「生命の駅伝」出発式 (新宮市 )
がんと闘う人を励まし、研究を支援する目的で行われている「第23回生命(いのち)の駅伝」の出発式が19日、新宮市立光洋中学校(宮本雅史校長、生徒210人)であった。「EKIDEN for LIFEの会」(太田正隆会長)主催。生徒の中から希望者約150人が約1㌔を伴走した。
出発式で生徒会長の小谷颯志君(3年)が生徒らの募金への協力に感謝し「光洋中生徒会としては、これからも生命の駅伝に協力していきたい」とあいさつ。募金を生命の駅伝実行委員会の上村眞由さんに手渡した。
事務局の北出恭子さんは「私も胃がんで胃を摘出しました。早期発見で今またボランティアに参加させてもらっていることをすごくうれしく思います」と述べ、家族にも検診を勧めるよう呼び掛けた。
駅伝は、がん研究資金を募るためにカナダ人の義足ランナー、テリー・フォックスが「希望のマラソン」として143日かけて5373㌔走ったことにちなむ。95年に「テリーフォックスラン日本」として開始した。活動を通じ、三重県にがん医療センターを設立することを目標としている。
ランナーは中学校をスタートし、東牟婁振興局や新宮市役所など回りながら熊野市役所まで走った。
(2017年5月20日付紙面より)
若者の政治参加意識の向上を目的に、新宮市神倉の県立新宮高校(畑伸憲校長)で18日、和歌山県議会議員と高校生との意見交換会が初めて開かれた。議員5人と高校生15人が参加し、議会に関する質問や「地域と高校生徒のふれあい」をテーマに話し合った。
公職選挙法の改正で選挙権年齢が18歳以上に引き下げられたことを受け、若者の率直な意見を聞き取る場をつくり、政治参加意識を高めようと開いた。今年3月に亡くなった故・浅井修一郎・県議会議長が発案。議会改革の一環として企画され、「議会改革検討委員会」で検討されてきた。
本年度は試行として同県等委員会メンバーを参加者とし、この日は服部一・県議会副議長、長坂隆司議員、山本茂博議員、多田純一議員、森礼子議員が参加。新宮高校からは生徒会を中心に1年生から3年生までの有志メンバーらが集まった。
服部副議長がコーディネーターを務め、意見交換では生徒らから議会への疑問や高速道路、県の理想像、議員を志したきっかけなどへの質問があった。「地域の子どもや高齢者と高校生が関わる機会をどのように持てばよいか」という問い掛けには、「ボランティアや個人活動、慰問活動など、自分から出掛けていき、得意なことを生かして自ら動く」「市や自治体が実施する避難訓練や祭りなどの行事に積極的に参加する。地域の行事では若い力が求められている」とアドバイスを送った。
議員からは高校生に「住んでいる所を将来どんなふるさとにしていきたいか」「選挙権を与えられた際の投票の基準」「自分自身、ここは人に負けないという自信があるものは」「反抗期はあったか」などの質問があり、生徒らは自分の率直な意見を伝えていた。
意見交換会で気付いたことを聞かれた生徒は「もう少し個別に話したり、自由な形で話せるようにしたらもっといいと思う」などと提案する場面もあった。
服部副議長は「意見を活発に出してくれ、反応も良かった。生徒が意見を出しやすいよう、今後の会の在り方をもう少し検討する必要を感じました。感じている、思っていることが伝わったと思う。関心を持ってくれてありがたい」。
生徒会長の藏本梨奈さん(3年)は「緊張しましたが、お互いの意見を話し、私たちのためにもなりました。今後、生徒会を通じ学校内の生徒の意見を出し合い、新宮のために何かできないかという働き掛けができればいいなと思いました」と感想を語り「政治を身近に感じました。話す場がもともと少なかったので、今回の場で距離が縮まり、自分たちの意見も反映してもらえるんだなと感じました。選挙にも行きます」と述べた。
畑校長は「生徒たちは少し緊張していましたが、議員たちから地域貢献の大切さなどを聞き、社会に接するいいきっかけになったと思います。社会で活躍する大人と話をすることで、自分の意見を話すいい機会になったと思います」と話していた。
(2017年5月20日付紙面より)
ジオガイドら通夜島調査 (串本町 )
串本町須江沖にある通夜島で18日に地域資源調査があり、南紀熊野ジオパークガイドら18人が地質と植生の2面から島一帯の特色を探った。
通夜島は神功皇后と応神天皇の一行が一夜を明かしたと伝えられ、その故事をなぞらえる水門(みなと)神社祭礼「水門祭」の旧御旅所だったことで知られる。旧大島村から旧串本町、現串本町へと公有地として受け継がれ、民間事業者に貸し出され熱帯植物の栽培地となっていた時期もあったが2003(平成15)年に明け渡され、現在は無人島になっている。
