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2021年09月23日
1 事故減少のために協力を
 広角南交差点、信号機表示変更へ  (新宮警察署 )

 国道42号、広角南交差点(新宮市)の信号機の表示方法が今月30日の夕方ごろから変更となる。変更に伴い、同交差点は同日午後2時ごろより切り替え工事を実施。新宮警察署では「工事中は渋滞が発生する可能性もあるが、警察の指示に従って安全運転に協力を」と呼び掛けている。

 現在、青信号で直進左折車と右折車が同時通行となる同交差点。直進車と右折車の接触事故が絶えず、令和2年中(1~12月)には人身事故1件、物損事故7件が発生。今年1月から8月末にかけては人身事故の発生はなかったものの、10件の物損事故が発生している。

 信号機の表示切り替えは、右折車と直進車の接触を避けるなど、交通事故を一件でも減らすために講じられるもので、切り替えにかかる工事は数時間を予定しているという。改良後には矢印信号により直進左折車と右折車が分離となる。

 同署の楠間慎也交通課長は「交通状況の改良のためということにご理解を。ご迷惑をお掛けするかもしれないが、矢印信号に従って安全運転で通行していただければ」と話している。

(2021年9月23日付紙面より)

信号運用が変更となる、新宮市の「広角南」交差点

2021年09月23日
2 安心して遊べる公園を
 昨年度うどの幼保護者ら要望  (紀宝町 )

 昨年度の紀宝町立うどの幼稚園の保護者らが21日、紀宝町役場で西田健町長と面会し、184世帯479人分の署名を添えて防災公園の設置を要望した。

 既存の公園の老朽化やコンビニがたまり場になっていること、室内でのゲーム遊びに依存しがちになっている現状を踏まえ、令和2年度の同園PTA役員会が、3月から町内の子育て世代への署名活動を行った。

 新年度になったため、名称を「防災公園設立委員会」とし、子どもが安心して遊べる場所づくりを求めて取り組んでいる。

 要望では▽子どもが徒歩や自転車で行ける場所への設置▽安全に自転車の練習ができる広さがあること▽子どもから高齢者までが集える環境であること▽災害時にも活用できる機能があること―などを訴えた。

 この日は、委員長で同PTA前会長の中澤武さん、副委員長の中村和隆さんが訪れ、西田町長に要望書を渡し、意見を交わした。

 中澤さんは「子どもとお年寄りが寄り添えるような場所にしたい。次世代に地元にいてもらえるような起爆剤になり、地方創生に結び付けばいい」と伝えた。中村さんも「大人の目が届き、安心して遊べる場所に公園をつくってほしい」と話した。

 西田町長は「紀宝町に住んでもらいたいというのが原点で、このまちで安心して子育てをしていってほしい。気持ちはしっかり受け止めたい」と答えた。

 同町によると、町内に公園は条例化されていない4カ所を含めて18カ所ある。地区別では、鵜殿10カ所、井田2カ所、神内1カ所、成川1カ所、鮒田2カ所、大里2カ所となっている。

(2021年9月23日付紙面より)

要望書を渡す中澤武さん(中)と中村和隆さん(左)=21日、紀宝町役場
2021年09月23日
3 交通ルールの順守呼び掛け
 秋の交通安全運動で啓発  (串本町 )

 正しい交通ルールの順守とマナーの実践を呼び掛ける「秋の全国交通安全運動」が21日、始まった。串本町くじ野川の橋杭海水浴場駐車場では街頭啓発があり、関係者らが物資を配布しドライバーへ安全運転や交通ルールの順守などを求めた。

 同運動は30日(木)までの10日間。県内では▽子どもと高齢者をはじめとする歩行者の安全の確保▽夕暮れ時と夜間の事故防止と歩行者などの保護など安全運転意識の向上▽自転車の安全確保と交通ルール順守の徹底▽飲酒運転などの悪質・危険な運転の根絶―を重点にし活動が行われる。

 この啓発では交通事故をなくする県民運動推進協議会串本地区連合会の事務局・東牟婁振興局串本建設部、串本警察署、町交通指導員会、串本地区交通安全母の会、町などの関係者らが参加。同連合会会長の久保浩也・串本建設部長は重点を挙げ、秋の行楽シーズンで交通量も増加することから交通安全運動の取り組みの効果で事故が少しでも減少すればと述べた。

 同町の平井治司副町長は「運動期間中はもとより、日頃からも町において職員一丸となり交通ルールを順守するとともに、マナーの向上に努め、交通事故防止活動に積極的に参加し、町民の模範となるよう努力していきたい」。

 串本警察署の泉政勝署長は8月末現在の管内の交通事故発生状況を人身事故12件、物損329件の計341件で昨年同期と比較し微増していると説明。うち8割近くが地域住民の関わる事故となっており、啓発活動を通じ地元住民に「安全運動なんや。気を付けて運転せなあかん」と思ってもらうことに価値があると呼び掛けた。

 あいさつ後、パトカーや白バイがそれぞれパトロールに出発。以降ドライバーを駐車場に誘導し、物資を手渡すと「交通安全運動です」と声を掛けるなどして注意を促した。

(2021年9月23日付紙面より)

啓発物資を手渡し、注意を促した=21日、串本町くじ野川
2021年09月23日
4 渚の会が清掃に取り組む
 秋の海ごみゼロウイーク  (那智勝浦町 )

 日本財団「海と日本PROJECT」と環境省などが実施する全国一斉清掃キャンペーン「秋の海ごみゼロウイーク」にエントリーした「かつうら渚(なぎさ)の会」(猪飼伸会長)は19日、那智勝浦町のブルービーチ那智で清掃活動に取り組んだ。会員や一般参加者など45人ほどが集まり、マスク着用や3密に注意するなど新型コロナウイルス感染症対策を施して作業に汗を流した。

 清掃キャンペーンは同財団らが海洋ごみ問題の周知啓発と海洋ごみの流出を少しでも防ぐことを目的に、「ごみゼロの日」の5月30日から6月8日の「世界海洋デー」前後を「春の海ごみゼロウイーク」、9月18日の「ワールドクリーンアップデー」から26日までを「秋の海ごみゼロウイーク」と定めている。渚の会は春にもエントリーし、約100人が参加して海岸をきれいにした。

 前回と同様にキャンペーンの必須アイテムである青色の服やタオル、帽子などを身に着けた参加者が協力し合って海藻や流木などの漂着物やごみを拾った。

 同会の濵邊誠治副会長は「天気や潮によって漂着物の量は違うが、有名な那智の浜をきれいにすると気持ちがいい」。

 猪飼会長は「次回からは那智浜での清掃はザルなどを使って少しでも砂を減らさないようにしようと思う。若い世代の参加者が増えてくれてうれしい。子どもから大人まで皆さんで町の海をきれいにしていきたい」と語った。

(2021年9月23日付紙面より)

清掃活動に取り組んだかつうら渚の会や参加者の皆さん=19日、那智勝浦町のブルービーチ那智(一時的にマスクを外して撮影)
ごみ拾いに汗を流した
2021年09月23日
5 口紅のごとくあでやかに  宇久井半島の森にクチベニタケ  (那智勝浦町 )
2021年09月23日
6 和歌山31年連続で下落  三重も下落止まらず  (基準地価 )
2021年09月23日
7 追加含め全議案可決で閉会  那智勝浦町議会9月定例会  
2021年09月23日
8 観光機構や懸泉堂利活用で議論  那智勝浦町議会一般質問(終)  
2021年09月23日
9 対策講じ、練習再開  那智勝浦吹奏楽団  
2021年09月23日
10 2カ月ぶり、練習再開  紀の国わかやま文化祭「天の剣を託された男」  (熊野新宮ミュージアム )
2021年09月23日
11 新鮮で楽しい思い出  5、6年生がデイキャンプ  (熊野川小 )
2021年09月23日
12 町の発展祈願し斎行  勝浦八幡神社例大祭  
2021年09月23日
13 正しく使おう「抗原検査キット」  図らずも、PCR体験  
2021年09月23日
14 交通安全活動に協力を  安全運転管理推奨像伝達式  (紀宝署 )
2021年09月23日
15 楽しい一日過ごす  潮岬小5年生がデイキャンプ  (串本町 )
2021年09月23日
16 第3回定例会一般質問①  串本町議会  
2021年09月19日
17 古式捕鯨のモリなど提供
 紀伊風土記の丘で特別展  (三輪崎小 )

 和歌山市の県立紀伊風土記の丘で開館50周年を記念した令和3年度秋期特別展「海に挑み、海をひらく―きのくに七千年の文化交流史―」が10月2日(土)から12月5日(日)まで開催される。新宮市立三輪崎小学校でこのほど、展示品として同校所蔵のモリを貸し出し提供すべく、梱包(こんぽう)作業が行われた。

 同展は紀伊半島の沿岸に暮らした先人たちや海の歴史を考古学と民俗学の観点から紹介することがテーマ。和歌山県発祥の漁業にもスポットを当て、改良を重ねた技術が全国各地に伝わったことや、新宮・東牟婁含む県内各地の漁具や資料などが展示される。

 同校のモリ2本は寄贈されたもので、捕鯨を行っていた三輪崎組の紋「三つの輪」が刻まれている。このモリに加え、クジラのひげや疑似餌などが貸し出しされる。

 三輪崎区や三輪崎郷土芸能保存会、三輪崎漁業協同組合も協力。「鯨踊りの衣装」や「捕鯨に関する写真」「一本釣りに使用した竹の釣り竿」なども展示されるという。

 紀伊風土記の丘の主査学芸員・蘇理(そり)剛志さんは「県内では江戸時代から明治半ばまで捕鯨をやってきたのが、太地や古座、三輪崎。紆余(うよ)曲折を経て、約300年にわたり、行ってきた文化が残っている。三輪崎の捕鯨はなくなったが、鯨踊りなど、さまざまな形で伝統が引き継がれ、地域の誇りになっている」。

 モリについては「古式捕鯨時代のもの。形も古く、数も残っていない。古くからある三輪崎鍛冶にもつながる。鉄を加工する技術あってこその捕鯨。このモリは重要なものだと思う」と話した。

 嶋田雅昭校長は「当校は三輪崎郷土芸能保存会の皆さまから鯨踊りや捕鯨について教えていただいているため、児童も三輪崎の捕鯨文化に触れることができている。価値のあるモリなどを多くの方々に見ていただけるのはうれしい」。

 児童に対しては「博物館に展示されるほどの貴重な物が学校にあるということを児童にも伝えたい。県内での修学旅行になるため、行き先の一つとして展示を見に行くことも検討している」と語った。

 なお、太地町の鯨舟の模型や鯨絵巻、串本町の河内祭の道具なども展示される予定。

(2021年9月19日付紙面より)

貸し出しのため、モリを梱包する=新宮市立三輪崎小学校
三輪崎小所蔵のモリを中央に配したポスター
2021年09月19日
18 コロナ禍の避難を考える
 相須地区でいきいきサロン  (新宮市熊野川町 )

 新宮市熊野川町の相須集会所で16日、「ふれあいいきいきサロン」があった。地域住民5人が参加し、防災クイズを交えてコロナ禍の避難について考えた。

 サロンは地域のコミュニティーづくりや介護・寝たきり防止、1人暮らしの人への見守りなどを目的に、区と市社会福祉協議会が協力して開いている。新宮市の施設利用再開を受け、手指消毒や参加者全員の検温、マスク着用などの感染対策を取りながら実施した。

 この日は市社協熊野川ステーションの大江真季さんが、コロナ禍中に災害が発生して避難所生活を送ることになったときの備えについて講話。「災害時は危険な場所から避難するのが原則だが、食料や水に加えてマスク、アルコール消毒液、体温計などの感染対策用品を持ち出し袋へ入れておくことが大事。9月の防災月間に合わせて市内のスーパーマーケットに防災用品コーナーができているので、一度見に行ってみて」と呼び掛けた。

 「高齢の方や足の悪い人は警戒レベル3の『避難準備・高齢者等避難開始』のときにはもう避難しておいてほしい」と言い、改めて早期避難の重要性を伝えた。

 住民からは「紀伊半島大水害の時、なかなか救援物資が届かず難儀した」「自分の身は自分で守らなければ」との声があった。

(2021年9月19日付紙面より)

最新の非常食について解説=16日、新宮市熊野川町
2021年09月19日
19 来年への思い胸に式典斎行
 宇久井神社例大祭・宵宮祭  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の宇久井神社(男成洋三宮司)例大祭の宵宮祭が17日夜、本殿であった。例年多くの人でにぎわうが、昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止のため宵宮と本宮の規模を縮小。神職や祭典役員、党家講など関係者ら約20人が参列して厳かに式典が斎行された。

