消防団が合同放水訓練 (那智勝浦町 )
那智勝浦町消防団(下地将仁団長)の合同放水訓練が27日、那智勝浦町天満の町消防・防災センターであった。町内8分団から44人が参加、他分団との連携による放水の手順を確認したほか、無線による正確な情報伝達も訓練した。
同センターは、4月に運用を開始。同町消防団8分団の合同の訓練は、同センターでは初となる。せっかくの合同訓練であることから、実際に火災発生で連携を取ることもある、1・7分団と2・3分団、4・5分団、6・8分団で合同班を組んで、訓練を実施した。
放水訓練は、消火ホースを250㍍伸ばし、水源から7㍍高い場所で放水を行うというものだった。距離が長く高低差もあるため、ポンプ車から水を送り、中間地点に可搬ポンプを設置して水圧低下を防ぎ、無線で指示を送って目的の場所で放水した。各要所では同町の消防職員が指導した。団員らは、協力して懸命に取り組み、迅速な放水を目指していた。
無線による情報伝達訓練は、四つの火災現場写真のうちの一つを見て、無線で正確に情報を伝えるというものだった。同センター内の3部屋に分かれ、1部屋目の団員が写真を見て「木造平屋の火災で、裏は山、左は空き地、右は建物あり」などと連絡。
2部屋目の団員がこれをメモし、3部屋目へ無線で伝達。3部屋目の団員はこれを聞いてメモを取り、最終的に四つの写真のうちどの火災かを当てた。団員らは正確で簡潔な情報伝達と、メモを取りながらの無線連絡に苦労していた。
下地団長は「今回の訓練で、他の分団としっかりと連携を取れるようになれば。また、技術の向上のため、他の分団ではどういうことをしているかをしっかりと見て、良いところは取り入れて、今後の活動に生かしてもらえれば」と語った。
(2022年11月29日付紙面より)
串本漁港で夜間潜水訓練 (串本町消防本部潜水隊 )
串本町消防本部潜水隊(岩谷大輔隊長、隊員11人)が25日、串本漁港北詰めで夜間潜水訓練に取り組んだ。
この訓練は月に1、2回の頻度で日中に取り組んでいる潜水訓練の成果を夜間に当てはめて実践し、身に付けている技術の発揮や隊員としての士気をいっそう強める目的で年1回実施。今回は内規の定めから1年延長で隊に残り後進の指揮を取り続ける岩谷隊長(41)からの引き継ぎも意識し11人一丸で臨んだ。
訓練項目はスノーケリングによる泳法と垂直潜降、スキューバダイビングによる潜降や浮上と水中での環状検索や横隊検索など。岩谷隊長は陸上から全体指揮を取り、他10人は訓練海域内へ入り日没で夕闇が徐々に深まる中で順次各項目を実践した。
同隊は現状、実働における夜間潜水はしないこととしている。にもかかわらず夜間潜水訓練に取り組む狙いは、暗さや濁りなど視界が極端に制限された水中環境に直面しても互いの位置関係を把握し連携して対応する力を高める点にあるという。岩谷隊長は自分のように年齢制限で抜ける隊員もいれば新たに入る隊員もいることで隊の規模が一定に保たれている点を見据え、この訓練で経験の浅い隊員が深い隊員に少しでも追い付き隊全体として対応力が高まる成果を願いながら適時指導を注いだ。
(2022年11月29日付紙面より)
3年ぶり、タウンガーデンで点灯式 (新宮市 )
新宮市保健センター横の「タウンガーデン」で27日夜、「クリスマスイルミネーション点灯式2022」が開催された。3年ぶりとなった点灯式には市内外から多くの人が訪れ、イルミネーションの華やかな光やステージイベント、飲食・体験ブースなどを楽しんだ。
同点灯式実行委員会(沓澤敦委員長)が主催。同所の花壇を管理する花づくりボランティア「タウンガーデン」(平田裕子代表)会員の高齢化などの理由から、以前より設置作業に協力していた有志らがイルミネーション設置作業を引き継いで今年で6年目。点灯式は15回目で、有志らが引き継いで4回目の開催となった。
点灯式は、サンタクロースに扮(ふん)した大山山学道・立石光正行者らによるほら貝で幕開け。開催に当たり、沓澤委員長は「3年ぶりの点灯式。この3年間は健康について見つめ直すことが多かったと思う。健康は体の健康に目を向けがちだが、心の健康も大事。今夜は元気をいっぱい放出して楽しい思い出を家に持ち帰って」とあいさつ。
会場全員のカウントダウンに合わせて、市立丹鶴幼稚園の植松禅君と下瑚乃羽ちゃんが「魔法のステッキ」を一振り。会場はイルミネーションの華やかな明かりで包まれた。
来賓の田岡実千年市長は実行委員や平田代表ら「タウンガーデン」会員の日頃の協力を伝え「3年ぶりに点灯式が開催でき、多くの市民の皆さんに楽しんでいただけることをうれしく思います」と話した。
同幼稚園児らによるダンスに続き▽F.S.P.A▽HAL CREW▽シャンシャン▽FAL(県立新翔高校バンド)▽あっちゃん’sバンド▽theのの&あづ▽ピアニッシモ&コスモス▽AniAni Hula Studio―らが歌やダンスなどで会場を盛り上げた。
新翔高校の生徒が考案した「マグロカツサンド」をはじめとする飲食の販売やクリスマス縁日などのブースも並び、多くの人が列を作っていた。
会場内にはツリーも設置され、来場者らはそれぞれに願い事を書き込んだ用紙をツリーに飾り付けた。用紙は翌日に護摩だきを行った。
式の最後には豪華景品が当たる菓子まきもあり、会場は終始多くの人の笑顔であふれていた。イルミネーションは来年1月7日(土)までを予定している。
(2022年11月29日付紙面より)
初の「地域医療シンポジウム」 (紀宝町 )
紀宝町地域医療シンポジウム2022―共に学ぶ、優しい街の未来へ―が26日、紀宝町鵜殿の町生涯学習センターまなびの郷で開催された。医療や行政関係者、住民ら約120人が訪れ、がん患者や家族との関わりを考えた。
地域医療と地域包括システムを充実させようと町は10月、町立相野谷診療所に紀宝町地域医療研修センター「KITCHEN(キッチン)」(センター長=森本真之助・相野谷診療所長)を開設。住民への学びや健康普及活動を基本方針の一つに掲げており、一般向けに初めてシンポジウムを開催した。
一般社団法人がんサポートナース代表の片岡幸子さんによる特別講演「小学生から知ってほしい、がんと命の物語」と、医師看護師による質問&トークセッション「聞いてみよう、がんのこと」を企画した。
