旧チャップマン邸改修工事進む (新宮市 )
新宮市伊佐田地区にある旧チャップマン邸の改修耐震工事が進んでいる。3月3日(日)の工事完了と春以降のオープンを目指しており、まちなか観光拠点としての活用が期待される。事業は国の「都市再構築戦略事業」に盛り込まれている。
同邸は、大正時代を代表する文化人で新宮市名誉市民の西村伊作(1884~1963年)が米国人宣教師のE・N・チャップマンのために設計し、大正15(1926)年に建設された洋風建築物。戦後から昭和53(1978)年までは旅館「有萬(あるまん)」として使われ、市出身の芥川賞作家・中上健次(1946~1992年)が執筆活動をした建物としても知られている。平成27(2015)年に同市に無償譲渡された。
築90年以上が経過していることから老朽化が激しく、譲渡後すぐに耐震診断を経て改修耐震工事に入っていた。今月8日に外装工事の足場が一部取り外され、改修された外装がお目見えした。
「伊作設計の姿に戻すことに価値がある」と、モノクロ写真や研究者の意見を参考にした。大正期当時の復元を目指し、旅館時代の青緑色のスペイン瓦風屋根は天然スレート風の屋根に変更。食器棚などの備品や調度品はそのまま展示する。来館者用トイレなどを備え付け、施設から直接庭に出られるように仕切りドアを広くするなど、観光拠点としての利活用を目指している。
(2019年2月20日付紙面より)
科学的特性マップの説明会 (新宮市 )
原子力発電環境整備機構(NUMO)は16日、新宮市井の沢の新宮商工会議所で科学的特性マップに関する対話型説明会を開催した。市内外から15人が参加。NUMOや経済産業省資源エネルギー庁の職員らが高レベル放射性廃棄物の地層処分の仕組みなどについて詳細を説明し、理解を求めた。
原子力発電に伴い発生する高レベル放射性廃棄物の地層処分の仕組みや実現に向けた地質環境の調査プロセスなどの理解を深めることが説明会の目的。地層処分に関する地域の科学的特性を一定の要件・基準に従い客観的に整理した科学的特性マップを用いて全国で実施している。県内では和歌山市に次いで新宮市で2度目の開催となる。
NUMO地域交流部の水野敦部長は高レベル放射性廃棄物の処分で国民の生活環境に影響を及ぼさないように地下深くの安定した岩盤に埋設する計画が地層処分であると解説。「新宮市での開催で合計80回目となる。今日は地層処分の仕組みや今後、どのようなステップを踏まえて処分地が決定していくのかご理解を賜ることができれば」とあいさつした。
エネルギー庁放射性廃棄物対策課の来島慎一課長補佐が詳細を報告。最終処分までの流れとして、使用済燃料は資源の有効利用後、高レベル放射性廃棄物の減容化や有害度低減のため、再処理を行い、ウラン、プルトニウムを回収する方針とし、残った廃液をガラス原料と高温で溶かし合わせて固化する。そのガラス固化体は冷却のため30~50年、貯蔵・管理し、地下深部の安定した岩盤に埋設すると解説。地層処分事業には文献調査・概要調査・精密調査などの法定調査や処分地の選定などに約20年、処分場の建設に10年程度、処分場の操業と閉鎖に50年以上かかるとし100年事業であると話した。
グループに分かれた参加者らは職員に対し、「なぜ新宮市で説明会を行うのか」「広報ととってよいか」や専門的な質問があり、職員らは「地域のバランスをみて検討している」「その通り。学校での出前授業も実施している」と対話を進めた。
来島課長補佐は「原子力を使うということは日本のどこかで必ず地層処分を行わないといけない。地層処分の理解を広めるために説明会は今後も予定通り進めていく」と語った。
(2019年2月20日付紙面より)
町職員を対象に養成講座 (串本町 )
串本町職員を対象にした認知症サポーター養成講座が15日に役場本庁であり、28人が受講して修了の証しとなるオレンジリングや同町独自ノベルティ(缶バッジ)を取得した。
