色とりどりの大絵馬完成 (勝浦八幡神社 )
那智勝浦町の勝浦八幡神社(髙橋正樹宮司)で26日、大絵馬作りが行われた。町内の子どもたち31人が参加。太地町在住で日本画家の土長けいさんが講師を務める中、子どもたちは好きな絵の具を用いて来年の干支(えと)「卯(う)」の絵馬を完成させた。
同神社における大絵馬作りは昨年に引き続き2回目。神社本庁の過疎地域活性化推進施策を受けており、今年は「町の平和と繁栄を願って子どもたちで大絵馬を描こう」をテーマに開催された。
大絵馬は縦120㌢、横150㌢のヒノキ製。参加者が多かったことや、昨今のコロナ情勢を考慮し、子どもたちは「青」「赤」「黄」の3班に分かれて作業を実施。また、時間の短縮を図るため、ステンシル(型押し)の手法に挑戦した。順番を待つ班は小さな絵馬に好きな絵や目標を描いた。
鮮やかな青系統のグラデーションをバックに子どもたちは、それぞれ好きな絵の具を選び、スポンジを使って同神社例大祭を象徴するササや干支のウサギを表現した。土長さんが仕上げを行い、カラフルに彩られた来年の絵馬が出来上がり。子どもたちは拍手で完成を祝った。
土長さんは「モチーフ(ウサギ)は小さいがいっぱい描いてもらった。大人数だったのでできる限り密にならないように工夫しました。好きな色を使ってもらって個性あふれる絵馬に仕上がったと思います」。
髙橋宮司は、子どもたちに「お正月には絵馬を見に来て。また来年の大絵馬作りに参加してください」と呼びかけ、「元気でにぎやかな絵馬が完成した。来年は良い年になると思います」と笑顔を浮かべた。
大絵馬と子どもたちがそれぞれ作成した小さな絵馬は、年末あたりに境内に掲げられる予定。
(2022年11月30日付紙面より)
串本ライオンズクラブ(串本LC、山形五六会長)が27日、串本町古座にある旧古座川病院跡地で第6回自動二輪車安全運転講習会を開き愛好者29人が県警察本部交通部交通機動隊からじかに指導を受けて安全運転の意識を高めるなどした。
自動二輪車の知識や技術を高めて交通事故防止を図ることを目的とし、年1回の頻度で実施。旧串本警察署の統合に伴い今回は新たに新宮警察署へ協力を求め、同隊と調整して実施日時を決め口コミで愛好者に参加を呼びかけた。
当日は串本LC会員18人と同署交通課の課員が場内安全の確保に献身。開会に当たり山形会長と同署の山本貴彦・串本分庁舎長があいさつし、以降は同隊の隊員4人が手分けして運転前点検の紹介や▽スラローム▽ちどり▽連続カーブ▽急制動―といった練習コースで指導を注ぐなどした。
各練習コースは公道を走る中ではほぼ経験できない内容ぞろいで、その無理のない練習を通して自身の運転の限界がどこにあるかを実感し、万が一その限界に直面しても対処できる向上を図るのが狙い。今回は急制動以外の各練習後にそれら内容が連続するロングコースを組み、向上を確かめる機会も取り入れた。
全体を指揮した同隊第一小隊第三分隊の西村将平分隊長は「一生懸命に練習し考えていただけたことで、今後は交差点などで自身の動き方が変わっているのを感じられると思う」と話し、その成果を生かして危険を解消しより安全な運転を楽しみ他の愛好者にも教え広めることを期待。この講習会を計画する中軸で愛好者の一人として参加もした串本LCの小森正剛・第一副会長は帰路でさっそく成果を実行するよう促して締めくくった。
(2022年11月30日付紙面より)
火災予防運動に伴い総合訓練 (新宮市 )
新宮市消防団(中谷健兒団長)と市消防本部(垣内一男消防長)は27日、同市佐野の新宮港緑地で新宮地区総合訓練を実施した。熊野川町を除く、市内7分団団員と団本部91人、消防本部職員16人が参加。放水や礼式などの各訓練に取り組んだ。
訓練は消防団員が主体で実災害に即した訓練を行うことによる、団員の技術の向上と知識の習得を目的に毎年実施している。消防職員の訓練時の安全管理意識の向上を図る狙いもある。
今年は秋の全国火災予防運動(9~15日)期間中の13日に行う予定だったが、天候不順のため延期に。なお、熊野川地区では延期日の20日も天候に恵まれなかったため、訓練は中止となった。
訓練開始に先立ち、田岡実千年市長が日頃の活動に感謝を伝え「地震発生時には津波や火災などにより多くの住民から助けを求められる事態になる。特に消火活動は消防団の皆さまの力がなければ対応できない」。
「皆さま方の存在は地域住民にとって大変心強く、寄せられる期待はますます大きくなっている」とあいさつ。
