委員ら7人が意見や提言 (新宮警察署協議会 )
今年2回目の新宮警察署協議会が17日、同署で開かれた。橋本昭彦会長ら7人の委員らが出席し、人材確保や速度取締指針など4項目について各課長から説明を聞き意見を交換した。
同協議会は管轄区域内の地域安全や警察署の業務運営について、住民の声を代表する委員から意見を聞き、より良い運営を検討する機関。県内14署に設置されている。
優秀な人材確保に関して、警務課が県警職員全体の中で管内出身者の割合が減少していることや署で勧誘した人材の受験合格者が少ない状況を説明。小学生の訪問対応、中学生対象の「ミニ警察署協議会」、高校生への勧誘活動と業務説明会を開くなど、年代に応じた取り組みをしていると述べ「今後も警察の仕事に魅力を感じ、五感で感じて理解してもらうという活動を通じ人材確保を図っていくつもり」と紹介し、意見を求めた。
委員からは、「警察の活動、日々の生活の中で治安を守るのがすごいということなど、良い部分を発信していけばいいのではないか」「親世代に向けてのPR活動」などの提案があった。
交通課は管内の事故件数と特徴を挙げた。速度取締指針について、警察協議会で意見を確認し指針を策定したいと説明した。
来年度は国道42号(橋本地区から三輪崎地区)で時間は午前6時~午後2時と午後6時~午後10時、国道168号(相賀地区から熊野川町東敷屋地区)で午前8時~午後4時とする案と理由を話した。委員からは今年4月に運用を始めた「ゾーン30」の状況について質問が挙がった。
(2017年10月19日付紙面より)
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新宮・東牟婁の対象者は約1830人 (和歌山県 )
和歌山県教委は18日、県内の公立小中学校と特別支援学校の児童生徒を対象に学習到達度調査を実施した。児童生徒の学力の定着状況をきめ細かく把握し、指導法の工夫と改善に役立てるのが目的。個に応じた指導を充実させ、学習内容の定着を図る狙いもある。
対象は国立、県立、市町立の小学校、義務教育学校前期課程と特別支援学校小学部の4・5学年239校、約1万5500人。中学校、義務教育学校後期課程、特別支援学校中学部の1・2学年124校約1万5200人。新宮東牟婁地方では小学校25校約940人、中学校18校約890人の児童生徒らが取り組んだ。
調査教科は小学校第4学年と中学校第1学年は国語・算数(中学校は数学)、小学校第5学年と中学校第2学年は、国語・算数に今年から理科が加わった。当該学年の9月末までの学習内容と、前学年の学習内容について、基礎、基本的な知識・技能を問う問題と、身につけた知識・技能を活用する力を問う問題で構成されている。調査結果は来年12月下旬に市町村の教育委員会、学校、児童生徒に返す予定。
昨年度の結果では、小学校の国語で文章の解釈などに、算数では考え方や手順を説明する問題などに課題がみられた。中学校の国語では、日常生活での使用頻度が低い言葉の読み書きや記述の問題などに、数学では必要な情報を読み取り数学的に処理する問題や、理由を説明する問題などに課題が出ていた。
県では子どもの確かな学力の向上を目指し、課題解決に向けた取り組みを学校と協力して推進している。
(2017年10月19日付紙面より)
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茶道裏千家淡交会近畿第二学校茶道連絡協議会(千賀宗一委員長)の第33回研修会が15日に串本町サンゴ台にある串本ロイヤルホテルであり、会員168人が研さんに励んだ。
この研修会は、次代を担う青少年に茶道を伝える最前線に立つ会員の資質を高めるため年1回実施。会場は近畿第二管内(大阪府と和歌山県)の7支部で持ち回っていて、本年度は南紀支部(九鬼家隆支部長)の南紀学校茶道連絡協議会(関宗重委員長)が主管になって準備した。
同支部は紀伊半島東南部を管内とするが、今回は最遠の大阪北支部も日帰りできるよう串本町を会場地にし、先だって呈茶や昼食会も開いて会員が集う好機に親交を深める機会も提供した。
研修会実施にあたり、主催主管を代表して近畿第二学校茶道連絡協議会副委員長でもある九鬼支部長〈熊野本宮大社宮司〉は、大宗匠や家元の茶道継承にかける思いを振り返りつつ「茶は人に元気を与える和みであるべき。幼稚園や保育所、学校の協力を得て献身を積み重ね、笑顔が絶えない地域づくりに貢献する中で茶を話題にしてもらえるよう力を発揮してほしい」とあいさつ。
来賓を代表して和歌山支部の小関洋治副支部長は「日本文化に関心を持つ外国人観光客以上の理解を子どもに託す最前線に皆さんがいる」と位置付け、よき指導の実践を期待して盛会を祝った。永年勤続者表彰もあり、被表彰者8人の1人として南紀支部の阪口宗朝さん(県立新翔高校担当会員)が誉れを受けた