講演では看護師になった理由や、緩和ケア病棟で働いた日々、思い出深い患者家族とのエピソード、2019年に同法人を立ち上げた経緯を振り返った上で、患者や家族が大切にしていることを自らも大切にしながらケアしていると紹介。「がん患者の最後の苦痛は孤独といわれるが、生きている間に(家族や周りの人に)やれることがたくさんある」とし、患者と話したり、スキンシップをとったり、主治医と良い関係を築いたりすることが大切と伝えた。
「100%死ぬ」ために「あなたが大切にしているものを家族は知っていますか」と問いかけ、「自分が大切にしていることを誰かに伝えておいて。そして、困ったときに相談できる人をつくっておいてほしい」と呼びかけた。
あいさつした森本センター長は、同センター開設の経緯や、今後、年に1~2回程度シンポジウムを開きたいことを伝え「人を育てるという機能を持たせた地域医療研修センター。この場に皆さんが集まってくれたことに感謝し、実りある時間にしたい」と話した。
トークセッションでは森本センター長とくまのなる在宅診療所(井田)医師の濱口政也・副センター長、片岡さん、同法人の緩和ケア認定看護師・佐藤絹代さんが登壇し、来場者の質問に答えたほか、看護師・医師と患者との関わり、医療現場について語り合った。オープニングでは同町の和太鼓グループ「熊野水軍太鼓」が演奏した。
(2022年11月29日付紙面より)
県レスリング新人大会で活躍 (新宮高校 )
県軟連東牟婁支部学童部新人大会
新宮の速玉祭・早船競漕 (熊野速玉大社 )
熊野速玉大社(上野顯宮司)で25日、例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」の御船祭(みふねまつり)・早船競漕(きょうそう)で入賞した出船区への表彰式が行われた。上り優勝を飾った王子区ほか、上り・下りの3位入賞区に賞状などが贈られた。
3年ぶりの実施となった今年の早船競漕。コロナ禍で練習機会が少ない中、9隻の早船が勢いよくスタートし、上札場(かみふだば)を目指す約1・6㌔のコースで競い合った。上りでは、王子区が15分50秒のタイムで競漕を制した。
上り①王子②阿須賀③丹鶴、下り①堤防②阿須賀③春日―が表彰を受けた。神職によるおはらいに続いて、王子区を代表して参列した山﨑聡光さんが玉串を奉てん。下地昌宏審判長から、上り表彰では各地区に賞状、盾、賞金が、下り表彰では1位に賞状と盾、2、3位に賞状が贈られた。
各出船区への賞状、盾、賞金は、株式会社R.LinkCorporationの椋野玲史代表取締役会長から、御船祭を後世に伝え、繁栄させてほしいとの願いを込めて贈られた助成金によるもの。同社は例大祭斎行に当たり、御船祭の舞台となる上札場~下札場(しもふだば)、渡御ルート、御旅所周辺の整地にも協力した。
賞状を受け取った山﨑さんは「純粋にうれしく思う。コロナ禍だが、やるからには勝ちたいという気持ちがあった。ベテラン勢が多く、連携が取れていたと思う。来年も優勝を目指したい」。
下地審判長は競漕参加者をねぎらい「昨年から早船の修理などに協力いただいた」と関係者らに感謝。「来年もよろしくお願いします」と呼びかけていた。
例大祭の様子はドキュメンタリー映像として特設サイト「まつりと 日本のまつり探検プロジェクト」にて配信予定。QRコードを読み取るかhttps://matsurito.jp/jump/jump1にアクセスを。
(2022年11月27日付紙面より)
中学校統合場所など協議 (新宮市 )
新宮市役所別館で25日夜、「緑丘中学校・城南中学校統合検討委員会」(板谷貴史・城南中育友会長)の第2回会議が開かれた。市から委嘱を受けた学校・教育関係者ら13人の委員が出席。保護者アンケートなどを基に意見交換を行った。
2007年、学校や幼稚園などの適正規模と配置などについて審議するために設置された市教育環境整備計画審議会は、多感な中学生の教育の充実や指導が難しくなることから、両校の2校を残すことを答申した。
そんな中、08年に市総合計画において、10年後には両校とも適正規模から外れることが予想されるとして、統合をしていく方針が出された。方針を受け、中学校統合について再度検討が行われたが、当時は統合により適正規模を大きく上回ることが予想されることから統合は見送りに。適正規模から外れる10年後をめどに再度検討することとなっていた。
現在の両校の生徒数は、緑丘中学校228人、城南中学校152人の計380人。千穂・丹鶴小学校、蓬莱・王子小学校が統合された小学校再編が完了した2013年度当時の489人と比較して109人(22・3%)減少している。学級数も緑丘中は8、城南中は6となっており、両校とも法律上の基準「12~18学級」、和歌山県基準の「9~18学級」の適正学級数を下回っている。
開催に当たり、速水盛康教育長が関係者らの協力に感謝を伝え「皆さまの意見や質問を伺いながら今後のスケジュール案作成につなげていければ」とあいさつした。
9月7日に開催された第1回委員会での委員らの提言を受け、市では9~10月にかけて緑丘・城南中学校、神倉・王子ヶ浜小学校の保護者らに対しアンケートを実施。配布対象世帯数778世帯中、86・88%に当たる676世帯から回収した。
質問内容は、望ましいと思う学級数や統合により期待される面・心配される面、新しい学校づくりに向けて必要な取り組みなど。統合する場合、統合後の中学校に適している場所に関しては現緑丘中は321世帯、現城南中が57世帯、「どちらでもよい」が19世帯などとなった。
統合に反対する意見としては▽問題を抱えている子どもが増えているのに統合する必要はない▽生徒同士で何かあったときに先生の目が届きにくくなるのでは―などがあった。
当局からアンケートに対する説明を受け、委員らは「保護者が何も分からない状況でアンケートを取っている。市の方針を説明していないから反対意見も出てくるのでは」「反対の人の不安を払拭していく必要があるのでは」「ある程度のたたき台を」などと意見。
速水教育長は「アンケートでは統合に対して『やや期待できる』といった意見が多く、望ましい学級数については3学級とする声が多かった。適正規模化を進めていくべきと裏付けられたのでは」。
統合後の場所を現緑丘中とする案で年度内にスケジュール案を作成していくとし「皆さんの不安を軽減できるように努めたい」などと理解を求めた。
(2022年11月27日付紙面より)
工事方法や内部の様子 (橋を架ける会 )