同サポーターは、認知症を正しく認識し日常生活面で適切な手助けに努める人材。この講座は厚生労働省の推奨により市町村単位でも活発に開かれている育成の機会で、修了者に同リングを託し同サポーターであることが分かるよう掲げてもらう形で地域における支援の輪を広げている。
串本町は2010(平成22)年からこの講座を開くようになり、同日までに400人弱が修了。同町地域包括支援センターは総人口の2%強という修了者率をさらに引き上げて町域の支援環境を整える必要があると考え、独自ノベルティを作るなどしてこの講座の開講に力を入れ始めている。
多くの町民と接する町職員対象の同講座は、公務と受講の兼ね合いに配慮し複数回にわたって開く考え。その初回となるこの日は各課から2人以上の参加を呼び掛けて開き、同サポーターキャラバンメイトの資格を持つ同センター所属保健師・中まどかさんが登壇して▽認知症サポーター制度の趣旨▽町域の高齢化の現状と見込まれる認知症患者の数▽認知症の特徴と接し方のポイント―などを語った。
総人口と高齢化率から見た町内の65歳以上高齢者は約7000人。65歳以上で7人に1人、75歳以上で4人に1人が認知症を患っていることを伝えて、支援を必要とする人の数を大まかに示唆した。
認知症の6割はアルツハイマー型、2割は脳疾患性、2割はその他。加齢による物忘れとの比較で認知症独特の物忘れや伴う言動の特徴も紹介。中さんは「物事は忘れても気持ちは決して忘れないのが認知症だということを覚えてほしい」とし、言葉以上に感情で伝えることを促しつつ接し方のポイントとして▽まずは見守る▽余裕を持って対応する▽声を掛けるときは1人で▽後ろから声を掛けない▽相手に目線を合わせて優しい口調で▽穏やかにはっきりとした話し方で▽相手の言葉に耳を傾けゆっくり対応する―の7項目、さらに災害時の避難で日常を失ったときの接し方7箇条を伝え託すなどした。
町職員対象の同講座は全職員修了を目標にして続けていくという。
(2019年2月20日付紙面より)
大規模改修終わり竣工式 (うどの幼稚園 )
大規模改修工事が昨年12月17日に完了した紀宝町立うどの幼稚園(岩本小百合園長)で2月19日、竣工(しゅんこう)式があり、西田健町長、西章教育長、町議会議員、辻本将利PTA会長、岩本園長らが完成を祝ってテープカットした。
同幼稚園は1976年に建設され老朽化が進んでいた。町では安心・安全の向上を進めるとともに教育環境の更なる充実を目的に昨年6月から外壁や照明、トイレ、保育室、正門などの改修を実施。学校施設環境改善交付金を活用した。工事費は3471万1000円。
竣工式でテープカットした西田町長は「開園以来、町の先進的な幼稚園教育を展開してきたが、施設の老朽化が進み、大規模改修工事に至った。今後とも一層のお力沿いを」と式辞。設計監理者のタツミ建築設計事務所、建築工事施工業者の前地水道工業所に感謝状を贈呈した。
莊司健町議会議長は「幼稚園が安心できる居場所となるよう見守り育ててほしい」と祝い、岩本園長は「工事中も従来と変わりなく楽しく安心して保育できました。子どもたちは新しい園舎に大喜びです。職員一同、質の高い幼児教育を提供できるよう頑張っていきます」と感謝した。
全園児33人も出席し、手話と英語を交えながら『世界中のこどもたちが』を歌い、「幼稚園をきれいにしてくれてありがとうございました」と伝えた。最後は学用品の贈呈を受けた。
(2019年2月20日付紙面より)
もみじ会2月月例杯
第61回串本バドミントン競技大会
池田仁彦キッズサッカーフェス
商工会議所、納税貯蓄組合連が宣言式 (新宮市 )