今回の研修主題は▽総本部あいさつ・報告(講師は茶道裏千家淡交会総本部総務部の吉本恵主任)▽熊野の歴史『熊野曼荼羅の絵解き』(講師は国際熊野学会の山本殖生副代表)▽事例発表『和歌山県立串本古座高等学校の活動報告』(講師は同校茶道部の濵口茉子顧問)―の三題。
吉本主任は総本部や家元の近況を報告し、併せて学校茶道連絡協議会全体の現状を報告。「一番の課題は卒業後の茶道継続をどう図るかにある。学校茶道を卒業しても青年部があり、先生について社中となって習い続けることができる。淡交会は全国組織で、学校茶道の生徒が進学や就職で他所に移っても最寄りの習える場所を紹介できる」と伝え、卒業後の事情で身に付けた茶道を断念させない働き掛けを求めるなどした。
(2017年10月19日付紙面より)
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消防団分団車両更新配備 (串本町 )
串本町は17日、同町消防団田並分団(交田恵司分団長)に消防ポンプ自動車、同団古座分団(関戸啓善分団長)に小型動力ポンプ付軽積載車をそれぞれ託した。
老朽化が進んだ旧車両の更新配備。田並分団の旧車両は平成6年に導入され23年、古座分団の旧車両(小型ポンプ付普通積載車)は平成5年に導入され24年、といずれも消防車両の耐用年数の最大値(20年程度)まで運用されていた。
田並分団の新車両はベース車がRV車からトラックに代わり、ポンプ性能はほぼ同等だが時代相応に電子化が進んでいる。古座分団の新車両は狭路も多い地域性を考慮し、ベース車を普通トラックから軽トラックに変更。小型ポンプは2ストロークから4ストロークに代わり、本体重量が98㌔と可搬式としては重量級になるが低騒音で新旧同等の性能を発揮するという。
この日は同町サンゴ台にある消防防災センターで納車式があり、田嶋勝正町長は「昨年は7件、今年は5件と火災が発生している。これから冬を迎え、火を使う機会も増える。この車両に一日も早く慣れていざという時に十分活用できるよう願いたい」と両分団長に希望。代表して交田分団長は「放水の際は消火活動に無駄を生じさせないよう努力する」と述べて配備に感謝した。
式後は和歌山日野自動車株式会社新宮営業所や有限会社ワカボー=田辺市=が操作方法を説明。交田分団長は走行安定性の向上、関戸分団長は機動力の向上を新車両に期待し、車両更新に臨んだ。
同町は本年度、両分団のほか古座消防署の消防ポンプ自動車1台を来年3月に更新する予定。
(2017年10月19日付紙面より)
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点検・整備後に各地区へ (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で5日早朝、秋の例大祭「御船祭」で使用する早船9隻が、各地区のこぎ手や関係者らにより蔵出しされた。
早船は長さ8・9㍍、幅は広いところで1・4㍍。スギ、ヒノキ、カシ、ケヤキの4種類を使用。点検・整備をした後、8日(日)、9日(月・祝)に、出船する各地区へと引き渡される。
御船祭は昨年3月に国の重要無形民俗文化財に指定された「新宮の速玉祭・御燈祭」に含まれている。早船競漕(きょうそう)は16日(月)の午後4時30分ごろ、神輿(みこし)で市内を巡幸した御神霊が熊野川河原で神幸船に遷御された後、旧丹鶴小学校下の河原に設けられた下札場(しもふだば)からスタート。熊野川をさかのぼり約1・6㌔上流にある御船島を3周し、同市相筋河原の上札場(かみふだば)を目指す。
11日(水)午後7時から、スタート位置を決める旗番抽選会が同大社双鶴殿で開かれ、同時に3年に1度行われる船番抽選(使用は平成30年から3年)も実施される。
今年の出船は、相筋、阿須賀、王子、春日、神倉、丹鶴、千穂、堤防、明神の9地区。昨年の優勝は阿須賀区で、記録は14分18秒。2位は王子区、3位は御幸区だった。
(2017年10月6日付紙面より)
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全国一斉キャンペーンで呼び掛ける (新宮市 )
「里親の日」の4日、新宮市橋本のイオン新宮店で里親制度の啓発活動があった。紀南児童相談所新宮分室の職員やファミリーホームクローバーの家の職員など7人がチラシやポケットティッシュを配布し、買い物客らに呼び掛けた。
活動は特定非営利活動法人日本こども支援協会が里親制度の認知度向上、里親の担い手不足を解消しようと企画した全国一斉里親制度啓発「One Loveキャンペーン」の一環として、市内では今回初めての実施となった。
同企画は里親制度の説明と社会的養護の現状が書かれたハート型のチラシを全国で一斉配布することにより一層の相乗効果を起こす目的。社会的養護の子どもの数と同じ4万5000枚が用意され、各地区の子どもと同じ枚数が配られた。チラシには「これだけ、この地域に養護されている子どもがおり、この子たちのハートを受け取ったあなたにこの子の未来が託されている」というメッセージを込めている。