 例年の宵宮では、式典後に宇久井青年会と秋葉会による神楽の奉納や宇久井婦人会による踊りが場を盛り上げ、盛大に餅まきが行われているが、昨年、今年は取りやめとなった。

 台風接近の影響で雨が降る中、式典が進められた。熊野那智大社から出仕した伊藤士騎禰宜が神事を執り行い、祝詞を奏上。出席者が玉串をささげた。

 式典後の神酒拝載では伊藤禰宜が「コロナが終息に向かいまして、活気あふれる宇久井のお祭りが復活することを心よりお祈りしております」と述べ、一同、手にした杯で乾杯した。

 祭典委員長の亀井二三男さんは「残念ながら省略した形での宵宮祭となった。昨年は当地域でのコロナの影響は少なかった。来年こそはと思っていたが、感染が広がり今年も縮小する形となった。2年はわれわれにとっては大きな年。祭典関係者の高齢化も進む中、2年間休んで来年は体力的に大丈夫だろうかとの懸念もある」。

 来年については「地域の祭りは氏子の方々にとって大切なもの、決断は心苦しかった。今回の祝詞にもコロナ終息の思いを込めていただいた。来年こそは皆さまの豊漁や健康を祈り、盛大にやっていきたい」と意気込みを語った。

(2021年9月19日付紙面より)

規模を縮小し宵宮祭が斎行された=17日、那智勝浦町の宇久井神社
コロナ終息と来年への思いを胸に乾杯した
2021年09月19日
20 地域の伝統踊り子どもたちに
 4年生が「鵜殿ばやし」を練習  (鵜殿小 )

 新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの祭り、イベントが規模縮小や中止を余儀なくされ、紀宝町鵜殿地区で毎年11月22、23日に開催される「うどのまつり」も2年連続の中止が決まった。

 秋を彩る「うどのまつり」は、鵜殿ばやしの手踊りが練り歩き、熊野水軍太鼓の演奏、諸手船(もろとぶね)をかたどったダンジリの上でハリハリ踊りを披露するなど、毎年、地区内が祭り一色に包まれる。

 鵜殿ばやしは1992年に誕生し、96年に保存会が発足。うどのまつりや紀宝みなとフェスティバルなどで披露し、町村合併以前の旧鵜殿村運動会でも住民総出で踊ったという。

 その地域の伝統踊りを子どもたちに継承してもらおうと、町立鵜殿小学校では毎年、運動会で4年生のプログラムに組み込んできた。

 昨年は新型コロナの影響もあって運動会で披露する機会がなかったが、今年は10月2日(土)の運動会で2年ぶりに復活する。

 本番に向け、4年生35人が保存会のメンバーに踊りを教わりながら練習に励んでいる。15日にはメンバー4人が訪れ、細かい動きを丁寧に指導した。

 「沖を眺める」「網をたぐり寄せる」など漁師のしぐさを盛り込んだ男踊り。手を上げる角度や指先の力の入れ方など、難しい動作も多く、児童たちはアドバイスを受けながら覚えていった。今後も本番まで練習を重ねるという。

 メンバーの松元美国さんは「現在の保存会メンバーは20人ほど。昨年から鵜殿ばやしを披露する場がなくなり、踊りを知っている子どもも少なくなってきた。鵜殿の伝統を引き継いでもらい、来年、祭りが開催されれば参加してもらいたい」と話していた。

 女子児童は「踊りは難しいけど、頑張って運動会までに覚えたい」と笑顔を見せていた。

(2021年9月19日付紙面より)

鵜殿ばやしの練習に励む4年生=15日、紀宝町立鵜殿小学校
2021年09月19日
21 21日から通常授業再開  和歌山県内の県立学校  
2021年09月19日
22 追加を含め全議案可決  9月定例会が閉会  (太地町議会 )
2021年09月19日
23 避難路整備や鯨類施設で議論  太地町議会一般質問(終)  
2021年09月19日
24 ツリガネニンジンの花  宇久井ビジターセンター  
2021年09月19日
25 対象者の約8割が予約済み  新型コロナワクチン接種  (紀宝町 )
2021年09月19日
26 早期発見、集団感染の防止に  「抗原定性検査キット」を配備  (紀宝町 )
2021年09月19日
27 公正な選挙確保のために  熊野、紀宝署に選挙違反取締本部  (熊野市長選 )
2021年09月19日
28 これが「私の新宮遺産」  新宮市観光フォトコンテスト入選作品紹介  (学生の部 )
2021年09月19日
29 お悔やみ情報
  
2021年09月18日
30 人と地域をビールでつなぐ
 「色川地ビールを育てる会」が会員募集  (那智勝浦町 )

 「最初は僕たちや皆さんで楽しむビール。将来的には色川の仕事の一つにつながるビールになれば」。そう話すのは那智勝浦町小阪区長の峯茂喜さん(66)と和歌山大学観光学部4年の藤本多敬(かずひろ)さん(22)だ。二人が共同代表を務める色川クラフトビールプロジェクトはこのほど、色川地域の茶を用いた地ビールを試作。今後のさらなる生産拡大や地域おこしのために「色川地ビールを育てる会」を組織した。峯さんが会長、藤本さんが副会長を務め、現在会員を募集している。なお、酒税法の関係から、販売は行ってない。

 藤本さんは3年前に和大の地域インターンシッププログラムで色川地域を訪れ、峯さんと出会った。同伴していた此松昌彦教授が高野山の地ビールづくりにも関わっており「色川でビールをつくれば良いものができるのでは」と提案した。

 二人は意見交換や会議を重ね、学生や町民も参加する中、今年4月からプロジェクトを開始。非営利の育てる会では経費を会員(割り勘仲間)自身が負担し、完成したビールを楽しむという。

 同地域の一部は世界遺産「那智の滝」の源流の水を使用している。今後、ビールの原料にはその水と同地域で収穫される茶やユズ、ブルーベリーなどを用いる予定。醸造は和歌山市の和歌山ブルワリーに委託する。峯さんによると、試作品は住民らに好評だったという。

 本格的な初回生産は12月で、同地域のほうじ茶を使用する。その後は3カ月ごとに用いる産品を変更する方針だ。1回の生産で完成する330㍉㍑の瓶ビール約380本を会員で分ける仕組み。今後はラベルにもこだわり、一目で色川を連想できるようなものを作るという。

 活動は1年間限定としており、「ビールづくりが色川の仕事になることが目標。全国には色川のファンも多い。地ビールを仲介し、人と色川をつなげる存在になってほしい」と二人。

 藤本さんは「将来的には色川に醸造場ができて、地ビールで地域おこしができれば。ジビエとのセットも魅力的だと思う。地域の中でお金が循環するようなきっかけづくりになれば」。

 峯さんは「農業をしたい移住者も多いが、収入面などの課題がある。それらの解決につながるのでは。『旅行者が地ビールを求めて旅をする』という言葉もある。多くの方々が地ビールを求めて色川を訪れてくれたらうれしい」とそれぞれ語った。

 会員になるには申し込みが必要で分担金は1口1500円。すでに他府県からの申し込みもあるという。会員同士のオンラインによる飲み会も検討しているとのこと。

 問い合わせは同プロジェクト(電話090・1893・6900)、メール(irokawa.craft.beer@gmail.com)まで。

(2021年9月18日付紙面より)

試作品を持ち「地ビールで地域おこしを」と語る峯茂喜さん(左)と藤本多敬さん=13日、那智勝浦町小阪
2021年09月18日
31 日本の伝統「詩舞」、華麗に
 哲泉流南紀清流支部が披露  (紀宝町 )

 哲泉流和歌山県支部連合南紀清流支部が15日、毎月恒例の集い「カフェいっぷく亭」に招かれ、紀宝町福祉センターで詩舞と江戸芸かっぽれを披露した。

 いっぷく亭は参加者同士やスタッフと日頃の思いを話し合い、交流を深める場。毎回、検温、手指消毒など感染症対策を講じ、手の平体操やさまざまなゲームを楽しんでいる。

 南紀清流支部には講師の荘司瀞扇さんをはじめ、6~86歳の12人が所属。今回は人数を限定し、5人が訪問した。

 詩舞は吟詠に合わせて扇を使って舞う日本の伝統芸能。「武田節」「東風吹かば」「川中島」「名槍日本号」「英霊南より還る」を華麗に舞い、扇で詩吟を表現した。

 かっぽれは、無形文化財の「住吉踊り」がルーツと伝わる大道芸、お座敷芸の一つ。「茄子と南瓜」「かっぽれ」の2演目を見せた。

 いっぷく亭の参加者らは静かに舞を見入り、大きな拍手を送った。最後はスタッフの橋本純子さんが「お上手で目の保養をさせていただき、ありがとうございました。これからも頑張ってください」と伝えた。

 荘司さんは「コロナ禍以前はたくさんのコンクールがあったが、今は全国的に中止になっている。お声掛けいただき、ありがたく思う。9カ月ぶりに披露の場だったので緊張したけど、楽しい場でした。また、皆さんに会える日を楽しみにしています」と話していた。

(2021年9月18日付紙面より)

詩舞と江戸芸かっぽれを披露する=15日、紀宝町福祉センター
伝統芸能に拍手を送る参加者
2021年09月18日
32 分散登校&オンライン授業
 新翔高校教職員の声を聞く  (新宮市 )

 各クラスの半分が登校し、残り半分がオンラインで自宅学習を行う形で授業を進めている和歌山県内の県立高校。前回の新宮高校に引き続き、新翔高校でも教職員の声を聞いた。

  □     □

■﨑山鈴菜教諭(社会科)

 現在担当している「現代社会」の授業では、黒板への板書とパワーポイントの両方を使っています。登校/自宅学習の生徒の差が出ないよう、2日連続で同じ内容を行うのですが、扱う事例を変え、少しずつ知識が深まるよう工夫しています。

 現代社会では「図書館では言語によって本棚を分けているが、それは差別か区別か?」といった問題を生徒自身に考えてもらう場面があります。教室の生徒には手元のフリップに、オンラインの生徒にはチャットに書き込んでもらうのですが、チャットの方が敷居が低いのか、普段発表しない子も意見を出してくれたりします。

 オンラインの生徒には、「フォームズ」というアンケート機能で授業の終わりに理解度チェックの小テストをします。記述式や選択式の設定ができ、正答率も把握できるので、プリントよりも扱うのは楽かもしれません。授業の感想では「新鮮で面白かった」という声もあり、オンラインの物珍しさもあって楽しんでくれているようです。

 パワーポイントを使う授業では、ノートを取るのがゆっくりな子もいるので、画面を切り替えるタイミングが難しいと感じます。介護実習の授業では教科書の音読やビデオ視聴を中心に板書をしない授業づくりに取り組んでいる先生や、画面共有での授業に挑戦している先生もいますね。

  □     □

■脇村綾乃教諭(英語)

 授業では板書とプリントを使っています。オンライン授業を開始した当初は、ウェブ上の会議室に入室できない、音が聞こえないなどのトラブルが続出で、今でも何回かに1回はその対応をしなければいけないときがあります。

 授業では生徒の音読する声を聞くため、オンライン学習の生徒にもカメラとマイクをオンにするよう呼び掛けているのですが、なかなか応じてくれない子もいるのが現状。

 また、タブレット型パソコン(PC)に内蔵のマイクを使って声を届けているので、授業中はPCの前から動けず、教室を巡回して生徒の発音や理解度の確認ができないのも難しいと感じているところです。

  □     □

 新翔高校教職員へのインタビューを通じ▽円滑に授業を進めるためにはマイクやスピーカーがあった方がいい▽スクリーンやプロジェクターなど扱う機材が増えると運搬や設置に時間がかかる▽画面共有などさまざまな機能を使いこなすには練習が必要―などの意見が見られた。生徒に授業が好評である一方、課題も多く、教育現場で試行錯誤が続いている現状が浮かび上がる。今後も動向を追っていく。

(2021年9月18日付紙面より)

現代社会の授業の様子=15日、新宮市の県立新翔高校
2021年09月18日
33 代表参列し殉難将士を追悼
 樫野の遭難慰霊碑前で式典  (串本町 )

 串本町樫野にあるトルコ軍艦遭難慰霊碑前で16日、同町主催による追悼式典があった。新型コロナウイルス感染症を考慮し、今年は田嶋勝正町長ら地元の代表者5人で両国の絆を深める決意をささげるなどして殉難将士を追悼した。

 この碑は1890年の同日に樫野沖であった同艦・エルトゥールル号遭難事件の殉難将士587人を弔う墓碑として翌年に建立され、後に昭和天皇もお立ち寄りになったことに感銘を受けたトルコ共和国の初代ムスタファ・ケマル・アタテュルク大統領が国費で霊廟(れいびょう)を備えた台座を建立。その塔部に墓碑をはめ込んだ状態で今日まで伝わっている。