中谷団長は「市民の安心・安全のために対応力向上のため、訓練を重ねていきたい。自分で納得のできる訓練になるように」と呼びかけた。
新型コロナウイルス感染症の影響で春の総合訓練は中止となっており、約1年ぶりとなった今回の訓練では、発生が危惧される南海トラフ地震に対応するため、可搬式ポンプからポンプ車への中継送水・放水訓練を展開。機関運用や無線交信要領の習得に努めるとともに、団員間の連携強化を図った。
訓練礼式は、消防活動に必要な、厳正な規律と迅速かつ的確で秩序ある団体行動を身に付け、消防精神の錬成を図ることを目的に実施。団員らが職員から指導やアドバイスを受け、真剣な表情で訓練に取り組んでいた。
閉式に当たって、垣内消防長が「大きな地震が発生するといろいろな所で同時に火災が発生する。各分団が各担当地域で消火活動を行うことを考えておかないといけない。普段から地震発生を想定し、しっかりと訓練をしておく必要がある」と講評。
「準備のための訓練を、全体の目標として取り組んでいきたい」とさらなる協力を呼びかけた。
(2022年11月30日付紙面より)
世界道路交通犠牲者の日 (新宮市 )
11月の第3日曜日は「世界道路交通犠牲者の日」。紀南交通事故被害者の会の中岡貴恵さんとその支援者、新宮警察署、第一生命株式会社和歌山支社新宮営業オフィスの社員らがこの国際デーに合わせて26日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店で安全運転と交通死ゼロを呼びかける啓発活動を実施した。
犠牲者を追悼し、遺族の救済や交通犯罪予防の取り組みの重要性を啓発する国際デーで、2005年の国連総会決議で定められた。日本では、TAV交通死被害者の会(大阪府)が「黄色い風車」を統一アイテムとした運動を展開している。
当地方で活動の中心となっている中岡さんは、2018年12月14日に紀宝町鵜殿の六反田交差点付近の県道で発生した交通事故で、母親の中尾叔子さん=当時(85)=を亡くした。家族と共に事故現場を訪れた中岡さんは、白い花と黄色い風車を手向け「犠牲者を悼み、二度と事故が起こらないよう願う心は世界共通。ハンドルを握る責任と命との重さを感じ、ドライバーの方々には安全運転を心がけてほしい」。孫の間部遙斗君(10)も「事故をなくすため、ちゃんと信号を守ってほしい」と思いを語った。
啓発活動では、買い物客たちに黄色い風車や12月11日(日)に同市文化複合施設「丹鶴ホール」で開催される「新宮ハートフルコンサート~交通事故防止の願いを込めて~」のチラシなどを手渡した。
新宮警察署によれば、2022年に管内で発生した交通事故(11月25日現在)は、死亡事故3件、人身事故64件、物損事故約1250件。啓発に協力した第一生命の林田祥道オフィス長は「情報を頂き、地域の方々への呼びかけに協力させていただいた。私たち社員一同も、改めて日々の仕事で安全運転を心がけていきたい」と話していた。
(2022年11月30日付紙面より)
レインボーリボン週間 (新翔高校 )
新宮市の県立新翔高校(藤田勝範校長)で21日、性的マイノリティー(LGBTQ)への理解と支援の輪を広げようと「レインボーリボン週間」が始まった。全校生徒298人がリボンを身に着け、生まれ持った身体の性と心の性が異なるトランスジェンダーの当事者である丸山都さんの講話に耳を傾けた。
さまざまな社会問題や難病に対するさりげない支援や賛同を表明する「アウェアネス・リボン(気付きのリボン)」を参考に、教職員らがリボンを制作して配布した。
講演の冒頭、丸山さんは生徒たちに「好きな色は何ですか?」と問いかけ、性的指向について▽レズビアン(女性同性愛者)▽ゲイ(男性同性愛者)▽バイセクシュアル(両性愛者)▽アセクシュアル(無性愛者)▽ヘテロセクシュアル(異性愛者)―など多様な人々がいることを説明。性自認についても、Xジェンダー(男性でも女性でもない)、シスジェンダー(身体の性と心の性が一致している)、クエスチョニング(性が決まっていない)といった言葉を解説した。
自身のカミングアウト後に「ええやん、マルはマルやから」という友人の言葉に救われたと語り、「セクシュアリティーは『好きな色は何?』という問いと一緒。一人一人違うから面白い。LGBTQの象徴である虹色のもので理解者であることを示してくれたら、すごく心強い」と呼びかけた。
