東京大学と協定締結 (新宮市 )
新宮市と東京大学大学院人文社会系研究科・文学部は22日、連携協力に関する協定を締結した。市と同大学はウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」で中継をつなぎ、田岡実千年市長と大西克也研究科長・部長が協定書に調印と署名をした。協定の有効期間は2026年3月31日まで。
市と同大学の交流は2017年から。市は同大学人文社会系研究科の秋山聰教授からの依頼を受け、体験活動プログラムなどで当地方を訪れた学生や院生、留学生を受け入れてきた。18年には秋山教授が事務局となり「2018年度国際熊野学会大会」「第42回地中化学会大会」が市で開催された。
協定は、市と同大学文学部が相互に連携協力することにより次世代人文学の構築、市・熊野地方における学術の振興と地域活性化に資することを目的とするもの。締結式は1月11日、東京大学で実施する予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大による首都圏への緊急事態宣言の発出により延期となっていた。
目的達成のために、それぞれの機関に有する知識や経験、能力を生かし▽熊野研究の振興および「熊野文化」の国内外の発信、国際交流の促進など▽学生・留学生(および教員)の体験活動・研修▽市をはじめとする熊野地方の社会教育による地域活性化▽市をはじめとする熊野地方の文化財研究・保護・活用―などについて連携協力の上取り組んでいく。
市では協定により、次世代人文学の構築を担う研究者が市・熊野地方の歴史文化、自然、文化行政を実際に体験し研究活動の参考とすることで一層の学術的、文化的な振興が期待され、国際的にも研究が紹介・情報発信されることにより、将来的な地域活性化に資することができるものとしている。
締結式には、市からは田岡市長、速水盛康教育長、熊野学研究委員会の中瀬古友夫委員長、国際熊野学会の山本殖生代表委員が、同大学からは大西研究科長・部長や秋山教授らが出席。秋山教授が協定の趣旨や締結に至った経緯を説明し調印の運びとなった。
かつて起請文(きしょうもん)として使われた「熊野牛王(ごおう)符(宝印)」にあやかり、熊野三山の牛王符が印刷された用紙を協定書とした。田岡市長は協定締結に対する感謝を示し「市は豊かな自然と独自の熊野文化を誇りとし、熊野学として地域のために生かす取り組みを続けてきた。東京大学の皆さまとの連携、協力によって学術・文化の振興、教育の活性化のみならず、さまざまな波及効果があるものと期待している」とあいさつ。
山本代表委員は「熊野は時間と空間を超えた宗教文化が息づく聖なる場所。東京大学のご指導をいただきながら、調査・研究を進め、世界に向けて発信できれば」と話していた。
(2021年3月24日付紙面より)
公立小学校で卒業式 (東牟婁郡 )
東牟婁郡の那智勝浦町、串本町、古座川町の公立小学校で23日、卒業式が挙行された。児童計224人が卒業証書を手に、思い出の詰まった校舎を巣立っていった。
那智勝浦町立宇久井小学校では、芝﨑勝善校長が卒業生23人に証書を手渡し、「皆さんがつくり上げてくれた宇久井小学校は今、学年の垣根を越えて声を掛け合える学校になりつつある。あいさつは相手への思いやりの心。人の心を和ませる一番短い言葉。皆さんには、いつまでも笑顔であいさつができる人であってほしい」と式辞を述べた。
在校生を代表して川瀬ららさんが、コロナ禍中に縦割り班掃除や委員会活動などで最高学年としてのあるべき姿を示してくれた卒業生に、「託された宇久井小学校をより良くするため、みんなで力を合わせて頑張る」と決意を述べた。
卒業生を代表して清水漣君が保護者や来賓、教職員に感謝し、「小学校で学んだことを忘れずに成長していきたい」と答辞。式に出席した5年生から花束を受け取り、晴れやかな笑顔で校舎を後にした。
