥獣害対策▽機能性食品の成分分析および土壌診断▽森林・バイオマス資源の利活用▽地域体験実習などによる人材育成▽Iターン・Uターン推進▽里山景観保全活動▽遊休荒廃農地再生▽地域資源を活用した商品開発―など。
4者歩み寄りの背景に、同大学生物産業学部・小林万里教授の太地町訪問があった。小林教授は、オホーツク海のアザラシの食害による漁業被害の対策を求め2017年に太地町の追い込み漁を視察した際、町の施策に感銘を受け、同大学に連携を提案。髙野学長が今年3月に来町し連携締結の運びとなった。
髙野学長は「陸のことばかりではなく、広い視野を持たなくてはならない。学生たちにとって、海と関わりの深い太地町の漁業者や地域住民と交流することは有意義。グローバルな時代に、できることを一緒に考えていきたい」と話している。
調印式は同大学内で行われた。協定に先んじて、町は町立くじらの博物館での学芸員実習を受け入れている。今後もインターンシップや就職を視野に入れた学生交流、同大学の学園祭への出品による鯨肉の普及を目指す。また、山野、公園管理などの学術支援を生かした地域活性化を相互恩恵の成果として見込んでいる。
(2019年6月6日付紙面より)
串本町を拠点とするコーラスグループ「串本コーロびおれった」(山本ちづき団長、団員30人)が2日、同町文化センターで発表会「第6回演奏会」を開き結成30年目の歌声を約400人の観客に披露するなどした。
同グループは、1990(平成2)年に結成した女声合唱団。基本毎週日曜日の午後にレッスンに励み、串本町や新宮市、さらには全国区の大会に出演して成果を発表。賛助出演や慰問もこなすなど練習に発表と活発な活動を続けている。
自主公演となる発表会は「したい時にする」という考え方で不定期に計画していて、今回は2016(平成28)年5月の第5回以来3年ぶりの実施になる。
当日は大ホールの席の約3分の2が埋まる盛況を得て開演。熊谷綾子さんの指揮、客演の藤里香世さんや団員の坂本久美子さんによるピアノ伴奏で4部構成20曲を発表した。第1部と第2部は純粋なコーラス発表で、「歌う」から「響かせる」へと徐々にハーモニー豊かな曲へと移行して展開を盛り上げた。第3部は初の試みで団員が考えた出し物を織り交ぜ、観客と一緒に歌う楽しみを共有。第4部は女声合唱とピアノのための組曲『桜の花びらのように』の全曲披露に挑戦し、ドラマ・坂の上の雲の主題歌『Stand Alone』を響かせた。
曲の合間では熊谷さんが団員の目指すところ、山本団長が30年目の節目の心境と新たに仲間を歓迎したいという思いを語る場面も。プログラム終了後、団員から指揮とピアノ伴奏に感謝する花束を贈り、サプライズでさらに1曲を歌って締めくくった。
おおむね1年前から今回の発表会を意識して練習を重ねてきたという同グループ。退場する観客を感謝して送り出した山本団長は「うまく歌えるか心配な曲もあったけれど、なんとかこなせてほっとした。初めて試みた第3部の趣向も良かったと大勢の皆さんから言っていただけて、団員も一段と意欲が湧いたと思う。次の発表会はいつ、とは言えないけれどこれからもよろしく見守ってほしい」と心境を語った。
(2019年6月6日付紙面より)
第21回ツール・ド・熊野が開幕
熊野地方を舞台とする国際自転車競技連合(UCI)公認で国内屈指の自転車ロードレース「第21回TOUR de 熊野(ツール・ド・くまの)」が5月30日、新宮市で開幕した。NPO法人SPORTS PRODUCE熊野主催、熊野新聞社など後援。
同レースには、現在UCIアジアランキング2位で新宮市を拠点とする「キナンサイクリングチーム」など国内から11チーム、海外からは現在同ランキング1位のトレンガヌ・INC・TSG・サイクリングチーム、同ランキング3位のHKSIプロサイクリングチームなど6チームが出場。17チーム101選手が熱戦を繰り広げる。