中村美優さん(3年)は「ヘテロセクシュアルやシスジェンダーなど、自分が普通と思っていたことにも名前があることを知った。最近は男女関係なく好きな制服を着られる世の中になっていると思う。LGBTQの方々のことを身近に感じられた」と話していた。
(2022年11月23日付紙面より)
高宮和也さん迎えて指導会 (串本ベースボールクラブ )
串本町を拠点にして活動するクラブチーム「串本ベースボールクラブ」(湊健次監督)が20日、元プロ野球選手の高宮和也さん(40)を迎えて指導を受ける機会を得た。
中学生を対象にして今年1月から活動を本格化し、4月1日付で県軟式野球連盟に登録した同チーム。現在は3年生1人、2年生1人、1年生9人が毎週土・日曜日に旧串本古座高校古座校舎、同火曜日に総合運動公園雨天練習場で練習に打ち込んでいる。湊監督ら指導陣は将来に生かせる体力、人間力(精神力)、技術力を託して希望する進路(高校など)へ送り出すことを見据えてその環境を支えている。
大阪府出身の高宮さんは、他球団を経て2013~17年に阪神タイガースに所属していた元プロ野球選手。現役時代は投手として活動し、現在は引退しスポーツ用品店所属アドバイザリースタッフとして後進の育成に力を注いでいる。そのことを知る指導陣とのつながりで、今回の機会が実現したという。
高宮さんはピッチングやキャッチ、バッティングとグローブのメンテナンス方法などを指導。バッティングでは素振りの取り組み方やミスを少なくする動作を紹介し、一人一人の実践を見て修正指導を注ぎ選手は目に見える上達を授かっていた。
最年長の小堀敬太郎君(3年)は「プロ野球選手に教わるのは初めてで、とにかくすごいこと。投げ方を見てもらい教えていただいたことはとてもためになりました」とコメント。高宮さんは「野球には必ず勝ち負けがついてくる。皆さんは中学生なので、好きな野球への楽しさも大事だが一つのミスで勝てるものが勝てなくなるなどワンプレーに対する厳しさ(=緊張感)も徐々に知ってほしい。野球は個人スポーツではなくチームスポーツ。それぞれがカバーしあう中でのワンプレーの大切さを少しでも伝えられれば」と限られた時間の中で特に託したい思いを語った。
同チームの活動は前述した時間帯で随時見学できる。クラブチームなので加入時は入会金と月謝が必要。興味が湧いたら最寄りの指導陣へ声をかけてほしいという。
(2022年11月23日付紙面より)
デマンド運行2年経過し (新宮市熊野川町 )
新宮市熊野川町日足の熊野川総合開発センターで21日、同町地域における公共交通に関する意見交換会があった。昼・夜の2回に分けて実施。市職員がデマンドタクシーの運行実績などについて説明し、町民が意見を届けた。
同町では、民間事業者の路線バスをはじめ行政バスの利用実績が少ないといった現状を鑑み2020年10月、公共交通を再編。路線バス(玉置口線、篠尾〈ささび〉線)、行政バス、熊野川診療所送迎(敷屋方面)を廃止し、事前予約制の乗り合いタクシー(デマンドタクシー)を導入した。
意見交換会は、デマンドタクシー運行開始から2年が経過するに当たり、よりよい運行に向けて町民意見を聴取するもので、運行開始以降、初の実施となった。なお、デマンドタクシーは現在、運賃は1回(片道)100円均一で、同町内全域および一部町外(高津橋バス停、熊野市役所紀和庁舎)を1日最大8便運行している。
市によると、利用者は増加しており、1日当たり9人が乗車(令和3年度は7人)した。通院(診療所、23・2%)や通学(28・2%)目的の利用が多く、また21年4月のダイヤ改正に伴いバス乗り換えによる利用も増加しているという。
職員の説明を受け、町民からは「子どもが通学でデマンドタクシーを利用しているが、ここ1週間は時間が合わずに送り迎えをしている。便数を増やすことは」「観光客が使っていいのかは別だが、北山方面の観光地に行く手段がない」。
「子どもも高齢者もまとめてデマンドタクシー。通学に関しては子ども中心に考えてほしい」「料金をプラスしてもかまわないので、市街地や本宮町まで行ってもらえれば」などの意見が上がった。
対し、市は「多様な機能を持たせることは理想だが離して考える必要がある」「市を越えることのハードルの高さがある。町内を安く、ということに重きを置いている。今のデマンドタクシーに付加するのは現状では難しい」などと説明しつつ「公共交通の利便性を上げることと公共交通を利用できない人の支援が一つのポイント」「住民施策として、教育部局や福祉部局など、全体で取り組んでいく必要があると感じている」などと理解を求めた。