 同町は長らく「月命日」として毎月16日、同碑に献花をしている。期日と重なる9月はその大祭として追悼式典を計画し、平年は招待参列や一般参列を迎え大勢で現地の使命を振り返り決意をともにする形で営んでいる。

 前年度は同感染症の拡大に伴い規模縮小。他方で、実施できずにいた日本トルコ友好130周年記念事業の追悼式典が上積みとなり、現地参列は地元のみだが三笠宮彬子(あきこ)さまや駐日トルコ共和国大使館の特命全権大使らがオンライン参列する形で営んだ。今年も規模縮小の判断をし、昨年のような上積みがないため田嶋町長、町議会の鈴木幸夫議長、樫野区の髙山カヤ子区長、大島区の稲田賢区長、須江区の福島三男区長の5人が代表参列して殉難将士を追悼することとした。

 参列はかなわなかったが同大使館の現任コルクット・ギュンゲン特命全権大使が同町へ献花の代理を依頼し、同町は式典に先んじて同碑前へ献上した。式典では黙とうを経て5人それぞれに献花をし、弔電披露を経て田嶋町長が殉難将士の境遇と当時の大島島民が示した献身に思いをはせつつ「助け合う心を語り継いで、かけがえのない絆を育んでいくことが現在に生きる我々の使命。先人の精神を継承し両国の友好の原点となった歴史を風化させないことが大切だと考える」と述べ、人を思いやる心で結ばれた両国の歴史と文化を学ぶ機会を次世代に託し両国の絆をより深めることへの尽力を誓って追悼した。

 現地の髙山区長(74)は「2年続けて規模縮小となったのは残念だったけれど、こうして追悼を続けることはきっと両国の絆につながると思う。コロナが落ち着き以前のように営める日が再び訪れることを今後に願いたい」と胸中を語った。

(2021年9月18日付紙面より)

殉難将士への献花に臨む田嶋勝正町長ら=16日、串本町樫野
2021年09月18日
34 運動会に向けてダンス練習  木陰でお弁当も楽しむ  (うどの幼 )
2021年09月18日
35 旬の味覚が市場へ  極早生温州「みえの一番星」の出荷始まる  (JA伊勢三重南紀 )
2021年09月18日
36 小学校移転やコロナ対策で議論  太地町議会一般質問①  
2021年09月18日
37 「おいしい秋ナス食べて」  勝浦小3年生が収穫体験  (那智勝浦町 )
2021年09月18日
38 犬との接し方を学ぼう  三輪崎小で「わうくらす」  (新宮市 )
2021年09月18日
39 ロケットや宇宙を学ぶ 串本西中でJAXA講演会 (串本町)
2021年09月18日
40 新たな友好の証を  海底熟成酒プロジェクト始まる  (串本町 )
2021年09月18日
41 台風14号、18日昼前に最接近か  大雨や強風に十分注意  
2021年09月18日
42 お悔やみ情報
  
2021年09月18日
43 ママも子どもも笑顔になる「疲れない食育」
 【第40回】コンポストで食育を!  

 皆さん、コンポストってご存知ですか? コンポストとは「生ごみを堆肥化させる」こと。簡単にいうと、土に生ごみを混ぜて、堆肥を作るということです。今家庭の生ごみを使って、簡単に堆肥を作る動きが、注目されています。

 私も、この夏からコンポストを始めました。おしゃれなコンポストキットがインターネットで販売されていると聞き、早速購入。フェルト生地のような素材でできた、おしゃれなバッグが届きました。別の袋に入っている土を、このバッグの中に移して、セットは完了。後は生ごみを入れていくだけです。普段の料理で出る生ごみを入れてざっくりとかき混ぜるだけ! 土が生ごみを処理してくれるというわけです。

 子どもの自由研究も兼ねて、一度入れたごみの経過を観察してみました。これがとっても面白いんです。中でどんどん発酵が進み、生ごみが時間をかけて小さくなっていきます。分解してくれるのは、微生物たち。途中、白カビが生えたり、湯気が上がったり、「あ~分解が進んでるな」と分かるのも楽しいところ。子どもも興味津々でした。

 ご飯や麺、肉、魚、野菜など大体の生ごみを入れることができます。魚の骨も、もちろんオッケー。ただ、タマネギの皮や、卵の殻は、分解に時間がかかってしまうそうです。

 コンポストを始めて、圧倒的にごみの量は減りました。食べ残したお料理もそのままコンポストに入れてしまいます。揚げ物や炭水化物は、分解を促進させてくれるそうですよ。最初は、「すごく臭いが出るんじゃないかな」と心配していましたが、土のおかげかそんなに臭うことはありません。むしろ、ごみの日まで生ごみを置いておくことがなくなったので、臭いの悩みから解放されました。1日300㌘の生ごみを毎日3週間ほど入れたら、立派な堆肥の完成です。私が買ったキットは、そのままプランターとして野菜を育てることもできるんです。

 日本の食品廃棄物は年間2500万㌧、そのうち本来食べられるのに捨てられる食品は600万㌧にも上るといわれています。これがいわゆるフードロスになるわけです。日本のフードロスの46%が家庭から出る生ごみです。

 そんな話をしながら、子どもと一緒に生ごみを土に還して堆肥にし、さらに野菜を育てられたら、最高の食育になりますよね。SDGsで、サスティナブルな社会が目標とされる今こそ、挑戦してほしい食育です。フードロスを削減するためにも、家庭からの生ごみを減らして、地球温暖化を抑制しましょう!

(2021年9月18日付紙面より)


2021年09月17日
44 大輪の花、笑顔誘う
 三輪崎でささやかな打ち上げ花火  (新宮市 )

 三輪崎八幡神社氏子総代会(中村武総代会長)は15日夜、区民に笑顔になってもらおうと新宮市三輪崎の孔島付近で花火の打ち上げを実施した。三輪崎漁港には近隣の住民らが訪れ、つかの間の花火大会を楽しんだ。

 新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、昨年に引き続き大幅な規模縮小を余儀なくされた三輪崎八幡神社例大祭。漁労加護、五穀豊穣(ほうじょう)、商売繁盛など地域の繁栄を願い、現在の三輪崎漁協付近にあった元宮に神様が年に1度里帰りする祭りだ。

 元宮を目指して八幡神社を出発し、恵比寿(えびす)、二十四孝(にじゅうしこう)、大黒天の山車が豪快にぶつかり合いながら町を練り歩く神輿渡御(みこしとぎょ)やその他奉納行事は全て中止に。同日午前に約20人の関係者のみでしめやかに本殿大前ノ儀が営まれた。

 花火の打ち上げは新型コロナの終息と区民の健康を祈願し、また区民の笑顔を取り戻したいという思いから企画したもの。色とりどりの約70発の花火が約3分間にわたって夜空を彩る様子に、地域住民らは惜しみない拍手を送った。

 中村総代会長は「花火には神輿渡御など、奉納行事の2年連続中止に伴い、『祭りを忘れてほしくない』気持ちと、コロナ禍での一服の清涼剤になってほしいとの願いを込めた」と語り、「近隣地区にも祭りへの思いが浸透し、より活気のあるものにしていけたら」と地区の活性化と来年の盛大な斎行を願った。

(2021年9月17日付紙面より)

大輪の花が三輪崎の海と空を彩った=15日、新宮市の三輪崎漁港
2021年09月17日
45 歌やラジオ体操楽しむ
 いきいきサロン大勝浦区  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の大勝浦漁民集会場で15日、2カ月ぶりに「いきいきサロン大勝浦区」が開かれた。地域住民14人が集い、歌や体操で楽しい時間を過ごした。

 いきいきサロンは地域の高齢化や1人暮らしの増加を背景に、引きこもり防止や生きがいづくりを目的としてスタート。同区では2019年に初めて開催され、月1回地域の高齢者が和気あいあいと交流する場となっている。8月は新宮保健所管内の新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止したが、今回は▽マスク着用▽手指消毒▽換気▽検温―の感染対策を取って2カ月ぶりに開いた。

 雨の中集会所に集った参加者は、最初にお座敷小唄の替え歌の「ボケない小唄」「ボケます小唄」を歌い、「お酒も旅行もきらいです、歌も踊りも大嫌い、お金とストレスためる人、人の2倍もボケますよ」の歌詞に笑い合った。ラジオ体操1番、2番で体をほぐした後は、3密を避けてカラオケやゲームをした。

 参加した70代女性は「普段から顔を合わせている人も多いですが、久しぶりに集まって話すからか、なんだか声が出にくいような気がします。やっぱりみんなで集まるのは楽しいですね」と話していた。

(2021年9月17日付紙面より)

ラジオ体操で体をほぐす=15日、那智勝浦町の大勝浦漁民集会場
「ボケない小唄」を歌う
2021年09月17日
46 専門職派遣で介護予防推進
 地域リハビリ活動支援事業  (串本町包括支援セ )

 串本町地域包括支援センターがリハビリテーション専門職を派遣する介護予防推進事業「地域リハビリテーション活動支援事業」を始めた。対象となる団体の申し出に応える形での実施で、派遣を希望する団体は同センター(電話0735・62・6005)まで連絡してほしいという。

 この事業の対象は▽主に町内在住者で構成し活動拠点を町内に置く▽月1回以上の活動をしている▽おおむね65歳以上の高齢者で構成―の3条件を満たす団体。同センターから活動場所へ理学療法士や作業療法士などを派遣し、同町が町民の健康寿命増進を目的として導入した体成分分析装置「InBody」による測定や8項目の体力測定、測定前の問診の結果に基づいて今後の介護予防に適した体操メニューを提案する。

 担当する専門職との日程調整が必要となるため、申し込みから派遣まで1カ月ほどの時間がほしいという。派遣は両測定や問診票受け付けで1回(同センター職員も同伴)、測定結果の説明や体操メニューの指導で1回の計2回で両者は1カ月程度の間隔を空けて行う。派遣は一団体につき年1度とし、できるだけ多くの団体を支援できる状況を目指すという。

 この事業には並行して同センターには個人の特定に至らない範囲で測定や問診の結果を統計活用し町民の傾向をしっかりと踏まえた介護予防施策を展開したいという思いがあり、全体として町民に実のある支援をしつつデータ収集の協力を得るという縮図になっている。

 まずはこの事業を町民に知ってもらうことが必要だとし、その足掛かりとして14日は県立潮岬青少年の家で親睦グラウンド・ゴルフ大会に臨む同町老人クラブ連合会女性部を対象にして1回目の派遣を試行した。71人全員とはいかないができる限り測定や問診の機会を届けて同事業を紹介。その延長で今後の派遣希望も伺うなどした。

 この事業の問い合わせは同センターまで。

(2021年9月17日付紙面より)

1回目の派遣の内容を試してもらいながら事業を紹介=14日、県立潮岬青少年の家
2021年09月17日
47 休憩施設の整備を要望
 町内の紀宝熊野道路に計画を  (紀宝町 )

 紀宝町と同町議会は15日、合同要望活動を実施。西田健町長、町議会の向井健雅議長、山本精一副議長、榎本健治・近畿自動車道紀勢線建設特別委員会委員長が国土交通省中部地方整備局紀勢国道事務所を訪問し、藤山一夫所長に一般国道42号紀宝熊野道路への休憩施設整備を求める要望書を提出した。

 14日に開かれた町議会定例会で「津波浸水時にも機能する紀宝熊野道路に、一時避難や道路情報の提供、給油などができる防災機能を併せ持つ休憩施設の整備が強く望まれる」などの議決が採択され、要望に至った。

 近畿自動車道紀勢線には、紀北町の「紀北PA」から和歌山県上富田町の「道の駅くちくまの」間の約140㌔にパーキングエリアが整備されておらず、町では防災機能を併せ持つ休憩施設の整備を求めていくこととした。

 要望書には「三重県の南玄関に位置する本町に休憩施設が整備されることは、道路利用者の安全性と利便性の向上が図られるだけでなく、県域を越えた連携促進により、近畿自動車道紀勢線の効果を最大限に引き出し、交流人口の拡大、観光・産業の振興、地域経済の活性化に寄与することが大いに期待できるものであります。これらのことからも、今後、道路計画を進めるにあたり、本町内の一般国道42号紀宝熊野道路への休憩施設整備につきまして、格段のご配慮をいただきますようお願い申し上げます」などと整備計画の必要性を盛り込んだ。

(2021年9月17日付紙面より)

