3消防本部が合同潜水訓練 (新宮市 )
新宮市消防本部(内野井愼搾署長)、那智勝浦町消防本部(関谷善文署長)、串本町消防本部(岡貞次署長)は17日、新宮市三輪崎の新宮港三輪崎岸壁ケーソンヤードで合同潜水訓練を実施した。潜水隊員たち17人は各本部の垣根を越え、連携を深めながら訓練に取り組んだ。
毎年、各消防本部の管轄エリアで順番に訓練が行われており、「顔の見える関係」を構築し、消防本部相互の連携強化や各隊員の士気の高揚、潜水技術の向上を図る目的。昨年は同市で開催予定だったが、台風の発生により中止となった。
3消防署を代表し、内野井署長が「本日の訓練は隊員の安全、潜水技術の向上はもとより、各消防本部の資機材や装備の確認など情報交換にもつながっている。各隊員の顔や名前を覚えてもらう良い機会」と述べ、「夏本番となるため、水の事故も増加する。この訓練を通じてさらなるスキルアップを行い、地域の安心・安全の確保に務めてもらいたい」とあいさつした。
隊員らは準備体操後、装備を整え、各班ごとに海へ入水。「ドルフィン泳法往復訓練」や「垂直素潜り」、水中で慌てずもやい結びなどのロープワークを行う「水中結索」、約20㌔の酸素ボンベなどの重機材を背負って10分間泳ぎ続ける「全装備泳法」などを実施した。
その後は要救助者の救助、物品を捜索するなどの事案詳細を記した封筒を引き、それぞれのケースに応じて各消防署が実践的に取り組む「スクーバ潜水による想定訓練」も行われた。
(2019年7月19日付紙面より)
後誠介さんが防災の心得など講話 (環境問題研究会 )
環境問題研究会(植松晴孝会長)の7月例会が17日夜、新宮市の井の沢隣保館であった。和歌山大学災害科学教育研究センター客員教授の後誠介さんが「想定外の豪雨災害に備える」をテーマに講話。災害原因や防災の心得などについて話した。
後さんは2011年9月に発生した紀伊半島大水害から8年が経過すると述べ、▽あっという間に避難できなくなる!▽避難するタイミングは?▽新宮市街地の弱点は?▽紀伊半島大水害3つの不思議?―の4項目に分けて話した。報道などでは「あっという間に避難できなくなった」といった被災者の声が多いとし、その共通点について紀伊半島大水害時の那智勝浦町での聞き取りや当時の記録などを参考に解説した。
那智勝浦町市野々地区の魚の首橋上流付近では、午前2時の段階で寝る準備をしていたが2時15分に外の音が変化し激しく波打ち水位が急上昇、緊急避難した。車で通過した2時30分過ぎに県道が80㍍崩壊したという。
魚の首橋下流側では、わずか40分足らずで家に孤立したとし「土砂で河川が浅くなったり流木が引っかかったことにより水位が急上昇した。土砂災害が破局的な災害を招く」と話した。
植生などによって維持されている森の保水力には限界があると主張し、限界を超えると斜面崩壊が発生、流出する土砂とともに樹木が破壊力を増大させると述べた。短時間の集中豪雨や長時間の連続降雨、遮水帯の存在する地盤などを限界をもたらす原因であるとし、紀伊半島では山間部で土砂災害警戒情報が出たときには下流で洪水の危険性が高いと説明。「土砂災害警戒情報が出たら避難するタイミングの最終段階」と呼び掛けた。
新宮市街地においては旧熊野大橋付近が標高10・5㍍、池田付近8・1㍍、王子ヶ浜の市道9・4㍍に対し、新宮高校前交差点が標高4・8㍍、元蓬莱小学校南側3・7㍍、第一王子橋西付近が3・2㍍と、内陸側の標高が低く、かつては低湿地が広がっていたと解説。水はけの悪い土地であり、土石流を起こしやすい火成岩体であると述べた。
深層崩壊などの大規模崩壊地と土石流発生地の分布を地図で示し、「大規模崩壊は北向き斜面で多発。崩壊・土石流は南向き斜面で多発した。紀伊半島大水害時、雨量が最も多かった北山川上・中流域では崩壊の規模と頻度は低かった」。数千年前に地震が多発していた付加体が現在の紀伊半島を形成しているとし、大規模崩壊が起こりやすい要因であると説明した。
(2019年7月19日付紙面より)
串本JFCの2チーム (串本町 )
串本ジュニアフットボールクラブ(串本JFC、植芝満代表)の2チームが16日、田嶋勝正町長に県大会を突破して関西大会や近畿地区予選へ進出したことを報告し激励を受けた。
串本JFCが県大会を勝ち抜いて上位大会に進出するチームを輩出したのは、2年前の第3回JCカップU―11少年少女サッカー大会近畿地区予選以来。