「診療所へ行く人が多いが、便の間が1時間半空いている便もあり乗り継ぎのために待つ場合もある」とし、増便や寒さを防ぐための乗り場へのついたて設置などの処置を求める声もあった。
(2022年11月23日付紙面より)
ガイドツアーにドイツ人 (那智勝浦観光機構 )
一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)は18日、那智勝浦町築地の勝浦地方卸売市場で、「生まぐろ競り(入札方式)ガイドツアー」を実施した。ドイツから参加した8人(同行ガイド含む)は市場で漁法や競りの説明を受けるなどして、生マグロの生態や魅力に触れた。
紀州勝浦産の生マグロの魅力を国内外に発信するために企画されたもので、今年7月にモニターツアーを行い、発売に至っている。
機構によると、海外からの同ツアーへの予約はこれまでにもあったが、コロナ禍などの事情から実施に至らず、今回が初だという。
参加者は軽量無線機を取り付けて市場でマグロの入札や漁船を見学。機構の塩地真子さんが説明し、旅行会社BCT―Touristikの久保田智子さんが通訳した。
塩地さんはマグロの種類や同町で水揚げされるビンチョウマグロ、キハダマグロ、メバチマグロ、クロマグロを紹介。マグロ漁の種類にも触れ、同町で行われているはえ縄漁は、マグロに傷やストレスを与えず、持続可能な方法であるなどを説明した。
その後一行はにぎわい市場に移動し、ツアーのオプション「まぐろのっけ寿司体験」に取り組んだ。株式会社ヤマサ𦚰口水産の職員が自社の事業やマグロについて説明した。
生マグロや同社の「もちメバチマグロ」、「もちビンチョウマグロ」の切り身とシャリが並べられた皿が各自に用意され、それぞれが好きな食べ方で楽しんだ。その後は同社からサービスで、マカジキの切り身の提供もあった。
久保田さんは「このようなツアーはドイツの方にも需要があると思う。お客さまもとても喜んでいました」。
ツアーに参加したヴォルフガング・シュヴァルツバッハさん(75)は同町やツアーについて、「勝浦は美しい所。ツアーでは見たことがないマグロなどが見られて、面白かった。種類の違うマグロを食べ比べることができた。他の魚が食べられないと思うくらい、とてもおいしかった」と笑顔で話していた。
塩地さんは「現在は日本人のお客さまの利用が多いツアー。しかし、海外個人旅行(FIT)が解禁となり、国内にも外国人観光客の方が増えてきた。今後はオプションを強化して選択肢を広げ、有力な商品に仕上げていきたい」と語った。
(2022年11月23日付紙面より)
納税表彰式で表彰状や感謝状 (新宮税務署 )
新宮税務署(河野武署長)、公益社団法人新宮納税協会(横手章郎会長)、新宮納税貯蓄組合連合会(森川起安会長)は17日、新宮市井の沢の新宮商工会議所で「令和4年度納税表彰式」を開いた。管内で国税の申告と納税、租税教育などに貢献した個人や団体に対して、河野署長、横手会長、森川会長が表彰状や感謝状を手渡した。
国税の申告と納税および租税教育などに関して、功績顕著な団体または個人、法人を顕彰することにより、広く納税思想の高揚などに資することを目的に、「税を考える週間」(11月11~17日)の行事の一環として税務署と関係民間団体の共催で行われている。
新型コロナウイルス感染症の影響で3年ぶりとなった表彰式では、河野署長が開式のあいさつ。税務行政への理解と尽力に対して感謝を示し「今後も納税者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現するという使命を果たし、納税者の皆さまからの理解と信頼を得るため、納税環境の整備や適正・公平な税務行政の推進に向けたさまざまな施策に一層取り組んでいく」。
来年10月に導入されるインボイス制度について「制度の円滑な実施に向けて、引き続き事業者の方々に制度の理解や準備が進むよう、あらゆる機会を捉えて周知・広報に努めたい」と述べた。
公務で欠席の田岡実千年市長に代わり、稗田明総務部長が「皆さま方の日頃の租税教育の推進による納税意識の高まりは、市の安定した財政確保と市民が夢と希望を持ち、安心して暮らし続けるまちづくりにつながる。今後も納税制度の普及、地域社会の発展のためにご尽力を」とあいさつを代読。
受賞者を代表して西哉素史さんが「今後も組織の拡大や活発な事業活動の積極的な推進に協力し、正しい申告と期限内納税の励行に努め、他の模範となるようにと努力を重ねていく」と誓いを新たにした。