新宮商工会議所(関康之会頭)と新宮納税貯蓄組合連合会(島野勝会長)主催の「消費税完納及び軽減税率制度への対応推進」ならびに「ICT(情報通信技術)を利用した申告・納税手続の推進」宣言式が8日、新宮市の新宮商工会議所であった。関係者63人が出席する中、関会頭が「消費税の期限内完納と軽減税率制度の円滑な導入への思いを新たにするとともに、会員自らがICTによる税の手続きを積極的に利用し、広く地域社会の人々に対してもICTによる税の手続きの利用拡大に向けた運動を推し進めていく」などと誓った。
国税庁では、近年のICT化の進展を納税者サービスにも積極的に活用し、ICTを利用した申告の推進に取り組んでいる。国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」やe―TaxといったICTを利用することにより、納税者は税務署に出向くことなく申告を行うことができる。同連合会は2000年から消費税完納推進、07年からe―Tax普及定着の宣言式を地域の各種団体と共に実施している。
式典で島野会長は、新宮商工会議所の運動推進への賛同に感謝し、「年々多様化している税務手続きの普及啓発を図ることは、経済社会のICT化を一層加速させ適正な申告と納税の推進に大変大きく貢献する」とあいさつ。
来賓の丸之内陽一・大阪国税局徴収部長が「皆さんの税金が医療や福祉などに回っている。今日の宣言は非常に心強い」。榎本伸・新宮税務署長は「この宣言に力を得て、納税者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現するという使命の実現に向け、署員一丸となってさらなる努力をしていく」。上村英之・紀南県税事務所長が「消費税はさまざまな行政施策の貴重な財源。完納は地方自治体にとっても大変重要」などと祝辞を述べた。
田岡実千年市長は「消費税の完納を協力して推進していくとともに、納税者の利便性向上と適正な申告、納税のため、ICT利用の推進に努めたい」と祝意を示した。
(2019年2月10日付紙面より)
和歌山ラオス友好協会(田邉毅一会長、会員数46)は8日、新宮市井の沢の新宮ユーアイホテルで総会を開いた。20人が参加し4議案を承認。役員改選では田邉会長が再任された。
協会はラオスの観光と教育を援助し、友好的な関係を築こうと発足、5年目を迎える。ラオス人民民主共和国は、自然と歴史的文化遺産が多く、「ルアンパバーンの町」と「チャンパサック県の文化的景観にあるワット・プーと関連古代遺産群」が世界遺産に登録されている。
協会の2019年度事業として▽国際協力・親善に関する交流事業▽教育支援事業▽募金活動▽会員相互の親睦▽会員増強―などを予定している。
総会後の懇親会で田邉会長は、昨年10月にラオスを親善訪問しルアンパバーン市の副市長らと面談した時の様子を回顧。「空港を下りるとインフラ整備が進み、町が見違えるようだった。しかし教育現場は何も変わっていない。教材は2、3人に1冊、鉛筆や制服を持っていない子もおり、お弁当のおかずを用意できないため、米に水をかけて食べる子もいることを聞いた」と述べ、ナールワン小学校とクアンティーネン小学校の児童ら約600人に対する制服と文房具の寄贈を報告した。
教育施設の建設も進めているとし「来年か再来年の1月末完成を目指し着工したい。夢を引き寄せるためには会員の増強が必要。ボランティアは根気よくやっていかなければならない」と協力を呼び掛けた。
田堀国浩・東牟婁振興局地域振興部長は「取り組みによって新たな交流が生まれ、この地域にとっても地域活性につながる」と祝辞。在京都ラオス人民民主共和国名誉領事の大野嘉宏さんがラオスの近況を報告し、乾杯の音頭を取った。
(2019年2月10日付紙面より)
紀宝町立鵜殿小学校(辻至校長、児童232人)の3年生32人が8日、社会科の授業で同町大里の町立ふるさと資料館(栗須高洋館長)を訪れ、昔の暮らしぶりを学んだ。