イオン新宮店では里親制度を周知するのぼり旗を立てて活動を実施した。クローバーの家の荒木博和理事長は「里親制度はあまり知られておらず、このように一斉に活動することに意味があると思います。毎年継続していきたい」。
参加した社会福祉法人和歌山県福祉事業団本部・里親支援センターの平野雅裕センター長は「里親制度について認知度が低く、知ってもらいたいです。県内では施設やファミリーホーム、里親の下で暮らす子どもたちが500人おり、みなべ町以南は70人ほど。国もファミリーホームや里親など児童養護施設の小規模化と、より家庭的な環境で育てられる子どもたちを増やしていくことを目標としています。キャンペーンを通じて受け皿となる里親を増やしていきたい」と話していた。
(2017年10月6日付紙面より)
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図書館講座で山﨑泰さん講演 (新宮市 )
新宮市立図書館で4日、図書館講座があり、元同館司書の山﨑泰さんが「大逆事件の余波」をテーマに講演した。山﨑さんは、事件に直接関与しなかったが、大きな影響を受けた熊野と縁のある人々を紹介した。
明治天皇暗殺を企てたとして1911(明治44)年、12人が絞首刑、12人が無期懲役となった「大逆事件」。現在の研究では大逆罪に名を借りた社会主義者らへの弾圧で、国家によるでっち上げであったことが明らかになっている。熊野地域からは大石誠之助ら6人の犠牲者が出ている。
叔父誠之助が親代わりだった西村伊作は、国策の「良妻賢母」を徹底して嫌い、長女アヤの小学校卒業を機に、東京に日本初、男女共学の文化学院を設立した。誠之助と交流のあった与謝野晶子は、伊作の考えに共感し、学院で『源氏物語』を教えた。
誠之助が仲人した社交ダンスの草分け玉置真吉は事件後、九重小学校教員を退職に追い込まれ、のちに文化学院事務長に就任。その時ダンスに出会い、当時、上流階級で流行していたダンスを庶民に普及させた。
事件で犠牲となった古河力作が勤務していた東京・滝野川の西洋草花店『康楽園』の経営者・印東熊児は、父が新宮藩士で、母は東くめのいとこ。佐藤春夫の家(現在の佐藤春夫記念館)を設計した誠之助の末弟・大石七分や春夫が、大正時代の社会主義者のリーダー大杉栄と親しかったことなども紹介。山﨑さんは、反体制的な思想を持つ人物が熊野地域から多く出ている原因は、誠之助の影響だけではなく、風土もあると分析した。
管野須賀子や荒畑寒村が記者として活躍した『牟婁新報』の発行者、毛利柴庵は、新宮生まれ新宮育ち。誠之助の自宅が新宮支局だった。
同紙で神社合祀(ごうし)反対を訴えた南方熊楠は、「大逆事件」について「神社破滅のもっとも行われたる新宮町に、大逆徒の六名まで集まりしは、なお一層の研究を要すというも、相当の理由あり」と『和歌山新報』で書いている。
山﨑さんは、熊楠が事件の犠牲者たちに冷淡だった理由について、近所に住んでいた管野が神社合祀反対運動を冷笑したことや、海外留学時代に差別的扱いを受け、帰国後、天皇を特別視するようになったためではないかと推測した。
(2017年10月6日付紙面より)
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22日まで、熊野那智大社で (那智勝浦町 )
創建1700年式年大祭(14日・土)に伴い、那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)宝物殿で4日、企画展「熊野曼荼羅(まんだら)」が始まった。鎌倉時代から室町時代制作の貴重な曼荼羅を期間限定で22日(日)まで展示する。開催中の熊野十二所権現古神像などの特別展・後期は、12月31日(日)まで。入場料は300円、小・中学生200円(未就学児は無料)。時間は午前8時30分~午後4時。
特別展後期の展示品は国指定、県指定重要文化財を含む82点。天正9(1580)年の戦火で羅災した堂舎を豊臣家が願主となり復興造営をした際に作られた古神像7体(8体は前期展示)のほか、国指定文化財の『豊臣秀頼宛書状』、秀頼奉納品、同大社の由緒を記した『熊野山略記・那智の巻』や『那智山本社末社図写し』、三十三所巡礼の中興の祖といわれる花山法皇の遺物など。
企画展「熊野曼荼羅」として、熊野信仰布教の絵説きに用いられた県指定文化財『那智山宮曼荼羅』、仏の姿の熊野権現を表す厨子(ずし)入り『熊野本地仏曼荼羅図』、『熊野垂迹神曼荼羅図』を加え展示している。
京都府京丹後市から訪れた参拝客の西山浩さん(57)は「20代のころから、いつか熊野へ行ってみたいと思っていました。歴史が好きなので、曼荼羅を見て感激しました。」と話していた。
(2017年10月6日付紙面より)
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