地域資源としては北岸区域13・7㌶が2005(平成17)年にラムサール条約登録湿地に認定されているが、この日の調査はジオパークの観点から魅力を発掘するのが狙い。和歌山東漁業協同組合須江支所の通夜島活用への期待も踏まえて南紀熊野ジオパークガイドの会南エリア(芝崎浩子代表)が計画し、当日はガイドや南紀熊野ジオパーク推進協議会学術専門委員の中屋志津男さん、県自然環境室や同町産業課、串本町観光協会や古座観光協会、リゾート大島や熊野新聞社の各関係者が参加した。
資料調査はしたが上陸は初めてという中屋さんは▽地質的に熊野カルデラ由来と考えらえる火砕流の造形(流紋岩質火砕岩層)が見られる▽地形的に島上部が平地「海岸段丘」になっている―といった二つの特色があると参加者に事前解説し、前半はその象徴となる場所を観察した。
先だって12日に大辺路刈開き隊や同町地域おこし協力隊、環境省やリゾート大島が刈り開いたルートに沿って移動し、その道中には往時の作業小屋や祠(ほこら)も複数点在。上陸地点で地質的な特色、その反対側の浜で地形的特色を観察し、後者では目の前に広がる波食棚や海食台といった平たい海岸が隆起して海岸段丘ができるという大地の営みを、各地形の実物を見ながら感じられるといった魅力の発見があった。
昼食休憩後は既存のスダジイや熱帯植物と栽培管理を離れて野生化したワシントンヤシなどさまざまなヤシ類などで覆われた島内を巡り、眺望に秀でた岩棚などを確かめた。
南紀熊野ジオパークガイドの会の上野一夫会長は「串本には平見と呼ばれる場所が多いが、これらは海岸段丘を意味する。陸繋(りくけい)島も含めてそのような地形がよくわかる岩棚も発見の一つだった。中屋先生が話された特色も含めた今日の収穫を生かし、通夜島を訪れるツアーを年に何回か計画していければと思う」とこの日の成果を振り返った。
(2017年5月20日付紙面より)
地震から命守る減災セミナー (太地町 )
太地町の一級建築士事務所「熊野くらし工房」の森岡茂夫さんは17日、同町公民館で第2回減災セミナー「地震から命を守る」を開いた。日本建築家協会の災害対策委員として活動した森岡さんは、全国の被災地で得た知識と経験を町民の防災に役立ててもらおうとセミナーを企画し、今年3月にスタートさせた。2回目は「命を守る『倒さない・燃やさない・逃げ切る』」がテーマ。
南海トラフの巨大地震、東海・東南海・南海3連動地震の国の被害想定を挙げて講演を進めた。南海トラフ巨大地震の死者想定は32万3000人にも上り、「死者率」は南海トラフで74%、3連動地震で47%といずれも太地町が第1位となっている数字を示した。森岡さんは「この通りだと私のふるさとは消滅してしまう。対策を」と語り、家屋の倒壊、家具の転倒などを防ぐ「倒さない」、火災の発生を防ぐ「燃やさない」、津波から「逃げ切る」の三つのキーワードを掲げて防災対策を呼び掛けた。
電気が復旧し、倒壊家屋に通電した際に発生する「通電火災」の防止には建築家協会が考案した感電ブレーカーを紹介。ガスコンロは2008年に法制化された安全センサーを説明した。受講者に帰宅後に各家庭でセンサーが付いているかどうか確認を呼び掛け、古い家屋が多い同町では社会福祉協議会などと連携しての安全チェックを提案した。
森岡さんは「国の想定を最後まで読むと、しっかり対応すれば被害は5分の1になると書かれている。対策を積み重ねれば被害は小さくできる。みんなで知恵を合わせて未来を守ろう」と呼び掛けた。
20日は同会場で午後1時30分から同4時30分まで「津波からの逃げ地図づくりマスター講座」を開催する。問い合わせは同事務所(電話0735・29・7986)まで。
(2017年5月20日付紙面より)
熊野川河口に橋を架ける会総会
熊野川河口に橋を架ける会(会長・田岡実千年新宮市長)は10日夜、新宮市福祉センターで平成29年度総会を開いた。田岡会長は、長年の悲願であった河口大橋を含む一般国道42号新宮紀宝道路の工事が本年度から本格化すると述べ、「今年度も国や県、地域に対して河口大橋の必要性を強力に訴えていき、道路予算の確保と河口大橋の早期完成に向け、これまで以上の活動を展開してまいりたい」と会員らに協力を呼び掛けた。
平成25年度に新規事業化された新宮紀宝道路は、近畿自動車道紀勢線の一部を構成する和歌山県新宮市あけぼのから三重県紀宝町神内に至る延長2・4㌔の自動車専用道路。輸送時間の短縮、救急医療活動の支援、渋滞緩和による地域相互の振興と発展、東海・東南海・南海地震などの災害時の救命活動や地域復興の支援に寄与することなどが期待されている。
田岡会長は本年度事業費として14億6000万円(和歌山11億円、三重3億6000万円)の予算が付いていると紹介。「われわれの夢の実現が一歩一歩現実のものとなってきているように感じる」と述べた。
顧問を代表して藤根正典・三重県議会議員が4月に三重県が紀宝町と協力して用地買収プロジェクトチームを結成したと述べ、「引き続き、私たち顧問も皆さまとしっかりと手を取り合って、早期実現に向け、しっかりと協力させていただきます」とあいさつした。