藤山一夫所長(中)に要望書を提出する榎本健治委員長(左)と西田健町長(紀宝町役場提供)
2021年09月17日
48 コロナ経済支援や教育など  新宮市議会一般質問(終)  
2021年09月17日
49 運転免許自主返納者割引を開始  10月1日から、熊野御坊南海バス  
2021年09月17日
50 8月度月例杯の結果  那智勝浦ゴルフ倶楽部  
2021年09月17日
51 県知事賞などを選出 第43回児童生徒木工工作コンクール 
2021年09月17日
52 10月から作業本格着手  旧役場本庁舎解体工事  (串本町 )
2021年09月17日
53 今年も本殿大前の儀のみに  保存会の申し合わせを報告  (木葉神社 )
2021年09月17日
54 手作り絵本で交流  生徒が園児に読み聞かせ会  (潮岬中 )
2021年09月17日
55 子どもたちにテントを  町建設業組合が全小中学校に  (紀宝町 )
2021年09月17日
56 全国平均わずかに下回る  国、県の各学力テスト結果を分析  (紀宝町 )
2021年09月17日
57 これが「私の新宮遺産」  新宮市観光フォトコンテスト入選作品紹介  (一般の部② )
2021年09月17日
58 南東の空に「きぼう」観測  太地町  
2021年09月16日
59 コロナ収束願い来年こそ
 厳かに本殿大前ノ儀  (三輪崎八幡神社 )

 新宮市の三輪崎八幡神社(上野顯宮司)で15日、同社例大祭の本殿大前ノ儀が営まれた。中村武・氏子総代会長ら祭り関係者約20人が参列し、神様をたたえて新型コロナウイルスの収束や地域の平穏無事などを願った。

 例大祭は漁労加護、五穀豊穣(ほうじょう)、商売繁盛など地域の繁栄を願い、現在の三輪崎漁協付近にあった元宮に神様が年に1度里帰りする祭り。今年もコロナウイルス感染症拡大防止の観点から大幅に規模を縮小して実施。元宮を目指して八幡神社を出発し、恵比寿(えびす)、二十四孝(にじゅうしこう)、大黒天の山車が豪快にぶつかり合いながら町を練り歩く神輿渡御(みこしとぎょ)、その他の奉納行事は、昨年に続いて中止となった。

 今年は雨天のため、同神社社務所で大前ノ儀を斎行。厳かな雰囲気の中、上野宮司が祝詞、仲西博光副区長が祭詞を奏上し、参列者が玉串を供えた。

 中村氏子総代会長は「コロナウイルスの一日も早い収束と地域の健康、繁栄を願い、滞りなく営むことができました。2年連続の規模縮小については残念ですが、『来年こそは』という思いを忘れずに信じて過ごしていければ」と話していた。

(2021年9月16日付紙面より)

さまざまな思いを祈願した=15日、新宮市の三輪崎八幡神社
本殿大前ノ儀に参列した皆さん(一時的にマスクを外して撮影)
2021年09月16日
60 アカウミガメがふ化
 七里御浜海岸で2頭産卵  

 七里御浜海岸でのアカウミガメの上陸、産卵シーズンが終わり、今年は御浜町で6月21日と7月5日に2頭の産卵が確認された。紀宝町ウミガメ公園の飼育員・伊藤柊也さんによると、1頭目の卵は8月16日、2頭目は27日にふ化したと思われるという。紀宝町での産卵は3年連続でなかった。

 1頭目の卵はふ化した形跡があったものの、子ガメの足跡が少なかったことから、環境省吉野熊野国立公園管理事務所の職員が産卵巣を掘り起こしたところ、10匹がふ化していた。7匹は海に向かったが、残る3匹は元気がなく、ウミガメ公園で保護した。

 2頭目は産卵巣が台風などで浸水する恐れがあったため、127個の卵を安全な場所に移した。

 保護した当初、3匹は甲長4㌢弱だったが、1カ月近くたった現在では5㌢ほどまでに成長した。伊藤さんは「アジやホタテなどの餌を1日2回、食べて元気に育っています。1年後に海へ返す予定にしています」と話している。

 ウミガメ公園は「緊急事態宣言」により30日(木)まで休業中で、再開する10月1日(金)から、3匹を公開する。

(2021年9月16日付紙面より)

保護している子ガメ=紀宝町井田の道の駅「紀宝町ウミガメ公園」
七里御浜海岸でふ化したアカウミガメ=御浜町(伊藤柊也さん提供)
2021年09月16日
61 分散登校&オンライン
 新宮高校教職員の声を聞く  

 和歌山県内の県立高校は今月1日から、各クラスの半分の生徒が登校し、残り半分はオンラインによる自宅学習を行う形で授業を再開した。本格的なオンライン授業が始まって約1週間、新宮市の県立新宮高校の教職員の声を聞いた。

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■前野孝光教諭(国語)

 授業を担当している3年生は、昨年タブレット型パソコン(PC)が導入されて以来、日常的に授業でPCを使ってきました。1、2年生のクラスに比べると比較的スムーズに授業ができていると思います。

 授業は黒板への板書とパワーポイントの画面共有を併用して実施しています。もともと古文や漢文では板書の時間を短縮するため、パワーポイントを使っていました。タッチペンで画面に書き込みをすれば、教室/自宅学習の生徒両方にリアルタイムで同じ画面を見せることができます。普段から情報通信技術(ICT)を使った授業づくりをしていてよかったと感じます。

 板書もしますが、黒板の3分の1しか使用できず、カメラに映らない場所に書いてしまったり、広角にすると文字がぼやけてしまったりします。教室とPCのカメラのどちらを見たらいいのかは、今も悩みます。

 気をつけなければいけないのは提出物の管理。木曜日に登校した子が次に学校に来るのは月曜ですから、特に締め切りがあるものが多い3年生は気を使います。

  □     □

■岩倉真希教諭(数学)

 8月末からの準備期間はバタバタでしたが、授業を開始して1週間でようやく流れができてきたと感じます。

 全員登校のときは板書中心の授業をしていましたが、現在はタブレットPCに生徒に配ったのと同じプリントを表示し、タッチペンで書き込む形を取っています。教室の生徒はスクリーン、自宅学習の生徒はPCで同じ画面を見ることができます。数式を表示するのはパワーポイントでは難しいですね。

 最初は生徒全員にビデオ機能をオンにして顔を見せるよう言っていたのですが、そうすると通信容量の問題か、こちらから共有する映像の画質が下がってしまいます。現在は、生徒は顔出しなしで授業をしています。

 授業ではランダムで生徒を当て、自宅学習の子にも問題に答えてもらいます。生徒によってはオンライン授業の方がいいという子もいます。

 課題と感じているのは生徒の手元のプリントが見えないところ。数学ではどうしてもつまずく子がいるのですが、それをリアルタイムでサポートするのが難しい。登校したときに質問できるようにしていきたいです。

  □     □

 教職員の声を聞く中で、課題はあるものの▽普段からICTを活用した授業をしている方がスムーズに移行できる▽共有した画面に書き込みをする方式がいい―などの共通意見が見られた。

 県教委によれば全員登校再開のめどは立っておらず、分散登校・オンライン授業の長期化を見据え、今後も動向を追っていく。

(2021年9月16日付紙面より)

数学の授業風景=10日、新宮市の県立新宮高校
2021年09月16日
62 地域性踏まえ行動力培う 西向中生徒が防災学習で (串本町)

 串本町立西向中学校(山下哲治校長、生徒12人)が14日、役場総務課防災・防犯グループの職員を迎えて防災学習に取り組んだ。

 将来の発生が指摘されている南海トラフを震源域とする地震や伴う津波について地域性を踏まえて理解し、命の危険から逃げ切ることを考える内容で、前半は職員による解説を聞き後半は県独自の防災学習ツール「きいちゃんの災害避難ゲーム」に挑戦して理解や考えを深めた。

 解説を担当した同グループの岡田真一主任はまず町の人口規模や高齢化率、地理的特徴を伝え、それら状況との対比で南海トラフを震源域とする大地震や中央構造線付近を震源域とする大地震を注視しているとしそれぞれの予想最大規模や周期性など特色を解説した。

 南海トラフを震源域とする大地震は津波を伴うことを、県が作成した映像資料や津波ハザードマップを交えて印象づけ。この状況から命を守るために町は避難路や防災施設を整備し、公共施設の高台移転や同マップの作成、津波避難困難地域対策や訓練・啓発・補助事業による住民への意識付けや自主防災組織との協働、災害用備蓄水「なんたん水」の製造などさまざまな対策を積み上げているとした。

 それでも命を守るための避難は不可欠。岡田主任は津波が最短2分で町境に到達することを踏まえ、大きく揺れたら情報を待たず津波避難三原則に沿って行動し命を守ってほしいと呼び掛けた。

 質疑応答を経て後半は行動時の状況を疑似体験。用いた同ツールは小学生高学年以上を対象としゲーム1「津波から逃げ切ろう!」とゲーム2「避難所運営しよう!」の各体験ができるが、今回はゲーム1を2組に分かれてそれぞれ挑戦し起こる状況や求められる判断を考えて行動力を培った。

 持ち出し品や日頃の備えが全くない状況とある状況で2回取り組み、ある状況の方が行動しやすいことも実感した。

 同グループによると、同ツールを使った学習は串本西中に続き2校目でいずれもゲーム1を経験した状況。串本西中は後日ゲーム2にも挑戦する予定で西向中も同様に挑戦の機会を持ってほしいと希望して締めくくった。

(2021年9月16日付紙面より)

県独自の防災学習ツールで行動力を培う生徒ら=14日、串本町立西向中学校
2021年09月16日
63 串本古座・有田中央が敗退 秋季高校野球一次予選 
2021年09月16日
64 全議案可決して1日で閉会  第3回紀宝町議会定例会  
2021年09月16日
65 無投票の公算大に  立候補説明会に現職のみ  (熊野市長選 )
2021年09月16日
66 初日に4人が登壇  新宮市議会一般質問①  
2021年09月16日
67 ヌスビトハギの花  那智勝浦町  
2021年09月16日
68 仙人? いいえ、山田さんです  無所有のバックパッカーに御浜町で出会った  
2021年09月16日
69 銀河と町を盛り上げたい  立岡みのるさんの新曲販売中  (新宮市 )
2021年09月16日
70 演奏で感謝の思い伝える  那智中吹奏楽部が定期演奏会  
2021年09月16日
71 秋の七草・クズの花咲く  初秋の訪れ告げるように  (串本町 )
2021年09月16日
72 加齢の不安を気軽に相談  まちかど開設「笑笑茶屋」  (串本町 )
2021年09月16日
73 この街で生きる認知症 市役所1階ギャラリーで展示 (新宮市)
2021年09月16日
74 お悔やみ情報
  
2021年09月11日
75 中村覚之助氏が名誉町民に
 サッカー普及の功績たたえ  (那智勝浦町議会 )

 那智勝浦町議会(荒尾典男議長、12人)の9月定例会が10日再開し、国内におけるサッカー普及に大きく寄与した同町出身の中村覚之助氏を名誉町民に推挙する議案が全会一致で同意された。この日は日本サッカー協会が設立100周年を迎える記念すべき日だった。

 中村氏は1878年に旧那智村浜ノ宮で生まれ、1900年に東京高等師範学校(現筑波大学)に入学。教授の坪井玄道氏が海外視察から持ち帰った「アッソシェーション・フットボール」を翻訳し、日本初のサッカー指導書を編さんした。さらには日本初となるサッカーチームを創設し、国際試合も実施した。1906年に28歳の若さで逝去した。

 それらの功績をたたえようと、同町出身でロサンゼルス、ベルリンの両オリンピックの棒高跳びにおいて銀メダルを獲得した西田修平氏に次いで二人目の名誉町民に推挙された。

 同町によると、東京五輪や協会設立100周年などもあったことから、今回のタイミングになったという。

 堀順一郎町長は中村氏の功績をたたえ「本日は協会設立100周年を迎える記念の日。サッカーの発展に貢献したことから協会からも町へ感謝状を頂くことになった」と報告。

 今後については「中村さまを顕彰し、このことを日本全国、世界に発信していく。サッカーの町、ヤタガラスの町としても多くの方に来ていただける取り組みも併せて進めていきたい」と話した。

 この日、議場に駆け付けた中村氏の兄・亀一氏の孫に当たる統太郎さんは「覚之助の生前の功績が認められ名誉町民に選ばれた。この上ない喜びであり、親族としても光栄に思う」と喜びを語った。

(2021年9月11日付紙面より)

名誉町民に決定した中村覚之助氏(中村統太郎さん提供)
可決された9月定例会4日目の様子=10日、那智勝浦町役場議場
2021年09月11日
76 道普請で草刈りや石段保全 熊野・那智ガイドの会 (那智勝浦町)

 熊野・那智ガイドの会(汐﨑眞次会長)のメンバー11人は9日、世界遺産「紀伊産地の霊場と参詣道」の一部であるかけぬけ道で道普請(みちぶしん)に汗を流した。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で予定されていた中高生の修学旅行は延期となっているが、古道を歩く人々の安全を確保するとともに、地元の人々にも歩いてほしいとの思いから実施した。

