新型コロナウイルスの影響で (熊野市 )
全国で新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、熊野市の七里御浜海岸で8月17日に開催予定だった「熊野大花火大会」の中止が決まった。戦後初の中止で、17日に市文化交流センターで会見した花火実行委員会の中平孝之委員長は「協賛者や現場の学生ボランティアなど多くの方々に協力を頂き運営してきたが、全国に緊急事態宣言が出されたことを鑑み、つらい決断をした」と語り、苦渋の選択であったことを明かした。
政府が出した「緊急事態宣言」の対象地域が全国に拡大されるなど、新型コロナの終息が見通せないことから、近隣市町の状況や花火師の準備を踏まえ実行委員会で判断した。追善供養は例年通り8月17日に行う予定だという。
中平委員長は「市民からも多くの問い合わせがあったが、実行委員会で協議し、異論なく全会一致で決定した。こんな形で中止となり、市民の皆さんも残念だと思う」。一方で「来年は最高の花火大会にしたい」と語った。
大会本部長の河上敢二市長は「つらい決断をしてもらった。市としても今年の中止はやむを得ないと考え、実行委員会の判断を尊重している。ご理解とご協力をお願いしたい」と述べた。市ではホームページを含めて広報紙などで情報発信する。
熊野大花火は初盆供養として江戸時代から始まり、300年以上の歴史と伝統を誇る。全国屈指の花火大会として知られ、昨年は熊野古道世界遺産登録15周年と令和への改元を記念する打ち上げ花火や、呼び物の海上に直径600㍍の半円を描く「三尺玉海上自爆」、フィナーレの鬼ヶ城大仕掛けなど色とりどりに夜空を覆う花火が観衆を魅了した。
昨年は高波の影響で26日に延期となったが8万人(主催者発表)が来場した。例年、17万~18万人が訪れ、今年は20万人の観客を予想していた。
(2020年4月19日付紙面より)
たばこ組合新宮支部 (那智勝浦町 )
和歌山県たばこ商業組合新宮支部(塩崎伸一支部長)は16日、那智勝浦町の体育文化会館周辺で清掃活動に取り組んだ。
会員13人はマスクを身に着け、会員同士の距離を取るなどコロナ対策をしながらごみ拾いに汗を流した。
清掃活動は同組合女性部(大谷敏子部長)を中心にたばこのポイ捨て禁止や、未成年者の喫煙防止などの呼び掛けを目的に実施。寒さの厳しい2月と猛暑の8月を除き、年間25回ほどのペースで取り組んでいる。
会員らはオレンジ色のそろいのユニフォームを身に着け、のぼりを掲げながら同館敷地内やその周辺の歩道などでたばこの吸い殻やさまざまなごみを拾い、町内の美化に努めた。
大谷部長は「コロナの感染拡大を考慮し、参加者は予防対策をしています。体調が優れない方には休んでいただいた」。
塩崎支部長は「近年、マナーも良くなっているため、町もきれいになったと思う。今後も吸い殻だけじゃなく、ほかのごみもしっかり拾ってきれいにしていきたい」と語った。
次回の清掃は新宮市の黒潮公園を予定しているという。
(2020年4月19日付紙面より)
王子ヶ浜小で布マスク作り (新宮市 )
新宮市立王子ヶ浜小学校(山本眞也校長、児童342人)で16日、布マスク作りがあった。5、6年生が自分の好きな形や布を選んでマスクを縫った。
必要なマスク数を確保するため、2学期の内容を繰り上げて実施。家庭科の「生活を豊かにソーイング」の一環で、家庭科専科の亀井郁子教諭が教えた。
6年1組では5時間目に四角型、プリーツ型、立体型のマスクの形や特徴を学び、6時間目に作り始めた。
亀井教諭は「5年生は針を持つのが初めての子もおり、玉結びや波縫いからスタートした。6年生はミシンと手縫いの両方で作れたらと思っている。初めは苦手でできないと言っていた子も、縫い始めたら楽しいと言ってくれた。家族の分も縫ってほしい」と話していた。
(2020年4月19日付紙面より)
くじらの博物館で供養祭 (太地町 )
太地町立くじらの博物館(林克紀館長)で2日、飼育中に死亡した鯨類や魚類などの冥福と飼育動物の長生きを祈る供養祭が営まれた。館内にある供養碑前で順心寺の関雄峰住職が読経を行い、職員約30人が静かに手を合わせた。