国や県への要望活動などの昨年度事業報告、各種道路整備関連イベントへの参加など本年度事業計画、184万5000円(前年度比27万1000円減)の本年度予算など5議案を承認した後、副会長の西田健紀宝町長が閉会のあいさつ。「平成16年に本会が発足した当初は河口に橋が架かるのかという思いで要望活動が始まったのですが、皆さまの熱意が国や県を揺るがし、事業化となりました。できるだけ早く河口大橋を完成させることが大事ですが、どうしても地権者の皆さま方にご理解をいただけなければ、なかなか工事は進みません」と協力を呼び掛けた。
(2017年5月12日付紙面より)
新宮市民生委員児童委員協議会は8日、同市の熊野川町保健センターさつきで「熊野川地区おやこサロン」を開いた。未就園児と保護者が音楽に合わせて触れ合い遊びをし、読み聞かせを楽しんだ。
おやこサロンは、乳幼児、未就園児の保護者の交流の場。熊野川地区は住宅地が点在し、保育所に入園するまでの期間は子ども同士、親同士の交流の機会が少ないことから毎月1回実施している。
この日は市保健センターの職員らが訪れ、遊びを指導。『どうぶつたいそう1・2・3』で体をほぐし、『からだがピアノになりました』では原曲のトルコ行進曲に合わせて、お母さんが子どもの体をなでたりくすぐったりして触れ合った。手遊び、大型絵本『いないいない…ばあ!』を聞いた後はいろいろなおもちゃで遊んでいた。
次回は6月5日(月)午前10時ごろからを予定している。
(2017年5月12日付紙面より)
1年生対象に「チューターの日」 (近大新宮高校 )
新宮市の近畿大学附属新宮高校(川合廣征校長)は10日、中高一貫コース1年生50人とフロンティアコース1年生64人を対象に「チューターの日」を実施した。教員が自身の経験などをもとに生徒に語り掛けた。
「チューター教員」は個別指導教員の意味で、同校では生徒の個性などを総合的に判断し、担任以外の各教員が生徒を担当している。生徒一人一人の性格や価値観、生活や学習意欲などの状況を把握し、充実した学校生活を送れるよう的確な指導を行う。
「チューターの日」は各チューター教員から大学時代の研究内容や学生時代の勉強法や進路決定のポイントなどの体験談を聞く機会として設けられている。教員らは自身の体験をもとに話を進め、生徒らは耳を傾けていた。
(2017年5月12日付紙面より)
第1回移住者様向け研修会 (県ふるさと定住センター )
古座川町直見にある県ふるさと定住センター(尾添宏進センター長)の主催事業「第1回移住者様向け研修会」が10日、同センター圃(ほ)場で開かれた。テーマは「番茶と簡単なウーロン茶作り体験」で、本年度着任の尾添センター長の希望で移住者を含む住民全体を受け入れた。22人が茶摘みに挑戦し、収穫した茶葉で加工方法を体験した。
本年度も100万人のふるさと回帰・循環運動推進・支援センター=東京都=が委託運営することになった同センター。この研修会は地域に根差す生活の知恵を移住者に紹介する趣旨で開いていて、本年度は3回の実施を計画しているという。
開会にあたり、尾添センター長は委託の経緯や職員体制、業務内容を簡潔に紹介しつつ「今回はいろいろな生活をされている方がいらっしゃると思う。今日の研修を通してコミュニケーションを図り仲良く和気あいあいとやっていただければ」とあいさつ。
西比古次指導員が研修内容の説明をし、茶摘みの基本「一芯二葉」の意味や国内で主流の煎茶と県内で親しまれる番茶、ウーロン茶と紅茶の違い(同じ茶葉を使うが加工の違いで種類が分かれる)を伝えた。
体験指導は「鮎のたなみや」のおかみ・東英子さんが担当。番茶は「釜煎(い)り→茶揉(も)み→天日干し」の順で仕上げるのが特色で、この日は一通りの要領を紹介した。参加者は釜煎りの順番待ちを利用し、簡単なウーロン茶作りとしてナイロン袋に摘みたての茶葉一つかみを入れ吐息で膨らませて密封放置する方法も体験した。
昼食休憩時には南部鉄器の鉄釜で仕込んだ茶がゆや漬け物、東さんからの差し入れで朝採りしたタケノコの素焼きの振る舞いもあった。
今回は串本町地域おこし協力隊のアイシェギュル・アルカンさんや中村慎也さんも参加。古座川ジビエ知らせ大使としても活躍する和歌山住みます芸人「ワンダーランド」の番組ロケも入るなど、過去になくにぎやかな研修となり、尾添センター長(56)は「期待した通り地元と移住の皆さんが仲良く楽しく研修してくれてうれしく思う」と自身初の研修会実施を喜んだ。
(2017年5月12日付紙面より)
スポ少予選バレーボール
国民平和大行進スタート (新宮市から )