 この日は熊野那智大社・那智山青岸渡寺~妙法山阿弥陀寺を結ぶルートで道普請。2011年の紀伊半島大水害で発生した土石流によって道が流失した部分の迂回(うかい)路とかけぬけ道の合流地点付近で、道を覆い隠すように茂るマツカゼソウを刈り、枯れ葉で埋まった石段を掘り起こした。

 作業後は、道中の落石の除去や危険箇所の確認などをしながら、霧にかすむ古道をたどって阿弥陀寺まで歩いた。

 汐﨑会長は「コロナが収束したら、観光客の数も増えてくるはず。ガイドの仕事に興味がある方は、ぜひ一緒に活動しましょう」と呼び掛けている。

(2021年9月11日付紙面より)

石段を掘り起こすメンバー=9日、那智勝浦町
草刈りで道を保全
2021年09月11日
77 地元食材の万能だれ商品化
 CGS部調理班、販売急ぐ  (串本古座高校 )

 県立串本古座高校(左近晴久校長)のCGS部調理班(森陽翔班長、班員8人)が9日、3年越しで地元食材を使った万能だれ「あがらのたれ」を商品化した。来週中に協力事業所で販売を始める予定で、入部以来関わってきた森班長(3年)は「肉にも野菜にも合い、野菜嫌いの自分でもこれをかけると野菜が食べられる。班一丸で作った自慢のたれなので、ぜひ手にとってほしい」とアピールしている。

 このたれは、みくまの農業協同組合の働き掛けにより古座川町~旧古座町域で生産が活発化している食材・ニンニクの消費を促すレシピ作りに協力する中で開発。イベントで試験披露したり家族など班員つながりで試食をしてもらったりなどして得た意見も取り入れながら、レシピを練り上げてきた。

 2年余り関わってきた3年生の引退間際で「最後までやり切るべき」と班員は一致団結し、商品化のノウハウを持つ古座川ゆず平井の里に協力を依頼。先月25日に班員4人も手伝って調理~瓶詰めをし、今月9日にカイロス缶バッジのデザイン担当・雑賀和さん(1年)のイラストを取り入れたラベルなどを貼って商品化した。

 用いた地元食材は同班自家製の黒ニンニク、古座川町産のユズ果汁やニホンミツバチの蜂蜜、県産のミカンジュース、那智勝浦町・藤野醤油醸造元のしょうゆ「菊」。さらにリンゴやみりん、日本酒などを加えたレシピに調味料など所要の添加をして万能だれを仕上げ、200㍉㍑瓶に詰めた。

 長引くコロナ禍により自宅で過ごす時間が増える中、「あがらのたれ」が一家だんらんのきっかけになればという願いもあって果汁を効かせ子どもも親しみやすい甘口の味わいとしている。その分消費期限は4カ月〈12月23日(木)まで〉と短いため、急ぎ販売促進媒体を作って販売までこぎつけるという。

 価格は1瓶400円(税込み)で、生産数は260本。コロナ禍で文化祭など直販の機会が作りにくい状況があり、販売できる事業所があれば9月中にご連絡いただければと協力を求めている。連絡や問い合わせは同校(電話0735・62・0004)まで。

(2021年9月11日付紙面より)

ラベルを貼り商品を仕上げる森陽翔班長(右端)ら=9日、県立串本古座高校

2021年09月11日
78 避難場所を知ろう 王子ヶ浜小4年生が防災学習 (新宮市)

 新宮市立王子ヶ浜小学校(谷口幸生校長)は9日、防災学習を実施した。4年生62人が教職員の誘導を受け、阿須賀神社までの避難場所などを歩きながら確認した。

 防災学習は総合学習の一環で、各学年が毎年、防災について学びを深めている。4年生は実際に歩いて町を探索し、防災マップを作成している。

 2011年に起きた東日本大震災や紀伊半島大水害、今後の発生が危惧されている南海トラフ地震などの災害に備えて、子どもたちが自分の命を守り考えて避難できるようになってほしいとの思いから実施している。14日(火)には、4グループに分かれて校区内の地域を調べた後、マップを作る予定となっている。

 児童は教職員から説明や移動中の注意事項を受けると、指示に従って学校を出発。市の避難所に指定された場所などでは教職員が用意した「防災」の旗を基に、どのような行動を取るべきかを考えながら阿須賀神社までの経路をたどった。

 上野萩晴(しゅうせい)君は「どうやって危険な場所から逃げるかを考えながら歩きました。災害はいつ起きるか分からないので、いろんな避難場所を知って早く逃げられるように勉強したい」と話していた。

(2021年9月11日付紙面より)

歩いて避難場所を確認する児童=9日、新宮市
2021年09月11日
79 夏・冬休みは午後6時まで延長  うどの幼の預かり保育時間  (紀宝町 )
2021年09月11日
80 明治32年、三重県初の水力発電所  【紀宝町】今なお残る鮒田発電所跡  (熊野アーカイブ ~熊野に人あり、歴史あり。~ ⑬ )
2021年09月11日
81 「10年前の紀伊半島大水害の被災体験を振り返って」  大石元則さんの体験談  (新宮市 )
2021年09月11日
82 13日から使用再開  新宮市関連施設  
2021年09月11日
83 クマノギク咲く  熊野古道高野坂  
2021年09月11日
84 「救急の日」に災害学習  土砂や大雨の怖さ学ぶ  (丹鶴幼稚園 )
2021年09月11日
85 早くもヒガンバナ咲く  古座川町相瀬  
2021年09月11日
86 2種類製作、活用始める  ロゴ<カラー>ピンバッジ  (串本町 )
2021年09月11日
87 お悔やみ情報
  
2021年09月10日
88 17年の陳情実らせた功労者 港又次氏の記念碑とアジサイ (那智勝浦町)

 旱天が十数日も続くと、田面が亀裂して稲田が白穂になるので人々は皆汲水に忙しく、殆んど寝食を忘れて毎日井戸から水をとつた。この人々の心配無駄な労苦を何とかしたいと翁は深く考へてゐた。(下里町史、原文ママ)

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 那智勝浦町下里の下里神社から少し太地町寄りの国道42号の路肩に港又次氏の功績を称した記念碑が建立されている。地元住民によると、元々は国道から太田川寄りに設置されていたが、国道の拡幅に伴い、現在の位置に移設されたという。

 下里町史には、江戸時代後期の下里村は農業を本業としていたとある。しかし、農地に外部から人工的に水を供給する灌漑(かんがい)の設備が完全でなかったという。享保6、7年ごろに上太田村南大居大谷口から給排水を目的として造られた小規模な水路の溝渠(こうきょ)を通じて開墾したが、地の高低勾配がうまくできず、廃渠となった。

 冒頭のような状況となり、港氏は市屋村にある与根河池の水を下里村にも引けないかと考え、市屋村に協力を請う。藩の役所へ嘆願・陳情を幾十回も重ねたが、堤防の決壊の恐れから、許可は下りなかった。

 その後も信念を曲げずに嘆願と陳情を重ね続けた港氏。費やした年月は17年にも及んだ。そうして、安政3年に藩の聴許を得て、工事に着手。その翌年に堤池修築となり、新池を造って溝渠も通じ、水が通じた。下里町史には「全村歓喜湧くやうであつた。そして皆流れる水を拝んだといふ。(原文ママ)」と記されている。

 この後、功績が認められて紀伊新宮の水野土佐守から金百疋と米六石を贈られたと町史には記されている。明治17年、港氏は病で没した。その19年後にその遺徳を表彰しようと記念碑が建立された。

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■アジサイに彩られていた



 毎年6月ごろ、記念碑の周辺には美しいアジサイが咲く。その花は登校中の学生や住民、自動車を走らせるドライバーの目を楽しませていた。

 地元住民らによると、紀伊半島を一周する幹線道路計画の一つ「一般国道42号串本太地道路」の延伸に伴い、将来的には拡幅工事などが実施される可能性もあるとして、今年7月に住民有志らが集まり、来季の花のために剪定(せんてい)を行った。このアジサイは秋ごろに定光山大泰寺に移植されるという。

 国土交通省紀南河川国道事務所によると、串本太地道路の本線は太田川方面から延伸し、現在の那智勝浦新宮道路につながる計画だという。下里地区内に太地インターチェンジ(仮称)や交差点の建設が予定されていることから、記念碑周辺の道路形状が変わる可能性もあるとしている。

 担当者は「現在は調整中。詳細などが決まれば、今後は地元住民の方々にも方針をお示ししたい」と話していた。

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■地元住民の声



 記念碑前のアジサイは元々、那智駅前に植えられていたもの。道の駅なちが建設されるため、当時の花てまりの会や地元住民らが協力し同所に植え替えたという。

 その後の管理は下里とも子ガーデン(岩本カナエ代表)が行い、太田耕二さんら地元住民も協力してきた。岩本代表は「このアジサイは場所を移しながら、最後は寺へ行く。人の一生のよう。良かった」。

 記念碑については「立派な方の碑なので多くの方に知っていただきたい。50年前以上に移設した際、下里中の生徒会や校長先生たちが移転式に参加したと聞いた。半世紀前は大切にされていたのだと思う」と話した。

(2021年9月10日付紙面より)

港又次氏の遺徳を表彰した記念碑(右)=那智勝浦町下里
地域に彩りを添えていたアジサイを剪定した
2021年09月10日
89 歩行者の安全確保など重点に
 21日から「秋の全国交通安全運動」  (紀宝署 )

 21日(火)から「秋の全国交通安全運動」が全国一斉に始まる。30日(木)までの10日間で、重点は▽子供と高齢者を始めとする歩行者の安全の確保▽夕暮れ時と夜間の事故防止と歩行者等の保護など安全運転意識の向上▽自転車の安全確保と交通ルール遵守(じゅんしゅ)の徹底▽飲酒運転等の悪質・危険な運転の根絶―の四つ。

 運動期間中、南牟婁郡交通安全対策協議会、紀宝地区交通安全協会、紀宝警察署では、早朝街頭指導や安全運転管理推奨像の伝達、一声運動推進協力店の指定など各種取り組みを進める。

 8月末現在、県内では3万2506件(昨年同期比987件増)の交通事故が発生。このうち人身事故は1787件(同178件減)で、死亡事故は31件(同17件減)で32人が死亡した。

 紀宝警察署管内での総事故件数は163件(同25件減)で、人身事故は11件(同5件減)、死亡事故は発生していない。国道42号で多く、事故原因は車両単独、出合い頭が上位を占めている。

 紀宝町では67件(人身事故6件)、御浜町は87件(同5件)、熊野市紀和町は9件で人身事故は起きていない。

 同署では、運動期間中、四つの重点に関連し▽児童・生徒の通学時間帯の見守り▽歩行者保護に資する取り締まり▽自転車のルール遵守とヘルメット着用の啓発▽飲酒運転の取り締まり―などの活動を強化する。

 歩行者の安全の確保については、横断歩道横断時に「少し手を上げる」など自らの安全を守る交通活動「横断歩道“ハンドサイン”キャンペーン」の推奨を図る。

(2021年9月10日付紙面より)

紀宝警察署管内で交通事故が多い国道42号
2021年09月10日
90 外装工事で真新しさ宿す
 北大和歌山研究林の本館  (古座川町 )

 古座川町平井にある北海道大学和歌山研究林(中村誠宏林長)の本館外装工事がこのほど完了した。今回は外壁、次いで屋根を手入れし、外装のほぼ全体が真新しさを宿した状態。職員も心機一転の心境で運営に励んでいるという。

 同研究林の本館は1927年建築。洋風木造2階建てで、九十余年を経た今も現役で用いている。内外装とも維持のため適時適切に手入れをしているがケヤキ材の階段や旧事務窓口など建築当時の基本構造も良好にとどめていて、2013年には国の有形文化財に申請して登録を受けている。

 最近の外装工事は技術職員の伊藤欣也さんが大学と地元業者の仲立ちをして実施。19年度に本館と宿泊施設(和風木造平屋建て)の外壁塗装を削り剝がして塗り替え、20年度に本館トタン屋根へ青色系のガルバリウム鋼板をかぶせる内容で、完了により02年に外装が青屋根・白壁に変わって以来20年ぶりにその雰囲気を取り戻す形となった。ガルバリウム鋼板はトタン屋根以上の耐食性を誇る素材で、薄く軽量であることやコストパフォーマンスに優れることを生かして従来のトタン屋根にかぶせることで性能を保ちながら長寿命化を図る施工となっている。

 同研究林は現在、新型コロナウイルス感染症の情勢を考慮しつつ県内の日帰り利用を受け入れ中。中村林長は「コロナが終息したら従来通り県外や宿泊の受け入れも再開し、多くの皆さまにリニューアルした本館を気持ちよく利用していただけるよう頑張りたい」と心機一転の胸中を語った。