熊野川河口に橋を架ける会(会長=田岡実千年新宮市長)は25日、国土交通省と工事業者の協力の下、「新宮紀宝道路の現場見学会」として、熊野川河口大橋を見学した。会員や新宮市と紀宝町の職員など、約60人が参加。概要説明を受けた後、橋の上部や内部を見学した。
一般国道42号新宮紀宝道路は、紀宝町神内から新宮市あけぼのに至る、延長2・4㌔、幅員12㍍の自動車専用道路。熊野川河口大橋はその一部で、熊野川をまたぐ橋長821㍍の橋となる。熊野川河口大橋は新宮市側と三重県側の両方から工事が行われており、すでに橋脚は全て設置され、道路となる上部が両側から延びてきている。
見学に先立ち、国交省紀南河川国道事務所の渡邉泰伴所長があいさつ。「(熊野川河口大橋は)もう少しで橋桁がつながるところ。今日は橋の工法や、橋桁の中を見てもらえる。令和6年秋の完成に向けて頑張りたい」と語った。
田岡会長もあいさつ。「熊野川河口に橋を架ける会は、平成16年に組織。民間の方もおり、熱心に年何回か要望活動をしていただいたおかげで、このように夢の架け橋ができつつある。民間の方々の尽力のおかげで実現したと思う。これまで活動、ありがとうございます。見学会が有意義になることを祈る」と話した。
国交省の職員が改めて、工事の概要を説明。橋の上部はとりあえず来年の1月か2月にはつながること、その後も工事は続き、完成は2024年秋を目指していることなどが伝えられた。
この後、見学に出発。橋の上部を歩いて感触を確かめた。国交省や工事業者より「(新宮市の)最大津波高想定は14㍍だが、この橋の上は20㍍以上」などが紹介された。橋の内部にも入り、内部を貫通して引っ張るケーブルでコンクリートの重さを支えていることも解説を受けた。
新宮市蓬莱から訪れた、民間会員の70代男性は「素晴らしいし、すごい。橋の幅広さにびっくりしたし、中のケーブルも初めて見た。橋を造るのは大変と感じた。完成を期待したい」と話した。
(2022年11月27日付紙面より)
千穂第一地区福祉委員会 (新宮市 )
新宮市の千穂第一地区福祉委員会(玉置裕委員長)は25日、区内に暮らす65歳以上の住民を対象に、同市の神倉老人憩いの家で災害備蓄食品など100袋を配布した。
同委員会は住民同士の交流を目的に、サロンやホウ酸団子作り、神倉小学校への雑巾寄贈などの活動に取り組んでいる。例年は「ふれあいいきいき交流会」で住民が集う場を設けているが、新型コロナウイルスの再拡大を受け、物品の配布に切り替えた。
福祉委員たちは検温や手指消毒などの感染症対策を取りつつ、訪れた住人たちに乾パンやインスタント雑炊、水、カイロ、防災ブック、サロンの案内などを入れた袋を手渡していった。
会場では「お久しぶり」「元気やった?」と近況報告をする姿も見られ、平田利子さん(88)は「回覧を見て、近所の方3人と一緒に来た。普段から備蓄はしているが、それに加えようと思う」と語った。
玉置委員長は「今年こそ交流会を開きたいと思っており、残念ではあるが、少しでも生活や防災に役立ててほしい」と話していた。
(2022年11月27日付紙面より)
新嘗祭とサッカー必勝祈願祭 (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で23日、「新嘗祭(にいなめさい)」と、同日夜に2022サッカーワールドカップカタール大会で初戦を迎える日本代表チームの必勝祈願祭を営んだ。自然の恵みに感謝するとともに、日本代表選手らの健闘を願った。
新嘗祭は古くから伝わる宮中儀式の一つで、天皇陛下がその年に取れた五穀を神々に供え、自身も食して収穫を感謝する祭り。神前に穀物などがささげられ、上野宮司が祝詞を奏上。巫女(みこ)たちが「浦安の舞」を奉納した。
必勝祈願祭には、地元のサッカー愛好家や新宮サッカースポーツ少年団の子どもたちも参列した。
なお、先月27日には、(公財)日本サッカー協会の田嶋幸三会長、反町康治技術委員長、宮本恒靖理事らが同大社を訪れ、チームの健闘を祈願。同協会では、日本サッカー協会のシンボルマークである「ヤタガラス(八咫烏)」と日本近代サッカーの始祖といわれる那智勝浦町名誉町民の中村覚之助の古里である熊野において、2002年ワールドカップ日韓大会から熊野三山一寺で必勝を祈願している。
神事に参列した子どもたちは「今日の相手(ドイツ)はかなり強いけど全力で頑張ってほしい。ヤタガラスが見守ってくれると思います」と笑顔。
上野宮司は「新嘗祭では全国からお供えいただいた新穀をお供えさせていただき、天恵に感謝しました」。
ワールドカップに関して「スポーツを通して世界が一つになり感動を分け合うのは素晴らしいこと。世界平和を願う祭典に参加できる日本を誇らしく思う。ヤタガラスの力を頂き、けがのないように頑張って感動する試合を見せてほしい」と思いを語った。
なお、同日に行われたドイツ戦において、日本代表はドイツ代表に2―1で勝利。27日(日)にコスタリカ、12月1日(木)にスペインと対戦する。
(2022年11月25日付紙面より)
熊野那智大社で新嘗祭・献穀講祭
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)は23日、「新嘗祭(にいなめさい)・献穀講祭(けんこくこうさい)」を営んだ。
新嘗祭は古くから伝わる宮中儀式の一つで、天皇陛下がその年にとれた五穀を神々に供え、自身も食して収穫を感謝する祭り。
同大社でも神前に新しい穀物などをささげ、農作物の恵みに感謝した。責任役員や町内の農家からなる献穀講員ら18人が参列し、五穀豊穣(ほうじょう)を祈った。
祭りでは男成宮司が祝詞を奏上し、正装した2人の巫女(みこ)が「浦安の舞」を奉納した。献穀講代表の大江清一さんらが玉串をささげた。
大江さんは「近年は異常気象が続いており、農家にとっては不安がある。本日は来年の豊作を祈願するとともに、皆さまが安心して暮らせるように、新型コロナウイルス終息も祈りました」と話していた。
(2022年11月25日付紙面より)
熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)は21日、新宮市徐福のJR新宮駅(坂本純一駅長)を訪れ、九鬼宮司が来年のえと「癸卯(みずのとう)」を描いた絵馬を寄贈した。坂本駅長は「毎年頂き、ありがたい」と感謝を述べた。