(2021年3月24日付紙面より)
役場や佐田区などの有志 (古座川町 )
古座川町佐田で22日、役場や佐田区などの有志によるちょうちんの飾り付け作業があった。設置期間は4月4日(日)までの2週間で、午後6時~9時には点灯もされる。
七川ダム湖畔はダムの完成以降、重ねてソメイヨシノなどの植樹がありその総数は約3000本とされる。中でも佐田一帯は花見の一大名所で、ちょうちんは訪れる人がより楽しめるようにと佐田区が軸となって飾るようになった。
近年は区内の過疎化や高齢化が進み、不足する人出を役場の若手を中心とした職員有志が公務の段取りをつけて応援する形が定着。イベント「桜まつり」と対の開花時期限定の趣向として続いている。
収束しないコロナ禍により、昨年に引き続き今年も密の状況を招きやすいイベントは中止。随時鑑賞となるちょうちんは諸事情で規模縮小となるが実施することとした。
役場地域振興課によると、今月22日は役場の若手職員と佐田区の区民有志15人が手分けして作業に当たった。設置区間は佐田駐在所~馬蹄(=桜の広場)間で、距離にして約350㍍。今年は今津橋から添野川(そいのがわ)方面への設置を取りやめ、追加したLED電球を足してそれまで飛ばし飛ばしだったちょうちんの明かりを夜半に全てともして往時の雰囲気を取り戻す形としている。
この日の佐田地内のソメイヨシノは株によって差があるがおおむね三、五分咲き。週末から月末までに見頃になりそうだという。
(2021年3月24日付紙面より)
吹奏楽部が2年ぶり定期演奏会 (近大新宮 )
近畿大学附属新宮高校・中学校(池上博基校長)の吹奏楽部(潮﨑敬祐部長)は21日、御浜町中央公民館アメニティホールで第10回定期演奏会を開催した。昨年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止となり、2年ぶりに美しい演奏で観客を魅了した。
吹奏楽部は創部15年を数え、定期演奏会は毎年3月に開催し、高校3年生の「卒部式」を兼ねた一年間の集大成の場。本年度の卒業生7人と部員31人、OB・OG10人、顧問2人を含む50人が出演し、保護者や地域に感謝の気持ちを込めて演奏した。
来場制限、手指消毒、検温といった対策を講じ、第1部はこれまでの吹奏楽部の軌跡をたどり、思い出の曲「ARSENAL」「マードックからの最後の手紙」「イル・デ・パン~瑠璃の海~」を披露した。
第2部は例年、中学生と高校生が演奏で対決する「中高対決」だが、今年は紅白対決を繰り広げた。紅組は「ドラえもん」「星に願いを」など、白組は「RPG」「スーパーマリオブラザーズ」を演奏し、投票の結果、白組が勝った。集計中には有志バンド「K組」のパフォーマンスで観客を楽しませた。
今年ヒットした曲を奏でた第3部で卒業した高校3年生を紹介。終了後には、アンコールが起こり、近大新宮吹奏楽部の定番曲「Sing Sing Sing」を演奏し、幕を閉じた。
(2021年3月24日付紙面より)
新宮市長杯女子サッカー大会
王子サッカー教室が卒団式 (新宮市 )
全国高校空手道選抜大会へ
鵜殿港に1600本水揚げ (紀宝町 )
紀宝町鵜殿の鵜殿港に12日、ブリ約1600本が水揚げされた。今季初の1000本超えで、市場は漁業者や仲買人で活気にあふれた。
例年、3月上旬に1000本ほど、下旬には2000~3000本揚がるというが、今季は遅めのスタートとなった。それでも、平均10㌔のブリを中心に水揚げされ、前日揚がった800本の中には約17㌔の丸々としたブリもあったという。
阿田和大敷漁業生産組合が御浜町阿田和沖に仕掛けた定置網で取れたもので、第一三浜(みはま)丸、第八三濱(みはま)丸が水揚げした。第一三浜丸の鈴木準一船長は「1000本以上揚がってよかった。2月下旬に1000本以上揚がる年もある。今年は少し遅かったが、今の時季にしてはサイズが大きい」と話していた。今季の漁は4月中旬まで続くという。