続いて「中学生の『税についての作文』」(国税庁、全国納税貯蓄連合会主催、応募編数46万918編)で国税庁長官賞を受賞した森本健星さん(太地中3)と「税に関する高校生の作文」(国税庁主催、応募編数14万8050編)で和歌山県知事賞に選ばれた𠮷良佳子さん(近大新宮高1)が作文を力強く朗読。なお、和歌山県は、「中学生の『税についての作文』」において全生徒に占める応募割合で、22年連続で全国1位を達成している。
(2022年11月19日付紙面より)
全校生徒が防災学習 (緑丘中学校 )
新宮市立緑丘中学校(宮本雅史校長)は17日、学年ごとで別内容の防災学習を行った。全校生徒228人が学び、有事に備えた。
生徒自身に防災を学んでもらい、さらに地域の防災リーダーとなってもらうことを目的に実施した。1年生が防災マップ作り、2年生が非常用持ち出し袋の中身、3年生が避難所運営を学んだ。
3年生92人は、体育館に集合。5人程度の班に分かれ、避難所運営の図上訓練を行った。教室や体育館など、学校の間取りが記された図を使用し、避難者に見立てたカードを振り分けていくもの。配慮が必要な避難者も多く、さらに各室の収容可能人数にも限りがあり、生徒には運営者として適切な配置が求められた。
前提条件は▽大地震発生▽現在時刻は午後4時から午後11時の間▽雨が強くなってきている▽気温は7度、夜中に0度に▽電気、ガス、水道は使用できない―など。さらに「生徒の個人情報もあるため、職員室は使用しない」「避難生活が続く中で学校再開もあり得るので、できるだけ教室は空けておく」なども加えられた。
避難者カードは世帯ごとにまとめた状態で裏に番号が記され、裏返した状態で各班に配られていた。教員の番号読み上げで、その世帯が避難してきたものと見なした。人数は世帯ごとに違い、当然1人もおり、旅行中の外国人もいた。▽子どもがパニック状態▽乳児連れ▽酒臭い人がいる▽ぜんそく持ち▽インフルエンザ感染―などの世帯もあった。
じっくり考える間もなく、カードの避難者は次々と訪れた。加えて▽テレビ▽おむつとミルク▽給水タンク―などの支援物資も届き、その配置も求められた。生徒らは「その世帯はこっちに」「乳児連れは同じ部屋に」などと、急いで相談し、懸命に振り分けを行っていた。
大堀夢叶(ゆめと)さん(15)は「夜泣きする子がいるなど、配慮が必要な人がいると振り分けが難しかった。実際に(災害が)起こって(避難所運営を)やることになったら戸惑うと思うが、みんなで協力して案を出して頑張りたい」と話した。
(2022年11月19日付紙面より)
那智勝浦町立市野々小学校(中西健校長)と市野々公民館分館(古田桂造分館長)は17日、同校グラウンドで交流グラウンドゴルフ大会を開催した。5、6年生12人と地域住民17人が参加し、楽しい時間を過ごした。
毎年恒例の大会で、子どもたちと地域住民の仲を深めようと実施。8ホールを2周し、計16ホールでスコアを競った。
児童は体育などで2回練習をして大会に臨んだが、あと少しでホールポストに入らないボールに「悔しい~!」「あとちょっとなのに」と一喜一憂。一方、毎週練習を重ねている地域住民たちからはホールインワンも飛び出し、児童から「すごい」「僕もホールインワンがいい」と声が上がった。試合後には、それぞれに賞品が手渡された。
猪飼彩月さん(5年)は「自分のスコアはあんまり良くなかったけれど、楽しかった。地域の皆さんも、6年生も上手だった」と語った。
閉会式で中西校長が「地域の皆さんが学校に来てくださること。子どもたちにとって、こんなにいい学びはない。今後も楽しい学校生活になるよう、力を貸していただきたい」とあいさつ。
古田分館長は「地域で会ったらぜひ声をかけてください。来年は市野々光峰会とのGG大会も計画しているので、また楽しみましょう」と呼びかけていた。
(2022年11月19日付紙面より)
総合運動公園でキャンプ (串本町 )
社会人ラグビーチーム「清水建設江東ブルーシャークス」(佐藤和美代表理事)が18日、串本町総合運動公園でキャンプを始めた。民間ロケット射場「スペースポート紀伊」建設の縁で実現した初来訪で、期間は20日(日)までの3日間。校区内に同射場がある串本町立田原小学校(山路和彦校長、児童14人)と交流して地域への競技普及を図りつつ、短期集中で向上に打ち込んだ。