新宮駅は毎年、熊野三山の各大社から絵馬の寄贈を受け、ホームに飾っている。来年の「癸卯」の絵馬を届けたのは熊野本宮大社が一番早かった。新宮駅に届けた絵馬は五角形となっており、大きさは周囲の木枠を除いた画面の最大部で横が103㌢、縦が80㌢となっている。
熊野本宮大社は新宮駅のほか、いずれもJRで紀伊田辺駅、白浜駅、周参見駅などにも絵馬を寄贈している。各駅のある市町のイメージで背景の色を変えており、新宮駅は「海・山・川」などの自然をイメージした緑だった。月を仰いで祈るウサギが描かれ、「祈」「安全」「平和」「コロナ終息」などの文字も揮毫されている。
九鬼宮司は「串本町でロケットの打ち上げが予定されていることから、月は宇宙と熊野がつながるイメージで描いた。新宮駅に来られる方の安全、新型コロナの終息、世界の平和などをウサギが祈っているイメージ。来られる方を笑顔でお迎えし、熊野の良さを発信していただければ。絵馬が熊野三山をイメージされるきっかけになり、それぞれに足を運んでいただければ幸い」と語った。
坂本駅長は「このような素晴らしい絵馬を頂き、ありがたい。新宮駅を訪れる人に見ていただき、当地方を回っていただいて、これまでコロナ禍で辛抱してきたところもあると思うので、今後は皆さんが飛躍していただけるような年になればと思う。絵馬を見て、熊野三山や熊野古道に足を運んでいただければ」と述べた。
(2022年11月25日付紙面より)
多くの来場者が花火楽しむ (那智勝浦町 )
那智勝浦町は22日夜、同町の勝浦湾・渡の島で「海の章」と題し、関西初となる新色「エメラルドグリーン」の花火を打ち上げ、同町の秋の夜空に大輪を咲かせた。合計2000発が打ち上げられ、多くの見物人から拍手や歓声が上がった。
3年連続で中止となった那智勝浦町花火大会に代わるイベントとして町独自で計画。花火大会の実施を望む町民の声を受け、コロナ禍で疲弊する町を元気づけるとともに、町の活性化につなげることが目的だという。
イベントでは15分間の花火を2度に分けて披露するもので、初回の13日には「山の章」と題し、紅葉と那智の滝しぶきの競演を表現した花火が打ち上げられた。
2回目は20日に実施予定だったが、天候不良でこの日に延期となった。町職員らは見物場所付近に待機し、来場者の安全確認や交通誘導に努めていた。
午後8時、美しい光の大輪が夜空と勝浦湾の水面(みなも)を彩った。その光景を見物したり、写真や動画に収めようとする来場者の姿が多く見られた。終了の際は大きな拍手が送られた。
この日、家族と共に見物に訪れていた同町湯川に住む清水弘治さんは「間近で見ることができ、迫力があった。とてもきれいだった。温泉街で花火が3年間ないのは寂しい。少しずつでも、コロナ禍以前の日常に戻ってくれればうれしい」と話していた。
(2022年11月25日付紙面より)
第10回ジュニア料理選手権 (太地中学校 )
太地町立太地中学校の川端咲月さん(3年)が考案した「超梅ぇ~‼梅タルタルソースのマグロカツのバーガー」が、第10回ジュニア料理選手権のオリジナルレシピ部門中学生の部で、全国1万6721件の応募の中から特別審査員賞に輝いた。
「がんばる人のチカラになるごはん」をテーマとするコンテストで、株式会社オレンジページと味の素株式会社が主催。健康やフードロス削減など、料理を作る際の工夫や思いも審査対象になる。
「テーマを見た時、いつも仕事を頑張る母の顔が浮かんだ」という川端さん。考案したバーガーは、ニンジンとカボチャを練り込んだ優しい甘さのバンズに、厚切りのマグロカツと特製の梅タルタルソース、アボカドやトマトなどの野菜を挟んだもの。タンパク質やミネラルが豊富な地元の食材を使い、栄養・ボリューム満点ながらさっぱりと食べられるよう工夫した。
一番こだわったのは梅タルタルソースで、紀州南高梅を使用し、大葉や風味調味料を加えることで、どんな揚げ物にも合う逸品に仕上げたという。
オンラインで開催された「最終審査会&表彰式」では、料理研究家の藤野嘉子さんが「誰の心も胃袋もわしづかみするバーガー。一つずつの食材が完成されているからこそ、すごくおいしいものになる。道の駅などで商品化したら絶対売れる」と絶賛した。
川端さんは受賞を受け「初めての『私の味』を作ることができてとてもうれしかった。母からは『好きな食材がたくさん入っていて、食べたら力が出る』と言ってもらえた。これからも料理を通じて自分の可能性を広げたい」と話していた。
川端さんの料理は、来年1月2日号の「オレンジページ」誌面とウェブサイト「オレンジページnet」で掲載される予定だ。
(2022年11月12日付紙面より)
包括連携協定結ぶ串本町へ (明治安田生命 )
明治安田生命保険相互会社和歌山支社(松尾洋支社長)が10日、串本町へ「私の地元応援募金」を寄付した。
この募金は、同社が地域貢献事業「地元の元気プロジェクト」の一環で社内実施。全国の支社や営業所などが提案する自治体や団体を対象にし社員が居住や出身などゆかりがある地域を指定し募金する流れで集めていて、寄付するに当たっては社員の思いに応えて会社も拠出を上乗せしている。
同社和歌山支社と同町は昨年8月に包括連携協定を締結。以降、同社の地域貢献事業「みんなの健活プロジェクト」の一環で健康診断など同町の健康増進関係行事に野菜摂取量や血管年齢の測定機会を届けて支援をしている。喫緊では3日に道の駅くしもと橋杭岩で町産業課と協働し健康増進イベントも実施。町内外から176人(うち町民90人)の利用を集めたところでもある。
寄付に当たって同支社市場開発担当の西棟真由美課長と新宮営業所の小堂和彦所長が田嶋勝正町長に面会。小堂所長から寄付目録、田嶋町長は同支社宛ての感謝状を贈り合い、それぞれに寄付の成立を喜んだ。
小堂所長によると、この寄付に使途の指定はなく同町に活用を一任するそう。続く懇談で小堂所長は喫緊の健康増進イベントや締結以降の連携状況を振り返って報告し、西棟課長は来年2月18日(土)に和歌山城下で開く方向で調整しているウオーキングイベント会場への出店参加を提案。田嶋町長はロケット「カイロス」初号機打ち上げ予定に近いタイミングとなる点で意欲を示し、ボトルドウオーター「串本の水」など関係商材を携えてぜひ参加したいと申し出るなどした。
(2022年11月12日付紙面より)
増田さんに署長感謝状 (紀宝警察署 )
特殊詐欺被害を未然に防止したとして、紀宝警察署の福田利章署長は10日、ローソン紀宝町飯盛店の店員、増田彩乃さん(30)に署長感謝状を贈った。