16人ずつの2グループに分かれ、資料館を訪れた。元鵜殿小学校長の栗須さんが、施設に展示してある昭和初期ごろの生活用品などを紹介した。
後半グループの児童は、映像で約80年前の生活を学習。水道がなかった時代は各家庭に井戸があり、水がめにためて飲み水などとして使用していたことや、土間にあるいろりを囲んで食事していたことなどを学んだ。
この後、栗須さんが氷を入れて使用した大正~昭和30年代の冷蔵庫や火鉢、アイロン、こたつなど展示物を説明し、「電気がなかった頃はアイロンも炭火を使い、植物油を使ったランプで家の中を照らしていた」などと話した。
第2次世界大戦前の昭和11年の小学校教科書を用い、軍艦や大砲の数え方が出題されているなど、時代背景も伝えた。
栗須さんは2年前まで同校の校長を務め、児童たちは「先生、先生」と呼びながら質問していた。見学後は、「面白い物がいっぱいあった」「昔のカメラを初めて見た」と感想を語った。
(2019年2月10日付紙面より)
審査委員長は和田久士さん (太地町 )
第1回石垣記念館写真展が開催されている。15日(金)まで。昨年11月から公募し、自然の風景など26点の力作が展示されている。初日は、審査委員長の写真家・和田久士さんによる展示作品の講評があり、出品者6人が集まった。
和田さんは「構図的にとてもよくまとまった絵がそろった」との総評の後、それぞれの作品の前で光の加減や構図、焦点を当てるポイントなど作品をより良くするための手法を丁寧に話した。撮影場所の選び方や建築物を撮影する際の立ち位置、カメラレンズの選択などのアドバイスもあり、来場した出品者らは熱心に聞き入っていた。
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入賞者は次の皆さん。
■町長賞第1席
「荘厳なる夜明け」渡辺昌也
■町長賞第2席
「秋の古座川峡」早山信武
■町長賞第3席
「渚の造形」野中誠一
■審査委員長賞
「大地の血管」山際 實
■入賞
「道」坪井洋一
「遠投」長雄正紘
「落葉」楠本憲平
「飛び出す瀞鏡」長谷 洋
「春光」日下生 修
「里の春」濵口恵美
「縁側越しに見る十牛之庭」浦 修造
「厳寒の自然美」宇井ますみ
「気嵐の中で」佐藤芳幸
「積年のしだれ梅」庄司起也
「渚の宝物」宮本成也
「パレードの瞬間」橋本久雄
(2019年2月10日付紙面より)
決勝戦は10日午後0時30分キックオフ (和歌山県高校サッカー新人大会 )
第4回バドミントン大会を開催 (紀南バドミントン協会 )
那智勝浦町体協グラウンドゴルフ部初春大会
新宮市神倉神社
熊野地方に春の訪れを告げる「御燈祭(おとうまつ)り」が6日夜、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)の摂社、神倉神社で営まれた。今年は1703人(主催者発表)の上がり子(祈願者)たちが神倉山に集まり、中腹にあるご神体「ゴトビキ岩」の下で御神火を授かり、538段の石段を下った。
新宮節の一節に「山は火の滝、下り竜」とうたわれ、1500年以上の歴史と伝統を誇る、全国でも珍しい女人禁制の火祭り。2016年3月、国の重要無形民俗文化財に指定された。
白装束に荒縄を巻き、わらじを履いた男たちがかざしたたいまつの炎が滝のように流れ、山肌を赤く染めた。
新宮高校3年の宇佐川楓人君は「火は熱かったけど、毎年上っていて楽しい」、王子ヶ浜小学校4年の新谷悠大君は「今年は寒くなく上りやすかった。来年も上りたい」。1歳3カ月の息子と上った東勇太さんは「子どもも泣かずに下りてくることができ、最高でした」と話していた。
(2019年2月8日付紙面より)
裾野市観光協会が那智山視察 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の那智山へ3日、静岡県の裾野市観光協会(秋山清美会長)18人が視察研修に訪れた。那智勝浦町観光協会が熊野那智大社や青岸渡寺などを案内した。