東京都江東区に拠点を置く同チーム。今年から始まったジャパンラグビーリーグワンDivision3で2位となり、Division2のスカイアクティブズ広島との入れ替え戦で2連勝して昇格を果たすなど勢いを見せている。
今回のキャンプは、2年前に同射場建設がきっかけで同公園の紹介を受けていた佐藤代表理事が、今年の着任を機にキャンプ先として推奨したことで実現。同チームにとっては新型コロナウイルスの情勢もあり3年ぶりの実施だそうで、都合がついた選手とスタッフ82人と基本フルメンバーで参加しているという。
開始に先だって同町側からの歓迎セレモニーがあり、代表して熱烈なラグビーファンでもある平井治司副町長が初来訪を歓迎。佐藤代表理事、キャプテンの高橋広大選手、バイスキャプテンの松戸治樹選手と臼井礼二朗選手にボトルドウオーター「串本の水」や紀南農業協同組合のブランドミカン「天」の差し入れを託し、同チームはサイン入りジャージを託し代表して佐藤代表理事は「代表理事となっていの一番に串本でキャンプができないかとスタッフに伝え、年度内に合宿を実現できた。こちらで最終調整をして新しいステージでの戦いに臨み、来季はDivision1に上がりファンもついてくるようなチームとなって串本町へも少しでも貢献できるようにと考えている」と謝辞を述べて感謝した。
選手全員が社員で練習時間が限られる同チーム。セレモニー後はさっそく練習を始め、併せて選手の一部が田原小児童に競技体験の機会を提供する地域貢献にも取り組んだ。
(2022年11月19日付紙面より)
新宮弓友会主催の月例射会
卓球・バスケットボール
県高校弓道新人大会 (新翔高・新宮高 )
【第55回】カルタ作りで食育を!
先日、新宮市で講演をさせていただきました。開催に当たりご協力いただきました関係者の皆さま、そしてお越しいただきました皆さまに心より御礼申し上げます。思っていたよりも、たくさんの方にお越しいただき、とてもうれしかったです。久しぶりに新宮駅周辺に行き、同級生や恩師にも再会し、タイムスリップしたような気持ちになりました。地元でこんな機会を頂けてとても幸せでした。
さて、今回はカルタ作りのお話をしようと思います。未就学児のお子さまをお持ちの方にはとってもお勧めの食育です。食育というよりは、教育かもしれません。私は娘が年中さんくらいの頃に、カルタ作りをやりました。作り方はとてもシンプルです。「あ」から「ん」まで読み札を一緒に考えます。この時に、季節の花や野菜を入れるようにしました。例えば「つくしは春にニョキッとはえる」とか「なつにはビワを食べましょう」とか、簡単なものです。そして、絵札に絵を描かせます。どんなに下手でも大丈夫。色も一緒に塗りました。
1日に2~3枚くらいずつ作っていったので、50枚作るのにはとても時間がかかったのですが、これがとても良かったのです! カルタを作って良かったことを三つご紹介します。
まず一つ目は、平仮名を覚えること。自分で作ったカルタは何度も何度も遊ぶので、読み札もすらすら読めるようになり、平仮名を完全に覚えてくれました。お勉強感覚ではなく覚えてくれたのはとても良かったと思いました。
「あ」から「ん」まで五十音あるのもとてもいいと思います。これは手作りじゃなくてもそうかもしれませんが、市販のカルタとは遊ぶ頻度が全然違うので、繰り返し何度も遊ぶことで、読み手もやりたいという思いが芽生え、一生懸命読んだ結果だと思います。
二つ目は、何度も繰り返し遊ぶことで、季節の野菜や花、果物をたくさん覚えること。意図的にそういう読み札を入れたというのもありますが、これはとても効果的でした。食卓に出した時も、「これは秋の野菜だね~」などと話して、カルタに入れた野菜や果物はよく食べるようになりました。カルタ作りをするなら、ぜひ取り入れてほしいと思います。
三つ目は、とてもいい思い出になるということ。作ってすぐは何度も遊ぶのですが、しばらくすると飽きてしまいます。でも、大切に取っておくと、子どもが大きくなった今も、とてもいい思い出の品になっています。絵のタッチや、本人が考えた読み札は、今見るとかわいくて思わず笑ってしまいます。私は当時思い付きで始めたので、薄っぺらいコピー用紙みたいなもので作ってしまいましたが、無地のカルタもネットで簡単に手に入るので、これから作る皆さんはぜひ厚紙などしっかりしたもので作ってみてください。何度も遊ぶので、すぐに破れたりボロボロになってしまうのです。
小さなお子さんがいるご家庭にはお勧めです! お正月に向けてぜひ挑戦してみてください!