増田さんは7日午後2時ごろ、来店した70代男性が3万円分の電子マネーカードを購入しようとした際、高額であることや不慣れな様子に気付き「お孫さんにですか?」などと声をかけた。男性が「パソコン修理のため」と言ったため、詐欺を疑い「警察に相談した方がいいですよ」と伝え、紀宝署に連絡した。
男性のパソコン画面に同日昼ごろ「ウイルスに感染した。サポートセンターに電話を」と表示されたため、指定の番号に電話をかけたところ、外国人風の男から「3万円で3年間保障する。グーグルプレイカードで支払いを」と指示があった。その後、同店を訪れ、電子マネーを購入しようとした。
贈呈式は署長室で行われ、感謝状を手渡した福田署長は「ぎりぎりのところで止めていただきありがたい」と感謝した。増田さんは「3万円で高額だったため、目的を聞いたところおかしいと思った。詐欺に遭う前に止めることができてよかった」と話していた。
同店では2例目の感謝状で、河本尚志店長は「高額の電子マネーを購入される高齢者の方には声かけするなどして気を付けている」と語った。
同署管内では今年に入り、今回同様、電子マネーを悪用した特殊詐欺が2件発生しており「コンビニで電子マネーを買って、カード番号で支払って」という詐欺に注意するよう呼びかけている。
(2022年11月12日付紙面より)
活動評価され感謝状 (新翔高校 )
新宮市佐野の和歌山県立新翔高校(藤田勝範校長)は、和歌山県警察と県交通安全協会による交通安全優良学校に選ばれ、9日に感謝状の贈呈を受けた。生徒が新宮署から委嘱を受けて行う「自転車マナーアップ推進リーダー」の活動が評価された。藤田校長は「これを励みに今後も取り組みたい」と話した。
新翔高校では2015年度より、同活動を実施。委嘱を受けたリーダーが他の生徒に、自転車の交通ルールを守るよう呼びかけるほか、警察や地域団体と共に、交通安全の街頭啓発を行ったりしている。これらの活動が評価され、初めて優良学校に選ばれた。学校で選ばれたのは新翔高校と、岩出市の根来小学校の2校のみだった。表彰式は和歌山市で行われた。
藤田校長は「高校生が頑張ってくれるので頼もしい。活動を通して、地域の方々も生徒ら自身も交通安全の意識を高め、結果として自分の命もみんなの命も大事にすることにつながっていると思う。活動で周囲を引っ張ってくれるのが、うれしく頼もしい」と語った。
なお、今回の感謝状の贈呈は、県警本部と県交通安全協会の「交通安全功労者・優良運転者等表彰」の一つとして行われた。両者は、交通安全に功労のあった個人・団体を毎年、表彰している。
(2022年11月12日付紙面より)
那智勝浦町総体グラウンドゴルフ大会 ( )
JUNTOSが関西大会へ (県クラブユースサッカー選手権秋季大会 )
幼年消防クラブがパレード (那智勝浦町 )
秋の全国火災予防運動(9~15日)に伴って9日、毎年恒例の防火パレードが那智勝浦町であった。町立勝浦こども園(築紫依美香園長)の幼年消防クラブの鼓笛隊や町消防本部、消防団員ら約50人が町役場~那智勝浦観光機構バスターミナルを歩き、火災予防を呼びかけた。
パレードは火災予防と防火意識の高揚が目的。役場玄関前の出発式では、公務で不在の堀順一郎町長に代わり、瀧本雄之副町長が「皆さんの元気いっぱいパレードで、町の人たちに火の用心の大切さを教えてあげてください」とあいさつ。
園児は「僕たち私たちは、火遊びはしません」と誓いの言葉を述べ「よまわりおじさん」を演奏。代表園児が瀧本副町長や湯川辰也消防長、下地将仁団長らから「ミニまとい」を受け取り、パレードがスタート。
鼓笛隊の演奏や拍子木の音が響くと、地域住民や観光客らも足を止め、園児たちの姿を見守っていた。保護者たちもカメラやスマートフォンを手に、共に町を歩いた。
バスターミナルでの解散式では、鼓笛隊が隊列変化に取り組みながら「群青」を披露。築紫園長は「皆さんの前での演奏は、子どもたちにとって大きな自信につながったはず。今後も、火災予防の大切さを地域に伝えていきたい」と述べた。
湯川消防長は「寝たばこをしない」「ストーブの周りに燃えやすい物を置かない」「こんろを使うときはそばを離れない」などを呼びかけ、「園児の皆さんの演奏で町の人にも火の用心の大切さが伝わった。今後も火災のないまちづくりにご協力お願いします」と締めくくった。
最後は町消防本部から、園児たちにすごろくやお菓子がプレゼントされた。
なお、今年町内で発生した火災件数は5件で、建物火災が2件、車両火災が1件、その他火災が2件だった。
(2022年11月10日付紙面より)
商工祭「南の国の雪まつり」 (那智勝浦町 )
第26回商工祭「南の国の雪まつり」(来年2月19日予定)に向けた第1回実行委員会が7日、那智勝浦町の体育文化会館であった。新型コロナウイルス感染症の影響で2年間中止となっていた。来年の開催について、出席した各団体のメンバーらが意見を出し合った。
雪まつりは町の商業の活性化や地域振興、ふるさとの再発見、子どもたちの思い出づくりなどを目的に実施。人気の催しで、例年多くの来場者でにぎわってきた。
実行委員長の森川起安南紀くろしお商工会長は「コロナ禍の中、安全安心を有して開催しなくてはならない。会場は役場前で、入り口出口の規制はできない。最も重要なのは、雪を楽しむ子どもたち中心の祭りでなくてはならない」とあいさつした。
事務局から催しの目的や趣旨などの説明があり、出席者全員が自己紹介と開催についての思いなどを述べた。
出席者からは「開催する前提で話を進めたほうがいい。周囲の感染が増加した際は中止すればいい」「前向きに検討してもらい、活性化につなげてほしい」「先進地の感染症対策などを参考にしながら、開催しては」「コロナの第8波の影響が分からないため、第2回の際の状況で判断するほうがいい」「福祉施設としては基礎疾患を持つ利用者さまも多いため、リスクはあると思う」「現状では判断しづらい。直近に改めて検討すれば良いのでは」などの意見が上がった。
那智勝浦観光機構(NACKT)の清水貞吾理事長は「当町は観光の町。明るくにぎわってほしいため、前向きに考えるほうがいい。第7波、8波の動向を注視し、感染対策や開催場所の検討を行ってはどうか」。