研修は、地元に本流3本(雄滝)と支流(雌滝)の2本からなる県指定天然記念物「五竜の滝」がある裾野市の観光協会から、日本一の落差を持つ那智の滝や那智山の神社仏閣を視察したいとの申し出があり、実施に至った。
同協会では観光客の滞在時間の延長などを課題としており、那智勝浦町の観光地やその取り組みを確認して解決や今後の観光業務に生かすことを目的として研修を実施した。一行は熊野那智大社や青岸渡寺を参拝し、土産物屋などを視察後に滝へと向かった。
秋山会長は「裾野市の五竜の滝はこちらのように神社仏閣がない。いかに滞在時間を延ばすかが課題」と述べ、「やはり日本一の滝は高さがあって良い。滝があって神社仏閣ができ、世界遺産へとつながっていると聞いた。取り組みも含め、勉強させていただいた」と語った。
那智勝浦町観光協会の堀克也事務局長は「世界遺産15周年の年。熊野古道や那智大社、青岸渡寺をしっかりと見ていただけたら。滝つながりの裾野市さんにとって、今後に生かしてもらえる点があればうれしい」と語った。
(2019年2月8日付紙面より)
西向の成就寺で防火訓練 (串本町 )
串本町西向にある成就寺(大崎實宗住職)で6日、防火訓練があった。雨天のため、今回は本堂や庫裏で通報と寺宝の運び出しのみ実践。消防署員から訓練実施のきっかけになっている文化財防火デーの趣旨や消火器の説明、日頃の備えに対する助言を受けるなどして防火意識を高めた。
この訓練は、同町教育委員会が毎年の文化財防火デーに合わせて実施の調整をしていて、古座地区では同寺と古座の善照寺が交互に隔年で取り組んでいる。同寺は江戸中期に活躍した絵師・長沢芦雪(ろせつ)の襖(ふすま)絵などを所蔵していた(現在は県立博物館に預けている)経緯があり、他にも寺宝や本尊、過去帳など後世に伝えるべき品を数多く所蔵。それらを火災から守る観点で責任役員ら檀家にも参加を呼び掛けて取り組んでいる。
庫裏の炊事場から出火した想定で同訓練を始め、大崎住職夫妻が「火事だ」と叫んで本堂に居合わせた檀家らに出火を伝え、119番通報をしている間に檀家らは手分けして堂奥から寺宝に見立てた箱をすぐに外へ持ち出せる位置まで運んだ。
過去の訓練では、寺宝を門外まで運び出した後に駆け付けた消防が放水を行うところまでを一連の流れとしているが、今回は屋内対応のみ。境内で取り組んでいる初期消火の練習も雨で行えないため、今回は堂内で消火器の種類や取り扱い方、日頃の管理で注意すべき点(本体の劣化や蓄圧式の場合はガス圧の低下など)の説明を受けた。
講評では、通報、初期消火、避難誘導に加え寺宝の持ち出しもある状況は住職夫妻だけでは対処しきれないとし、責任役員への速やかな連絡体制をあらかじめ考えておき、対処するときの役割分担も意識した方がよいなどの助言があり、大崎住職も助言を重々受け止めて同訓練を締めくくった。
この日は串本地区の無量寺でも文化財防火デーにちなんだ防火訓練が行われた。
(2019年2月8日付紙面より)
紀宝町げんき塾講演会
紀宝町げんき塾による講演会が1日、同町役場2階大会議室で開かれた。塾生ら約20人が参加し、三重大学の西村訓弘副学長から話を聞いた。
元気塾は地域活動のリーダーや担い手の発掘・育成を図るとともに担い手間のネットワークを構築することを目的に、2017年4月に発足。20人が所属し、インスタグラムで町の情報を発信している。3月24日(日)には同町大里の田代公園で「げんき塾マルシェ」を開催する。
講演のテーマは「まちのリーダーづくりとリーダー達との取り組み事例について」。三重県は29市町のうち四日市市、津市、鈴鹿市など北部6市で全人口の67%を占める一方、高齢化率は南部が高いと説明した。