(2022年11月19日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で1日、来年のえと「癸卯(みずのとう)」の大絵馬と小絵馬が完成した。神門大絵馬は12月1日(木)に、大しめ縄と共に大社神門に掲げられる。
神門大絵馬は、横232㌢、縦117㌢。熊野地方の自然をイメージした深い青と金色の月を背に前進するウサギを描いた。体には、同大社の縁起物「挑花(ちょうばな)」と田辺市の花である梅の枝が描かれており、その目は真っすぐ前を見据えている。
各地で起こっている紛争や、いまだ収束を見せない新型コロナウイルス感染症の状況などを憂いつつ「来年こそは光り輝く未来へ」と願いを込め「前進」の文字を揮毫(きごう)した。
白浜空港の大絵馬は、赤と黄色、緑の円をウサギの体に見立て、平和と自然保護の大切さや、日本を中心に世界の人々が大きな広い心でつながるよう願いを込めた。
新宮、白浜、紀伊田辺のJR各駅に掲げる小絵馬には、それぞれの地域をイメージする色を背景に月を見るウサギを、周参見駅と白浜町の南方熊楠記念館の小絵馬には、月をバックに駆け出すウサギを描いた。世界平和やコロナ収束、そして旅の安全などを願い、21日(月)に新宮駅と周参見駅、22日(火)に白浜駅と紀伊田辺駅に授与する。
九鬼宮司は「新型コロナウイルスの影響で多くの人が動きづらい状況の中、卯年は『芽が動き始める』ともいわれている。熊野にお参りいただき、一歩でも前に動く気持ちを持つ一つのきっかけになれば。世界の平和を願いつつ、人々がにぎやかで笑いの絶えない1年であってほしい」と絵馬に込めた思いを語った。
(2022年11月2日付紙面より)
市野々小でオンライン学習 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立市野々小学校(中西健校長)で10月27日、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)によるオンライン講座があった。5、6年生12人が、海底調査を通じて地震のメカニズムを解明する取り組みや、海溝型地震の仕組みについて学んだ。
JAMSTECは「海洋」と「地球」を対象に、地震や火山活動、気候変動、生命の進化、資源に関する最先端の科学研究を行い、得られた知見や技術を社会に還元することを目的とする研究機関。同小の地震・津波に関する防災学習の一環として、子ども向けのレクチャープログラムに参加した。
児童は、JAMSTECが地震のメカニズム解明や予測のため▽探る(発生した地震の調査)▽モニタリング(海底下の継続的な観測・記録)▽再現・予測(データに基づくシミュレーション)―などの研究アプローチを行っていることを学習。2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震によって沖合の海底にできた長さ80㍍の亀裂の映像などを視聴した。
新宮港にも寄港したことのある地球深部探査船「ちきゅう」によって海底から採掘された「地震の鍵になる岩石」から「スメクタイト」と呼ばれる滑りやすい粘土層が見つかったという最新の研究成果には、驚きの声が上がった。
溝口悠真君(5年)は「すごく楽しみにしていた。『しんかい6500』のことは知っていたけれど、それ以外にもたくさんの種類の船があると知って面白かった」と話していた。
(2022年11月2日付紙面より)
第46回紀南吹奏楽のつどい (紀南地区吹奏楽連盟 )
第46回紀南吹奏楽のつどいが10月29日に串本町文化センターであり、新宮・東牟婁地方で活動する中学、高校、社会人の吹奏楽部や吹奏楽団がそれぞれの持ち味を生かして順次演奏を響かせた。