堀順一郎町長は開催場所について、敷地が広く、近隣に多数駐車場があるブルービーチ那智駐車場周辺(熊野体験博跡地)を提案。開催については「雪まつりは歴史ある祭り。第8波で中止の場合もあるが、マスク着用し、屋外でのイベント。前向きに進めていっても良いのでは」と見解を示した。
それぞれの意見を受け、森川会長は「開催するほうが良いという意見が多かった。条件さえ整えば開催したい。場所についても、検討を進めていく。開催するとなれば3年ぶりの商工祭となる。これまで以上のご協力を皆さまにお願いします」と締めくくった。
開催の有無を決定する第2回実行委員会は11月末~12月初旬に実施する予定。
(2022年11月10日付紙面より)
太地小6年生が福祉学習
太地町立太地小学校(海野文宏校長)の6年生5人が8日、地域の高齢者5人と共に福祉体験学習に取り組んだ。児童が高齢者体験の装具を身に着けて平見の高台まで避難路を上り、安全に避難するために必要なことを考えた。
同校は町社会福祉協議会によって「福祉教育推進校」に指定にされており、学年ごとに高齢者や障害のある人々の生活について学んでいる。この日は児童・生徒の福祉教育に関係する各機関で立ち上げた「太地町福祉教育推進委員会」が主催し、民生児童委員、町熟年会(老人クラブ連合会)、町消防団の筋師光博団長、町役場総務課の防災担当・山下真一さんらが協力した。
最初に山下さんが避難路について講話。「津波などの災害から命をつなぐ逃げ道。周囲の状況に合わせ、舗装路や階段、建設足場を用いたものなど、町内に約50カ所ある」と語った。
児童は、膝関節を固めるサポーターや緑内障の視界を再現するゴーグル、イヤーマフなどを身に着け、周囲の手助けを得ながら避難路へ出発。「段差があるから気を付けて」と声をかけ合う様子が見られ、「ゴーグルで足元が見えづらい」「雨が降っていたら滑りそう」「電灯はあるけれど、夜はやっぱり危ない」など意見も聞かれた。
学校では、実際に避難路を歩いて気付いたことや、歩きやすくするための工夫についても話し合っていた。
(2022年11月10日付紙面より)
秋の火災予防運動初日に (新宮市 )
「秋の全国火災予防運動」初日の9日、各地の消防は防火広報を実施した。新宮市消防本部(垣内一男消防長)では新宮、三輪崎、高田、熊野川の4地区に分かれて住民らに防火意識の高揚を呼びかけた。今年の全国統一防火標語は「お出かけは マスク戸締り 火の用心」。
運動は、火災が発生しやすい時季を迎えるに当たり、火災予防思想の一層の普及を図り火災の発生を防止し、高齢者を中心とする死者の発生を減少させるとともに、財産の損失を防ぐことを目的に実施している。
市消防本部で行われた新宮地区消防団の出発式には丹鶴、千穂、蓬莱、警備の4分団から13人が参加した。中谷健兒団長は「今日から火災予防運動週間が始まる。市民の防火意識向上のため、十分な巡回をお願いします」と呼びかけ。車両に乗り込んだ団員らは「火災が発生しやすくなっています」などとアナウンスしながら、市内各所を巡回した。
13日(日)には新宮地区と熊野川地区で総合訓練を実施する予定としている。
期間中の全国重点目標は▽住宅防火対策の推進▽乾燥時および強風時の火災発生防止対策の推進▽木造飲食店等が密集する地域に対する防火指導の推進▽放火火災防止対策の推進▽特定防火対象物等における防火安全対策の徹底▽製品火災の発生防止に向けた取り組みの推進▽多数の者が集合する催しに対する火災予防指導などの徹底―の7点。
今年、市消防本部管内では、住宅火災4件、車両火災が3件、その他火災が4件の計11件の火災が発生している(9日現在)。
(2022年11月10日付紙面より)
新宮市民スポ祭硬式テニス
スポーツ祭典バレー競技
新宮警察署防犯学童軟式野球大会
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で1日、来年のえと「癸卯(みずのとう)」の大絵馬と小絵馬が完成した。神門大絵馬は12月1日(木)に、大しめ縄と共に大社神門に掲げられる。
神門大絵馬は、横232㌢、縦117㌢。熊野地方の自然をイメージした深い青と金色の月を背に前進するウサギを描いた。体には、同大社の縁起物「挑花(ちょうばな)」と田辺市の花である梅の枝が描かれており、その目は真っすぐ前を見据えている。
各地で起こっている紛争や、いまだ収束を見せない新型コロナウイルス感染症の状況などを憂いつつ「来年こそは光り輝く未来へ」と願いを込め「前進」の文字を揮毫(きごう)した。
白浜空港の大絵馬は、赤と黄色、緑の円をウサギの体に見立て、平和と自然保護の大切さや、日本を中心に世界の人々が大きな広い心でつながるよう願いを込めた。
新宮、白浜、紀伊田辺のJR各駅に掲げる小絵馬には、それぞれの地域をイメージする色を背景に月を見るウサギを、周参見駅と白浜町の南方熊楠記念館の小絵馬には、月をバックに駆け出すウサギを描いた。世界平和やコロナ収束、そして旅の安全などを願い、21日(月)に新宮駅と周参見駅、22日(火)に白浜駅と紀伊田辺駅に授与する。
九鬼宮司は「新型コロナウイルスの影響で多くの人が動きづらい状況の中、卯年は『芽が動き始める』ともいわれている。熊野にお参りいただき、一歩でも前に動く気持ちを持つ一つのきっかけになれば。世界の平和を願いつつ、人々がにぎやかで笑いの絶えない1年であってほしい」と絵馬に込めた思いを語った。
(2022年11月2日付紙面より)
市野々小でオンライン学習 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立市野々小学校(中西健校長)で10月27日、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)によるオンライン講座があった。5、6年生12人が、海底調査を通じて地震のメカニズムを解明する取り組みや、海溝型地震の仕組みについて学んだ。
JAMSTECは「海洋」と「地球」を対象に、地震や火山活動、気候変動、生命の進化、資源に関する最先端の科学研究を行い、得られた知見や技術を社会に還元することを目的とする研究機関。同小の地震・津波に関する防災学習の一環として、子ども向けのレクチャープログラムに参加した。
児童は、JAMSTECが地震のメカニズム解明や予測のため▽探る(発生した地震の調査)▽モニタリング(海底下の継続的な観測・記録)▽再現・予測(データに基づくシミュレーション)―などの研究アプローチを行っていることを学習。2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震によって沖合の海底にできた長さ80㍍の亀裂の映像などを視聴した。