原水爆禁止和歌山県平和行進実行委員会(茂野和廣・実行委員長)は8日、新宮市から2017年国民平和大行進「和歌山―広島」をスタートさせた。県内全30市町村を通過する。6月8日(木)に三重県に引き継ぎ、8月4日(金)、最終目的地の広島平和公園に到着する予定だ。
大行進は1958年に始まり今年で60回目。全国で11のコースがあり、毎年計約10万人が参加している。和歌山県は3年連続全30市町村で実施されており、毎年計約1500人が参加している。
新宮市の出発集会で、喜田俊生・紀南労協議長があいさつ。ニューヨークの国連で開かれた核兵器禁止条約の制定を目指す第1回会議に日本政府が欠席したことに怒りの言葉を述べ、「8月に広島、長崎で開かれる原水爆禁止2017年世界大会に向け、元気よく出発したい」と述べた。
田岡実千年市長は「地球上には人類を絶滅させるほどの大量の核兵器が蓄積、配備されており、断じて許されるものではありません。唯一の被爆国であるわが国の果たすべき役割は極めて重要」
杉原弘規市議会議員は「半世紀を超える平和を願うこの平和行進は今や世界中の国々と人々に受け入れられようとしています。力いっぱい、元気いっぱい、気持ちを込めて行進しましょう」。
原水爆禁止和歌山県協議会の白井春樹事務局長は「核兵器禁止条約の実現を目指して、一歩でも二歩でも共に歩きましょう。皆さんの歩みは非核平和への歩みとなります」と呼び掛けた。
東牟婁地域の通し行進者の栗栖富夫さん(和歌山市民生協)が「現在1万5000発の核兵器があります。それをなくす意味でも一歩でも参加していただければ」と決意表明。「この日本を被爆国であり、憲法9条を持つ国にふさわしく、核兵器禁止条約の実現の先頭に立てる国にするため、一歩でも二歩でもご一緒に歩きましょう」などとする集会アピール宣言を拍手で採択し、『青い空は』を合唱した。
■東牟婁地域の日程
今後の東牟婁地域で行われる行進の日程と集合場所は次の通り。集合時間はいずれも午後5時15分。▽9日(火)那智勝浦町役場前▽10日(水)北山村民会館前▽11日(木)太地町公民館前▽12日(金)串本町役場本庁舎前▽15日(月)古座川町役場前。
(2017年5月10日付紙面より)
太地支部が総会 (南紀くろしお商工会 )
南紀くろしお商工会(森川起安会長、会員数101人)は8日、太地町公民館で太地支部(藤木一史支部長)の平成29年度総会を開いた。会員22人が出席し、上程された昨年度の事業・会計報告、今年度の事業計画案など全ての議案を承認した。
今年度は▽観光促進による交流人口の増加▽町内関係者の合意形成▽地域資源の発掘と磨き上げ▽両町協力による観光メニューの強化―の4点を重点に活動する。3月17日に「経営発達支援計画」の認定を受けたため、認定を受けた商工会が活用できる事業の持続的発展を目的とした補助事業「伴走型小規模支援推進事業」を申請中だと伝えた。
昨年度の重点項目の実施状況と決算が報告された。会員数は年度当初から末までに商工会で2人増えて672人(約0・3%増)、支部は1人減って101人(0・9%減)となった。
森川会長は「今回、国から新たに経営発達支援計画の認定を受けたので、経営戦略に踏み込んだ伴走型の支援を続けていきたい。ガラパゴス化せず、多様化する消費者、観光客のニーズに対応する施策を展開したい」と話した。
(2017年5月10日付紙面より)
下露総合セで公開講演会 (七川ふるさとづくり協議会 )
古座川町の七川ふるさとづくり協議会(下山隆正会長)は8日、七川総合センターふるさとで講演会「環境保全活動研修会」を開いた。七川地域の今後を地域全体で考えるために計画した初の公開行事で、同協議会役員含む32人が近隣事例に触れて今後の地域振興の機運に弾みをつけた。
同協議会は、七川地域の各区長が中心になり昨年11月に発足させた住民団体。住民が生きがいを持って明るく健康的な生活を送る地域環境を創造し、次の世代に持続可能な地域として託すことを目的に掲げて歩み始めている。
今月1日には公的支援として、同町が地域おこし協力隊隊員として小山陽平さんを起用。同協議会事業の推進を任務とし、同協議会は妻の菜保さんともども一会員の位置付けで迎え入れている。
当面は生活の主体である地域住民が今の地域にどのような意見を持っているかで聞き取り調査を進める予定。その前にまず同協議会の思いを伝えるため、この講演会を計画し参加を呼び掛けた。
開会にあたり下山会長は林業最盛以降の七川地域の変遷を振り返りつつ「(この講演が)これからの七川地域をどうすべきかを考える機会になれば」とあいさつ。参加者の中には仲本耕士副町長の姿もあり、起用した隊員と共に七川地域が今なすべきことに向かい動き出すことを願いつつ祝辞を寄せた。
続く講演の講師は奈良県川上村にある森と水の源流館の尾上忠大事務局長で、演題は「同館の活動から」。発祥地として栄えた吉野林業の衰退や国策のダム建設など村内環境が大きく変わる中、同村は紀の川や吉野川水系の源流地である点に着目して平成8年、水源地のまちづくり指針「川上宣言」を掲げて今日まで歩んでいる。