 町内では高池にある芳流館互盟社社屋と同年生まれの木造建造物。戦前の建築技術を宿した希少な現存物の一つとなっている。問い合わせは同研究林(電話0735・77・0321)まで。

(2021年9月10日付紙面より)

ゲート越しに望む北海道大学和歌山研究林本館=3日、古座川町平井
2021年09月10日
91 自らの命は自ら守る
 緑丘中で防災集会  (新宮市 )

 新宮市立緑丘中学校(宮本雅史校長、生徒249人)で8日、防災集会があった。生徒たちは宮本校長の講話に耳を傾けるなどして防災意識を高めた。

 2011年3月の東日本大震災、9月の紀伊半島大水害などでは、自然災害によって多くの人の命が奪われた。10年が経過し改めて災害を教訓に、残された者として「日々の生活への感謝」「防災」「人としてのつながる社会」について考える機会にと毎年実施。新型コロナウイルス感染症対策として学年ごとに分かれて開かれた。

 3年生86人の集会では、那智勝浦町在住の宮本校長が自身の水害での体験を基に講話。▽想定にとらわれるな▽最善を尽くせ▽率先避難者たれ―の津波避難3原則を挙げ、「住んでいる周辺は地域の中でも危険な場所だと思っていたが、ここまでの災害が起こるとは思っていなかった。暗くなってからの避難は危ないので、明るい間に早急に逃げるべきだった」と振り返った。

 生徒たちには教訓として「『自らの命は自ら守る』。家は洪水や土砂災害などの危険性がないか、危機が迫った場合にはどこへ、どうやって逃げるかを正しく判断できる人になってください」と呼び掛けた。

 講話後には、30年以内に発生する可能性があるとされている南海トラフ地震のシミュレーション動画を視聴した。

 生徒会長の冨谷絵理香さんは「当時は5歳だったので薄い記憶しかなかったけど、校長先生の話を聞いて災害の恐ろしさを感じた。早めの避難を忘れず、自分の命を守る行動を取ることが大切だと改めて思いました」と話していた。

(2021年9月10日付紙面より)

講話に耳を傾ける生徒ら=8日、新宮市立緑丘中学校
宮本雅史校長
2021年09月10日
92 濵口大幹君、全国で堂々5位
 全日本少年少女空手道選手権大会  (拳武館新宮 )
2021年09月10日
93 山東、漁野両選手(那智中3年)が全国へ
 都道府県対抗中学バレーボール大会  
2021年09月10日
94 子育て支援に1000万円寄付  吉田久市さんに紺綬褒章  (御浜町 )
2021年09月10日
95 温泉病院が10日から再開  決算の認定について質疑も  (那智勝浦町議会 )
2021年09月10日
96 来年に期待を込めて  円満地公園「プールじまい」  (那智勝浦町 )
2021年09月10日
97 生まぐろ丼が全国第2位  IPPINグランプリで  (休暇村南紀勝浦 )
2021年09月10日
98 最優秀賞や優秀賞決まる 小中学生ポップコンクール結果 (串本町)
2021年09月10日
99 お悔やみ情報
  
2021年09月08日
100 来館者に安心安全を
 開館控え、合同消防訓練  (新宮市「丹鶴ホール」 )

 10月3日(日)に開館を迎える新宮市文化複合施設「丹鶴ホール」(同市下本町)で6日、合同消防訓練があった。市教育委員会文化振興課職員、市立図書館職員、消防職員ら39人が参加。施設開館に備え、消火や来館者の避難誘導訓練に当たった。

 訓練を事前に実施することで、開館後の来館者の安心・安全な施設利用につなげる目的。平日、ホール貸館時に1階備品庫から出火したとの想定で実施。

 来館者は車いす利用者など避難困難者を含む500人を想定し、消防職員が消火やはしご車を使った救助活動に当たる中、市職員らが各階の来館者を誘導。非常用階段避難車(キャリダン)を利用し、避難困難者を搬送した。

 訓練を終え、垣内一男署長は「初期消火、誘導、消防署への通報など、計画に基づいて担当それぞれが落ち着いて行動できていた。避難器具を使った避難困難者もスムーズかつ安全に誘導できていたのでは」と講評。

 「施設を利用いただく皆さんの安心・安全を守るためには連携が不可欠。今後も計画通りの対応ができるように万全を期していければ」と呼び掛けた。

 越水薫消防長は「職員の皆さんには訓練のときだけではなく、特にホールや図書館からの避難誘導などは普段から危機感をもって業務していただきたい。消防本部としても、全ての災害面で職員とさまざまな連携、協力をさせていただききたい」。

 文化振興課の宮上圭巨課長補佐は「想定に沿って適切な動きができたと思う。今日はシナリオも時間も決まっていたが、実際にはいつ起こるか分からない。いざというときに慌てないように何度も繰り返し訓練を続け、皆さんに安心してご利用いただけるように努めたい」と話していた。

(2021年9月8日付紙面より)

はしご車を使った救助訓練の様子=6日、新宮市下本町
避難困難者を想定した搬送訓練
消火訓練に当たる消防職員ら
2021年09月08日
101 コロナ禍でも地域で子育て
 ファミサポセンター  (紀宝町 )

 新型コロナウイルスの影響で〝孤立化〟が懸念される中、紀宝町では子育て世代へのニーズに応えるため、個人で対応するファミリーサポートセンターを継続中だ。子育てしやすい環境を整備することで、地域の中で助け合いながら子育てする取り組みが進んでいる。

 町内で新型コロナウイルスが確認されたことから、町では現在「新型コロナウイルス感染症対応タイムライン」のステージ5(非常事態)の状況だ。

 このタイムラインは町独自の取り組みで、「町内での感染や感染拡大が想定される場合」のステージ5を受け「紀宝はぐくみの森」(神内)2階の町子育て支援センターは、8月2日から閉所の措置を取っている。

 センターには遊具や絵本があり、子育て世代の交流の場として多くの親子が利用する施設。保育士が常駐し、母親同士の交流を大切にしながら子育ての相談なども受け付けており、早期の再開を望む声も多い。施設では現在、備品の消毒など再開に向けた準備を進めている。

 一方、密になりにくい家庭などで子どもを預かるファミリーサポートセンターは運営を続けている。生後6カ月~小学6年生を対象に、子育てを助けてほしい人の依頼に応じてサポート会員を紹介する会員組織で、7月には100件を超える依頼があった。

 急用や冠婚葬祭、通院、買い物、保育所の迎えなど理由はさまざま。コロナ禍であっても、仕事を休めない保護者に代わって地域ぐるみで子どもたちの生活を支えている。

(2021年9月8日付紙面より)

再開を待つ子育て支援センター=紀宝町神内
2021年09月08日
102 標識付きクエの連絡求む
 南部栽培漁業セが呼び掛け  (県栽培漁業協会 )

 串本町串本にある県栽培漁業協会南部栽培漁業センター(村尾啓一所長)で6日、放流するクエの稚魚に標識を付ける作業があった。後の漁獲時に放流魚と分かるようにするのが狙いで、村尾所長は「標識付きのクエを漁獲した方は、お手数ですが最寄りの漁協か本センターへご連絡を」と協力を呼び掛けている。

 この標識は、同センター産稚魚の放流効果を確かめることが目的。同センターが開所した2011年は右、12年は左の腹びれをそれぞれ抜去、間を開けて15年はダートタグ(県の略称〈WK〉、連絡先電話番号、Bから始まる通し番号を記載)を付ける標識付けをし、串本町、日高町、印南町で放流した。

 以降、方法を左の腹びれの抜去に一本化し、安定的に年次放流を続ける串本町を調査域として18年度以降の放流分に全て標識付けしている。同町産業課によると、この年次放流は海産資源の増大を目的として実施。和歌山東漁業協同組合と話し合い、現在はヒラメとクエの2種類を放流しているという。同町のクエの放流規模は毎年6000匹。この日は同センターに加え同課や県水産試験場の各職員も応援に駆け付け、12人がかりで作業に当たった。

 同センターが準備したクエは5月にふ化した稚魚で、体長は10㌢前後。作業は麻酔をかけピンセットで腹びれを引き抜く内容で、適切に抜去すればそのクエは生涯ひれが再生せず標識にできるという。放流は同漁協に依頼して9日(木)に実施予定。餌があり他魚などによる捕食のリスクが低いなど生残率の高さが見込める海域に分散して放つとしている。

 このサイズの稚魚が海で漁獲対象となる大きさとなるまでに要する期間は約10年。初期の標識付け分がいよいよ漁獲にかかる段階に差し掛かったため、同センターは漁協や遊漁事業者、釣具店など漁獲関係者とつながる拠点経由で標識付けの周知を図っている。

 漁獲時の連絡事項は▽漁獲日と場所、方法、体長、体重▽標識の形状(腹びれの欠落の位置またはタグ)▽漁獲者の連絡先(住所・氏名・電話番号など)。問い合わせは同センター(電話0735・67・7770)まで。

(2021年9月8日付紙面より)

放流するクエの稚魚に標識付けをする関係者=6日、串本町串本

2021年09月08日
103 地元産の野菜を食べよう
 勝浦小学校で農業学習  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立勝浦小学校(山下真司校長)で3日、農業学習があり、3年生37人が農家の仕事や野菜が食卓に届くまでの仕組み、「地産地消」などについて学んだ。

 社会科の一環で、同町太田で農家を営む松本安弘さん、新宮広域圏公設地方卸売市場の中本勝久市場長、清水貴晶主事が来校した。

 年間20種類の野菜を育てている松本さんは、旬のナスを例に収穫、選別、出荷、畑の消毒や病気のチェックといった農家の一日を紹介。台風による風水害や害虫との闘いに加え、最近ではシカやイノシシによる獣害も増えていることなどを伝えた。

 「野菜のおじさん」として親しまれている中本市場長は▽病気を防ぐ▽骨を強くする▽血液をさらさらにする―など野菜が持つすごいパワーを紹介。「競り」が行われている市場の仕組みや、店で野菜を購入するときに支払ったお金が農家に還元される流れを説明し、「地元産の野菜は新鮮でおいしくて安心安全。地元野菜を食べることで無駄な輸送費もかからず、地元農家へお金が還元されるといういい循環が生まれる。みなさんには、おいしい野菜を食べて元気に学校に通ってほしい」と呼び掛けた。

 この日の給食には「春雨とゴーヤーの炒め物」が出され、放課後には児童にナスやクリ、青切りミカン、ナシなどがプレゼントされていた。

(2021年9月8日付紙面より)

中本勝久市場長が講話=3日、那智勝浦町立勝浦小学校
2021年09月08日
104 5選手が近畿大会へ
 選手権県予選会などで活躍  (新翔高バドミントン部 )
2021年09月08日
105 児童たちに新米324㌔届く  稲刈り中止で地区住民が収穫  (神内小 )
2021年09月08日
106 秋の気配漂う彼岸花  丸山千枚田の棚田を彩り  (熊野市紀和町 )
2021年09月08日
107 9月定例会が開会  一般会計補正など16議案  (新宮市議会 )
2021年09月08日
108 バス路線変更など27件上程  那智勝浦町議会9月定例会開会  
2021年09月08日
109 装い新たに運航スタート  ホテル浦島の浦島丸  (那智勝浦町 )
2021年09月08日
110 皆で収穫作業に汗流す  「たか田んぼ」で稲刈り  (新宮市 )
2021年09月08日
111 個展に込めた表現伝える  中里和人さんがイベント  (田並劇場 )
2021年09月08日
112 家族も含め予防意識促す  児童生徒に不織布マスク  (串本町 )
2021年09月08日
113 決算案含め27案件を上程  町議会第3回定例会始まる  (串本町 )
2021年09月08日
114 「ありがとう、元気やで」  復興に携わった全ての人へ  (新宮市熊野川町 )
2021年09月08日
115 お悔やみ情報
  
2021年09月07日
116 追悼の花、夜空に咲く
 紀伊半島大水害供養花火  (新宮市熊野川町 )

 新宮市熊野川町能城山本(のきやまもと)で4日夜、2011年の紀伊半島大水害で犠牲になった人々を追悼する花火が打ち上がった。地元住民や車中から花火を観覧していた人らは、夜空に咲いた774発の花火に10年前の水害に思いを巡らせるとともに、犠牲者の冥福を祈った。

 10年の節目に供養する機会を設けられればとの思いから「供養花火をする会」(池上順一会長、会員12人)が実行した。和歌山、三重、奈良の3県から50を超える団体や法人、個人の協賛を得て実施に至った。

 新型コロナウイルス感染症が拡大する中、花火打ち上げの是非や事前告知の在り方などについて協議を重ね、地元ケーブルテレビ局でのライブ中継やインターネットの動画投稿サイトの配信準備も進めた。