新宮港にも寄港したことのある地球深部探査船「ちきゅう」によって海底から採掘された「地震の鍵になる岩石」から「スメクタイト」と呼ばれる滑りやすい粘土層が見つかったという最新の研究成果には、驚きの声が上がった。
溝口悠真君(5年)は「すごく楽しみにしていた。『しんかい6500』のことは知っていたけれど、それ以外にもたくさんの種類の船があると知って面白かった」と話していた。
(2022年11月2日付紙面より)
第46回紀南吹奏楽のつどい (紀南地区吹奏楽連盟 )
第46回紀南吹奏楽のつどいが10月29日に串本町文化センターであり、新宮・東牟婁地方で活動する中学、高校、社会人の吹奏楽部や吹奏楽団がそれぞれの持ち味を生かして順次演奏を響かせた。
このつどいは、紀南地区吹奏楽連盟(森一之理事長)が主催。活動成果を披露し合う交流を通して、部員や団員の調和と技術向上を図る目的で基本年1回開いている。旧新宮商業高校・植村俊平教諭の呼びかけで1967年に始まり県内で最も歴史がある地域合同演奏会として続いているが、他行事との合同実施や新型コロナウイルスの感染拡大など社会情勢で開けない年もあり、回数は継続年より少なくなっている。
前回に続いて感染症予防対策を心がけての実施で、数十人規模となる中学一丸と高校一丸の各演奏は休止。一般鑑賞は部員・団員の家族2人までと制限して迎えた。
出演は潮岬中、光洋中、那智中、緑丘中、近大附属新宮高・中、串本古座高、新翔高、新宮高の各吹奏楽部と、3年ぶりとなる社会人の那智勝浦吹奏楽団。
開会に当たり同連盟の西野政和副会長はまず、夏の県吹奏楽コンクールで2年連続金賞獲得の近大附属新宮高、2年連続金賞獲得で県代表として関西コンクールに進出し銀賞を得た新宮高の各吹奏楽部の健闘を報告して一同で称賛。ウクライナ情勢へ思いをはせつつ「当たり前のように舞台に立ち音楽を楽しんでいるが、これも平和な世の中があってこそ。そのことを頭において活動を続けてほしい」と部員や団員の気持ちを促した。
冒頭は会場地の潮岬中が出演し、光洋中と那智中と緑丘中は部員数が少ないため近大附属新宮中を加えた4校29人ユニットを結成して合同発表。以降高校などの発表が続き、真摯な姿勢も見せつつ小道具を持ち出したり自身のテーマソングや入賞曲を奏でるなど会場を盛り上げる構成も織り交ぜた演奏が続いた。最終は那智勝浦吹奏楽団で、定番のファンファーレを響かせ愛好曲や定期演奏会に向け練習中の新曲を披露。同連盟の大江伸二副会長が閉会のあいさつを述べて締めくくった。
(2022年11月2日付紙面より)
JR新宮駅にオレンジリボンツリー設置
11月の「児童虐待防止推進月間」に先立ち、新宮市徐福のJR新宮駅の待合室に10月31日、オレンジリボンツリーが登場した。同駅協力の下、NPO法人和歌山子どもの虐待防止協会が設置。同協会では月間に合わせ、各市町村へのツリーの設置や動画の配信などを通して啓発活動を展開していく。
厚生労働省は、11月を「児童虐待防止推進月間」と定め、家庭や学校、地域などの社会全般にわたり、児童虐待問題に対する深い関心と理解を得ることができるよう、児童虐待防止のための広報・啓発活動などの取り組みを実施している。
オレンジリボン運動は2004年に栃木県で児童2人が虐待を受け、命を落とした事件をきっかけに、翌年、同県の団体「カンガルーOYAMA」が児童虐待防止を目指して始めた。NPO法人児童虐待防止全国ネットワークなどの協力を得て活動を全国に広めており、運動を通して子どもの虐待の現状を伝えて関心を高めてもらい、虐待のない社会を築くことを目的としている。
同協会は2000年に民間団体として設立。今年で22年を迎えた。これまで、月間に合わせて白浜町や田辺市などでツリーの設置を行ってきたが、新宮・東牟婁郡では今年が初めてという。
本来であれば、子どもたちにリボンを作ってもらい、直接ツリーに飾り付けを行うが、新型コロナウイルス感染症の状況を考慮し、リボンは会員らが制作。飾り付けが済んだツリーと啓発物資を配置し、虐待の現状や運動の周知を図る機会とした。
ツリーを設置した同協会紀南地区運営委員の安原克彦さんは「JR新宮駅さんにご協力いただき、新宮・東牟婁では初めてこういった活動をさせていただくことになった」と経緯を説明。
同駅の大市貴明副駅長は「新宮駅から児童虐待の実態や運動を発信できれば幸いです」と話していた。
厚生労働省によると、児童虐待による死亡事例は年間70件を超えており、単純計算では5日間に1人の子どもが命を落としていることになる。
今年の月間の標語は「『もしかして?』ためらわないで!189(いちはやく)」。「児童虐待かも」と思ったときには児童相談所虐待対応ダイヤル(電話189)へ連絡を。通告・相談は匿名で行うことができる。
(2022年11月2日付紙面より)
クラブ、シニア選手権 (那智勝浦ゴルフ倶楽部 )
ソフトテニス・サッカー・剣道
ゆうゆうクラブ芸能大会 (新宮市 )
ゆうゆうクラブ(老人クラブ連合会、上廣正幸会長)は10月29日、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で、3年ぶりとなる「『愛の日』ゆうゆうクラブ芸能大会」を開催した。約300人が来場し、年を重ねて磨き上げられた歌声や踊りを堪能した。
和歌山県が制定した「愛の日」(11月15日)に協賛し、会員同士の交流を深め、芸術文化への理解と教養を高めようと毎年開いている。今年で46回目を迎える。
開会式で上廣会長は「昨年完成した市民待望の『丹鶴ホール』で芸能大会を開催でき、会員一同喜びでいっぱい。新型コロナウイルス感染拡大によって3年間近く練習もままならない状況だったが、各教室で一生懸命練習してきた集大成を発表する場です」と喜びを語り「観覧の皆さまは、ぜひ大きな拍手でお応えください」と呼びかけた。
田岡実千年市長は「戦中戦後の困難な時代を生き抜き、市の発展にご尽力いただいた皆さま。市民生活に密着し、高齢者が安心して暮らせるまちづくりに努めていきたい」。市社会福祉協議会の濵前泰弘会長は「長寿社会をより豊かに生きていくためには、さまざまな活動を通じて教養を高め、仲間づくり、生きがいづくりを進めていくことが大切。人生の先輩である皆さまのお知恵を拝借したい」と祝辞を述べた。