供養祭は同館が開館した1969年4月2日の記念日に合わせ、41年前から毎年行っている。供養碑前にはサバ、ニシン、ホッケ、花が供えられた。
同館には現在、鯨類がコビレゴンドウ、オキゴンドウ、ハナゴンドウ、バンドウイルカ、カマイルカ、スジイルカ、マダライルカ、カズハゴンドウ、シワハイルカの9種35頭おり、クエなどの魚類48種275匹、ミズクラゲなど無脊椎動物16種202匹を飼育展示している。また、ハナゴンドウのシロ(推定24歳)が飼育年数19年目と最も長いという。
本年度より副館長となった稲森大樹さんによると、「今年は死亡数が少なかった。水温が暖かったことが、動物にとって良かったかもしれない」と説明した。
林館長は「コロナウイルスがまん延しないように、それにより閉館しないように祈った。職員には不要不急の外出を控え、自覚や責任を持って行動してほしいと伝えた。新しい副館長を若い皆さんで支え合って一年間乗り切ってほしい」。
「初心に帰り、動物に異常ないか健康管理など観察をしっかりと行うなど、基本を大切にしてストレスないように飼育していきたいと思う」と話した。
(2020年4月3日付紙面より)
ベテスタと備蓄用パンの供給協定 (太地町 )
南海トラフ大地震など大規模災害の発生に備えて太地町は3月27日、同町役場で社会福祉法人ベテスタ(李在一(リ・ジェイル)理事長)=三重県松阪市=と災害時における食料供給に関する協定を結んだ。これにより、被災時には同法人が製造する備蓄用缶詰パンが優先的かつ速やかに町へ届けられる。
同法人は障害者支援施設「こいしろの里」を開設し、2000年から施設入所や生活介護事業など幾つかの支援に取り組んでいる。缶詰パンもその一環として、就労継続支援B型事業所で製造している。5年間の長期保存ができるそうだ。昨年12月6日には、那智勝浦町とも同様の協定が結ばれている。両町とも松阪市に本店を置く第三銀行が仲介し、締結が実現した。
締結式には漁野洋伸副町長、森尾伸総務課長、李理事長、第三銀行営業本部の清水久史地域振興課長、山本浩櫛田支店長、橋本勇紀勝浦支店長ら合わせて10人が出席。李理事長(60)は「知的障害があってもパン製造で社会に貢献でき、施設利用者の皆さんは喜んでいる。感謝以外ありません」と喜び、町総務課の下津公広主幹(47)は「缶詰パンは長く置けるし、コストダウンになる。備蓄数も増やしたい」と話した。
(2020年4月3日付紙面より)
入社式開き新入5人迎える (串本福祉会 )
串本町や古座川町の多くの事業所が1日、新年度を迎えた。串本町二色にある社会福祉法人串本福祉会(和田利文理事長)は地元の串本古座高校新卒者を含む新入職員5人を迎えて入社式を営み、理念や社是を共有して第一歩を踏み出した。
同法人は昨年度、同校魅力化プロジェクト関係で3年次選択科目「介護福祉」の外部講師を担当。130時間相当の授業や実習をし、介護職員初任者研修の修了者を育てた。同校からはそのうちの3人と未履修の1人が同法人への就職を希望し、本年度は5人を新規採用するに至ったという。
式は完成間もない特別養護老人ホームにしき園本館1階ホールで、新型コロナウイルスの感染予防対策を講じながら実施。和田理事長は同法人の沿革と理念や行動規範を伝え、とりわけ笑顔を大切にして利用者の気持ちに寄り添い、串本福祉会の職員として親しまれるよう頑張ることを期待しながら辞令を交付。新入職員を代表して宮下清流(きよら)さん(18)は「未熟な社会人一年生でまだまだ分からないこともありますが、笑顔で心を込めた処遇に努めるという経営理念を忘れず精いっぱい頑張りたい」と決意を述べて応えた。
同法人各施設の管理職あいさつを経て、和田吉男施設長は団塊の世代の後期高齢者入りに伴う近い将来の人材不足が懸念される中で5人の新入職員を迎えられたことに歓喜。自身が感じている介護職の職業観と理念を実現するために職員が意識している心構え「一灯照隅(いっとうしょうぐう)」の意味を説き、「それぞれの立場を照らして全体を明るくする、その一員になってほしい」と励まして入社を歓迎した。
(2020年4月3日付紙面より)