プロローグ(タイムトライアル)終了後、市内のキナン研修センターでオープニングセレモニーが開かれ、角口賀敏(よしとし)理事長が「今年は第21回と新たな歴史を刻み始め、今年からUCIの国際大会一本に絞り、国内選手のレースを無くしましたが、一層充実し中身のある大会にして地域の皆さんに楽しんでいただけ、参加いただいている選手の皆さんにベストを尽くして走れる大会にしたいと考えています。改めまして参加いただきました選手、スタッフ、役員、ここにいる全ての皆さまに感謝申し上げます」とあいさつ。
役員、来賓の祝辞などの後、参加選手を代表してキナンサイクリングチームの山本大喜(まさき)選手が「日頃の練習の成果を十分に発揮し、ツール・ド・熊野を支えてくださる方々への感謝の気持ちを忘れず、正々堂々と全力で最後まで走ることを誓います」と宣誓した。
大会2日目の31日は、同市熊野川町が舞台の赤木川清流コース(100・4㌔)。レース前には、新宮市役所からのパレード走行も実施された。
同3日目の6月1日(土)は熊野市や御浜町などが舞台で、大会の山場となる「熊野山岳コース」(109・3㌔)。2日(日)の最終第3ステージは、捕鯨の歴史が色濃く残る太地町が舞台の「太地半島周回コース」(104・3㌔)となっている。
(2019年6月1日付紙面より)
隣接町有地崩落の恐れは (那智勝浦町 )
那智勝浦町勝浦の町立勝浦小学校正門側から校舎に向かう坂道(通称・登校坂)左側にある町所有の山の一部について、「崩落の危険性はないか」と住民から不安の声があった。同町総務課と建設課にその対策や見解を聞いた。
同校は高台に位置し、多くの住民の命を守る避難場所として防災倉庫も建設されている。災害時に役場が使用できない場合は対策本部として活用される。登校坂は児童の登下校はもちろん、近隣住民が避難の際にも利用する。
住民によると、山に詳しい林業従事者が同所を確認したところ「木の重みで地盤が弱っていて危険。落石や山崩れの可能性があるのでは」との指摘があった。登校坂下付近には児童らが世話をする芋畑もある。過去にはその付近で落石などもあったことから、吹付け工事などを行い、落石防護柵を整備した。登校坂の左右にも同様の防護柵が設置されているが、住民が指摘する箇所には現在、落石を防止する網などは設置されていない。
住民は「子どもたちや災害時に避難してくる住民たちの命の危険を少しでも減らしてほしい。台風なども地盤を緩め、崩れる確率を高めるはず。避難する場所が崩れては高台にたどり着けないのでは」と話す。
総務課、建設課によると、すでに危険とされる木々を伐採し、現場の調査を終えている。今夏をめどに本年度予算で落石防止網を設置する予定。防止網は山の結合力を失った岩石を山自体の摩擦力や金網の張力で防ぐもので、高さは約5㍍ある。登校坂から倉庫手前までの延長約12㍍を覆う計画で県の補助事業となる。
両課は「現場を確認しているが大規模な落石の危険はないと判断している。少しでも危険性を取り除くために、子どもたちや町民の安全を考慮して今回の防止網の設置に至った。設置工事は県と調整がつき次第、夏休み期間中に取り掛かりたい」と説明した上で、「未定だが、山の土を取りプール側の低い土地を盛土して高台利用も検討している」と見解を示した。
(2019年6月1日付紙面より)
観光協会本年度通常総会 (古座川町 )
古座川町観光協会(須川陽介会長)が5月30日、同町月野瀬にある南紀月の瀬温泉ぼたん荘いろり館で本年度通常総会を開いた。前年度の積み重ねに加えて新たに事務所の開設やサイクリング事業展開のための環境整備、そして「本気の挑戦」を意識しながら事業関係の諸議案を審議し承認した。