水源地を守るために国内2例目にして当時最大規模、740㌶の原生林を公有林化。その啓もう施設としてあるのが森と水の源流館で、尾上さんは同宣言以降の主だった振興の取り組みや村民がどのようにして川上宣言に寄り添う気持ちになったかを伝え、流域連携の発想(=村外との活力ある連帯で村の存在感を安定化させ活路を見い出す発想)があることを示唆するなどした。
今まさに地域振興に乗り出そうとしている七川地域に対し、地域の状況をしっかり考える事や生活に必要なことはやるという姿勢が大切だ、など提言も寄せて話を締めくくった。同協議会は今後も住民と共に考える機会を重ねる考えで、喫緊では同調査の結果報告会を夏ごろに予定している。
(2017年5月10日付紙面より)
地元中学生が総合学習で
那智勝浦町大野の町立色川中学校(山下真司校長、生徒4人)の生徒たちが8日、同校近くの茶畑で地域の特産品「色川茶」を摘んだ。地元産業への理解を深めようと総合学習で毎年取り組んでいる。
授業は総合学習「おいしい色川茶を作ろう」。生徒たちは教師たちと一緒に学校近くの茶畑で、薄緑色で柔らかい新芽を選んで摘み取り、腰に下げた籠へ入れていった。摘んだ葉は釜でいった後、粘土でヘビを作る要領でもみ、むしろの上にほぐしながら並べて天日干しした。
岡菜生さん(13)は「4歳くらいから茶摘みをしています。お茶が大好き。葉はてんぷらにしてもおいしいです」。
山口涼華さん(13)は「茶摘みは8回目くらいです。いった葉をもむ時に少し手が熱いです」と話していた。
(2017年5月10日付紙面より)
第1、2節終え例年にない混戦に
大門坂の元旅館を開放 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の熊野古道・大門坂沿いの築130年と伝わる元旅館「東屋」縁側で4日、世界的な博物学者・南方熊楠について語り合う「くまだん・熊楠縁側談議」が開かれた。田辺市の南方熊楠顕彰館が用意した肖像写真(A4サイズ15枚)が縁側に並び、熊楠が好物だったという「あんぱん」や「熊野釜煎(い)り茶」が振る舞われた。
熊楠は35歳から3年間、大門坂にあった宿「大阪屋」を拠点に那智山で調査研究をしている。生誕150年を迎えた今年、同町宇久井の芝先隆さんが熊楠に親しみ、大阪屋の存在を広めようと縁側談議を企画。大阪屋の建物は現存していないため、隣接する松本治さん所有の古民家を借りた。
参加者らはそれぞれ熊楠に関係のある逸話や品物などを用意した。熊楠が昭和天皇に粘菌の標本を献上する時に使った「森永キャラメルの箱」とほぼ同等の古い空き箱と1990年ごろの未公開映画「熊楠KUMAGUSU」(山本政志監督)の台本などが持ち寄られ、盛り上がった。
キャラメル箱を自宅で見つけたという同町高津気の坂口秩臣さんは、「明治25年生まれの祖母が残したもの。パンフレットなどを見て確認した」と話し、参加者らは「見ることができて感激。これほど大きいものだと思っていなかった」と驚いていた。
映画で旅館の女中「いなえ」役だったという和歌真喜子さんは、海南市在住。台本には熊楠との対話シーンもある。「映画は、ほぼ完成していたがバブルがはじけて制作費が不足したようだ。今日のイベントを知って、皆さんに見てもらおうと持ってきた。熊楠の若い頃を演じた町田町蔵さんが、そっくりでとても良かった。上映されず残念」と話した。
芝先さんは、会場を提供した松本さんに感謝しながら、「かつて、この縁側に熊楠が座ったかもしれない。今日は、皆さんの熊楠への思いが伝わってきた。この大門坂があるのは、那智の原生林を大切にした熊楠のおかげ。今後、古道を行きかう人々と交流の場が広がればと思う」と話していた。
この日は、東屋に残るふすま絵と那智参詣曼荼羅(まんだら)の解説などもあった。
(2017年5月9日付紙面より)
「とくし丸2号」が出発 (JAみくまの )
JAみくまの(村上幸弘組合長)は8日、那智勝浦町のAコープなち店で移動購買事業「移動スーパーとくし丸」2号車の出発式を開いた。
同事業は、徳島県の株式会社「とくし丸」(住友達也代表取締役)が買い物難民対策に地域スーパーと提携して全国展開している。運営の際には地域の自治体や警察などと地域見守り活動の協定も結んでいる。JAみくまのとは県内で4番目の提携となり、2月6日に同町と地域見守り活動協定を結んだ。
みくまの管内では、1号車が2月21日に同町の下里、太田地区と太地町方面の訪問契約者約70人に販売を開始した。2号車は毎週月曜日から金曜日に稼働し、色川方面や浜の宮などに住む契約者約50人を3ルートに分けて巡回する。