和歌山市出身で歌手・女優として活躍する春菜美保さんによる歌謡ショーで開幕。会員たちは歌やダンス、大正琴の演奏、ひょっとこ踊り、フラダンスを披露した。最高齢96歳の会員も出演し、惜しみない拍手が送られた。孫子3世代で構成される「シャルレモリモトファミリーズ」によるエイサー太鼓がエンディングを飾った。
会場では、生きがい教室生徒らによる書道、生け花、陶芸作品や、はつらつ教室生徒の進化絵の展示もあった。来場者らは「赤い羽根共同募金」にも協力していた。
(2022年11月1日付紙面より)
吾妻聖子さんが食育講演会 (新宮市 )
新宮市食生活改善推進協議会と新宮市母子保健推進員会は10月30日、市役所別館で食育講演会を開いた。食育プロデューサー・TVプロデューサー・食コンサルタントの吾妻聖子さんが「疲れない・頑張らない食育」をテーマに講演。約120人が聴講した。
吾妻さんは大阪府出身。3歳から高校卒業まで那智勝浦町宇久井で暮らす。現在は東京でテレビの料理番組プロデューサーをしながら、食や食育のコンサルタントとしても活躍する1児の母。現在、月に1度、本紙にてコラム「疲れない食育」を連載中。
開催に当たり、田岡実千年市長が、食生活改善推進協議会と母子保健推進員会の日頃の活動に敬意を示し「吾妻さんは食と子どもについて独自の研究を進められている。具体的なヒントも頂き、健康づくりに役立てていただければ」。
食生活改善推進協議会の栃尾眞喜子代表は「常にバランスの良い食事を取るのは難しいかもしれない。本日の講演会が有意義なものになることを祈念しています」とあいさつした。
吾妻さんは、食育の資格を取得した経緯や2005年に制定・施行された食育基本法などについて触れ「資格取得の際には『フードマイレージ・フードロス』『栄養バランスを考える』『手作りで加工食品や添加物を避ける』を学んだが、多くの人が仕事も子育ても他の家事もしておりそれができないから悩んでいる」。
資格を取得してみて、新たに▽添加物って本当に怖いのか▽本当に毎日手作りすることが子どもの健康に直結するのか▽子どもの心身を健康にする食育とは―への疑問が湧いたと話した。
日本で使われている添加物は1500品目以上あるとし「避けていくのは至難の業」。添加物の管理方法や、添加物が含まれるうま味調味料、加工品、パン、マーガリンなどの体内における作用を説明し「全ての食品は化学物質でできている。添加物は毒にも薬にもならないが、どんなものも量を間違えると毒になる。目に付いてしまう危険な情報に惑わされないで」と呼びかけた。
「子どもも大人も心身共に健康で前向きになれる」「子どもが成長した後、健康に生きていける」食卓の実現が、自身が目指す食育の目的であるとし、子どもの食育について年代別に解説。「コミュニケーションを取ることが大事」と述べ、共食の重要性などに触れた。
大人・高齢者に向けては「50代以上の人が『食のトレンド』を追うのは低栄養を招く危険性がある」。
「作った食事を写真に撮って交流サイト(SNS)などに載せることが日々の励みになる」とし、インターネットスキルを上げることも効果的とした。
「子どもも大人も食事はコミュニケーション。楽しく笑って食事をすることが意識や肯定感の向上につながる。食育は何を食べるかよりどう食べるか。子どもにとってはお母さんの笑顔が何よりの食育だと思う」と講演を締めくくった。
(2022年11月1日付紙面より)
三尾川小招き「海の教室」 (勝浦海事事務所など )
国土交通省近畿運輸局勝浦海事事務所(中川洋所長)など主催の青少年対象行事「海の教室」が10月28日に串本町内であり、古座川町立三尾川(みとがわ)小学校(中井清校長、児童6人)が招待を受け魚類養殖の現場や潮岬灯台を巡るなどした。
この行事は同事務所と紀南海運協会、近畿海事広報協会が主催。青少年に海への関心を高めてもらう目的で同事務所管内の小学校に参加を呼びかけていて、本年度は4校が順次招待を受ける流れとなっている。
この日は2校目の実施で、大島港で三尾川小と合流し主催者を代表して同事務所の名越正典次長が海と人との関わりを楽しく学ぶよう願い出て歓迎。午前は有限会社岩谷水産協力による海の仕事講座で、船でブランド魚「紀州梅まだい」やクエの養殖いけすを見学し餌やりを体験するなどした。望楼の芝で昼食休憩し、午後は南紀熊野ジオパークセンターと潮岬灯台を見学。同パークガイドや同灯台の航路標識協力団体「燈光会潮岬支所」の阿部千穂支所長から説明してもらい質問をするなどして学びを深めた。
一通りの見学を経て名越次長は「今日経験したことをおうちに帰ってお話しして、海のことを好きになってくれたら」と期待を寄せ、児童は「見るのが初めての所がたくさんあって、自分は海のことを知っていると思っていたけれど発見が多かった」「今日はいろんな海の知識が得られた。養殖の現場を見たり餌をあげたりするのも初めてで、この経験を生かしてもっと賢くなりたい」などみんなで感想を発表して招待に感謝した。
1校目は串本町立串本小学校で5、6年生が10月6日に参加。3校目は串本町立出雲小学校で4~6年生が11月11日(金)に町内で、4校目は串本町立西向小学校で4、5年生が11月24日(木)に那智勝浦町・太地町でそれぞれ参加予定となっている。
(2022年11月1日付紙面より)
太田の郷でフリマ盛況 (那智勝浦町 )
那智勝浦町南大居の交流センター「太田の郷」で10月30日、「ハッピーハロウィーンフリーマーケット」があった。43店舗がスイーツやハンドメードアクセサリー、食器、雑貨、地元産の農作物などを販売し、町内外から大勢の親子連れでにぎわった。
地域おこし協力隊や集落支援員が企画したのが始まりで、例年春と秋の2回、フリマを開催している。
今回は仮装して参加した来場者や出店者にお菓子やドリンクのサービスがあり、カボチャおばけ「ジャック・オー・ランタン」や魔女、プリンセス姿の子どもたちの姿が見られた。ミュージックカフェスタジオネイバーフッド&Hiroya主催の音楽ステージもあり、コーラスや昭和歌謡フォークデュオが会場を盛り上げた。
家族6人で訪れた中村日葵さん(鵜殿小3)は「仮装は魔女。スコーンとクッキー、ポップコーンを買った。たこ焼きも食べたいな」と話していた。
(2022年11月1日付紙面より)