このつどいは、紀南地区吹奏楽連盟(森一之理事長)が主催。活動成果を披露し合う交流を通して、部員や団員の調和と技術向上を図る目的で基本年1回開いている。旧新宮商業高校・植村俊平教諭の呼びかけで1967年に始まり県内で最も歴史がある地域合同演奏会として続いているが、他行事との合同実施や新型コロナウイルスの感染拡大など社会情勢で開けない年もあり、回数は継続年より少なくなっている。
前回に続いて感染症予防対策を心がけての実施で、数十人規模となる中学一丸と高校一丸の各演奏は休止。一般鑑賞は部員・団員の家族2人までと制限して迎えた。
出演は潮岬中、光洋中、那智中、緑丘中、近大附属新宮高・中、串本古座高、新翔高、新宮高の各吹奏楽部と、3年ぶりとなる社会人の那智勝浦吹奏楽団。
開会に当たり同連盟の西野政和副会長はまず、夏の県吹奏楽コンクールで2年連続金賞獲得の近大附属新宮高、2年連続金賞獲得で県代表として関西コンクールに進出し銀賞を得た新宮高の各吹奏楽部の健闘を報告して一同で称賛。ウクライナ情勢へ思いをはせつつ「当たり前のように舞台に立ち音楽を楽しんでいるが、これも平和な世の中があってこそ。そのことを頭において活動を続けてほしい」と部員や団員の気持ちを促した。
冒頭は会場地の潮岬中が出演し、光洋中と那智中と緑丘中は部員数が少ないため近大附属新宮中を加えた4校29人ユニットを結成して合同発表。以降高校などの発表が続き、真摯な姿勢も見せつつ小道具を持ち出したり自身のテーマソングや入賞曲を奏でるなど会場を盛り上げる構成も織り交ぜた演奏が続いた。最終は那智勝浦吹奏楽団で、定番のファンファーレを響かせ愛好曲や定期演奏会に向け練習中の新曲を披露。同連盟の大江伸二副会長が閉会のあいさつを述べて締めくくった。
(2022年11月2日付紙面より)
JR新宮駅にオレンジリボンツリー設置
11月の「児童虐待防止推進月間」に先立ち、新宮市徐福のJR新宮駅の待合室に10月31日、オレンジリボンツリーが登場した。同駅協力の下、NPO法人和歌山子どもの虐待防止協会が設置。同協会では月間に合わせ、各市町村へのツリーの設置や動画の配信などを通して啓発活動を展開していく。
厚生労働省は、11月を「児童虐待防止推進月間」と定め、家庭や学校、地域などの社会全般にわたり、児童虐待問題に対する深い関心と理解を得ることができるよう、児童虐待防止のための広報・啓発活動などの取り組みを実施している。
オレンジリボン運動は2004年に栃木県で児童2人が虐待を受け、命を落とした事件をきっかけに、翌年、同県の団体「カンガルーOYAMA」が児童虐待防止を目指して始めた。NPO法人児童虐待防止全国ネットワークなどの協力を得て活動を全国に広めており、運動を通して子どもの虐待の現状を伝えて関心を高めてもらい、虐待のない社会を築くことを目的としている。
同協会は2000年に民間団体として設立。今年で22年を迎えた。これまで、月間に合わせて白浜町や田辺市などでツリーの設置を行ってきたが、新宮・東牟婁郡では今年が初めてという。
本来であれば、子どもたちにリボンを作ってもらい、直接ツリーに飾り付けを行うが、新型コロナウイルス感染症の状況を考慮し、リボンは会員らが制作。飾り付けが済んだツリーと啓発物資を配置し、虐待の現状や運動の周知を図る機会とした。
ツリーを設置した同協会紀南地区運営委員の安原克彦さんは「JR新宮駅さんにご協力いただき、新宮・東牟婁では初めてこういった活動をさせていただくことになった」と経緯を説明。
同駅の大市貴明副駅長は「新宮駅から児童虐待の実態や運動を発信できれば幸いです」と話していた。
厚生労働省によると、児童虐待による死亡事例は年間70件を超えており、単純計算では5日間に1人の子どもが命を落としていることになる。
今年の月間の標語は「『もしかして?』ためらわないで!189(いちはやく)」。「児童虐待かも」と思ったときには児童相談所虐待対応ダイヤル(電話189)へ連絡を。通告・相談は匿名で行うことができる。
(2022年11月2日付紙面より)
クラブ、シニア選手権 (那智勝浦ゴルフ倶楽部 )
ソフトテニス・サッカー・剣道