出発式で村上組合長は「本年度中に3号車も走らせるよう進めている。管内には買い物弱者が多い。見守り隊も兼ねて、地域に愛されるよう努力したい」と話し、ドライバーにキーを手渡した。
2号車は式出席者に見送られて、那智の郷に向けて出発した。
(2017年5月9日付紙面より)
望楼の芝キャンプ場盛況 (串本町 )
串本町潮岬にある潮岬望楼の芝キャンプ場のゴールデンウイーク(GW)有料期間が7日に終了した。今季は3日に繁忙のピークを迎え、過去最多の795人が利用を申し出。4月29日~5月7日の期間の合計は1488人で、対前年比47%増の伸びとなった。
この期間は既設のキャンプ場では収容しきれない数の利用があり、テントの場外設営やごみの置き去りなどの課題を回避するため潮岬望楼の芝管理運営委員会(田仲康慧会長)が設定している。利用者から一人一泊600円の清掃協力金を預かり、普段は行っていないキャンプごみの分別回収を実施。併せて期間前に望楼の芝を刈りこみ、環境省の許可を得て望楼の芝の東側一帯をテント設営場所として提供する形で、繁忙を過ぎても元の環境が保たれる状況を作り出している。
今季はGWの後半が土、日曜日を含めて5連休となり、その初日となる3日が繁忙の山場となった。過去のピーク時よりも約100張多いテント数249張で広大な設営場所が不足し、急きょ範囲を広げて受け入れた。その後の利用申し出数の推移は4日が212人、5日が105人、6日は25人、7日は4人と徐々に小康。田仲会長は8日、繁忙を喜ぶ一方で駐車場所やトイレの量的増強が必要だと考え、今後の対応を模索しながら期間を締めくくった。
4月29日~5月7日の潮岬観光タワーの利用者数は2422人、潮風の休憩所の来館者数は5710人で、GW後半の3~5日に繁忙の山場を迎えた。道の駅くしもと橋杭岩も似た傾向を示したそうで、高速延伸に伴い伸びを見せている売り上げは前年と比べて前半は例年並み、後半は微増だったという。
(2017年5月9日付紙面より)
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)敬神婦人会(久保あや子会長)は7日、設立40周年を祝う式典と講演会を同大社で開催した。式典には和歌山県敬神婦人連合会の川口寛子会長、県神社庁の温井敬忠副庁長、同市の田岡実千年市長らが来賓として招かれ、婦人会の長年の奉仕活動をたたえた。
同大社敬神婦人会は昭和52年に設立。毎月の境内の清掃奉仕、国の無形民俗文化財である例大祭はじめ、数々の祭典行事に奉仕してきた。紀伊半島大水害後の復興支援、熊本地震への募金活動なども実施している。
参加者らは拝殿で正式参拝をした後、同大社大禮殿での式典に出席した。久保会長は開会のあいさつで40年を迎えられたのは関係者の協力と感謝し、「新しく世界遺産の指定を受けた阿須賀神社も加え、これまでにもまして世界の耳、目が熊野に向けられています。全国各地からお見えになる人や世界各地から訪れる人たちに喜んでいただけるように心新たに奉仕活動を続けてまいりたい」と述べた。同婦人会の平美津子さんが司会を務めた。
上野宮司は男神の熊野速玉大神と寄り添うように祭られる女神の熊野夫須美大神(結大神)について説明し、「女神様が光り輝くように寄り沿っています。敬神婦人会の皆さまには大社の由緒にも添うような活動をしていただいてくれていることは大変ありがたい」と感謝した。
県敬神婦人連合会の川口会長、県神社庁の温井副庁長が来賓を代表してあいさつ。田岡市長は「本市の象徴ともいえる熊野速玉大社の奉仕活動に40年にわたり、取り組まれていることに深く敬意を表します」と述べた。午後はチベット出身のバイマーヤンジンさんによる記念講演が開かれた。
(2017年5月9日付紙面より)
新宮弓友会主催月例射会
県スポ少東牟婁予選バレーボール
観光筏下りがスタート (北山村 )
北山村の北山川で3日、今シーズンの観光筏(いかだ)下りが始まった。テープカットの後、第1便の筏が出航し、日本各地から訪れた観光客たちが、水量豊かな北山川の急流と渓谷美を味わいながら川下りを満喫した。
スギの丸太8本で組んだ床(とこ)を七つ連結している筏は、全長約30㍍、幅約1・6㍍で、中央部に座席と手すりが設けられている。訓練を積んだ筏師たちが櫂(かい)で操船する。
ライフジャケットを着た乗船客たちは、急流で歓声を上げながら約5・5㌔を約70分かけて下った。昨年までの総乗客数は19万7781人。昨年は5120人だった。
開航式では、神職が今シーズンの安全を祈願。山口賢二村長は「今年も筏のシーズンを迎えました。今年で39年目。今年でお客は20万人を突破する予定です。筏流しの技術は県の無形民俗文化財にも指定されました。周辺市町村と連携して観光振興に取り組んでいきたい」とあいさつし、『北山音頭』を歌った。