今回は6年生主体チーム(北川大志キャプテン)が第13回オークワカップWTV小学生サッカー大会兼第43回県小学生サッカー選手権大会で3位になり、日本ハムカップ関西少年大会(9月7、8日に大阪府堺市のJグリーンで実施)の出場権を獲得。5年生主体チーム(嶋﨑立晟キャプテン)が第5回JCカップU―11少年少女サッカー大会の県予選で優勝して近畿地区予選(7月27日に奈良県橿原市の公苑陸上競技場で実施)の出場権をつかみとり、二重の躍進で串本JFCの関係者らに歓喜をもたらしている。
報告は田嶋町長を表敬訪問する形であり、竹田伸監督や岡村環統括コーチと2チームの選手計22人が出席。代表して北川キャプテンは「初めての関西大会なので一勝でも多く勝てるよう頑張る」。嶋﨑キャプテンは「目標は全国大会に出場すること」とそれぞれに意気込みを示した。
田嶋町長は選手一人一人に得意な事柄を聞き、「フィールドに立つ8人それぞれの得意が合わさって一つの力になり、この成績に結びついたと思う。個人が頑張れば、チーム全体の力はさらに上がる。チームも個人も両方大事にして挑み、いい成績を出してまた報告にきてほしい」と述べて健闘を期待した。
(2019年7月19日付紙面より)
熊野川流域対策連合会が総会 (新宮市 )
熊野川流域対策連合会(会長=田岡実千年新宮市長)は17日、新宮市役所別館で総会を開いた。関係者ら約100人が出席する中、本年度事業計画など4議案を審議し全て承認した。
本年度事業計画は▽国および3県など関係機関との熊野川流域に関する協議を推進▽関係機関への要望活動の実施▽熊野川流域の調査研究―など。予算は125万2000円(前年比18万6000円増)。
冒頭、田岡会長は九州では記録的な大雨により、196万人に避難指示・避難勧告が出たと述べ「全国的に大雨による被害が報道されており、改めて自然の驚異を思い知らされる。治山治水、濁水問題など、熊野川の課題が残される中、流域全体で一致団結し、一日も早い諸課題の解決に向けて取り組むことが大切」と協力を求めた。
顧問の濱口太史・和歌山県議会議員が「地域にとって心のよりどころである熊野川の自然と安全を取り戻す取り組みを、一丸となって訴えていきたい」とあいさつした。
議事終了後、電源開発㈱西日本支店が、要望に対する回答や、ダム運用と情報伝達の改善、熊野川の濁水長期化軽減対策などを報告した。二津野ダムのバイパストンネル設置計画について、計画を進める上で土砂の流下がダム下流に及ぼす影響を調査するために今冬から置土試験を実施すると説明。濁水改善や生物、魚類の生息環境の多様化などの効果が期待されるとした。
また、活動内容の共有や地域との積極的なコミュニケーションを図ることなどを目的に「地域広報グループ」を設置したことを報告。広報ツールの作成や地元自治体への配布、ダムを活用した地域おこしイベントの企画や実行などの活動をしていくと説明した。
閉会に当たり、副会長の西田健・紀宝町長が「多くの課題があるが、意見を募りながら要望活動を続けていきたい」とあいさつした。
同連合会は和歌山、三重、奈良3県の熊野川流域14市町村の首長や議長らで組織。新宮川水系の汚濁防止など現状改善に関すること、および地元水資源の利用などについて必要な事業を行うことを目的に活動している。
(2019年7月19日付紙面より)
サッカー、バレーボール
くじらに出会える海水浴場 (太地町 )
太地町の名物の催しである「くじらに出会える海水浴場」の準備に向けて町立くじらの博物館(林克紀館長)は6月30日、くじら浜海水浴場でハナゴンドウ2頭の搬入作業を実施した。28日に搬入予定だったが低気圧接近に伴い、延期となっていた。この日も雨天での海上移送となったが、職員ら8人が協力しスムーズに作業を進めた。
展示期間は7月8日(月)から8月19日(月)まで。午前11時と午後1時の2回(約15分間)、いけすから開放される。
クジラの近くで泳ぐことができる人気の催しは2008年から始まり12回目となる。
搬入されたのは飼育展示6回目の参加となる雌のサツキ(体長291㌢、推定体重309㌔、推定10歳)と初参加で雄のネモ(262㌢、推定体重208㌔、推定4歳)。午前6時30分に2頭を担架に乗せ、ボートにくくり付けて同館を出発した。森浦湾を経由し午前7時15分ごろに海水浴場に到着。網いけすに搬入した。その後、職員から餌をもらった2頭はいけす内を泳ぎ回り、ジャンプするなど元気な姿を見せた。
同館学芸員で飼育員の稲森大樹さん(34)は「海水浴場内の網いけすでの飼育展示は来場者がクジラと一緒に泳げ、同じ空間を共有できる非常に珍しい催しとなっている。隣接するくじらの博物館もあり、あちらでもクジラをたくさん見ることができるので合わせてご利用いただければ」と語った。