地元の仲買人は「競り落としたブリは良い形をしている。地元や県内、東京などに届ける」と語った。
(2021年3月13日付紙面より)
たばこ組合紀南支部が清掃活動 (太地町 )
和歌山県たばこ商業組合紀南支部(塩崎伸一支部長)は11日、太地町の町立くじらの博物館周辺で清掃活動を実施した。会員13人が参加し、新型コロナウイルス感染症予防に努めながらごみ拾いに汗を流した。
同組合女性部(大谷敏子部長)を中心に、たばこのポイ捨て禁止や、未成年者の喫煙防止などの呼びかけを目的に活動。1997(平成9)年度から清掃が行われており、今年で24年目を迎え、年間約20回のペースで取り組んでいる。今年は先月25日に古座川町相瀬の国指定天然記念物・一枚岩周辺で1回目の清掃を行った。
会員たちはそろいのチョッキを身に着け、のぼりを掲げながら紙くずや空き缶などのごみを拾っていった。
大谷部長は「年々、ごみの量も減少傾向にあり、うれしく思います。吸い殻も、たばこを吸う人が少なくなったせいか、過去に比べるとほとんど目に付かない。この活動を知ってもらい、今後も改めて皆さんの町をきれいに保つという意識を高めてもらえれば」と話していた。
次回は18日(木)に那智の滝周辺で活動を予定している。
(2021年3月13日付紙面より)
「まんぷくMAP」を発行 (南紀串本観光協会 )
南紀串本観光協会(島野利之会長)が10日、飲食関係の会員店舗を紹介する冊子「まんぷくMAP」を発行した。
A5判カラー12㌻。前身の串本町観光協会が同様の趣旨で作成した「食べ歩きマップ」を強化刷新した冊子で、掲載している店舗数は35軒から55軒に増え、併せて同協会が提供する▽フィッシング釣り具レンタル▽釣って×触れて×学ぶ珍魚釣り体験▽街中チョイのりレンタルサイクル▽初心者でも安心!古座川カヌー体験―の各アクティビティー情報も盛り込んでいる。
携行性を高めるために従来のA4判からA5判にサイズ変更し、通信端末による情報入手が主流化する時代変化にも対応し表紙に冊子のPDFデータが閲覧できるQRコードを印刷。手元に冊子がなくても使い慣れた通信端末に保存して活用するなど利便性向上の工夫も刷新を機に図った。
同町の日本トルコ友好マスコットキャラクター「まぐトル」によるアピール要素も取り入れ親近感を誘う仕上がり。作成数は5000部で、当面は同協会の串本事業所(JR串本駅併設)と古座事業所(JR古座駅舎内)、ホテル&リゾーツ和歌山串本や4月14日(水)に開業するホテル「フェアフィールド・バイ・マリオット・和歌山串本」で取り扱い、必要とする観光客や工事関係で町内滞在する人に配って活用してもらうという。
同協会の宇井晋介事務局長は「昨年から企画を進めていたが、新型コロナの影響でマップの需要が低迷し刷新も延び延びになっていた。関西の緊急事態宣言も解け、観光客の増加が見込めるようになったので発行に踏み切った。会員皆さまのプラスになるようしっかり活用していきたい」と意気込んでいる。
(2021年3月13日付紙面より)
議会中に黙とうささげる (新宮市議会 )
新宮市議会(久保智敬議長、15人)3月定例会期中の11日、議員や市職員ら出席者は議場において約1分間の黙とうをささげ、東日本大震災の犠牲者を追悼した。
一般質問を中断した上、午後2時46分に久保議長の呼び掛けで黙とうを行った。新宮市は震災で甚大な被害を受け多大な犠牲者が出た宮城県名取市と姉妹都市提携を、気仙沼市と交流都市協定を締結している。両市とも震災に伴う津波や火災などで壊滅的な被害を受けた。
先の大震災では、宮城県北部の栗原市で最大震度7が観測されたほか、宮城県、福島県、茨城県、栃木県などで震度6強を観測。災害関連死を含めた死者は1万9000人を超え、現在も2500人以上が行方不明となっている。
(2021年3月13日付紙面より)
【第31回】フィンランドの食育は?