西村さんは「北部と南部で生じる生活格差が、日本の大都市と地方の縮図と重なる。南部(地方)は本当に駄目なのか」と述べた上で、県南部の農業、漁業の現状を解説した。
「地方の景色は変わっていないが、社会背景が変わったことを受け止めるべき」。県内各地の取り組みを紹介した上で、「地域内流通の考え方を理解し、創造していくことが強い農業、漁業を実現し、1次産業の再起が地域を創生し、地域からの強い経済成長を生み出す」と示した。
地方で活躍するために必要な考え方として「先入観を捨て、自身のインスピレーションを信じて生きること」と伝えた。
(2019年2月8日付紙面より)
田中章雄さんが講演 (那智勝浦町 )
一般社団法人和歌山県発明協会は1月30日、那智勝浦町商工会館で「地域団体商標の活用とブランド戦略~地域資源を活用して魅力アップへ~」を開いた。南紀くろしお商工会協力。株式会社総合研究所代表取締役社長の田中章雄さんが講師を務め講演。参加者らは地域活性化に生かせるブランド戦略や事例を学んだ。
同協会の小畑俊嗣常務理事・事務局長は「ブランド戦略は地域活性化につながる。今後も南紀くろしお商工会さんと協力し、開催していきたい」とあいさつした。
田中さんはブランド構築のツールで活用される地域団体商標制度を解説後、「過去の成功事例をまねしてもうまくいかない。会社に余力があるうちに新しいことに取り組み、誰もやっていないことをやらないと駄目」と主張。15年前の時点では「地域活性化」の対象は日本国内のものだったが、現在はインバウンド(外国人観光客)があると述べ、大きな市場になっていると述べた。
地域のブランド力を高めるには▽魅力づくり(付加価値化)▽魅力の伝え方(ターゲティング)▽顧客満足度の向上(体験化)―の戦略が必要と述べ、無形資産では「知的財産」「人的資産」「文化歴史等」「イメージ等」を挙げ、「いかに付加価値をつけられるか、いかにほかの商品と差別化できるかが売れる、売れない商品の差になる」と説いた。男性と女性によって視点が違うことにも注意が必要とした。
田中さんは国内で料理や農業などさまざまな体験が流行していることに触れ、「体験は興奮状態のため、良いものが増幅される。食べたものがよりおいしく感じる。これによって和歌山の魅力も伝えることはできる」と語った。
(2019年2月1日付紙面より)
相続・事業承継の講演会 (串本町 )
串本町商工会館で1月28日夜、講演会「落語で学ぶ相続・事業承継」があり、50人が聴講してトラブルを招かない在り方を学んだ。
この講演会は、役場産業課と同町商工会が主催。どの家庭や事業所でも起こる引き継ぎの在り方を実務家に教わり、適切に乗り切るための知識や心掛けを託す趣旨で参加を呼び掛けた。
講師はこころ亭久茶(きゅうちゃ)さん。行政書士やファイナンシャルプランナーなどの実務経験に基づく知識や話題を落語による情景描写も織り交ぜながら伝える講演で定評があり、今回は固く難しいという印象を持たれがちな相続や事業承継をテーマにして解説を重ねた。
前半は相続関係の内容で、兄弟の相続トラブルを落語で描写しつつ「子どものけんかは人生の悔いになる」として、目に見える財産だけでなく先祖や子孫への思いや自分の生きざまなども記すなど心を込めた遺言書を残すことや、長寿に伴う老いに備えて後見制度や民事(家族)信託といった手法の活用にも関心を持つよう促すなどした。
後半は事業承継関係で、創業以来最大のピンチともいえるこの状況において後継者は社外より先に社内の信頼を作るよう強調。事業には「不易(経営理念や社訓、社会的責任など)」と「流行(販売手法、商品開発、サービス拡充など)」の両側面があり、後継者は売上向上を優先し「流行」を意識しがちだが、他方で経営理念などを引き継がないと社員に迷いが生じ、その状況を見た社外も警戒する。その先では社員の離職や取引停止などがあり、それらの状況が事業承継をうまくいかなくすると筋道立てて伝えた。