 池上会長は「『やらない』という選択をするのは簡単なこと。供養花火を打ち上げることに対し、多くの人から協賛と協力を得た。何もしないと前に進まない。多くの人が同じ思いだったのでは」。

 当日は十数㌶の田んぼの真ん中から打ち上げた。スターマインや6号玉が夜空を彩り、「献花」をイメージした白一色の花火がフィナーレを飾った。

 池上会長は「6号玉の響く音が、水害で亡くなった天国のみんなに届いてくれたら。(花火が打ち上げられたのは)多くの方々のおかげ。みんなの思いが一つになった花火だと思う」。

 10年間、長かったが早かった―。池上会長は熊野川を見つめ「水害後数年は復旧活動に奔走した。水害後もいろんなことがあった。これで一つの区切りがついたと思う」と話していた。

(2021年9月7日付紙面より)

夜空に供養の花火が上がった=4日夜、新宮市熊野川町
2021年09月07日
117 防災倉庫に避難用品を収納
 鮒田地区の新たな防災拠点に  (紀宝町 )

 紀宝町の鮒田地区自主防災会(東口高士会長)は5日、地区の高台に完成した一時避難場所防災倉庫に地区住民の避難用品を収納した。災害時の資器材なども保管し、東口会長は「この避難場所を鮒田地区の新たな防災拠点にしたい」と話していた。

 避難場所に整備した三つの倉庫を活用し、水害だけでなく、火災や津波など全ての災害を想定した防災の取り組み。150世帯のうち、この日集まった74世帯分を保管した。今後も避難用品を受け付けていくという。

 避難用品を入れる衣装ケースは幅74㌢、奥行き40㌢、高さ31㌢で全世帯に配布。各家庭専用QRコードを貼り付け、家族の名前、電話番号を読み取ることができるよう工夫した。

 この日は住民約50人が協力。鮒田構造改善センターで受け付けし、地区住民が各自の衣装ケースを持ち込んだ。ケースには衣類やマスク、ティッシュ、毛布、靴などが入っており、地区の男性は「災害時に必要な物を入れた」と語った。

 軽トラックで衣装ケースや資器材などを倉庫に運び保管した。避難場所は海抜20㍍に位置し、広さは約850平方㍍。災害時には車中泊も可能だという。

 センターでは、同地区の防災活動に関わってきた大阪工業大学工学部都市デザイン工学科の田中耕司・特任教授が配布した防災アンケートも回収した。

 アンケートは、防災意識の調査を目的としたもので▽日常の習慣▽地区との関わり▽地区の防災情報▽日常的な災害への備え▽台風接近時の行動―などを聞いた。

 田中教授は「鮒田地区が取り組む防災農園や防災散歩などの効果を調べた。皆さん協力的で、意識の高さがうかがえた」と話し、これから回答を分析するとした。

(2021年9月7日付紙面より)

避難用品や災害時に必要な資器材などを一時避難場所の倉庫に運ぶ=5日、紀宝町鮒田
住民から備蓄用品を受け付け(写真右)、防災倉庫に保管する(同左)
2021年09月07日
118 10年迎え、冥福祈り献花
 大水害記念公園で慰霊祭  (那智勝浦町 )

 2011年に発生した紀伊半島大水害から10年を迎えた4日、那智勝浦町は同町井関の紀伊半島大水害記念公園で慰霊祭を営んだ。例年は犠牲者の遺族や地域住民が参列するが、昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から堀順一郎町長と那智谷大水害遺族会の岩渕三千生代表のみが出席。二人は29人の犠牲者・行方不明者をしのび献花を行った。

 午後1時30分に町内全域にサイレンが響く中、関係者は黙とうをささげた。その後、二人は29個のキャンドルがともされた慰霊碑に白いカーネーションを供えた。

 堀町長は「亡くなられた方々のご冥福と被災された皆さまへのお見舞いを申し上げるとともに、人的災害や家屋災害がないように霊前にお誓いした。ご遺族にとっては悲しみが薄れることはない。4割の町職員が大水害を知らない世代となっているが、決して風化させてはいけない」。

 対策や抱負については「台風は止めることはできないが、来た際にはハード整備で一時的に止め、危険から逃げていただく。町としては情報収集を行い、素早く町民に知らせ避難いただけるように率先して啓発していきたい」と述べた。

 岩渕代表は「もう二度と災害が起きないように見守ってくださいという思いしかない。早めの避難を徹底し、自分の身は自分で守ることが大事。これらの行事は後世に伝えていかなくてはいけないと改めて思った。そのための活動を今後も続けていきたい」と語った。

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■那智大社と青岸渡寺が合同慰霊祭



 この日は熊野那智大社(男成洋三宮司)と那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)が初の合同慰霊祭を営んだ。

 男成宮司が祝詞を奏上し、参列者が玉串をささげた。続いて、髙木住職らが読経する中、焼香が行われた。

 合同慰霊祭を終え、岩渕代表は「自分の気持ちで詰まっていたものがすっと下りたような気がする。心が安まる追悼供養をしていただいた」と話していた。

(2021年9月7日付紙面より)

堀順一郎町長(左)と岩渕三千生代表が献花し冥福を祈った=4日、那智勝浦町井関
男成洋三宮司が祝詞を奏上した
髙木亮英住職らが読経し法要を行った
2021年09月07日
119 冥福祈り、取り組みを報告
 仁坂知事が慰霊碑に献花  (那智勝浦町、新宮市 )

 2011年の紀伊半島大水害から10年となった5日、仁坂吉伸知事は県内に所在する同水害の慰霊碑や記念碑を訪れ献花。犠牲者の冥福を祈った。

 県では同水害から10年の節目に当たり、那智勝浦町体育文化会館で「紀伊半島大水害10年追悼式」の開催を5日に予定していたが、県内外における新型コロナウイルスの感染状況を鑑み追悼式は延期となった。

 仁坂知事は那智勝浦町井関の「紀伊半島大水害記念公園内慰霊碑」と、新宮市熊野川町田長の「道の駅 瀞峡街道熊野川内慰霊碑」など、県内4カ所の慰霊碑および記念碑での追悼献花を挙行した。

 那智勝浦町では、仁坂知事は花束と、水害発生から県が復興に向け実施した取り組みなどを記した冊子「紀伊半島大水害 復興10年の軌跡」を慰霊碑に供え、犠牲者を追悼した。

 仁坂知事は大水害発生当時を「どれだけの犠牲者が出ているのか、恐怖で肝がつぶれるようだった。われわれは津波に備え対策し、大きなダム設置も行ったが、足りないことが分かった。人命救助後は復旧を目指した。国の支援を受けながら懸命に努力し、本格復旧が95%まで達成できた」と振り返った。

 今後については「災害を忘れず、行政は災害が発生した際に人の命を救うことが重要。ITなどを駆使して、情報収集や分析を行い、次に当たらなくてはならない」と決意を新たにした。

(2021年9月7日付紙面より)

仁坂吉伸知事が和歌山県の取り組みを記した冊子を慰霊碑に供えた=5日、那智勝浦町井関
犠牲者の冥福を祈り献花=同日、新宮市熊野川町
2021年09月07日
120 地元勢3校が初戦突破
 秋季高校野球一次予選  
2021年09月07日
121 「津波てんでんこ」に逃げる  成川小で津波避難訓練  
2021年09月07日
122 水害から10年、今年もかれんに  大里地区で「十月桜」咲く  (紀宝町 )
2021年09月07日
123 緊急時の備えとして  イージードームハウス展示  (わくわくドッカーン )
2021年09月07日
124 屋上防水・外壁補修が完了  新宮市立三輪崎小学校で  
2021年09月07日
125 町民有志らが花火跡清掃  打ち上げから一夜明け  (新宮市熊野川町 )
2021年09月07日
126 サルスベリの花が咲く  熊野地方各地で  
2021年09月07日
127 個性豊かな作品が並ぶ  太田小学校で夏休み作品展  (那智勝浦町 )
2021年09月07日
128 15~12歳の1回目を実施  新型コロナワクチン接種  (串本町 )
2021年09月07日
129 敬意表し長寿祝う  町社協の高齢者宅訪問  (古座川町 )
2021年09月04日
130 「私たちは、忘れない」
 宇久井中学校で防災学習  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町教育委員会は本年度、2011年の紀伊半島大水害の記憶を後世に伝えるため、町内3中学校で防災学習を実施する。2日には町立宇久井中学校(坊信次校長)で学習があり、1、3年生36人が真剣な表情で被災当時の那智川沿いの写真や遺族の証言に向き合った。

 紀伊半島大水害で小中学生4人を含む29人が亡くなった那智勝浦町では、16年に町と和歌山大学が那智谷大水害遺族会の協力を得てDVD「私たちは、忘れない 紀伊半島大水害のことを」を制作。つらい記憶をよみがえらせることから生徒の視聴には賛否があったが、水害後10年を迎える今年、申し出があった3校で上映に踏み切った。

 DVD視聴に続き町教委の草下博昭課長が講話。「災害時には『絆』という言葉が注目されるが、被災した状況下で人と協力していくのは容易なことではない。それが実現するには、日頃から人に優しく接し、多面的に物事を捉え、自分にできることを探すという行動を取っていることが大切なのではないか」と語り掛けた。

 参加した生徒からは「どんな被害があったのか、どういう経緯で大きな被害が起きてしまったのか知ることができた。家族を亡くした遺族の気持ちは想像もできないが、一つ一つの災害を忘れてはいけないと感じた」「5歳の時、自分の家も浸水したと聞いた。自分たちにできるのは、忘れないこと、そして防災に取り組むこと」などの声があった。

(2021年9月4日付紙面より)

被災当時の町の様子を視聴=2日、那智勝浦町立宇久井中学校
真剣に向き合う生徒たち
2021年09月04日
131 打ち上げ機運盛り上げる
 新たなロケットロゴT発売  (南紀串本観光協会 )

 南紀串本観光協会(島野利之会長)は町独自ロゴ「スペースタウン串本ロゴ」を活用したTシャツの販売を開始した。アウトドア総合メーカー「(株)モンベル」とのコラボ商品で、カラーは3種類。1枚3000円(税込み)。同協会と同協会古座の窓口で販売している。

 前面にロケットロゴ(単色)、背面の首元にモンベルのロゴをそれぞれあしらった。生地はペアスキンコットンを使用しており、丈夫で型崩れしにくく肌に優しい着心地となっている。色とサイズはネイビー(サイズS~XL)とホワイト(同S~L)、グレー(同XLのみ)。

 同協会はロケット打ち上げの機運を盛り上げようと町独自ロゴを活用した商品を開発してきた。ロゴを使った商品のモデルケースを見せる狙いもある。これまでに「大漁旗Tシャツ」「ロゴステッカー」「ロケットサイダー」などを発売した。商品はJR西日本が運行する長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の出迎えの際などにも販売している。

 今後は8月に完成した同協会オリジナルのロケットロゴ(全4種)を使った小物類の製作も計画している。商品の通信販売も検討中で、宇井晋介事務局長は「町全体で盛り上がっていることを形として示したい」と話していた。

 商品などの問い合わせは同協会串本事業所(電話0735・62・3171)まで。

(2021年9月4日付紙面より)

ロケットロゴを使用したTシャツ=1日、串本町串本
2021年09月04日
132 田辺市社協に福祉用具を寄贈
 みくまの農業協同組合  (本宮町 )

 みくまの農業協同組合(JAみくまの、漆畑繁生組合長)は8月30日、田辺市本宮町の保健福祉総合センター「うらら館」で田辺市社会福祉協議会(野見陽一郎会長)に介助型車椅子10台、松葉づえ3本、段ボールベッド30個を贈呈した。

 「農」と「食」と「地域を守る」を経営理念とし、地域に根差したJAとして2001年から活動してきたJAみくまの。昨今の経済情勢の変化により、今年6月に開催した第20回通常総代会で拠点再編が決まり、本宮支所が縮小となった。しかし、組合員や利用者にわずかでも地域貢献したいという思いから、「介護・福祉活動」「防災対策活動」の一助として、今回の贈呈に至ったという。

 同社協の松本栄夫副会長に目録を贈った漆畑組合長は「今回、本宮支所が縮小する中で何か地域貢献ができないかと考えておりました。福祉用具の必要性などを考え、少ないですが、今回の贈呈に至りました。今後ともどうぞよろしくお願いします」と話した。

 松本副会長は「大変ありがたい。少子高齢化社会が進む世の中、企業や社協もそれぞれ悩みがある。われわれとしても地域の皆さまがご心配ないように取り組み、貢献できるように進めてまいりたい」と話した。

(2021年9月4日付紙面より)

贈呈された福祉用具と目録を贈呈した漆畑繁生組合長(左)と松本栄夫副会長=8月30日、田辺市本宮町の保健福祉総合センター「うらら館」
2021年09月04日
133 「防災」について考えよう
 市野々小で防災学習  (那智勝浦町 )