野菜が嫌いという悩みは、子育てをしていると尽きません。なんとか、野菜を食べさせたい! これは多くの方が感じていることではないでしょうか?子どもが野菜を嫌がる理由は、一番はやっぱり味です。特に、ピーマンやセロリなど苦みや香りがきついものは、嫌われる可能性が高いですね。あとは、歯触りや舌触り。トマトやナスなど独特の食感のものは、その食感が嫌いということが多いです。
野菜嫌いの克服法として、よく言われるのは調理の工夫ですよね。細かくカットしたり、カレーやハンバーグに混ぜる。味付けを工夫するなど、お母さんたちは、あの手この手を使って野菜を食べられるように日々試行錯誤していると思います。これは、とっても有効な手段です。
小学生の野菜摂取について調べた論文によるとこんな記述があります。「緑黄色野菜の摂取頻度の低い児童ほど野菜嫌いが多く、その原因は主に味であるが、嫌いな野菜でも各々に応じた調理法を工夫すれば食べられるようになると答えた」(栄養学雑誌「小学生の野菜摂取に関係する食習慣と親の食意識について」、1996年)。確かに調理を工夫することで、食べられるようになるということですね。
でも今、これまでとは全く違うアプローチが、注目されています。フィンランドで実施されている食育法なんですが、その名も「サペーレ」。このサペーレは収穫体験や調理体験ではない、これまでに全くなかった野菜克服のアプローチです。
ポイントは、五感で野菜と触れ合うということ! フィンランドの幼稚園などでは、目隠しをして野菜を触ったり、匂いを嗅いだり。虫眼鏡を使って、野菜の断面を観察したり、手触りを楽しんだり。野菜そのものを、体感するという授業が行われているんです。
食べ物で遊んじゃダメ!と昔はよく言いましたが、サペーレではそれも食育! 野菜をお人形に見立てて遊んだり、おもちゃにしたり。創造力を使って、野菜と触れ合うことが大切とされているわけです。そして実際に、野菜と存分に戯れた子どもたちはその遊んだ後の野菜を嫌がらずに食べるそうです!!
収穫体験や家庭菜園はすぐ実行することはできませんが、これはすぐにでも家でできそうですよね。大切なのは、野菜に対するネガティブなイメージを払拭(ふっしょく)することではないかと思います。「野菜=まずい・苦い」といった、先入観を一度フラットにするために野菜と触れ合うんです。子どもたちは好奇心にあふれ、きっと野菜との触れ合いを楽しんでくれるはずです。せっかく野菜と触れ合うなら、縦にカットしたときと、横にカットしたときの断面の違いやタネがどんなふうになっているかなども見てみてください。
子どもの体験は学習の宝庫! ぜひ親子で楽しみながらフィンランドの食育にトライしてみてください。
(2021年3月13日付紙面より)
中学校で卒業証書授与式 (新宮・東牟婁 )
新宮市、那智勝浦町、太地町、串本町、古座川町の公立中学校で9日、卒業証書授与式が挙行された。義務教育を修了した卒業生たちが思い出の詰まった校舎を巣立ち、それぞれの道へ歩を進めた。なお、北山村は8日に式を実施した。
本年度の卒業生は新宮市207人、那智勝浦町107人、太地町22人、串本町77人、古座川町24人、北山村3人の計440人。
新宮市立緑丘中学校(松本潤校長)は、体育館の全面改修工事に伴い、同市徐福の蓬莱体育館で式を実施した。
松本校長は卒業生81人に一人一人証書を手渡し、「みなさんの周りには、たくさんの応援団がいる。家族をはじめ、地域の方々や先生たちです。母校、緑丘中学校の誇りを胸に、この学びやで育んだ絆を生かして、新たな一歩を踏み出していきましょう」と式辞を述べた。
卒業生を代表して西珀人君が、個性豊かな友に恵まれた3年間を振り返り「僕たちはたくさんの経験をしながら大人に向かっていく。これからも温かく見守っていてください」と答辞。在校生には「自分の好きなことをしながら、緑丘中学校を雰囲気の良い学校にしていってほしい」と語り、自分たちに根気強く向き合ってくれた教職員や学校生活を支えた家族に感謝を伝えた。