「じゃばらいず北山」がスタート (北山村 )
北山村の特産品であるじゃばら事業のさらなる発展と地域づくりに寄与することを目的に昨年10月29日に設立した「じゃばらいず北山」(池上輝幸代表取締役社長)が1日、民営化しスタートを切った。所在地は同村下尾井。資本金3000万円(同村が出資)。18人の従業員で、じゃばらのさらなるブランド価値の向上を図っていく。
同村のじゃばらは、1982(昭和57)年にパイロット事業をスタートさせた。当時は赤字産業だったが2001(平成13)年度の花粉症のモニター調査を機に売り上げが増加。地域づくりの成功事例としてたびたび紹介されるまでに成長した。19年度の売り上げは約4億7000万円を見込んでいる。
新会社名に込められた意味は「じゃばらが飛び立っていく、じゃばらは北山村のもの」。昨年9月の公募により決定した。今後はじゃばらのブランド化をより進めるために▽収穫量増加のため作付面積の拡大▽都市部の百貨店などでの取扱店舗の拡大▽よりおいしい、より機能性を追求した新商品の開発▽自社加工場でHACCP(ハサップ)の衛生管理導入▽大学と提携し機能性の研究調査▽ECサイトでの通販事業の拡大―などに取り組んでいく。
また、来年秋の完成に向け同村七色に新工場の建設を予定しており、一層の生産性や安全性の向上を図っていく。
設立に当たり、池上社長は「今までは予算や雇用制約などがあり動きが取りにくい部分があったが、民営化によって解消されるのでは」と期待を寄せる。
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、書き入れ時である3月の売り上げが減少。「荒波からのスタートとなりそう」としながらも、「波はあるとは思っているがみんなで協力して乗り切っていきたい。じゃばらは村の経済にとって大きな柱。高品質で安心安全、家族みんなで楽しめる『北山のじゃばら』を届けていけたら」と意気込みを語った。
同社では設立を記念し、希釈タイプの皮入りじゃばらドリンク「北山村のじゃばらこまき」(500㍉㍑、税別1800円)を数量限定で販売している。インターネット(https://kitayama-jabara.jp)や電話(0120・928・933)で注文できる。限定品のため、なくなり次第終了。
(2020年4月3日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部
新宮ジュニアレスリングクラブ代表・中川真一さん
官公庁で辞令交付式
官公庁で1日、辞令交付式があり、新年度がスタートした。熊野地方の各自治体の首長たちは、昇任した幹部職員や新規採用職員らを前に「地域活性化のために一丸となって職務に」などと奮起を促した。
新宮市では、田岡実千年市長が課長以上の管理職員、医療職、新規採用職員などと分けて人事発令通知書を一人一人に手渡した。幹部職員には「極めて厳しい時期ではありますが、全ての職員が一致団結し、課題に向き合いまちづくりを推進していかなければならない。そのためには皆さんのリーダーシップが何より重要」と訓示。
新規採用職員には「現場はあなた方の斬新な発想と、活気に満ちあふれた熱意を心待ちにしている」と激励し「大きな志を存分に発揮し、新宮市を元気なまちにしていきましょう」と呼び掛けた。
新規採用職員を代表して宣誓書を読み上げたのは、就職氷河期世代の新規採用者である金澤愛さん(42)。昨年、同市は県内の市では初の取り組みとして、就職氷河期世代を対象に職員を追加募集していた。
金澤さんは地元新聞社員を経て、市臨時職員や社協、市嘱託職員として勤務。職員試験に合格し、このたび正職員として採用となった。「嘱託職員の時に引き続き税務課での勤務になるが、正職員としてより踏み込んだ仕事ができれば」と意気込みを見せ、「市民の皆さんに分かりやすく、親しみの持てる税務行政を」と新年度の誓いを新たにした。
(2020年4月2日付紙面より)
生徒にイースターを紹介 (ECC古座・串本教室 )