日本唯一の飛び地の村、北山村には最盛期、数百人の筏師が住んでおり、村民は1000人以上いた。昭和40年代に北山川水系にダムができ、道路が発達。木材がトラック輸送に代わったことで筏流しは衰退し、村民は現在約450人になっている。
筏下りは1979年、元筏師や村民の努力で観光筏下りとして復活。特産品のかんきつ系果実「じゃばら」とともに村の基幹産業になっている。初年の乗客は219人だったが年々人気が高まり、2005年には過去最高の9287人を記録した。
運航期間は9月末までの5カ月間。問い合わせは同村観光センター(電話0735・49・2324)まで。
(2017年5月4日付紙面より)
大物の水揚げ続き、単価も過去2位 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の勝浦地方卸売市場では冬から春にかけての近海マグロはえ縄漁が終盤を迎えている。市場を運営する和歌山県漁業協同組合連合会がまとめた2016年度の取引額は71億7626万5946円となり、前年に続いて70億円台を維持した。
過去10年で最も取引額が少なかったのは13年度の60億5353万1226円。翌年に8年ぶりに70億円を回復し、3年連続70億円台を維持している。
16年度の水揚げ量は1万474㌧で13年度よりも約375㌧下回ったが、金額は11億2273万4720円増となっている。
300㌔を超える大物クロマグロの水揚げが多く、今年1月7日に揚がった307㌔の記録が次々に更新され、3月5日に勝浦市場歴代最大の446㌔が揚がり、全国から注目を浴びた。キロ当たりの単価では、平成2年の過去最高値2万7000円に次ぐ2万5900円という結果が出ている。
県漁連では、水揚げ量の過半数を占めるビンチョウマグロを関東で広めようと、水揚げの当日に白浜空港の航空便を使って東京へ届ける手段を検討中だという。
県漁連勝浦市場の丸山一郎参事は「勝浦へ入港してくれる漁業者のためにも、勝浦産のマグロの価値を高めたい。関東で知名度の低いビンチョウを、百貨店などに直接売り込むことも考えている。大物はたくさん揚がったが、水揚げ量は低迷している。マグロ資源問題についても、地域から発信していかなければ」と話していた。
(2017年5月4日付紙面より)
三尾川小稲作体験始まる (古座川町 )
古座川町立三尾川小学校(濵地久夫校長、児童11人)の稲作体験が1日、同町三尾川字下地にある日下恵夫さん(74)の水田を借りる形で始まった。今年も児童と教職員が一丸になってもち米「若草もち」の苗を手植え。収穫は9月初旬ごろの見込みで、収穫した米は来年1月の餅つき大会で使い、余った分は毎日の給食でも味わうという。
長年の伝統となっている全校行事。日下さんは過去10年間にわたって協力した兄・隆夫さんの後を継ぎ、2年前から児童に稲作の機会を提供している。もち米「若草もち」は児童が夏休みではなく学期中に稲刈りできるよう、みくまの農協とも相談して取り入れた晩生の品種。初栽培した前年度は日下さんの読み通り2学期が始まってすぐが刈り時になり、今年もその苗を準備して児童を迎えた。
歩いて日下さんの水田を訪ねた児童はさっそく素足になって田植えの準備。2年生以上は過去にも経験があるので自主的に、1年生は先生や高学年と一緒に作業に励んだ。水田の広さは約2㌃で、日下さんは児童が植えやすいようにとあらかじめ約25㌢間隔で縦横に筋付け。苗の草丈は20㌢弱で、筋の交わるところに3~4本を植え込んだ。2年生以上の経験に加えて隆夫さんら近所の人の手伝いもあり、田植えは30分ほどで完了。近くの水路で泥を洗い流し、日下さんに収穫までの管理をお願いしてこの日の作業を締めくくった。
手際よく田植えをこなす児童を見守った日下さんは「米は日本人の主食。ただ食べるだけでなく、どうやれば作れるかもしっかりと経験し、大きくなった時に思い出して自分で稲作ができるようになってくれれば」と期待した。
(2017年5月4日付紙面より)
チラシなど配り注意喚起 (新宮警察署 )
新宮警察署(谷本克也署長)は4月30日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店で万引防止キャンペーンを実施した。警察署員、少年補導員らが買い物客らにチラシやポケットティッシュを配布した。
同署管内の万引の発生件数は3件で、前年同期比14件減だった。しかし4月に入り4件発生している。住民の規範意識を高め、犯罪抑止を目指して街頭啓発を実施した。
のぼりを立て、「万引きは犯罪です」「万引きをしない させない 見逃さない」などと注意喚起をするチラシなどを手渡した。万引は窃盗罪で10年以下の懲役、50万円以下の罰金となる。
(2017年5月4日付紙面より)
大矢・清水組が2年連続6度目の優勝
九重マーケット盛況 (新宮市 )