最後に、卒業生が手話を交えて「旅立ちの日に」を合唱。教職員と保護者が「想い出がいっぱい」を歌って送り出した。
(2021年3月10日付紙面より)
健康ウオーキングに20人参加 (紀宝町 )
紀宝町大里の「相野谷川・電気の谷往復コース」を歩く健康ウオーキングが7日にあった。20人が参加し、ウオーキングの基礎を学んで緑鮮やかな渓谷沿いを歩いた。
運動習慣のきっかけや仲間づくりを目的とした町山歩き部会と町みらい健康課の合同企画。健康運動指導士の杉浦資史さんを講師に招いた。
大里親水公園駐車場に集合後、杉浦さんがストレッチ法を紹介。ゆっくり全身をほぐし「ストレッチは姿勢づくりに効果的。朝や疲れたときに取り組んでください」と呼び掛けた。
ウオーキングはリズムが大切と伝え、「早く歩く」「ゆっくり歩く」を繰り返すウオーキング法「インターバル速歩」を指導した。
歩き方の基礎を学んだ参加者は、往復5㌔のウオーキングに出発。通称「電気の谷」に架かる吊り橋を渡り、1903(明治36)年に開設された大里発電所横の石段を登って水路上の道へ。リズムや足の運びを意識しながら上流の取水堰を目指した。
折り返し地点には、浸食によってできた円形のくぼみ甌穴(おうけつ)が大小数個あり、参加者は川の歴史を満喫しつつ、帰りは渓谷を眺めながら雄大な自然を楽しんだ。
(2021年3月10日付紙面より)
ゆかし潟で花咲かす (那智勝浦町 )
那智勝浦町二河の国道42号沿いで現在、クマノザクラが満開を迎えている。付近を散歩する町民や車を運転するドライバーたちの目を楽しませている。
桜の場所はゆかし潟近くの「みなとはし歩道橋」すぐ横。ピンク色をした無数の花びらが美しく咲き、地域に春を告げている。
ゆかし潟周辺でもクマノザクラを見ることができるほか、町教育センター(旧三川小学校)近くの河川公園裏の山にもヤマザクラが色づき始めている。今後はソメイヨシノなどの桜の開花も控えている同所では、毎年きれいな桜を目当てに散歩や写真撮影に訪れる町内外の人々も多い。
また、喫茶きよもん前では愛らしいヒドリガモの群れが泳ぐ姿も見ることができる。
(2021年3月10日付紙面より)
13日、新型車両にバトンタッチ (JR西日本 )
13日(土)の春のダイヤ改正に伴い、和歌山県からその姿を消すJRの車両「105系」。13日以降は新型車両227系にバトンタッチされる。かつては通勤・通学の足として、多くの人の生活を支えた。新宮発のラストランは12日(金)午後9時59分。同日をもって県、そして近畿地方から勇退となる。
105系は、日本国有鉄道(国鉄)が1981(昭和56)年から製造した直流通勤型電車。国鉄分割民営化後はJR西日本とJR東日本に継承されたが、JR東日本ではすでに全廃されている。
和歌山県では84(昭和59)年に導入。2009(平成21)年度からJR西日本が実施した、地域に合わせた統一塗装により太平洋をイメージした青緑色の塗装が行われ、海沿いや山間を疾走する鮮やかな姿が多くの人の目に焼き付いている。
和歌山線では19(令和元)年9月30日をもって廃止。現在は紀勢本線(新宮―紀伊田辺間)の他、岡山県と山口県の一部路線で運用されているのみで、紀勢本線での廃止は和歌山県と近畿地方での廃止につながる。
ラストランを目前に、JR新宮駅の小谷典史駅長は「古い電車なので、暑かったり寒かったりと乗客の皆さまにはご不便を掛けたこともあったが趣のある電車だった。新型車両導入後は快適にご利用いただけると思っています」と話している。
13日からは車載型IC改札機が搭載された新型車両が新宮―紀伊田辺間を走行。区間21駅でICOCA(イコカ)、ICOCA定期券が利用できるほか、ICOCA以外の全国相互利用対象ICカード乗車券も使用可。これにより県内全域でICOCAが使えるようになる。
(2021年3月10日付紙面より)
春季近畿高校野球和歌山県予選