(2019年7月2日付紙面より)
井関クラブで追悼キャンドル作り (那智勝浦町 )
那智勝浦町井関の那智谷大水害遺族会の追悼式でともすキャンドル作りが6月29日、同地区の井関クラブであった。地元の町立市野々小学校の児童や町内外から、約40人が参加した。
キャンドル作りは、2011年9月の紀伊半島大水害で中学校の同級生を亡くした井上絵里香さん(22)が中心となり続けている。今年も井上さんと有志らの「水害のことを忘れないために、思いを込めてキャンドルを作りませんか」との呼び掛けに、親子連れらが集まった。
子どもたちは卵の殻や紙コップに溶かしたろうを入れ、色とりどりに着色。均一に注ぎ口をくり抜いた卵の殻は、同町朝日のお菓子工房エストが用意した。地域住民からはたこ焼きや焼きそばが振る舞われた。
作業前には防災士の久保榮子さんが、ウサギの着ぐるみを着て子どもたちに「逃げ足の速いウサギのように早めの避難を」と強調し、手作りの紙芝居などで自身の被災経験を話した。
友達数人と一緒に新宮市から参加した北美空ちゃん(6)は初めてのキャンドル作りに挑戦。同伴した保護者らは「参加する前に子どもたちに水害のことを話しました。追悼の気持ちを込めたいと思います」と話した。
大分県から駆け付けた井上さんは「毎年の皆さんの参加がうれしいです」と感謝していた。
(2019年7月2日付紙面より)
地震津波タイムライン検討会 (紀宝町 )
紀宝町は6月29日、町生涯学習センターまなびの郷で「地震津波タイムライン」検討会の発足式を開催。地震津波を想定した国内初の事前行動計画「タイムライン」の作成に向けた取り組みが動き出した。
町では、2014年2月に風水害を対象としたタイムラインを国内で初めて策定し、これまで25回発動した。今回は地震津波に対応するタイムラインで、近い将来、発生が危惧される南海トラフ地震への対策として本年度末の策定を目指す。
地震津波発生後の各段階で「いつ」「誰が」「何を」するのか事前行動を定めるもので、今後、4回の検討会を計画。町民防災会議の各ブロック会議で地域の対策や対応などを抽出し、タイムラインに盛り込む。
策定後は訓練などでタイムラインを活用し、絶えず見直して改善を図ることで地震津波発生時の人的、物的被害の最小化、迅速な復旧・復興を目指す。
発足式には約230人が出席。西田健町長が「災害時は町だけで皆さんの命を守ることはできない。地域の皆さんが一緒になって災害への備えに取り組まないといけない。全国的にタイムライン活用の動きがあり、紀宝町がモデル的なシステムとなり、各自治体で活用していただきたい」とあいさつした。
南海トラフ地震の発生確率は30年以内に70~80%といわれ、町内では震度5以上が想定されている。津波は10㍍を超え、到達時間は30分以内と想定されている。
これらの被害に備え、町ではハード面として高台や貯水施設の整備などに取り組んでいる。ソフト面の観点からタイムラインを策定する。
(2019年7月2日付紙面より)
熊野三山で茅の輪くぐり
熊野三山で6月30日、「夏越大祓式(なごしおおはらえしき)」が営まれ、大勢の参拝者たちが「茅(ち)の輪くぐり」で半年間のけがれをはらい清め、夏を元気に過ごせるようにと祈った。
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)では、老若男女100人以上が参列。手渡された人形(ひとかた)と呼ばれる人の姿をかたどった紙に息を3回吹きかけてけがれを移し、神職に全国から寄せられた人形と一緒に唐櫃(からひつ)に納めてもらいおはらいを受けた。
続いて参拝者たちは、唐櫃を担いだ神職やみこの後に続いて境内に設けられた茅の輪(直径約2㍍)を八の字に3回くぐった。上野宮司は「梅雨のさなかだが雨もやみ、神事を執り行うことができた。こうやって古来からの神事に参加していただくことは大事なこと」とあいさつ。最先端な時代においてはおろそかにされがちだが、日本の文化を伝えていくことは大切と述べ「残りの半年も元気で過ごされますよう」と願いを込めた。
この儀式は12月31日(大晦日=おおみそか=の大祓)と年2回営まれている。「水無月(みなづき)の夏越のはらいする人は 千歳の命のぶというなり」という古歌がある。3歳で母を亡くした俳諧師、小林一茶(1763~1828年)は「母のぶん も一つくゞる 茅の輪かな」と詠んでいる。
(2019年7月2日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部
近畿高校選手権 (新宮高校レスリング部 )