NPO法人山の学校(柴田哲弥代表)は4月29日、新宮市熊野川町九重の旧九重小学校で「九重マーケット」を開催した。2011年9月の紀伊半島大水害で被災した地域の活性化などを目的に開催し今年で3年目。20店舗がテントの下、パン、雑貨、野菜などを販売し、大勢の人でにぎわった。
同町田長の道の駅「瀞峡街道熊野川」隣に出店している「かあちゃんの店」の餅や、地元で採れた新鮮な野菜、地ビールなどが販売され、人気店の前には午前10時の開店前から大勢の人が並び、午前中に商品が売り切れた。校舎内ではボランティアによる絵本の読み聞かせなどもあった。
九重は三重、奈良との県境に近い、北山川沿いにある小さな集落。紀伊半島大水害で川沿いの家屋は軒並み被害を受けた。会場となった校舎は天井まで浸水し、解体される予定だったが、NPO法人山の学校が「復興のシンボルにしたい」と校舎の活用を市に申し入れ、自分たちの手で修繕し再生させた。現在は校舎内でカフェ、パン屋、本屋を開店し、約3年半が経過している。
柴田代表(33)は「今年は昨年より出店者が増えました。今年も大勢の人が来てくれて良かったです。準備は大変ですが、来年からも続けていきたいと思います」と話していた。
(2017年5月2日付紙面より)
第88回新宮・東牟婁メーデー (那智勝浦町 )
労働者らによる決起集会「第88回新宮・東牟婁メーデー」(連合和歌山紀州熊野地域協議会主催)が4月29日、那智勝浦町築地の勝浦漁港市場であった。「長時間労働の撲滅 ディーセント・ワークの実現 今こそ、底上げ、底支え、格差是正の実現を!」とするスローガンなどを承認し、安心社会の実現を目指す宣言をした。
メーデー(労働者の日)は、労働者が権利要求と国際連帯の活動を行う日。1920年に労働団体による第1回メーデーが東京で行われた。
主催の連合和歌山紀州熊野地域協議会は新宮市、田辺市、東牟婁郡、西牟婁郡内の労働組合で構成されている。熊野交通、和歌山県、関西電力、北越紀州製紙、那智勝浦町、日本郵便、JR西日本の各労働組合員らが参加した。
式典では石坂新太郎さんが議長に選ばれ、下田構平実行委員長のあいさつの後、連合和歌山の小林茂会長は、賃上げ率の改善について「従業員300人以下の中小企業の組合が頑張っている。常日頃から、賃上げを訴え続けた成果が出てきている。安心して働くことこそが、社会の成長につながる」と述べた。
(2017年5月2日付紙面より)
潮岬節保存会恒例の慰問 (串本町 )
潮岬(みさき)節保存会(島田和幸会長)が4月30日、同町二色にある社会福祉法人串本福祉会特別養護老人ホーム「にしき園」(和田利文理事長、和田吉男施設長)を慰問し歌や民謡で入所者を楽しませた。
同保存会が月1~2回の頻度で取り組んでいる施設慰問の一環。にしき園では年1回の恒例行事になっていて、本年度は入所者や職員約90人が会員の慰問を歓迎した。
この日は日曜日とあって、子どもも含めた会員17人が訪問。正調潮岬節で開演を飾り、島田会長の尺八演奏に合わせた唱歌や「花笠音頭」「串本節」といった民謡を届けた。
半ばでは入所者ら有志4人がカラオケで熱唱し、島田会長も演歌歌手・嶋幸二として出演し、プロの歌声で懐メロの数々を響かせた。最後は正調潮岬節をアレンジしたダンス「これぞオチャヤレ岬節」で力強く締めくくり、来年の再会まで健やかに過ごすよう入所者を励ました。
入所者も手拍子で会員の披露を後押し。島田会長は「いつものことながら潮岬節だけでなく唱歌や民謡を準備し、今回はカラオケにも参加いただける。みんなで楽しく、喜んでもらえる慰問になれば何より」と話した。
(2017年5月2日付紙面より)
那智護国神社の慰霊祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町天満の天満天神社に合祀(ごうし)されている那智護国神社(髙橋正樹宮司)で「昭和の日」の4月29日、第62回慰霊祭が執り行われた。那智地区の第2次世界大戦の戦没者と消防殉職者292柱に哀悼の意をささげた。
髙橋宮司が祝詞奏上と戦没者の名を読み上げて鎮魂した後、奉賛会会長の清水叞三央天満区長が「祖国の平和と安寧を願って戦死してから早72年。私たちが日本の平和な社会の中で豊かな生活を過ごせるのも、尊い思いと犠牲によるもの。戦没者の思いを引き継ぎ、平和な世の中の構築に精進します」と誓った。
寺本眞一町長は「私たちはこの悲しみを乗り越え、真の豊かさと優しさのあふれる街を町民の皆さまとともに築き上げていきます」と追悼の言葉をささげた。遺族らは白菊を献花して改めて平和の尊さをかみしめ、天満交友会が神前に獅子舞を奉納した。南洋群島で戦死した海軍二等兵曹が妹に宛てた手紙も紹介され、戦地から家族を思いやる内容に、参列者は心を打たれた。
式典後には、境内で餅まきもあった。
(2017年5月2日付紙面より)
JOC杯全日本ジュニアレスリング
全少サッカー記念4年生大会