 「防災の日」(9月1日)を中心とした1週間(8月30日~9月5日)は防災週間。那智勝浦町立市野々小学校(中西健校長)で期間中の2日、防災学習があった。児童らは真剣な表情で授業に取り組み、命を守る避難行動について学びを深める機会とした。

 5、6年生12人を対象に行われた授業では、新型コロナウイルス感染防止の観点から、県土砂災害啓発センターとオンラインで中継をつなぎ、防災について考える時間とした。学習テーマを「私の避難方法を考えよう」とし、同センターの坂口隆紀所長がハザードマップや警戒レベルから読み解かれる避難場所や方法などについて説明した。

 同センターによるオンラインを使用しての防災学習は初の取り組み。坂口所長は「『避難』とは命を守るために逃げること」と説明。「避難所では新型コロナの感染リスクも高くなる。でも避難しないこともいけない」と述べ、分散避難(ばらばら避難)の重要性を訴えた。

 分散避難のためには、自分の住んでいる所で起こり得る自然災害を知り、安全な場所を確認することが必要とし、ハザードマップを用いた事前確認を促した。

 また、天気予報などで耳にする「台風が発生」「梅雨前線・秋雨前線・線状降雨帯」「大気の状態が不安定」などの言葉や、気象情報における警戒レベルとその色分けにも注意が必要とし「赤(警戒レベル3)と紫(同4)を注意する色として覚えておいてください」と呼び掛けた。

 その後、児童らはハザードマップなどを参考にし、災害時の自分や家族の役割について考えながら避難スケジュールの作成に取り組んだ。

(2021年9月4日付紙面より)

ハザードマップで安全な場所や避難場所を確認した=2日、那智勝浦町立市野々小学校
オンラインで県土砂災害啓発センターとつないだ
2021年09月04日
134 個性豊かな作品並ぶ  町内小学校で夏休み作品展  (串本町・古座川町 )
2021年09月04日
135 約3年越しで工事が完了  平井地内の地滑り区間  (古座川町 )
2021年09月04日
136 ロケット関係経費など計上  一般会計補正予算案を発表  (串本町 )
2021年09月04日
137 9月議会提出の議案説明  一般質問は14日から  (新宮市 )
2021年09月04日
138 名誉町民推挙やバス路線変更  9月定例会に上程  (那智勝浦町 )
2021年09月04日
139 センニンソウが花咲かす  黒潮公園の生け垣に  (新宮市 )
2021年09月04日
140 「太平洋食堂」最後の開店  メメントC+「太平洋食堂を上演する会」  (DVD、BD販売中 )
2021年09月04日
141 3教科で全国平均下回る  全国学力・学習状況調査  (三重県 )
2021年09月04日
142 4人の功績をたたえる  自治功労表彰の授与式  (御浜町 )
2021年09月04日
143 お化け屋敷にも挑戦  うどの幼で「お楽しみ会」  (紀宝町 )
2021年09月04日
144 お悔やみ情報
  
2021年09月01日
145 歌い継がれる宇久井小校歌
 歌詞作成の羽山美苗さん  (那智勝浦町 )

 「やさしい朝のあいさつが みんな仲よくたすけあう きょう一日のはじめです 明るい宇久井小学校

 みどりの芝の運動場 ちひろの浜の白砂に とんだりはねたり元気です 楽しい宇久井小学校

 大きくゆたかな黒潮の 心をうけて育とうと 勉強に仕事にはげみます かがやく宇久井小学校」―。

 「まさか自分の歌詞が選ばれるとは思わなかった。今も歌っていただいているのは本当にありがたいことです」。そう話すのは新宮市三輪崎在住の羽山美苗(みなえ)さん(93)だ。那智勝浦町立宇久井小学校で約70年歌い継がれる校歌の歌詞を作った羽山さんに当時の心境や校歌に対する思いを聞いた。

 田辺市下屋敷町に生まれた羽山さんは和歌山師範学校を卒業後、父親と同じ教職の道へ進む。幾つかの小学校を経て、20代前半で同校へ赴任。当初は知人や友人がおらず、不安を抱えていたが、当時の中地晴一校長や同僚たちに励まし支えられたという。 

 羽山さんによると、地域や教師生活に慣れてきた頃のある夏休みに、「教師への宿題」として中地校長から校歌の歌詞制作の話が上がった。同校にはすでに明治時代に作られた校歌はあったが、歌詞が難しく当時は歌われていなかったと話す。

 宇久井地域について、詳しくなかった羽山さんは困惑しながらも、夏休み期間中に地域の海や山などを自身の足で歩いて回り、前述の歌詞が完成した。その後、9月の職員会議で提出された歌詞の中から見事、羽山さんのものが選ばれた。

 「言葉や意味が難しい校歌じゃなく、子どもたちにとって分かりやすいものを心掛けて作った。私の校歌が当時の文部省に送られた後に、文部省の方が宇久井小へ来られた。歌詞にある運動場などを確認していたのを覚えている」と当時を振り返った。

 町立那智中学校で定年退職を迎え、教師としての務めを終えた。その後新宮市の自宅で、書道教室を開く。和歌山県美術家協会に所属し、現在も現役で地域の子どもや大人たちに書道を指導している。

 羽山さんは「歌い継がれていることに感謝しています。校歌にも『仲よくたすけあう』とあるように、宇久井小に赴任した時やこれまでも、今も多く方々に支えられて生きている。それを忘れず、今後も感謝していきたい」と笑顔で語った。

(2021年9月1日付紙面より)

現在も歌い継がれている校歌=8月27日、那智勝浦町立宇久井小学校体育館
校歌を作詞した羽山美苗さん
2021年09月01日
146 どうなる?老朽化する学校施設
 長寿命化計画を策定  (新宮市 )

 新宮市教育委員会はこのほど、「市学校施設等長寿命化計画」を策定した。子どもや、施設を利用する全ての人々の安心安全の確保を最優先に考え、80年改築を基本に改修周期などの方針を固めた。

 全国的な児童生徒数の減少による学校施設などの統廃合が進む。そんな中、市も例外ではなく、現在は小学校5、中学校5、幼稚園1。市教委が所管するスポーツ施設は現在7施設となっている。災害時には避難所としての役割も果たすため、施設の老朽化対策や環境整備は喫緊の課題だ。

 千穂・丹鶴小の統合に伴い神倉小が、王子・蓬莱小の統合に伴い王子ヶ浜小が誕生。その際、神倉、王子ヶ浜小ともに校舎の建て直しや増築などが実施された。建設から40年が経過し、経年劣化による雨漏りなどの被害があった緑丘中の体育館も先日、修復工事が完了した。

 しかし、城南中に至っては校舎、体育館ともに50年が経過しているほか、光洋中も45年、熊野川中も50年近く経過している。スポーツ施設では、総合体育館、佐野体育館が建築から40年以上がたっている。

 同計画は、長寿命化改修を実施し、80年改築を基本とし、改修周期は建築後25年程度で大規模改造、50年程度で長寿命化改修を実施するというもの。

 利用者の安心安全の確保を最優先とし、避難施設の位置付けも考慮しながら、ユニバーサルデザインの視点に立った施設造りを目指していくとしている。計画期間は今年7月から2060年までの40年間。なお、市の試算では計画実行で従来(築50年程度で改築を実施する更新)より年間8000万円のコスト縮減につながるという。

 一方、児童生徒数についてはどうか。市によると、2020年度の児童生徒数は約1880人。25年後の45年度には半数程度の約920人になると予測されている。

 今年2月に実施された市総合教育会議において、田岡実千年市長は「生徒数の減少に伴い、緑丘・城南中学校の2校の統合に向けて検討を」。8月19日の教育民生委員会の場で速水盛康教育長は「どのような学校にしたいかなど、さまざまなことを検討する委員会を本年度中に設置できたら」と発言した。

 計画は、学校や施設の統廃合と並行して進めていく必要があるが、施設老朽化も待ったなしの状況。市教委は「子どもたちのために安定した教育環境を整備する必要がある。子どもや施設利用者の安全性や時代性を考慮しながら、どういった施設を残すのかなどを議論していかなければならない」と話している。

(2021年9月1日付紙面より)

築50年以上が経過する城南中学校校舎=8月27日、新宮市
2021年09月01日
147 介護用ベッド一式6台寄贈
 古座川町社会福祉協議会へ  (JAみくまの )

 那智勝浦町天満に本所を置くみくまの農業協同組合(JAみくまの、漆畑繁生代表理事組合長)が8月30日、古座川町社会福祉協議会(会長・西前啓市町長)に介護用ベッド一式6台を寄贈した。

 この寄贈は、同組合とJA共済の連名で展開する地域貢献活動の一環。介護・福祉活動として同町社協が必要とする一助を話し合う中で同ベッドが話題となり、その購入代行を同町社協に依頼し現物の到着に合わせて寄贈を申し出た。

 この日は漆畑組合長と関係職員2人が西前町長を表敬訪問して目録を贈呈。その後は町社協が代行購入した同ベッドの実物を確かめて説明を受け、寄贈の旨を示すシールを貼り改めて有効活用を願い出た。

 目録の贈呈を受け西前町長は「うち(=古座川町)も高齢化率が非常に高く、介護用ベッドは昔から無料貸与している。今は55台あるが51台が稼働している状況で、今回提供いただけたことは本当にありがたい。上手に活用させてもらいたい」と述べて感謝。町社協事務局は現行の無料貸与の仕組みに乗せ、全町規模で希望を受ける中で託された同ベッドも活用していくとしている。

 この寄贈の背景には6月実施のJAみくまの第20回通常総代会で経済情勢の変化に対応しうる強固な経営基盤を確立するための拠点再編案が承認され、同町内にある七川店(購買店)と明神支所が次年度に西向支所・西向営農センターへ統合される状況がある。

 JAみくまの共済部の井上馨部長によるとサービスの提供自体は統合以降も西向を拠点にして極力不便を掛けることなく続ける方向で準備を進めているが、併せてこれまで明神、七川の拠点を支えてくれた地域への貢献ができないかを考えた末今回の寄贈に至った。この日は田辺市本宮町にある同市社協本宮事業所へも同事業所が必要とする物品の寄贈を申し出たという。

(2021年9月1日付紙面より)

古座川町社協が代行購入した介護用ベッドの内容を確認=8月30日、古座川町高池
目録を贈呈する漆畑繁生代表理事組合長(左)
2021年09月01日
148 ロケットあやかり新商品発売
 3日から、「スペースポート~天ノ光~」  (尾﨑酒造 )

 熊野地方唯一の地酒メーカー、新宮市船町の尾﨑酒造株式会社(尾﨑征朗(いくろう)社長)は、3日(金)から新商品「スペースポート~天ノ光~」の販売を開始する。500㍉㍑で1210円(税込み)。

 本州最南端の町・串本町田原で建設が進む、民間初の小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」。

 同社は、熊野川の伏流水や地元産「コシヒカリ」を使用するなど、地元「熊野」にこだわった酒造りを続けている、本州最南端の蔵元。

 6代目の尾﨑社長は「地元の皆さんにかわいがってもらえるお酒を」と、1880(明治13)年から140年の伝統を守っており、新商品には「大宇宙への清らかな光を求めての思い」を込めた。

 宇宙や空をイメージした、青い爽やかなボトルの中身は本醸造酒で、ラベルには「太平洋」から月(宇宙)に向かって打ち上がるロケットをイメージ。気になるお味はボトルと同様「軽くて爽やかな味。癖がなくていろいろな料理に合わせやすい」(森本紘造・製造部長)。

 新宮・東牟婁地方の酒屋や土産屋、ホテルの売店などで購入可能とのことで、尾﨑社長は「(ロケットの打ち上げは)うれしいこと。本州最南端の地からの打ち上げに、本州最南端の蔵元から応援したい。(新商品は)幅広く楽しんでいただける一品。若い人にも手に取っていただければ」と話している。

(2021年9月1日付紙面より)

新商品をPRする尾﨑征朗社長(左)と森本紘造・製造部長=8月30日、新宮市船町
青色のボトルとラベルが宇宙とロケットをイメージ
2021年09月01日
149 12~15歳、約100人が接種  若い世代の新型コロナワクチン  (紀宝町 )
2021年09月01日
150 夏休みに全国の舞台で躍動  田尾心之輔君、疋嶋美拓さん  (神内小6年 )
2021年09月01日
151 サイクルトレイン実証実験  きのくに線でスタート  
2021年09月01日
152 「古代 熊野の夜明け」  坂本顕一郎さんの冊子が完成  (新宮市 )
2021年09月01日
153 新学期に向け準備進む  分散登校とオンライン授業で  (串本古座高校 )
2021年09月01日
154 お悔やみ情報