同協会は、設立発起人会による準備を経て昨年9月27日に発足。期間半年の前年度は本稼働に向けた準備期間と位置付けつつ、初動として公式ホームページの立ち上げと初の誘客対策事業「古座川桜フェア」を形にするなどの実績を上げた。他方、次の時代の担い手にかじ取りを委ねるという同協会独特の布陣を受け、30~40代ぞろいの会長、副会長、事務局職員が町内のイベントに事細かに立ち会い把握と交流に努める姿勢も町民に知られるところとなっている。
この日の総会は開会時点で30人が出席し、35人が委任状を提出して成立した。須川会長は隣町のロケット発射場建設や初の誘客対策事業などの効果を話題にし「来ていただいたお客さまに楽しんでいただくだけでなくお金が落ちる仕組みもつくるとともに、今まで受け継いできた自然や文化を残しながら発信する仕組みも今年一年間を通してつくっていきたい」とあいさつ。来賓の西前啓市町長、同町議会の大屋一成議長、東牟婁振興局地域振興部の田堀国浩部長が祝辞を述べ、大屋議長は「本気の挑戦を見せてほしい」と力を込めて若手の挑戦を後押しした。
議事では前年度と本年度の事業関係諸議案を審議し承認。本年度は丸1年の挑戦となる本稼働初年度で、相応に約771万円規模の予算を認めた。事業計画は森武志副会長が説明し、▽設立時の観光ビジョンに基づく展開を目指すことや▽事務所移転は7月中に式典を交えて行う予定だが準備室として役場地域振興課内にある事務局機能を6月3日(月)付で先行移転する▽サイクリング事業は誘客対策事業の一環で展開するが同日現在で詳細は未定で一年をかけて調査研究と資材整備に取り組み環境の確立を目指す―などの内容を決めた。
会員を個人と団体に分けるなど円滑な運営のための規約改正案も承認。議事を終え、深海政也副会長は設立発起人会から数えれば1年余りとなる歩みを振り返り「集まった皆さんが一つになればきっと事は動く」という初心を思い出して取り組むと誓い、地方から新しいことをするつもりで本気の取り組みをしそれが周りに伝搬して皆が本気になる展開を今後に思い描いて締めくくった。
事務所や準備室の設置場所は道の駅虫喰岩内で、3日以降の問い合わせ先は電話0735・70・1275、FAX0735・70・1327となる。
(2019年6月1日付紙面より)
歯と口の健康週間に合わせ (太地町立くじらの博物館 )
太地町立くじらの博物館は5月31日、飼育するクジラの歯磨きを一般公開した。「歯と口の健康週間」(4~10日)にちなんだイベントで、9日(日)まで。
2008年から実施しており、この日は太地町立認定こども園(森尾扶佐子園長)に通うくじら組の13人(5歳)といるか組の17人(4歳)を招いてくじらショーと歯磨きを披露した。
歯磨きに参加したのはオキゴンドウのキース、ハナゴンドウのマロンとニールの3頭。クジラは食性によって歯の数や形が違い、魚を主食にするオキゴンドウは上下のあごに約40本、イカを主食にするハナゴンドウは下あごにのみ約10本の小さな歯がある。クジラは餌を丸飲みして食べるため、臼歯がなく、虫歯になりにくい。
園児6人も歯磨きを体験し、「歯が小さくて丸かった」「ちょっとこわかった」と感想を述べていた。ショーの後、園児たちには歯ブラシがプレゼントされた。
歯磨きはクジラショーの後、1日3回、10分程度実施。問い合わせは同博物館(電話0735・59・2400)まで。
(2019年6月1日付紙面より)
春季近畿地区高校軟式野球大会県予選
久司君が6㍍超えジャンプで1位に
県高校総体サッカー競技
沢田選手がプロローグを制す (第21回ツール・ド・熊野 )