久茶さんは、専門家も交えたチームで事業承継をすることを推奨。経営者が後継者を選び、実務家でもある久茶さんは教育などのペースメイキングをしていると紹介し、その役割はコンサルタントであったり顧問税理士であったり経営指導員であったりとさまざまだが、熟練の経営者と未熟な後継者の見解の相違に伴う口論で承継を難しくしない手法として勧めた。どうしても後継者が得られない場合は、M&A(企業の合併や買収)や事業譲渡も選択肢であり昔は恥と思われることもあったが、今は事業が社会的に認められているからできることであり、経営者は胸を張ってやってきたことをバトンタッチしてほしいとした。
(2019年2月1日付紙面より)
在宅介護住民啓発講演会 (紀宝町 )
紀宝町地域包括支援センターでは、高齢者が住み慣れた地域で安心して生活が送れるよう幅広く相談に応じ、支援を続けている。介護予防事業にも取り組み、必要に応じて福祉、保健、医療など関係機関と連携して対応している。
1月25日には、鵜殿地域交流センターで「在宅医療・介護住民啓発講演会」を開催。地区住民ら32人が参加した。
住民と専門職の人が在宅医療を気軽に話し合える機会を設け、人生の最終段階を迎えた時にどうするか考える機会を提供することが狙い。
町内4カ所で実施を計画しており、その一環。はじめに同支援センターの職員らが寸劇で退院を迫られている夫婦を演じ、介護付き高齢者住宅や有料老人ホーム、在宅でヘルパーを利用した場合の費用負担などを示し、「自分でできることは自分ですることが大切。お金も節約できる」と啓発。町内には19の関連施設があることも示した。
講演会はパネルディスカッション形式で進められた。司会役のコーディネーターは県地域医療研修センターの鈴木孝明センター長が務め、意見を発表するパネラーには特別養護老人ホーム宝寿園の弓場啓史相談員、町社会福祉協議会の小山高司ケアマネジャー、紀南病院地域連携室の阪口智美副看護部長、相野谷診療所の松林研二医師が参加した。
弓場さんは宝寿園を18床のショートステイも実施している施設と紹介し、小山さんは施設をどう利用していいか、個々の事情に応じてマネジメントしていると説明した。阪口さんは「困っていることがあれば、看護師に相談を」とアドバイスし、在宅医療を推進する松林医師は、主体的かつ上手なケアマネジャー利用を勧め、「どの医者も在宅医療ができるようにしなければ」と意見を述べた。
参加者からはリハビリなど質問が相次ぎ、鈴木センター長は「皆さんは意識が高く、勉強されている」と感心。主催者は「相談先の不明なときは、まずは包括支援センターに」と呼び掛けた。
(2019年2月1日付紙面より)
昭和52年卒還暦同窓会が寄付 (新宮高校 )
新宮市神倉の県立新宮高校(前田成穂校長)を1977(昭和52)年3月に巣立った第29回卒業生の代表ら4人が1月30日、同校を訪れ、還暦記念同窓会の会費の一部を母校に寄付した。
同窓会は2日に那智勝浦町のかつうら御苑で開かれ、184人が出席。77年当時は1クラス40人以上の13クラスあり、557人の卒業生がいた。恩師も3人が出席し、歌や談笑などで旧交を温めたという。
贈呈式には還暦同窓会の世話人を代表し、國見一郎実行委員長、野尻政典さん、川合啓介さん、坂本寿志さんの4人が来校し、余剰金7万1612円と会場で募った募金など4万3479円の計11万5091円を同校同窓会の夏山晃一会長に手渡した。
寄付金を手渡した國見実行委員長は「体育祭や文化祭、ロングハイキングなど、これからの学校行事に少しでも役立ててもらえれば」。夏山会長は「気持ちを寄せてくれるだけでもありがたいが、寄付をしていただき感謝でいっぱいです。今後の学校活動費として大切に使わせていただきます」と話していた。
(2019年2月1日付紙面より)
第35回新宮マラソン大会