ECCの古座教室(北本淑鈴指導員)と串本教室(名田真佐美指導員)が3月29日、串本町古座にある消防団拠点施設でイベント「イースターパーティー」を開いてネーティブとのコミュニケーションや慣習「イースター(イエス・キリストの復活祭)」に親しむ機会を生徒に提供した。
このイベントは、培った英会話を生かして英語圏の文化に触れ感性を高めることが狙い。両教室が連携するのは2007年のイベント「ハロウィンパーティー」以来で、内容を準備する中でECCの県スピーチコンテスト審査員を務めるニュージーランド人、マシュー・ビッグスさん(通称・マット先生)をゲストに迎えることになったという。
ビッグスさんは約16年にわたって県内に定住し、幼児教育を本業として生活している。両教室はネーティブと交流できる貴重な機会だが、昨今の新型コロナウイルス感染拡大抑止の観点で大人数を集められないことも考慮。普段は認めている一般参加を今回に限り見合わせ、ビッグスさんの得手を踏まえて教室生徒の乳幼児~児童のみに呼び掛ける制限をしつつ参加を呼び掛けた。
当日は乳幼児~児童9人とその保護者5人が参加。窓を開けて換気を保ちながら開会し、ビッグスさんは自己紹介を経て色をテーマにした紙芝居やミニゲームで子どもと交流。その後に慣習「イースター」を紹介し、イースターエッグのイラストを着色して貼ったカードを作る形で文化の一端を体験するなどした。
名田指導員は「日本ではクリスマス(イエス・キリストの生誕祭)がよく知られているが、イースターはまだまだ知られていない。対の文化としてこの機会に関心を持ってくれれば」と参加者の今後を期待。北本指導員は「マット先生の力で幼い子どもさんにも英語の楽しさがしっかりと伝えられれば」と願って参加者とビッグスさんのコミュニケーションの後押しに努めていた。
(2020年4月2日付紙面より)
東正寺で子ども坐禅会 (紀宝町鵜殿 )
紀宝町鵜殿の醫王山(いおうさん)東正寺(とうしょうじ、片野晴友住職)で、春休み恒例の「子ども坐禅(ざぜん)会」が開かれている。
春休み中の子どもたちに規律正しい生活を送ってもらおうと39年前から毎年行われている。新年度が始まった1日には学年が一つ上がった小学生4人、中学生1人が参加した。
雨の中、午前7時から始まり、ラジオ体操で体をほぐした後、坐禅堂に入堂した。合掌、互いに礼をしてから壁に向かって座り、約20分の坐禅を行った。
坐禅後は本堂でお経をあげた。片野住職は「信仰を基盤とした青少年の健全育成を願って、毎年、春休み期間中に行っています。今年は新型コロナウイルスの影響で休校措置が取られている。子どもたちの生活リズムが狂わないよう、早寝早起きを心掛けてほしい」と話していた。
保育所年長児から通い、本年度から中学生になる榎本健志君(12)は「中学校では勉強と部活を頑張りたい」と笑顔を見せていた。
子ども坐禅会は坐禅堂や本堂の換気、アルコール消毒など新型コロナ感染防止対策を取りながら5日(日)まで行われる。午前7時から8時までで、対象は小中学生。会費は無料。
(2020年4月2日付紙面より)
利便性を考慮し運用開始 (那智勝浦町 )
那智勝浦町のJR那智駅前やその周辺にあった3カ所のバス停留所(以降、バス停)が1日、「道の駅なち」に統合され運用が開始となった。地域住民や外国人観光客の利便性・安全性の向上を目的に整備したもので、民間と町営バスの円滑な利用が期待される。
これまで那智駅舎前に熊野御坊南海バス那智山線と町営バス色川線・太田線が、国道42号を挟んで熊野御坊南海バス新勝線のバス停があった。国道は車両の通行も多く危険であることや、外国人観光客からバス停の利用が分かりにくいなどの意見があったという。
各公共交通機関や国土交通省、和歌山県などで構成される「熊野外国人観光客交通対策推進協議会」の作成したガイドに従い、町はバス停を「道の駅なち」への1本化を検討。そのためには道の駅の駐車場を区画整備する必要があるため、町は県観光交流課と共に管轄元となる国へ要望活動を行い今日に至った。
同町観光企画課は「バスや列車の交通拠点となる那智駅の整備を行った。民間や町営のバスを地元や観光客の方々に、より一層利用していただけたら幸いです」と話している。
(2020年4月2日付紙面より)